JP4277937B2 - 接着剤を使用した製本システム - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤を使用した製本システムに関し、更に具体的には、中綴じにホッチキス又はステップラー(本出願書類では、単に「ステップラー」という。)の針を使用せず、接着剤を使用した製本システムに関する。
一般に、製本は、綴じ方により、次のように分類されている。
(1)有線綴じ
(i)糸かがり
(ii)針金綴じ(針金平綴じ,針金中綴じ)
(2)無線綴じ
(i)アジロ綴じ
(ii)一般無線綴じ
糸かがりの綴じ構造は、図10Aに示すように、丁合いの済んだ折本を相互に糸がかりする。一般に、この糸かがりは機械綴じによって行われ、丁合いの済んだ折本を、巻頭の1折りから2折りへと順番に、折りの真ん中を開きながら、綴じ機の鞍掛けコンベアに乗せると、自動的に綴じ機に送り込まれて糸がかりされる。その後、背の部分を挟んで、他の部分と同じ高さになるまで圧搾して均し、仮固めし、三方を断裁し、本の背に膠(にかわ)を塗布して背紙などを貼って接着し、最後に表紙のくるみ作業を行って製本を完成する。糸かがりの綴じ構造は、品質の高い上製本(case bound)、仮製本(Paper Backs)に用いられる。
無線綴じは、接着剤だけで折り丁の背を接合する綴じ方であり、アジロ綴じと一般無線綴じがある。図10Bに示すように、アジロ綴じは、接着剤の浸透をよくするために、紙折り段階で折り丁の背に約15mm:5mmのカット、アンカットのミシン目を入れて折り加工する。図10Cに示すように、一般無線綴じは、丁合されて1冊の本にまとめられた中身の背の部分を2.5〜3mmの幅でミーリングカットして1枚単位に切り離す。
無線綴じでは、その後、背の部分にホットメルト型接着剤を塗布し、表紙をくるみ、製本を完成する。無線綴じは、主として、上製本、仮製本、新書本、月刊雑誌等に用いられる。
針金綴じは、図10Dに示すように、丁合いの済んだ折本(表紙部分を含む。)を接着剤を使わずに、本の中心を針金(例えば、ステップラーの針)だけで綴じて製本を完成する方法である。針金綴じの方法により、平綴じと中綴じとがある。前準備に費やす時間も少なく、作業時間が短縮される経済的な製本方法である。主として、コストが安く生産性の高い週刊誌、情報誌、パンフレット、カタログ等に用いられる。
本発明は、このような「中綴じ」の対象であるコストが安く生産性の高い週刊誌、情報誌、パンフレット、カタログ等を製本の対象とする。
このように、絵本、雑誌、パンフレット、小冊子等の比較的ページ数の少ない本(例えば、30数ページ以下の本)を製本する際には、一般に、本文と表紙を一緒に丁合いし、真ん中の折り目に沿って針金(例えば、ステップラーの針)で中綴じし、他の3方向を化粧断ちしている。
なお、本発明者は、後で説明するような中綴じにステップラーの針のような針金を使用せず、接着剤を使用した製本システムを開示する特許文献又は非特許文献の存在を知らない。
この製本の中綴じに使用されるステップラーの針のような針金(以下、単に「ステップラー針」という。)は、金属製のため種々の問題を引き起こす。例えば、ステップラー針は、丁合いした本文と表紙の真ん中の折り目に沿って圧入止めするため、ステップラー針の先端部は必然的に尖っている。従って、本を読んでいる際に、綴じたステップラー針の鋭く尖った針先に指を引っかけて怪我をすることは良く経験することである。
資源の再利用の観点から、本の利用後に紙を再利用(リサイクル)することは重要なことである。しかし、ステップラー針は金属製であるため、紙を適当な溶剤で溶解したとき、針は溶解せずに残ってしまう。残ったステップラー針を、別途適当な方法で除去した後でなければ、溶解した紙部分を再生紙として再生できない。除去されたステップラー針は、金属製のためにその処理が大変である。
同様に、ステップラー針は金属製であるため、本の利用後に本を焼却するときには、紙の部分は焼却出来るが、ステップラー針は焼却せずに残ってしまう。残ったステップラー針は、別途、適当な方法で処理する必要があるが、金属製のためにその処理が大変である。
更に、飲み物、食品等の人体に直接的に影響する飲食物等に添付する説明書等の場合、説明書等からステップラー針が外れて食品等に混入し、これを誤って飲んでしまったりすると、人体に大変な危険を及ぼすこととなる。
更に、専ら幼児、子供等が手にする絵本、玩具の説明書き等の小冊子にステップラー針を使用すると、小冊子を口に入れて舐めていると、紙部分が溶解してステップラー針が外れ、誤ってこれを飲み込んでしまう怖れもある。
これら、人体に対する安全性、資源の再利用、環境に対する安全性、幼児、子供等に対する危険等に観点から、製本の中綴じに使用されるステップラー針は多くの問題を抱えている。
本発明者は、上記状況のなかで、製本の中綴じからステップラー針の使用を排除することにより、人体に対する安全性の向上、資源の再利用の利便性、環境に対する安全性の向上、幼児、子供等に対する危険の除去等を確保することを目指したのである。
