JP4278798B2 - 車両用計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両の総質量(総重量)、空車質量(空車重量)、及び積載質量(積載重量)を計量することができ、車両に設けることができる車両用計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に設けることができる車両用計量装置として、図11に示すものがある。この車両用計量装置は、図11(a)に示すように、トラック1の前輪及び後輪の各車軸2にストレンゲージ3、・・・を設けてあり、荷台4に積載されている物品5の重量に基づく前輪及び後輪の各車軸2の撓み量をこれらストレンゲージ3により計測し、これによって車体と積載物5の総重量を計量することができる。従って、物品5を積載していない状態で車両の重量を計量し、総重量から車両の重量を減算することにより積載重量を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図11に示す従来の車両用計量装置では、車両の全ての車軸2にストレンゲージ3を設ける必要があるのでコストが嵩むという問題がある。そして、図11(a)に示すように、タイヤ6の路面との接触位置と荷台4を支持する板ばね7との間隔L2 、L3 がタイヤ6の路面との接触位置の移動によって変動することがあり、この間隔L2 、L3 の変動によって積載重量に計量誤差が生じる。そして、この計量誤差が大きいので、この従来の車両用計量装置の実用化が阻まれている。
【0004】
本発明は、比較的安価であり、高精度の計量を行うことができる車両用計量装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に結合する第1の回転部、及びこの第1の回転部と非接触の状態で車両に設けられ第1の回転部の回転角度と比例する数のパルスを発生する第1の検出部を有する第1のパルス発生手段と、第1の回転部と所定の間隔を隔てて上記推進軸に結合する第2の回転部、及びこの第2の回転部と非接触の状態で車両に設けられ第2の回転部の回転角度と比例する数のパルスを発生する第2の検出部を有する第2のパルス発生手段と、第1及び第2のパルス発生手段が発生したそれぞれのパルスの位相差と、上記推進軸のねじり剛性と、上記車輪の半径の逆数との乗算値を、第1及び第2の回転部の間隔で除算して上記推進軸に掛かる推進力を算出する推進力算出手段と、第1及び第2のパルス発生手段のうちのいずれか一方が発生したパルス信号に基づいて、上記算出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を算出する加速度算出手段と、上記算出された推進力と上記走行加速度に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を具備するものである。
【0006】
第2の発明は、第1の発明において、上記車両の速度が予め設定された所定の速度となったときに速度検出信号を生成する速度検出手段を有し、この速度検出手段が上記速度検出信号を生成したときに、上記推進力算出手段が上記推進力を算出し、上記加速度算出手段が上記車両の走行加速度を算出する。
【0007】
第3の発明は、第1の発明において、上記車両が傾斜する所定の走行路を登るときに上記質量算出手段によって算出された登り時の車両質量と、上記車両が上記傾斜する所定の走行路を下るときに上記質量算出手段によって算出された下り時の車両質量との平均値を、算出する平均値算出手段を具備する。
【0008】
第4の発明は、第1の発明において、上記車両が所定方向に走行中に増速するときに上記質量算出手段によって算出された増速時の車両質量と、上記車両が上記所定方向に走行中に減速するときに上記質量算出手段によって算出された減速時の車両質量との平均値を、算出する平均値算出手段とを具備する。
【0009】
第5の発明は、駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に掛かる推進力を検出する推進力検出手段と、この検出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を検出する加速度検出手段と、上記検出された推進力と上記走行加速度に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を備える車両用計量装置において、上記加速度検出手段は、上記推進軸の回転数に減速係数を乗算して走行距離を算出する走行距離算出手段を有しこの走行距離に基づいて上記走行加速度を算出するものであり、上記質量算出手段が算出した上記車両の質量に上記走行距離算出手段が算出した上記走行距離を乗算して質量距離値を算出する質量距離値算出手段と、この質量距離値に基づいて上記車輪の磨耗による誤差を除去した上記減速係数を算出する減速係数算出手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0010】
第6の発明は、駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に掛かる推進力を検出する推進力検出手段と、この検出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を検出する加速度検出手段と、上記検出された推進力と上記走行加速度に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を備える車両用計量装置において、上記加速度検出手段は、上記推進軸の回転数に、上記車輪の摩耗前の減速係数を乗算して第1の走行距離を算出する第1の走行距離算出手段を有し、人工衛星から送信されるGPS電波を受信するGPSアンテナと、この受信したGPS電波を使用して車両の第2の走行距離を算出する第2の走行距離算出手段と、第1と第2の走行距離に基づいて上記車輪の磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数を算出する減速係数算出手段とを、備えている。この補正済み減速係数を用いて、上記加速度検出手段は、上記車両の走行加速度を算出する。
【0011】
第7の発明は、駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に掛かる推進力を検出する推進力検出手段と、この検出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を検出する加速度検出手段と、上記検出された推進力、上記走行加速度、及び上記推進軸から上記車輪までの慣性質量に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を備える車両用計量装置において、上記質量算出手段が算出した上記車両の質量に上記車両の走行距離を乗算して質量距離値を算出する質量距離値算出手段と、この質量距離値に基づいて上記車輪の磨耗による誤差を除去した上記慣性質量を算出する慣性質量補正手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
