JP4280995B2 - 道路標識表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、トンネル内において道路標識を表示するシステムの構成に関する。
一般道路や高速道路などには、各種の道路標識が設置されている。たとえば、交差点においては各方面の地名や道路名などが表示される。そして、これら道路標識がトンネル内に設置される場合がある。
図9は、トンネル内に道路標識を設置する従来例を示す図である。図9(a)はトンネル2の断面図、図9(b)はトンネル2の横断面図であり、トンネル2の天井面からは、道路標識100が吊り下げられるように設置されている。
道路標識100の高さ方向のサイズは様々であるが、小さいものでも通常1.2m程度はある。また、自動車1が走行するためにトンネル2が確保する必要のある高さは通常4.5m程度である。従ってトンネル2に必要とされる高さは5.7m以上となる。
このように、従来、トンネル建設においては、その高さを5.7m以上にする必要があった。これは道路標識の高さを確保するためにトンネルの掘削作業量を大きくすることを意味し、改善すべき課題であった。特に、トンネル内において道路標識が設置される場所が、道路幅方向をとってみても、長さ方向をとってみても、ごく一部であることを考慮すると、道路標識のためにトンネル高さが高くなるのは非効率である。
そこで、本願出願人は、特願2002−374367号において、図10に示すようなシステムを提案している。図10(a)はトンネル2の断面図、図10(b)はトンネル2の横断面図である。このシステムでは、回折光学素子110がトンネル2の天井面から吊り下げるように設置されている。そして、回折光学素子110の高さを、従来の道路標識板より低くすることにより、トンネル高さを低くすることを可能としている。たとえば、図で示した例であれば、回折光学素子110は30cmの高さであるので、トンネル2の高さを4.8mとすることが可能である。このシステムでは、回折光学素子110に対してレーザ光を照射することにより道路標識を再生像(実像または虚像)として空間上に形成する。
再生像の形成方法について図11を用いて説明する。トンネル2の天井面からはレーザ照射装置111と凸レンズ112と回折光学素子110とが吊り下げられるようにして設けられている。
レーザ照射装置111から照射されたレーザ光は、凸レンズ112において一旦集光された後、光束が広げられて、回折光学素子110に照射される。これにより、空間上に再生像120として道路標識が形成されるのである。なお、再生像120は、回折光学素子110を作成するときの光学系と再生照明光との関係によって、実像あるいは虚像として形成される。たとえば、回折光学素子110を作成するときに使用する参照光と同じ波面の再生照明光を利用して再生像を形成すれば虚像が形成され、回折光学素子110を作成するときに使用する参照光に対して複素共役波を再生照明光として再生像を形成すれば実像が形成される。
このシステムによれば、回折光学素子110の面積よりも大きな再生像を形成することが可能である。したがって、図9で示した道路標識100に比べて大きさの小さい回折光学素子110を利用しながら、道路標識100と同じようなサイズの道路標識を再生像として表示させることが可能である。
図11に示した回折光学素子を利用したシステムにおいて、自動車1が位置Aの場所にいる場合には、視点3から回折光学素子110を観察する視野Vaの範囲の中に再生像120が含まれるため、道路標識としての再生像120を運転者が観察することが可能である。しかし、自動車1が移動し、図の位置Bの場所にいる場合には、視点3から回折光学素子110を観察する視野Vbの範囲から再生像120が外れるため運転者は道路標識を観察することができない。このため、回折光学素子を利用したシステムであってもトンネル内を移動する自動車が長い時間にわたって道路標識を観察することはできない。
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、トンネル内を移動する運転者がなるべく長い時間、道路標識としての再生像を観察可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、トンネル内において道路標識を表示させるシステムであって、前記トンネルの進行方向に並べられた複数の回折光学素子と、前記トンネル内において、前記複数の回折光学素子に対して再生照明光を照射する照射手段と、を備え、前記複数の回折光学素子は、その乾板面に記録された干渉縞によって入射した前記再生照明光を回折することにより道路標識を再生像として表示させるものであり、前記複数の回折光学素子は、同