従って、本発明は、ステップラー針の使用に起因する種々の問題点を解決する新規な製本システムを提供することを目的とする。
更に、本発明は、ステップラー針の使用に起因する種々の問題点を解決する新規な製本方法を提供することを目的とする。
上記目的に鑑みて、本発明に係る製本装置は、接着剤を使用した製本装置であって、接着剤塗布装置と、前記接着剤塗布装置に接続された紙折り装置と、接着剤を塗布する予定の箇所にミシン目状の接着剤浸透用孔が予め明けられた印刷済み用紙を、前記接着剤塗布装置と前記紙折り装置とに高速で連続して送る搬送装置とを備え、前記接着剤塗布装置は、移動する前記印刷済み用紙の表裏両面の近傍に配置され、別個に接着剤吐出圧力を制御する制御装置をもった複数個の接着剤塗布ガンを有し、該接着剤塗布ガンは、紙送り方向に形成された前記接着剤浸透用孔に向けて接着剤を吐出して該印刷済み用紙に接着剤を塗布し、前記紙折り装置は、前記印刷済み用紙を、紙送り方向に対して垂直方向に先頭から順番に所定回数だけ谷折り及び山折りを交互に繰り返す紙折り装置と、紙折り線に沿って接着箇所を圧着するローラー装置と、及び前記接着剤浸透用孔に沿って紙送り方向に二つ折りにする紙折り装置とを有する。
更に、上記製版装置では、前記接着剤塗布ガンは、接着剤塗布エリア毎に塗布量を変更制御するようにしてもよい。
更に、上記製版装置では、前記接着剤塗布ガンは、紙折りした際に、より内側に位置する接着剤塗布エリアに対する接着剤の塗布量に比較して、より外側に位置する接着剤塗布エリアに対する接着剤の塗布量を多くしている、製本装置。
更に、上記製版装置では、前記接着剤塗布ガンは、前記接着剤浸透用孔に対して、ライン状に接着剤を塗布するようにしてもよい。
更に、上記製版装置では、前記接着剤塗布ガンは、前記接着剤浸透用孔に対して、一定間隔を空けたドット状に接着剤を塗布するようにしてもよい。
更に、上記製版装置では、前記印刷済み用紙は、前記接着剤の塗布箇所には何も印刷されていない白地であってよい。
更に、上記製版装置では、前記接着剤は、製品安全データシートにより食品添付の小冊子及び幼児用玩具添付の小冊子として使用する場合の安全性の確認がなされていてもよい。
更に、本願発明に係る製本及び断裁装置は、印刷済み用紙に接着剤浸透用の孔明けをする孔明け装置と、上記接着剤を使用した製本装置と、製本された印刷済み用紙を断裁加工する断裁装置とを備えている。
本発明によれば、ステップラー針の使用に起因する種々の問題点を解決する新規な製本システムを提供することができる。
更に、本発明によれば、ステップラー針の使用に起因する種々の問題点を解決する新規な製本方法を提供することができる。
図1は、本実施形態の説明で対象とする小冊子を示す図である。 図2Aは、図1の小冊子の印刷済み用紙の表面を示す図である。 図2Bはこの印刷済み用紙の裏面を示す図である。 図2Cは紙折り後の小冊子の状態を示す図である。 図3Aは、接着剤塗布におけるドット方式で発生する状況を説明する図である。 図3Bは接着剤塗布における表面張力を利用したドット方式表面張力を利用したドット方式を説明する図である。 図4は、接着剤塗布における接着剤浸透用の孔明け後に、接着剤を塗布するドット又はライン方式を説明する図である。 図5は、接着剤塗布における接着剤浸透用の孔明け後に、両面から接着剤を塗布するドット又はライン方式を説明する図である。 図6は、図2A及び図2Bに示す図を拡大したものであり、用紙に対して最終断裁加工工程でカットされる線を仕上がり線として示す。 図7は、本実施形態に係る接着剤を使用した製本及び断裁システムの全体を示す図である。 図8Aは、接着剤塗布に使用されるコントローラ及びコールドグルー用圧力タンクを示す図である。 図8Bは、接着剤塗布の状況を説明する図である。 図8Cは、ここで使用される塗布ガンの一例である。 図9は、紙折りに使用される高速自動紙折機の原理を説明する図である。 図10Aは、従来の糸かがりの綴じ構造を説明する図である。 図10Bは、従来のアジロ綴じの構造を説明する図である。 図10Cは、従来の一般無線綴じの構造を説明する図である。 図10Dは、従来の針金綴じの構造を説明する図である。
符号の説明
1:小冊子、 2:用紙,印刷済み用紙、 4,6,8:接着剤塗布エリア、 9:仕上がり線、 10,10-a,10-b,10-c,10-d:接着剤、 12:接着剤浸透用孔、
18a,18b:圧力タンク、 21a,21b,21c:塗布ガン、 16,16-a,16-b,16-c:紙折り機、
以下、本発明に係る接着剤を使用した製本システムの実施形態に関し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同じ要素に対しては同じ符号を付して、重複した説明は省略する。
以下の説明では、製本用語を次のように使用する。
「面付け」は、印刷機にかける用紙のサイズに合わせて貼り合わせる作業をいう。版下を同様に貼り合わせる作業を指すこともある。
「製本」は、刷り本を順序に従ってまとめ、読み易いようにお互いに接合することをいう。
「丁合い」は、折り丁をページの順に揃え、一冊分にまとめる作業ををいい、また、一枚物の紙を順番にまとめて行く作業もいう。
