JP4282866B2 - 外壁材用パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の外壁に取り付けられる軽量な外壁材用のパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般住宅は木造軸組構造の場合、その外壁面は木やモルタルによって仕上げられ、その表面を吹き付けによる塗装で仕上げられるのが一般的である。この木造軸組構法の場合、モルタルの養生期間や塗料の乾燥のための養生期間が必要であり、そのためこの構法は湿式構法と呼ばれる。一方、間柱に合板やパネルを釘付けし、その外側に窯業系サイディングボードを釘付けしたり、タイル等を横レールに引っかけるなどといった、プレハブ構法、ツーバイフォー構法と呼ばれる構法による住宅も一般的であり、これらの構法は乾式構法と呼ばれている。
【0003】
前記湿式構法による外壁は、例えば、吹き付けによる塗装を行った場合、近隣家屋への塗料液微粉の飛散や塗料中の有機溶剤の揮散による環境負荷の増大が問題であるばかりでなく、塗装仕上げ面が約10年で色調や表面樹脂層が劣化して外壁の見栄えが劣るようになる問題があり、そのため再塗装を必要とした。また、レンガ、タイル等をモルタルを介して積み重ねたり、張り付けたりする構法でもやはり、養生のため長い工期を要する点が問題である。
【0004】
一方、乾式構法においては、例えば特開平05−209454号公報に開示されているような窯業系サイディングボードやタイル等を用いる場合、これらの単位面積当たりの重量は重く、重量が過大である事が多く、設計の段階から大きな重量に耐えうる設計をしなければならなかった。
さらにまた、特に木造軸組構造の家屋のうち、築後10年以降のいわゆる中古住宅の外壁の改装(リフォーム)を再塗装によらずに実施しようとして窯業系サイディングボードやタイル等を用いようとした場合には、既存の外壁材や柱の設計強度を越えることになり、これらの大きな重量の窯業系サイディングボードやタイル等は使用できない場合が多いし、窯業系サイディングボードやタイル等を用いた家屋そのもののリフォームであっても、既存の外壁材や柱の設計荷重を越えないようにするための、既存外壁材の除去や柱の増強等の別工事が発生し、リフォーム工事の施工上極めて不利であった。
【0005】
また、窯業系サイディング材の施工では、例えば3尺×6尺(約90cm×約180cm)板の大平面のパネルを釘打ちで固定していくため、重量物である該パネルの運搬や壁面での位置決め作業の際に施工者にかかる負担も大きいのが現状である。
そのため、近年、例えば特開昭63−125770号公報に開示されているように、軽量外壁材として、金属サイディング等の軽量サイディング材が開発されてきている。これは、表層を構成するアルミニウム等の金属薄板表面にエンボス状凹凸をつけ、その内層をウレタンフォーム等とした構造でありこれを釘打ちによって既存外壁面に取り付ける構法である。しかしながらこの構法は、デザイン面では、該アルミニウム表面の凹凸形状は光沢感が出過ぎるため外観の高級感に欠けることが多い。また、特に、アルミニウム表面では、その融点が660℃であるため、火災等によって外壁表面に裸火が激しく接するような場合、表面が溶融破壊され、防火性の面で問題があった。
【0006】
これらの問題を解決するために、難燃性の樹脂に無機繊維を添加して原料とし、それを加熱プレスして成形、硬化させることによって、軽量で防火性の高い外壁材を得る方法が特許番号2965551号公報に開示されている。
一方、このようにして作られる外壁材を既存の外壁面に取り付ける際、外壁材に嵌合部位を設け、この部分を組み合わせることによって、より強固に、より効率的に取り付ける方法が特開平7-217059号公報に開示されている。嵌合部位を設けることにより、外壁材同士が強固に接合されるため、外壁材の内側に雨水が浸入するのを防ぎ、さらには外壁材を長期にわたって使用する際に問題となる材料の「そり」を防止するのにも役立つ。またこの方法によれば、外壁材を既存の外壁面に固定する際の釘、ビスの数を減らすことができ、効率的である。
