JP4277796B2 - スチームアイロン - Google Patents

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本発明は、衣類等のしわ伸ばしに用いられるスチームアイロンに関するものである。
従来、この種のスチームアイロンは、かけ面に複数のスチーム穴を略U字状列に配置しただけのものが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
実公昭48−28073号公報
アイロン掛けによるしわ伸ばしのメカニズムを説明すると、掛け面のスチーム穴から噴出された蒸気によって、衣類の繊維は熱と水分で膨潤し、繊維の変形部すなわち衣類しわは軟化し、その後直ちに通過するかけ面の熱と面圧力で平面に成形乾燥されて、衣類のしわが伸ばされる。しかしながら、従来の構成では、噴出された蒸気で衣類を蒸す作用が不十分で、衣類のしわ伸ばしを効率良く仕上げられないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、スチーム量を増やすことなく、噴出された蒸気で十分に衣類を蒸し、しわ伸ばしを効率よく仕上げられるスチームアイロンを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスチームアイロンは、ヒータによって加熱され、スチームを発生させる気化室を有するベースと、前記気化室に供給する水を蓄える水タンクと、前記ベースの下面に設けられ、前記気化室と連通された複数のスチーム穴と複数の窪みを有する掛け面とを備え、前記複数のスチーム穴の少なくとも一部を一列に連続して配設するとともに、前記複数の窪みの少なくとも一部を前記一列に連続して配設したスチーム穴に沿わせて複数列配設したもので、スチーム穴より噴出された蒸気はスチーム穴内の空間で衣類を蒸すばかりでなく、スチーム穴に沿わせて複数列設けた窪み内の空間にも侵入し衣類をさらに連続的に蒸し、その後かけ面が通過するまで十分に衣類の繊維を膨潤しておくことができるものである。
本発明のスチームアイロンはスチーム量を増やすことなく、噴出された蒸気で十分に衣類を蒸し、しわ伸ばしを効率よく仕上げることができる。アイロンを前に滑らすアイロン
かけ作業の基本動作に合わせて、スチーム穴から噴出される蒸気を順次衣類にあてられ、しわ伸ばしを効率よく仕上げることができる。
第1の発明は、ヒータによって加熱され、スチームを発生させる気化室を有するベースと、前記気化室に供給する水を蓄える水タンクと、前記ベースの下面に設けられ、前記気化室と連通された複数のスチーム穴と複数の窪みを有する掛け面とを備え、前記複数のスチーム穴の少なくとも一部を前記ヒータに沿わせて一列に連続して配設するとともに、前記複数の窪みの少なくとも一部を前記一列に連続して配設したスチーム穴に沿わせて複数列配設し、一列に連続して配設した複数のスチーム穴に沿わせて複数列配設した窪みは、前記複数のスチーム穴に対向して連続して略直線状に配設するとともに、その直線状の配列を、ヒータに対する垂線に対し右回り方向に傾斜させたもので、ヒータ近傍に配置されたスチーム穴より噴出される蒸気は高温となって衣類に当てられ、スチーム穴内の空間、スチーム穴に沿わせて複数列設けた窪み内の空間を順次進行し衣類を連続的に蒸し、その後かけ面が通過するまで十分に衣類の繊維を膨潤しておくことができる。また、アイロンを前に滑らすアイロンかけ作業の基本動作に合わせて、スチーム穴から噴出される蒸気を順次衣類にあてられ、しわ伸ばしを効率よく仕上げることができる。
の発明は、上記第の発明において、複数のスチーム穴に沿わせて複数列配設した窪みは、前記複数のスチーム穴に対向して連続して略直線状に配設するとともに、前記スチーム穴から離れるほど窪みの大きさを小さくしたもので、窪みの空間に存在する蒸気の量を徐々に減少させ、その後通過するかけ面による成形乾燥を素早くすることができる。
