JP4281678B2 - 電気光学装置の製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気光学装置の製造方法及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置には、像担持体としての感光ドラムを露光して潜像を形成する電気光学装置としての露光ヘッドが利用されている。近年では、この露光ヘッドの薄型化と軽量化を図るために、露光ヘッドの発光源として有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いるものが提案されている。
なかでも、この種の露光ヘッドにおいては、構成材料の選択幅を広くできる利便性から、透明基板の一側面(発光素子形成面)上に有機EL素子を形成して有機EL素子の発光した光を発光素子形成面と相対向する他側面(光取出し面)から取り出す、いわゆるボトムエミッション構造が採用されている。
しかし、ボトムエミッション構造では、光取出し面と有機EL素子との間に、その有機EL素子を発光させるための各種配線や容量等が形成される。このため、有機EL素子の開口率が低下して、光の取出し効率を低下させる問題があった。
そこで、この種の露光ヘッドでは、光の取出し効率を向上させるために、有機EL素子から発光された光を集光するレンズ、いわゆるマイクロレンズを光取出し面上に設ける提案がなされている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、有機EL素子と相対向する光取出し面に硬化性樹脂を吐出し、その吐出した樹脂を硬化することによってマイクロレンズを形成している。
特開2003−291404号広報
しかしながら、上記する露光ヘッドでは、マイクロレンズが、発光素子形成面と光取出し面との間の距離、すなわち透明基板の厚さ分だけ有機EL素子から離間する。そのため、有機EL素子に対するマイクロレンズの開口角(有機EL素子の中心位置からマイクロレンズの直径に対して張る角度)が、透明基板の厚さ分だけ小さくなり、ひいては有機EL素子から発光された光の光取出し効率を損なう問題を招く。
こうした問題は、透明基板の厚みを薄くし、その透明基板に有機EL素子とマイクロレンズを形成することによって軽減できると考えられる。しかし、透明基板の厚さを薄くすると、その機械的強度が不足して、有機EL素子やマイクロレンズを形成する時に、透明基板を破損する虞がある。また、透明基板の光取出し面を平滑にする加工が困難となり、その表面粗さ(算術平均粗さ)の劣化に伴ってマイクロレンズの形成位置やその形状にバラツキを来たす虞がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、マイクロレンズの形状やその形成位置のバラツキを回避して、発光素子から発光された光の取出し効率を向上した電気光学装置の製造方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明の電気光学装置の製造方法は、透明基板の発光素子形成面に発光素子を形成して、前記発光素子から発光された光を出射するマイクロレンズを前記透明基板に配設するようにした電気光学装置の製造方法において、前記透明基板の前記発光素子形成面側に同透明基板の機械的強度を補償する支持基板を貼着した後に、前記発光素子形成面と相対向する前記透明基板の面を前記発光素子形成面側に削ることによって貼着面を形成し、前記マイクロレンズの形成されるレンズ形成面と相対向するシート基板の一側面を前記貼着面に貼着して前記マイクロレンズを、前記シート基板を介して前記透明基板に配設するようにした。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、発光素子形成面と相対向する側の面を削る
分だけ貼着面を発光素子形成面に近接させることができるとともにその機械的強度も補償することができる。また、シート基板のレンズ形成面にマイクロレンズを形成する分だけ、削った貼着面にマイクロレンズを形成するよりも、その形状や形成位置のバラツキを回避することができる。従って、削った量をシート基板の厚さよりも大きくする分だけ、マイクロレンズの形状や形成位置のバラツキを回避して、同マイクロレンズの開口角を大きくすることができ、発光素子から発光された光の取出し効率を向上した電気光学装置を製造することができる。
この電気光学装置の製造方法は、前記シート基板の前記レンズ形成面に前記マイクロレンズを形成した後に、前記シート基板の前記一側面を前記貼着面に貼着して前記マイクロレンズを前記透明基板に配設するようにした。
この電気光学装置の製造方法によれば、レンズ形成面にマイクロレンズを形成したシート基板を貼着面に貼着するようになる。従って、マイクロレンズを形成するための紫外線照射や熱処理等、各種処理工程による発光素子の損傷を回避することができる。
この電気光学装置の製造方法は、前記シート基板の前記一側面を前記貼着面に貼着して、前記レンズ形成面に形成した複数の前記マイクロレンズをそれぞれ対応する前記発光素子と対峙する位置に配設するようにした。
この電気光学装置の製造方法によれば、複数のマイクロレンズが対応する発光素子と相対向する位置に配設されるため、各発光素子から発光された光の取出し効率を確実に向上することができる。
この電気光学装置の製造方法は、前記透明基板の前記一側面を研削することによって前記貼着面を形成するようにした。
この電気光学装置の製造方法によれば、透明基板の一側面を研削する分だけ、発光素子形成面と貼着面との間の距離を短くすることができ、発光素子から発光された光の取出し効率を向上する電気光学装置を製造することができる。
この電気光学装置の製造方法において、前記透明基板の前記一側面をエッチングすることによって前記貼着面を形成するようにした。