【0007】
しかしながら嵌合部位によってお互いを接合するような構造を持った外壁材は、嵌合部位に大きな機械的負荷がかかり、長期使用中に嵌合部位が破損するという問題点を有している。繊維を含有した樹脂成形物は一般に繊維強化プラスティック(Fiber Reinforced Plastics : FRP)と呼ばれ、樹脂単一の成形物に比べて大きな強度を有するが、これを外壁材として屋外で使用する場合には、風雨による影響や日光による劣化など多くのストレスを受けるため、屋内で使用する場合と比べて短い期間で破損部分が発生するようになる。とりわけ嵌合部位は、前述のごとく大きな負荷がかかるためにその傾向が顕著である。
【0008】
この問題を解決するための一策として、パネル中の無機繊維含量を増やすという方法が考えられる。これは一般にFRP中の無機繊維含量を大きくすると、成形物の強度が増加することによる。しかしながら、パネルの無機繊維含量をむやみに増やすことは、製造コストの増大につながるため経済的な観点からは好ましくない。また外壁材においては、通常嵌合部位以外の部分は厚みが薄く高度な意匠を有しているケースが多いため、その成形性から必然的に無機繊維含量の上限値は制限されてしまうという問題点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決し、屋外の長期使用に十分耐えうるよう、特に嵌合部位の機械的強度を高めた、外壁材用パネルを提供しようとするものである。
【0010】
【解決手段】
本発明者は、前記した課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1) 無機繊維を少なくとも含有する樹脂組成物から成形されたパネルであって、該パネル全体に前記無機繊維を含有していると共に、パネル端部に嵌合部位を備えた構造を有し、且つ該嵌合部位における無機繊維含量が、20重量%以上、70重量%以下であり、その他の部分の無機繊維含量が、2重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする外壁材用パネル。
(2) 前記パネルが、無機繊維以外の組成として、少なくともフェノール樹脂および無機フィラーを含有する(1)に記載の外壁材用パネル。
(3) 前記樹脂組成物が、内部離型剤を更に含有している(1)又は(2)に記載の外壁材用パネル。
(4) 前記嵌合部位が、凸部又は凹部からなるものである(1)乃至(3)の何れか一つに記載の外壁材用パネル。
(5) (1)乃至(4)の何れか一つに記載の外壁材用パネルを、前記樹脂組成物の金型成形によって製造する方法にして、
該パネルを成形する金型の前記嵌合部位に相当する部分に、前記無機繊維を所定量散布した後、該金型に前記樹脂組成物をセットし、次いで該金型を閉じて加熱加圧することを特徴とする外壁材用パネルの製造法。
【0011】
すなわち本発明の思想は、大きな機械的強度の要求される嵌合部位のみ選択的に無機繊維含量を高め、それ以外の部分は最低限必要な無機繊維含量とすることによって、実用上十分な耐久性を有し、経済的にも有利な外壁材用パネルを提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、無機繊維を含有する外壁材用パネルであって、該パネルが嵌合部位を有した構造であり、嵌合部位における無機繊維含量が、その他の部分の無機繊維含量よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0012】
本発明おいて無機繊維とは、ガラス繊維または鉱物繊維あるいはそれらの混合物を示す。特にガラス繊維は強度が大きく形状が均一なので好適である。本発明において、ガラス繊維はE−ガラス、C−ガラス、T−ガラス、AR−ガラス、D−ガラスなどガラスの種類は特に限定されないが、コスト面などから考えるとE−ガラスが好ましい。また、ガラス繊維の繊維径は3〜30μm程度の繊維径のものが好ましく、より好ましくは6〜15μmである。またガラス繊維の繊維長は0.1〜100mmであることが好ましく、3〜30mmであることがより好ましい。ガラス繊維の繊維長が0.1mm未満の場合、該ガラス繊維による補強効果が十分に発揮されず、結果として成形物の曲げ強度が発現しないので好ましくない。ガラス繊維長が100mmを超えると、樹脂および無機フィラーとの混合物の流動性が低下し成形性に劣るようになるので好ましくない。
