JP4283385B2 - N段伸縮ブームにおける同時伸縮機構 - Google Patents

N段伸縮ブームにおける同時伸縮機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、4以上の偶数であるN本のブームを有したN段伸縮ブームにおいて2段目以降の各ブームを同時に伸縮せしめ得るようにした同時伸縮機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7及び図8には、従来の4段同時伸縮ブームが示されている(例えば特開昭63−258395号公報)。この従来の4段同時伸縮ブームは、基端ブーム111と2段目ブーム112間に伸縮シリンダ102を介在させるとともに、基端ブーム111と3段目ブーム113とに2段目ブーム112の先端に設けたシーブ124を介して第1伸縮用ワイヤロープ123を張設し、2段目ブーム112と先端ブーム114とに3段目ブーム113の先端に設けたシーブ126を介して第2伸縮用ワイヤロープ125を張設し、2段目ブーム112の基端部と先端ブーム114とに2つのシーブ150,160を介して縮小用ワイヤロープ106を張設している。
【0003】
縮小用ワイヤロープ106は、一端106aを2段目ブーム112の基端部に止着した状態で、シーブ160、シーブ150にそれぞれ巻掛けた後、他端106bを先端ブーム114の基端部に止着させている。従って、この縮小用ワイヤロープ106は、2つのシーブ150,160間に1.5回巻掛けられている。
【0004】
そして、この従来の4段同時伸縮ブームでは、伸縮シリンダ102を伸長させると、図7に示すように、基端ブーム111に対して2段目ブーム112が伸長し、且つ各伸縮用ワイヤロープ123,125により3段目ブーム113及び先端ブーム114が同時に伸長せしめられる。他方、ブーム伸長状態から伸縮シリンダ102を縮小させると、図8に示すように、基端ブーム111に対して2段目ブーム112が縮小し、且つ縮小用ワイヤロープ106、各伸縮用ワイヤロープ123,125により3段目ブーム113及び先端ブーム114が同時に縮小せしめられる。
【0005】
尚、5段以上の同時伸縮ブームでは、その増加段数に応じて縮小用ワイヤロープ106を巻掛けるシーブの数を増やし、該増加シーブに縮小用ワイヤロープ106を巻掛ける。又、ブームが5段以上で奇数段使用した場合には、縮小用ワイヤロープ106を所定個数のシーブに巻掛けた後、その一端106aを基端ブーム111に固定した長尺サポート103の先端付近に止着させる。
【0006】
ところで、この種の伸縮ブームを使用したクレーン車や高所作業車においては、過負荷による転倒を防止するための過負荷防止装置(いわゆるAML)を備えている。このAMLには、伸縮ブームに加わるモーメントを演算するための1つの要素である伸縮ブームの長さデータが入力されるが、この伸縮ブームの長さはブーム長さ検出器で求められる。図7及び図8の従来例では、ブーム長さ検出器107として、基端ブーム111の基端部に取付けたコードリール171から延出させたコード172の先端を2段目ブーム112の基端部に止着し、基端ブーム111に対する2段目ブーム112の伸縮長さS(伸縮シリンダの伸縮ストロークと同じ)をコード172の繰出し長さによって計測するようにしたものが採用されている。そして、該コード172の繰出し長さ(例えばコードリール171の回転量)に関する信号に基いてAML内で演算することで伸縮ブーム全体の長さを求めるようにしている。尚、図7及び図8の4段同時伸縮ブームでは、伸縮シリンダ102の伸縮ストロークに対して伸縮ブームがその3倍長さだけ伸縮するようになっている。
【0007】
又、この種の伸縮ブームを使用したブーム作業機の中には、例えばブーム先端部に作業者搭乗用のバスケットやマニピュレータ等を備えたものがあるが、これらのブーム作業機では、電線や油圧ホース等を基端ブーム111の基端側から先端ブーム114の先端部まで導く必要がある。ところで、電線や油圧ホース等を基端ブーム基端側から先端ブーム先端部まで導く場合、従来では一般にコードリールやホースリールを使用し、電線や油圧ホース等を基端ブーム111側から各ブームの側面に設けたガイドに案内させて先端ブーム114の先端部まで導いていた。又、電線では、基端ブーム111から2段目ブーム112まではケーブルベア等で接続し、2段目ブーム112より先側は縮小用ワイヤロープ106の掛け回しと同様に配線して先端ブーム114の先端部まで導いたものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図7及び図8に示す従来の4段同時伸縮ブームでは、次のような問題があった。まず、この伸縮ブームは伸縮シリンダ102によって伸縮せしめられるが、そのときブーム長さ検出器107のコード172は伸縮シリンダ102の伸縮長さ(例えばS)だけ繰出しあるいは巻戻しされ、その分、1回当たりのコードリール171の回転量が多くなる。従って、該コードリール171の損耗度が大きくなるという問題がある。