この電気光学装置の製造方法によれば、透明基板の一側面をエッチングする分だけ発光素子形成面と貼着面との間の距離を短くすることができ、発光素子から発光された光の取出し効率を向上する電気光学装置を製造することができる。
この電気光学装置の製造方法において、液滴吐出装置から吐出する機能液によて前記レンズ形成面上に液滴を形成し、前記液滴を硬化することによって前記マイクロレンズを形成するようにした。
この電気光学装置の製造方法によれば、液滴吐出装置の吐出する機能液によってマイクロレンズを形成するため、透明基板の厚さに制約を受けることなくマイクロレンズを形成することができ、光の取出し効率を向上した電気光学装置を製造することができる。
この電気光学装置の製造方法において、前記レンズ形成面上であって前記発光素子と対峙する位置に半球面状の液滴を形成し、前記液滴を硬化することによって凸形状の前記マイクロレンズを形成するようにした。
この電気光学装置の製造方法によれば、マイクロレンズが凸形状のレンズで形成されるため、発光素子から発光された光をマイクロレンズによって集光する効率を向上することができる。その結果、光を取り出して集光する効率を向上した電気光学装置をより簡便に製造することができる。
この電気光学装置の製造方法において、前記発光素子は、前記貼着面側に形成した透明電極と、前記透明電極と相対して形成した背面電極と、前記透明電極と前記背面電極との間に形成した発光層とを備えたエレクトロルミネッセンス素子である。
この電気光学装置の製造方法によれば、エレクトロルミネッセンス素子から発光された光の取出し効率を向上した電気光学装置を製造することができる。
この電気光学装置の製造方法において、前記発光層は、有機材料で形成され、前記エレクトロルミネッセンス素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
この電気光学装置の製造方法によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子から発光された光の取出し効率を向上した電気光学装置を製造することができる。
本発明の画像形成装置は、像担持体の外周面を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像担持体の外周面を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像に対して着色粒子を供給して顕像を現像する現像手段と、前記顕像を転写媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記露光手段は、上記する電気光学装置の製造方法によって製造される電気光学装置を備えた。
本発明の画像形成装置によれば、帯電した像担持体を露光する露光手段が上記電気光学装置を備えるようになる。従って、画像形成装置の露光における光の取出し効率を向上することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。図1は、画像形成装置としての電子写真方式プリンタを示す概略側断面図である。
(電子写真方式プリンタ)
図1に示すように、電子写真方式プリンタ10(以下単に、プリンタ10という。)は、箱体状に形成される筐体11を備えている。その筐体11内には、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14が設けられ、各ローラ12〜14に対して転写媒体としての中間転写ベルト15が張設されている。そして、駆動ローラ12の回転によって、中間転写ベルト15は、図1における矢印方向に循環駆動可能に備えられている。
中間転写ベルト15の上方には、4体の像担持体としての感光ドラム16が、中間転写ベルト15の張設方向(副走査方向Y)に回転可能に併設されている。その感光ドラム16の外周面には、光導電性を有する感光層16a(図4参照)が形成されている。感光層16aは、暗中でプラス又はマイナスの電荷を帯電し、所定の波長領域からなる光を照射されると、照射された部位の電荷が消失されるようになっている。すなわち、電子写真方式プリンタ10は、これら4体の感光ドラム16によって構成されるタンデム式のプリンタである。
各感光ドラム16の周囲には、それぞれ帯電手段としての帯電ローラ19、露光手段を構成する電気光学装置としての有機エレクロトルミネッセンスアレイ露光ヘッド20(以
下単に、露光ヘッド20という。)、現像手段としてのトナーカートリッジ21、転写手段を構成する一次転写ローラ22及びクリーニング手段23が配設されている。
帯電ローラ19は、感光ドラム16に密着する半導電性のゴムローラである。この帯電ローラ19に直流電圧を印加して感光ドラム16を回転すると、感光ドラム16の感光層16aが、全周面にわたり所定の帯電電位に帯電するようになっている。
露光ヘッド20は、所定の波長領域の光を出射する光源であって、図2に示すように、長尺板状に形成されている。その露光ヘッド20は、その長手方向を感光ドラム16の軸方向(図1において紙面に直交する方向:主走査方向X)と平行にして、感光層16aから所定の距離だけ離間した位置に位置決めされている。そして、露光ヘッド20が印刷データに基づく光を鉛直方向Z(図1参照)に出射して感光ドラム16が回転方向Roに回転すると、感光層16aが、所定の波長領域の光に露光される。すると、感光層16aは、露光された部位(露光スポット)の電荷を消失して、その外周面に静電的な画像(静電潜像)を形成する。なお、この露光ヘッド20の露光する光の波長領域は、感光層16aの分光感度と整合した波長領域である。つまり、露光ヘッド20の露光する光の発光エネルギーのピーク波長は、前記感光層16aの分光感度のピーク波長と略一致するようになっている。