【0013】
本発明において外壁材用パネルとは、主に外壁として用いられることを目的として一定の形状に成形されたものを指す。なお外壁とは建築物または塀の側壁である。またここでいう外壁材用パネルは、既存の壁の上から張り付けることによって外壁の改装(リフォーム)を行うことを考えて平型のパネル状をしており、そのパネル周縁部に嵌合部位が存在する。ここで嵌合部位とは凸部または凹部からなり、凸部を別のパネルの凹部にはめ込むことにより、複数のパネルを接合できるような構造を指す。また本発明においては上記凸部及び凹部が重なりあった部分だけでなく、その周辺部も嵌合部位に含まれる。ここで周辺部とは、凸部及び凹部の重なりあいの部分の縁から、存在する幅5センチ以内の領域をいう。
【0014】
本発明における外壁材パネルの一例を図1〜4によって説明する。図1に示した外壁材用パネルは、その断面を示す図3や図4から明らかなように、パネルの穴部7側の周縁に上部凸部嵌合部位、反対側周縁に下部凹部嵌合部位が存在する。また、穴部7側を上側として、パネルの左側周縁に左部凸部嵌合部位、右側周縁に右部凹部嵌合部位が存在する。またパネル中央部にはパネル表面に対して凸状をした意匠部が存在する。また図5は本発明における嵌合部位の定義を図1の例を用いて図示したものである。凸部及び凹部の重なりあいの部分の縁から、幅5センチ以内の領域を斜線で示しいるが、この斜線部が嵌合部位に相当する。図1に示した外壁材用パネルは、パネルの上下左右の端部に嵌合部位を有することから、個々のパネルを相互に付け合わせた部分に隙間を生じることなく、下地面の上に外壁面を構成することが可能であり、結果として雨水の進入を防ぐことができる。
【0015】
本発明における外壁材用パネルは、0.5〜5mmの板厚であることが好ましく、1.0〜3.0mmであることがより好ましい。外壁材の厚みが0.5mm未満であると、外壁材として使用した場合、外力によって容易に変形したり、破損したりするので好ましくない。また、5mmより厚い板厚では単位面積あたりの重量が大きくなったり、原材料を多量に使用するのでコスト面でも不利であり好ましくない。
【0016】
本発明の外壁材用パネルの上下側及び左右側の周縁部のうち、少なくとも上下側を含む周縁部分に複数の貫通した円状またはスリット状の穴部があることが好ましい。図1にはパネルの上部にスリット状穴部を設けてある一例を示してある。穴部が無い場合には、施工時にパネルを下地壁面または胴縁に固定するために、釘またはビスを直接パネルに押し当てて貫通させながら下地壁面または胴縁に固定するか、或いは、接着剤等で固定することになるが、釘またはビスを直接パネルに押し当てて貫通させながら下地壁面または胴縁に固定する際、貫通の衝撃によってパネルが破損する可能性があるので好ましくない。また、接着剤による固定では接着剤が固化するまでの間、別の方法で暫定的にパネルを保持する必要があり、工程が煩雑になり工期が増大して好ましくない。
【0017】
本発明の外壁材用パネル一枚の単位面積当たりの重量は、1kg/m2以上、10kg/m2以下であることが好ましい。パネル一枚の単位面積当たりの重量が1kg/m2未満であると、施工後得られる外壁面が風によって容易に振動したり、風圧によって変形が顕著になったりするので好ましくない。また、外壁材一枚当たりの重量が10kg/m2を越えると施工時の大工職人の運搬時の負荷が大となるばかりでなく、既存の外壁にかかる重量負荷も多大となり、極端な場合、既存の外壁の破損につながるので好ましくない。
【0018】
本発明の外壁材パネルの製造法としては、目的のパネル形状をなした上下分離可能な金型を準備し、該金型に樹脂、無機フィラー、無機繊維その他の添加物を含んだ成形用樹脂組成物を該パネルに必要な量だけ投入し、加熱加圧し、その後該金型を開き目的のパネルを取り出して得られる。また、金型を射出成型用のインジェクション用樹脂組成物導入口を設けて射出成型しても良い。