一の空間位置に同一の道路標識を再生像として表示させるように作成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の道路標識表示システムにおいて、前記トンネル内を移動する視点に対して、前記複数の回折光学素子によって形成される再生像が最初に視野に入ってから最終的に視野から外れるまでの間、いずれの視点位置においても、前記複数の回折光学素子のうちいずれかの回折光学素子によって形成される再生像が視野に入るように前記複数の回折光学素子の位置関係が設定されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の道路標識表示システムにおいて、前記トンネル内を移動する視点に対して、前記複数の回折光学素子によって形成される再生像が最初に視野に入ってから最終的に視野から外れるまでの間、いずれの視点位置においても、前記複数の回折光学素子のうちいずれかの回折光学素子によって形成される再生像が視野に入るように再生像の表示位置が設定されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、前記複数の回折光学素子から前記再生像の形成位置までの距離と前記複数の回折光学素子間の距離との関係を、前記複数の回折光学素子から前記再生像の形成位置までの距離を同一の距離と近似できるとみなす所定の関係を満たすように設定することにより、前記複数の回折光学素子として同一の干渉縞が形成された回折光学素子を用いることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、前記トンネル内において再生像を観察可能とすべき道路幅方向の範囲(第1の範囲)が設定されており、再生像の道路幅方向の範囲(第2の範囲)が前記第1の範囲よりも狭い場合には、前記複数の回折光学素子のうち虚像の再生位置に近い回折光学素子ほど道路幅方向の幅が狭くなるように構成されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、前記トンネル内において再生像を観察可能とすべき道路幅方向の範囲(第1の範囲)が設定されており、再生像の道路幅方向の範囲(第2の範囲)が前記第1の範囲よりも広い場合には、前記複数の回折光学素子のうち虚像の再生位置に近い回折光学素子ほど道路幅方向の幅が広くなるように構成されていることを特徴とする道路標識表示システム。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、再生像として実像を形成させる場合には、前記トンネル内を移動する視点が、実像の形成位置と当該実像を形成する回折光学素子との間に位置するように、実像の表示位置が設定されることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、再生像として実像を形成させる場合には、前記トンネル内を移動する視点として想定される所定高さよりも低い位置に実像が形成されるように、実像の表示位置が設定されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、トンネルの進行方向に並べられた複数の回折光学素子により同一の空間位置に同一の道路標識を再生像として表示させるので、トンネル進行方向において長い時間道路標識を表示させることが可能である。
請求項2または請求項3に記載の発明によれば、いずれの視点位置においても再生像が観察されるように構成されているので、継続的に道路標識を観察することが可能である。
請求項4に記載の発明によれば、複数の回折光学素子を同一のものとすることができるので、1枚の回折光学素子を原盤として複製により他の回折光学素子を作成することが可能である。また、計算機により回折光学素子を作成する場合には、複数の回折光学素子に対する計算を共通化できるので、計算コストを低減させることが可能である。
請求項5または請求項6に記載の発明によれば、回折光学素子を効率的に利用したシステムを構築することが可能である。
請求項7または請求項8に記載の発明によれば、実像を鮮明に観察することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は、本発明の実施の形態にかかる道路標識表示システムを示す図であり、図1はトンネル2内の横断面図、図2はトンネル2内の平面図である。トンネル2の天井面からは4個の回折光学素子10a,10b,10c,10dが吊り下げられるように設けられており、各回折光学素子10a〜10dに再生光を照射する4台のレーザ照射装置11a,11b,11c,11dがトンネル2の天井面から吊り下げられるように設けられている。また、各レーザ照射装置11a〜11dには、凸レンズ12a,12b,12c,12dが取り付けられている。
