JP4279032B2 - 除電された絶縁体基板の製造方法及びその装置 - Google Patents

除電された絶縁体基板の製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,除電された絶縁体基板の製造装置及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば液晶ディスプレイ用ガラス基板のウェットプロセスにおいては,ガラス基板は,基板導入搬送部→薬液処理部→基板薬液除去部→純水洗浄部→純水水滴除去部→乾燥部→基板搬出部というように,異なった処理を行う処理部に順次搬送されながら処理されていく。
【0003】
各処理部間はお互いに金属板やプラスチック板などの隔離板で隔離されて区切られており,基板が通過できる程度の隙間が常時開口しているか,あるいは開閉扉があり基板通過時のみ開口するような機構となっている。
【0004】
そして従来の絶縁体基板の処理プロセスにおいては,従前のコロナ放電に代えて軟X線照射法(例えば特許文献1,2,3参照)による除電が行われている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2749202号公報
【特許文献2】
特許第2648286号公報
【特許文献3】
特開平7−294928号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記した従来技術は,1つの室内の除電に関するものであり,前記した隔壁によって区切られた処理部の各処理工程においてガラス基板などの絶縁体基板に対して除電を行う場合,前記した従来技術に従えば,各処理部毎に除電装置を設置する必要があり,除電装置の設置台数が非常に多くなると共に,装置コストの上昇を招くという問題があった。また必要な除電性能に対して許容される最遠照射距離に関して前記従来技術では何ら検討されていないため,場合によっては基板の一部の除電が十分に行われていない場合もあった。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,絶縁体基板が,隔壁を介して隣接した処理部に順次搬送され該処理部毎に所定の処理が順次施されていく前記絶縁体基板の製造方法において,前記隔壁の材質を考慮するとともに,軟X線を照射する照射装置を効率よく配置することで,前記問題の解決を図ることを目的としている。さらにまた,該照射装置に配置にあたっては,前記絶縁体基板に対する照射可能最遠距離をも勘案して照射装置を配置し,絶縁体基板に対する除電を十分に行うようにして,前記問題の解決を図ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため,本発明においては,絶縁体基板が,隔壁を介して隣接した処理部に順次搬送され該処理部毎に所定の処理が順次施されていく場合の前記絶縁体基板の除電を行うにあたり,まず前記隔壁を,波長域が1〜100オングストロームの軟X線が透過する材質で構成する。そして波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する照射装置を,少なくとも一の処理部内の絶縁体基板に向けて照射できるように,当該一の処理部に配置すると共に,さらに前記照射装置の照射領域が前記隔壁を透過して,隣接する他の処理部内に入るように,前記照射装置を前記一の処理部に配置している。そして本発明は,前記照射装置によって,絶縁体基板周辺の雰囲気に軟X線を照射して前記絶縁体基板の除電をすることを特徴とするものである。
【0009】
なお本発明でいうところの隔壁とは,開閉自在なシャッタを有して,基板が通過する際に開口し,それ以外は閉鎖される機能を有するものや,必要最小限の通過口が形成され,常時開口しているものも含まれる。したがって,ある程度雰囲気を遮断するものであればよい。また格別な処理を行わなくても,処理に付される絶縁体基板が装置内に搬入され,処理部へと導入するローダ部,処理が終了して,搬出されるアンローダ部,さらには格別な処理を実施しなくとも,待機して自然乾燥に付したり,あるいは次処理を行う次の処理部へと搬送するための搬送部も,隔壁を介して処理部に隣接しているものであれば,本発明でいうところの処理部に相当する。
【0010】
本発明においては,前記したように,少なくとも一の処理部内の絶縁体基板に向けて照射できるように,当該一の処理部に照射装置を配置すると共に,さらに前記照射装置の照射領域が前記隔壁を透過して,隣接する他の処理部内にも及ぶように前記照射装置を前記一の処理部に配置したので,従来処理部毎に照射装置を配置していたのと比べて,製造工程全体に必要な照射装置の設置台数を低減させることができる。