【0009】
又、電線や油圧ホース等を基端ブーム基端側から先端ブーム先端部まで導く場合、従来では一般にコードリールやホースリールを使用しているが、この場合、ロータリジョイントを必要とするので部材(コードリールやホースリール)のコストが高くなる。さらに、該電線や油圧ホース等を基端ブーム111側から各ブームの側面に設けたガイドに案内させて先端ブーム114の先端部まで導いているので、作業時に該電線や油圧ホース等が他の構造物に干渉するおそれがあるとともに、見栄えが悪くなるという問題があった。尚、電線の場合は、基端ブーム111から2段目ブーム112まではケーブルベア等で接続したものもあるが、この場合もケーブルベア等のコストが高くなる。
【0010】
本願発明は、上記した従来の問題点に鑑み、特に4以上の偶数であるN本のブームを有したN段伸縮ブームにおいて、伸縮ブームの同時伸縮機構を、伸縮ブームの長さ検出をする際、あるいは電線や油圧ホースをブーム基端部からブーム先端部まで導く際等に有効利用し得るようにすることを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、4以上の偶数であるN本のブームを有したN段伸縮ブームにおいて基端ブームに対して2段目ブームを伸縮シリンダで伸縮せしめることにより3段目以降の各ブームを同時に伸縮せしめ得るようにした同時伸縮機構を対象にしている。3段目ブーム以降の各ブームは、それぞれ伸長用ワイヤロープ及び縮小用ワイヤロープにより2段目ブームと同時に伸縮せしめ得るようになっている。尚、本願において、Nは4以上の偶数であり、例えば4、6、8等である。
【0012】
この請求項1の同時伸縮機構には、N段伸縮ブームの縮小動作系として、長尺材であってその基端部が基端ブームの基端部に固定され且つ先端部が基端ブーム先端部付近に達する長さの第1サポートと、第1サポート先端部と基端ブーム基端部との間でブーム伸縮方向に移動可能に設置した第2サポートと、第1サポート先端部に設けた(N/2−1)個のシーブと、第2サポートに設けたN個のシーブと、2段目ブームの基端部に設けた(N/2−1)個のシーブと、第1縮小用ワイヤロープと、第2縮小用ワイヤロープとを備えている。尚、4段伸縮ブームでは、第1サポート先端部に設けたシーブ、及び2段目ブームの基端部に設けたシーブはそれぞれ1個であり、第2サポートに設けたシーブは4個である。又、6段伸縮ブームでは、第1サポート先端部に設けたシーブ、及び2段目ブームの基端部に設けたシーブはそれぞれ2個であり、第2サポートに設けたシーブは6個である。尚、8段以上(偶数段)の伸縮ブームでは、該ブーム段数に応じて各部分におけるシーブ数を上記条件に合わせて設定する。
【0013】
そして、第1縮小用ワイヤロープは、その一端を基端ブーム基端部に止着した状態で第2サポートの(N/2)個のシーブと2段目ブーム基端部の(N/2−1)個のシーブに対して順次巻掛けた後、第1縮小用ワイヤロープ他端を2段目ブーム基端部に止着させるようにして張設している。従って、この第1縮小用ワイヤロープは、第2サポートのシーブと2段目ブーム基端部のシーブ間において(N/2)の2倍の本数が介在している。
【0014】
他方、第2縮小用ワイヤロープは、その一端を第1サポート先端部に止着した状態で第2サポートの(N/2)個のシーブと第1サポート先端部の(N/2−1)個のシーブに対して順次巻掛けた後、第2縮小用ワイヤロープ他端を先端ブームの先端部に止着させるようにして張設している。この第2縮小用ワイヤロープも、第2サポートのシーブと第1サポート先端部のシーブ間において(N/2)の2倍の本数が介在している。
【0015】
第2サポートは、伸縮ブームの全縮状態における、第1サポート先端部のシーブ位置からブーム基端側に伸縮シリンダの最長伸縮ストロークの(N−1)/Nの長さよりやや長い間隔をもった位置において、第1縮小用ワイヤロープと第2縮小用ワイヤロープによって緊張状態で位置保持されている。
【0016】
尚、上記説明において、各ブームの基端部あるいは先端部という表現は、当該各部に固定された他の部材の当該部位に相当する場所を含むものである。例えば、第1縮小用ワイヤロープの一端が止着されている基端ブーム基端部は第1サポートの基端部でもよく、又第1縮小用ワイヤロープの他端が止着されている2段目ブーム基端部、及び2段目ブームの基端部に設けたシーブは、それぞれ当該部分に固定された伸縮シリンダのチューブのトップ部でもよい。
【0017】
この請求項1の同時伸縮機構では、伸縮シリンダを伸縮させると、該伸縮シリンダによって基端ブームに対して2段目ブームが直接伸縮せしめられ、それに伴って3段目ブーム以降の各ブームが伸長用ワイヤロープあるいは第1及び第2の各縮小用ワイヤロープによって同時に伸縮せしめられるが、そのとき、第2サポートの各シーブに第1縮小用ワイヤロープと第2縮小用ワイヤロープが上記条件で巻掛けられているので、該第2サポートが伸縮シリンダの伸縮ストロークの(N−1)/Nの長さだけ正確に伸縮シリンダの伸縮方向と同方向に移動するようになる。従って、伸縮シリンダの伸縮ストロークをSとすると、第2縮小用ワイヤロープの移動できる長さが、S(N−1)/N×N=S(N−1)となってN段伸縮ブームにおける2段目ブーム以降の各ブームの移動量分を確保できる。
