JP4283961B2 - 塗布液供給方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布液供給装置の曲面状塗工媒体に塗布液を供給するための装置に関し、詳しくは、その塗布液供給装置として用いられる密閉型のドクターチャンバーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、塗布液を被塗工物に均一転写するには、上面が開放したパンに塗布液を満たし、これに表面に多数の微細な凹部(セル)を形成した印刷版胴(曲面状塗工媒体)を浸漬し、回転させながら表面にドクターを接触させてセル内の塗布液以外の余分な塗布液を除いた後、セル内の塗布液を被塗工物に転写する方法が採用されている。
【0003】
ところが、上記の開放型の塗布液供給装置には種々の問題がある。具体的には曲面状塗工媒体への塗工方法としてグラビア方式があるが、例えば特開平1−257050号公報では、パン内の塗布液を曲面状塗工媒体で汲み上げる方式であるため塗布液が飛散しやすく、この塗布液の飛散は加工物や周囲を汚してしまう。また塗布液中に気泡が発生し、この気泡を含む塗布液の使用によって塗工面にはスジ状や点状の塗工むらが生じ、品質低下を招く。しかも一旦発生した泡は容易に消えることがない。
さらに、開放型の塗布液供給装置は、塗布液供給部が開放されているため、塗布液の溶媒が揮発したりして、塗布液の劣化や作業環境の悪化をもたらす。
【0004】
かかる開放型の塗布液供給装置の欠点を解消するものとして、密閉型の塗布液供給装置が、特許第2578077号公報、特許第2690277号公報等に提案されている。この密閉型塗布液供給装置を本明細書では「ドクターチャンバー」と呼ぶことにする。ところが、ここに開示されている装置においては、塗布液は一方の側面から供給され、他方の側面から排出されるが、ドクターチャンバー内には回転円柱体(曲面状塗工媒体)の回転により渦をなす液流ができ、そして、この渦流下では一旦、曲面状塗工媒体に付いた液が戻され再び塗布液として使われたり、渦により泡が生じやすくなり、その泡のために塗工面にスジ状や点状の塗工むらを生じ、品質が低下したりする問題がある。
【0005】
もっとも、特開平8−58069号公報に記載された密閉型の塗布液供給装置によれば、上記の問題点はかなり解決される。
この装置における塗布方式は、ドクターチャンバーと曲面状塗工媒体とで塞がれた空間を形成し、この空間に塗布液が満たされた状態で曲面状塗工媒体に塗布液を供給するというものであり、空間に満たされた塗布液は正圧になっているのが前提である。
だが、空間に満たされた塗布液に大気圧以上の圧力が加えられているため、塗布装置の側面や曲面状塗工媒体とドクターチャンバーのドクター又はシールプレートとの隙間から液もれが発生するという不具合がある。
加えて、この装置においても、供給側の液と排出側の液とが混ざり合うため、液劣化や汚濁した排出側の液によりドクターチャンバー内の塗布液の劣化や汚濁を招くという問題も残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗布液の固化や劣化や汚濁がなく、また装置からの液もれも泡の発生、塗工面におけるスジ・ムラの発生もない塗布液供給方法および装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、曲面状塗工媒体に塗布液を供給する塗布液供給装置であって、該曲面状塗工媒体の軸方向にわたって配置された密閉型のドクターチャンバー(2)内のドクター(3)とシールプレート(4)との間に、塗布液の水平液面(7)が形成され、その水平液面(7)の液圧が大気圧と等しく、かつ供給側の液流路にラビリンス構造体を有するものであり、塗布液は供給側の液流と排出側の液流を形成し、かつ両液流が混ざり合わないものであり、前記両液流は、曲面状塗工媒体の回転により、塗布液の粘性と、曲面状塗工媒体と液の濡れ性により、前記水平液面(7)より上方に塗布液が持ち上げられ、かつ消費される液量に応じた塗布液を供給口から供給することにより生じる定常流であることを特徴とする塗布液供給装置が提供される。