「断裁」は、製本の加工工程の1つで、印刷された紙や白紙を裁断機で規格や指定仕様の寸法に切ることをいう。中綴じ・平綴じ・無線綴じ・天糊製本などの製本工程が終わった後に本の断面を揃えるために断裁することを化粧断ちと呼ぶ。
「喉(ノド)」は、本の部品名であり、書籍等の背に接する部分又は綴じ目の側をいう。
「前小口」は、仕上げ断ちした本の綴じ目と反対の切り口をいう。単に小口ともいう。
「綴じ目」は、本の喉の部分をいい、本を綴じるときの穴の位置をいう。ミシン綴じをしたときはミシンの縫い目の間隔をいう。
「中綴じ」は、図10Dに示すように、元々は、丁合いの済んだ折本を接着剤を使わずに、本の中心を針金(例えば、ステップラーの針)だけで綴じる方法である。しかし、本出願書類では、以下に説明するような、丁合いの済んだ折本に対して、針金を使用せず、接着剤を使用して、本の中心を綴じる方法も中綴じと呼ぶことを承知されたい。
[製本の内容]
(製本の対象)
本実施形態の製本の対象となる「本」は、これには限定されないが、以下の説明では特に断らない限り、表紙及び裏表紙を含めて両面刷り全16の紙面から成る小冊子1で、印刷面の文字は横書きの本を例にとって説明する。
本出願書類において、紙面の特定は次のようにする。図1は、このような小冊子1の斜視図である。表紙を紙面番号(1)とし、裏表紙を(16)とする。表紙(1)と同じ表向きの紙面を、順次、紙面番号(3)、(5)、(7)、(9)、(11)、(13)、(15)とする。これに対して、裏表紙である紙面番号(16)と同じ裏向きの紙面を、順次、紙面番号(2)、(4)、(6)、(8)、(10)、(12)、(14)、(16)とする。即ち、表紙である紙面番号(1)の裏面は紙面番号(2)であり、(3)の裏面は(4)であり、…(15)の裏面は裏表紙である紙面番号(16)である。
一般に、このような小冊子1に対してページが付される場合、紙面番号(3)の紙面が第1ページ、紙面番号(4)の紙面が第2ページ、…、紙面番号(14)の紙面が最終の第12ページとなり、表紙である紙面番号(1)、表紙の裏面(2)、奥付である紙面番号(15)及び裏表紙である紙面番号(16)に対してはページは付されないことが多い。しかし、このページの概念を持ち込むと、上記の紙面を特定する紙面番号(1)〜(16)とページ番号との関係が煩雑になるため、以下の説明では紙面番号のみを使用して説明する。
(小冊子の製本過程)
最初に、本発明を容易に理解出来るようにするため、このような小冊子1が「接着剤を使用した製本システム」によりどの様に完成するかについて説明する。製本工程は、大別して、(1)接着剤塗布工程、及び(2)紙折り工程から成る。製本された小冊子1は、次の(3)断裁加工工程により化粧断ちして完成される。
(接着剤塗布工程)
先ず、(1)の接着剤塗布工程では、図1の小冊子1を形成する1枚の用紙2に、既に表紙である紙面番号(1)、裏表紙である紙面番号(16)及び中用紙(表紙と裏表紙を除いた紙面)である紙面番号(2)〜(15)に印刷内容が印刷された用紙が用意される。
図2Aはこの印刷済み用紙2の表面を示し、図2Bはこの印刷済み用紙2の裏面を示し、図2Cは紙折り後の小冊子1の状態を示す。
図2Aに示すように、印刷済み用紙2の表面には、図で見て横方向中心線の上側に、左から右に、紙面番号(10)、(11)、(14)、(15)が割り当てられ、夫々の内容が印刷されている。紙面番号の文字の向きは、紙面左側から見て、紙面番号(10)、(14)は正立し、紙面番号(11)、(15)は反対に倒立している。図2Aでは、この文字の向きを明確にするため紙面番号に下線を付して表示する。同様に、横方向中心線の下側に、左から右に、紙面番号(7)、(6)、(3)、(2)が割り当てられ、夫々の内容が印刷されている。
図2Bは、図2Aに示す状態の印刷済み用紙を、第4折り線を回転軸に180度回転した状態の印刷済み用紙の裏面を示す。紙面番号(10)、(11)、(14)、(15)、(7)、(6)、(3)、(2)の裏面は、夫々、紙面番号(9)、(12)、(13)、(16)、(8)、(5)、(4)、(1)である。
接着剤塗布工程では、図2Aに示すように表面に対しては、紙面番号(10),(7)と(11),(6)とが第1谷折り線で紙折りされるため、両者を貼り付けるため、紙面番号(11)と(6)の境界に位置する接着剤塗布エリア4に対して、接着剤が塗布される。同様に、紙面番号(14),(3)と(15),(2)とが第3谷折り線で紙折りされるため、両者を貼り付けるため、紙面番号(15)と(2)の境界に位置する接着剤塗布エリア6に対して、接着剤が塗布される。図2Bに示すように裏面に対しては、紙面番号(5),(12)と(4),(13)とが第2谷折り線で紙折りされるため、両者を貼り付けるため、紙面番号(4)と(13)の境界に位置する接着剤塗布エリア8に対して、接着剤が塗布される。
