JP4279044B2 - 部品認識装置及び同装置を備えた表面実装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品吸着用のヘッドを有するヘッドユニットと、ヘッドユニットの移動経路に配置され、上記ヘッドユニットが移動する間にヘッドに吸着された部品を撮像するラインセンサからなる撮像手段と、この部品の撮像時に部品に光を照射する複数の照明手段とを備え、上記撮像手段により取り込まれた部品の画像に基づいてヘッドに吸着された部品の認識を行うように構成された部品認識装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、部品吸着用のヘッドを有するヘッドユニットにより、IC等の部品を部品供給部から吸着して、位置決めされているプリント基板上に移送し、プリント基板の所定の位置に装着するようにした表面実装機(以下、実装機と示す)が一般に知られている。
【0003】
このような実装機においては、ヘッドで部品を吸着したときの部品の位置にはある程度バラツキがあり、部品の吸着位置ズレに応じて装着位置を補正することが要求される。そのため、吸着された部品を認識してヘッドに対する吸着位置ズレを検知するようにしている。
【0004】
このような部品認識を行う装置として、例えば、ラインセンサからなる撮像手段と照明手段とを実装機の基台上に設置し、部品吸着後のヘッドユニットを撮像手段上で移動させながら、照明手段により部品認識用の光を吸着部品の撮像側の表面に対して一様に照射しつつ、撮像手段により撮像を行って部品画像を一ラインずつ取り込み、この取込画像に基づいて部品認識を行うようにした装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平12−299600号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記電子部品には、撮像手段の撮像側へ向けて突設された部位を備えたものがあり、このような電子部品をプリント基板上へ装着するのに際し、電子部品に対する突設部位の位置を検知することが必要となる。例えば、図5に示すように、部品本体BHと、この部品本体BH上に突設された半球状のボール端子BTの位置を撮像手段による画像に基づいて求め、ボール端子BTにおける欠け等の不良の有無を調べるとともに、部品吸着位置のずれを調べてそれに応じた補正量を求め、プリント基板に対するボール端子BTの装着位置を調整することが行われている。このようにボール端子BTの位置を検知する場合には、ボール端子BTの頂点位置を検出する必要が生じることとなる。
【0007】
そこで、上記特許文献1の部品認識装置を使って立体的にボール端子BTを認識するため、照明手段を部品の鉛直下方から水平方向の一方側に偏位させて斜め下方から部品を照射し、撮像手段を他方側に偏位させて部品からの反射光を他方斜め下方で捕らえるようにすることが考えられる。この場合、上記特許文献1の部品認識装置は、照明手段が部品に対して一様に光を照射することとしているため、ボール端子BTを撮像した場合には、図6の(b)に示すように、ボール端子BTの影BKが発生してしまい、この影BKによりボール端子BTの輪郭部分が隠蔽されてしまう結果、当該ボール端子BTの頂点位置を特定することが困難となってしまう可能性がある。
【0008】
また、部品側方外方にリードを有する部品においては、リードの折れ等の異常を検知するために、当該リードの先端位置を特定する必要が生じる。リードが部品側方外方に延びた後、先端部が撮像手段の撮像側へ向けて折れ曲って突設されて形成されている場合には、リードの部品側方外方に延びる部位に、この部位から折れ曲って形成される突設部位の先端部の影が映し出されると、上記と同様の理由からリードの先端部の特定が困難となってしまう可能性がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、撮像手段の撮像側へ向けて部品に突設された突設部位の先端部の位置を特定することができる部品識別装置及び装装置を備えた表面実装機を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、部品吸着用のヘッドを有するヘッドユニットと、ヘッドユニットの移動経路に配置され、上記ヘッドユニットが移動する間にヘッドに吸着された部品を撮像するラインセンサからなる撮像手段と、この部品の撮像時に部品に光を照射する複数の照明手段とを備え、上記撮像手段により取り込まれた部品の画像に基づいてヘッドに吸着された部品の認識を行うように構成された部品認識装置において、