【0008】
第二に、前記ラビリンス構造体が遮へい板を1枚以上互い違いに設けたものであることを特徴とする上記第一に記載の塗布液供給装置が提供される。
【0009】
第三に、前記ラビリンス構造の隙間の最小距離が0.1〜15mmであることを特徴とする上記第一または第二に記載の塗布液供給装置が提供される。
【0010】
第四に、前記曲面状塗工媒体が凹部を有する印刷版胴であり、前記塗布液供給装置が凹版印刷機であることを特徴とする上記第一〜三のいずれかに記載の塗布液供給装置が提供される。
【0011】
第五に、前記塗布液を供給側液流と排出側液流とに分ける仕切り板をドクターチャンバー内部に有することを特徴とする上記第一〜四のいずれかに記載の塗布液供給装置が提供される。
【0012】
第六に、前記の曲面状塗工媒体表面と仕切り板との最短間隔が0.1〜15mmであることを特徴とする上記第五に記載の塗布液供給装置が提供される。
【0013】
第七に、前記のドクターと曲面状塗工媒体表面との接触位置と、前記仕切り板の最高部位置との距離が、30mm以下であることを特徴とする上記第五又は第六の塗布液供給装置が提供される。
【0014】
第八に、上記第一〜七のいずれかに記載の塗布液供給装置を、前記曲面状塗工媒体の軸方向にわたってかつその表面に対向して配置し、塗布液の供給を行うことを特徴とする塗布液供給方法が提供される。
【0015】
第九に、前記塗布液供給装置を該曲面状塗工媒体の軸方向に揺動させながら塗布液の供給を行うことを特徴とする上記第八に記載の塗布液供給方法が提供される。
【0016】
本発明でいう「曲面状塗工媒体」はそれ自体が被塗工物で最終製品となるものである場合と、塗布液を被塗工物に転写し塗工物(最終製品)を得る際の仲立ちとして使用する場合がある。曲面状塗工媒体は実質的には一般的な円筒素材、長尺の素材、ウエブや印刷版胴などのことであり、印刷版胴の具体例としてはグラビアロール等の凹版ロールがあげられる。特にグラビアロールは通常印刷画像部が版胴面より凹型に彫り込まれているため、添付した各図面に示したようにドクター3がグラビアロール1(曲面状塗工媒体)に当接していても不都合はない。
また、本発明でいう「塗布液」とは、インクの他、サーマルペーパーの塗布液、熱転写リボンのインク層塗布液、磁気記録体の記録層塗布液など情報記録用材料の塗布液を含むものである。また、被塗工物となるのは紙、PETフィルム又はシート等である。
【0017】
本発明によれば、塗布液面を上部のドクターと下部のシールプレートとの間に(より正確には、ドクターと曲面状塗工媒体との接点と、シールプレートと曲面状塗工媒体との接点との間に)位置させ、曲面状塗工媒体の回転によって塗布液流(供給側液流〜塗布液膜〜排出側液流)を形成させることによって、曲面状塗工媒体に一旦接した液が供給側液へ混入するのを防ぎ、かつ、塗布液面がドクターチャンバー内に常にあるため液が正圧にならず、従って液漏れの生じることがない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に従いながらさらに詳細に説明する。
図1は本発明に係るドクターチャンバーによって曲面状塗工媒体のセルに塗布液を供給する様子を表している。図中、2は密閉型ドクターチャンバーを形成する構造体、3はドクター、4はシールプレート、10は塗布液の供給口、11は塗布液の排出口である。ドクター3及びシールプレート4は弾性体でつくられている。8は供給側液流の方向、9は排出側液流の方向、12は塗布液流(塗布液膜)、13は空間、14は塗布液である。また、19aは複数箇所に湾曲部を有するラビリンス構造体である。曲面状塗工媒体の軸方向にわたってかつその曲面状塗工媒体に対向して設けられたドクターチャンバーの内部でドクター3及びシールプレート4と曲面状塗工媒体の表面1との接点5、6間に液面7が存在するという例である。この液面7の存在によって、水平液面7自体は大気圧と常に等しくなり、それより上位にある塗布液の液圧は大気圧よりやや低くなるため、装置からの液もれが生じるといったトラブルは防止される。
【0019】
