JP4282134B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導体回路の粗化、無電解めっき膜及び触媒核の除去が同時に可能な多層プリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多層配線基板の高密度化という要請から、いわゆるビルドアップ多層配線基板が注目されている。このビルドアップ多層配線基板は、例えば、特公平4-55555 号公報に開示されているような方法で製造される。即ち、感光性の無電解めっき用接着剤からなる絶縁材を、導体回路を有するコア基板上に塗布し、乾燥した後、露光現像することにより、バイアホール用開口を有する層間絶縁材層を形成する。次いで、この層間絶縁材層の表面を酸化剤等による処理にて粗化した後、その粗化面にめっきレジストを設け、レジスト非形成部分に無電解めっきを施して、バイアホールを含む2層の導体回路パターンを形成する。かかる工程を複数回繰り返すことで、多層化したビルドアップ配線基板が得られる。
【0003】
かかる多層プリント配線板では、層間樹脂絶縁層により被覆される下層の導体回路は、基板の全面に触媒核を付与して無電解めっきを行い、さらにめっきレジストを設け、この無電解めっき膜上に電気めっきを施し、めっきレジストを除去し、めっきレジスト下の導体回路間の無電解めっき膜をエッチング除去し、導体回路の表面を粗化し、導体回路間の触媒核を除去することにより形成している。即ち、無電解めっき膜の除去、導体回路の粗化、及び、触媒核除去を別々の工程として行っていた。特に、触媒核除去は、特開平10−233579号などに開示されているように、クロム酸などの重金属で導体回路間の樹脂を除去する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような技術では、 下層導体回路間の樹脂を除去するため、導体回路が剥離したりする場合があった。
また、触媒核除去工程が余分に必要であり、生産性の低下を招くという問題が見られた。
さらに、高温多湿条件下において導体回路間でCuのマイグレーションが見られた。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、導体回路の剥離や余分な触媒核除去工程を加えることなく触媒核を除去あるいは低減せしめ、また、高温多湿条件下における導体回路間でのCuのマイグレーションを抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、下層導体回路、上層導体回路および層間樹脂絶縁層とを備えている多層プリント配線板の製造方法であって、
基板上にパラジウム触媒核を付与した後、無電解めっきを用いて下層導体回路を形成し、
ついで、下層導体回路を酸素共存下で第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液により処理して粗化面の形成と、下層導体回路間の無電解めっき膜及び触媒核の除去を同時に行い、
さらに、下層導体回路上に層間樹脂絶縁層および上層導体回路を形成することを技術的特徴とする。
【0008】
本発明では、下層導体回路を酸素共存下で第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液により処理して粗化面を形成するため、導体回路面の粗化時に、導体回路間の無電解めっき膜及び触媒核が第二銅錯体と有機酸によって溶解除去され、粗化と無電解めっき膜及び触媒核の除去を同時に達成できる。なお、ここで、触媒核の除去とは、触媒核を完全に除去する場合のみを意味するのではなく、導体回路間の絶縁を確立するに十分な範囲まで減ずることも含む。
【0009】
かかるエッチング液により導体回路表面を処理すると、その表面は、先行技術において行われていた導体回路表面への針状合金めっきとは異なり、多面体形凹部から形成された錨状部を有する粗化面となる。さらに、その形成メカニズムから具体的に記述すると、当該粗化面は、最大粗度(Rmax)0.5〜10μmに粗化されてなるとともに、エッチング残りによる錨状部、その錨状部の周囲の金属結晶粒子のエッチングにより生じる窪み、前記錨状部と他の錨状部の間に形成された稜線からなる。
【0010】
また、導体回路表面のRmaxは、0.5から10μであることが必要である。0.5μm未満では、密着性が低下し、10μmを越えると樹脂残りが発生し、また、断線などの問題が発生し易くなる。
前記錨状部は、5μm角当りの領域で平均2〜100個、前記窪みは平均2〜100個形成されることが望ましい。
この理由は、前記錨状部が5μm角当りの領域で平均2〜100個の範囲では、密着性を維持しつつ、樹脂残りを防止できるからである。
さらに、窪みの数を5μm角当りの領域で平均2〜100個とすることにより、錨状部の密集を防止して樹脂残りの発生を抑止し、かつ密着性を維持できるのである。
【0011】
本発明においては、稜線が5μm角当りの領域で平均3〜3000本形成されることが望ましい。前記粗化面の形状を複雑にすることにより密着性を向上させると同時に、樹脂残りを除去し易いからである。
なお、錨状部、稜線、窪みの個数の測定は、粗化面の真上および斜め上方45°から5000倍の電子顕微鏡写真を撮影し、5μm角の領域を任意に選んで個数を測定し、その平均値を採用した。
【0012】