第1の発明により車両の質量(例えば総質量M1 )を測定するときは、まず、この車両を加速しながら走行させる。すると、第1及び第2のパルス発生手段が発生したそれぞれのパルス信号の位相差に基づいて推進軸に掛かる推進力F1 を推進力算出手段が算出する。そして、第1及び第2のパルス発生手段のうちのいずれか一方が発生したパルス信号に基づいて、この算出された推進力F1 によって加速された車両の走行加速度α1 を加速度算出手段が算出することができる。次に、この算出された推進力F1 と走行加速度α1 を、M1 =F1 /α1 の式(ニュートンの運動方程式)に代入して車両の総質量M1 を質量算出手段が算出することができる。
【0013】
第2の発明によると、車両の速度が予め設定された所定の速度になったときに速度検出手段が速度検出信号を生成する。そして、この速度検出手段が速度検出信号を生成したときに、推進力算出手段が推進軸に掛かる推進力を算出し、走行加速度を加速算出手段が算出することができ、この算出された推進力と走行加速度とに基づいて質量算出手段が車両の質量を算出することができる。
【0014】
第3の発明は、車両の質量を計測するためにこの車両を走行させる路面の傾斜に基づく誤差を解消することができるものである。つまり、傾斜角度θの路面を登る方向に走行すると、M・g・ sinθが傾斜抵抗となり、この傾斜抵抗の分だけ車両の質量Mが大きく計測される。逆に、傾斜角度θの路面を下る方向に走行すると、M・g・ sinθが推進力となり、この推進力の分だけ車両の質量Mが小さく計測される。従って、第3の発明は、車両が所定の走行路を登るときに算出された登り時の車両質量と車両がこの所定の走行路を下るときに算出された下り時の車両質量との平均値(平均車両質量)を平均値算出手段が算出することにより、路面の傾斜角度θに基づく車両の質量の計量誤差を相殺することができる。
【0015】
第4の発明は、車両の質量を計測するためにこの車両を走行させるときの空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜抵抗に基づくそれぞれの誤差を解消することができるものである。つまり、空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜抵抗に基づく車両質量に含まれる誤差は、増速時と減速時では車両質量の誤差分として符号が逆で大きさが等しいものとなる。従って、第4の発明は、車両が所定方向に走行中に増速するときに算出された増速時の車両質量と車両がこの所定方向に走行中に減速するときに算出された減速時の車両質量の平均値(平均車両質量)を平均値算出手段が算出することにより、空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜抵抗に基づくそれぞれの計量誤差を相殺することができる。なお、増速時及び減速時において、走行速度が予め定めた速度となった時に車両の質量を算出することによって、増速時及び減速時におけるそれぞれの空気抵抗が互いに等しくなるようにすることができる。
【0016】
第5の発明は、車両の質量を計測するときに発生する車輪の磨耗による誤差を解消することができるものである。つまり、加速度検出手段は、推進軸の回転数に減速係数を乗算して走行距離を算出し、この走行距離に基づいて走行加速度を算出するが、この減速係数は、車輪の磨耗により小さくなる車輪の直径に応じて小さくなる。従って、減速係数は、車輪が磨耗する前と後では差があり、この差によって走行加速度に誤差が生じ、この走行加速度の誤差によって車両の質量Mに誤差が生じることになる。そこで、車輪の磨耗量を、車両の質量に走行距離を乗算して得られた質量距離値として求め、この質量距離値に基づいて車輪の磨耗による誤差を除去した補正済みの減速係数を算出し、この補正済み減速係数を使用して走行加速度、及び車両の質量を算出することができる。
【0017】
第6の発明は、車両の質量を計測するときに発生する車輪の磨耗による誤差を解消することができるものである。つまり、減速係数は、車両の走行距離に応じて磨耗する車輪の磨耗前と磨耗後では差があるので、相違するそれぞれの走行距離において算出された走行加速度に差が生じ、この走行加速度の差によって車両の質量Mに誤差が生じることになる。そこで、推進軸の回転数に補正前の減速係数を乗算して誤差を含む第1の走行距離を算出すると共に、GPS電波を使用して誤差を含まない第2の走行距離を算出し、第1と第2の走行距離に基づいて車輪の磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数を算出し、この補正済み減速係数を使用して走行加速度、及び車両の質量を算出することができる。
【0018】
第7の発明は、車両の質量を計測するときに発生する車輪の磨耗による誤差を解消することができるものである。つまり、慣性質量は、車輪の磨耗により小さくなる車輪の直径に応じて小さくなる。従って、慣性質量は、車輪が磨耗する前と後では差があり、この差によって質量算出手段が算出する車両の質量Mに誤差が生じることになる。そこで、車輪の磨耗量を、車両の質量に走行距離を乗算して得られた質量距離値として求め、この質量距離値に基づいて車輪の磨耗による誤差を除去した補正済みの慣性質量を算出し、この補正済み慣性質量を使用して車両の質量を算出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車両用計量装置の第1実施形態を説明する。まず、第1実施形態に係る車両用計量装置の原理を説明する。本発明は、車両8に搭載されているエンジン9の駆動力F1 、車両8の総質量M1 、及び車両8の走行加速度α1 から成る(1式)で表されるニュートンの運動方程式に基づいて車両8の総質量M1 を計測することができるものである。
総質量M1 =F1 /α1 (1式)
そして、積載質量MS は、(2式)で求めることができる。
ただし、空車質量M0 は、
M0 =F0 /α0 (3式)
によって求める。ただし、F1 、F0 はエンジンの駆動力、α1 、α0 はこのエンジン9の駆動力F1 、F0 によって加速された車両8の走行加速度である。エンジン9の駆動力F1 、F0 は、図1に示すように、推進軸10に設けられている第1のパルス発生器11、及び第2のパルス発生器12が発生するパルス信号D1 とD2 の位相差Δθ等に基づいて算出することができる。
