JP4281039B2 - 生砂鋳型の造型・冷却ライン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳型を生砂鋳型造型機により造型し、この造型された生砂鋳型を使用して注湯及び鋳造品の冷却を成す生砂鋳型の造型・冷却ラインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の生砂鋳型造型機は大型で重量が大きくかつ振動または大きな転倒荷重が働く構造であったため、コンクリ−ト基礎に生砂鋳型造型機を直接据付けするか造型機の直下に柱を立設した形状の基礎フレ−ムを用いるのが一般的であった。
【0003】
このため、鋳型の造型ラインの下方には、ベルトコンベアが配備され、造型時に落ちる捨て砂(若しくはこぼれ砂、以下「捨て砂」という)を回収するようにしている。そして、このような生砂鋳型の造型・鋳造品の冷却ラインとしては図8に示すようなものが代表的な構成になっている。
【0004】
すなわち、複数の生砂鋳型造型機31、31を配置した鋳型の造型ライン32に続いて上下型ライン30A、30B上を鋳枠33、33が間歇送り出しされるようにし、その上下型ライン30A、30Bの先端に注湯設備に続く枠合わせを行う搬送ライン35を配置し、これら鋳型造型ライン32と平行に鋳造品の冷却ライン36を配備し、さらに冷却ライン36の後端に解枠装置37を配備するのが一般的である。
【0005】
しかしながら、このような造型・冷却ラインでは、設置面積が大きくなっていた。
また、生産性の向上、エネルギ効率の向上を図るため、造型時の捨て砂を少なくすることが造型ラインに望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの問題に鑑みなされたものであり、設置面積を大幅に削減する造型・冷却ラインを提供することを目的とする。また、本発明は、捨て砂を効率よく回収する造型・冷却ラインを提供することを特徴とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明における生砂鋳型の造型・冷却ラインは、生砂鋳型造型機を配置した生砂鋳型の造型ラインと、該造型ラインに沿って、該造型ラインの下方に配置すると共に、鋳枠内に造型した生砂鋳型を枠合わせして注湯した注湯済鋳型を鋳型台車に載置して移送させながら鋳造品の冷却を成す鋳造品の冷却ラインと、前記生砂鋳型造型機の下方位置と前記冷却ライン上の注湯済鋳型の上部との間に配置されたシュ−ト部を下部に連通させたホッパと、前記ホッパのシュ−ト部に付設された開閉ゲ−トとを備え、前記開閉ゲートは、鋳型の搬送速度及びタクトに合わせて、鋳型台車が停止するときだけ開くように開閉自在にされてなる。本発明によれば、造型・冷却ラインの設置面積は従来の約半分に削減される。また、効率よく捨て砂を搬送することができる。
【0009】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明における生砂鋳型の造型・冷却ラインは、前記鋳造品の冷却ライン上の注湯済鋳型の最上部が捨て砂のこぼれを防止するために凹み形状にされていることを特徴とする。本発明によれば、さらに効率よく捨て砂を搬送することができる。なお、捨て砂を効率よく搬送するには、上述のチェ−ンコンベア方式を併用してもよい。
【0010】