上記各照明手段の照射光を撮像手段の走査方向に対して概ね平行となるようにそれぞれ光の方向を変化させる第一の集光手段と、
この第一の集光手段により概ね平行光とされた光を一定位置へ集光させる第二の集光手段とを備え、
上記撮像手段は、
当該撮像手段の撮像線を通る平面が上記第二の集光手段の集光位置又はその近傍において当該第二の集光手段から出射した光と交差する交差部分が生じるようになる位置で、かつ、
上記撮像手段の撮像側へ向けて部品に突設された突設部位の先端部が上記交差部分の範囲内を通過するときに、上記交差部分の範囲内を通過する突設部位の先端部若しくはその近傍で反射する反射光を受光可能となる位置に
配設されていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、撮像手段の撮像線を通る平面が上記第二の集光手段の集光位置又はその近傍において当該第二の集光手段から出射した光と交差する交差部分が生じるようになる位置で、かつ、部品に突設された突設部位の先端部が上記交差部分の範囲内を通過するときに、上記交差部分の範囲内を通過する突設部位の先端部若しくはその近傍で反射する反射光を受光可能となる位置に上記撮像手段が配設されているため、撮像手段は、その撮像範囲内の突設部位の先端部に対応する部分が極めて明るい画像を取り込むこととなる。
【0012】
一方、突設部位の先端部が上記交差部分の範囲内を通過するときに、上記交差部分の範囲内を通過する突設部位の先端部若しくはその近傍で反射する反射光を受光可能となる位置に撮像手段が配設されているため、突設部位の先端部以外の部分に対しては、第二の集光手段により所定の集光角度で照射された光が拡散した状態で照射される結果、撮像手段は、その撮像範囲内の突設部位の先端部以外に対応する部分が極めて暗い画像を取り込むこととなる。
【0013】
したがって、上記発明は、部品の突設部位の先端部付近とそれ以外の部位との明るさが顕著に異なる画像を取り込むことができるため、当該部品に対する突設部位の先端部の位置を特定することができる。
【0014】
上記部品識別装置において、上記突設部位の先端部若しくはその近傍で反射した光を反射させる反射手段をさらに備え、上記撮像手段は、上記反射手段で反射した光を受光可能となるように配設されていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、反射手段による光の反射角度を調整することによって、比較的スペースを要する撮像手段の配置場所を変更することができるため、全体としてコンパクトな部品認識装置を形成することが可能となる。
【0016】
上記部品識別装置において、上記撮像手段は、上記突設部位の先端部である球面の頂点で反射する反射光を受光可能となる位置に配設されていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、部品に突設された球面の頂点位置を特定することができる。
【0018】
さらに、本発明は、上記部品認識装置と、実装用の部品を供給する部品供給部と、被実装用の基板を装着作業位置に搬入する基板搬送手段とを備え、上記ヘッドにより部品供給部から部品を吸着して、部品認識装置による認識を行ってから、当該部品を上記基板に装着するように構成された表面実装機である。
【0019】
この表面実装機によれば、上記ヘッドにより部品供給部から吸着された部品が基板へ搬送される過程において、当該部品が部品認識装置により認識されるため、認識された部品位置に応じて部品の位置ズレを補正しつつ、基板に対して部品を装着することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1及び図2は本発明に係る部品認識装置を装着した実装機を概略的に示している。これらの図において、実装機本体の基台1上には、プリント基板搬送用のコンベア2が配置され、プリント基板Pが上記コンベア2上を搬送されて所定の装着作業位置で停止するようになっている。上記コンベア2の前後方向(図1では上下方向)にはそれぞれ部品供給部3が配置されている。