これらの接着剤塗布は、印刷済み用紙が紙送り方向へ移動する際に、実施される。なお、上記の例では、谷折り線で張り合わされる紙面の一方に接着剤を塗布しているが、他方に接着剤を塗布したり、或いは両方に塗布してもよい。他方に接着剤を塗布するとは、例えば、接着剤塗布エリア6を紙面番号(14)と(3)の境界に位置させることであり、両方に塗布とは、接着剤塗布エリア6を紙面番号(14),(15)と(3),(2)との境界に位置させることである。
次に、この接着剤塗布工程における具体的な接着剤塗布方式ついて説明する。本発明者は、小冊子1を落丁、乱丁が無く、確実に綴じることができることを目指して試行錯誤の結果、幾つかの接着剤塗布方式(方法)を完成することが出来た。具体的には、接着剤塗布方式(方法)として、次の各方式が完成した。
(i)ライン方式、
(ii)ドット方式、
(iii)表面張力を利用したドット方式、
(vi)接着剤浸透用の孔明け後に、接着剤を塗布するドット又はライン方式、
(v)接着剤浸透用の孔明け後に、表裏両面から接着剤を塗布するドット又はライン方式、
(vi)接着剤浸透用の孔明け後に、表裏両面から接着剤を塗布し、表裏の接着剤塗布圧力を別個に制御するドット又はライン方式、
(vii)接着剤浸透用の孔明け後に、表裏両面から接着剤を塗布し、表裏の接着剤塗布圧力を別個に制御すると共に、接着箇所に応じて接着剤の量を制御するドット又はライン方式
各接着剤塗布方式の詳細は、次の通りである。
(i)のライン方式、
図2Aに示す接着剤塗布エリア4,6及び図2Bに示す接着剤塗布エリア8に対して、第4折り線に沿ってライン状に接着剤を塗布する。即ち、図2Aに示す接着剤塗布エリア4,6に対しては紙面表面から、図2Bに示す接着剤塗布エリア8に対しては紙面裏面から、夫々ライン状に接着剤を塗布する
(ii)のドット方式の接着剤塗布方式
図2Aに示す接着剤塗布エリア4,6及び図2Bに示す接着剤塗布エリア8に対して、ライン状ではなく、一定の間隔をおいたドット状に接着剤を塗布する。即ち、図2Aに示す接着剤塗布エリア4,6に対しては紙面表面から、図2Bに示す接着剤塗布エリア8に対しては紙面裏面から、夫々ドット状に接着剤を塗布する。この間隔は、図1に示す小冊子のような本の場合、例えば、2mm程度とする。
(iii)の表面張力を利用したドット方式
上記(ii)のドット方式を採用して製本したとき、剥離しようとする力に対して、若干接着力が弱い現象が見られた。本発明者は、この原因を調査したところ、図3A(a)に示すように、印刷済み用紙2に対して塗布された接着剤10aは、次の紙折り工程迄に、図3A(b)に示すように、部分的にであるが、溶媒(液体成分)10a-1は用紙内部に浸透し、溶質(固体成分)10a-2が用紙表面に残る現象が発生していることが分かった。この現象を克服するため、紙折り工程まで、溶媒(液体成分)10a-1と溶質(固体成分)10a-2が分離しないようにすることが重要であることが分かった。
本発明者は、そのため、この表面張力を利用したドット方式を開発した。図3Bに示すように、紙折り工程まで、表面張力を利用して、塗布した接着剤10bが溶媒(液体成分)と溶質(固体成分)に分離しないようにしている。即ち、表面張力を利用して、紙折り工程まで、接着剤10bが球状に保持されるようにしている。
この表面張力を利用したドット方式を実現する必要条件は、接着剤塗布装置、接着剤の種類、成分、粘性、塗布量、塗布速度、用紙の種類、用紙の表面状態、作業時の温度等の種々の要因が影響し、定量的に決定することはできない。また、1つの作業条件を決定し、これを権利化しても、他にも作業条件は多数設定可能であり無意味なことになる。作業条件は、接着剤塗布装置、接着剤の種類、成分、用紙の種類、用紙の表面状態等が決定した段階で粘性、塗布量、塗布速度、作業時の温度等を変化させながら複数回の試行を重ねることにより、その必要条件を定量的に決定することができる。
発明のポイントは、次工程の紙折り工程まで、接着剤10bを表面張力を利用して出来るだけ球状に保持して、接着剤10bが溶媒(液体成分)と溶質(固体成分)に分離しないようにすることにある。
(iv)の接着剤浸透用の孔明け後に、接着剤を塗布するドット又はライン方式
上記(iii)の表面張力を利用したドット方式では、ほぼ確実に紙折り工程まで、接着剤10bが溶媒(液体成分)と溶質(固体成分)が極力分離しないようにすることができた。
しかし、接着剤塗布装置、接着剤の種類等のパラメータが変化する毎に、複数回の試行を重ねて作業条件を決定する煩雑さが残った。
そこで、本発明者は、印刷済み用紙2の接着剤塗布エリアに予め接着剤浸透用の孔12を明け、その後に接着剤を塗布することにより、溶媒(液体成分)と溶質(固体成分)が分離せずに用紙表面及び穴内に保持されることを発見した。図4に示すように、用紙2に接着剤浸透用の孔12を形成し、その孔12に沿って接着剤10cが塗布される。
用紙2の接着剤塗布エリアに接着剤浸透用の孔12を明ける工程は、工業用ミシン等を利用して行われる。この場合、接着剤塗布エリアのみならず、紙折り時にこれと対向するエリアにも接着剤浸透用の孔12を明けることが好ましい。従って、大量に製本する際には、第4折り線に沿って接着剤浸透用の孔12を明けている。なお、図2Aに示す紙面番号(15)と(2)との境界部分には接着剤浸透用の孔12を明けないことが好ましい。この部分は小冊子の最外層になり、接着剤浸透用の孔を明けると接着剤が浸み出し、外観を損ねるからである。