なお、凸レンズの代わりに各レーザ照射装置11a〜11dに凹レンズを取り付けるようにしても良い。また、各回折光学素子10a〜10dを照射する光源は必ずしも複数用意する必要はない。たとえば、1台のレーザ照射装置から出力されるレーザ光を、分岐をもったガラスファイバーで伝送させ、各回折光学素子10a〜10dに照射するようにしてもよい。
レーザ照射装置11a〜11dから照射されたレーザ光は、それぞれ凸レンズ12a〜12dを介して再生照明光13a〜13dとして回折光学素子10a〜10dに照射される。ここで、レーザ照射装置11a〜11dから照射されたレーザ光は、凸レンズ12a〜12dにおいて一旦集光された後、光束が広げられる。したがって、再生照明光13a〜13dは発散光となって回折光学素子10a〜10dに照射される。なお、凸レンズの代わりに凹レンズを採用した場合には、レーザ照射装置11a〜11dから照射されたレーザ光はそのまま発散光となって回折光学素子10a〜10dに照射される。これにより、図3および図4に示すように空間上に再生像20(虚像20vあるいは実像20r)として道路標識が形成される。
なお、再生像20は、回折光学素子10a〜10dを作成するときの光学系によって、実像20vあるいは虚像20rとして形成される。具体的には、波面を発散球面波と収束球面波の2種に分類した場合において、回折光学素子10a〜10dを作成するときに使用する参照光と同じ種類の波面を再生照明光として使用すれば虚像20vが形成され、回折光学素子10a〜10dを作成するときに使用する参照光と異なる種類の波面を再生照明光として使用すれば実像20rが形成される。たとえば、回折光学素子10a〜10dを作成する際に、参照光として発散球面波を使用し、再生照明光として発散球面波を使用すれば虚像20vが形成される。虚像20vを形成するためには、参照光と再生照明光とは全く同じは波面である必要はない。ただし、同じ発散球面波であっても参照光とは異なる波面を再生照明光とした場合には、虚像の形成される位置が異なる。一方、参照光として集束球面波を使用し、再生照明光として発散球面波を使用すれば実像20rが形成される。
次に、回折光学素子10a〜10dの作成方法について説明する。ここでは、計算機を用いて演算で求めた結果から回折光学素子を作成する方法を説明する。ただし、回折光学素子を光学的に作成する方法を利用することも可能である。
計算機による演算結果から回折光学素子を作成する方法は、コンピュータで光の波面を計算することにより、乾板面での干渉縞を求める方法である。ここでは、図4に示すような位置関係で回折光学素子10a,10b,10cが配置されるシステムを構成する場合を例に説明する。なお、図1等では回折光学素子が4枚設置されているが、ここでは、説明を簡単にするため3枚の回折光学素子10a〜10cの作成方法について説明する。
図に示すように、回折光学素子10aと10bとは距離L1の間隔を空けて設置され、回折光学素子10bと10cとは距離L2の間隔を空けて設置されている。そして、全ての回折光学素子10a〜10cによって同じ位置に再生像20として虚像20vが再生されるようなシステムを構築する。つまり、回折光学素子10aから距離Z1だけ前方(自動車1から見て前方)に再生像20として虚像20vが再生され、回折光学素子10bから距離Z2だけ前方に虚像20vが再生され、回折光学素子10cから距離Z3だけ前方に虚像20vが再生され、さらに、Z1−Z2=L1、Z2−Z3=L2の関係が成り立っているようなシステムを構築する。また、各レーザ照射装置12a,12b,12cの光源から回折光学素子10a,10b,10c上の各点までの距離は、それぞれr1,r2,r3である(つまり、r1,r2,r3は回折光学素子上の座標によって決まる値である。)。
ここで、図5に示すようにx−y−z空間を考え、仮想的に道路標識30と乾板31がz軸に垂直な平面上に配置されているものとする。また、x−y軸は道路標識30(物体)上の座標軸,xi−yi軸は乾板31上の座標軸を表しており、道路標識30は、z=0平面とする。そして、道路標識30と乾板31の間の距離をziとする。つまり、乾板面はz=zi平面と見なすこともできる。さらに、点光源32が仮想的に配置され、この点光源32からは参照光33が乾板31に照射されている。
このような条件下において、道路標識30をz軸に平行な平面波で照射したときに、その平面波は、道路標識30に当たることにより、散乱光となって乾板面に達することになるが、この乾板面での光の振幅は数1式で表される。
Figure 0004280995