以上説明のように、本発明にかかる粗化面は、所定のエッチング液により溶解して形成されており、めっきで形成したような、成長した針状突起同士が重なって空間を形成することはない。このため、下層導体回路表面上には、樹脂を塗布した後にバイアホール用の開口を形成した際に樹脂が残存し難く、加熱時やヒートサイクル時に下層導体回路からバイアホール導体を剥離させることはない。
【0013】
かかる粗化面は、めっき液との親和性に優れ、めっきが多面体形凹部に浸入して粗化面内の錨状部につきまわるため、下層導体回路の粗化面とバイアホールとがより一層密着する。即ち、下層導体回路上にめっきによりバイアホールを形成する際に、下層導体回路の錨状部がバイアホール導体に食い込むため、密着性が高い。
【0014】
また、本発明にかかる粗化面は、この多面体形凹部から形成される錨状部が層間樹脂絶縁層に食い込み、下層導体回路と層間樹脂絶縁層との剥離も生じさせない。
【0015】
このように、かかる粗化面を有する本発明の多層プリント配線板は、加熱時やヒートサイクル条件において、下層導体回路とバイアホールとの剥離及び下層導体回路と層間樹脂絶縁層との剥離を同時に防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液を、スプレーやバブリング等の酸素共存条件で、次のように作用させて、下層導体回路の銅導体及び該下層導体回路間の無電解銅めっき膜を溶解させる。
【0017】
【化1】
〔式中、Aは錯化剤(キレート剤として作用)、nは配位数を示す。〕
【0018】
本願発明に用いる第二銅錯体は、アゾール類の第二銅錯体がよい。このアゾール類の第二銅錯体は、金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類としては、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾールがよい。中でも、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール等がよい。アゾール類の第二銅錯体の添加量は、1〜15重量%がよい。溶解性及び安定性に優れ、また、触媒核を構成するPdなどの貴金属をも溶解させることができるからである。
【0019】
また、酸化銅を溶解させるために、有機酸をアゾール類の第二銅錯体に配合する。具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、スルファミン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種がよい。有機酸の含有量は、0.1 〜30重量%がよい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ溶解安定性を確保するためである。
【0020】
発生した第一銅錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体となって、再び銅の酸化に寄与する。
【0021】
また、銅の溶解やアゾール類の酸化作用を補助するために、ハロゲンイオン、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等をエッチング液に加えてもよい。本発明では、塩酸、塩化ナトリウム等を添加して、ハロゲンイオンを供給することができる。ハロゲンイオン量は、0.01〜20重量%がよい。形成された粗化面と層間樹脂絶縁層との密着性に優れるからである。
【0022】
アゾール類の第二銅錯体と有機酸(必要に応じてハロゲンイオン)を、水に溶解してエッチング液を調整する。また、市販のエッチング液、例えば、メック社製、商品名「メック エッチボンド」を使用し、本発明にかかる粗化面を形成することができる。
【0023】
本発明では、エッチング量は1〜10μmがよい。この範囲を超えたエッチング処理は、形成された粗化面とバイアホール導体との接続不良を起こすからである。
【0024】
このようにして得られる(多層)プリント配線板は、(下層)導体回路表面は粗化面が形成されてなるとともに、(下層)導体回路間のPdの量は、Pd原子に換算して0.5〜5mg/m2 望ましくは1.0〜4.0mg/m2に調整される。エッチング液のスプレー時間は10秒〜10分間である。一般に無電解めっきに必要なPd触媒量は、6〜8mg/m2であるが、本発明の製造方法によってPd量を低減させることができ、導体回路間の絶縁信頼性を確保できる。
【0025】
前記(下層)導体回路間のPdの量が、少ないほど絶縁抵抗が向上される。ただし、0.5mg/m2 以下にする場合、エッチング時間が長くなり、生産コストが上昇する。また、Pd原子に換算して0.5mg/m2未満では、Cuイオンの拡散が生じやすい。理由は定かでないが、Pdが存在しているとPdが障壁となってCuイオンが拡散しにくくなるのではないかと推定している。
【0026】
Pdの量の測定は、基板表面を6N塩酸で洗浄し、洗浄後の溶液中のPd濃度を原子吸光法で測定し、導体回路間の面積あたりのPd量を算出した。なお、導体回路間の樹脂絶縁層表面は粗化されているが、平坦であると近似して計算している。
前記(下層)導体回路は、層間樹脂絶縁層を形成して多層プリント配線板としてもよく、ソルダーレジスト層などを形成してもよい。
【0027】