接着剤浸透用の孔12の形状は、丸穴に限定されず、楕円、四角、六角、いわゆる破線状の切れ目等であってよい。液体接着剤10cが用紙2の内部に浸透できればよいからである。なお、接着剤の塗布は、ドット方式及びライン方式のいずれを採用してもよい。
(v)の接着剤浸透用の孔明け後に、表裏両面から接着剤を塗布するドット又はライン方式、
本発明者は、上記(vi)の接着剤浸透用の孔明け後に接着剤を塗布するドット又はライン方式において、更に用紙の孔内に確実に接着剤を浸透させるため、種々の検討を行った。
用紙2に孔12が明けられた結果、接着剤を図2A及び図2Bに示した接着剤塗布エリアに対して塗布するだけでなく、これらの塗布エリアの用紙反対側からも塗布することが可能となった。例えば、図2Aの用紙番号(11)と(6)の境界にある塗布エリア4の孔12に対して、この塗布エリアの裏面側(図2Bの用紙番号(5)と(12)との境界部分)からも塗布が可能となった。
この結果、表裏両面から接着剤10dを塗布するドット又はライン方式では、接着剤10dを用紙2の表裏両面から塗布している。図5に示すように、用紙2に接着剤浸透用の孔12を形成し、用紙2の表裏両面からその孔12に沿って接着剤10dが塗布される。
この方式では接着剤塗布工程において、印刷済み用紙2が水平方向に移動する際に、用紙表面と裏面の両方に接着剤塗布専用のガンを配置して、接着剤10dを孔12に沿って夫々注入する。なお、接着剤の塗布は、ドット方式及びライン方式のいずれを採用してもよい。
(vi)接着剤浸透用の孔明け後に、表裏両面から接着剤を塗布し、表裏の接着剤塗布圧力を別個に制御するドット又はライン方式、
本発明者は、後で図8A〜図8cに関連して説明するが、1個の接着剤圧力タンクから紙表面用塗布ガンと裏面用塗布ガンとに対して接着剤を送ると、接着剤圧力(結果として、塗布した接着剤の量)にバラツキが生じて、充分に制御できない場合があることを発見した。紙表面用塗布ガンの圧力に比較して、裏面用塗布ガンの圧力が弱い傾向にある。この塗布した接着剤の量のバラツキを克服するため、本発明者は、紙表面用塗布ガンと裏面用塗布ガンとに対し、夫々の圧力タンクを用意し、接着剤塗布圧力(接着剤の量)を独立して制御している。なお、圧力タンクの個数は2個に限定されない。塗布ガン毎に1個ずつ備えてもよく、塗布ガンをグループ分けして、グループ毎に1個ずつ備えてもよい。なお、接着剤の塗布は、ドット方式及びライン方式のいずれを採用してもよい。
(vii)接着剤浸透用の孔明け後に、表裏両面から接着剤を塗布し、表裏の接着剤塗布圧力を別個に制御すると共に、接着箇所に応じて接着剤の量を制御するドット又はライン方式
紙折り工程で第4折り線に沿って紙折りした際に、より外側に位置する用紙部分は曲率半径がより大きく、より内側に位置する用紙部分は曲率半径がより小さく、相互に重ねられる。本発明者は、用紙の第4折り線部分には大きなストレスがかかり、塗布された接着剤が部分的にはじき出される傾向があることを発見した。更に、用紙の厚さが厚くなればなるほど、この接着力が弱まる傾向が強く、剥がれやすくなる。更に、上記(iv)で記載したように、接着剤塗布エリア6(即ち、図2Aに示す紙面番号(15)と(2)との境界部分)に接着剤浸透用の孔12を明けない場合、他のエリアと比較して接着力が弱まる。
これを回避するため、塗布エリア4,8に対する接着剤の量に比較して、塗布エリア6に対する接着剤の量を多くすることとした。しかし、現時点では、高速で流れる用紙2に対して、塗布エリア毎に接着剤塗布圧力を変えることは出来ない。従って、後で図8Bに示すように、表面側の塗布ガンをノズル径の比較的大きいガンと比較的小さいガンの2個にして、塗布エリア6に塗布する際にはノズル径の比較的大きい塗布ガンを使用して接着剤の量を多くしている。
しかし、塗布量の多少は2段階に限定されない。第4折り線に沿って紙折りした際に、より外側に位置する用紙部分の接着剤塗布量が、より内側に位置する用紙部分に対する接着剤塗布量と比較して、同量又は多めであればよい。これを実現するためには、塗布ガンの使用方法はこれに限定されない。接着剤の必要量を満たす個数の塗布ガンを用意することができる。また、高速で流れる用紙2に対して、塗布エリア毎に接着剤塗布圧力を変更可能な装置が得られるようになれば、片面に対し複数個の塗布ガンを用意する必要はなくなる。なお、接着剤の塗布は、ドット方式及びライン方式のいずれを採用してもよい。
以上の接着剤塗布方式(i)〜(vii)のいずれを採用するかは、対象となる本、本を構成する紙面枚数、紙面及びその表面状態、接着剤の種類等によって決定される。
更に、この接着剤塗布工程における仕上がり線、接着剤塗布エリア等ついて説明する。図6は、図2A及び図2Bに示す図を拡大したものである。最終の断裁加工工程でカットされる線を仕上がり線9として示す。仕上がり線9を、紙面端面及び各縦方向折り線より長さd1(例えば、約5mm)だけ内側にする。即ち、仕上がり線で断裁後、仕上がり線から直ちに正常な状態で接着剤が塗布されているようにする。この結果、塗布エリア端部の接着剤の量の変化(バラツキ)の影響、紙折り時の用紙湾曲の影響等を回避することが出来る。具体的には、仕上がり端部において、接着力が弱く剥がれやすいといった傾向が無くなる。これにより均一な接着が出来る。