【0018】
ところで、このように伸縮シリンダの伸縮ストロークSに対して、第2サポートが伸縮方向と同方向に正確にS(N−1)/Nだけ移動するようにしておくと、この第2サポートの移動量を利用してN段伸縮ブームの全長を計測することができる。この場合、基端ブームの基端部内にコードリール式のブーム長さ検出器を設置し、該コードリールからのコードの先端を第2サポートに止着させておく。このようにしておくと、伸縮ブームの伸縮時において、コードリールからのコードは伸縮シリンダの伸縮ストロークより短い長さ、即ち、S(N−1)/Nの長さだけしか繰出し又は巻戻しされなくなり、その分、コードリールの回転量を少なくできる。尚、従来のように、伸縮ブームの長さをコードリール式のブーム長さ検出器で計測するのに、2段目ブームの伸縮長さを基にして行うものでは、本願よりコード繰出し(又は巻戻し)長さが長くなり、その分、1回の伸縮作動当たりコードリールの回転量が多くなる。
【0019】
又、この請求項1の同時伸縮機構において、第2縮小用ワイヤロープとして、将来的にはワイヤロープの中心部に電線を通した電線内蔵ワイヤロープを使用することができる。その場合は、別の電線を基端ブーム基端部から第1サポートに沿わせて該第1サポートの先端部まで導いておき、該電線の先端部と上記電線内蔵ワイヤロープの電線基端部とを接続させるようにする。又、電線内蔵ワイヤロープの先端部からは、そのワイヤロープ部分の先端より電線を延出させて、例えば伸縮ブーム先端部に取付けられる作業者搭乗用バスケット等に給電し得るようにすることができる。このようにすると、伸縮ブームであっても、コードリールを使用することなく一定長さの電線でブーム基端部からブーム先端部(例えばバスケット)に給電できる。
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明は、請求項1のN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構において、第2サポートは第1サポートをガイドとして移動させるようにしており、第1サポートを第2サポートのガイドとして有効利用し得るようにしている。
本願請求項3の発明
本願請求項3の発明は、請求項1又は2のN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構において、第1サポートと第2縮小用ワイヤロープを配設した経路とに沿って、基端ブーム基端部と先端ブーム先端部との間に電線あるいは油圧ホース等の一連の索体を張設している。即ち、該索体は、基端ブーム基端部から第1サポートに沿わせて該第1サポートの先端部まで導き、さらに第1サポート先端部から第2縮小用ワイヤロープの経路(第1サポート先端部から各シーブに巻掛けた後、先端ブームの先端部まで導いている)に沿って先端ブームの先端部まで導いている。尚、上記索体には、電線や油圧ホースの外に、光ケーブルも採用可能であることは勿論である。
【0020】
ところで、この種の多段伸縮ブームを使用したブーム作業機として、ブーム先端部に作業者搭乗用のバスケットやマニピュレータを備えたものがあるが、このようなブーム作業機では、電線や油圧ホース等の索体を基端ブームの基端部側から先端ブームの先端部まで導く必要がある。
【0021】
本願請求項3の同時伸縮機構では、上記請求項1で説明したように、第1サポートが基端ブーム基端部から基端ブーム先端部付近に達する長さを有し、且つ第2縮小用ワイヤロープが第1サポートの先端から各シーブを介して先端ブーム先端部まで張設されている。そして、電線や油圧ホース等の索体を、第1サポートと第2縮小用ワイヤロープを配設した経路とに沿って基端ブーム基端部と先端ブーム先端部との間に張設しておくと、伸縮ブームが伸縮しても索体として一定長さのものを使用することができる。即ち、索体は、第2縮小用ワイヤロープと同様に各シーブに巻掛けた状態で張設し、且つシーブを取付けている第2サポートがブーム伸縮方向に移動して伸縮ブームの長さ変動を吸収するので、伸縮ブームが伸縮しても索体が第2縮小用ワイヤロープと同様に何ら支障なく追従するようになる。
【0022】
このように、本願請求項3によれば、電線や油圧ホース等の索体を伸縮ブーム内を通して設置でき、しかも該索体をコードリールやホースリールあるいはケーブルベア等を使用することなく設置できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本願実施形態のN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構を説明する。尚、本願では、N段伸縮ブーム1として、特に4以上の偶数であるN本のブームを伸縮自在に連続させたものを対象にしている。又、以下の説明において、Nは4以上の偶数であり、例えば4、6、8等である。
