JP4278446B2 - 微粉末担持フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機微粉末が熱可塑性樹脂に分散された熱収縮の小さい自立性の微粉末担持フィルムに関する。また微粉末担持フィルムを加熱処理することにより熱可塑性樹脂を除去し、さらに加熱処理することにより無機微粉末を溶融または焼結することによる平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体を得るためにはグリーンシート法が一般に知られている。グリーンシート法ではまず結合剤と微粉末を含有する溶液の薄層を支持体上に形成し、それを乾燥した後、薄層を支持体から分離することにより製造される。(例えば特許文献1)かかる方法では、厚さの不均一や裂け目が容易に生ずるので、フィルムを製造するのに用いるべき装置に非常に高い固有の要件が課せられる。同じ理由により、かかる方法は、添加した微粉末中に層厚と同程度の寸法の粒子が存在することに極めて影響されやすい。それゆえ、実際には、裂け目を有しない非常に薄肉の物体をこのようにして製造することは、ほとんど不可能である。試験によれば、特に薄いフィルム(2〜20μm)の場合には、フィルムを支持体から取り出すことが非常に困難である。さらに、グリーンシート法で一般に用いられているセルロースは湿気の影響を受けやすく、その結果、寸法安定性は悪影響を受け、特定の用途には不向きとなる。
【0003】
また特に無機粉末の粒径が小さい微粉末担持フィルムにおいては、シートの熱収縮が大きいと、該シートを積層する際に熱収縮による積層シートの反りが大きくなり、積層部分の剥がれが生じ歩留まりの低下または、製品の品質を低下させていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−213562号公報 2頁〜
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような欠点を有しない、微粉末を熱可塑性樹脂に分散させてなる自立性の微粉末担持フィルムを提供することにある。また本発明の他の目的は微粉末担持フィルムを熱処理することにより熱可塑性樹脂を除去し、さらに加熱処理により無機微粉末を溶融または焼結することによる平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の微粉末担持フィルムは、無機微粉末を容量百分率で30〜98%、熱可塑性樹脂を2〜70%含有する自立性の微粉末担持フィルムであって、120℃におけるフィルムの縦幅方向の熱収縮率が0.1%から10%の範囲にあることを特徴とする微粉末担持フィルムである。
【0007】
さらに該熱収縮率は縦および幅方向ともに0.1%から8%の範囲、さらに好ましくは、0.1%から5%の範囲であることがさらに好ましく、より好ましくは0.1%から1%の範囲である。
【0008】
熱可塑性樹脂が適当な溶媒と組み合わせた場合に室温以上のゲル化点および溶解点を有する熱可逆ゲル化系を形成することが好ましい。さらに熱可塑性樹脂はポリオレフィンまたはポリビニルアルコールから選択されることが好ましい。さらには熱可塑性樹脂が高分子量線状ポリエチレンから実質的に構成されていることが好ましい。
【0009】
本発明のフィルムは微粉末担持フィルムの製造工程において二軸延伸および緩和処理を実施したものであることが好ましく、これにより微粉末担持フィルムは充分な寸法安定性を確保することができる。
【0010】
また本発明の方法は無機微粉末の平均粒子径が0.01μm以上5μm以下、さらには無機微粉末の平均粒子径が0.01μm以上1μm以下といった粒径の微細な無機粉末を担持したフィルムにおいて非常に効果のある方法である。
【0011】
無機微粉末と熱可塑性樹脂とからなるフィルムを二軸延伸および緩和処理後し、120℃におけるフィルムの縦幅方向の熱収縮率が0.1%から10%の範囲にある微粉末担持フィルムを得て、ついで熱可塑性樹脂の分解温度以上で加熱処理することにより熱可塑性樹脂を除去し、さらに無機微粉末の溶融温度または焼結温度以上で加熱処理することにより無機微粉末を溶融または焼結させることにより、平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体を製造することができる。この無機微粉末ガラス体または焼結体の製造方法により、グリーンシート法の欠点である支持体からガラス体または焼結体を分離することによる、厚さの不均一や裂け目が容易に生じやすい等の問題から本質的に免れている。
【0012】