本発明で使用される層間樹脂絶縁層は、無電解めっき用接着剤を用いて形成することができる。無電解めっき用接着剤は、熱硬化性樹脂を基剤とし、特に硬化処理された耐熱性樹脂粒子、酸や酸化剤に溶解する耐熱性樹脂粒子、無機粒子や繊維質フィラー等を、必要により含ませることができる。
【0028】
熱硬化性樹脂基剤としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。なお、熱硬化基の一部を感光化する場合は、熱硬化基の一部をメタクリル酸やアクリル酸等と反応させてアクリル化させる。中でも、エポキシ樹脂のアクリレートが最適である。このエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等を用いることができる。また、添加する熱可塑性樹脂としては、ポリエーテルスルフォンやポリスルフォン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等を用いることができる。
【0029】
耐熱性樹脂粒子としては、(1) 平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、(2) 平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、(3) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、(4) 平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に、平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末及び無機粉末のいずれか一方又は双方を付着させた疑似粒子、(5) 平均粒子径が0.8 〜2.0 μmの耐熱性樹脂粉末、平均粒子径が0.1 〜0.8 μmの耐熱性樹脂粉末、及びそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の粒子を用いるのが望ましい。これらの粒子は、より複雑なアンカーを形成できるからである。
これらの粒子により得られる粗化面は、最大粗度(Rmax)が、0.1〜20μmである。
【0030】
酸や酸化剤に溶解する耐熱性樹脂粒子としては、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂をアミン系硬化剤で硬化させたものが最適)、ビスマレイミド−トリアジン樹脂等を用いることができる。
【0031】
かかる層間樹脂絶縁層は、複数層にしてもよい。例えば、下層を無機粒子や繊維質フィラーと樹脂基剤とからなる補強層とし、上層を無電解めっき用接着剤層とする。
【0032】
また、下層を、酸や酸化剤に溶解する平均粒径0.1 〜2.0 μmの耐熱性樹脂粒子が酸や酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂中に分散したものとし、上層を無電解めっき用接着剤層としてもよい。
【0033】
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク等を使用できる。繊維質フィラーとしては、炭酸カルシウムのウイスカー、ホウ酸アルミニウムのウイスカー、アラミド繊維、炭素繊維等の少なくとも1種を使用できる。
【0034】
次に、本発明のプリント配線板を製造する一方法について説明する。以下の方法は、セミアディティブ法によるものであるが、フルアディティブ法を採用してもよい。
【0035】
(1) まず、基板の表面に導体回路を形成した配線基板を作製する。基板としては、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミド−トリアジン樹脂基板等の樹脂絶縁基板、セラミック基板、金属基板等を用いることができる。
【0036】
基板上への導体回路の形成は、銅張積層板を無電解めっき又は電解めっきした後にエッチングする方法や、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、セラミック基板、金属基板等の基板に無電解めっき用接着剤層を形成し、この接着剤層表面を粗化して粗化面とし、この粗化面に無電解めっきする方法、又はいわゆるセミアディティブ法(その粗化面全体に薄付けの無電解めっきを施し、めっきレジストを形成し、めっきレジスト非形成部分に厚付けの電解めっきを施した後、めっきレジスト除去し、エッチング処理して、電解めっき膜と無電解めっき膜とからなる導体回路を形成する方法)により行う。導体回路は、いずれも銅パターンがよい。
【0037】
次いで、導体回路に粗化層を形成する。この粗化層は、前述したアゾール類の第二銅錯体と有機酸の水溶液からなるエッチング液をスプレイするか、エッチング液に浸漬し、バブリングする方法により行われる。なお、導体回路は、無電解めっき膜又は電解めっき膜が望ましい。圧延銅箔をエッチングした導体回路では、粗化面が形成されにくいからである。
【0038】
また、この粗化層は、イオン化傾向が銅より大きくかつチタン以下である金属又は貴金属の層で被覆されていてもよい。これらの金属又は貴金属の層は、粗化層を被覆し、層間樹脂絶縁層を粗化する際に起こる局部電極反応による導体回路の溶解を防止できる。その層の厚さは 0.1〜2μmがよい。