トナーカートリッジ21は、箱体形状に形成されて、その内部に直径10μm程度の着色粒子としてのトナーTを収容する。なお、本実施形態における4体のトナーカートリッジ21には、それぞれ対応する4色(黒、シアン、マゼンタ及びイエロ)のトナーTが収容されている。そのトナーカートリッジ21には、感光ドラム16側から順に、現像ローラ21aと供給ローラ21bが備えられている。供給ローラ21bは、回転することによって、トナーTを現像ローラ21aまで搬送するようになっている。現像ローラ21aは、供給ローラ21bとの摩擦等によって、同供給ローラ21bの搬送したトナーTを帯電させるとともに、帯電したトナーTを同現像ローラ21aの外周面に均一に付着するようになっている。
そして、感光ドラム16に前記帯電電位と略等しいバイアス電位を印加した状態で、供給ローラ21b及び現像ローラ21aを回転する。すると、感光ドラム16は、前記露光スポットと現像ローラ21a(トナーT)との間に、前記バイアス電位に相対する静電吸着力を付与する。静電吸着力を受けたトナーTは、同現像ローラ21cの外周面から前記露光スポットに移動して吸着する。これによって、各感光ドラム16(各感光層16a)の外周面には、それぞれ静電潜像に対応した単色の可視像(顕像)が形成される(現像される)。
中間転写ベルト15の内側面15aであって前記各感光ドラム16と対峙する位置には、それぞれ一次転写ローラ22が設けられている。一次転写ローラ22は、導電性ローラであって、その外周面が中間転写ベルト15の内側面15aに密着しながら回転する。この一次転写ローラ22に直流電圧を印加して感光ドラム16及び中間転写ベルト15を回転すると、感光層16aに吸着したトナーTが、一次転写ローラ22側への静電吸着力よって中間転写ベルト15の外側面15bに順次移動して吸着するようになっている。すなわち、一次転写ローラ22は、感光ドラム16に形成した顕像を中間転写ベルト15の外側面15bに一次転写する。そして、中間転写ベルト15の外側面15bは、各感光ドラム16と一次転写ローラ22によって、単色からなる顕像の一次転写を4回繰り返し、これらの顕像を重ね合わせることによってフルカラーの画像(トナー像)を得る。
クリーニング手段23は、図示しないLED等の光源とゴムブレードを備え、前記一次転写後の感光層16aに光を照射して帯電した感光層16aを除電するようになっている
。そして、クリーニング手段23は、除電した感光層16aに残留するトナーTをゴムブレードによって機械的に除去する。
中間転写ベルト15の下側には、記録用紙Pを収容した記録用紙カセット24が配設されている。その記録用紙カセット24の上側には、記録用紙Pを中間転写ベルト15側に給紙する給紙ローラ25が配設されている。その給紙ローラ25の上側にあって駆動ローラ12と相対向する位置には、転写手段を構成する二次転写ローラ26が配設されている。二次転写ローラ26は、前記各一次転写ローラ22と同じく導電性ローラであって、記録用紙Pの裏面を押圧し、同記録用紙Pの表面を中間転写ベルト15の外側面15bに接触させている。そして、この二次転写ローラ26に直流電圧を印加して中間転写ベルト15を回転すると、中間転写ベルト15の外側面15bに吸着したトナーTが、記録用紙Pの表面上に順次移動して吸着する。すなわち、二次転写ローラ26は、中間転写ベルト15の外側面15bに形成されたトナー像を記録用紙Pの表面上に二次転写する。
二次転写ローラ26の上側には、熱源を内蔵するヒートローラ27aと同ヒートローラ27aを押圧する押圧ローラ27bが配設されている。そして、二次転写後の記録用紙Pがヒートローラ27aと押圧ローラ27bとの間に搬送されると、記録用紙P上に転写されたトナーTが、加熱によって軟化し、記録用紙P内に浸透して硬化する。これによって、記録用紙Pの表面にトナー像が定着する。トナー像を定着させた記録用紙Pは、排紙ローラ28によって筐体11の外側に排出されるようになっている。
従って、プリンタ10は、帯電した感光層16aを露光ヘッド20によって露光し、同感光層16aに静電潜像を形成する。次に、プリンタ10は、感光層16aの静電潜像を現像して同感光層16aに単色の顕像を形成する。続いて、プリンタ10は、感光層16aの顕像を中間転写ベルト15上に順次一次転写して同中間転写ベルト15上にフルカラーのトナー像を形成する。そして、プリンタ10は、中間転写ベルト15上のトナー像を記録用紙P上に二次転写し、加熱加圧によってトナー像を定着させて印刷を終了する。
次に、上記プリンタ10に備えられた電気光学装置としての露光ヘッド20について以下に説明する。図2は、露光ヘッド20を示す正断面図である。
図2に示すように、露光ヘッド20には、透明基板としての素子基板30が備えられている。素子基板30は、長尺状に形成された無色透明の無アルカリガラス基板であって、その長手方向(図2における左右方向:主走査方向X)の幅が感光ドラム16の軸方向の幅と略同じ大きさで形成されている。
この素子基板30の厚みは、後述する研削工程によって均一な厚さを得ることができる基板の厚さ(研削後厚さT1)で形成されている。本実施形態では、その研削後厚さT1を50μmとしているが、これに限られるものではない。
そして、本実施形態では、その素子基板30について、上面(感光ドラム16側と反対の面)を発光素子形成面30aとし、後述する研削工程によって形成される下面(感光ドラム16側の面)を貼着面30bとしている。
まず、素子基板30の発光素子形成面30a側について以下に説明する。図3は、露光ヘッド20を貼着面30b側から見た平面図である。図4は、図3に示す一点鎖線A−Aに沿った概略断面図である。
図2に示すように、素子基板30の発光素子形成面30a上には、複数の画素形成領域31が形成されている。各画素形成領域31は、図3に示すように、千鳥格子状に2次元に配列され、それぞれ薄膜トランジスタ32(以下単に、TFT32という。)と発光素