【0020】
次に、この実施形態に係る車両用計量装置を図1〜図6を参照して説明する。この車両用計量装置は、図1に示すように、第1及び第2のパルス発生器11、12と、波形成形部13と、演算制御部14と、を備えている。
第1及び第2のパルス発生器11、12は、図1に示すように、互いに所定の間隔LP を隔てて推進軸10に設けてある。この推進軸10は、図5に示すように、駆動部9が発生する推進力を駆動側車輪(以下、タイヤという。)6に伝達するためのものである。駆動部9が発生する推進力によって推進軸10に駆動力F(トルクT)が掛かり、タイヤ6の路面との接触部に駆動力Fが働く。
第1のパルス発生器11は、第1の回転部15と第1の検出部16とを備えている。第1の回転部15は、円板の外周面に沿って多数の突起15aを等間隔で設けたものであり、強磁性体から成るものである。この第1の回転部15を推進軸10に固定して設けてある。第1の検出部16は、磁気センサであり、車両8の固定側部に設けてある。
この第1のパルス発生器11によると、推進軸10の回転に伴って第1の回転部15が回転すると、第1の回転部15に設けられている各突起15aを第1の検出部16が検出してアナログパルス信号S1 を生成する(図3参照)。
【0021】
第2のパルス発生器12は、第1のパルス発生器11と同等のものであり、第2の回転部17と第2の検出部18とを備えている。第2のパルス発生器12によると、推進軸10の回転に伴って第2の回転部17が回転すると、第2の回転部17に設けられている各突起17aを第2の検出部18が検出してアナログパルス信号S2 を生成する(図3参照)。この第1と第2の回転部15、17の間隔がLP である。
推進軸10が回転すると、第1及び第2の各パルス発生器11、12は、アナログパルス信号S1 、S2 を生成し、推進軸10に推進力Fが掛かっていない状態では、信号S1 とS2 の位相差が0となるように調整してある。ただし、車両を増速、又は減速させるための推進力Fが推進軸10にかかると、図3に示すように、その推進力Fに比例する位相差Δθが生じる。
【0022】
波形成形部13は、図3に示すように、アナログパルス信号S1 、S2 をデジタルパルス信号D1 、D2 に変換する変換器であり、信号S1 とS2 の位相差Δθは、信号D1 とD2 の位相差Δθと等しくなるようにしてある。
【0023】
演算制御部14は、中央演算処理装置(CPU)であり、記憶部(図示せず)に記憶されている所定のプログラムによって演算処理を行うものであり、推進力算出部19と、加速度算出部20と、質量算出部21と、を備えている。
推進力算出部19は、波形成形部13から入力する信号D1 とD2 の位相差Δθを(4式)に代入して推進力Fを算出するものである。
F=Δθ・G・IP ・K/LP (4式)
この(4式)は、
Δθ=T・LP /(G・IP ) (5式)
F=T・K (6式)
で表される(6式)のTに(5式)のTで表される式を代入して得られたものである。ただし、Δθは、信号D1 とD2 の位相差、G・IP は推進軸10の捩じり剛性、Gは横弾性係数、IP は断面二次極モーメント、Kは推進軸10に掛かるトルクTとタイヤの路面に接触する部分に働く推進力Fとの関係で得られる係数(1/タイヤの半径)(1/cm)、LP は第1と第2の回転部15、17の間隔である。
【0024】
加速度算出部20は、第2のパルス発生器12が発生したパルス信号D2 の周期tx を(8式)に代入して、(7式)と(8式)によって、推進力算出部19で算出された推進力Fによって加速された車両の走行加速度αを算出するものである。なお、第1のパルス発生器11が発生したパルス信号D1 に基づいて車両の走行加速度αを算出するようにしてもよい。
α=ΔV/Δt (7式)
ただし、
V=n1 ・2πr/(tx ・n2 ) (8式)
である。Vは、車両の走行速度、tは時間であり、ΔV/Δtは微小時間当たりの走行速度の変化量である。n1 は推進軸10とタイヤの間に介在する差動ギヤの減速比、rはタイヤの半径、tx はパルス信号D2 の周期、n2 は第2の回転部17が1回転した時の第2のパルス発生器12の発生パルス数である。
【0025】
質量算出部21は、図2に示すように、除算部22と、速度算出部23と、記憶部24と、積載質量算出部25と、を備えている。
除算部22は、推進力算出部19が(4式)を演算して求めた推進力Fを、加速度算出部20が(7式)を演算して求めた走行加速度αにより除算して、車両の空車質量M0 と総質量M1 を算出するものである。なお、空車質量M0 は、M0 =F0 /α0 により算出し(3式)、総質量M1 はM1 =F1 /α1 により算出している(1式)。
【0026】
速度算出部23は、パルス信号D2 の周期tx を(8式)に代入して車両の走行速度Vを算出し、走行速度がv1 、v2 (v1 <v2 )となった時に(図4参照)、速度信号v1 、v2 を生成して除算部22に出力するものである。除算部22は、速度信号v1 (例えば2km/h)が入力したときから速度信号v2 (例えば6km/h)が入力するまでに逐次算出したM01、M02、・・・、M0nのn個の空車質量の平均空車質量M0 を算出し、更に、速度信号v1 が入力したときから速度信号v2 が入力するまでに逐次算出したM11、M12、・・・、M1nのn個の総質量の平均総質量M1 を算出するようにしている。これにより、推進力F、並びに走行加速度αの変動による誤差を除去することができる。
記憶部24は、除算部22が算出した平均空車質量M0 を記憶しておくためのものである。
【0027】
積載質量算出部25は、平均総質量M1 (以下、総質量M1 という。)から記憶部24に記憶されている平均空車質量M0 (以下、空車質量M0 という。)を減算して積載質量MS を算出するものである。この積載質量算出部25が算出した積載質量MS は、設定表示部26に表示させることができる。
設定表示部26は、演算制御部14が演算に使用する種々の定数、係数等を設定することができ、それら設定した定数、係数、並びに総質量M1 、空車質量M0 、積載質量MS 等を表示することができるものである。この設定表示部26は、運転席から見える車内の所定位置に設けてある。なお、設定表示部26に表示された内容等は、プリンタ(図示せず)によりプリントできるようにしてある。
【0028】