の発明は、上記第の発明において、複数のスチーム穴に沿わせて複数列配設した窪みは、前記スチーム穴から離れるほど窪みの深さを浅くしたもので、窪みの空間に存在する蒸気の量を徐々に減少させるとともに、しわの凹凸をなだらかに順次小さくし、その後通過する掛け面による成形乾燥を素早くすることができる。
の発明は、上記第1〜第の発明のいずれかにおいて、複数列配設した窪みのうちの一列は、ヒータのほぼ直下に配置したもので、ヒータ直下のベース掛け面の温度を引き下げ、衣類に対して温度を均等に加えられる。
の発明は、上記第1〜第の発明のいずれかにおいて、掛け面の中央部には窪みを有さない領域を設けたもので、布地の平面乾燥を確実にすることができる。
の発明は、上記第の発明において、掛け面は、中央部に頂点を有し下方に凸形状としたもので、布地との接触を中央部に集中させることにより、しわになった部分の布地を押し広げやすくなるとともに、布地と掛け面の滑り抵抗が弱まり、滑らかにアイロン掛け操作を行うことができる。
の発明は、上記第1〜第の発明において、掛け面後端部には、前後方向所定長さに亘り窪みを有さない領域を設けたもので、アイロンを前方に進めてアイロンかけする基本動作において、最後に平面乾燥を確実にすることができる。
の発明は、上記第1〜第の発明のいずれかにおいて、複数の窪みの少なくとも一部は、平面視略円形状としたもので、アイロンの動かす方向に関係なく、均等に衣類の凹凸に進行接触し、窪みによる新たな折りじわを防止することができる。
の発明は、上記第1〜第の発明のいずれかにおいて、複数の窪みの少なくとも一部は略球面形状としたもので、アイロンの動かす方向に関係なく、均等に衣類の凹凸に進
行しその後窪みの球内面で衣類の凹凸を徐々に押し下げ、窪みによる新たな折りじわをさらに防止することができる。
10の発明は、上記第1〜第の発明のいずれかにおいて、複数の窪みの少なくとも一部はスチーム穴から離れる方向に徐々にその幅が小さくなる形状としたもので、窪みの空間に存在する蒸気の量を徐々に減少させ、その後通過するかけ面による成形乾燥を素早くすることができる。
11の発明は、上記第1〜第および第10の発明のいずれかに、複数の窪みの少なくとも一部はスチーム穴から離れる方向に徐々にその深さが浅くなる形状としたもので、窪みの空間に存在する蒸気の量を徐々に減少させるとともに、しわの凹凸をなだらかに順次小さくし、その後通過するかけ面による成形乾燥をより素早くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるスチームアイロンの側面図、図2は同スチームアイロンのベースの掛け面を示す平面図、図3は図2のA−A部分断面図、図4は本発明の第2の実施の形態におけるベースの掛け面を示す平面図、図5は図4のB−B部分断面図である。
図1〜図3において、1はヒータ2により加熱されるベースで、スチームアイロンの内部となる上部にはスチームを発生させるための気化室3が形成されている。このベース1には、図2に破線で示したように、平面視ベース1の後部を開放方向とした略U字状のヒータ2が埋設されており、ベース1をアイロン掛けに適切な温度に加熱する。
また、ベース1の掛け面4は略中央部を頂点とした下方に凸面形状(図示省略)にしてあり、掛け面略中央部にはスチーム穴および窪みを有さない領域41を設けている。さらにまた、掛け面後端部にも、前後方向所定長さに亘りスチーム穴および窪みを有さない領域42を設けている。
ベース1の掛け面4の平面から見てヒータ2の位置に相当する位置の外側には複数のスチーム穴5が一列に略U字状に連続して設けられ、各スチーム穴5は気化室3に連通している。
略U字状に一列に連なるように設けられたスチーム穴5の内側には、複数の窪み6を設けてある。これらの窪み6は、スチーム穴5に沿って複数列(本実施の形態では3列)をなすように配設してある。そして、それぞれの列の窪み6は、図2において直線A−Aあるいは直線C−Cで示すように、それらの外側に対向して設けられたスチーム穴5と連なって略直線状に配設されている。