更に、図6に示す塗布エリア4,6,8が位置する第4折り線上は、一定の幅(例えば、1〜2mm)を印刷せず、白地のままにすることが好ましい。印刷すると、印刷のインクにより表面が滑らかになり、接着剤の付着が弱まるからである。
(紙折り工程)
図2Aには、第1谷折り線、第2山折り線、第3谷折り線、及び第4折り線(紙面番号(1),(16)が表に来るように紙折りする。)の紙折りの順序を表示する紙折り線が表示されている。図2Bにも、これら紙折り線に対応して、第1山折り線、第2谷折り線、第3山折り線、及び第4折り線が表示されている。
紙折り工程では、各接着剤塗布エリアに接着剤10が塗布された印刷済み用紙2は、これら紙折り線が表示する順番で紙折りがなされる。印刷済み用紙2は、第1山折り線、第2谷折り線及び第3山折り線に沿って縦方向に紙折りされた後、接着剤塗布エリア(即ち、第4折り線)に沿ってローラで圧着される。その後、印刷済み用紙2は、第4折り線に沿って横方向に紙折りされる。図2Cは、印刷済み用紙2をこの順序で紙折りした状態を示す。接着剤は、比較的速乾性であるため、この状態を保持することにより、製本工程が終了する。
(断裁加工工程)
次に、(3)の断裁加工工程について説明する。断裁加工には、一般に、断裁、パンチ孔加工、ダイカスト加工等が含まれる。断裁では、前小口、天地等がドブ断ち裁断される。パンチ穴加工では、小冊子1の紙面内又は端面に円形、楕円形、その他の形状の穴を明けることをいう。ダイカット加工では、小冊子の前小口、天地等を任意の形状に裁断し、紙面内部に任意の形状の開口を空けることが出来る。
本実施形態に係る小冊子1では、標準的な矩形形状の小冊子を作成するときは、断裁により前小口及び天地をドブ断ち裁断している。更に、特殊な形状の小冊子1を作成するときは、ダイカット加工で、小冊子1の前小口、天地等を所望の形状に裁断し、紙面内部に所望の形状の開口を空けている。
[製本及び断裁システム]
次に、本発明者は、上述した小冊子1の製本過程及び断裁加工工程を具体的に実現している。既に実現した製本及び断裁システムを、「接着剤を使用した製本システム」の一実施形態として、説明する。
図7は、本実施形態に係る接着剤を使用した製本及び断裁システムの全体を示す図である。本実施形態のメインテーマは「接着剤を使用した製本システム」であるが、その後工程に断裁システムを組み合わせることにより、魅力的な小冊子を完成させることが出来るため、接着剤を使用した製本及び断裁システムとして説明する。なお、現時点では、接着剤浸透用の孔明け装置及び断裁装置は、このシステムに組み込まれていない。システムによる処理前時に接着剤浸透用の孔明け装置により穴明け処理を行い、システムによる処理後に断裁装置により断裁加工を行っている。逐次、これらの工程も一連の製本及び断裁システムに組み込む予定である。
この製本及び断裁システム20は、基本的には、接着剤塗布システム14と、自動紙折り機16a,16b,16cと、断裁加工機(図示せず。)とを備えている。
(接着剤塗布システム)
従来、図1に示す小冊子1のような本の折り目に沿って、ライン状又はドット状に接着剤を塗布して製本する技術は存在しなかった。従って、本発明者は、ダンボールの高速折り機での運転用に設計された接着剤塗布システムを利用して、その作業条件を試行錯誤の末に決定したのである。
図8A,8B及び8Cを用いて、接着剤塗布システム14を説明する。接着剤塗布システム14は、主として、コントローラ16、接着剤蓄積用圧力タンク18a,18b及び塗布ガン21a,21b,21cを備えている。一般に、ここで使用される接着剤10は、コールドグルー(cold glue)と呼ばれている。
(コントローラ)
図8Aは、コントローラ16及びコールドグルー用圧力タンク18a,18bを示す図である。接着剤塗布システム20のコントローラ16としては、これには限定されないが、例えば、ドイツ国hhs社製のコントローラー型番XT-E4(日本国では、大阪府所在のケイズカンパニー株式会社経由で入手可能である。)を使用する。同様に、コールドグルー用圧力タンクは、型番KDB-01を使用する。これらコントローラ及び圧力タンクは、ダンボールの高速折り機用及び接着用に設計・開発されたものである。本発明者は、このような装置を、製本に転用したのである。
このコントローラ16は、プログラムをコントローラのタッチスクリーン23上で操作することが出来る、グルー塗布システム運転のグラフィックインターフェースとして機能し、最大16個のhhs社のドット/ライン塗布ガン21の制御が可能である。コントローラ16は、1mm/パルスのエンコーダ分解能で、各塗布ガンに対して、夫々別個に、最大4000mm長の塗布エリアに対してグルーのドット/ライン塗布パターンを生成できる。更に、コントローラ16は、999種類のグルーのドット/ライン塗布パターンを実行するプログラムを記憶することが出来る。