ここで、g(x,y)は道路標識30の座標(x,y)における画像情報を表している。つまり、平面波を受けた道路標識30が、その平面波を反射することによって得られる道路標識30の平面上における画像情報である。また、数1式において、k=2π/λであり、λは光の波長である。
一方、点光源32から照射される参照光33を発散球面波として考えると、この参照光33の振幅は、数2式で表される。
Figure 0004280995
ここで、rは点光源32と乾板面上の点(xi,yi)との距離である。
そして、乾板面の光強度は、物体光と参照光との光強度を加え合わせたものであるから、乾板面上の光強度は、数3式で表される。
Figure 0004280995
数3式は、乾板面上の座標(xi,yi)上での光強度を表している。つまり、このI(xi,yi)が、乾板面上に現れる干渉縞を表現する式である。
これら数1式から数3式に従ってコンピュータで光強度を計算し、その結果を高精度のプリンター(例えば印刷用のイメージセッター)やレーザ直接描画装置で透明フィルムやガラス基板に露光する。レーザ直接描画装置とはガラス基板に例えばフォトレジスト等の光感光性材料を塗り、その上に先ほどの計算結果に従って小さく絞ったレーザ光線で直接干渉縞を描画していくものである。
このように、コンピュータを利用することによって干渉縞を算出し、透明フィルムやガラス基板に干渉縞を描画することにより、回折光学素子が作成される。したがって、図4で示したようなシステムを構築するためには、数1式において、ziにZ1を代入し、数2式において、rにr1を代入することによって、回折光学素子10aの乾板面上の光強度I(xi,yi)が求められる。また、数1式において、ziにZ2を代入し、数2式において、rにr2を代入することによって、回折光学素子10bの乾板面上の光強度I(xi,yi)が求められ、ziにZ3を、rにr3を代入することによって、回折光学素子10cの乾板面上の光強度I(xi,yi)が求められる。
そして、計算結果に基づいて回折光学素子10a〜10cを作成し、コンピュータ上でモデリングした位置関係で回折光学素子10a〜10cを設置し、コンピュータ上で配置した光源と乾板面との距離と同じ距離を空けて光源を配置し、再生照明光を照射することにより、各回折光学素子10a〜10cが同じ位置に再生像20を形成するシステムが構築されるのである。つまり、回折光学素子10a〜10cを作成する上記計算において、道路標識30の情報として同一の画像情報g(x,y)を利用しているので、同一の道路標識を再生像20として形成することが可能である。同様な方法で回折光学素子10dについても、他の回折光学素子10a〜10cと同じ位置に再生像20を形成するように作成することができる。なお、数2式で示したように、ここでは、参照光として発散球面波を採用しており、また、図1等で示したシステムでは凸レンズ12a〜12dによりレーザ光が発散球面波として照射されるので、形成される再生像20は虚像20vである。これに対して、数2式の指数部分の符号を負に変更し、参照光を集束球面波として回折光学素子を作成し、再生照明光として発散球面波を使用することにより、実像20rを形成するシステムとすることができる。
さらに、本システムは以下のような条件を備えることにより、さらなる効果を奏する。自動車1の移動にともなって視点3から各回折光学素子10a〜10dを観察する視野が変化することとなるが、最初に再生像20が視野に入った後、最終的に再生像20が視野から外れるまでの間、常にいずれかの回折光学素子10a〜10dによって形成される再生像20が視野の中に入っているようにシステムを構築することである。
たとえば、運転者の視野に回折光学素子10aにより再生される再生像20が含まれているとする。次に、自動車1が移動するにつれて、視点3の位置が移動し、運転者の視野から回折光学素子10aにより再生される再生像20が外れる地点が存在する。しかし、この位置において、回折光学素子10bにより再生される再生像20が運転者の視野に入るようにシステムが構築されていれば、運転者は継続的に道路標識としての再生像20を観察することができるのである。さらに、自動車1が移動するにつれて、視点3の位置が移動し、運転者の視野から回折光学素子10bにより再生される再生像20が外れる際には、回折光学素子10cにより再生される再生像20が運転者の視野に入るようにシステムを構築すればよい。
このように、最初に再生像20が視野に入った後、最終的に再生像20が視野から外れるまでの間、常に再生像20を観察可能なシステムを構築するためには、移動する視点3の高さをある範囲内で想定する必要がある。そして、想定された高さにある視点3が、最初に再生像20が視野に入った後、最終的に再生像20が視野から外れるまでの間、移動する軌跡において、常に再生像20が視野に入るように、回折光学素子間の距離および再生像20の表示位置を決定すればよい。