そして、上記の目的を達成するために、本発明における生砂鋳型の造型・冷却ラインは、例えば、生砂鋳型造型機が、模型板の上部に鋳枠を載置すると共に鋳枠の上部に盛枠を載置し、該盛枠内にスクイズフットを前記模型板の表面形状に対応した全体形状にして挿入し、該模型板、鋳枠、盛枠並びにスクイズフットにより画成した空間に生砂を充填した後前記スクイズフット全体を鋳枠と盛枠との分割面まで下降させて生砂をスクイズ造型する生砂鋳型造型機である。本発明によれば、生砂鋳型の造型・冷却ラインは、設置面積が大幅に削減できる。しかも、造型において捨て砂がほとんど発生しないことによって、こぼれ砂をほとんど考慮せずに鋳型造型ラインの下方に他の用途に使用される設備を配置できるようになり、鋳造工場を立体的に利用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明の造型・冷却ラインに用いる生砂鋳型造型機は、1基でも2基でもよい。また、本発明に用いる生型鋳型造型機は、造型空間への鋳物砂の充填を空気圧により充填することがより好ましい。重力充填によれば、充填時に砂こぼれが起こる場合が多いからである。
【0012】
さらに、本発明に用いる生型鋳型造型機は、砂充填工程及び砂圧縮工程において、模型板を実質上昇降することなく造型完了する造型機がより好ましい。模型板を昇降するためには、そのためのシリンダを模型板の下方に設けることが不可欠になり、鋳型造型ラインの下方に他の用途に使用される設備を配置するのが困難若しくは複雑な構成となるからである。
【0013】
更にまた、本発明に用いる生型鋳型造型機は、好ましくは、模型板の上部に鋳枠を載置すると共に鋳枠の上部に盛枠を載置し、該盛枠内にスクイズフットを前記模型板の表面形状に対応した全体形状にして挿入し、該模型板、鋳枠、盛枠並びにスクイズフットにより画成した空間に生砂を充填した後前記スクイズフット全体を鋳枠と盛枠との分割面まで下降させて生砂をスクイズ造型する生砂鋳型造型機であって、鋳物砂充填空間の形状を前記模型板の表面形状に対応した全体形状にして、スクイズ後に鋳型背面の砂を切削廃棄する必要のない造型機を用いる。
本発明によれば、鋳型圧縮後に廃棄する砂がなく、捨て砂が更に減少するからである。なお、スクイズフットは平面で1個であるか複数個であるかは問わない。
【実施例】
以下本発明の実施例を図1〜7に基づいて詳しく説明する。図1は解枠装置3に続く生砂鋳型の造型ライン1と鋳造品の冷却ライン2をそれぞれ同じ平面に展開させて示した平面図であり、実際には図2〜5に示すように生砂鋳型の造型ライン1の下方に鋳造品の冷却ライン2を配置した上下2段の平行ラインに構成されている。なお生砂鋳型の造型ライン1には生砂鋳型造型機4、4が配置されているがここで生砂鋳型造型機4というのは、上記発明の実施の形態において説明したものをそのまま使用しているためその詳細は省略する。すなわち、捨て砂がほとんど発生しない生砂鋳型造型機4、4である。
【0014】
前記生砂鋳型の造型ライン1の先端には上型ライン1Aと下型ライン1Bが接続され、該上下型ライン1A、1Bの先端は、枠合わせ機5などを介して注湯設備6に接続されている。
また生砂鋳型の造型ライン1の下方には、前記注湯設備6に接続された鋳造品の冷却ライン2が3連平行にして配備されている。なお冷却ライン2の先端は、前記解枠装置3に接続されている。
【0015】
さらに生砂鋳型の造型ライン1における生砂鋳型造型機4、4、鋳枠分離機、枠合わせ機5などの装置を移動する鋳枠7の下方には、開閉ゲ−ト8を下部に付設したシュ−ト9連通のグレ−ドホッパ10が前記鋳造品の冷却ライン2上の注湯済鋳型11上部に位置して配備されている。
なお、造型ライン1は、冷却ライン2の上部に組んだ架台R上に配置されているが、2階建ての構造であればその方式は問わない。
また、開閉ゲ−ト8の高さは、生砂Sが注湯済鋳型11上に供給された場合に砂の安息角度の範囲内で供給できる高さ位置に調整されている。また図2において符号12は解枠後の鋳物砂を回収搬送する回収コンベアである。
【0016】
図4は図1におけるA(E)−A(E)矢視から見た別の実施例であり、前記グレ−ドホッパ10の下方に前記回収コンベア12に続くチェ−ンコンベア13が配置されている。なお該チェ−ンコンベア13には図示されないがこぼれ砂を掻きよせる掻き板が取り付けられている。また図5は図1におけるB(F)−B(F)矢視から見た図4に対応する実施例図である。
