JP4281016B2 - セグメント組立方法、セグメント組立装置、及びシールド掘進機 - Google Patents
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立坑を構築後、単体シールド機を掘進し、トンネル躯体となる外殻部を構成する単体トンネル100〜103を構築する(図29(a))。隣接する単体トンネルの施工完了後、MMST鋼殻の一部を撤去して単体トンネル間接続部105,106を施工する(図29(b))。鋼殻内にコンクリート107を打設して外殻部の躯体を構築する(図29(c))。通常の掘削機械により内部土砂を掘削する(図29(d))。内壁110、中床版111及び隔壁112などの内部部材を構築し、MMSTトンネルを完成する(図29(e))。
すなわち、かかるセグメントエレクタ装置は、掘削機本体の後部に掘進方向に直交する垂直方向に沿って垂直移動体を移動自在に支持し、この垂直移動体に掘進方向に直交する水平方向に沿って水平移動体を移動自在に支持し、この水平移動体に掘進方向と平行な軸心をもって旋回体を旋回自在に支持し、この旋回体に掘進方向に直交する軸心をもって第1反転体を所定角度回動自在に支持し、この第1反転体に掘進方向に直交すると共に第1反転体の回動軸心に直交する軸心をもって第2反転体を所定角度回動自在に支持し、この第2反転体にセグメントを保持可能なグリップを装着したものである。
そして、これによって、グリップは既設トンネル内を垂直方向、水平方向に移動してセグメントを受け取り、この受け取ったセグメントを組付位置に合わせて旋回及び反転して既設トンネルの内壁面に対向させることができ、このセグメントを容易に組み付けることができ、その結果、作業者にかかる負組を軽減して安全性の向上を図ると共に作業性の向上を図ることができるというものである(例えば、特許文献1参照)。
また、長辺で分割されたセグメントの組立装置として上記公報のものでは、エレクタにより搬入された状態から組立状態までにセグメントを旋回及び反転させるため、エレクタの機構が複雑になり、セグメントのハンドリングに時間がかかるという問題もある。
さらに、上記公報のものでは、長辺を一体とした長いセグメントを狭い空間内でハンドリングすることは困難であるという問題もある。
セグメントをその長手方向がトンネル前後方向に沿うように搬入する工程と、
該搬入されたセグメントを前記セグメント供給装置で把持してそのセグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させ、直立状態にする工程と、
該直立状態のセグメントを把持してトンネル側壁の所定位置に設置する工程と、
前記セグメントの旋回の過程で前記移動台をトンネル前後方向に沿って移動する工程とを有することを特徴とするものである。
前記セグメント供給装置は、セグメントを把持するセグメント把持部と、該セグメント把持部が回動可能に取り付けられたリンク機構と、該リンク機構をトンネル前後方向に移動可能に設置する移動台とを備え、
前記リンク機構の駆動による前記セグメントの旋回の際、前記移動台をトンネル前後方向に沿って移動させることを特徴とするものである。
該セグメント供給装置が、前記ジャッキにより前記フレームを既設セグメントの内周壁に押し付けることにより、既設セグメントの所定位置に固定されることを特徴とするものである。
前記セグメント供給装置が、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持して旋回させ、前記エレクタ装置に供給すると共に、後胴部の上部に前記セグメントの旋回時に前記セグメントの上端を逃がすための退避空間を備えることを特徴とするものである。
前記セグメント供給装置が、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持して旋回させ、前記エレクタ装置に供給すると共に、前記リングガーダが、前記セグメントの旋回時に前記セグメントの端部を逃がすための切り欠きを備えることを特徴とするものである。
本発明のセグメント組立方法は、長辺セグメントの長辺を寝かして短辺を立てた状態で搬入するようにしたので、長辺セグメントの姿勢を起こす工程(反転させる工程)が不要になり、組立作業を円滑にできる。
また、搬入された長辺セグメントをセグメント供給装置で把持して長辺セグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させるようにしたので、トンネルの高さにほぼ等しい長さのセグメントを寝た状態から直立状態にすることが可能となる。