【0024】
図1〜図5に示す第1実施形態では、伸縮ブーム1として4本のブーム、即ち基端ブーム11と2段目ブーム12と3段目ブーム13と先端ブーム14をブーム長さ方向に伸縮自在に連続させたものを採用している。尚、他の実施形態では、伸縮ブーム1として、4本以上であって例えば6本、8本等の偶数本のブームで構成したものを使用できる。
【0025】
第1実施形態の伸縮ブーム1は、基端ブーム11と2段目ブーム12間に介在させた伸縮シリンダ2で、基端ブーム11に対して2段目以降の各ブーム12,13,14を同時に伸縮させ得るようになっている。
【0026】
伸縮シリンダ2は、そのチューブ21のトップ部をピン21aで2段目ブーム12の基端部12aに固定する一方、ロッド22の先端をピン22aで基端ブーム11の11aに固定している。又、基端ブーム11の基端部11aと3段目ブーム13の基端部13a間には、伸縮シリンダ2のチューブ21のテール部に設けたシーブ24を経由して第1伸長用ワイヤロープ23を張設している。さらに、基端ブーム11の先端部11bと3段目ブーム13の先端部13b間には、3段目ブーム先端部13bのシーブ26及び先端ブーム基端部14aのシーブ27をそれぞれ経由して第2伸長用ワイヤロープ25を張設している。そして、この伸縮ブーム1は、伸縮シリンダ2を伸長させると、基端ブーム11に対して2段目ブーム12が伸長するのに伴って、第1伸長用ワイヤロープ23及び第2伸長用ワイヤロープ25の各張力で3段目ブーム13及び先端ブーム14がそれぞれ伸縮シリンダ2の伸長ストロークSづつ同時伸長するようになっている。尚、第2伸長用ワイヤロープ25は、後述するように伸縮シリンダ2の縮小作動時において、先端ブーム14が縮小することにより3段目ブーム13を同時に縮小させる機能も有している。
【0027】
他方、伸縮ブーム1の縮小動作系は、基端ブーム11内においてブーム伸縮方向に向けて設置した第1サポート3と、該第1サポート3の先端部3bと基端ブーム11の基端部11aとの間でブーム伸縮方向に移動可能に設置した第2サポート4と、第1サポート3の先端部3bに設けた(N/2−1)個のシーブ60と、第2サポート4に設けたN個のシーブ51,52,61,62と、2段目ブーム12の基端部12a(図示例では伸縮シリンダ2のチューブ21のトップ部)に設けた(N/2−1)個のシーブ50と、第1縮小用ワイヤロープ5と、第2縮小用ワイヤロープ6とを有している。尚、この実施形態では、縮小作動系を構成する各シーブ60,51,52,61,62,50及び各縮小用ワイヤロープ5,6は、図3に示すように左右に2系統備えている。
【0028】
第1サポート3は、この実施形態では、例えば口径が150mm程度の角パイプ材で、基端ブーム11の全長よりやや短い程度の長尺材が採用されている。そして、この第1サポート3は、基端ブーム11内において伸縮ブーム1の伸縮方向と平行で、第1サポート基端部3aを基端ブーム基端部11aに固定して取付けている。従って、この第1サポート3の先端部3bは、基端ブーム先端部11b付近まで達している。尚、伸縮ブーム1の縮小時には、図1に示すように先端ブーム14が第1サポート3の外周に被さるようになっている。
【0029】
第2サポート4は、上面部と左右両側面部を有する断面門型で600〜700mm程度の長さを有している。そして、この第2サポート4は、スライドプレートを介して第1サポート3にガイドされていて、該第1サポート3に沿ってブーム伸縮方向に移動可能に設置されている。
【0030】
この第1実施形態では、4段伸縮ブーム1を採用している関係で上記Nが4であり、従って1つの縮小作動系につき、第1サポート先端部3bのシーブ60及び2段目ブーム基端部12a(シリンダチューブ21のトップ部)のシーブ50はそれぞれ1個であり、第2サポート4に設けたシーブ51,52,61,62は4個となる。尚、左右2つの縮小作動系の各シーブ及び各縮小用ワイヤロープは、相互に同構造となっているので、以下、一方の縮小作動系についてのみ説明する。
【0031】
第2サポート4の各シーブ51,52,61,62は、それぞれ第2サポート4の側面に取付けている。又、該第2サポート4の各シーブのうちの第1縮小用ワイヤロープ5が巻掛けられる2つのシーブ51,52は、同径のものを第2サポート4の基端部側において同軸上に取付けている。他方、第2縮小用ワイヤロープ6が巻掛けられる2つのシーブ61,62は、直径の異なる2種類のものを使用し、小径側シーブ61が第2サポート4の先端部側で大径側シーブ62が第2サポート4の長さ方向中央部に位置するように取付けている。尚、他の実施形態では、第2縮小用ワイヤロープ6が巻掛けられる2つのシーブ61,62も、第1縮小用ワイヤロープ5が巻掛けられる2つのシーブ51,52と同様に同径のものを同軸上に並設してもよい。