次に、上記のように構成された車両用計量装置を使用して積載質量MS を算出する手順を説明する。まず、空車質量M0 を計測する必要があるので、荷物5を荷台4に積載していない状態にして空車質量計測指示スイッチ(図示せず)をONに操作する。すると、空車質量計測指示信号が図2に示す質量算出部21に入力する。そして、車両8を停止状態から前進させて加速していく。この際、推進力算出部19が推進力Fを順次算出し、加速度算出部20が走行加速度αを順次算出し、そして、除算部22は、車両の走行速度がv1 からv2 になるまでの間に得られたこれら推進力F、及び走行加速度αを使用して空車質量M0 を自動的に算出することができる。この算出された空車質量M0 は記憶部24に記憶される。
【0029】
次に、荷物5を荷台4に積載した状態にして積載質量計測指示スイッチ(図示せず)をONに操作する。すると、積載質量計測指示信号が図2に示す質量算出部21に入力する。そして、車両を停止状態から前進させて加速していく。この際、上記と同様に、推進力算出部19が推進力Fを順次算出し、加速度算出部20が走行加速度αを順次算出し、そして、除算部22は、車両の走行速度がv1 からv2 になるまでの間に得られたこれら推進力F、及び走行加速度αを使用して総質量M1 を自動的に算出することができる。
そして、積載質量算出部25は、この総質量M1 から記憶部24に記憶されている空車質量M0 を減算して荷台に積載されている荷物の積載質量MS を自動的に算出して、その積載質量MS を設定表示部26に表示させることができる。
【0030】
この車両用計量装置によると、第1及び第2のパルス発生器11、12を車両の1本の推進軸10に設ければよく、従来の車両用計量装置のように車両の全ての車軸2、・・・に設ける必要がなく経済的である。そして、第1及び第2のパルス発生器11、12は、互いに間隔を隔てて推進軸10に固定して設けられている第1及び第2の回転部15、17のそれぞれの回転角度と比例するパルスを発生するものであるから、従来のようにタイヤと路面との接触位置の移動(間隔L2 、L3 の変動)に基づく計量誤差が発生することがなく、高精度の計量を行うことができる。また、推進軸10に伴って回転する第1及び第2の回転部15、17と非接触の状態で第1及び第2の検出部16、18を設けてあるので、この第1及び第2のパルス発生器11、12を車両に取り付け易く、構造が簡単であり、故障が少ない。
【0031】
そして、車両の速度が予め設定された所定の速度となったときに速度算出部23が速度信号v1 、v2 を生成し、除算部22が速度信号v1 が入力した時から速度信号v2 が入力するまでに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して車両の空車質量M0 と総質量M1 を算出しているので、空車質量M0 と総質量M1 のそれぞれに含まれる空気抵抗による誤差が互いに等しく、従って、質量算出部21がMS =(M1 −M0 )の演算を行ったときに、車両の空気抵抗に基づく誤差を除去した車両の積載質量MS を得ることができる。
【0032】
次に、第2実施形態に係る車両用計量装置を図7を参照して説明する。まず、第2実施形態以降の各実施形態に係る車両用計量装置が補正しようとする誤差について説明する。本発明は、車両を加速するときの推進力Fと、その推進力Fによって発生する走行加速度αと、を使用して車両の質量Mを算出するものであるが、質量Mの計算に使用する推進力Fには各種の誤差(抵抗)が含まれている。推進力Fは、(9式)により表すことができる。
【0033】
(9式)の第1項のM・αは、本来求めようとしている車両質量Mと加速度αによって発生する力であり、第2〜第5項は全て計測誤差となる要因である。
第2項のm・αは、推進軸10及びこの推進軸10から後のタイヤ等を含む回転部分の慣性質量mと加速度αによって発生する力であり、mはタイヤの磨耗や交換等によって変化する。
第3項のk1 ・V2 は、走行速度Vによって変化する空気抵抗である。k1 は抵抗係数である。
第4項のμ・M・g・ cosθは、転がり抵抗であり、車両の重量M・gと路面の傾斜角度θと転がり摩擦係数μによって決まる抵抗である。gは重力加速度である。
第5項のM・g・ sinθは、図6に示すように、路面の傾斜方向と平行する方向の傾斜抵抗である。この傾斜抵抗による誤差が最も大きい誤差である。
更に、タイヤの磨耗による半径Rの変化が走行速度V及び走行加速度αの変化の要因となっており、この変化分によって誤差となっている。
【0034】
第2実施形態の車両用計量装置は、第1実施形態の車両用計量装置において、(9式)の第5項の路面の傾斜による傾斜抵抗M・g・ sinθによる誤差を補正することができるものである。第2実施形態と第1実施形態とが相違するところは質量算出部である。第2実施形態の質量算出部27は、図2に示す第1実施形態の質量算出部21に補正部28と記憶部29を設けたものである。これ以外は第1実施形態の質量算出部21と同等であるので詳細な説明を省略する。
この車両用計量装置は、車両の質量を計測するためにこの車両を走行させる路面の傾斜に基づく計測誤差を解消することができるものである。つまり、傾斜角度θの路面を登る方向に走行すると、M・g・ sinθが傾斜抵抗となり、この傾斜抵抗の分だけ車両の質量Mが大きく計測される。逆に、傾斜角度θの路面を下る方向に走行すると、M・g・ sinθが推進力となり、この推進力の分だけ車両の質量Mが小さく計測される。従って、車両が傾斜する走行路を登るときに算出された登り時の車両質量MF と車両がこの走行路を下るときに算出された下り時の車両質量MB との平均値(補正済み質量)MH を補正部28(平均値算出手段)が算出することにより、路面の傾斜角度θに基づく車両の質量の計量誤差を相殺して解消することができ、高精度の計量を行うことができる。なお、補正済み質量MH として、空車質量MH0と総質量MH1を算出している。積載質量算出部25は、補正済み総質量MH1から補正済み空車質量MH0を減算して補正済み積載質量MHSを算出することができる。
記憶部29は、除算部22により算出された補正前の登り時の空車質量MF0、及び補正前の登り時の総質量MF1を記憶しておくためのものである。
記憶部24は、補正部28が算出した補正済み空車質量MH0を記憶しておくためのものである。
【0035】
この車両用計量装置によると、荷物を積載していない状態で、傾斜角度θの路面を登る前進方向に加速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して登り時の空車質量MF0を自動的に算出し、記憶部29がこの空車質量MF0を記憶することができる。次に、荷物を積載していない状態で、傾斜角度θの路面を下る前進方向に加速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して下り時の空車質量MB0を自動的に算出する。次に、補正部28は、登り時の空車質量MF0と下り時の空車質量MB0との平均値である補正済み空車質量MH0を算出し、記憶部24がこの補正済み空車質量MH0を記憶することができる。