また、本実施の形態においては、図2に示すように、回折光学素子10a〜10dの水平方向の幅は、視点3に近い側の回折光学素子ほど狭くなるようにしている。具体的には、道路標識を観察するのに適しているある地点(図2ではそのような地点に自動車1が位置している状態を示している。)に視点3を固定した場合において、各回折光学素子10a〜10dを観察した際に、水平方向(横方向)の視野角が等しくなるように各回折光学素子10a〜10dの幅を決定しているのである。もちろん回折光学素子10a〜10dの水平方向の幅を全て同じ長さにすることも可能であるが、水平方向(横方向)の視野角が等しくなるように各回折光学素子10a〜10dの幅を決定することで効率がよい。
つまり、図1で示したように縦方向の視野各Vcを広くとるためには、水平方向についても再生像が視野に入っている必要がある。そこで、図2に示すように、水平方向の視野各が等しくなるように各回折光学素子10a〜10dを配置することで、効率的に視点3から全ての回折光学素子10a〜10dを視野に入れることができるのである。なお、回折光学素子10aなどについては、乾板の両端に形成されている干渉縞が切り落とされる可能性があるが、この図においては、道路の略中央に位置している視点3からの観察を前提としているため、乾板の両端近辺に形成されている干渉縞(つまり、再生像を斜め方向から観察可能な干渉縞)については情報が欠落していても問題ない。
効率的な回折光学素子の配置について、さらに詳しく説明する。図6および図7は、自動車1が道路の左右端(道路幅方向を左右方向とする。)に位置する場合も考慮に入れた図である。なお、ここでは、説明を簡単にするために3枚の回折光学素子10a〜10cを用いて説明する。図6は、道路標識としての虚像20vが小さい場合の実施例図である。
ここで、「道路標識が小さい」とは、具体的には、自動車1が左右両端に最も近づいた場合の視点3を想定し、この視点3と道路の左右端との距離をAとすると、虚像20vの再生領域が道路両端から距離Aの範囲を除いた領域に収まっているような場合を言う。言い換えると、トンネル2内において再生像を観察可能とすべき領域B(図の斜線領域)が設定されており、この領域Bの道路幅方向の範囲、つまり、道路の両端から距離Aを除いた範囲を第1の範囲とすれば、再生像の道路幅方向の範囲(第2の範囲)が第1の範囲よりも狭い場合を言う。
このような条件のもとで、自動車1が領域B内の全ての位置において、回折光学素子10a〜10cの全てを視野に入れるためには、図に示したように回折光学素子10aの道路幅方向の幅を最も広くし、虚像20vに近づくにつれて回折光学素子の道路幅方向の幅を狭くする方が効率的である。言い換えると、道路標識を観察可能としたい領域Bについて、視点3を領域B内の全ての位置に移動させて、各地点における視点3からの視野を考えた場合、各地点において視点3と虚像20vの道路幅方向の両端とを結ぶ領域に、常に回折光学素子10a〜10cの一部が納まっているように各回折光学素子10a〜10cを配置すれば、図6のような配置となるのである。
一方、図7は、道路標識としての虚像20vが大きい場合の実施例図である。ここで、「道路標識が大きい」とは、虚像20vの再生領域が道路両端から距離Aの範囲に及んでいる場合を言う。言い換えると、トンネル2内において再生像を観察可能とすべき領域B(図の斜線領域)が設定されており、この領域Bの道路幅方向の範囲、つまり、道路の両端から距離Aを除いた範囲を第1の範囲とすれば、再生像の道路幅方向の範囲(第2の範囲)が第1の範囲よりも広い場合を言う。
このような条件のもとで、自動車1が領域B内の全ての位置において、回折光学素子10a〜10cの全てを視野に入れるためには、図に示したように回折光学素子10cの道路幅の幅を最も広くし、虚像20vから遠ざかるにつれて回折光学素子の道路幅方向の幅を狭くする方が効率的である。言い換えると、道路標識を観察可能としたい領域Bについて、視点3を領域B内の全ての位置に移動させて、各地点における視点3からの視野を考えた場合、各地点において視点3と虚像20vの道路幅方向の両端とを結ぶ領域に、常に回折光学素子10a〜10cの一部が納まっているように各回折光学素子10a〜10cを配置すれば、図7のような配置となるのである。