【0011】
前記照射装置による軟X線の照射は,絶縁体基板の帯電面側,例えば下面側に向けて照射することが好ましい。これによって,絶縁体基板の除電を効果的に行うことができる。
【0015】
前記のようにして除電を実施する場合,絶縁体基板周辺雰囲気は,圧力が1〜1000Torrの空気あるいは窒素ガスであることが好ましい。
【0017】
本発明が適用される絶縁体基板の処理としては,例えば薬液による処理や純水洗浄,乾燥処理等を連続で行うウエットプロセス,あるいはレジスト塗布や加熱乾燥,露光等を連続で行うフォトリソプロセスが挙げられる。またプロセスとプロセスとの間で基板を搬送することも,本命発明においては,「処理」として扱う。
【0018】
さらにまた本発明で除電される絶縁体基板は,基板上に少なくとも金属配線または導電膜が形成されているものであってもよい。
【0019】
前記照射装置によって軟X線を照射する照射有効時間は,少なくとも1μsec.以上であることが好ましい。
【0020】
前記隔壁は,波長域1〜100オングストロームの軟X線に対する透過能が1/10以上の材質で構成されていれば,実用上十分である。またその材質としては,例えば厚さ0.01mm以上のポリイミド系素材,シクロオレフィン樹脂,アクリル系素材,ポリプロピレン,フッ素樹脂またはポリエチレン樹脂を挙げることができる。
【0021】
ケーシングの材質については,軟X線に対する透過能が1/100以下の素材で構成されていることが好ましい。ケーシング外への影響を防止することができるからである。またその材質としては,例えば少なくとも厚さ0.5mm以上の硬質塩ビ系素材,厚さ0.1mm以上の金属素材,または厚さ0.2mm以上のガラス素材のいずれか1種を有するものを提案することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明すると,図1,図2は,本実施の形態にかかる液晶用ガラス基板のウエットエッチングプロセスを実施する処理装置1の側面断面,平面断面の様子を各々示しており,この処理装置1は,絶縁体基板としての液晶用ガラス基板Gに対して一連の処理を,隣接して連続した個々の処理部内で行うように構成されている。
【0023】
すなわち本実施の形態にかかる製造装置としての処理装置1は,絶縁体基板としての液晶用ガラス基板Gをこの処理装置内に導入して,以降の各処理部に送るためのローダ部10,液晶用ガラス基板Gに対して所定のエッチング処理を実施するエッチング部20,エッチング後に基板表面に残っている薬液を除去する薬液除去部30,基板表面を洗浄する洗浄部40,洗浄後に基板表面の洗浄液の水切りを行う水切り部50,水切り後の基板を乾燥させる乾燥部60を有している。
【0024】
各処理部は,いずれも隔壁71,72,73,74,75を介して仕切られて,連続して隣接している。これら隔壁71,72,73,74,75は,いずれも常時開口している通過口,但し,搬送装置のケーシング7の通過口より狭く,液晶用ガラス基板Gと搬送ローラ等の搬送手段が通る足る開口を備えたもの(図示せず)を有しており,液晶用ガラス基板Gは,この通過口を通じて次処理の処理部に搬送される。そして本実施の形態においては,これら隔壁71,72,73,74,75には,いずれも軟X線透過率の高いパネルとして,例えば厚さ1mmのシクロオレフィン樹脂板が使用されている。
【0025】
ローダ部10から乾燥部60に至るまでの液晶用ガラス基板Gの搬送は,各処理部を貫通してケーシング2内に配列されている搬送ローラ3によって行われる。ケーシング2は,天板2a,底板2b,側板2c,2dによって略筒状に構成され,さらにローダ部10の入口側には搬入口2eを有する入口板2f,乾燥部60の出口側には,搬出口2gを有する出口板2hを有している。
【0026】
本実施の形態では,ケーシング2を構成する前記した天板2a,底板2b,側板2c,2d,入口板2f,出口板2hは,いずれも軟X線透過率の低い材質,例えば,少なくとも厚さ0.5mm以上の硬質塩ビ系素材,厚さ0.1mm以上の金属素材,または厚さ0.2mm以上のガラス素材のいずれか1種を有するものを使用することが好ましい。
【0027】
ローダ部10に搬入された液晶用ガラス基板Gは,搬送ローラ3によって,エッチング部20へと搬送される。エッチング部20は,液晶用ガラス基板Gの上面に対して薬液を供給する上部薬液供給ノズル21と,液晶用ガラス基板Gの下面に対して薬液を供給する下部薬液供給ノズル22と,進行方向前方に配置されて,基板の下面に向けて洗浄液を供給する洗浄ノズル23を有している。またエッチング部20の底部には,薬液や洗浄液などの排液を排出するための排液部24を有している。