【0017】
このように構成された生砂鋳型の造型・冷却ラインにおける作動を説明する。解枠装置3から上下鋳枠7、7が造型ライン1へ交互に送り出され、捨て砂がほとんど発生しない生砂鋳型造型機4、4においてそれぞれ造型され、枠合わせ機5などに送り出された後注湯設備6に移送される。この間、生砂鋳型造型機4、4、湯口堀り装置などの位置では極わずかな捨て砂Sが発生する。
【0018】
注湯設備6において枠合わせされた鋳型に注湯を行った注湯済鋳型11は、鋳造品の冷却ライン2に搬入されて、図1において順次左方向に移送されてゆき、先端位置で解枠装置3に送られ解枠及び枠分離などの作業が行われて鋳枠7が循環移動される。一方上記のように極わずかな捨て砂Sは、図2〜3に示すようにグレ−ドッホッパ10に落下する。
【0019】
以下図6を参照して捨て砂Sの回収について説明する。上記のようにして捨て砂Sがグレ−ドホッパ10内に落下する(図6(イ))と、開閉ゲ−ト8が開かれてゲ−ト8の真下で停止した鋳型台車14上の注湯済鋳型11の上面に山盛り状に捨て砂Sが供給された(図6(ロ))後、開閉ゲ−ト8が閉じられ鋳型台車14が1ピッチ移動(図6(ハ))され、次の注湯済鋳型11がシュ−ト9の下方に位置される。
この間、捨て砂Sをタイミング良く注湯済鋳型11の上面に供給するため、造型設備稼働中は開閉ゲ−ト8は鋳型の搬送速度及びタクトに合わせて、鋳型台車14が停止するときだけ開くように自動開閉する。
なお、供給された捨て砂Sは、開閉ゲ−ト8の高さが砂の安息角度以上にはあふれないように高さ調整されている。この際、注湯済鋳型11の上面を予め凹み15形状に加工しておくことにより図7に示すようにこぼれ砂Sが注湯済鋳型11上面からこぼれ落ちるのを完全に防止できると共に注湯時の溶湯の飛散防止にも有効である。
【0020】
また、捨て砂S回収の別の実施例を図4〜5により説明すると、捨て砂Sがほとんど発生しない生砂鋳型造型機4などから落下した極わずかな捨て砂Sはグレ−ドホッパ10内に落下した後回収用のチェ−ンコンベア13上に落下して図示されない掻き板を介して掻き寄せ移動されて回収コンベア12に回収される。
以上のように注湯済鋳型11の上に落下した捨て砂Sは冷却ライン2上を注湯済鋳型11と共に移動されて解枠装置3に投入されて解枠された砂と共に回収されて循環使用される。また注湯済鋳型11上に落下させないものはグレ−ドホッパ10からチェ−ンコンベア13を介して回収される。
【0021】
本実施例では、捨て砂の極めて少ない生砂鋳型造型機について説明したが、本発明に用いる生型鋳型造型機は、造型空間への鋳物砂の充填を空気圧により充填す生砂鋳型造型機、砂充填工程及び砂圧縮工程において模型板を実質上昇降することなく造型完了する生砂鋳型造型機、更には、鋳物砂充填空間の形状を前記模型板の表面形状に対応した全体形状にしてスクイズ後に鋳型背面の砂を切削廃棄する必要がある生砂鋳型造型機であっても、本実施例と同様に適用ができる。
【0022】
また、捨て砂S回収の方法として、鋳型台車14に載置した注湯済鋳型11を用いる場合(図2)と、チェ−ンコンベア13を使用する場合(図4)を説明したが、前者(図2)は、錘を用いないで上枠を重くするヘビ−コ−プ方式やハッカ−でクランプする方式に好適である。後者(図4)は、錘を使用する場合に好適である。
【0023】