【0032】
そして、第1縮小用ワイヤロープ5は、その一端5aを基端ブーム基端部11a(図示例では第1サポート3の基端部3a)に止着した状態で、第2サポート4の一方のシーブ51、2段目ブーム基端部12a(伸縮シリンダのチューブ21のトップ部)のシーブ50、第2サポート4の他方のシーブ52に順次巻掛けた後、第1縮小用ワイヤロープ他端5bを2段目ブーム基端部12a(伸縮シリンダのチューブ21のトップ部)に止着させるようにして張設している。従って、この第1縮小用ワイヤロープ5は、第2サポート4の各シーブ51,52と2段目ブーム基端部12a側のシーブ50間において4本掛け回されている。
【0033】
他方、第2縮小用ワイヤロープ6は、その一端6aを第1サポート先端部3bに止着した状態で、第2サポート4の小径シーブ61、第1サポート先端部3bのシーブ60、第2サポート4の大径シーブ62に順次巻掛けた後、第2縮小用ワイヤロープ他端6bを先端ブーム14の先端部14bに止着させるようにして張設している。従って、この第2縮小用ワイヤロープ6も、第2サポート4の各シーブ61,62と第1サポート先端部3bのシーブ60間において4本掛け回されている。
【0034】
第2サポート4は、図1に示す伸縮ブーム1の全縮状態において、第1サポート先端部3bのシーブ60の位置からブーム基端側に伸縮シリンダ2の最長伸縮ストロークの(N−1)/N(図示例では3/4)の長さよりやや長い間隔をもった位置において、第1縮小用ワイヤロープ5と第2縮小用ワイヤロープ6によって緊張状態で位置保持されている。
【0035】
そして、この実施形態の同時伸縮機構では、図1に示すブーム全縮状態から伸縮シリンダ2を伸長させると、図5に示すように、該伸縮シリンダ2及び各伸長用ワイヤロープ23,25により2段目ブーム以降の各ブーム12,13,14が同時に伸長していく。又、そのとき、先端ブーム14が伸長することにより、第2縮小用ワイヤロープ6の先端6bが前方に引っ張られ、それによって第2サポート4が第1サポート3に沿って前方に移動せしめられる。尚、このとき、第1縮小用ワイヤロープ5の先端5bは2段目ブーム基端部12aに止着されているので、2段目ブーム12が伸長する(伸縮シリンダ2の伸縮ストロークSだけ伸長する)ことにより、第1縮小用ワイヤロープ5の長さに余裕ができて第2サポート4の前方移動を許容する。又、ブーム伸長状態から伸縮シリンダ2を縮小させると、2段目ブーム12が縮小することにより、まず第1縮小用ワイヤロープ5の張力で第2サポート4を後退させ、続いて該第2サポート4の後退動作で第2縮小用ワイヤロープ6に張力が発生して先端ブーム14を縮小させ、さらに第2伸長用ワイヤロープ25に張力が発生して3段目ブーム13も縮小させるようになる。
【0036】
このように、第1縮小用ワイヤロープ5及び第2縮小用ワイヤロープ6をそれぞれ上記条件で配設していると、伸縮シリンダ2の伸縮作動に伴って、第2サポート4が伸縮シリンダ2の伸縮ストロークの(N−1)/Nの長さだけ正確に伸縮シリンダの伸縮方向に移動するようになる。即ち、この実施形態(4段伸縮ブーム)では、図5に示すように、伸縮シリンダ2の伸縮ストロークS(基端ブーム11に対する2段目ブーム12の伸縮長さ)に対する第2サポート4の移動長さLは、伸縮ストロークSの3/4になる。従って、伸縮シリンダ2の伸縮ストロークをSとすると、第2縮小用ワイヤロープ6の移動できる長さが、S(4−1)/4×4=3Sとなって、4段伸縮ブームにおける2段目ブーム12以降のブームの移動量分を確保できる。尚、4段伸縮ブームにおいて、第2縮小用ワイヤロープ6を第1サポート先端部のシーブ60と第2サポート4側のシーブ61,62間で4本掛けすると、伸縮するブームは3本(3ストローク分)であるにもかかわらず、伸縮ブームの伸縮時に通常は第2縮小用ワイヤロープ先端部6bが4ストローク分操作されるようになるが、上記のように第2サポート4を移動可能にして、該第2サポート4部分で1ストローク分を吸収させることにより、第2縮小用ワイヤロープ6を第1サポート先端部のシーブ60と第2サポート4側のシーブ61,62間で4本掛けすることが可能となる。又、このように第2縮小用ワイヤロープ6を上記シーブ60,(61,62)間で4本掛けすると、該第2縮小用ワイヤロープ6の一端6aがブーム先端部方向に指向し、該一端6aを第1サポート3の先端部3bに止着可能となる。
【0037】
ところで、この種の伸縮ブーム1を使用したクレーン車や高所作業車においては、過負荷による転倒を防止するための過負荷防止装置(いわゆるAML)を備えており、このAMLには伸縮ブーム1の長さデータが入力される。そして、この伸縮ブーム1の長さデータはブーム長さ検出器7で求められるが、この実施形態では、ブーム長さ検出器7として、コードリール71から繰出されるコード72の繰出し長さを計測するようにしたものが採用されている。そして、このブーム長さ検出器7は、コードリール71を基端ブーム11内の基端部11aに取付け、該コードリール71から繰出したコード72の先端を第2サポート4に止着して、該第2サポート4の移動量を計測するようにしている。尚、このブーム長さ検出器7による計測データは、AMLの演算部に入力して、そこで実際の伸縮ブーム1の長さを演算する。