これら部品供給部3には、上記コンベア2と平行して取付座16がそれぞれ設けられている。各取付座16には、各種部品を供給するための多数のフィーダーが配設され、図示の例では多数のテープフィーダー4が並列に、かつ各々位置決めされた状態で固定されている。各テープフィーダー4は、それぞれIC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の電子部品を所定間隔おきに収納、保持したテープがリールから導出されるように構成されるとともに、テープ送り出し端には送り機構が具備され、後述の吸着ヘッド13により部品がピックアップされるにつれてテープが間歇的に送り出されるようになっている。
【0022】
上記基台1の上方には、図1及び図2に示すように、部品装着用ヘッドユニット5が装備され、このヘッドユニット5はX軸方向(コンベア2と平行な方向)及びY軸方向(図1におけるコンベア2と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0023】
すなわち、上記基台1には、ヘッドユニット5の支持部材6がY軸方向の固定レール7に移動可能に配置され、支持部材6上にヘッドユニット5がX軸方向のガイド部材8に沿って移動可能に支持されている。そして、Y軸サーボモータ9によりボールねじ10を介して支持部材6のY軸方向の移動が行なわれるとともに、X軸サーボモータ11によりボールねじ12を介してヘッドユニット5のX軸方向の移動が行なわれるようになっている。
【0024】
上記ヘッドユニット5には部品装着用の複数の吸着ヘッド13が搭載されており、当実施形態では8本の吸着ヘッド13がX軸方向に一列に並べて配設されている。また、吸着ヘッド13は、それぞれヘッドユニット5のフレームに対してZ軸方向(図2)の移動及びR軸(ノズル中心軸)回りの回転が可能とされ、サーボモータを駆動源とする昇降駆動手段及び回転駆動手段により駆動されるようになっている。また、各吸着ヘッド13のZ軸方向の下端(図2)には吸着ノズル14が設けられており、部品吸着時には図外の負圧供給手段から吸着ノズル14に負圧が供給され、この負圧による吸引力で部品が吸着されるようになっている。
【0025】
上記ヘッドユニット5の移動範囲内であって基台1上の部品供給部3近傍には、部品認識装置20が設けられ、この部品認識装置20により上記吸着ノズル14に吸着された部品の下面が撮像されるようになっている。
【0026】
図3は、図1の部品認識装置20を示しており、(a)は屈折レンズ32を介して照射される光の経路を示す斜視図、(b)は、図1のIII−III矢視図である。図3の(b)において、部品認識装置20は、上記基台1に対して固定されるベースプレート21を備えている。このベースプレート21の右上端部には、上記吸着ノズル14に吸着された部品Dの下面に対して撮像用の光を照射する照明手段30が固定されている。
【0027】
上記照明手段30は、本実施形態において、5列8行に配列された合計40個のLED31を備えている。これらLED31は、上記ベースプレート21のX方向の略中央位置に搬送された部品Dの下面に対してXZ平面上で略40°の傾斜角で自然光Sを照射するようにベースプレート21に固定されている。また、上記各LED31の自然光Sの照射経路上には、屈折レンズ32が設けられている。
【0028】
上記屈折レンズ32は、上記各LED31から照射された自然光Sを所定の平面(例えば、ベースプレート21、あるいは屈折レンズ32のLED31側表面の先端部を結ぶ平面)に略直交する平行光あるいは略平行光になるように光の入射において屈曲させるように、LED31側表面を各LED31に対応して40個所で凸状に形成して第一の集光手段を形成している。なお、LED31そのものにレンズを設け、LED31からの照射光が平行光あるいは、略平行光となる場合には、各LED31からの照射光が全体として平行光あるいは略平行光となるように、各LED31をベースプレート21に取付けるようにする。この場合は、LED31が照明手段と第一の集光手段を兼ねることになり、屈折レンズ32のLED31側表面は、平坦な形状とする。
【0029】