【0028】
エッチング部20においてエッチング処理された液晶用ガラス基板Gは,搬送ローラ3によって,薬液除去部30へと搬送される。薬液除去部30は,液晶用ガラス基板Gの上面に対して乾燥空気を供給して,基板上の薬液を除去する上部エアナイフ31と,液晶用ガラス基板Gの下面に対して乾燥空気を供給して,基板下面に付着している薬液を除去する下部エアナイフ32を有し,さらに除去された薬液を排出するための排液部33を有している。
【0029】
薬液除去部30において薬液が除去された液晶用ガラス基板Gは,搬送ローラ3によって,洗浄部40へと搬送される。洗浄部40は,液晶用ガラス基板Gの上面に対して洗浄液,例えば純水を供給して,基板の上面を洗浄する上部洗浄ノズル41と,液晶用ガラス基板Gの下面に対して洗浄液,例えば純水を供給して,基板の下面を洗浄する下部洗浄ノズル42を有し,さらに底部には,これら洗浄液を排出するための排液部43を有している。
【0030】
洗浄部40において洗浄処理された液晶用ガラス基板Gは,搬送ローラ3によって,水切り部50へと搬送される。水切り部50は,液晶用ガラス基板Gの上面に対して乾燥空気を供給する上部ドライエアノズル51と,液晶用ガラス基板Gの下面に対して乾燥空気を供給する下部ドライエアノズル52を有し,さらに底部には,洗浄液等を排出するための排液部53を有している。
【0031】
水切り部50において水切りされた液晶用ガラス基板Gは,搬送ローラ3によって,乾燥部60へと搬送され,最終乾燥に付される。その後この液晶用ガラス基板Gは,搬出口2gを通じてケーシング外へ取り出されるようになっている。
【0032】
次にかかる処理装置1の除電構成について説明する。本実施の形態では,まずローダ部10の下面,すなわちケーシング2の底板2bの所定位置に1台の軟X線の照射装置81を設置して,ローダ部10内のおいて搬送ローラ3の上に載置される液晶用ガラス基板Gの下面(裏面)に対して軟X線を照射するようにした。液晶用ガラス基板Gは絶縁体基板であり,静電荷は搬送ローラ3との接触面である下面に集中し,下面が帯電する。したがって,そのように下面に軟X線を照射することで,好適に液晶用ガラス基板Gを中和して除電することができる。この照射装置81は,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する機能を有している。
【0033】
さらにこの照射装置81の配置場所は,図1,2に示したように,その照射領域81aが隔壁71を越えて,隣接しているエッチング部20内にも及ぶように配置されている。隔壁71の材質は,既述したように,軟X線透過率の高いシクロオレフィン樹脂からなっているので,図示のように照射装置81の照射領域81aは,エッチング部20内にある液晶用ガラス基板Gのローダ部10側の下面に対しても軟X線を照射することが可能になっている。
さらに配線及び層間絶縁膜付の基板の場合は,帯電に伴う電化のアンバランスにより発生する層間絶縁膜の破壊を抑制するために,洗浄液あるいはエッチング液に基板表面が接する前に除電を行うことが望ましい。この場合,照射装置は,基板側部に設置して基板の上面と下面とを同時に除電できるように配置すればよく,またケーシングに基板が入った直後に薬液等に基板が接する場合には,ケーシング外側で電化を中和できるように照射装置を配置すればよいく,かかる場合は,基板側部に照射装置を配置することで,照射装置の台数を削減することができる。
【0034】
さらに本実施の形態では,薬液除去部30の両側に,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射可能な照射装置82,83を設置している。すなわちケーシング2の側板2cの所定位置に照射装置82を,ケーシング2の側板2dの所定位置に照射装置83を設置している。この2つの照射装置82,83は,対向するように配置され,さらにその高さ位置は,搬送ローラ3上の液晶用ガラス基板Gの側面に位置するように設定されている。そしてこれら2つの照射装置82,83の各照射領域82a,83aも,図1,図2に示したように,隔壁72を透過して,隣接するエッチング部20,隔壁73を透過して,隣接する洗浄部40に及ぶようになっている。これによって,図示のように照射装置82,83は,エッチング部20における液晶用ガラス基板Gの薬液除去部30側の側面と,洗浄部40における液晶用ガラス基板Gの薬液除去部30側の側面とに対して,軟X線を照射することが可能になっている。