本発明の方法を用いれば、無機微粉末の量に対して結合剤である熱可塑性樹脂をほとんど含まない、非常に多量の無機微粉末を含有する微粉末担持フィルムを製造することが可能であり、このフィルムを経由して、熱可塑性樹脂の除去後に、無機微粉末を原料成分とする連続的な自立性の平面体を得ることができる。このため本発明の微粉末担持フィルムにより、非常に薄い平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体を提供でき、各種用途に好適に用いられる。
【0013】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の微粉末担持フィルムは、無機微粉末を容量百分率で30〜98%、熱可塑性樹脂を2〜70%含有する自立性の微粉末担持フィルムであって、120℃におけるフィルムの縦幅方向の熱収縮率が0.1%から10%の範囲にあることを特徴とする自立性の微粉末担持フィルムである。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂はバインダーとして用いられるものであり、熱可塑性樹脂が適当な溶媒と組み合わせた場合に室温以上のゲル化点および溶解点を有する熱可逆ゲル化系を形成することが好ましい。
【0014】
この要件に合致する熱可塑性樹脂としてポリオレフィンまたはポリビニルアルコールから、さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンおよび/またはその混合物またはコポリマーなどが挙げられるが、好ましく適するのは、重量平均分子量が少なくとも4×105g/モルである高分子量の線状ポリエチレンである。
【0015】
高分子量線状ポリエチレンは、少量(好ましくは、高々5モル%)の1種またはそれ以上の共重合した他のアルケン、例えば、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、4−メチルペンテン、オクテンなどを含有していてもよいポリエチレンであると理解される。ポリエチレンは、少量(例えば、高々25重量%)の1種またはそれ以上の他のポリマー、特に、ポリプロピレン、ポリブチレン、またはプロピレンと少量とエチレンのコポリマーなどのアルケン−1−ポリマーを含有していてもよい。これらのポリマーは、安定剤、着色剤、増量剤などの通常の添加剤を含有してもよい。
【0016】
尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーや光散乱により、公知方法で測定することができる。
(溶媒)
室温以上のゲル化点および溶解点を有する熱可逆ゲル化系を得るために用いられる溶媒としては、パラフィン、トルエン、キシレン、テトラリンまたはデカリンなどから選ぶことができる。ただし変換温度および溶解温度は、ポリマーの実質的な熱分解を起こすほど高くてはならない。それゆえ、これらの温度は、通常、240℃以下で選択する。
(無機微粉末)
本発明に用いられる無機微粉末は熱可塑性樹脂の分解温度以上で溶融または焼結するものであれば、用途に好適な無機微粉末を任意に選ぶことができる。無機微粉末の平均粒子径、粒子形状についても用途によって好適なものを任意に選択できる。本発明の方法は無機微粉末の平均粒子径は0.01μm以上5μm以下、さらには無機微粉末の平均粒子径が0.01μm以上1μm以下といった粒径の微細な無機粉末を担持したフィルムにおいて非常に効果のある方法である。
【0017】
本発明の目的である平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体を得るためには熱分解、抽出または焼成などの一般的な公知方法で熱可塑性樹脂が除去されることが必要であり、この工程で無機微粉末は変質しないことが無機微粉末に課せられる要件となる。熱可塑性樹脂の除去後に無機微粉末を原料とする面状の無機微粉末ガラス体または焼結体を生成するためには、無機微粉末含量をできる限り高くすることが有利である。本発明の微粉末担持フィルムの場合、無機微粉末含量は、熱可塑性樹脂を2〜70%に対して無機微粉末を容量百分率で30〜98%とすることが望ましい。場合によっては、より高い微粉末含量を得るために、ピークが2つある粒径分布を有する微粉末を用いることが有用である。所望の面状体は、公知方法に従い微粉末に依存した条件を適宜選択することにより得ることができる。
(充填方法)
無機微粒子の熱可塑性樹脂への充填方法としては適当な媒体中に熱可塑性樹脂と共に無機微粒子を分散させた後にゲル化点以上に加熱、混練するなどの公知の方法を採用できる。用いる媒体としては特には熱可塑性樹脂と可逆ゲル化系をなす溶媒を選択することが望ましい。分散液を安定化させるために界面活性剤を加えてもよい。必要なら、続いて、例えば、ぺブルミルまたは超音波処理で粉砕することにより、粒径を小さくすることができる。