この圧力タンク18a,18bは、容量0.75リットルタンクを有し、ガン21からの最大吐出圧力は2barである。圧力タンク18a,18bを2個設けているのは、用紙の表面側から接着剤を塗布するガン21a,21b用の圧力タンク18aと、裏面側から接着剤を塗布するガン21c用の圧力タンク18bとのためである。即ち、表面側ガン21a,21bと裏面側ガン21cの接着剤吐出圧力を別個に制御することにより、一層確実に製本ができることが判明したからである。
更に、表面側に2個のガン21a,21bを設けたのは、ノズル口径の比較的大きいガン21aと、比較的小さいガン21bとにし、接着剤塗布エリア毎に塗布量を変更制御できるようにしたためである。
(塗布工程)
図8Bに示すように、印刷済み用紙2が紙折り機16a,16bに入る前に、接着剤ガン21(21a,21b,21c)により接着剤10が塗布される。接着剤10が塗布された用紙2は、紙折り工程で紙折り機16aを使用して第1谷折り線、第2山折り線、第3谷折り線で順次折られ、更に紙折り機16bを使用して第4折り線で折られて、製本が完成する。
(塗布ガン)
図8Cは、ここで使用される塗布ガン21の一例である。このような塗布ガン21は、例えば、ドイツ国hhs社製のコールドグルー用ガン型番VD-400S(日本国では、大阪府所在のケイズカンパニー株式会社経由で入手可能である。)を使用することができる。このガン20は、制御用の電気信号入力E、グルー(接着剤)M、及びエアー(空気)Lが導かれ、設定された条件で用紙2に対して接着剤10が塗布される。
(接着剤)
接着剤10を選択する上で、本発明者は、食品添付の小冊子及び幼児用の玩具添付の小冊子に使用するために、安全性に関して充分留意した。実際問題として、接着剤メーカは、企業秘密の観点より、接着剤の正確な組成を開示しないことが多い。従って、接着剤メーカより、製品安全データシートを入手するにとどまるケースが多いことを承知されたい。
具体的には、接着剤10として、例えば、アクリル・酢ビ共重合樹脂を主成分とする(化学名)「変性アクリル・酢ビ・エチレン共重合樹脂水性エマルジョン」接着剤を使用する。このような接着剤は、例えば、東大阪市所在の日栄化工株式会社の製品名ライフボンド AV−173L,AV−173LL改,AV−175Lとして入手できる。メーカー提供の製品性状表(夫々、2004年3月15日付,2004年3月15日付,2004年12月15日付の製品安全データシート)によれば、組成・成分情報に関して「法規制対象物質なし」、危険有害性の分類に関して「最重要危険有害性:特記すべき危険有害性はない。」とされている。
或いは、接着剤10として、例えば、EUKALIN GMBH社製造の「合成樹脂接着剤」品番EUKALIN 6271Lも使用できる。メーカー提供のデータシート(2006年06月30日付)によれば、「この接着剤は、ドイツ国法律に従い、食品パッケージの製造に使用することが出来る。」と明記されている。
(自動紙折り機)
紙折りには、種々の自動紙折り機16が使用できる。本発明者は、試行段階の自動紙折り機として、型番「multimaster CAS 52-B with SetMATIC」の高速自動紙折機を使用した。この「multimaster CAS 52-B with SetMATIC」は、ドイツ国St Georgen所在のMB社で製造・販売されており、我が国では東京都千代田区所在の株式会社コーレンス社経由で入手可能である。
この高速自動紙折機16は、コンピュータ制御された紙折り機であり、標準折りは全てプログラムされており、他の折りもプログラム可能である。60種類の紙折りジョブを記憶することができ、反復して行う折り作業に適している。ディスプレイ16cは、対話式になっており、ボタンを押すだけで重要な設定をデジタルコントロールシステムが行う。更に、自動折りローラー圧調整、自動アライメントレール調整、自動排紙車輪位置調整、及び以前記憶させた作業データの自動設定等が可能である。
主な性能は、用紙サイズは、バックル折りユニットでは最大52×85cm、最小10×12cm、バックル/ナイフ折りシステムでは最大52×72cm、最小15×30cmである。折り長さは、バックル折りユニットでは最小35cm、ナイフ折りユニットKLでは最小75cmである。紙折りスピードは、200m/分である。
図9は、この高速自動紙折機16の縦方向紙折り機16aの部分の原理を説明する図である。縦方向の紙折りは、次のような順序で行われる。用紙は第1ローラ(反時計方向回転)と第2ローラ(時計方向回転)により進み、ストッパ22に至る。次に、用紙は第2ローラ(反時計方向回転)と第3ローラ(時計方向回転)により進み、第1谷折り線で折られ、ストッパ24に至る。次に、第3ローラ(時計方向回転)と第4ローラ(反時計方向回転)により進み、第2山折り線で折られ、ストッパ26に至る。次に、第4ローラ(反時計方向回転),第5ローラ(時計方向回転)及び第6ローラ(反時計方向回転)により進み、第3谷折り線で折られて進む。この時点で、第4紙折り線に沿ってローラー(図示せず。)で接着箇所が圧着される。