同様にして、次に、荷物を積載した状態で、傾斜角度θの路面を登る前進方向に加速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して登り時の総質量MF1を自動的に算出し、記憶部29がこの総質量MF1を記憶することができる。次に、荷物を積載した状態で、傾斜角度θの路面を下る前進方向に加速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して下り時の総質量MB1を自動的に算出する。次に、補正部28は、登り時の総質量MF1と下り時の総質量MB1との平均値である補正済み総質量MH1を自動的に算出することができる。
次に、積載質量算出部25は、補正済み総質量MH1から補正済み空車質量MH0を減算して補正済み積載質量MHSを算出することができる。
【0036】
ただし、第2実施形態では、車両を傾斜する路面を登る前進方向に走行させて、しかる後に、向きを変えて傾斜する当該路面を下る前進方向に走行させることによって、補正済み空車質量MH0と補正済み総質量MH1を算出したが、これに代えて、車両を傾斜する路面を登る前進方向に走行させて、しかる後に、向きを変えずにそのままの状態で傾斜する当該路面を下る後退方向に走行させることによって(バックさせて)、補正済み空車質量MH0と補正済み総質量MH1を算出してもよい。この場合、速度算出部23は、走行速度が(v1 、v2 )、(−v1 、−v2 )となった時に速度信号(v1 、v2 )、(−v1 、−v2 )を生成し、除算部22がMF0、MB0、MF1、MB1を算出するようにする。
【0037】
第3実施形態の車両用計量装置は、第1実施形態の車両用計量装置において、(9式)の第3、第4、第5項の空気抵抗k1 ・V2 、転がり抵抗μ・M・g・ cosθ、傾斜抵抗M・g・ sinθによる誤差を補正することができるものである。第3実施形態と第1実施形態とが相違するところは質量算出部である。第3実施形態の質量算出部27は、図2に示す第1実施形態の質量算出部21に補正部28と記憶部29を設けたものである。これ以外は第1実施形態の質量算出部21と同等であるので詳細な説明を省略する。
この車両用計量装置は、車両の質量を計測するためにこの車両を走行させるときの空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜抵抗に基づくそれぞれの計測誤差を解消することができるものである。つまり、空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜抵抗に基づく車両質量Mに含まれる誤差は、増速時と減速時では車両質量Mの誤差分として符号が逆で大きさが等しいものとなる。従って、車両が路面を所定方向に走行中に増速するときに算出された増速時の車両質量MF と車両が当該路面を同方向に走行中に減速するときに算出された減速時の車両質量MB の平均値(補正済み質量)MH を補正部(平均値算出手段)28が算出することにより、空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜抵抗に基づくそれぞれの計量誤差を相殺して解消することができ、高精度の計量を行うことができる。なお、増速時及び減速時において、第1及び第2実施形態と同様に、走行速度Vが予め定めた速度v1 、v2 となった時に車両の各質量を算出し、これによって、増速時及び減速時におけるそれぞれの空気抵抗k1 ・V2 の大きさが互いに等しくなるようにしている。
この第3実施形態の質量算出部27のブロック図は、図7に示す第2実施形態の質量算出部27のブロック図と同一であるので、図7に示す各質量の符号、及び各ブロックの符号を使用して説明する。第3実施形態の質量算出部21は、第2実施形態と同様に、補正済み質量MH として、空車質量MH0と総質量MH1を算出している。
積載質量算出部25は、補正済み総質量MH1から補正済み空車質量MH0を減算して補正済み積載質量MHSを算出することができる。記憶部29、24は、第2実施形態と同等のものである。
【0038】
この車両用計量装置によると、荷物を積載していない状態で、傾斜角度θの路面を登る前進方向に増速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して増速時の空車質量MF0を自動的に算出し、記憶部29がこの空車質量MF0を記憶することができる。次に、荷物を積載していない状態で、傾斜角度θの当該路面を登る前進方向に減速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して減速時の空車質量MB0を自動的に算出する。次に、補正部28は、増速時の空車質量MF0と減速時の空車質量MB0との平均値である補正済み空車質量MH0を算出し、記憶部24がこの補正済み空車質量MH0を記憶することができる。
同様にして、次に、荷物を積載した状態で、傾斜角度θの路面を登る前進方向に増速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して増速時の総質量MF1を自動的に算出し、記憶部29がこの総質量MF1を記憶することができる。次に、荷物を積載した状態で、傾斜角度θの当該路面を登る前進方向に減速すると、除算部22は、走行速度がv1 〜v2 のときに得られた推進力Fと走行加速度αを使用して減速時の総質量MB1を自動的に算出する。次に、補正部28は、増速時の総質量MF1と減速時の総質量MB1との平均値である補正済み総質量MH1を自動的に算出することができる。
次に、積載質量算出部25は、補正済み総質量MH1から補正済み空車質量MH0を減算して補正済み積載質量MHSを算出することができる。
【0039】
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態の車両用計量装置は、図7等に示す第3実施形態の車両用計量装置において、(9式)の第1、第2項の加速度αの計測誤差を補正することができるものである。第4実施形態と第3実施形態とが相違するところは加速度算出部20である。これ以外は第3実施形態と同等であるので詳細な説明を省略する。