【0035】
さらにまた,本実施の形態では,水切り部50の両側に,波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射可能な照射装置84,85を設置している。すなわちケーシング2の側板2cの所定位置に照射装置84を,ケーシング2の側板2dの所定位置に照射装置85を設置している。この2つの照射装置84,85は,対向するように配置され,さらにその高さ位置は,搬送ローラ3上の液晶用ガラス基板Gの側面に位置するように設定されている。そしてこれら2つの照射装置84,85の各照射領域84a,85aも,図1,図2に示したように,隔壁74を透過して,隣接する洗浄部20,隔壁75を透過して,隣接する乾燥部60に及ぶようになっている。これによって,図示のように照射装置84,85は,洗浄部40における液晶用ガラス基板Gの水切り部50側の側面と,乾燥部60における液晶用ガラス基板Gの水切り部50側の側面とに対して,軟X線を照射することが可能になっている。なお本実施の形態で使用した照射装置81〜85は,照射角が115゜のものを使用した。
【0036】
薬液除去部30及び水切り部50において軟X線除電装置を相対向する形で2台ずつとしたのは,照射装置の許容照射距離を検討した結果,1台ではガラス基板の最遠部(約1m)の除電性能が不足し,2台とすることで目標性能が得られることが判明したためである。
なお前記照射装置のガラス基板に対する照射可能最遠距離は、以下のパラメータに基づいて定めた値になるように,前記照射装置を配置することが望ましい。
・照射装置の軟X線源のターゲット電流
・絶縁体基板の電位
・照射有効時間
・絶縁体基板の除電位置での単位面積当たりの静電容量
・絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さ
水切り部50での計算結果を以下に示す。
1台照射での許容最遠距離[m]
=(Q/0.5)0.33 ÷V0.33 ×(T/5)0.33 /(C/200)0.33=0.84[m]<1[m]
2台対向照射距離[m]
=2×(Q/0.25)0.33 ÷V0.33 ×(T/5)0.33 /(C/200)0.33=2.1[m]>1[m]
除電目標電位:0.1kV以下
除電目標電位や雰囲気条件などによって決定される係数:k1=k2=k3=k4=0.33,A1=0.5,A2=5,A3=200
Q=軟X線源のターゲット電流=150μA
V=絶縁基板電位=5kV
T=照射有効時間=1秒
C=絶縁体基板の除電位置での単位面積当たりの静電容量=4000[pF/m
H=絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さ>5cm
【0037】
なおかかる対象となったガラス基板の大きさは,1500mm×1800mmであるが,基板の大きさが小さく除電装置の性能が十分である場合には,片側のみの除電でもよい。またターゲット電流とは,照射装置,例えば軟X線照射ランプから軟X線を発生させる際に必要な励起電流をいう。また絶縁体基板の除電側の軟X線照射有効空間厚さHとは,図3に示したように,ガラス基板Gの除電側において軟X線が照射されて,その雰囲気中に生成されたイオンがガラス基板Gの帯電面の除電に有効に機能する空間の基板の帯電面からの距離をいう。このことは除電側(図3ではガラス基板Gの下面側)から照射する場合のみならず,ガラス基板Gの側方から軟X線を照射する場合も同じであり,例えば適宜の載置台からガラス基板Gを持ち上げて側面,例えばガラス基板Gの水平面から少し下側の側方にて照射した際には,その雰囲気中に生成されたイオンがガラス基板Gの帯電面(この場合には下面)の除電に有効に機能する空間の基板の帯電面からの距離をいう。その他例えば適宜の載置台からガラス基板Gを持ち上げて側面から照射する場合も同じである。なお照射距離にもよるが,例えば照射距離が50〜70cm以内であれば,有効空間厚さが5cm以上でも,計算では全て5cm固定で行う。この最大値は,照射距離が遠いほど厚くなり,最大でも10cm程度である。
【0038】
本実施の形態にかかる処理装置1は,以上のような構成を有しているので,各処理部ごとに軟X線の照射装置を設置する必要はなく,同じ構成を有する処理装置において,従来よりも除電に必要な軟X線の照射装置の設置台数を低減させることが可能である。なお裏面から軟X線を照射する場合,搬送ローラだけでなく,メッシュ状の裏面ベルト(搬送ベルト)など,軟X線を透過するものであれば,搬送手段として採用できる。