子としての有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)33とからなる画素34を有している。TFT32は、印刷データに基づいて生成されたデータ信号によってオン状態となり、そのオン状態に基づいて、有機EL素子33を発光するようになっている。
図4に示すように、TFT32は、その最下層にチャンネル膜BCを備えている。チャンネル膜BCは、発光素子形成面30a上に形成される島状のp型ポリシリコン膜であって、その左右両側には、図示しない活性化したn型領域(ソース領域及びドレイン領域)が形成されている。つまり、TFT32は、いわゆるポリシリコン形TFTである。
チャンネル膜BCの上側中央位置には、発光素子形成面30a側から順に、ゲート絶縁膜D0、ゲート電極Pg及びゲート配線M1が形成されている。ゲート絶縁膜D0は、シリコン酸化膜等の光透過性を有する絶縁膜であって、チャンネル膜BCの上側及び発光素子形成面30aの略全面に堆積されている。ゲート電極Pgは、タンタル等の低抵抗金属膜であって、チャンネル膜BCの略中央位置と相対向する位置に形成されている。ゲート配線M1は、ITO等の光透過性を有する透明導電膜であって、ゲート電極Pgと図示しないデータ線駆動回路とを電気的に接続している。そして、データ線駆動回路がゲート配線M1を介してゲート電極Pgにデータ信号を入力すると、TFT32は、そのデータ信号に基づいたオン状態となる。
チャンネル膜BCであって前記ソース領域及びドレイン領域の上側には、上方に延びるソースコンタクトSc及びドレインコンタクトDcが形成されている。各コンタクトSc,Dcは、チャンネル膜BCとのコンタクト抵抗を低くする金属膜で形成されている。そして、これら各コンタクトSc,Dc及びゲート電極Pg(ゲート配線M1)は、シリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁膜D1によってそれぞれ電気的に絶縁されている。
各コンタクトSc,コンタクトDcの上側には、それぞれアルミニウム等の低抵抗金属膜からなる電源線M2s及び陽極線M2dが形成されている。電源線M2sは、ソースコンタクトScと図示しない駆動電源とを電気的に接続している。陽極線M2dは、ドレインコンタクトDcと有機EL素子33とを電気的に接続している。これら電源線M2s及び陽極線M2dは、シリコン酸化膜等からなる第2層間絶縁膜D2によって電気的に絶縁されている。そして、TFT32がデータ信号に基づいたオン状態となると、そのデータ信号に応じた駆動電流が、電源線M2s(駆動電源)から陽極線M2d(有機EL素子33)に供給される。
図4に示すように、第2層間絶縁膜D2の上側には、有機EL素子33が形成されている。その有機EL素子33の最下層には、透明電極としての陽極Pcが形成されている。陽極Pcは、ITO等の光透過性を有する透明導電膜であって、その一端が陽極線M2dに接続されている。
その陽極Pcの上側には、各陽極Pcを互いに電気的に絶縁するシリコン酸化膜等の第3層間絶縁膜D3が堆積されている。この第3層間絶縁膜D3には、陽極Pcの略中央位置を上側に開口する円形孔(位置整合孔D3h)が形成されている。なお、本実施形態では、その位置整合孔D3hの直径を整合径R1として50μmとするが、これに限られるものではない。
その第3層間絶縁膜D3の上側には、感光性ポリイミド等の樹脂で形成される隔壁層DBが堆積されている。その隔壁層DBには、位置整合孔D3hと相対向する位置を上側に向かってテーパ状に開口する円錐孔DBhが形成されている。そして、この円錐孔DBhの内周面によって、隔壁DBwが形成されている。
陽極Pcの上側にあって位置整合孔D3hの内側には、高分子系の有機材料からなる有機エレクトロルミネッセンス層(有機EL層)OELが形成されている。すなわち、有機EL層OELは、位置整合孔D3hの直径(整合径R1)と同じ外形で形成されている。
有機EL層OELは、正孔輸送層と発光層の2層からなる有機化合物層であって、その上側には、アルミニウム等の光反射性を有する金属膜からなる背面電極としての陰極Paが形成されている。陰極Paは、発光素子形成面30a側の略全面を覆うように形成され、各画素34が共有することによって各有機EL素子33に共通する電位を供給するようになっている。
すなわち、有機EL素子33は、これら陽極Pc、有機EL層OEL及び陰極Paによって形成される有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)であって、その発光した光を出射する面(有機EL層OEL)の直径が位置整合孔D3hの内径、つまり整合径R1(50μm)で形成されている。
陰極Paの上側には、接着層La1によって陰極Pa(素子基板30)に接着される支持基板38が配設されている。支持基板38は、平面視方向から見て素子基板30と同サイズに形成される無色透明の無アルカリガラス基板であって、その厚さが、図2で示すように、露光ヘッド20の機械的強度を得るために十分な厚さ(支持厚さT2)で形成されている。なお、本実施形態では、この支持基板38の支持厚さT2を500μmにしているが、これに限られるものではない。
そして、データ信号に応じた駆動電流が陽極線M2dに供給されると、有機EL層OELは、その駆動電流に応じた輝度で発光する。この際、有機EL層OELから陰極Pa側(図4における上側)に向かって発光された光は、同陰極Paによって反射される。そのため、有機EL層OELから発光された光は、その殆どが、陽極Pc、第2層間絶縁膜D2、第1層間絶縁膜D1、ゲート絶縁膜D0及び素子基板30を透過して貼着面30b側(感光ドラム16側)に照射される。
次に、素子基板30の貼着面30b側について以下に説明する。
図2に示すように、素子基板30の貼着面30bには、接着層La2を介してシート基板39が配設されている。接着層La2は、紫外線硬化性樹脂等からなる層であって貼着面30bとシート基板39とを接着している。シート基板39は、表面粗さ(算術平均粗さRa)を1μm以下にするポリイミドシートであって、その厚さが、研削後厚さT1(50μm)と同じ厚さ(シート厚さT3)で形成されている。