【0039】
かかる金属としては、チタン、アルミニウム、亜鉛、鉄、インジウム、タリウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種がある。貴金属としては、金、銀、白金、パラジウムがある。これらのうち、特にスズがよい。スズは、無電解置換めっきにより薄い層を形成でき、粗化層に追従できるため有利である。
【0040】
スズを被覆するには、ホウフッ化スズ−チオ尿素、塩化スズ−チオ尿素液を使用する。この場合、Cu−Snの置換反応により 0.1〜2μm程度のSn層が形成される。貴金属の場合は、スパッタや蒸着等の方法が採用できる。
【0041】
また、かかる配線基板には、スルーホールが形成され、このスルーホールを介して表面と裏面の配線層を電気的に接続することができる。更に、かかる配線基板には、スルーホールと配線基板の導体回路間にビスフェノールF型エポキシ樹脂等の低粘度の樹脂を充填し、配線基板の平滑性を確保してもよい。
【0042】
(2) このようにして作製した配線基板の上に無電解めっき用接着剤を塗布し乾燥して、層間樹脂絶縁層を設ける。塗布には、ロールコータ、カーテンコータ等を使用できる。
【0043】
この時点では、基板の導体回路上に設けた層間樹脂絶縁層は、導体回路パターン上の層間樹脂絶縁層の厚さが薄く、導体回路パターン上以外の他の大面積を持つ部分の層間樹脂絶縁層の厚さが厚くなり、凹凸が発生している状態であることが多い。そのため、この凹凸状態にある層間樹脂絶縁層を、金属板や金属ロールを用いて加熱しながら押圧し、その層間樹脂絶縁層の表面を平坦化することが望ましい。
【0044】
(3) 次に、層間樹脂絶縁層を硬化する一方で、その層間樹脂絶縁層にはバイアホール形成用の開口を設ける。
【0045】
層間樹脂絶縁層の硬化処理は、無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化性樹脂である場合は熱硬化して行い、感光性樹脂である場合は紫外線等で露光して行う。
【0046】
バイアホール形成用の開口は、無電解めっき用接着剤の樹脂マトリックスが熱硬化性樹脂である場合は、レーザ光や酸素プラズマ等を用いて穿孔し、感光性樹脂である場合は露光現像処理にて穿孔する。尚、露光現像処理は、バイアホール形成のための円パターンが描画されたフォトマスク(ガラス基板がよい)を、円パターン側を感光性の層間樹脂絶縁層の上に密着させて載置した後、露光、現像処理する。
【0047】
(4) 次に、バイアホール形成用開口を設けた層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層)の表面を粗化する。特に本発明では、無電解めっき用接着剤層の表面に存在する耐熱性樹脂粒子を酸又は酸化剤で溶解除去することにより、接着剤層表面を粗化処理する。このとき、粗化面に形成される窪みの深さは、1〜5μm程度が好ましい。
【0048】
酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、又は蟻酸や酢酸等の有機酸を用いることができる。特に有機酸を用いるのが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
【0049】
酸化剤としては、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム等)を用いることが望ましい。
【0050】
(5) 次に、層間樹脂絶縁層の粗化面に触媒核を付与する。触媒核の付与には、貴金属イオンや貴金属コロイド等を用いることが望ましく、一般的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用する。尚、触媒核を固定するために加熱処理を行うことが望ましい。このような触媒核としてはパラジウムがよい。
【0051】
(6) 次に、粗化し触媒核を付与した層間樹脂絶縁層上の全面に薄付けの無電解めっき膜を形成する。この無電解めっき膜は、無電解銅めっき膜がよく、その厚みは、1〜5μm、より望ましくは2〜3μmとする。尚、無電解銅めっき液としては、常法で採用される液組成のものを使用でき、例えば、硫酸銅:10g/l、EDTA: 40g/l、水酸化ナトリウム:10g/l、37%ホルムアルデヒド: 10ml、(pH=11.5)からなる液組成のものがよい。
【0052】
(7) 次に、このようにして形成した無電解めっき膜上に感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)をラミネートし、この感光性樹脂フィルム上に、めっきレジストパターンが描画されたフォトマスク(ガラス基板がよい)を密着させて載置し、露光し、現像処理することにより、めっきレジストパターンを配設した非導体部分を形成する。
【0053】
(8) 次に、無電解めっき膜上の非導体部分以外に電解めっき膜を形成し、導体回路とバイアホールとなる導体部を設ける。電解めっきとしては、電解銅めっきを用いることが望ましく、その厚みは、10〜20μmがよい。
【0054】
(9) 次に、非導体部分のめっきレジストを除去し、無電解めっき膜と電解めっき膜の2層からなる導体回路とバイアホールを得る。
【0055】