(フィルム成形)
微粒子を分散させたポリマー溶液からフィルムへの変換は平板押出ダイまたは板押出ダイを用いた押出し成形により行うことができる。もちろん、溶液を、例えば、テープまたはロール上にキャストし、それをロールまたはカレンダーで圧延することもできる。ポリマー濃度が非常に低い場合には、溶液をテープ上などにキャストすることが好ましいのに対し、高濃度の場合には、それを直接押出しすることが好ましい。押し出し或いはキャストされた溶液は、溶液のゲル化点以下に冷却する。これは、例えば、生成物を液浴またはチムニーに通過されるなどの適当な方法で行うことができる。ポリマー溶液はゲル化点以下に冷却することでポリマーはゲルを形成するが、このポリマーゲルからなる物体は、例えば、一般的に用いられるコンベヤー、ロールなどにより、さらに加工するのに十分な機械的強度を有する。
(延伸)
次いで、このようにして得られたゲル(微粉末担持フィルム)を延伸する。このゲルは、依然として、実質的な量の溶媒を、最初のポリマー溶液に含有されていた量よりそれほど少なくない量まで含有していてもよい。延伸前のゲルから溶媒の一部または実質的にすべての溶媒を、例えば、蒸発させたり、抽出液で洗い流すことにより、除去することもできる。
【0018】
延伸の前、間および後に、微粉末担持フィルムを照射、特に電子線照射に付すことが有利になることがある。クリープの少ない製品が得られるからである。さらに、かかる照射後には、上記の緩和工程を非常に短くするか、あるいは完全に省略することもできる。
【0019】
本発明の方法では、様々な延伸比を用いてもよい。さらに、微粉末担持フィルムを一軸および二軸のいずれで延伸してもよい。一軸延伸の場合は、延伸比が、通常、5倍以上であるのに対し、二軸延伸の場合は、微粉末担持フィルムを縦方向および横方向に、少なくとも1.5倍、好ましくは3〜15倍に延伸する。縦方向および横方向に同じ延伸比を用いること、あるいは、横方向または他の方向より縦方向に高い延伸比を用いることができる。縦方向および横方向の延伸を交互に行ってもよいが、例えば、同時二軸延伸装置で同時に行うこともできる。
【0020】
本発明における延伸条件としては高温、特に75℃以上の温度で、ゲルを延伸させることが好ましい。必要な温度に保たれた気体状または液体状の媒体を有する領域にゲルを通過させることにより、これらのゲルを延伸温度にすることができる。気体状の媒体として空気を有するチムニーが非常に適するが、液浴または他の適当な装置を用いることもできる。
【0021】
延伸の際には、生成物から残留溶媒を分離する。これは、例えば、延伸領域の生成物上に熱風または気流を通過させたり、あるいは、溶媒を抽出する媒体を含有する液浴中で延伸することにより、溶媒蒸気を除去するなどの適当な方法で促進される。最終的に得られる微粉末担持フィルムは、溶媒が除去されていなければならず、その条件は、延伸領域において、この状態にすでに到達しているか、あるいは少なくとも実質的に到達するように選択するのが有利である。
【0022】
本発明の方法では、微粉末担持フィルムを二軸延伸することが好ましい。驚くべきことに、微粉末担持フィルムを二軸延伸する場合には、最大可能延伸比が減少しないことが判明したからである。一軸延伸の場合には、微粉末含量が増加するにつれて、最大延伸比が減少するので、このことは特に驚くべきことである。もう1つの利点は、二軸延伸において微粉末担持フィルムの厚さが急速に減少することである。このことは、薄い延伸微粉末担持フィルムが容易に得られることを意味する。
(緩和工程)
本発明において冷却および延伸後、得られた微粉末担持フィルムは緩和工程に付すことが好ましい。かかる処理により、微粉末担持フィルムは、加熱時でも、その形状を保持する。かかる緩和工程としては例えば、微粉末担持フィルムを延伸温度より0〜30℃高温で0.1〜1分間保持する方法が挙げられる。また、延伸、熱処理後、80〜150℃の温度でフィルム幅を狭くするトーインを実施することもできる。さらに、延伸後2段階で緩和処理することもできる。例えば、高温で張力がかかる工程や抽出工程を通過した後に、最終工程に近いところで、内部の残留応力を除去することもできる。
(熱収縮率)
熱収縮率は、120℃におけるフィルムに対して30分間熱処理を行い、フィルム長手方向および幅方向の評点間の距離の変化を測定することにより求められる。本発明の自立性の微粉末担持フィルムについて120℃におけるフィルム縦幅方向の該熱収縮率は0.1%から8%の範囲、さらに好ましくは、0.1%から5%の範囲であることがさらに好ましく、より好ましくは0.1%から1%の範囲である。