【0038】
このように、伸縮ブーム1の長さを求めるのに、第2サポート4の移動量を基にして算出するようにすると、伸縮ブーム1の伸縮時において第2サポート4の移動量がS(N−1)/Nであるので、伸縮に伴ってコードリール71から繰出されるコード繰出し分の長さLは伸縮シリンダ2の伸縮ストロークSより短くなる。即ち、4段伸縮ブームの場合は、図5において、L=S・3/4となる。従って、伸縮ブーム1の伸縮の度に回転するコードリール71の回転量を少なくでき、その分、コードリール71の損耗度が低くなる(耐久期間が長くなる)。
【0039】
又、上記のように、第2サポート4を第1サポート3でガイドさせていると、該第1サポート3を第2サポート4のガイドとして有効利用できるとともに、該第2サポート4のガイドが簡単となる。又、このように、第2サポート4を第1サポート3にガイドさせていると、ブーム伸縮時において第1縮小用ワイヤロープ5や第2縮小用ワイヤロープ6に張力が働いても、該第2サポート4が左右あるいは上下に位置ずれしなくなり、伸縮ブーム1の現状長さを正確に算出し得るという機能がある。
【0040】
又、この種の伸縮ブームを使用したブーム作業機として、ブーム先端部14bに作業者搭乗用のバスケットやマニピュレータを備えたものがあるが、このようなブーム作業機では、電線や油圧ホース等の索体を基端ブーム11の基端部11a側から先端ブーム14の先端部14bまで導く必要がある。
【0041】
ところで、本願実施形態の同時伸縮機構では、第1サポート3が基端ブーム基端部11aから基端ブーム先端部11b付近に達する長さを有し、且つ第2縮小用ワイヤロープ6が第1サポート先端部3bから各シーブ61,60,62を介して先端ブーム先端部14bまで張設されている。そして、本願実施形態では、電線8を、第1サポート3と第2縮小用ワイヤロープ6を配設した経路とに沿って基端ブーム基端部11aと先端ブーム先端部14bとの間に張設している。尚、この電線8は、請求項3における索体に相当するものである。
【0042】
この実施形態では、電線8は、基側電線81と先側電線82に2分割したものを使用している。尚、基側電線81と先側電線82は、それぞれ電源用に2本づつと信号用に2本づつの合計4本づつ使用している。
【0043】
基側電線81(4本)は、基端ブーム基端部11a側から第1サポート(角パイプ製)3内を通して該第1サポート先端部3bまで導き、該基側電線81の先端を第1サポート先端部3bにおいてコネクタ83部分に接続している。従って、基側電線81は、伸縮ブーム1における不動部分に取付けられている。尚、他の実施形態では、該電線8として、基側電線81と先側電線82とを無接点状態で連続させた1本ものを使用してもよい。
【0044】
他方、上記第2縮小用ワイヤロープ6の張設経路となる各シーブ61,60,62(左右に2個ある)の軸に、それぞれ電線用シーブ83,80,84を設けている。尚、この各電線用シーブ83,80,84には、図3及び図4に示すように、それぞれ2つの周溝を有しており、さらに該各電線用シーブ83,80,84は左右に2個づづ有している。そして、4本の先側電線82,82・・は、それらの基端を第1サポート先端部3bのコネクタ83に接続した状態で、第2サポート4の電線用シーブ83、第1サポート先端部3bの電線用シーブ80、第2サポート4の電線用シーブ84にそれぞれ巻掛けた後、各先側電線先端部82aを先端ブーム先端部14bまで導いている。尚、各先側電線先端部82aには、例えば先端ブーム先端部14bに取付けられるバスケット内の電気機器あるいは先端ブーム先端部14b付近に取付けられる検出器等に接続される。
【0045】
このように、基側電線81は、伸縮ブーム1における不動部分に設置されており、他方、先側電線82は、第1サポート先端部3bにおいて基側電線81に接続させた状態で、第2縮小用ワイヤロープ6の経路に沿って各電線用シーブ83,80,84に巻掛けた後、先側電線先端部82aを先端ブーム先端部14bまで導いているので、伸縮ブーム1が伸縮しても電線8(基側電線81と先側電線82)として一定長さのものを使用することができる。即ち、先側電線82は、第2縮小用ワイヤロープ6と同様に各電線用シーブに巻掛けた状態で張設し、且つ第2サポート4がブーム伸縮方向に移動して伸縮ブーム1の長さ変動を吸収するので、伸縮ブームが伸縮しても電線8が何ら支障なく追従する。このようにすると、電線8を伸縮ブーム1内を通して設置でき、しかも該電線8をコードリールやケーブルベアを使用することなく設置できる。
【0046】