上記屈折レンズ32の反LED31側表面は、かまぼこ状に凸に形成されており、図3の(a)に示すように、平行光あるいは略平行光は、屈折レンズ32から出射するときに、Y軸方向には平行あるいは略平行を維持したまま屈曲されて、平面状屈曲光HとなりY軸方向の直線状の集光位置SIに集光される。この集光位置SIに上記部品Dの下面位置が一致するように、吸着ヘッド13のZ軸方向位置が調整される。また、図3の(a)に示すように、集光位置SI上において、LED31のY軸方向の配置ピッチに対応した高集光部SI1、SI2、SI3が形成され、Y軸方向に明るい部位、相対的に暗い部位が交互に生じることになるので、上記屈折レンズ32と部品Dとの間には、上記平面状屈曲光HをY軸方向にのみ拡散させるディフューザ33が配設され、このディフューザ33により各平面状屈曲光Hは、部品D側へ向かうにつれてY軸方向で扇状に広がり、Y軸方向において略均一な明るさとなる。
【0030】
すなわち、屈折レンズ32及びディフューザ33により上記照明手段30の各LED31から照射された自然光Sが平面状屈曲光Hに屈曲され、これら平面状屈曲光Hが部品Dの下面に集光されるとともに、それぞれY軸方向へ拡散することによって、各平面状屈曲光Hが部品Dの下面でY軸方向へ延びる集光位置SIに対して照射されることとなる。この集光位置SIへ照射された各平面状屈曲光Hは、当該集光位置SIを基準とするYZ平面の面対称となる左側へ反射し、この反射光Rは、反射手段としてのミラー34により下方側へ反射されることとなる。
【0031】
上記ミラー34により反射された光を受光可能となるように、上記ベースプレート21には、ラインセンサ35が固定されている。
【0032】
上記のように構成された部品認識装置20は、換言すると、上記照明手段30の各LED31の自然光Sを所定方向に対して平行とし、この平行光をそれぞれ平面状屈曲光Hに屈曲させるとともに、この平面状屈曲光Hを集光位置SIへ集光させる屈折レンズ32を備え、集光位置SIで反射する反射光Rを受光可能となる位置にラインセンサ35が配設されている。
【0033】
さらに、上記ベースプレート21の上端部には、上記部品Dの下面に対して垂直下方から自然光Sを照射するための補助照明手段30aが固定されている。この補助照明装置30aは、上記LED31と同様の構成を有する40個の補助LED31aを備え、これら補助LED31aの照射方向には、上記屈折レンズ32及びディフューザ33と同様の構成を有する補助屈折レンズ32a及び補助ディフューザ33aが配設され、これら各構成により、部品Dの集光位置SIに対して必要に応じて補助的な光の照射を行うようになっている。
【0034】
このように構成された部品認識装置20の部品認識動作を説明するために、図5に示すようなボール端子BTが下方へ突設された部品を撮像する場合を例に挙げて、図4を参照して説明する。
【0035】
図4は、図3の部品認識装置20におけるボール端子BTの頂部の撮像状態を示す正面図である。照明手段30からの平面状屈曲光Hの中心面P1に対して角度Aをなす平面P2上にラインセンサ35の不図示の光取込スリットと線状に並ぶ撮像素子とを結ぶ平面を一致させるようにラインセンサ35を配置するとき、平面P1と平面P2の交線L1を通り、両平面P1、P2の内角を2等分する面P0上の交線L1の法線と、部品の被撮像部に立てる法線が一致する部分が像としてラインセンサ35に取り込まれる。
【0036】
図4の(a)は、交線L1が集光位置SIからずれた場合を示す。この場合であっても、ラインセンサ35の撮像線を通る平面P2が平面状屈曲光Hと交わる部分(Z軸方向においてZH範囲)を、ボール端子BTの頂部が通過するように吸着ヘッド13のZ軸方向高さが部品種別のデータと部品認識装置20のレイアウトデータとに基づき吸着ヘッド13に吸着される部品種別が変更される前に調整される。吸着ヘッド13は、この調整されたZ軸高さを維持しつつ、ラインセンサ35の撮像素子の配列方向(Y軸方向)と直交する方向に移動し、部品本体BHの下面に並ぶボール端子BTの頂部からの反射光が順次ラインセンサ35の撮像範囲SHを通ってラインセンサ35に取り込まれ、画像として認識される。
【0037】
平面状屈曲光Hの一部は、ボール端子BTの頂部で反射し、反射光Rは、ラインセンサ35に取り込まれる。なお、交線L1と集光位置SIの間の長さが、集光位置SIと屈折レンズ32の間の長さより短ければ、ボール端子BTの頂部を明るく照らすことが可能である。交線L1と集光位置SIとを一致させることが望ましく、このようにすることにより、ボール端子BTを顕著に明るく照らした画像を得ることができる。しかし、上記のように交線L1と集光位置SIとを一致させるためには、吸着ヘッド13のZ軸方向高さの調整に対して高い精度が要求される。