以上説明したように、本発明によれば、道路標識として再生像20をトンネル2内で長い時間にわたって継続的に表示させることが可能であり、この効果は再生像20が虚像20vである場合と実像20rである場合とで変わりない。ただし、再生像20として虚像20vを形成する場合には、自動車1が回折光学素子に近づくにつれて次第に像が大きく見えるという特徴がある。これに対して、自動車1が回折光学素子に近づくにつれて実像は次第に小さくなる。したがって、いずれを採用することも可能であるが、物体に近づくにつれて物体が大きく見えるという自然界の現象と一致させるという意味では虚像を形成するシステムを構築する方がよいと考えられる。
また、再生像20として実像20rを形成するシステムを構築する場合には、実像20rの形成位置と、その実像20rを形成している回折光学素子(回折光学素子10a〜10dのいずれか)の設置位置との間に観察者が位置する状態で、観察者が実像20rを観察するシステムを構成することが好ましい。別の言い方をすると、観察者が実像20rの前方(進行方向について前方)に位置する状態で、実像20rを観察するシステムを構築することが好ましい。
図4では、実像20rを観察している視点3が、実像20rと、その実像20rを形成している回折光学素子(回折光学素子10a〜10dのいずれか)との形成位置の間に位置していることを示している。このように、視点3が回折光学素子と実像20rの形成位置との間に位置している場合には、視点3と回折光学素子との間に実像20rが形成されている場合(例えば、図4における20Pの位置に実像が形成されている場合)と比べて観察される実像が鮮明になるというメリットがある。このようなシステムを構築する具体的な条件は、自動車1の運転者の視点3高さを、所定の高さに想定した場合に、当該所定の高さよりも低い位置に実像20rが形成されるようにシステムを構築することである。別の言い方をすると、実像20rを形成する回折光学素子と視点3を結ぶ視野を考えた場合に、視点3よりも後方側(進行方向について後方側)に張る視野20Q(図における砂地の領域)の中に実像20rが形成されるようなシステムを構築することである。
本発明の別の利点について説明する。図8に示すように、回折光学素子10a〜10cから虚像20vまでの距離H1あるいは実像20rまでの距離H2を回折光学素子間の距離L1,L2に比べて非常に大きくする場合を考える。たとえば、L1,L2を5m〜10m程度の距離とし、H1,H2を1000mや1000kmなどに設定する。
このような設定の場合、虚像20vを形成するような回折光学素子10a〜10cを作成するためには、数1式において、ziにそれぞれH1+L1,H1,H1−L1を代入することになるが、L1,L2に比べてH1が非常に大きいので、いずれについてもH1で近似することが可能である。また、数2式のrについても同じ値を設定するようにすればよい。これにより、各回折光学素子10a〜10cについて、数3式における乾板面上の各座標の光強度Iを同一とすることが可能である。
また、実像20rを形成するシステムを構築する場合も同様である。各回折光学素子10a〜10cから実像20rまでの距離は、H2−L1,H2,H2+L2であるが、H2がL1,L2に比べて非常に大きいので、いずれについてもH2で近似することが可能である。
ここで、再生像20から各回折光学素子までの距離と、各回折光学素子間の距離との関係がどの程度であれば、近似により各回折光学素子までの距離を同一と見なすことができるかについては、所定の条件を定めればよい。あるいは、実験等により所定の条件を決定するようにしてもよい。そして、所定の条件を満たすように、コンピュータ上で物体面、乾板面をモデリングすることにより、各回折光学素子に形成する干渉縞を同一のものとすることが可能である。
このように虚像20vあるいは実像20rの形成する位置を非常に遠方に設定することにより、自動車1が移動し、回折光学素子までの距離が変化した場合にも、再生像20(20vあるいは20r)の大きさが変化しないという利点がある。つまり、回折光学素子から遠い位置から虚像20vを見た場合にも、大きな像として道路標識を観察できるので、判読性が良い。
また、上述したようにコンピュータを用いて回折光学素子を作成する工程においても、数1式から数3式で示したように光強度を計算する処理を共通の処理とすることができるので、計算コストを削減することが可能である。
さらに、共通処理によって計算された値から同一の回折光学素子を複数作成すればよいので、マスターの回折光学素子を1枚作成し、それを原盤として他の回折光学素子を複製すればよいので、システム構築費用を大幅に削減することが可能である。