尚、他の実施形態では、請求項3における索体8として、上記電線に代えて光ケーブルや油圧ホースを採用することができ、又、該電線と光ケーブルと油圧ホース等の2種類以上を併用することもできる。さらに他の実施形態では、第2縮小用ワイヤロープ6として、将来的にはワイヤロープの中心部に電線を通した電線内蔵ワイヤロープを使用することができる。その場合は、図示例の基側電線81の先端部(コネクタ83部分)に電線内蔵ワイヤロープの電線基端部を接続させるとよい。又、電線内蔵ワイヤロープの先端部からは、そのワイヤロープ部分の先端より電線のみを延出させておく。このように、電線内蔵ワイヤロープを使用すると、電線専用の各シーブ(電線用シーブ)を不要にすることが可能となる。
【0047】
図6は、本願第2実施形態の同時伸縮機構を模式的に示している。この図6の第2実施形態では、ブームを6本使用した6段伸縮ブームに適応する同時伸縮機構であって、この場合は、第1サポート先端部に2個のシーブ60,60Aを設け、2段目ブーム基端部に2個のシーブ50,50Aを設け、第2サポート4に6個のシーブ51,52,52A,61,62,62Aを設ける。
【0048】
そして、第1縮小用ワイヤロープ5は、一端5aを基端ブーム基端部に止着した状態で、シーブ51、シーブ50、シーブ52、シーブ50A、シーブ52Aに順次巻掛けた後、第1縮小用ワイヤロープ他端5bを2段目ブーム基端部に止着する。
【0049】
他方、第2縮小用ワイヤロープ6は、一端6aを第1サポート先端部に止着した状態で、シーブ61、シーブ60、シーブ62、シーブ60A、シーブ62Aに順次巻掛けた後、第1縮小用ワイヤロープ他端6bを先端ブーム先端部に止着する。
【0050】
又、この第2実施形態では、基側電線81を基端ブーム基端部側から第1サポート3内を通して第1サポート先端部まで導いている。他方、第2縮小用ワイヤロープ6用の各シーブにそれぞれ電線用シーブを並設して、先側電線82の基端を基側電線81に接続させた状態で、該先側電線82を各電線用シーブに順次巻掛けした後、先側電線先端部82aを先端ブーム先端部まで導いている。
【0051】
このようにすると、6段伸縮ブームであっても、上記第1実施形態と同様に機能させることができる。
【0052】
尚、8段以上(偶数段)の伸縮ブームでは、該ブーム段数に応じて各部分におけるシーブ数を本願の条件に合わせて設定し、第1縮小用ワイヤロープ及び第2縮小用ワイヤロープをそれぞれ各シーブに巻掛ける。
【0053】
【発明の効果】
本願請求項1の発明の効果
本願請求項1の同時伸縮機構では、第1縮小用ワイヤロープ5を、その一端5aを基端ブーム基端部11aに止着した状態で第2サポート4の(N/2)個のシーブ51,52と2段目ブーム基端部12aの(N/2−1)個のシーブ50に対して順次巻掛けた後、第1縮小用ワイヤロープ他端5bを2段目ブーム基端部12aに止着させるようにして張設する一方、第2縮小用ワイヤロープ6を、その一端6aを第1サポート先端部3bに止着した状態で第2サポート4の(N/2)個のシーブ61,62と第1サポート先端部3bの(N/2−1)個のシーブ60に対して順次巻掛けた後、第2縮小用ワイヤロープ他端6bを先端ブーム先端部14bに止着させるようにして張設している。
【0054】
このようにすると、第2縮小用ワイヤロープ6が、第1サポート先端部のシーブと第2サポートのシーブ間において4以上の偶数本掛けであっても(この場合は、余分に1伸縮ストローク分だけ過剰作動する)、伸縮ブーム1の伸縮時に第2サポート4が移動して伸縮シリンダ2の1伸縮ストローク分を吸収し、正常に同時伸縮が行えるという効果がある。
【0055】
又、伸縮シリンダ2の伸縮作動時に、第2サポート4の移動長さがS(N−1)/Nとなって伸縮シリンダ2の伸縮ストロークSより短くなる。そして、この第2サポート4の移動量を伸縮ブーム1の長さ算出用のデータとして使用すると、ブーム長さ検出器(コードリール)の作動範囲(回転数)を少なくでき、該ブーム長さ検出器の損耗度を軽減できるという効果がある。
本願請求項2の発明の効果
本願請求項2の発明では、請求項1のN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構において、第2サポート4を第1サポート3にガイドさせているので、該第1サポート3を第2サポート4のガイドとして有効利用できるとともに、該第2サポート4のガイドが簡単になるという効果がある。又、このように、第2サポート4を第1サポート3にガイドさせていると、ブーム伸縮時において第1縮小用ワイヤロープ5や第2縮小用ワイヤロープ6に張力が働いても、該第2サポート4が左右あるいは上下に位置ずれしなくなり、伸縮ブーム1の現状長さを正確に算出し得るとともに、各縮小用ワイヤロープのシーブ間長さの変化や振れが小さくなるので伸縮動作がスムーズに行われるという効果がある。
本願請求項3の発明の効果