【0038】
一方、屈折レンズ32には、収差があるため、集光位置SIの周囲にY軸方向へ延びる円筒状の集光位置SI´が構成される場合がある(図4の(b)参照)。この場合であっても、ラインセンサ35の撮像線を通る平面P2が集光位置SIを通過するように吸着ヘッド13のZ軸方向の高さを調整すれば、ボール端子BTの頂部を撮像することが可能となる。
【0039】
以上説明したように部品認識装置20によれば、部品本体BHに突設されたボール端子BTの先端部がラインセンサ35の撮像範囲に含まれる場合に、上記屈折レンズ32がLED31から照射される自然光Sを平面状屈曲光Hへ屈曲させ、この平面状屈曲光Hを前記ボール端子BTの頂点若しくはその近傍に集光させるとともに、このボール端子BTの頂点若しくはその近傍で反射する反射光Rを受光可能となる位置に上記ラインセンサ35が配設されているため、ラインセンサ35は、その撮像範囲SH内のボール端子BTの頂点に対応する部分、すなわち頂点部付近THが極めて明るい画像を取り込むこととなる(図6の(a)参照)。
【0040】
一方、上記屈折レンズ32によりボール端子BTの頂点若しくはその近傍に平面状屈曲光Hが集光されるため、ボール端子BTの頂点部以外の部分に対しては、屈折レンズ32により所定の集光角度で照射された平面状屈曲光Hが拡散した状態で照射される結果、ラインセンサ35は、その撮像範囲SH内のボール端子BTの頂点以外に対応する部分が極めて暗い画像を取り込むこととなる。
【0041】
したがって、部品認識装置20は、ボール端子BTの頂点部付近THとそれ以外の部分との明るさが顕著に異なる画像を取り込むことができるため、部品本体BHに対するボール端子BTの頂点位置を特定することができる。
【0042】
また、上記部品認識装置20において、ボール端子BTの頂点若しくはその近傍で反射した平面状屈曲光Hを反射させるミラー34をさらに備え、ラインセンサ35は、上記ミラー34で反射した反射光Rを受光可能となるように配設されているため、ミラー34による平面状屈曲光Hの反射角度を調整することによって、比較的にスペースを要するラインセンサ35の配置場所を変更することができる結果、全体としてコンパクトな部品認識装置20を形成することが可能となる。
【0043】
なお、上記実施形態では、ミラー34が部品Dから反射された反射光Rを反射させてラインセンサ35へ導くこととしているが、この構成に代えて、若しくは加えて、上記ディフューザ33を介して照射される平面状屈曲光Hを反射して、部品Dへ導くためのミラーを設けるようにしてもよい。
【0044】
また、上記各実施形態の部品認識装置20の構成に加えて、図3の矢印Y1に示すようにY軸と平行する軸周りにラインセンサ35をベースプレート21に対して揺動可能に支持するとともに、矢印Y2に示すように平面状屈曲光Hの反射経路に沿ってラインセンサ35をベースプレート21に対して相対変位可能に支持する変位機構(図示せず)を設けることとすれば、屈折レンズ32から平面状屈曲光Hの集光位置SIまでの長さ寸法を変化させることで、撮像範囲SH内にボール端子BTの頂点を含めつつ、ボール端子BTからの反射光Rを受光可能で、かつ部品本体BHからの反射光Rを受光不可となるように上記変位機構を変位させることにより、上記集光位置SIを比較的アバウトに設定しつつ、吸着ヘッド13のZ軸方向高さの調整をしなくても、ボール端子BTの頂点位置を特定することが可能となる。
【0045】
また、図4の(a)では、交線L1が集光位置SIに対して反屈折レンズ32側とした場合を示しているが、交線L1が集光位置S1に対する屈折レンズ32側にずれた場合でも同様に、交線L1と集光位置SIとの間の長さが、集光位置SIと屈折レンズ32の間の長さよりも短ければ、ボール端子BTの頂部を明るく照らすことが可能となり、ボール端子BTの頂部を撮像可能となる。
【0046】