本発明の外壁材用パネルの特徴は、嵌合部位における無機繊維含量が、その他の部分の無機繊維含量よりも大きくなっていることである。ここで無機繊維含量とはパネル中の無機繊維の重量割合を指す。この重量割合は該パネルを焼成して樹脂部分を除去し、残った無機繊維量を計量することによって算出することができる。また無機フィラー等が混合されている場合は該パネルを焼成したあと酸処理して無機フィラーを溶解し、残った無機繊維量を計量すればよい。また嵌合部位における無機繊維含量は、外壁材としての長期にわたる耐久性をもたせるため十分な機械的強度を発現させるために、10重量パーセント以上、70重量パーセント以下であることが好ましく、さらに十分な効果を発揮させるには20重量パーセント以上であることが推奨される。嵌合部位の無機繊維含量が10重量パーセント以下である場合は、得られるパネルの嵌合部位の機械的強度が小さく、嵌合部位に十分な耐久性を持たせることができない。
【0019】
また嵌合部位の無機繊維含量70重量パーセント以上となると樹脂と無機繊維の相溶性が低下するとともに成形性が悪くなり、結果として良好な状態のパネルが得られないので好ましくない。また嵌合部位以外の部分の無機繊維含量については本発明において特に限定されないが、前述のとおり厚みが薄く高度な意匠を有しているケースでは、実質的に値として2重量パーセント以上、10重量パーセント以下が推奨される。
【0020】
以上のように嵌合部位の無機繊維含量を大きくする方法としては、成形する際の金型の嵌合部位にあたる部分にあらかじめ無機繊維を所定量挿入しておくという方法が簡便である。またあらかじめ無機繊維含量を高めた樹脂組成物を嵌合部位付近に設置したあと金型により加熱加圧するという方法も推奨される。これらの方法において、嵌合部位の無機繊維含量を調整するには、嵌合部位への無機繊維の挿入量と成形されたパネルの嵌合部位の無機繊維含量の相関をあらかじめ取っておけばよい。
【0021】
本発明によって得られる外壁材用パネルには無機繊維以外の組成物として、少なくともフェノール樹脂、無機フィラーを含有することが好ましい。このようにして得られる樹脂組成物を成形したものは、防火性に優れた外壁材用パネルとなる。
上記フェノール樹脂としては、レゾール系フェノール樹脂であっても、ノボラック系フェノール樹脂であっても良く、また、これらの樹脂に、必要に応じて重合度を高める目的で、レゾール型フェノール樹脂では酸触媒、ノポラック型フェノール樹脂では塩基触媒を添加して用いても良いが、常温で液状を示すレゾール系フェノール樹脂を無触媒で用いることが、成形加工が容易にできる点、生産性が上げられる点から好ましい。またフェノール樹脂含量としては、1〜60重量パーセントであることが好ましい。フェノール樹脂が1重量パーセント未満である場合、混合する無機フィラーと無機繊維を十分な強度で結合させることができず、結果としてパネルが得られないので好ましくない。またフェノール樹脂含量が60重量パーセントを越える場合は防火性が低下するので好ましくない。
【0022】
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイクロバルーン、硫化バリウム、無水ケイ酸、けい藻土、ガラスパウダー、マイカ、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、ゾノトライト、トバモライト、ワラストナイト、けい砂等が挙げられ、好ましくは炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウである。これらは1種のみで用いることもできるし、2種以上の混合物として用いることもできる。
【0023】