この車両用計量装置は、車両の質量Mを計測するときに発生するタイヤの磨耗による誤差を解消することができるものである。つまり、加速度算出部30は、図8に示す走行距離算出部31によって、推進軸10の回転数(パルス数P)に減速係数KG を乗算して走行距離LS を算出し、この走行距離LS に基づいて、速度算出部32、加速度演算部33が走行加速度αを算出するが、この減速係数KG は、タイヤ6の磨耗(磨耗量SM )により小さくなるタイヤの直径に応じて小さくなる。従って、減速係数KG は、タイヤが磨耗する前と後では差があり、この差によって走行加速度αに誤差が生じ、この走行加速度αの誤差によって車両の質量Mに誤差が生じることになる。そこで、タイヤの磨耗量SM を、車両の総質量MH1に走行距離LS を乗算して得られた質量距離値MLとして求め、この質量距離値MLに基づいてタイヤの磨耗による誤差を除去した補正済みの減速係数KG を算出し、この補正済み減速係数KG を使用して補正済み走行加速度αH 、及び車両の質量MHS等を算出することができる。
【0040】
加速度算出部30は、図8に示すように、走行距離算出部31、速度算出部32、加速度演算部33、質量距離値算出部34、車輪磨耗量算出部35、及び減速係数算出部36を備えている。
走行距離算出部31は、パルス信号D2 に基づいて計算したパルス数Pに、減速係数算出部36により算出された減速係数KG を乗算して走行距離LS を算出するものである。従って、減速係数KG は、タイヤの直径に応じて変わる係数である。
速度算出部32は、走行距離LS を走行時間tで除算して走行速度vH を算出するものである。
加速度演算部33は、走行速度vH を時間で微分して補正済み走行加速度αH を算出するものである。
質量距離値算出部34は、図7に示す補正部28が出力した補正済み総質量MH1に、走行距離算出部31が算出した走行距離LS を乗算して質量距離値MLを算出するものである。
車輪磨耗量算出部35は、質量距離値算出部34が算出した質量距離値MLに基づいて車輪の磨耗量SM を算出するものである。
減速係数算出部36は、車輪磨耗量算出部35が算出したタイヤの磨耗量SM に基づいて減速係数KG を算出するものである。
【0041】
この車両用計量装置の加速度算出部30によると、タイヤの磨耗量SM を、車両の総質量MH1に走行距離LS を乗算して得られた質量距離値MLに基づいて求め、減速係数算出部36がこの質量距離値MLに基づいてタイヤの磨耗による誤差を除去した補正済みの減速係数KG を算出し、この補正済み減速係数KG を使用して補正済み走行加速度αH を算出することができる。従って、図7に示す質量算出部27は、この補正済み走行加速度αH を使用して車両の補正済み積載質量MHSを正確に算出することができる。
【0042】
次に、第5実施形態を説明する。第5実施形態の車両用計量装置は、図7等に示す第3実施形態の車両用計量装置において、(9式)の第1、第2項の加速度αの計測誤差を補正することができるものである。第5実施形態と第3実施形態とが相違するところは加速度算出部である。これ以外は第3実施形態と同等であるので詳細な説明を省略する。つまり、第5実施形態と第4実施形態は、いずれもタイヤの磨耗によって発生する加速度αの計測誤差を補正すること目的としているものであり、両者が相違するところは、走行加速度αを計算するためには走行距離LS を正確に計測する必要があるので、第4実施形態では、タイヤの磨耗量SM を計算して走行距離LS を正確に計算しているのに対して、第5実施形態では、人工衛星から送信されるGPS電波を使用して走行距離LG を正確に計算しているところである。
【0043】
この車両用計量装置は、車両の質量Mを計測するときに発生するタイヤの磨耗による誤差を解消することができるものである。つまり、減速係数KG は、車両の走行距離に応じて磨耗するタイヤの磨耗前と磨耗後では差があるので、相違するそれぞれの走行距離LS において算出された走行加速度αに差が生じ、この走行加速度αの差によって車両の質量Mに誤差が生じることになる。そこで、推進軸10の回転数(パルス数P)に補正前の減速係数KG を乗算して誤差を含む第1の走行距離LS を算出すると共に、GPS電波を使用して誤差を含まない第2の走行距離LG を算出し、第1と第2の走行距離LS 、LG に基づいてタイヤの磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数KG を算出し、この補正済み減速係数KG を使用して補正済み走行加速度αH 、及び車両の質量MHS等を算出することができる。
【0044】
加速度算出部37は、図9に示すように、走行距離算出部31(第1の走行距離算出手段)、速度算出部32、加速度演算部32、GPSアンテナ38、GPS受信部(図示せず)、GPS走行距離算出部(第2の走行距離算出手段)39、及び減速係数算出部40を備えている。走行距離算出部31、速度算出部32、及び加速度演算部32は、第4実施形態のものと同等であるので説明を省略する。
GPS受信部は、GPS(Global Positioning System 汎地球測位システム)により自動車等の現在位置を三次元又は二次元の絶対値で測位するものであり、例えば4個のGPS人工衛星から地上に無線送信されるGPS電波をGPSアンテナ38を介してそれぞれ受信し、これらの各電波の到達時間から距離をそれぞれ求め、三角測量の原理により自己車両の現在位置(自車位置)を三次元、例えば緯度経度等水平方向と高度(海抜)とを絶対値で検出するものである。
GPSアンテナ38は、GPS人工衛星から地上に無線送信されるGPS電波を受信するものである。
GPS走行距離算出部39は、GPSアンテナ38により受信したGPS電波を使用して車両の第2の走行距離LG を算出するものである。
減速係数算出部40は、走行距離算出部31が算出した第1の走行距離LS とGPS走行距離算出部39が算出した第2の走行距離LG に基づいて、タイヤの磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数KG を算出するものである。
【0045】
この車両用計量装置の加速度算出部37によると、タイヤの磨耗量SM が、タイヤの磨耗前の直径を使用して求めた第1の走行距離LS と、実際に走行した第2の走行距離LG と、の違いの程度に対応することに鑑み、この第1と第2の走行距離LS 、LG に基づいてタイヤの磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数KG を算出し、この補正済み減速係数KG を使用して補正済み走行加速度αH を算出することができる。従って、図7に示す質量算出部21は、この補正済み走行加速度αH を使用して車両の補正済み積載質量MHSを正確に算出することができる。
【0046】
次に、第6実施形態を説明する。第6実施形態の車両用計量装置は、図8等に示す第4実施形態の車両用計量装置において、(9式)の第2項の慣性質量mの変化に基づく車両質量Mの計測誤差を補正することができるものである。従って、この第6実施形態に係る車両用計量装置によると、(9式)の第1〜第5項までの全ての誤差及び加速度αに基づく誤差を解消することができるので、車両の積載質量MHSを極めて正確に計測することができる。