(10)次に、このようにして得た導体回路とバイアホールの表面に粗化層を形成する。この粗化層の形成方法としては、前述したエッチング処理法による。このとき、導体回路間の無電解めっき膜及び触媒核が除去される。このため、無電解めっき膜及び触媒核の除去工程が不要になる。なお、ここで、触媒核の除去とは、触媒核を完全に除去する場合のみを意味するのではなく、導体回路間の絶縁を確立するに十分な範囲まで減ずることも含む。
【0056】
また、前記無電解めっき膜を除去しきれない場合は、他のエッチング液で残った無電解めっき膜を溶解除去できる。
他のエッチング液としては、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム塩の水溶液、塩化第二銅、塩化第二鉄の水溶液である。
【0057】
(11)次に、この基板上に(2) の工程に従い、層間樹脂絶縁層を形成する。
(12)更に、必要に応じて (3)〜(9) の工程を繰り返すことにより多層化し、多層プリント配線板を製造する。
また、前記無電解めっき膜を除去しきれない場合は、他のエッチング液で残った無電解めっき膜を溶解除去できる。
他のエッチング液としては、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム塩の水溶液、塩化第二銅、塩化第二鉄の水溶液である。
【0058】
以上の処理は、セミアディテイブ法であるが、無電解めっき用接着剤層を粗化処理し、表面にめっきレジストを形成した後、無電解めっきを施して導体パターンを形成するいわゆるフルアディティブ法において、下層導体回路の粗化に使用してもよい。
【0059】
【実施例】
以下、本発明の実施形態に係る多層プリント配線板及びその製造方法について図を参照して説明する。
先ず、本発明の第1実施形態に係る多層プリント配線板10の構成について、図8を参照して説明する。多層プリント配線板10では、コア基板1内にスルーホール6が形成され、該コア基板1の両面には導体回路5が形成されている。また、該コア基板1の上には、バイアホール30及び導体回路29の形成された下層側層間樹脂絶縁層16が配設されている。該下層層間樹脂絶縁層16の上には、バイアホール130及び導体回路129が形成された上層層間樹脂絶縁層116が配置されている。
【0060】
多層プリント配線板の上面側には、ソルダーレジスト70の開口部71に、ICチップ(図示せず)のランドへ接続するための半田バンプ76Uが配設されている。下面側の開口部71には、ドーターボード(図示せず)のランドへ接続するための半田バンプ76Dが配設されている。該半田バンプ76Uは、層間樹脂絶縁層116に形成されたバイアホール130及び層間樹脂絶縁層16に形成されたバイアホール30を介してスルーホール6へ接続されている。一方、該半田バンプ76Dは、層間樹脂絶縁層116に形成されたバイアホール130及び層間樹脂絶縁層16に形成されたバイアホール30を介してスルーホール6へ接続されている。
【0061】
引き続き、図8を参照して上述したプリント配線板の製造方法について説明する。ここでは、先ず、A.無電解めっき用接着剤、B.樹脂充填剤調製用の原料組成物について説明する。
無電解めっき用接着剤組成物Aの調製
(1) クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製:分子量2500)の25重量%アクリル化物を35重量部、感光性モノマー(東亜合成製:商品名アロニックスM315)3.15重量部、消泡剤(サンノプコ製S-65)0.5 重量部、N-メチルピロリドン(NMP )3.6 重量部を攪拌混合した。
【0062】
(2) ポリエーテルスルフォン(PES )12重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成製:商品名ポリマーポール)の平均粒径1.0 μmを7.2 重量部、平均粒径0.5 μmのものを3.09重量部を混合した後、さらにNMP 30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合した。
【0063】
(3) イミダゾール硬化剤(四国化成製:商品名2E4MZ-CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製:イルガキュア I-907)2重量部、光増感剤(日本化薬製:DETX-S)0.2 重量部、NMP 1.5 重量部を攪拌混合した。
(4) 混合物(1) 〜(3) を混合して無電解めっき用接着剤組成物を得た。
【0064】
樹脂充填剤Bの調整
(1) ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル製:分子量310 、商品名 YL983U ) 100重量部と平均粒径 1.6μmで表面にシランカップリング剤がコーティングされたSiO2 球状粒子〔アドマテック製:CRS 1101−CE、ここで、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み(15μm)以下とする。〕 170重量部、レベリング剤(サンノプコ製:商品名ペレノールS4)1.5 重量部を3本ロールにて混練し、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,000cps に調整した。
【0065】