その後、横方向紙折り機16bにより、第4折り線に沿って、横方向の紙折りが同じように行われる。しかし、紙折りは、これに限定されない。製本に適する各種の紙折り機を使用できることを承知されたい。以上により、小冊子1の紙折り工程が終了する。
(断裁加工機)
断裁としては、例えば、ドイツ国BOCHSLER GRAFISCHE MASCHINEN社製造の型番」BS MULTI 450/*750」断裁機を使用する。この断裁機によれば、1台で断裁・パンチ孔・ダイカット処理が可能である。なお、現時点では、この断裁機は、製本後に断裁を別途行っており、図7の一連のシステムには組み込んでいない。
[実施形態の利点・効果]
本実施形態によれば、次のような利点効果がある。
(1)ステップラー針無しの製本が出来る。
(2)本を読んでいる際に、綴じたステップラー針の鋭く尖った針先に指を引っかけて怪我をするようなことはない。
(3)本を再利用(リサイクル)するため適当な溶剤で溶解したとき、ステップラー針が残ることはない。
(4)本の利用後に本を焼却するとき、ステップラー針が残ることはない。
(5)飲み物、食品等に添付の説明書等の場合、説明書等からステップラー針が外れて、これを誤って飲んでしまうような事故は発生しない。
(6)専ら幼児、子供等が手にする絵本、玩具の説明書き等の小冊子においても、ステップラー針の誤飲事故は発生しない。
[まとめ]
以上、本発明に係る接着剤を使用した製本システムの実施形態に関し説明したが、本実施形態は例示であって、これに限定されない。対象となる本(小冊子)のページ数(紙面番号数)は、任意である。更に、本発明は、実施形態として記載した使用した装置,材料等にも限定されない。使用した装置,材料等を詳細に記載した理由は、本出願書類により当業者が容易に追試することが出来るようにするためである。しかし、これらの使用した装置,材料等は例示であって、本発明を何等限定するものでない。
本実施形態に対して、当業者が容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、いずれも本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。

Claims (8)

  1. 接着剤を使用した製本装置に於いて、
    接着剤塗布装置と、
    前記接着剤塗布装置に接続された紙折り装置と、
    接着剤を塗布する予定の箇所にミシン目状の接着剤浸透用孔が予め明けられた印刷済み用紙を、前記接着剤塗布装置と前記紙折り装置とに高速で連続して送る搬送装置とを備え、
    前記接着剤塗布装置は、
    移動する前記印刷済み用紙の表裏両面の近傍に配置され、別個に接着剤吐出圧力を制御する制御装置をもった複数個の接着剤塗布ガンを有し、該接着剤塗布ガンは、紙送り方向に形成された前記接着剤浸透用孔に向けて接着剤を吐出して該印刷済み用紙に接着剤を塗布し、
    前記紙折り装置は、
    前記印刷済み用紙を、紙送り方向に対して垂直方向に先頭から順番に所定回数だけ谷折り及び山折りを交互に繰り返す紙折り装置と、
    紙折り線に沿って接着箇所を圧着するローラー装置と、及び
    前記接着剤浸透用孔に沿って紙送り方向に二つ折りにする紙折り装置とを有する、製本装置。
  2. 請求項1に記載の接着剤を使用した製本装置に於いて、
    前記接着剤塗布ガンは、接着剤塗布エリア毎に塗布量を変更制御する、製本装置。
  3. 請求項2に記載の接着剤を使用した製本装置に於いて、
    前記接着剤塗布ガンは、紙折りした際に、より内側に位置する接着剤塗布エリアに対する接着剤の塗布量に比較して、より外側に位置する接着剤塗布エリアに対する接着剤の塗布量を多くしている、製本装置。
  4. 請求項1に記載の接着剤を使用した製本装置に於いて、
    前記接着剤塗布ガンは、前記接着剤浸透用孔に対して、ライン状に接着剤を塗布する、製本装置。
  5. 請求項1に記載の接着剤を使用した製本装置に於いて、
    前記接着剤塗布ガンは、前記接着剤浸透用孔に対して、一定間隔を空けたドット状に接着剤を塗布する、製本装置。
  6. 請求項1に記載の接着剤を使用した製本装置に於いて、
    前記印刷済み用紙は、前記接着剤の塗布箇所には何も印刷されていない白地である、製本装置。
  7. 請求項1に記載の接着剤を使用した製本装置に於いて、
    前記接着剤は、製品安全データシートにより食品添付の小冊子及び幼児用玩具添付の小冊子として使用する場合の安全性の確認がなされている、製本装置。
  8. 印刷済み用紙に接着剤浸透用の孔明けをする孔明け装置と、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤を使用した製本装置と、
    製本された印刷済み用紙を断裁加工する断裁装置とを備えた、製本及び断裁装置。
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