このようにして得られる外壁材用パネルには、フェノール樹脂に増粘性を付与したり、得られたパネルに難燃性、耐候性、離型性等を付与するために難燃剤、紫外線吸収剤、内部離型剤、増粘剤等の添加剤を加えることが好ましく、特に内部離型剤が含まれていることが好ましい。内部離型剤の添加量は、0.1〜5重量パーセントが好ましく、より好ましくは1〜3重量パーセントである。内部離型剤としては脂肪族炭化水素系のもの、高級脂肪族アルコール系のもの、脂肪酸アマイド系のもの、金属石けん系のもの、リン酸系のものなどが挙げられ、中でもステアリン酸亜鉛、中和性リン酸アルコールが好ましい。特に中和性リン酸アルコールを用いると塗料の定着性が良いので好ましい。内部離型剤を用いないと金型を使用した成形時に、パネルが金型内壁に強固に付着し、金型を開いた際に該パネルが引き裂かれて壊れた状態になり、パネルの収率を著しく低下させるので好ましくない。
【0024】
本発明における外壁材用パネルの表面は、耐光性塗料で塗装されていることが好ましい。本発明の外壁材は太陽光のもとで暗黒色への色調の変化を起こす性質を有する場合が多く、そのため屋外での長期使用時における外壁面の色調を一定にするために外壁材表面を塗料によって覆い、太陽光による外壁材本体の色調の変化を抑え、なおかつ外壁材本体の色調が外壁表面の色調に影響を与えないように、被塗装面の色調に左右されず、しかも塗料そのものも耐候性の高い塗料を用いて塗装されていることが好ましい。耐候性塗料としては、アクリルシリコン系、ウレタン系、シリコン系、フッ素樹脂系のいずれを用いても良いが、コスト面からアクリルシリコン系が好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0026】
【実施例1】
レゾール系フェノール樹脂(昭和高分子(株)製BRL−240)30.0重量部、増粘剤として水酸化カルシウム(関東化学(株)製 試薬特級)0.3重量部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛(関東化学(株)製試薬一級)1重量部、炭酸カルシウム(白石工業(株)製ホワイトンP−30)65重量部、繊維長3mmのガラス繊維(日東紡績株式会社製 CS-3SK)5重量部、をオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−5)にて約1分間、混合撹拌して成形用樹脂組成物を得た。180℃に加熱した加圧プレスに装着された表面クロムメッキ仕上げの鋼製金型の嵌合部位に相当する部分に成形用樹脂組成物を作製したのと同じガラス繊維を所定量 (1平方センチメートルあたりおよそ0.3グラム)均等になるよう散布し、さらに該金型へ該成形用樹脂組成物を素早く所定量セットし、金型を閉めて加熱加圧(1.17×107Pa)したところ、金型内形状と同型のパネルを得た(図1)。得られたパネルの平均厚みは2mm、単位面積当たりの重量が4kg/m2であった。得られたパネルは、表面にアクリルシリコン系(スズカファイン(株)社製ラフトンセラミック)を用いて塗装を実施した。
【0027】
得られたパネルの上部に存在する嵌合部位約3グラムをダイヤモンドカッターで切りだし、800℃の焼成炉で樹脂部分を焼却したあと残留物を1規定の塩酸に6時間浸漬してフィラー部分を溶解させた。残ったガラス繊維量を測定して含量を計算したところ、23重量パーセントであった。さらに同じ個所から切り出した嵌合部位について、JISプラスティックk7055試験法に基づいた曲げ強度を測定したところ5.69×107 Paであった。またこのパネルを難燃性試験に供したところ、JIS規格での難燃2級レベルであり、建築基準法での準不燃相当のレベルであった。
【0028】
【実施例2〜5】
金型の嵌合部位に散布するガラス繊維量を変えて、実施例1と同様にパネルを得た。この時の嵌合部位におけるガラス繊維含量と曲げ強度の関係を表1に示す。ガラス繊維含量が大きくなるにつれ、強度は増加していく。
【0029】
【表1】
【0030】
【実施例6】