(2) イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)6.5 重量部。
(3) 混合物(1) と(2) とを混合して、樹脂充填剤を調製した。
【0066】
プリント配線板の製造
図1(A)〜図7(S)は、本発明にかかる一例の製造工程に従って示すプリント配線板の断面図である。
(1) 図1(A)に示すように、本実施例では、厚さ1mmのビスマレイミドトリアジン(BT)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔2がラミネートされている銅張積層板3を出発材料とした。
【0067】
(2) まず、この銅張積層板3にドリル孔4を開け、無電解めっきを施し、さらに銅箔を常法に従いパターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に内層銅パターン(下層導体回路)5を設け、スルーホール6を形成した(図1(B))。
【0068】
次に、内層銅パターン5の表面、スルーホール6のランド表面と内壁に、それぞれ粗化層7,8,9を設けた(図1(C))。粗化層7,8,9は、前述の基板を水洗し、乾燥した後、エッチング液を基板の両面にスプレイで1分間吹きつけて、内層銅パターン5の表面、スルーホール6のランド表面と内壁をエッチングすることにより形成した。エッチング液には、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部、イオン交換水78重量部を混合したものを用いた。
【0069】
(3) 次に、樹脂層11,12を配線基板10の内層銅パターン5間とスルーホール6内とに設けた。ここでは、先ず、樹脂層11,12は、予め調製した樹脂充填剤Bを、ロールコータにより配線基板10の両面に塗布し、内層銅パターン5の間とスルーホール6内に充填し、 100℃で1時間、120 ℃で3時間、 150℃で1時間、 180℃で7時間、それぞれ加熱処理することにより硬化させて形成した(図1(D))。
【0070】
(4) (3) の処理で得た基板の片面を、ベルトサンダー研磨した。この研磨では、#600 のベルト研磨紙(三共理化学製)を用い、内層銅パターン5の粗化層7やスルーホール6のランド表面に樹脂充填剤が残らないようにした。次いで、このベルトサンダー研磨による傷を取り除くために、バフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行い、図2(E)示すような配線基板13を得た。
【0071】
この配線基板13は、内層銅パターン5間に樹脂層11が設けられ、スルーホール6内に樹脂層12が設けられている。内層銅パターン5の粗化層7とスルーホール6のランド表面の粗化層8が除去されており、基板両面が樹脂充填剤により平滑化されている。樹脂層11は内層銅パターン5の側面の粗化層7aを介して内層銅パターン5と密着し、樹脂層12はスルーホール6の内壁の粗化層9を介してスルーホール6の内壁と密着している。
【0072】
(5) 更に、図2(F)に示すように、露出した内層銅パターン5とスルーホール6のランド上面を(2) のエッチング処理で粗化して、厚さ3μmの粗化層14,15を形成した。粗化面を真上および斜め上45°の角度から電子顕微鏡にて撮影したところ、5μm角当りの領域で錨状部が平均11個、窪みが、5μm角当りの領域で平均11個、稜線は、5μm角当りの領域で22本観察された。
また、この粗化層14,15の表面をスズ置換めっきして、0.3 μmの厚さのSn層を設けた。置換めっきは、ホウフッ化スズ0.1 モル/l、チオ尿素1.0 モル/l、温度50℃、pH=1.2 の条件でCu−Sn置換反応させ、粗化層表面に0.3 μmの厚さのSn層を設けた(Sn層については図示しない)。
【0073】
(6) 得られた配線基板の両面に、予め調製した無電解めっき用接着剤組成物Aをロールコータを用いて塗布した。この組成物は、基板を水平状態で20分間放置してから、60℃で30分乾燥し、厚さ35μmの接着剤層16を形成した(図2(G))。
【0074】
(7) 図3(H)に示すように、(6) で接着剤層16を形成した配線基板の両面に、85μmφの黒円17が印刷されたフォトマスクフィルム18を密着させた。この配線基板を、超高圧水銀灯により 500mJ/cm2 で露光した。
【0075】
次いで、この配線基板をDMDG溶液を用いてスプレー現像することにより、85μmφのバイアホールとなる開口19を、接着剤層16に形成した(図3(I))。更に、この配線基板を超高圧水銀灯により3000mJ/cm2 で露光し、100 ℃で1時間、その後 150℃で5時間、加熱処理することにより、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れた開口(バイアホール形成用開口)19を形成した。尚、厚さ35μmの接着剤層16は、層間絶縁材層として機能し、バイアホール形成用開口には、図示してはいないが、内層銅パターン5上のスズめっき層を部分的に露出させた。
【0076】
(8) 次に、(7) の処理後の基板を、クロム酸に1分間浸漬し、接着剤層16の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去した。この処理により、図3(J)に示すような粗化層20,21を、接着剤層16の表面とバイアホール用開口の内壁面に形成した。その後、得られた基板22を中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