なお、設置スペ−スの関係から、造型ラインの真下に冷却ラインを配置することができない場合には、上記図2と図4を組み合わせることにより、捨て砂Sを効率よく回収することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は上記の説明から明らかなように、生砂鋳型造型機による生砂鋳型の造型ラインの下方に、注湯済鋳型を移送しながら鋳造品の冷却を行う冷却ラインを上下に間隔をおいて平行に配置した構成にしたから、設備全体を立体的に活用して、設置面積を大幅に小さくできる利点がある。また、本発明は、生砂鋳型造型機の下方位置と前記鋳造品の冷却ライン上の注湯済鋳型の上部との間に、シュ−トを下部に連通させたホッパを配置したことから捨て砂を効率よく回収することができる利点がある。さらに、前記生砂鋳型造型機が、模型板の上部に鋳枠を載置すると共に鋳枠の上部に盛枠を載置し、該盛枠内にスクイズフットを前記模型板の表面形状に対応した全体形状にして挿入し、該模型板、鋳枠、盛枠並びにスクイズフットにより画成した空間に生砂を充填した後前記スクイズフット全体を鋳枠と盛枠との分割面まで下降させて生砂をスクイズ造型するという、捨て砂の極めて少ない生砂鋳型造型機を使用することにより、造型ライン下への砂こぼれを可及的に少なくできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造型ラインと冷却ラインとを同じ平面に展開させた平面図である。
【図2】図1におけるA(E)−A(E)矢視図である。
【図3】図1におけるB(F)−B(F)矢視図である。
【図4】図1におけるA(E)−A(E)矢視の別の実施例図である。
【図5】図1におけるB(F)−B(F)矢視の別の実施例図(図4に対応)である。
【図6】こぼれ砂の受渡し状態を示す説明図である。
【図7】こぼれ砂の受渡し状態を示す拡大説明図である。
【図8】従来の生砂鋳型の造型・冷却ライン全体の平面図である。
【符号の説明】
1 生砂鋳型の造型ライン
2 鋳造品の冷却ライン
3 解枠装置
4 生砂鋳型造型機
5 枠合わせ機
6 注湯設備
7 鋳枠
8 開閉ゲ−ト
9 シュ−ト
10 グレ−ドホッパ
11 注湯済鋳型
12 回収コンベア
13 チェ−ンコンベア
14 鋳型台車
15 凹み
S 捨て砂

Claims (4)

  1. 生砂鋳型造型機を配置した生砂鋳型の造型ラインと、
    該造型ラインに沿って、該造型ラインの下方に配置すると共に、鋳枠内に造型した生砂鋳型を枠合わせして注湯した注湯済鋳型を鋳型台車に載置して移送させながら鋳造品の冷却を成す鋳造品の冷却ラインと、
    前記生砂鋳型造型機の下方位置と前記冷却ライン上の注湯済鋳型の上部との間に配置されたシュ−ト部を下部に連通させたホッパと、
    前記ホッパのシュ−ト部に付設された開閉ゲ−トとを備え、
    前記開閉ゲートは、鋳型の搬送速度及びタクトに合わせて、前記鋳型台車が停止するときだけ開くように開閉自在にされてなる生砂鋳型の造型・冷却ライン。
  2. 前記生砂鋳型の造型ラインの下方に配置された前記鋳造品の冷却ラインが解枠装置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の生砂鋳型の造型・冷却ライン。
  3. 前記鋳造品の冷却ライン上の注湯済鋳型の最上部がこぼれ砂のこぼれを防止するために凹み形状にされていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1つの請求項に記載の生砂鋳型の造型・冷却ライン。
  4. 前記生砂鋳型造型機が、模型板の上部に鋳枠を載置すると共に鋳枠の上部に盛枠を載置し、該盛枠内にスクイズフットを前記模型板の表面形状に対応した全体形状にして挿入し、該模型板、鋳枠、盛枠並びにスクイズフットにより画成した空間に生砂を充填した後前記スクイズフット全体を鋳枠と盛枠との分割面まで下降させて生砂をスクイズ造型する生砂鋳型造型機である請求項1、2または3記載の生砂鋳型の造型・冷却ライン。
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