図1は本発明に係るセグメントの組立状態の正面図、図2は図1の斜視図である。本実施の形態における1リング分のセグメントはA〜Fの6個から構成され、G〜Jの4個の中柱で補強されている。長辺側の長辺セグメントB〜Eは途中で分割されることなく一体になっている。そして、長辺セグメントB,C、D,Eを前後方向に2個ずつ並べた寸法と下部セグメントA及び上部セグメントFの前後方向の寸法が一致している。
なお、長辺セグメントB〜Eの前後方向の寸法を短く設定したのは、セグメントを組み付ける際のハンドリングを少しでも容易にするためである。
図5は本発明の一実施の形態に係るセグメント組立装置を設置したシールド掘進機の側断面図、図6は平断面図、図7は図5における矢視A−A断面図である。まず、図5〜図7に基づいて装置の構成を概説すると、シールド掘進機1は前胴部3と後胴部5からなり、これら前胴部3と後胴部5が屈曲可能に連結されたいわゆる中折れ構造となっている。
図において、7は前胴部3の前端に設けられたカッタ、9は前胴部の前端に泥水を供給する送泥管、11は供給された泥水及び掘削土砂を排出する排泥管である。また、13は前胴部3と後胴部5を屈曲させる複数の中折れジャッキ、15はシールド掘進機1の掘進に使用するシールドジャッキ、17は後胴部5に設置されてセグメントを組み立てるエレクタ装置、19はエレクタ装置17の後方に設置されてセグメントをエレクタ装置17に受け渡すセグメント供給装置、21は後胴部の内周面に設置されて既設セグメント20と後胴部の内周との間をシールするテールシールである。
さらに、22は既設セグメント20の上部側の中柱にトンネルの軸方向に設置されたレール、24はレール22上をセグメントを搭載して移動する自走台車である。
23はシールド掘進機1の内周壁に設けられたリングガーダ、25はリングガーダ23の両側に該リングガーダ23の上半分の位置に設置された一対の第1ガイドレール、27は一対の第1ガイドレール25に架設されて該第1ガイドレール25に沿って上下移動可能に設置された上下移動体、29は上下移動体27の幅方向に設けられた第2ガイドレール、31は上下移動体27に設けられて第2ガイドレール29に沿って幅方向移動可能に設置された左右移動体、33は左右移動体31に設置された旋回軸受け、35は旋回軸受け33を駆動する旋回モータ、37は旋回軸受け33に設置されて後述のセグメント把持装置41を保持する保持部、39は保持部37を前後方向に移動させる前後移動ジャッキ、41は保持部37に前後方向移動可能に設置されたセグメント把持装置である。
図13はセグメント供給装置19の設置状態の説明図であり、後方側から見た状態を示している。図14は図5におけるセグメント供給装置19近傍の拡大図、図15は図6におけるセグメント供給装置19近傍の拡大図、図16は図13の一部拡大図である。以下、図13〜図16に基づいてセグメント供給装置19の構成を説明する。
51はセグメント供給装置19を既設セグメント20に設置するフレーム、53はフレーム51を既設セグメント20の内周壁に押し付ける押し付けジャッキである。フレーム51は押し付けジャッキ53によって既設セグメントの所定位置にしっかりと固定される。
63は基端側が第2移動台59に回動可能に取り付けられた第1リンク、65は一端が第1リンク63の先端に回動可能に取り付けられた第2リンク、67は第2リンク65の先端に回動可能に取り付けられてセグメントを把持するセグメント把持部、69は一端が第2リンク65に回動可能に連結され、他端が後述の第4リンク71に回動可能に連結された第3リンク、71は一端がセグメント把持部67に回動可能に連結され、他端が第3リンクに回動可能に連結された第4リンクである。
図において、80は矩形箱からなるセグメント把持部67の本体部、81,83は本体部80の両側にそれぞれ設けられた一対の爪からなるクランプ部材、85,87はクランプ部材81を駆動する第1把持シリンダ、89,91はクランプ部材83を駆動する第2把持シリンダである。
まず、下部セグメントAを移動台車24で搬入後に図示しないホイスト等によって、所定位置に設置する。
次に、長辺セグメントBを長手方向に寝かすと共に、短辺が直角になる向きにして移動台車24に搭載してセグメント供給装置19の近傍まで搬入する。
そして、最後に、図22に示すように、第1リンク63〜第4リンク71からなるリンク機構を第1シリンダ73〜第3シリンダ77によって駆動させると共に、前後移動ジャッキ57によって第1移動台55を少し後退さて、一旦セグメントを上方に持ち上げて、直立状態にしてエレクタ装置17に受け渡す。
なお、上部セグメントFの設置の際には、図23に示すように、旋回軸受け33を回転させて、セグメント把持装置41の向きを90度変えることによって作業を行う。
また、長手方向の連結が不要となるので、コストと手間が少なくなる。