本発明においては、塗布液については供給側の液流と排出側の液流とが混ざり合わないようにしている。
これは曲面状塗工媒体の回転の速さ、塗布液の粘性などにより、適度の供給側液流と適度の排出側液流を形成させることによって行うことができる。排出側液流の出口は、確実に供給側液流と混ざらないように、筒状体(曲面状塗工媒体)表面の全幅にわたり複数設置されていることが好ましい。この供給側液流と排出側液流が混ざり合わないようにすることによって、仮りに泡の発生があっても再び供給側液流に混入することはなく、また塗布液の汚濁がなくなり塗工むらのような事態が阻止される。更にまた、本発明の塗布液供給装置は密閉型であるため、塗布液の劣化が起こらないことは言うまでもない。
【0020】
また本発明においては、供給側の液流供給を曲面状塗工媒体の軸方向で均一にする為、供給口10よりも通過断面積が狭く、迷路構造を有するラビリンス(迷路)構造体を有している。これにより出口が絞られ、液は横方向に広がり均一な液供給が可能となる。上記構造にすることにより、曲面状塗工媒体の巾が長い場合でも、巾方向にほぼ均一な液供給が可能となり、液量不足による塗布ムラ発生はない。
【0021】
図2においてはチャンバー内の液面7を確実に存在させること、供給側液流8と排出側液流9を強制的かつ完全に分離させることのために、仕切り板18設けている。曲面状塗工媒体の表面1と仕切り板18との最短間隔(m)は0.1〜15mmくらいが好ましい。m<0.1mmであると液のくみ上げ量が不足する可能性があり、m>15mmであるとドクター3でかき落された一部の液が再び供給側の液流に戻る可能性がある。また、ドクター3と曲面状塗工媒体の表面1と、接触位置5の高さと仕切り板18の最高部位置との距離(n)は30mm以下に設定することが好ましい。n>30mmであると、安定した塗布液流(水平面より上の塗布液膜)が形成できなくなる。なお、この距離(n)のところは、空気に暴露されているので、この部分が長くなると塗布液中の溶媒の揮発が多くなり、乾燥、固化、劣化が生じてくる。
図2は、ラビリンス構造体19bが供給側の液流部に遮へい板を互い違いに流れ方向に何重にも重ねて設けた構造の一例を示すものである。図1の複雑な構造に対しシンプルで、遮へい板20を増やす事も容易にできて、筒状体の巾が長くとも均一な液供給が可能となる。
【0022】
ラビリンス構造は、その隙間(d)の最小距離が0.1〜15mmに設定することが好ましい。隙間の最小距離が0.1mm未満になると液供給量不足になりがちであり、15mmを超えると筒状体の巾が長い場合、部分的に液供給できなくなるおそれが生じ、塗工の均一化の効果が乏しくなる。
【0023】
図3は液面7をより確実に制御するためにフロート式の液面センサ16を設けた例である。ここには液面センサ16が2個ついているが、これは両者の間に液面を制御するのに好ましい。フロート式センサの利点は、光学的センサでは検知し難い透明な塗布液の場合でも着色センサと同様に検知できることである。また、着火源となるセンサの電気回路を遠ざけることができる。
このフロート式の液面センサの代りに、超音波反射式の液面センサ17を使用でき、これにより装置の簡略化ができるとともに、光センサ方式において光吸収が強く検知困難な着色された塗布液にも対応できる。
【0024】
図4はチャンバードクター2の側面に設けられるサイドシール15の概念図を示したものである。サイドシール15は、図4に示したように、チャンバードクター側面からの液もれを防止する為に、側面の形に沿って形成されているのが好ましい。更にサイドシールの曲面状塗工媒体と接する部分にスポンジ等の弾性材料が付けたされていてもよい。サイドシール15は導電性の材料でできているのが望ましく、例えば、鉄、アルミなどの金属の他、プラスチック、弾性材料例えばスポンジ、ゴム等に導電材を添加したもの等も使用可能である。サイドシール15の厚みは5〜20mmが適当である。
【0025】