さらに、照射手段30に配設された多数の発光体(LED31)のうちで点灯する発光体を変更可能として、適宜選択できるようにしてもよい。例えば、照射手段30の複数列のLED31を全て点灯する状態と、中央の列を消灯して両側の列を点灯する状態とに切換可能とする。このようにすると、一部のみ点灯した場合に、ボール頂点BT付近以外が暗くなってコントラストが鮮明になることもあり得る。
【0047】
例えば、屈折レンズ32の中央部の焦点位置と周囲部の焦点位置がずれ、かつ、交線L1の位置が周囲部の焦点位置に近い場合には、屈折レンズ32の中央部からの平面状屈曲光Hがボール端子BTの頂部で反射し、この反射光Rがラインセンサ35の撮像範囲SHを通過してラインセンサ35に取り込まれてしまう。この場合には、中央の列を消灯し、両側の列を点灯することが有効である。
【0048】
また、上記説明ではボール端子BTの頂点位置を特定することを例に挙げて説明したが、その他、ラインセンサ35の撮像側に突設された突設部位を有する部品D、例えば、リードが部品側方外方に延びた後、吸着ヘッド13により吸着された状態において、撮像手段の撮像側へ向けて折れ曲って突設されて形成されているリードを有する部品のリードの先端部位置を特定する場合においても、上記部品認識装置20を採用することが可能である。
【0049】
なお、上記実施形態においては、表面実装機に装着された部品認識装置20を例に挙げて説明しているが、表面実装機に限定されることはなく、部品認識装置20は、例えば、ICチップ等の電子部品を試験する部品試験装置40に対して装着することも可能である。
【0050】
図7は、本発明に係る部品認識装置20が装着された部品試験装置40を示す平面図である。なお、図中には方向性を明確にするためにX軸、Y軸を示している。
【0051】
図7に示すように、部品試験装置40の基台41上には、電子部品を収容する複数のトレー42と、このトレー42内の電子部品を検査するテストヘッド43が配設されている。これらトレー42が配設された個所の上方位置には、各トレー42内の電子部品を吸着可能でXY方向へ変位自在なヘッド44が設けられ、このヘッド44により吸着された部品は、可動テーブル45上へ搬送される。この可動テーブル45は、上記ヘッド44から部品を受け取り可能なポジションQ1と、Y方向へ変位したポジションQ2との間で変位自在に上記基台41上に配設されている。上記可動テーブル45の上方位置には、ポジションQ2へ変位した可動テーブル45上の電子部品を吸着可能となるように、搬送用ヘッドユニット46A、46Bが設けられている。
【0052】
上記各搬送用ヘッドユニット46A、46Bは、それぞれX方向へ変位自在となるように上記基台41に支持されており、上記可動テーブル45上の電子部品を上記テストヘッド43まで搬送するようになっている。また、各搬送用ヘッドユニット46A、46Bは、それぞれ一対のヘッド本体47a、47bを備えており、これらヘッド本体47a、47bは、それぞれ下方へ延びる吸着ノズル(図示せず)を備えている。これら吸着ノズルに吸着された電子部品は、上記各ヘッドユニット46A、46Bの駆動に応じて搬送されるとともに、電子部品の下面に突設された入力端子がテストヘッド43に装着され、このテストヘッド43によりテスト電流が付与されることとなる(試験が実行されることとなる)。
【0053】
このような部品試験装置40において、ポジションQ2に位置する可動テーブル45とテストヘッド43との間の基板41上には、上記部品認識装置20が設けられている。すなわち、上記各吸着ノズルにより可動テーブル45から吸着された電子部品は、テストヘッド43へ搬送される過程において、その下面(すなわち、上記入力端子)が部品認識装置20により撮像されることとなる。そのため、部品認識装置20により電子部品の下面に突設された入力端子の先端部の位置を特定することが可能となる結果、テストヘッド43に対する位置ズレを補正しつつ、電子部品をテストヘッド43へ装着することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、撮像手段の撮像線を通る平面が上記第二の集光手段の集光位置又はその近傍において当該第二の集光手段から出射した光と交差する交差部分が生じるようになる位置で、かつ、部品に突設された突設部位の先端部が上記交差部分の範囲内を通過するときに、上記交差部分の範囲内を通過する突設部位の先端部若しくはその近傍で反射する反射光を受光可能となる位置に上記撮像手段が配設されているため、撮像手段は、その撮像範囲内の突設部位の先端部に対応する部分が極めて明るい画像を取り込むこととなる。