【0039】
次に実際に従来技術,すなわち各処理部ごとに軟X線の照射装置を設置する処理装置との設置台数の比較,除電性能の評価を実際に行った実験結果に基づいて説明する。
【0040】
図4,図5に示した処理装置101は,ウエットエッチングに必要な構成,ケーシングの大きさ,各処理部の構成を,前記実施の形態にかかる処理装置1と全く同一とし,各処理部を仕切っている隔壁102,103,104,105,106には,従来から一般に使用されており,軟X線を透過させない材質,例えば硬質塩ビ系素材からなるパネルを使用した。かかる処理装置101では,まずローダ部10内の上部に1台の照射装置111,エッチング部20の上部に2台の照射装置112,113が必要である。エッチング部20の上部には,上部薬液供給ノズル21が位置しており,処理前,処理後に液晶用ガラス基板Gに対して,軟X線を照射するためには,どうしても2台の照射装置が必要である。
【0041】
薬液除去部30においては,その側部に1台の照射装置114が必要であり,また洗浄部40においても,エッチング部20と同様な理由から,2台の照射装置111,116が必要である。そして水切り部50に1台の照射装置117,乾燥部60に1台の照射装置118の設置が必要である。
【0042】
この点,本実施の形態にかかる処理装置1においては,既述したように,設置された軟X線の照射装置は,ローダ部10内の下方に1台の照射装置81,薬液除去部30内の両側に2台の照射装置82,83,水切り部50内の両側に2台の照射装置84.85の,合計5台の軟X線の照射装置で足りている。したがって,同一の大きさ,処理部構成を有する処理装置において,従来と比べると3台少なくて済む。
【0043】
次にそのような少ない台数で,満足すべき程度に除電が行えているかどうかについて実験した結果について説明する。
まず評価用の絶縁体基板としては,薄い絶縁膜を介してソース/ドレイン電極が多数直交する金属回路が形成されているものを用いた。評価項目としては,最も激しい帯電が生じる水切り部50の3ポイント(A,B,C)と,乾燥部60の3ポイント(D,E,F)の計6ヶ所(図3,図5参照)で基板の電位を測定した。また,乾燥直後の基板の金属回路の破壊状況についても回路検査装置にて行った。使用した軟X線の照射装置の定格は,全て同一のものであり,各々の装置構成は,前記実施の形態にかかる図1,図2に処理装置1と,従来技術にかかる図4,図5に示した処理装置101である。
【0044】
なお,薬液除去部30に設置した軟X線の照射では,照射装置への薬液飛散を防止するために,軟X線透過率の高いシクロオレフィン樹脂板の窓を介して照射するようにした。
【0045】
従来法と本発明に従って改良した処理方法の評価結果を表1に示す。なお,除電をまったく行わない場合に関しても比較のために評価を行っている。各条件で25枚の基板で評価を行い,結果はその平均値で示した。
【0046】
【表1】
Figure 0004279032
【0047】
除電を行わない場合は,電位は5kVで,デバイスの破壊は9枚で生じており,静電気障害が極めて高い確率で発生していることが分かる。一方図4,図5に示した従来技術によって除電を行った場合に関しては,電位はほぼ目標電位(0.05kV)以下になっている。C点だけ0.16kVと少し高くなっているが,これは水平方向からの照射において,最遠部であるC点での除電性能が不足しているためである。デバイス破壊に関しては,除電しない場合に比べると大幅に減少しているが2枚で発生している。帯電電位としてはほぼ目標電位以下になっていることから,このデバイス障害はローダ部10における非帯電面側(上面側)からの除電により生じている可能性が高いと考えられる。
【0048】
これに対して,本実施の形態では,照射装置を従来の8台から5台に削減しているが,帯電電位は全てのポイントで目標値以下になっており,デバイス破壊もまったく発生していない。すなわちエッチング部20,洗浄部40には照射装置を設置せず,隣の処理部との間を仕切っている隔壁に,軟X線を透過性能の高い,すなわち軟X線に透明な隔壁71,72,73,74,75を用いたので,こけら隔壁を介して照射領域が隣接する処理部に及び,該処理部に位置する基板に対しても軟X線を照射して除電していることの有効性が確認された。
【0049】