特に、サイドシール15は表面抵抗値が1×107Ω以下のものが良好で、例えばカーボン練込みのポリウレタンやポリエチレンなどの樹脂成型物が良い。表面抵抗値が1×107Ωを超えると、静電気発生の可能性があり危険である。また、サイドシール15は、見掛け密度0.06g/cm3〜0.20g/cm3のものがよく、カーボン練り込みのポリエチレンフォーム(樹脂を発泡した素材、例えばスポンジ)などが特に好ましい。見掛け密度が0.06g/cm3より低いと強度が落ち、逆に、0.20g/cm3より高いと固い為にシール材としての密着性が劣り、曲面状塗工媒体を傷つけ、さらに液もれの原因となる。
【0026】
図5はドクターチャンバー2の排出口11が水平に対して液の自由落下による排出機能が実現でき、吸引手段が不要で速く排出することができるものの例である。
排出角度αは10°〜80°が好ましい。10°より低いとチャンバー内に発生した泡を排出しにくく、80°を超えると排出効率は良くなるが、排出側液流の流速が高くなり、液ストックタンク内での泡の発生を招く。
また、排出口11の断面積を供給口10の断面積よりも大きくする事により、排出効率を高める構造とする事ができる。
【0027】
図6は経時による塗布液流れの形成過程(a→b→c)を表したものである。(a)は静止時の状態であり、(b)は塗布液が充填されはじめると共に曲面状塗工媒体が回転しはじめた状態であり、(c)は供給側液流、塗布液膜、排出側液流の定常流が形成された状態を示している。
曲面状塗工媒体の回転により、塗布液の粘性と、曲面状塗工媒体と液の濡れ性等により塗布液は持ち上げられ塗布液膜の流れを形成し、ドクター3での掻取り後排出側液流となり排出口より排出される。
消費される液量に応じた塗布液を供給口から供給すると、全流れは滞りがなく定常流となり、これで塗布を行なう。なお、ここで排出口11の断面積を供給口10の断面積より大きくしておくことにより、排出口内に空間ができ、ここで生じた泡は開放される。分離された排出側液流をフィルタ等に通すことにより液を清浄化することができる。
【0028】
図7は軸方向(長手方向)で見たドクターチャンバーの背面図であり、供給口と排出口の配置の一例を示している。
排出経路の排出口11の穴は、図7に示したように、排出側の液を確実に排出するために、複数個が曲面状塗工媒体の全幅にわたり設置されていることが好ましいが、曲面状塗工媒体の全幅にわたってスリット状に設けられていてもよい。
供給口10の穴は曲面状塗工媒体の全幅に渡って複数個設けられていてもよいが、図7に示すように1個であっても良く、また1個の方が製造が容易である。
【0029】
上記の装置を用いて曲面状塗工媒体の表面1に塗布液が供給されるが、その際、この塗布液供給装置を曲面状塗工媒体の軸方向に揺動させながら、塗布液を供給することにより行われてもよい。曲面状塗工媒体の表面1に対し、塗布液供給装置を軸方向に揺動させることにより、ドクター3の欠けや傷で発生した塗布スジムラを1ケ所に集中させることなく、みかけ上均一な地合い(塗布面の均一性)にすることができる。
曲面状塗工媒体の凹部(セル)に充填された塗布液は▲1▼そのまま乾燥されて最終製品である塗工物とされるか、あるいは、▲2▼図示されていない被塗工物上に転写される。この転写は曲面状塗工媒体と図示されていない圧胴との間に被塗工物を通すことにより行なう。なお、前記▲1▼の場合は、曲面状塗工媒体は表面にセルが形成されているものの他、必要に応じて、セルが形成されていないもの(ウエブ等)も用いられてよい。
【0030】
【発明の効果】
(1)請求項1および4の発明によれば、塗布液の溶媒の揮発による外気の汚染、塗布液の固化・劣化がなく、塗布液の漏れもなく、泡の発生、塗布スジ・ムラもなく、また供給側液流と排出側液流との混じり合いがないため、液劣化がなく、さらにラビリンス構造体を配置したことにより塗布液が均一に供給され、従って作業環境は良好で、良質の塗工物が得られる。
(2)請求項2の発明によれば、ラビリンス構造体を遮へい板を互い違いに設けた構造にしたことにより、より均一な液供給が行なえる。
(3)請求項3の発明によれば、ラビリンス構造の隙間の最小距離を0.1〜15mmにしたことにより、良好な状態で塗布液を供給することができる。