第6実施形態の演算制御部14は、図10に示すように、推進力算出部19と、加速度算出部30と、慣性質量算出部41と、質量算出部42と、を備えている。推進力算出部19は、図1に示すものと同等であり、加速度算出部30は図8に示すものと同等であり、それらの説明を省略する。
慣性質量算出部41は、加速度算出部30に設けられている車輪磨耗量算出部35が算出したタイヤの磨耗量SM に基づいて慣性質量mを算出するものである。
質量算出部42は、図7に示す質量算出部27において、補正部28に代えて補正部43を設けたものであり、それ以外は同等であるので同等部分の説明を省略する。
図10に示す補正部43は、補正済み空車質量MH0’を、
MH0’=〔(MF0+MB0)/2〕−m (10式)
により算出し、
補正済み総質量MH1’を、
MH1’=〔(MF1+MB1)/2〕−m (11式)
により算出している。この補正部43、及び慣性質量算出部41以外は、第4実施形態の車両用計量装置と同等であるのでそれらの詳細な説明を省略する。
【0047】
この車両用計量装置は、車両の質量Mを計測するときに発生するタイヤの磨耗による誤差を解消することができるものである。つまり、慣性質量mは、タイヤの磨耗により小さくなるタイヤの直径に応じて小さくなる。従って、慣性質量mは、タイヤが磨耗する前と後では差があり、この差によって質量算出部が算出する車両の質量Mに誤差が生じることになる。そこで、タイヤの磨耗量SM を、車両の質量Mに走行距離LS を乗算して得られた質量距離値MLとして求め、この質量距離値MLに基づいてタイヤの磨耗による誤差を除去した補正済みの慣性質量mを算出し、この補正済み慣性質量mを使用して補正済み空車質量MH0’、補正済み総質量MH1’、及び補正済み積載質量MHSを算出することができる。
【0048】
この車両用計量装置によると、タイヤの磨耗量SM を、車両の質量Mに走行距離LS を乗算して得られた質量距離値MLとして求め、この質量距離値MLに基づいてタイヤの磨耗による誤差を除去した補正済みの慣性質量mを算出し、この補正済み慣性質量mを使用して補正済み空車質量MH0’、及び補正済み総質量MH1’を正確に測定することができ、従って、これらを使用して補正済み積載質量MHSを正確に算出することができる。
【0049】
ただし、上記各実施形態では、第1及び第2のパルス発生器11、12は、第1及び第2の回転部15、17を強磁性体により形成し、円板の外周面に沿って多数の突起を等間隔で設けたものとし、第1及び第2の検出部16、18を磁気センサにより形成したが、これに代えて、第1及び第2の回転部15、17を例えば合成樹脂板により形成し、円板の外周面に沿って多数の突起を等間隔で設けたものとし、第1及び第2の検出部16、18を光電式スイッチにより形成し、この第1及び第2の検出部16、18であるの光電式スイッチが、それぞれと対応する第1及び第2の回転部15、17の外周面に沿って設けられている各突起を検出してパルス信号D1 、D2 を生成するようにしてもよい。この場合は、波形成形部13を省略することができる。
そして、上記各実施形態の速度算出部23は、パルス信号D2 を使用して車両の走行速度Vを算出したが、これに代えて、パルス信号D1 を使用して車両の走行速度Vを算出してもよい。
【0050】
【発明の効果】
第1の発明によると、第1及び第2のパルス発生手段を車両の1本の推進軸に設ければよく、従来のように車両の全ての車軸に設ける必要がないので、費用が易くて済む。そして、第1及び第2のパルス発生手段は、互いに間隔を隔てて推進軸に固定して設けられている第1及び第2の回転部のそれぞれの回転角度と比例するパルスを発生するものであるから、従来のようにタイヤと路面との接触位置の移動(間隔L2 、L3 の変動)に基づく計量誤差が発生することがなく、高精度の計量を行うことができる。また、推進軸に伴って回転する第1及び第2の回転部と非接触の状態で第1及び第2の検出部を設けてあるので、この第1及び第2のパルス発生手段を車両に取り付け易く、構造を簡単にすることができ、更に、故障が少ないという効果がある。
【0051】
第2の発明は、車両の速度が予め設定された所定の速度となったときに速度検出手段が速度検出信号を生成し、この速度検出手段が速度検出信号を生成したときに、推進力と走行加速度を検出して車両の質量を算出する構成である。従って、車両の質量を算出するときのその設定されている走行速度における車両の空気抵抗を予め求めておくことにより、又は空気抵抗が無視できる程度の走行速度に設定しておくことにより、空気抵抗に基づく車両の質量の計量誤差を解消することができ、高精度の計量を行うことができる。
【0052】
第3の発明によると、車両が傾斜する所定の走行路を登るときに算出された登り時の車両質量と車両がこの所定の走行路を下るときに算出された下り時の車両質量との平均値(平均車両質量)を平均値算出手段が算出することにより、路面の傾斜角度θに基づく車両の質量の計量誤差を解消することができ、高精度の計量を行うことができる。
【0053】
第4の発明によると、車両が所定方向に走行中に増速するときに算出された増速時の車両質量と車両がこの所定方向に走行中に減速するときに算出された減速時の車両質量の平均値(平均車両質量)を平均値算出手段が算出することにより、空気抵抗、転がり摩擦抵抗、及び路面の傾斜に基づくそれぞれの計量誤差を解消することができ、高精度の計量を行うことができる。
【0054】
第5の発明によると、車輪の磨耗量を、車両の質量に走行距離を乗算して得られた質量距離値として求め、この質量距離値に基づいて車輪の磨耗による誤差を除去した補正済みの減速係数を算出し、この補正済み減速係数を使用して車両の質量を正確に算出することができる。
【0055】
第6の発明によると、車輪の磨耗量が、車輪の磨耗前の直径を使用して求めた第1の走行距離と、実際に走行した第2の走行距離と、の違いの程度に対応することに鑑み、この第1と第2の走行距離に基づいて車輪の磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数を算出し、この補正済み減速係数を使用して車両の質量を正確に算出することができる。
【0056】
第7の発明によると、車輪の磨耗量を、車両の質量に走行距離を乗算して得られた質量距離値として求め、この質量距離値に基づいて車輪の磨耗による誤差を除去した補正済みの慣性質量を算出し、この補正済み慣性質量を使用して車両の質量を正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る車両用計量装置を示すブロック図である。