図2に示すように、そのレンズ形成面39aであって各有機EL素子33と対峙する位置には、それぞれマイクロレンズ40が形成されている。マイクロレンズ40は、前記有機EL層OELから発光される光の波長に対して十分な透過率を有する半球面状の光学面を備えた凸形状のレンズであって、図4に示すように、有機EL素子33(有機EL層OEL)の中心位置がその光軸A上に位置するように形成されている。
なお、本実施形態において、マイクロレンズ40の直径(開口径R2)は、有機EL層OELの直径(整合径R1)の2倍の大きさ、すなわち100μmで形成されている。これによって、マイクロレンズ40は、その周辺部における結像性能を劣化させることなく、有機EL層OELから発光された光をレンズ形成面39a側に出射できるようになっている。
また、マイクロレンズ40は、その下側曲面(出射面40a)の頂点と感光層16aとの間の距離を像側焦点距離Hfにして、有機EL素子33から光軸Aに沿って発光された
光線(平行光線束L1)の光軸Aとの交点(像側焦点F)を感光層16a上に位置するようになっている。これによって、マイクロレンズ40から出射された光は、感光層16aに所望するサイズの露光スポットを形成できるようになっている。
そして、本実施形態では、有機EL層OELの中心位置からマイクロレンズ40の直径に対して張る角度をマイクロレンズ40の開口角θ1とする。
(露光ヘッドの製造方法)
次に、露光ヘッド20の製造方法について以下に説明する。図5は、露光ヘッド20の製造方法を説明するフローチャートであって、図6〜図9は、同露光ヘッド20の製造方法を説明する説明図である。
図5に示すように、はじめに素子基板30の発光素子形成面30a上に画素34を形成する画素形成工程を行う(ステップS11)。
この際、素子基板30の厚さは、後述する画素形成工程の熱処理やプラズマ処理等に対して十分な機械的強度を有する厚さであって、研削後厚さT1よりも厚い研削前厚さT0で形成されている。なお、本実施形態では、その研削前厚さT0を500μmとするが、これに限られるものではない。
図6に示すように、画素形成工程では、まず、発光素子形成面30a全面にエキシマレーザ等によって結晶化したポリシリコン膜を形成し、そのポリシリコン膜をパターニングして各画素形成領域31内にチャンネル膜BCを形成する。チャンネル膜BCを形成すると、そのチャンネル膜BC及び発光素子形成面30aの上側全面にシリコン酸化膜等からなるゲート絶縁膜D0を形成し、そのゲート絶縁膜D0の上側全面にタンタル等の低抵抗金属膜を堆積する。次に、その低抵抗金属膜をパターニングして、ゲート絶縁膜D0の上側にゲート電極Pgを形成する。ゲート電極Pgを形成すると、そのゲート電極Pgをマスクにしたイオンドーピング法によって、チャンネル膜BCにn型領域(ソース領域及びドレイン領域)を形成する。
チャンネル膜BCにソース領域及びドレイン領域すると、ゲート電極Pg及びゲート絶縁膜D0の上側全面にITO等の光透過性を有する透明導電膜を堆積し、同透明導電膜をパターニングすることによって、ゲート電極Pgの上側にゲート配線M1を形成する。ゲート配線M1を形成すると、ゲート配線M1及びゲート絶縁膜D0の上側全面にシリコン酸化膜等からなる第1層間絶縁膜D1を形成し、その第1層間絶縁膜D1であってソース領域及びドレイン領域と相対する位置に一対のコンタクトホールをパターニングする。そして、コンタクトホール内を金属膜で埋め込むことによって、ソースコンタクトSc及びドレインコンタクトDcを形成する。
各コンタクトSc,Dcを形成すると、各コンタクトSc,Dc及び第1層間絶縁膜D1の上側全面にアルミニウム等の金属膜を堆積し、その金属膜をパターニングすることによって各コンタクトSc,Dcに接続する電源線M2s及び陽極線M2dを形成する。次に、これら電源線M2s、陽極線M2d及び第1層間絶縁膜D1の上側全面にシリコン酸化膜等からなる第2層間絶縁膜D2を堆積し、その第2層間絶縁膜D2であって陽極線M2dの一部と相対向する位置にビアホールを形成する。続いて、そのビアホール内と第2層間絶縁膜D2の上側全面に、ITO等の光透過性を有する透明導電膜を堆積し、その透明導電膜をパターニングすることによって陽極線M2dと接続する陽極Pcを形成する。
陽極Pcを形成すると、その陽極Pc及び第2層間絶縁膜D2の上側全面にシリコン酸化膜等からなる第3層間絶縁膜D3を堆積し、その第3層間絶縁膜D3をパターニングすることによって整合径R1を有する位置整合孔D3hを形成する。位置整合孔D3hを形成すると、その位置整合孔D3h内及び第3層間絶縁膜D3の上側全面に光硬化性樹脂を
塗布し、その光硬化性樹脂をパターニングすることによって隔壁DBw(円錐孔DBh)を有する隔壁層DBを形成する。
そして、インクジェット法等によって位置整合孔D3h(円錐孔DBh)内に正孔輸送層の構成材料を吐出し、その構成材料を乾燥及び硬化することによって正孔輸送層を形成する。さらに、インクジェット法等によって、その正孔輸送層上に発光層の構成材料を吐出し、その構成材料を乾燥及び硬化することによって発光層を形成する。つまり、直径を整合径R1にする有機EL層OELを形成する。有機EL層OELを形成すると、その有機EL層OEL及び第3層間絶縁膜D3の上側全面にアルミニウム等の金属膜からなる陰極Paを堆積し、陽極Pc、有機EL層OEL及び陰極Paからなる有機EL素子33を形成する。これによって、TFT32及び有機EL素子33を備えた画素34を形成する。
この間、素子基板30は、各種熱処理やプラズマ処理などによって機械的負荷を受けるが、その厚さが研削前厚さT0で形成されるため、その機械的破損を回避することができる。