【0055】
一方、突設部位の先端部が上記交差部分の範囲内を通過するときに、上記交差部分の範囲内を通過する突設部位の先端部若しくはその近傍で反射する反射光を受光可能となる位置に撮像手段が配設されているため、突設部位の先端部以外の部分に対しては、第二の集光手段により所定の集光角度で照射された光が拡散した状態で照射される結果、撮像手段は、その撮像範囲内の突設部位の先端部以外に対応する部分が極めて暗い画像を取り込むこととなる。
【0056】
したがって、上記発明は、部品の突設部位の先端部付近とそれ以外の部位との明るさが顕著に異なる画像を取り込むことができるため、当該部品に対する突設部位の先端部の位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る部品認識装置を装着した実装機を概略的に示す平面図である。
【図2】 図1の実装機を概略的に示す側面図である。
【図3】 図1の部品認識装置20を示しており、(a)は屈折レンズ32を介して照射される光の経路を示す斜視図、(b)は、図1のIII−III矢視図である。
【図4】 図3の部品認識装置20におけるボール端子BTの頂部の撮像状態を示す正面図であり、(a)は各交線が一致している状態、(b)は各交線がずれている状態をそれぞれ概略的に示している。
【図5】 ボール端子が突設された部品を示す斜視図である。
【図6】 図5の部品が撮像された画像を示しており、(a)は本発明の部品認識装置により撮像された画像、(b)は従来の部品認識装置により撮像された画像をそれぞれ示している。
【図7】 本発明の実施形態に係る部品認識装置を装着した部品試験装置を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
5 ヘッドユニット
14 吸着ヘッド
20 部品認識装置
30 照明手段
32 屈折レンズ
34 ミラー
35 ラインセンサ
BT ボール端子
SH 撮像範囲
Claims (4)
- 部品吸着用のヘッドを有するヘッドユニットと、ヘッドユニットの移動経路に配置され、上記ヘッドユニットが移動する間にヘッドに吸着された部品を撮像するラインセンサからなる撮像手段と、この部品の撮像時に部品に光を照射する複数の照明手段とを備え、上記撮像手段により取り込まれた部品の画像に基づいてヘッドに吸着された部品の認識を行うように構成された部品認識装置において、
上記各照明手段の照射光を撮像手段の走査方向に対して概ね平行となるようにそれぞれ光の方向を変化させる第一の集光手段と、
この第一の集光手段により概ね平行光とされた光を一定位置へ集光させる第二の集光手段とを備え、
上記撮像手段は、
当該撮像手段の撮像線を通る平面が上記第二の集光手段の集光位置又はその近傍において当該第二の集光手段から出射した光と交差する交差部分が生じるようになる位置で、かつ、
上記撮像手段の撮像側へ向けて部品に突設された突設部位の先端部が上記交差部分の範囲内を通過するときに、上記交差部分の範囲内を通過する突設部位の先端部若しくはその近傍で反射する反射光を受光可能となる位置に
配設されていることを特徴とする部品認識装置。 - 請求項1に記載の部品認識装置において、上記突設部位の先端部若しくはその近傍で反射した光を反射させる反射手段をさらに備え、上記撮像手段は、上記反射手段で反射した光を受光可能となるように配設されていることを特徴とする部品認識装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の部品認識装置において、上記撮像手段は、上記突設部位の先端部である球面の頂点で反射する反射光を受光可能となる位置に配設されていることを特徴とする部品認識装置。
- 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の部品認識装置と、実装用の部品を供給する部品供給部と、被実装用の基板を装着作業位置に搬入する基板搬送手段とを備え、上記ヘッドにより部品供給部から部品を吸着して、部品認識装置による認識を行ってから、当該部品を上記基板に装着するように構成されたことを特徴とする表面実装機。
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