図24は本発明の実施の形態2に係るセグメントの組立状態の正面図である。このセグメントは長辺のセグメントが上下に分割されることなく一体となっており、さらに下部セグメントが長辺セグメントの間に配置されるものである。このようにすることで、MMSTトンネルを完成した状態におけるモーメントに対する抵抗力をさらに増すことができる。
そこで、このような長手方向の長さがさらに長くなった長辺セグメントBの搬入を可能にしたのが、この実施の形態2に示すシールド掘進機である。図25は本実施の形態に係るシールド掘進機の側断面図、図26は図25の矢視A−A断面図である。図25、図26において実施の形態1を示した図5〜図7と同一部分には同一の符号を付している。
本実施の形態においては、シールド掘進機の後胴部の上部に長辺セグメントBの旋回時に長辺セグメントBの上端を逃がすための対退避空間95を形成したものである。
図27は本実施の形態に係るシールド掘進機の側断面図、図28は図27の矢視A−A断面図である。本実施の形態は、実施の形態2と同様に図24に示した長辺の最も長いセグメントの組立を可能にしたシールド掘進機の例を示すものである。
本実施の形態においては、図に示すように、リングガーダに矩形の切欠き部97を設けたものである。このような切欠き97を設けることによって、実施の形態2のようにシールド掘進機の内壁上部に退避空間95を設けなくて長辺の長さが最長のセグメントの組立が可能となる。
B 長辺セグメント
C 長辺セグメント
D 長辺セグメント
E 長辺セグメント
F 上部セグメント
17 エレクタ装置
19 セグメント供給装置
55 第1移動台
59 第2移動台
67 セグメント把持部
Claims (6)
- セグメントを把持するセグメント把持機構と、該セグメント把持機構が回動可能に取り付けられたリンク機構と、該リンク機構をトンネル前後方向に移動可能にする移動台とを備え、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置と、該セグメント供給装置から供給されたセグメントを把持してトンネル内壁に組み付けるエレクタ装置とを用いて、トンネルの側壁を組み立てるセグメント組立方法であって、
セグメントをその長手方向がトンネル前後方向に沿うように搬入する工程と、
該搬入されたセグメントを前記セグメント供給装置で把持してそのセグメントの一端が既設トンネルの内壁に近接する状態で旋回させ、直立状態にする工程と、
該直立状態のセグメントを把持してトンネル側壁の所定位置に設置する工程と、
前記セグメントの旋回の過程で前記移動台をトンネル前後方向に沿って移動する工程とを有することを特徴とするセグメント組立方法。 - 既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持してシールド掘進機の後胴側に供給するセグメント供給装置を備えるセグメント組立装置であって、
前記セグメント供給装置は、セグメントを把持するセグメント把持部と、該セグメント把持部が回動可能に取り付けられたリンク機構と、該リンク機構をトンネル前後方向に移動可能に設置する移動台とを備え、
前記リンク機構の駆動による前記セグメントの旋回の際、前記移動台をトンネル前後方向に沿って移動させることを特徴とするセグメント組立装置。 - 前記移動台はトンネル幅方向に移動可能であることを特徴とする請求項2記載のセグメント組立装置。
- 既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持して旋回させ、シールド掘進機の後胴側に供給する、フレームとジャッキとを備えたセグメント供給装置を有し、
該セグメント供給装置が、前記ジャッキにより前記フレームを既設セグメントの内周壁に押し付けることにより、既設セグメントの所定位置に固定されることを特徴とする請求項2乃至3の何れかに記載のセグメント組立装置。 - エレクタ装置と、請求項2乃至4の何れかに記載のセグメント組立装置におけるセグメント供給装置と、を備えるシールド掘進機であって、
前記セグメント供給装置が、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持して旋回させ、前記エレクタ装置に供給すると共に、後胴部の上部に前記セグメントの旋回時に前記セグメントの上端を逃がすための退避空間を備えることを特徴とするシールド掘進機。 - エレクタ装置と、請求項2乃至4の何れかに記載のセグメント組立装置におけるセグメント供給装置と、リングガーダと、を備えるシールド掘進機であって、
前記セグメント供給装置が、既設トンネル内に搬入されたセグメントを把持して旋回させ、前記エレクタ装置に供給すると共に、前記リングガーダが、前記セグメントの旋回時に前記セグメントの端部を逃がすための切り欠きを備えることを特徴とするシールド掘進機。
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