(用途)
上述のとおり本発明の方法を用いれば、無機微粉末の量に対して結合剤である熱可塑性樹脂をほとんど含まない、非常に多量の無機微粉末を含有する微粉末担持フィルムを製造することが可能であり、このフィルムを経由して、熱可塑性樹脂を除去した後に、無機微粉末を原料成分とする連続的な自立性の平面体を得ることができる。このため本発明の微粉末担持フィルムは、下記のような用途を列挙できる。
【0023】
無機微粉末が高い誘電率を有する場合には、焼成および焼結後に薄い誘電体層が得られ、これはコンデンサー用に適する。さらに、薄い導電性フィルムを製造することができるので、本発明の微粉末担持フィルムを特に多層セラミックコンデンサーに用いる可能性を与える。
【0024】
さらに、ハイブリッド型電子構造体用の非常に薄い基板を製造することができる。この分野では、Al23を無機微粉末として用いて、良好な結果が得られている。
【0025】
またフィルム状の微粉末担持フィルムは、高エネルギー電磁放射の影響から物体を良好に保護するための薄くて柔軟な遮蔽物として適する。この目的には、数種類の金属微粉末が考えられる。また、本発明の微粉末担持フィルムは、コーティングとして用いるのに非常に適する。例えば、炭化物または窒化物を用いて、物体に耐摩耗性のコーティングを施すことができる。言うまでもなくここに列挙した用途は単なる例示であって、本発明がこの用途に限定的なものとみなすべきではない。
【0026】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0027】
(熱収縮率の測定方法) 熱収縮率は、フィルムを切り出し、スタンプなどの評点をフィルム上に付け、予め長手方向、幅方向の評点間の距離(L1)を測定し、その後このフィルムを120℃に恒温したオーブン中で30分熱処理し長手方向、幅方向の評点間の距離(L2)を測定し、以下の式により縦横それぞれの熱収縮率を求めた。
(L1−L2)×100/L1[%]
【0028】
[実施例1]
共立マテリアル製チタン酸バリウム(BT−HP9DX/平均粒子径0.5μ/比重5.91) 100重量部、分散剤ステアリン酸 2重量部、溶媒(デカリン32重量部)、三井株式会社製 ハイゼックスミリオン240M 7重量部、溶媒(デカリンとパラフィンの60:40混合液) 32重量部からなる分散液の組成物をボールミル中で24時間分散し、得られた分散液にハイゼックスミリオン7重量部と追加の溶媒(デカリン)32重量部を添加した分散液を得た。この分散液を紡糸ポンプ、スルザー(Sulzer AG)製ミキサーおよび平板押出ダイを備えた二軸スクリュー押出機に供給し、170℃で混練加工した。得られたフィルムを水中で急冷し、部分的に乾燥させた。次いで、得られたフィルムを、125℃、5×5の延伸比で二軸延伸し、さらに140℃で1分間、緩和処理を施した。得られたフィルムの厚みは20μであった。このフィルムについて120℃における熱収縮率を測定したところ、縦横共6%であった。このフィルム10層を互いに重ねて、温度180℃、圧力10MPaで、30分間圧縮した。圧縮した積層物を、続いて、窒素雰囲気下、550℃で焼成し、1300℃で2時間焼結した。得られた積層板の厚みは40μとなり、積層体のはがれは観察されず、また結合剤の完全燃焼または焼成による曲がりや不均一な形状変化は、観察されなかった。評価結果を表1に記した。
【0029】
[実施例2]
緩和条件を延伸、熱処理後、熱処理温度と同じ温度で5%の弛緩を実施すること以外は実施例1同様にしてサンプルを作成した。評価結果を表1に記した。
【0030】
[実施例3]
延伸条件を4×15とする以外は実施例1同様にしてサンプルを作成した。得られたフィルムの厚みは8μであり評価結果を表1に記した。
【0031】
[実施例4]
延伸条件を2×2とする以外は実施例1と同様にしてサンプルを作成した。得られたフィルムは250μであり、結果を表1に記した。次いでこのフィルムを単独で温度180℃、圧力10MPaで、30分間圧縮した。圧縮した積層物を、続いて、窒素雰囲気下、550℃で焼成し、1300℃で2時間焼結した。得られた焼結体の厚みは50μとなり、積層体のはがれは観察されず、また結合剤の完全燃焼または焼成による曲がりや不均一な形状変化は、観察されなかった。
【0032】
[実施例5]
微粉末を平均粒径0.3μのチタン酸バリウム粉に変更する以外は実施例1と同様にしてサンプルを作成した。評価結果を表1に記した。
【0033】
[実施例6]
