JP4283407B2 - 軽量盛土構造の構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、傾斜地における硬質発泡ウレタンの現場発泡による軽量盛土構造の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、軟弱地盤、急傾斜地での盛土、構造物の裏込め等の軽量盛土材料として、現場発泡による硬質発泡ウレタン、発泡ポリスチレンのブロック及び両者の併用が使用されている。特に、傾斜地においては、土砂や砕石等を用いて盛土を形成すると、盛土に一体性がないため、水平方向に大きな土圧が発生する問題があるので、上記のような軽量な発泡体を用いて盛土を形成し、これを一体化することにより大きな水平方向の圧力を発生させないようにしている。また傾斜地に発泡ポリスチレンのブロックを敷設するためには、傾斜地底部を整地するとともにブロックと傾斜面の間に発生する空間に砕石等を充填する必要があり、これらの作業のために工期が長くなる。従って、傾斜地においては大がかりな整地作業の必要のない硬質発泡ウレタン原液による現場発泡を用いた軽量盛土が数多く採用されるようになった。従来より、このような硬質発泡ウレタンによる軽量盛土において、水の浸入を防止するため及び圧縮強度を維持するために、住宅等の断熱材として用いられるような独立気泡率の高い硬質発泡ウレタンが用いられている。
【0003】
しかしながら、前記発泡ウレタンによる盛土においては、独立気泡率が高いため透水性がほとんどなく、傾斜地の盛土においては、傾斜地側に地下水の排水のための排水シート等の敷設が必要であった。さらに排水シートは、一般に20mm厚さ以上の不織布等が使用されるが、凹凸のある傾斜地に不織布を密着させるには、杭やロックボルト等で固定しなければならず、やはり工期が長くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に硬質発泡ウレタンは、住宅等の断熱工事に使用されるものであり、断熱性維持のため独立気泡率が高くなるように硬質ウレタン原液の配合が調整され、前記原液を吹付け等で発泡させることにより得られる硬質発泡ウレタンは、通常、圧縮強度150N/cm2以上となるので、盛土の材料としても使用されている。そして、この独立気泡率を低くしていけば透水性が発現するのであるが、同時に圧縮強度も低下してしまうという問題を有している。そこで、本発明者は、独立気泡率の低い透水性を有する硬質発泡ウレタンを、特定の部位にのみ使用するのであれば全体の盛土強度に影響を与えないことを見いだし本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、傾斜地の盛土において、排水シートを使用しなくても、充分な排水機能を有する硬質発泡ウレタンによる軽量盛土構造の構築方法を提供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明の軽量盛土構造の構築方法は、擁壁と傾斜地との間に、独立気泡率の低い硬質発泡ウレタンと独立気泡率の高い硬質発泡ウレタンとが充填されてなる軽量盛土構造の構築方法であって、傾斜地の底部や傾斜地に、独立気泡率の低い硬質発泡ウレタン原液を吹付けて0.1〜0.3mの厚さの硬質発泡ウレタンを形成し、前記硬質発泡ウレタンと擁壁とで囲まれた場所に、独立気泡率の高い硬質発泡ウレタン原液を吹付けて硬質発泡ウレタンを形成し、このような一連の作業を繰り返すことを特徴とする。また、請求項2記載の軽量盛土構造の構築方法は、前記請求項1記載の構成に加え、前記独立気泡率の低い硬質発泡ウレタンは、独立気泡率が3〜15%であり、前記独立気泡率の高い硬質発泡ウレタンは、独立気泡率が85%以上であることを特徴とする。
【0006】
本発明では、傾斜地のより湧き出てくる地下水を外部に排水させるために傾斜地の底部及び傾斜地のほぼ全面にわたって独立気泡率の低い、好ましくは独立気泡率3〜15%の硬質発泡ウレタンを使用する。独立気泡率15%超では、充分な排水機能が得られない傾向にあり、独立気泡率が3%未満であると、硬質発泡ウレタンの圧縮強度が低下し、盛土全体の強度低下を招く虞がある。また、残りの空間に配置される独立気泡率の高い、好ましくは独立気泡率85%以上の硬質発泡ウレタンは、充填する盛土の大部分に使用するものであり、盛土全体の強度は、前記硬質発泡ウレタンによって決定される。すなわち前記硬質発泡ウレタンの独立気泡率を85%未満とすると必要な盛土強度を得られない傾向にある。なお、独立気泡率は、ASTMD−2856に基づいて測定されるものである。