本実施の形態にかかる道路標識表示システムを示すトンネル内の横断面図である。 本実施の形態にかかる道路標識表示システムを示すトンネル内の平面図である。 再生像として表示される道路標識のイメージ図である。 回折光学素子の位置関係を示す図である。 コンピュータ上で回折光学素子を作成する際に仮想的に配置された各要素を示す図である。 再生像が小さい場合に回折光学素子を効率的に配置する実施例を示す図である。 再生像が大きい場合に回折光学素子を効率的に配置する実施例を示す図である。 回折光学素子間の距離と再生像までの距離を表す図である。 物理的な道路標識をトンネル内に設置した従来技術を示す図である。 本出願人により提案されている回折光学素子を用いた道路標識表示システムを示す図である。 再生像と視野の関係を示す図である。
符号の説明
2 トンネル
10a〜10d 回折光学素子
11a〜11d レーザ照射装置
12a〜12d 凸レンズ
13a〜13d 再生照明光
20v 虚像
20r 実像

Claims (8)

  1. トンネル内において道路標識を表示させるシステムであって、
    前記トンネルの進行方向に並べられた複数の回折光学素子と、
    前記トンネル内において、前記複数の回折光学素子に対して再生照明光を照射する照射手段と、
    を備え、
    前記複数の回折光学素子は、その乾板面に記録された干渉縞によって入射した前記再生照明光を回折することにより道路標識を再生像として表示させるものであり、前記複数の回折光学素子は、同一の空間位置に同一の道路標識を再生像として表示させるように作成されていることを特徴とする道路標識表示システム。
  2. 請求項1に記載の道路標識表示システムにおいて、
    前記トンネル内を移動する視点に対して、前記複数の回折光学素子によって形成される再生像が最初に視野に入ってから最終的に視野から外れるまでの間、いずれの視点位置においても、前記複数の回折光学素子のうちいずれかの回折光学素子によって形成される再生像が視野に入るように前記複数の回折光学素子の位置関係が設定されることを特徴とする道路標識表示システム。
  3. 請求項1に記載の道路標識表示システムにおいて、
    前記トンネル内を移動する視点に対して、前記複数の回折光学素子によって形成される再生像が最初に視野に入ってから最終的に視野から外れるまでの間、いずれの視点位置においても、前記複数の回折光学素子のうちいずれかの回折光学素子によって形成される再生像が視野に入るように再生像の表示位置が設定されることを特徴とする道路標識表示システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、
    前記複数の回折光学素子から前記再生像の形成位置までの距離と前記複数の回折光学素子間の距離との関係を、前記複数の回折光学素子から前記再生像の形成位置までの距離を同一の距離と近似できるとみなす所定の関係を満たすように設定することにより、前記複数の回折光学素子として同一の干渉縞が形成された回折光学素子を用いることを特徴とする道路標識表示システム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、
    前記トンネル内において再生像を観察可能とすべき道路幅方向の範囲(第1の範囲)が設定されており、再生像の道路幅方向の範囲(第2の範囲)が前記第1の範囲よりも狭い場合には、前記複数の回折光学素子のうち虚像の再生位置に近い回折光学素子ほど道路幅方向の幅が狭くなるように構成されていることを特徴とする道路標識表示システム。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、
    前記トンネル内において再生像を観察可能とすべき道路幅方向の範囲(第1の範囲)が設定されており、再生像の道路幅方向の範囲(第2の範囲)が前記第1の範囲よりも広い場合には、前記複数の回折光学素子のうち虚像の再生位置に近い回折光学素子ほど道路幅方向の幅が広くなるように構成されていることを特徴とする道路標識表示システム。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、
    再生像として実像を形成させる場合には、前記トンネル内を移動する視点が、実像の形成位置と当該実像を形成する回折光学素子との間に位置するように、実像の表示位置が設定されることを特徴とする道路標識表示システム。
  8. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の道路標識表示システムにおいて、
    再生像として実像を形成させる場合には、前記トンネル内を移動する視点として想定される所定高さよりも低い位置に実像が形成されるように、実像の表示位置が設定されることを特徴とする道路標識表示システム。
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