【0077】
更に、粗面化処理した配線基板の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、接着剤層16の粗化層20とバイアホール用開口の粗化層21に触媒核33を付けた(図4(K))。
【0078】
(9) 得られた基板を以下の条件の無電解銅めっき浴中に浸漬し、図4(L)に示すような厚さ1.6 μmの無電解銅めっき膜23を粗化面全体に形成した。
無電解めっき液;
EDTA : 40 g/l
硫酸銅 : 10 g/l
HCHO : 8 ml/l
NaOH : 10 g/l
α、α’−ビピリジル : 80 mg/l
PEG : 0.1 g/l
無電解めっき条件;
70℃の液温度で30分
【0079】
(10)次に、市販の感光性ドライフィルム(図示せず)を無電解銅めっき膜23に張り付け、パターンが印刷されたマスクフィルム(図示せず)を載置した。この基板を、100mJ/cm2 で露光し、その後0.8%炭酸ナトリウムで現像処理して、図4(M)に示すように、厚さ15μmのめっきレジスト27を設けた。
【0080】
(11)次いで、得られた基板に以下の条件で電解銅めっきを施し、図5(N)に示すような厚さ15μmの電解銅めっき膜28を形成した。
電解めっき液;
硫酸 : 180 g/l
硫酸銅 : 80 g/l
添加剤 : 1ml/l
(添加剤はアトテックジャパン製:商品名カパラシドGL)
電解めっき条件;
電流密度 : 1A/dm2
時間 : 30分
温度 : 室温
【0081】
(12)めっきレジスト26を5%NaOHで剥離除去する(図5(O))。
【0082】
(13)更に、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部、イオン交換水78重量部を混合したエッチング液をスプレーで1分間吹きつけ、電解めっき膜28間の無電解めっき膜23、及び、接着剤層16表面のパラジウム触媒33を除去し、無電解銅めっき膜23と電解銅めっき膜28とからなる厚さ18μmの導体回路29(バイアホール30を含む)を得ると共に、導体回路29(バイアホール30含む)表面に粗化層35を形成することで図6(P)に示すような多層プリント配線板を製造した。
【0083】
この処理の時点でPd量を測定した。測定方法は、導体回路を形成しない点以外は、全く同じ工程を施した基板を6N塩酸水溶液に浸漬し、溶出したPdを原子吸光法で測定し、基板の単位面積あたりのPd量を算出した。その結果、2.5mg/m2であった。
【0084】
(14)さらに、この粗化層35表面をスズ置換めっきして、0.1 μmの厚さのSn層を設け(図示せず)、(6) 〜(13)を繰り返して接着剤層116、導体回路129、バイアホール130を形成し、図6(Q)に示すの多層プリント配線板を得た。なお、この上層の導体回路を形成する工程においては、Sn置換は行わなかった。
【0085】
(15)上述した多層プリント配線板にはんだバンプを形成する。先ず、DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ−CN)1.6 g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、R604 )3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、DPE6A ) 1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を 0.2g加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL−B型)で 60rpmの場合はローターNo.4、6rpm の場合はローターNo.3によった。
【0086】
(16)前記(15)で得られた多層プリント配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布した。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルムを密着させて載置し、1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。そしてさらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理し、はんだパッド部(バイアホールとそのランド部分を含む)の開口部(開口径200μm)71を有するソルダーレジスト層(厚み20μm)70を形成した(図7(R))。
【0087】
(17) 次に、塩化ニッケル2.31×10−1mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.8×10−1mol/l、クエン酸ナトリウム1.85×10−1mol/l、からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に該基板30を20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム4.1 ×10−2mol/l、塩化アンモニウム1.87×10−1mol/l、クエン酸ナトリウム1.16×10−1mol/l、次亜リン酸ナトリウム1.7 ×10−1mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7分20秒間浸漬して、ニッケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層74を形成することで、バイアホール130に半田パッド75を形成する(図7(S)参照)。