【図2】同第1実施形態の質量算出部を示すブロック図である。
【図3】同第1実施形態の第1及び第2のパルス発生器が生成するパルス信号を示す図である。
【図4】同第1実施形態の速度算出部が検出する検出速度v1 、v2 を示す図である。
【図5】同第1実施形態の第1及び第2のパルス発生器が設けられている推進軸及びこの推進軸を備えるトラックを示す側面図である。
【図6】同発明の第2〜第6実施形態に係る車両用計量装置が補正しようとする誤差を説明するために使用する図である。
【図7】同発明の第2、第3実施形態の質量算出部を示すブロック図である。
【図8】同発明の第4実施形態の加速度算出部を示すブロック図である。
【図9】同発明の第5実施形態の加速度算出部を示すブロック図である。
【図10】同発明の第6実施形態の演算制御部を示すブロック図である。
【図11】(a)は従来の車両用計量装置が取り付けられているトラックの車軸を示す図、(b)は車軸に掛かる荷重Wと位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
6 タイヤ
8 車両
10 推進軸
11 第1のパルス発生器
12 第2のパルス発生器
14 演算制御部
15 第1の回転部
16 第1の検出部
17 第2の回転部
18 第2の検出部
19 推進力算出部
20 加速度算出部
21 質量算出部
22 除算部
25 積載質量算出部
Claims (7)
- 駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に結合する第1の回転部、及びこの第1の回転部と非接触の状態で車両に設けられ第1の回転部の回転角度と比例する数のパルスを発生する第1の検出部を有する第1のパルス発生手段と、
第1の回転部と所定の間隔を隔てて上記推進軸に結合する第2の回転部、及びこの第2の回転部と非接触の状態で車両に設けられ第2の回転部の回転角度と比例する数のパルスを発生する第2の検出部を有する第2のパルス発生手段と、
第1及び第2のパルス発生手段が発生したそれぞれのパルスの位相差と、上記推進軸のねじり剛性と上記車輪の半径の逆数との乗算値を、第1及び第2の回転部の間隔で除算して上記推進軸に掛かる推進力を算出する推進力算出手段と、
第1及び第2のパルス発生手段のうちのいずれか一方が発生したパルス信号に基づいて、上記算出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を算出する加速度算出手段と、
上記算出された推進力と上記走行加速度に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段とを、
具備する車両用計量装置。 - 請求項1記載の車両用計量装置において、上記車両の速度が予め設定された所定の速度となったときに速度検出信号を生成する速度検出手段を有し、この速度検出手段が上記速度検出信号を生成したときに、上記推進力算出手段が上記推進力を算出し、上記加速度算出手段が上記車両の走行加速度を算出する車両用計量装置。
- 請求項1記載の車両用計量装置において、上記車両が傾斜する所定の走行路を登るときに上記質量算出手段によって算出された登り時の車両質量と、上記車両が上記傾斜する所定の走行路を下るときに上記質量算出手段によって算出された下り時の車両質量との平均値を、算出する平均値算出手段を具備する車両用計量装置。
- 請求項1記載の車両用計量装置において、上記車両が所定方向に走行中に増速するときに上記質量算出手段によって算出された増速時の車両質量と、上記車両が上記所定方向に走行中に減速するときに上記質量算出手段によって算出された減速時の車両質量との平均値を、算出する平均値算出手段とを具備する車両用計量装置。
- 駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に掛かる推進力を検出する推進力検出手段と、この検出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を検出する加速度検出手段と、上記検出された推進力と上記走行加速度に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を備える車両用計量装置において、
上記加速度検出手段は上記推進軸の回転数に減速係数を乗算して走行距離を算出する走行距離算出手段を有しこの走行距離に基づいて上記走行加速度を算出するものであり、
上記質量算出手段が算出した上記車両の質量に上記走行距離算出手段が算出した上記走行距離を乗算して質量距離値を算出する質量距離値算出手段と、この質量距離値に基づいて上記車輪の磨耗による誤差を除去した上記減速係数を算出する減速係数算出手段と、を備える車両用計量装置。 - 駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に掛かる推進力を検出する推進力検出手段と、この検出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を検出する加速度検出手段と、上記検出された推進力と上記走行加速度に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を備える車両用計量装置において、
上記加速度検出手段は、
上記推進軸の回転数に、上記車輪の摩耗前の減速係数を乗算して第1の走行距離を算出する第1の走行距離算出手段を有し、
人工衛星から送信されるGPS電波を受信するGPSアンテナと、
この受信したGPS電波を使用して車両の第2の走行距離を算出する第2の走行距離算出手段と、
第1と第2の走行距離に基づいて上記車輪の磨耗による誤差を除去した補正済み減速係数を算出する減速係数算出手段とを、
備え、上記加速度検出手段は、上記補正済み減速係数を用いて上記車両の走行加速度を算出する
車両用計量装置。 - 駆動部が発生する推進力を車輪に伝達する推進軸に掛かる推進力を検出する推進力検出手段と、この検出された推進力によって加速された上記車両の走行加速度を検出する加速度検出手段と、上記検出された推進力、上記走行加速度、及び上記推進軸から上記車輪までの慣性質量に基づいて車両の質量を算出する質量算出手段と、を備える車両用計量装置において、
上記質量算出手段が算出した上記車両の質量に上記車両の走行距離を乗算して質量距離値を算出する質量距離値算出手段と、この質量距離値に基づいて上記車輪の磨耗による誤差を除去した上記慣性質量を算出する慣性質量補正手段と、を備える車両用計量装置。
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