図5に示すように、発光素子形成面30a上に画素34を形成すると、素子基板30に支持基板38を貼着する支持基板貼着工程を行う(ステップS12)。すなわち、画素34(陰極Pa)の上側全面にエポキシ樹脂等からなる接着剤を塗布して接着層La1を形成し、その接着層La1を介して、図7に示すように、厚さが支持厚さT2(500μm)で形成される支持基板38を素子基板30に貼着する。
図5に示すように、素子基板30に支持基板38を取付けると、素子基板30を研削する研削工程を行う(ステップ13)。すなわち、支持基板38を図示しない研削装置の支持台等によって支持し、図7に示すように、素子基板30の一側面であって発光素子形成面30aと相対向する側の面(研削面30c)を回転砥石等によって研削する。
そして、素子基板30の厚さが研削前厚さT0から研削後厚さT1になるまで研削し、発光素子形成面30aと相対向する側の面に貼着面30b(図7における2点差線)を形成する。
この間、素子基板30は、回転砥石等から機械的負荷を受けるが、支持厚さT2からなる支持基板38によってその機械的強度が補償され、その機械的破損を回避することができる。
図5に示すように、素子基板30の厚さを研削後厚さT1にすると、前記シート基板39に対して、液滴を吐出する液滴吐出工程を行う(ステップS21)。図8は、液滴吐出工程を説明する説明図である。まず、液滴を吐出するための液滴吐出装置の構成について説明する。
この液滴吐出工程において、シート基板39は、図8に示すように、その一側面であってレンズ形成面39aと相対向する側の面が図示しない接着層を介して保持基板41に接着されている。その接着層は、紫外線を照射することによって分解除去され、シート基板39を保持基板41から剥離可能にする。保持基板41は、樹脂等からなる可撓性の基板であって、シート基板39の折れ曲がりを防止する厚さ(保持厚さT4)で形成されている。なお、本実施形態では、その保持厚さT4を1mmとしている。
図8に示すように、液滴吐出装置を構成する液滴吐出ヘッド45には、ノズルプレート46が備えられている。そのノズルプレート46の下面(ノズル形成面46a)には、機
能液としての紫外線硬化性樹脂Puを吐出する多数のノズルNが上方に向かって形成されている。各ノズルNの上側には、図示しない収容タンクに連通して紫外線硬化性樹脂PuをノズルN内に供給可能にする供給室47が形成されている。各供給室47の上側には、上下方向に往復振動して供給室47内の容積を拡大縮小する振動板48が配設されている。その振動板48の上側であって各供給室47と相対向する位置には、それぞれ上下方向に伸縮して振動板48を振動させる圧電素子49が配設されている。
そして、液滴吐出装置に搬送されるシート基板39(保持基板41)は、図8に示すように、そのレンズ形成面39aがノズル形成面46aと相対向する位置に配置されるようになっている。しかも、そのシート基板39(保持基板41)は、レンズ形成面39aをノズル形成面46aと平行にして、かつ各レンズ形成位置39bをそれぞれノズルNの中心位置の直下に位置決めされる。
ここで、液滴吐出ヘッド45に液滴を吐出するため駆動信号を入力すると、同駆動信号に基づいて圧電素子49が伸縮して供給室47の容積が拡大縮小する。このとき、供給室47の容積が縮小すると、縮小した容積に相対する量の紫外線硬化性樹脂Puが、各ノズルNから微小液滴Dsとして吐出される。吐出された各微小液滴Dsは、それぞれレンズ形成面39aのレンズ形成位置39bに着弾する。続いて、供給室47の容積が拡大すると、拡大した容積分の紫外線硬化性樹脂Puが、図示しない収容タンクから供給室47内に供給される。つまり、液滴吐出ヘッド45は、こうした供給室47の拡大縮小によって、所定の容量の紫外線硬化性樹脂Puをレンズ形成面39aに向かって吐出する。レンズ形成面39aに着弾した複数の微小液滴Dsは、図8の2点鎖線で示すように、その表面張力等によって半球面状の表面を呈する液滴Dmを形成する。なお、この際、液滴吐出ヘッド45は、液滴Dmの直径がマイクロレンズ40の開口径R2と略同じ大きさ、すなわち100μmになる分だけ微小液滴Dsを吐出する。
そして、レンズ形成面39aに形成される各液滴Dmは、レンズ形成面39aの算術平均粗さRaが1μm以下で形成される分だけ、その表面形状(半球面)を均一にする。
図5に示すように、レンズ形成面39aに液滴Dmを形成すると、その液滴Dmを硬化してレンズを形成するレンズ形成工程を行う(ステップS22)。すなわち、液滴Dm(レンズ形成面39a)に紫外線を照射して液滴Dmを硬化する。これによって、シート基板39のレンズ形成位置39bに開口径R2を有するマイクロレンズ40を形成する。
図5に示すように、シート基板39にマイクロレンズ40を形成すると、そのシート基板39を保持基板41から剥離する剥離工程を行う(ステップ23)。すなわち、前記レンズ形成工程でシート基板39に紫外線を照射することによって、保持基板41に接着されたシート基板39を同保持基板41から円滑に剥離可能となる。そして、図示しない剥離装置によって、マイクロレンズ40を備えたシート基板39を保持基板41から剥離する。
図5に示すように、シート基板39を保持基板41から剥離すると、そのシート基板39を素子基板30に貼着するシート基板貼着工程を行う(ステップ14)。すなわち、図9に示すように、紫外線硬化性樹脂からなる接着剤を貼着面30b上にスキージ印刷して接着層La2を形成し、各レンズ形成位置39bが有機EL層OELの中心位置と相対向するようにシート基板39を貼着する。そして、シート基板39(接着層La2)に紫外線を照射して接着層La2を硬化させる。
これによって、発光素子形成面30aとレンズ形成面39aとの間の距離(研削後厚さT1とシート厚さT3との和)が、発光素子形成面30aと研削面30cとの間の距離(研削前厚さT0)よりも小さくなる分だけ、すなわち400μm分だけ、マイクロレンズ