【0088】
(18)そして、ソルダーレジスト層70の開口部71に、低融点金属として半田ペーストを印刷して 200℃でリフローすることにより、半田バンプ(半田体)76U、76Dを形成し、多層プリント配線板10を完成した(図8参照)。
【0089】
(比較例1)
実施例と同様であるが、(13)の工程において粗化処理の前に硫酸−過酸化水素水の水溶液に3分間浸漬して、無電解めっき膜を除去した。Pd除去は行わなかった。
基板の単位面積あたりのPd量は5.5mg/m2であった。
【0090】
(比較例2)
実施例と同様であるが、(13)の工程において粗化処理の前に硫酸−過酸化水素水の水溶液に3分間浸漬して、無電解めっき膜を除去した。さらに800g/lのクロム酸水溶液に1分間浸漬し、Pd除去を行った。基板の単位面積あたりのPd量は0.1mg/m2であった。
実施例、比較例で得られた基板について、テスターにより導体回路間のショートを測定した。また、HAST試験(温度121℃、相対湿度100%、印加電圧1.3V、48時間)を行い、Cuマイグレーションを観察した。観察は蛍光X線分析装置(Rigaku PIX2100)を使用してCuの拡散状態を調べた。
結果を表1に示す。
【表1】
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の多層プリント配線板の製造方法では、下層導体回路間の無電解めっき膜及び触媒核の除去と下層導体回路の粗化とを同時に達成できるため、製造コストの低減、納期短縮を実現でき、また、このようにして得られたプリント配線板は、Cuマイグレーションを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、図1(B)、図1(C)、図1(D)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図2】図2(E)、図2(F)、図2(G)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図3】図3(H)、図3(I)、図3(J)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図4】図4(K)、図4(L)、図4(M)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図5】図5(N)、図5(O)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図6】図6(P)、図6(Q)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図7】図7(R)、図7(S)は、本発明にかかる多層プリント配線板の製造工程図である。
【図8】本発明にかかる多層プリント配線板の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 銅箔
3 銅張積層板
4 ドリル孔
5 内層銅パターン(下層導体回路)
6 スルーホール
7,8,9,14,15,20,21 粗化層
10,13,22 配線基板
11,12 樹脂層
16、116 接着剤層(層間樹脂絶縁層)
17 黒円
19 開口
23 無電解銅めっき膜
24 感光性ドライフィルム
25 パターン
27 めっきレジスト
28 電解銅めっき膜
29 導体回路(下層導体回路)
30 バイアホール
31 多層プリント配線板
33 触媒核
35 粗化層
129 導体回路(上層導体回路)
Claims (2)
- 下層導体回路、上層導体回路および層間樹脂絶縁層とを備えているプリント配線板の製造方法であって、
基板上にパラジウム触媒核を付与した後、無電解めっきを用いて下層導体回路を形成し、
ついで、下層導体回路を酸素共存下で第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液により処理して粗化面の形成と、下層導体回路間の無電解めっき膜及び触媒核の除去を同時に行い、
さらに、下層導体回路上に層間樹脂絶縁層および上層導体回路を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 前記請求項1のプリント配線板の製造方法において、基板上にパラジウム触媒核を付与した後、無電解めっきを全面に行ってから、該無電解めっき膜上にめっきレジストを形成し、その後電気めっきを行い、めっきレジストを除去して下層導体回路を形成し、
ついで、この下層導体回路を酸素共存下で第二銅錯体と有機酸とを含有するエッチング液により処理して粗化面の形成と、下層導体回路間の無電解めっき膜及び触媒核の除去を同時に行うプリント配線板の製造方法。
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