そして、その略直線状の配列(直線A−A方向)を、それぞれの窪みの位置におけるヒータ2に対する垂線Dに対し右回り方向に傾斜させて設けている。また、複数列配設した窪み6のうちの一列は、線分Eで示すようにヒータ2のほぼ直下に配置している。
そして、これらの窪み6の形状は、立体的には略球面形状とし、掛け面4上では略円形状としてあり、スチーム穴5から離れる列のものほど大きさを小さく、かつ、深さを浅くしてある。
7は気化室3に供給する水を貯える水タンク、8は外部操作によって水タンク7の水を気化室3に供給、停止を行うスチームボタンである。
なお、その他の構成は、従来よく知られたスチームアイロンと同様であるので、詳しい説明は省略する。
以上のように構成されたスチームアイロンの作用、動作について、以下に説明する。
なお、スチームアイロンとしての基本的な動作は、従来よく知られたものと同様であるので、詳しい説明は省略する。
まず、スチームボタン8を操作して水タンク7内の水を気化室3に供給すると、気化室3で蒸気が発生し、スチーム穴5から外部に噴出され、スチームを活用したアイロン掛けを行うことができる。
このとき、スチーム穴5より噴出された蒸気はスチーム穴5内の空間5aと、スチーム穴5に沿わせた複数の窪み6内の空間6aにも存在し、衣類をさらに連続的に蒸し、その後、掛け面4が通過するまで十分に衣類の繊維を膨潤しておくことができる。
そして、一列に連続して配設した複数のスチーム穴5に沿わせて略直線状に配設した窪み6は、それぞれの窪みの位置におけるヒータ2に対する垂線Dに対し後方に傾斜させているので、アイロンを前に滑らすアイロンかけ作業の基本動作に合致し、スチーム穴から噴出される蒸気を順次衣類に作用させることができる。
また、複数のスチーム穴5に沿わせて複数列配設した窪み6は、スチーム穴5から離れるほど窪み6の大きさを小さくしているので、窪み6の空間6aに存在する蒸気の量は徐々に減少し、その後通過する掛け面4による成形乾燥を素早くすることができる。
さらにまた、スチーム穴5から離れるほど窪み6の深さを浅くしているので、窪み6を通過するしわの凹凸をなだらかに順次小さくし、その後通過するかけ面4による成形乾燥を一層滑らかにすることができる。
また、掛け面4の中央部の領域41には窪みがないので、通常の前方へ進めてアイロン掛けする場合、その左右前方寄りをU字状に取り囲むスチーム穴5から噴出されたスチームで衣類を膨潤した後、掛け面4の中央部の領域41での布地の平面乾燥をより確実にすることができる。
さらにまた、掛け面4は中央部に頂点を有する下方に凸形状としているので、布地と掛け面4の抵抗が弱まり、滑らかにアイロン掛け操作をすることができるとともに、局部的に面圧力を向上させて、布地の平面乾燥やしわ伸ばしをより確実に行うことができる。
また、掛け面4の後端部にも、前後方向所定長さに亘りスチーム穴および窪みを有さない領域42を設けているので、アイロンを前方に進めてアイロン掛けする基本動作において、最後に平面乾燥を確実にすることができる。
さらにまた、複数の窪みは、略球面形状にしたことにより、アイロンの動かす方向に関係なく、均等に衣類の凹凸に進行するとともに、その後衣類の凹凸を球面形状で徐々に押し下げながら進行するので、窪みによる新たな折りじわを防止することができるとともに、窪みの縁部や窪みの内部の表面で衣類の繊維を傷めることがない。
さらにまた、掛け面4の温度分布においてヒータ2直下部は他の面に比べ高温になるものの、複数列配設した窪み6のうちの一列(線分E上)は、ヒータ2のほぼ直下に配置してあるので、衣類に直接接触する部分が間引かれているので、衣類に対して均等に温度を加えることができる。
なお、本実施の形態では、ベース1の下面を掛け面4としたが、掛け面4をベース1と別体で構成し、ベース1の下面に配設して構成することも可能である。
(実施の形態2)
次に本発明の第2の実施の形態について、図4および図5を用いて説明する。窪み60は、スチーム穴50から離れる方向に徐々にその幅を小さく、また、その深さを浅くした形状としている。そして、図4において直線B−Bで示すように、それらの外側に対向して設けられたスチーム穴50は、窪み60と連なって、その中心線上にほぼ位置するように配設されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