本願請求項3の発明は、請求項1又は2のN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構において、第1サポート3と第2縮小用ワイヤロープ6を配設した経路とに沿って、基端ブーム基端部11aと先端ブーム先端部14bとの間に電線(光ケーブルも含む)あるいは油圧ホース等の一連の索体8を張設している。
【0056】
このようにすると、電線や油圧ホース等の索体8を伸縮ブーム1内で処理できるので、該索体8に他の構造物が干渉するのを防止できるとともに、見栄えが良好となる。
【0057】
又、先端ブーム先端部14b側に電気や油圧を必要とするブーム作業機において、上記索体8をコードリールやホースリールあるいはケーブルベア等を使用することなく基端ブーム基端部11aから先端ブーム先端部14bまで張設することができ、低コストで電線や油圧ホース等の索体8を張設できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1実施形態の同時伸縮機構を備えた伸縮ブームの断面図である。
【図2】図1の一部拡大断面図である。
【図3】図1の伸縮ブームに備えた第2サポート部分の平面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図1の伸縮ブームの伸長状態を示す概略図である。
【図6】本願第2実施形態の同時伸縮機構の模式図である。
【図7】従来の伸縮ブームの伸長状態を示す概略図である。
【図8】図7の伸縮ブームの縮小状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1は伸縮ブーム、2は伸縮シリンダ、3は第1サポート、3aは第1サポート基端部、3bは第1サポート先端部、4は第2サポート、5は第1縮小用ワイヤロープ、5aは第1縮小用ワイヤロープ一端、5bは第1縮小用ワイヤロープ他端、6は第2縮小用ワイヤロープ、6aは第2縮小用ワイヤロープ一端、6bは第2縮小用ワイヤロープ他端、7はブーム長さ検出器、8は索体、11は基端ブーム、11aは基端ブーム基端部、11b基端ブーム先端部、12は2段目ブーム、12aは2段目ブーム基端部、13は3段目ブーム、14は先端ブーム、14bは先端ブーム先端部、50,51,52,60,61,62はそれぞれシーブである。

Claims (3)

  1. 4以上の偶数であるN本のブーム(11〜14)を有したN段伸縮ブーム(1)において基端ブーム(11)に対して2段目ブーム(12)を伸縮シリンダ(2)で伸縮せしめることにより3段目以降の各ブーム(13〜14)を同時に伸縮せしめ得るようにした同時伸縮機構であって、
    前記N段伸縮ブーム(1)の縮小動作系として、
    長尺材であってその基端部(3a)が基端ブーム(11)の基端部(11a)に固定され且つ先端部(3b)が基端ブーム先端部(11b)付近に達する長さの第1サポート(3)と、第1サポート先端部(3b)と基端ブーム基端部(11a)との間でブーム伸縮方向に移動可能に設置した第2サポート(4)と、第1サポート先端部(3b)に設けた(N/2−1)個のシーブ(60)と、第2サポート(4)に設けたN個のシーブ(51,52,61,62)と、2段目ブーム(12)の基端部(12a)に設けた(N/2−1)個のシーブ(50)と、第1縮小用ワイヤロープ(5)と、第2縮小用ワイヤロープ(6)とを備えるとともに、
    第1縮小用ワイヤロープ(5)は、その一端(5a)を基端ブーム基端部(11a)に止着した状態で第2サポート(4)の(N/2)個のシーブ(51,52)と2段目ブーム基端部(12a)の(N/2−1)個のシーブ(50)に対して順次巻掛けた後、第1縮小用ワイヤロープ他端(5b)を2段目ブーム基端部(12a)に止着させるようにして張設する一方、
    第2縮小用ワイヤロープ(6)は、その一端(6a)を第1サポート先端部(3b)に止着した状態で第2サポート(4)の(N/2)個のシーブ(61,62)と第1サポート先端部(3b)の(N/2−1)個のシーブ(60)に対して順次巻掛けた後、第2縮小用ワイヤロープ他端(6b)を先端ブーム(14)の先端部(14b)に止着させるようにして張設した、
    ことを特徴とするN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構。
  2. 請求項1において、第2サポート(4)は第1サポート(3)をガイドとして移動させるようにした、
    ことを特徴とするN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構。
  3. 請求項1又は2において、第1サポート(3)と第2縮小用ワイヤロープ(6)を配設した経路とに沿って、基端ブーム基端部(11a)と先端ブーム先端部(14b)との間に電線あるいは油圧ホース等の一連の索体(8)を張設した、
    ことを特徴とするN段伸縮ブームにおける同時伸縮機構。
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