【0007】
独立気泡率の低い硬質発泡ウレタンの厚さは、適宜決定されるものであるが、盛土強度が低下する虞があるのであまり厚くしない方が良いし、また、あまり薄すぎると地下水を充分排水できなくなる虞があるので0.1〜0.3m程度が好ましい。
【0008】
用意する硬質ウレタン発泡原液としては、独立気泡率の高い種類の硬質発泡ウレタンを得るには、糖や脂肪族ジアミン等を原料とし、ポリプロピレンオキサイドやポリエチレンオキサイドを付加してできるポリエーテルポリオールに、整泡剤、発泡剤、触媒、及びその他の助剤を添加したものを用いることができる。独立気泡率の低い種類の硬質発泡ウレタンを得るには、前記のポリオール成分に連通剤を添加する方法などを用いる。これらのポリオール成分と、MDIやポリメリックMDI等のポリイソシアネート成分を発泡装置を用いて混合することによって独立気泡率の高い又は低い種類の硬質発泡ウレタンを形成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の軽量盛土構造の構築方法を図面に基づき説明する。尚、本発明の硬質発泡ウレタンの形成は、住宅等の現場断熱工事に用いられる発泡装置が使用できる。図1に本発明の軽量盛土構造1を示す。この軽量盛土構造の構築方法の例としては、まず図2(a)に示すように、傾斜地の底部4や傾斜地11に、独立気泡率が低くなるように配合した硬質発泡ウレタン原液を、作業がし易い高さまで吹付けて0.1〜0.3mの厚さの硬質発泡ウレタン2を形成し、次に図2(b)に示すように、前記硬質発泡ウレタン2と擁壁10とで囲まれた場所に、独立気泡率が高くなるように配合した硬質発泡ウレタン原液を、吹付け及び注入して硬質発泡ウレタン3を形成する。そして図2(c)に示すように、傾斜地に、独立気泡率が低くなるように配合した硬質発泡ウレタン原液を、再び作業がし易い高さまで吹付けて0.1〜0.3mの厚さの硬質発泡ウレタンを形成し、図2(d)に示すように、前記硬質発泡ウレタンと擁壁とで囲まれた場所に独立気泡率が高くなるように配合した硬質発泡ウレタン原液を、再び吹付け及び注入して硬質発泡ウレタンを形成する。このような一連の作業を繰り返すことにより図1に示すような軽量盛土構造を完成させることができる。
【0010】
【発明の効果】
本発明の軽量盛土構造の構築方法によれば、設置に手間のかかる排水シートを使用しなくても、傾斜地から湧き出てくる地下水を排水することができる。また、本発明の軽量盛土構造の構築方法は、硬質ウレタン発泡原液の配合を2種類準備して、傾斜地側のほぼ全面にわたって独立気泡率の低い配合の原液を吹付け、残りの空間に独立気泡率の高い配合の原液を吹付けることによって簡単に得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽量盛土構造の説明図。
【図2】本発明の軽量盛土構造の構築方法の説明図。
【符号の説明】
1 軽量盛土構造
2 独立気泡率の低い硬質発泡ウレタン
3 独立気泡率の高い硬質発泡ウレタン
4 傾斜地の底部
6 排水パイプ
7 コンクリート板
9 作業者
10 擁壁
11 傾斜地
Claims (2)
- 擁壁と傾斜地との間に、独立気泡率の低い硬質発泡ウレタンと独立気泡率の高い硬質発泡ウレタンとが充填されてなる軽量盛土構造の構築方法であって、
傾斜地の底部や傾斜地に、独立気泡率の低い硬質発泡ウレタン原液を吹付けて0.1〜0.3mの厚さの硬質発泡ウレタンを形成し、
前記硬質発泡ウレタンと擁壁とで囲まれた場所に、独立気泡率の高い硬質発泡ウレタン原液を吹付けて硬質発泡ウレタンを形成し、
このような一連の作業を繰り返すことを特徴とする軽量盛土構造の構築方法。 - 前記独立気泡率の低い硬質発泡ウレタンは、独立気泡率が3〜15%であり、前記独立気泡率の高い硬質発泡ウレタンは、独立気泡率が85%以上であることを特徴とする請求項1に記載の軽量盛土構造の構築方法。
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