(4)請求項5〜7の発明によれば、塗布液の供給側液流と排出側液流とに分ける仕切板を設け、その仕切板の設置場合を特定したことにより、液面を望ましい位置にすることができ、より良好な塗工が行なえる。
(5)請求項8及び9の発明によれば、良好な塗布液供給が行なえ、良質の塗工物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布液供給装置を用いて、曲面状塗工媒体に塗布液を供給している様子を表した図である。
【図2】本発明の他の塗布液供給装置を用いて、曲面状塗工媒体に塗布液を供給している様子を表した図である。
【図3】本発明の他の塗布液供給装置を用いて、曲面状塗工媒体に塗布液を供給している様子を表した図である。
【図4】本発明の塗布液供給装置のサイドシールを説明するための図である。
【図5】本発明のさらに他の塗布液供給装置を用いて、曲面状塗工媒体に塗布液を供給している様子を表した図である。
【図6】図6(a)(b)(c)は塗布液供給装置の静止時から運転されるまでの過程を説明するための図である。
【図7】本発明におけるドクターチャンバーの塗布液供給口と塗布液排出口との背面での位置関係の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 曲面状塗工媒体(グラビアロール等)の表面
2 ドクターチャンバー構造体
3 ドクター
4 シールプレート
5 接点
6 接点
7 液面
8 供給側液流
9 排出側液流
10 供給口
11 排出口
12 塗布液流(塗布液膜)
13 空間
14 塗布液
15 サイドシール
16 液面センサ(フロート式)
17 液面センサ(超音波反射式)
18 仕切り板
19a、19b ラビリンス構造体
20 遮へい板

Claims (9)

  1. 曲面状塗工媒体に塗布液を供給する塗布液供給装置であって、該曲面状塗工媒体の軸方向にわたって配置された密閉型のドクターチャンバー(2)内のドクター(3)とシールプレート(4)との間に、塗布液の水平液面(7)が形成され、その水平液面(7)の液圧が大気圧と等しく、かつ供給側の液流路にラビリンス構造体を有するものであり、塗布液は供給側の液流と排出側の液流を形成し、かつ両液流が混ざり合わないものであり、前記両液流は、曲面状塗工媒体の回転により、塗布液の粘性と、曲面状塗工媒体と液の濡れ性により、前記水平液面(7)より上方に塗布液が持ち上げられ、かつ消費される液量に応じた塗布液を供給口から供給することにより生じる定常流であることを特徴とする塗布液供給装置。
  2. 前記ラビリンス構造体は、遮へい板を1枚以上互い違いに有するものであることを特徴とする請求項1記載の塗布液供給装置。
  3. ラビリンス構造の隙間の最小距離が0.1〜15mmであることを特徴とする請求項1または2記載の塗布液供給装置。
  4. 曲面状塗工媒体が凹部を有する印刷版胴であり、塗布液供給装置が凹版印刷機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布液供給装置。
  5. 塗布液を供給側液流と排出側液流とに分ける仕切り板をドクターチャンバー内部に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗布液供給装置。
  6. 曲面状塗工媒体表面と仕切り板との最短間隔が0.1〜15mmであることを特徴とする請求項5記載の塗布液供給装置。
  7. ドクターと曲面状塗工媒体表面との接触位置と、仕切り板の最高部位置との距離が、30mm以下であることを特徴とする請求項5又は6記載の塗布液供給装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の塗布液供給装置を曲面状塗工媒体の軸方向にわたってかつその曲面状塗工媒体表面に対向して配置し、塗布液の供給を行うことを特徴とする塗布液供給方法。
  9. 塗布液供給装置を曲面状塗工媒体の軸方向に揺動させながら塗布液の供給を行うことを特徴とする請求項8記載の塗布液供給方法。
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