以上のように,本発明による効果として,設置台数(=初期コスト)の3〜4割削減,部分的な除電性能不足の解消,帯電面側からの除電により正負の電荷が対で基板に残留することに起因するデバイス障害の発生防止ができていることが確認できる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば,軟X線照射装置の必要台数を従来よりも大幅に削減することができる。また照射装置の照射可能最遠距離を考慮して照射装置を配置できるので,設計段階で除電不良のない信頼性の高い装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる処理装置の側面断面の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかる処理装置の平面断面の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における照射装置と液晶用ガラス基板との距離感計を説明するための説明である。
【図4】従来技術にかかる除電技術を用いた処理装置の側面断面の説明図である。
【図5】従来技術にかかる除電技術を用いた処理装置の平面断面の説明図である。
【符号の説明】
1 処理装置
2 ケーシング
3 搬送ローラ
10 ローダ部
20 エッチング部
30 薬液除去部
40 洗浄部
50 水切り部
60 乾燥部
71,72,73,74,75 隔壁
81,82,83,84,85 照射装置
81a,82b,83c,84d,85d 照射領域
G 液晶用ガラス基板

Claims (7)

  1. 絶縁体基板が,隔壁を介して隣接した処理部に順次搬送され該処理部毎に所定の処理が順次施されていく絶縁体基板の製造方法において,
    前記隔壁を,波長域が1〜100オングストロームの軟X線が透過する材質で構成し,
    さらに波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する照射装置を,少なくとも一の処理部内の絶縁体基板に向けて照射できるように,当該一の処理部に配置すると共に,
    さらに前記照射装置の照射領域が前記隔壁を透過して,隣接する他の処理部内に及ぶように,前記照射装置を前記一の処理部に配置し,
    前記照射装置によって,絶縁体基板周辺の雰囲気に軟X線を照射して前記絶縁体基板を除電することを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造方法。
  2. 前記照射装置による軟X線の照射は,絶縁体基板の帯電面側に向けて照射することを特徴とする,請求項1に記載の除電された絶縁体基板の製造方法。
  3. 前記処理は,薬液による処理や純水洗浄,乾燥処理等を連続で行うウエットプロセス,あるいはレジスト塗布や加熱乾燥,露光等を連続で行うフォトリソプロセス,あるいはプロセスとプロセスとの間の基板を搬送することであることを特徴とする,請求項1または2に記載の除電された絶縁体基板の製造方法。
  4. 前記絶縁体基板は,基板上に少なくとも金属配線または導電膜が形成されているものであることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の除電された絶縁体基板の製造方法。
  5. 絶縁体基板が,隔壁を介して隣接した処理部に順次搬送され該処理部毎に所定の処理を前記絶縁体基板に対して順次行って,絶縁体基板を製造するための装置であって,
    前記処理部を形成するためのケーシングと,
    前記ケーシング内において隣接した処理部を区画形成するための隔壁と,
    波長域が1〜100オングストロームの軟X線を照射する照射装置と,
    前記絶縁体基板を隣接する処理部に搬送するためのローラ搬送装置とを有し,
    前記隔壁は,波長域が1〜100オングストロームの軟X線が透過する材質で構成され,
    前記照射装置は,少なくとも一の処理部内の絶縁体基板に向けて照射できるように当該一の処理部に配置される共に,さらに前記照射装置の照射領域が前記隔壁を透過して,隣接する他の処理部内にも及ぶように,前記照射装置が前記一の処理部に配置されていることを特徴とする,除電された絶縁体基板の製造装置。
  6. 前記隔壁は,波長域1〜100オングストロームの軟X線に対する透過能が1/10以上の材質で構成されていることを特徴とする,請求項5に記載の除電された絶縁体基板の製造装置。
  7. 前記隔壁の材質は,厚さ0.01mm以上のポリイミド系素材,シクロオレフィン樹脂,アクリル系素材,ポリプロピレン,フッ素樹脂またはポリエチレン樹脂であることを特徴とする,請求項6に記載の除電された絶縁体基板の製造装置。
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