40の開口角θ1を大きくすることができる。従って、マイクロレンズ40の出射面40aから出射する光量を増加することができ、有機EL素子33から発光された光の取出し効率を向上することができる。
そして、シート厚さT3のシート基板39を介して、研削後厚さT1(50μm)の素子基板30に開口径R2(100μm)を有する均一形状のマイクロレンズ40を配設した露光ヘッド20を製造することができる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、画素34及び支持基板38を備えた素子基板30の研削面30cを研削して貼着面30bを形成し(ステップS13)、シート基板39のレンズ形成面39aにマイクロレンズ40を形成するようにした(ステップS22)。そして、素子基板30の貼着面30bに、マイクロレンズ40を備えたシート基板39を貼着するようにした。従って、素子基板30を研削する分だけ、マイクロレンズ40の開口角θ1を大きくすることができ、有機EL素子33から発光された光の取出し効率を向上した露光ヘッド20を製造することができる。
(2)しかも、算術平均粗さRaが1μm以下で形成されるレンズ形成面39aにマイクロレンズ40を形成するため、研削して形成する貼着面30b上にマイクロレンズ40を形成する場合に比べ、その形状をより均一にすることができる。
(3)上記実施形態では、保持基板41に保持されるレンズ形成面39a上に液滴Dmを形成し、同液滴Dmに紫外線を照射することによってマイクロレンズ40を形成するようにした。従って、素子基板30の厚さに対する制約を受けることなくマイクロレンズ40を形成することができる。その結果、素子基板30の研削後厚さT1を研削工程の加工性能に基づいて設定することができ、露光ヘッド20の光の取出し効率をさらに向上することができる。
(4)しかも、素子基板30に紫外線を照射することなくマイクロレンズ40を形成するため、有機EL素子33の紫外線照射等による損傷を回避して、露光ヘッド20の光の取出し効率を向上することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、シート基板39にマイクロレンズ40を形成した後に(ステップS22)、シート基板39を素子基板30の貼着面30bに貼着するようにした。これに限らず、素子基板30の貼着面30bにシート基板39を貼着した後に、そのシート基板39のレンズ形成面39aにマイクロレンズ40を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、素子基板30を機械的に研削してその厚さを研削後厚さT1にするようにした。これに限らず、例えば、素子基板30の研削面30cを希フッ酸や希フッ酸とフッ化アンモニウムの混合溶液、あるいは塩酸と硝酸の混合溶液等に浸漬してエッチングし、その厚さを研削後厚さT1とするようにしてもよく、研削面30cを発光素子形成面30a側に削る方法であればよい。なお、この際、研削後厚さT1は、エッチング等によって素子基板30の厚さが均一となる最小の厚さにすることが好ましい。
・上記実施形態では、研削工程で形成した貼着面30bに紫外線硬化性樹脂Puを吐出して液滴Dmを形成するようにした。これに加え、貼着面30bの表面に撥液処理(例えば、フッ素系のプラズマ処理や撥液材料の塗布等)を施した後に、紫外線硬化性樹脂Puを吐出して液滴Dmを形成するようにしてもよい。これによれば、微小液滴Dsを濡れ広がらせることなく、半球面状の表面を呈する液滴Dmを簡便に形成することができる。
・上記実施形態では、透明基板を素子基板30として具体化したが、これに限らず、例えばポリイミド等のプラスチック基板であってもよく、有機EL層OELから発光された光
を透過する透明基板であればよい。
・上記実施形態では、シート基板39をポリイミドシートとして具体化した。これに限らず、例えば、シート基板39をポリスチレンシートで形成してもよく、そのレンズ形成面39aの算術平均粗さRaが貼着面30bの算術平均粗さRaよりも小さいシート基板であればよい。
・上記実施形態では、マイクロレンズ40の開口径R2を有機EL層OELの内径(整合径R1)の2倍の大きさで形成した。これに限らず、例えば、開口径R2を整合径R1と等しいサイズで形成してもよい。つまり、開口径R2は、マイクロレンズ40の周辺部における結像性能を劣化させることなく、各有機EL層OELに対応して所望するサイズの露光スポットを形成するものであればよい。
・上記実施形態では、マイクロレンズ40を半球面状の凸レンズとしたが、これに限らず、半円柱状レンズや凹レンズとして具体化してもよい。これによれば、有機EL素子33から発光される光の拡散する効率をより向上することができる。
・上記実施形態では、マイクロレンズ40を紫外線硬化性樹脂Puによって形成する構成にしたが、これに限らず、例えば熱硬化性樹脂であってもよく、レンズ形成面39a上で硬化可能な機能液であればよい。
・上記実施形態では、出射面40aの頂点と感光層16aとの間の距離を像側焦点距離Hfとし、有機EL層OELから発光された光を感光層16a上で収束するようにした。これに限らず、出射面40aの頂点と感光層16aとの間の距離は、例えば有機EL層OELの等倍像を得る距離にしてもよく、像側焦点距離Hf等に限定されるものではない。
・上記実施形態では、マイクロレンズ40を液滴吐出装置によって形成する構成にした。これに限らず、マイクロレンズ40を形成する方法は、例えばレプリカ法等によって形成したマイクロレンズ40をレンズ形成位置39bに取付ける構成にしてもよい。
・上記実施形態では、有機EL素子33の発光を制御するTFT32を画素34毎に1個備える構成にした。これに限らず、有機EL素子33の発光を制御するTFT32を画素34毎に2個以上備える構成にしてもよく、あるいはTFT32を素子基板30に備えない構成にしてもよい。