微粉末を平均粒径0.1μのチタン酸バリウム粉に変更する以外は実施例1と同様にしてサンプルを作成した。評価結果を表1に記した。
【0034】
[比較例1]
緩和工程を省略する以外は実施例1同様にしてサンプルを作成した。
【0035】
[比較例2]
緩和工程を省略する以外は実施例2同様にしてサンプルを作成した。
【0036】
[比較例3]
緩和工程を省略する以外は実施例3同様にしてサンプルを作成した。
【0037】
[比較例4]
緩和工程を省略する以外は実施例4同様にしてサンプルを作成した。
【0038】
[比較例5]
緩和工程を省略する以外は実施例5同様にしてサンプルを作成した。
【0039】
[比較例6]
緩和工程を省略する以外は実施例6同様にしてサンプルを作成した。
以上の実施例1〜6、比較例1〜6の結果を表1、2に記した。
積層体のはがれ観察 ○・・・はがれ無し ×・・・はがれ有り
焼結後の形状変化 ○・・・曲がりや不均一な形状変化が観察されなかった。×・・・曲がりや不均一な形状変化あり
【0040】
【表1】
Figure 0004278446
【0041】
【表2】
Figure 0004278446
【0042】
評価の結果、比較例で作成された熱収縮率の大きいフィルムは積層体のはがれを生じる等の不具合が生じるのに対して、実施例においてはこの問題が解決されている。
【0043】
【発明の効果】
本発明の微粉末担持フィルムは、無機微粉末の量に対して結合剤である熱可塑性樹脂をほとんど含まない、非常に多量の無機微粉末を含有する微粉末担持フィルムであり、このフィルムを経由して、熱可塑性樹脂の除去後に、無機微粉末を原料成分とする連続的な自立性の平面体を得ることができる。このため本発明の微粉末担持フィルムにより、非常に薄い平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体を提供できる。
【0044】
本発明により無機粉末の粒径が小さい微粉末担持シートにおいても、縦横の熱収縮を抑えることができ、該シートを積層する際に熱収縮による積層シートの反りや積層部分の剥がれを抑えることができ、歩留まりよく、高品質の製品を提供することができる。

Claims (8)

  1. 無機微粉末と熱可塑性樹脂とからなるフィルムに二軸延伸、および延伸温度より0〜30℃高温で0.1〜1分間保持することによる緩和処理を施すことにより得られた、無機微粉末を容量百分率で30〜98%、熱可塑性樹脂を2〜70%含有する自立性の微粉末担持フィルムであって、120℃におけるフィルムの縦および幅方向の熱収縮率が0.1%から10%の範囲にあることを特徴とする自立性の微粉末担持フィルム。
  2. 熱可塑性樹脂について、パラフィン、トルエン、キシレン、テトラリンまたはデカリンから選ばれる溶媒と組み合わせた場合に室温以上のゲル化点および溶解点を有する熱可逆ゲル化系を形成することを特徴とする請求項1記載の微粉末担持フィルム。
  3. 熱可塑性樹脂が高分子量線状ポリエチレンから実質的に構成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の微粉末担持フィルム。
  4. 微粉末担持フィルムが二軸延伸および緩和処理を施したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微粉末担持フィルム。
  5. 無機微粉末の平均粒子径が0.01μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の微粉末担持フィルム。
  6. 無機微粉末の平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の微粉末担持フィルム。
  7. 120℃におけるフィルムの縦および幅方向の熱収縮率が0.1%から1%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の自立性の微粉末担持フィルム。
  8. 無機微粉末と熱可塑性樹脂とからなるフィルムに二軸延伸および延伸温度より0〜30℃高温で0.1〜1分間保持することによる緩和処理を施し、120℃におけるフィルムの縦および幅方向の熱収縮率が0.1%から10%の範囲にある微粉末担持フィルムを得て、ついで熱可塑性樹脂の分解温度以上で加熱処理することにより熱可塑性樹脂を除去し、さらに無機微粉末の溶融温度または焼結温度以上で加熱処理し無機微粉末を溶融または焼結することによる平面状の無機微粉末ガラス体または焼結体の製造法。
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