スチーム穴50から噴出された蒸気はスチーム穴50内の空間50aと、スチーム穴50に沿わせた複数の窪み60内の空間60aにも存在し衣類をさらに連続的に蒸し、その後掛け面40が通過するまで十分に衣類の繊維を膨潤する。また、窪み60はスチーム穴50から離れる方向に徐々にその幅を小さく、深さは浅くしてあるので、窪み60内の蒸気量を徐々に減少させ、しわの凹凸をなだらかに順次小さくし、その後通過するかけ面による成形乾燥を一層滑らかにすることができる。
この窪み60は、いわば、実施の形態1における複数列の対向する窪み6をつないで一つの窪みとして形成したようなもので、実施の形態1における窪み6よりも大量のスチームを保持できるので、衣類の繊維に対する膨潤効果をより大きくすることができる。
以上のように、本発明にかかるスチームアイロンは、スチーム量を増やすことなく、噴出された蒸気で十分に衣類を蒸し、しわ伸ばしを効率よくしあげることができるもので、家庭用、業務用のスチームアイロンに広く適用できる。
本発明の実施の形態1におけるスチームアイロンの側面図 同スチームアイロンのベースの掛け面を示した平面図 同スチームアイロンのベースの図2におけるA−A断面図 本発明の実施の形態2におけるスチームアイロンのベースの掛け面を示した平面図 同スチームアイロンのベースの部分断面図
1 ベース
2 ヒータ
3 気化室
4 掛け面
5 スチーム穴
6 窪み
7 水タンク

Claims (11)

  1. ヒータによって加熱され、スチームを発生させる気化室を有するベースと、前記気化室に供給する水を蓄える水タンクと、前記ベースの下面に設けられ、前記気化室と連通された複数のスチーム穴と複数の窪みを有する掛け面とを備え、前記複数のスチーム穴の少なくとも一部を前記ヒータに沿わせて一列に連続して配設するとともに、前記複数の窪みの少なくとも一部を前記一列に連続して配設したスチーム穴に沿わせて複数列配設し、一列に連続して配設した複数のスチーム穴に沿わせて複数列配設した窪みは、前記複数のスチーム穴に対向して連続して略直線状に配設するとともに、その直線状の配列を、ヒータに対する垂線に対し右回り方向に傾斜させたスチームアイロン。
  2. 一列に連続して配設した複数のスチーム穴に沿わせて複数列配設した窪みは、前記スチーム穴から離れるほど窪みの大きさを小さくした請求項記載のスチームアイロン。
  3. 一列に連続して配設した複数のスチーム穴に沿わせて複数列配設した窪みは、前記スチーム穴から離れるほど窪みの深さを浅くした請求項記載のスチームアイロン。
  4. 複数列配設した窪みのうちの一列は、ヒータのほぼ直下に配置した請求項1〜のいずれか1項記載のスチームアイロン。
  5. 掛け面の中央部には窪みを有さない領域を設けた請求項1〜のいずれか1項記載のスチームアイロン。
  6. 掛け面は、中央部に頂点を有する下方に凸形状とした請求項記載のスチームアイロン。
  7. 掛け面の後端部には、前後方向所定長さに亘り窪みを有さない領域を設けた請求項1〜のいずれか1項記載のスチームアイロン。
  8. 複数の窪みの少なくとも一部は、平面視略円形状とした請求項1〜のいずれか1項記載のスチームアイロン。
  9. 複数の窪みの少なくとも一部は、略球面形状とした請求項1〜のいずれか1項記載のスチームアイロン。
  10. 複数の窪みの少なくとも一部は、スチーム穴から離れる方向に徐々にその幅が小さくなる形状とした請求項1〜のいずれか1項記載のスチームアイロン。
  11. 複数の窪みの少なくとも一部は、スチーム穴から離れる方向に徐々にその深さが浅くなる形状とした請求項1〜および10のいずれか1項記載のスチームアイロン。
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