・上記実施形態では、有機EL層OELをインクジェット法によって形成する構成にした。これに限らず、有機EL層OELの形成方法は、例えば、スピンコート法や真空蒸着法等であってもよく、インクジェット法に限定されるものではない。
・上記実施形態では、高分子系の有機材料によって有機EL層OELを形成するようにしたが、低分子系の有機材料であってもよく、さらには無機材料で形成するEL層であってもよい。
・上記実施形態では、電気光学装置を露光ヘッド20として具体化したが、これに限らず、例えば液晶パネルに装着されるバックライト等であってもよく、あるいは平面状の電子放出素子を備え、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型ディスプレイ(FEDやSED等)であってもよい。
本発明を具体化した画像形成装置を示す概略側断面図。 同じく、露光ヘッドを示す概略正断面図。 同じく、露光ヘッドを示す概略平面面図。 同じく、露光ヘッドを示す拡大断面図。 同じく、露光ヘッドの製造方法を説明するフローチャート。 同じく、露光ヘッドの製造工程を説明する説明図。 同じく、露光ヘッドの製造工程を説明する説明図。 同じく、露光ヘッドの製造工程を説明する説明図。 同じく、露光ヘッドの製造工程を説明する説明図。
符号の説明
10…画像形成装置としてのプリンタ、15…転写媒体としての中間転写ベルト、16…像担持体としての感光ドラム、19…帯電手段としての帯電ローラ、20…露光手段を構成する電気光学装置としての有機エレクロトルミネッセンスアレイ露光ヘッド、21…現像手段としてのトナーカートリッジ、22…転写手段を構成する一転写ローラ、26…転写手段を構成する二次転写ローラ、30…透明基板としての素子基板、30a…発光素子形成面、30b…貼着面、30c…研削面、33…発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子、39…シート基板、39a…レンズ形成面、40…マイクロレンズ、45…液滴吐出装置を構成する液滴吐出ヘッド、OEL…発光層としての有機エレクロトルミネッセンス層、Pa…背面電極としての陰極、Pc…透明電極としての陽極、T…着色粒子としてのトナー。

Claims (10)

  1. 透明基板の発光素子形成面に発光素子を形成して、前記発光素子から発光された光を出射するマイクロレンズを前記透明基板に配設するようにした電気光学装置の製造方法において、
    前記透明基板の前記発光素子形成面側に同透明基板の機械的強度を補償する支持基板を貼着した後に、前記発光素子形成面と相対向する前記透明基板の面を前記発光素子形成面側に削ることによって貼着面を形成し、
    前記マイクロレンズの形成されるレンズ形成面と相対向するシート基板の一側面を前記貼着面に貼着して前記マイクロレンズを、前記シート基板を介して前記透明基板に配設するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記シート基板の前記レンズ形成面に前記マイクロレンズを形成した後に、前記シート基板の前記一側面を前記貼着面に貼着して前記マイクロレンズを前記透明基板に配設するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記シート基板の前記一側面を前記貼着面に貼着して、前記レンズ形成面に形成した複数の前記マイクロレンズをそれぞれ対応する前記発光素子と対峙する位置に配設するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記透明基板の前記一側面を研削することによって前記貼着面を形成するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記透明基板の前記一側面をエッチングすることによって前記貼着面を形成するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載する電気光学装置の製造方法において、
    液滴吐出装置から吐出する機能液によって前記レンズ形成面上に液滴を形成し、前記液滴を硬化することによって前記マイクロレンズを形成するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 請求項6に記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記レンズ形成面上であって前記発光素子と対峙する位置に半球面状の前記液滴を形成し、前記液滴を硬化することによって凸形状の前記マイクロレンズを形成するようにしたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記発光素子は、前記貼着面側に形成した透明電極と、前記透明電極と相対して形成した背面電極と、前記透明電極と前記背面電極との間に形成した発光層とを備えたエレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載する電気光学装置の製造方法において、
    前記発光層は、有機材料で形成され、前記エレクトロルミネッセンス素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 像担持体の外周面を帯電させる帯電手段と、帯電した前記像担持体の外周面を露光して潜
    像を形成する露光手段と、前記潜像に対して着色粒子を供給して顕像を現像する現像手段と、前記顕像を転写媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
    前記露光手段は、請求項1〜8のいずれか1つに記載する電気光学装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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