混合時のガラス繊維の量を20重量部とし、炭酸カルシウムの量を50重量部とする以外は実施例1と同様の方法を用いて、ガラス繊維含量の大きい成形用樹脂組成物を得た。180℃に加熱した加圧プレスに装着された表面クロムメッキ仕上げの鋼製金型の嵌合部位に相当する部分にこのガラス繊維含量の大きい成形用樹脂組成物を所定量セットし、さらに該金型中央部には実施例1で作製した成形用樹脂組成物を所定量セットし、金型を閉めて加熱加圧(1.17×107Pa)したところ、金型内形状と同型のパネルを得た。得られたパネルの平均厚みは2mm、単位面積当たりの重量が4kg/m2であり実施例1とほぼ同じであった。得られたパネルは、表面にアクリルシリコン系(スズカファイン(株)社製ラフトンセラミック)を用いて塗装を実施した。
【0031】
得られたパネルの上部に存在する嵌合部位約3グラムをダイヤモンドカッターで切りだし、800℃の焼成炉で樹脂部分を焼却したあと残留物を1規定の塩酸に6時間浸漬してフィラー部分を溶解させた。残ったガラス繊維量を測定して含量を計算したところ20重量パーセントであった。さらに同じ個所から切り出した嵌合部位について、実施例1と同様に曲げ強度を測定したところ5.51×107 Paであった。またこのパネルを難燃性試験に供したところ、JIS規格での難燃2級レベルであり、建築基準法での準不燃相当のレベルであった。
【0032】
【比較例1】
実施例1において、金型の勘合部位に相当する部分にあらかじめガラス繊維を散布することなく加熱加圧を行い成形物を得て、勘合部位のガラス繊維含量と曲げ強度を測定したところ、それぞれ5重量パーセント、曲げ強度を測定したところ3.06×107 Paであり十分な強度がえられなかった。
【0033】
【比較例2】
実施例1において、ガラス繊維量を75重量部としてオムニミキサー(千代田技研工業(株)製OM−5)にて約1分間、混合撹拌し成形用樹脂組成物を得た。これを加熱加圧してパネル状の成形物を得たが、樹脂組成物の粘調性が不足していたためパネルには巣が発生し製品とすることはできなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の外壁材用パネルは、従来のFRP外壁材の欠点である、嵌合部位の強度不足を解消し、実用上十分な耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外壁材の1例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A′線断面図である。
【図3】図1のB−B′線断面図である。
【図4】図1のC−C′線断面図である。
【図5】図5(a)、(b)は、それぞれ本発明の嵌合部位の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 外壁材用パネル
2 上部凸部嵌合部位
3 下部凹部嵌合部位
4 左部凸部嵌合部位
5 右部凹部嵌合部位
6 意匠部
7 穴部
Claims (5)
- 無機繊維を少なくとも含有する樹脂組成物から成形されたパネルであって、該パネル全体に前記無機繊維を含有していると共に、パネル端部に嵌合部位を備えた構造を有し、且つ該嵌合部位における無機繊維含量が、20重量%以上、70重量%以下であり、その他の部分の無機繊維含量が、2重量%以上、10重量%以下であることを特徴とする外壁材用パネル。
- 前記パネルが、無機繊維以外の組成として、少なくともフェノール樹脂および無機フィラーを含有する請求項1に記載の外壁材用パネル。
- 前記樹脂組成物が、内部離型剤を更に含有している請求項1又は請求項2に記載の外壁材用パネル。
- 前記嵌合部位が、凸部又は凹部からなるものである請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の外壁材用パネル。
- 請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の外壁材用パネルを、前記樹脂組成物の金型成形によって製造する方法にして、
該パネルを成形する金型の前記嵌合部位に相当する部分に、前記無機繊維を所定量散布した後、該金型に前記樹脂組成物をセットし、次いで該金型を閉じて加熱加圧することを特徴とする外壁材用パネルの製造法。
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