JP4277721B2 - 光学ローパスフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学ローパスフィルタの製造方法に関し、特に、高分子フィルムを複屈折板に挟んだ構造の光学ローパスフィルタの製造歩留まりを向上させる技術に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置にはCCDやCMOS等の撮像素子が用いられている。この撮像素子は所定ピッチでマトリクス状に配列された画素によって光学像を電気信号に変換し、映像を撮影する。このような撮像装置では、光学像の空間周波数が画素の配列ピッチにより決まるサンプリング周波数の1/2を超えるとモアレなどの擬似信号を発生して画質を低下させる。
そのため、通常の撮像装置では、撮像素子の前面に、光学像の空間周波数の高域成分を抑制する光学ローパスフィルタが配置されている。この光学ローパスフィルタの構造として、一般的には複屈折板3枚タイプと複屈折板2枚の間に位相板を挟むタイプがあり、2枚の複屈折板の間に1/4波長板を挟んだ構造の垂直付加タイプの高性能なものが知られている。
近年、1/4波長板として一軸延伸法によって形成した高分子フィルムを用いることが提案されている。高分子フィルムを用いることによって、薄型化と製造コストの低減を図ることができる。複屈折板としては水晶板が用いられる。
2枚の水晶板の間に高分子フィルムを挟んだ構造の光学ローパスフィルタの製造に際しては、高分子フィルムの両面に粘着剤又は接着剤を用いて2枚の水晶板を貼り合わせる工程が必要である。
高分子フィルムを水晶板に貼り合わせる際に、高分子フィルムと水晶板との間に気泡が入る場合がある。気泡が存在すると光学素子として使用できないため、不良となり、製造歩留まりを低下させている原因となっている。
水晶板同士を接着させる際に真空雰囲気下で貼り合わせをすることにより気泡が入ることを防止する技術が次の特許文献1で示されている。
特開2003−29035号公報
しかしながら、真空雰囲気で圧着すると気泡が残存せず、製造歩留まりは向上するが、大気圧から真空にするまでに時間がかかり、生産効率が悪いという問題がある。そのため、真空雰囲気下の工程を最小限に止めて生産効率を低下させない必要がある。
また、光学ローパスフィルタの製造に際しては、2枚の複屈折板と高分子フィルムの各々の光学軸を正確に配置する必要があり、真空雰囲気中で正確な位置に貼り合わせをすることが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、高分子フィルムと複屈折板との間に気泡が存在しないように製造歩留まり良く複屈折板に高分子フィルムを貼り合わせすることができる生産効率の良い光学ローパスフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、真空雰囲気中で正確な位置に貼り合わせをすることができる光学ローパスフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、高分子フィルムの両面に硬質の第1複屈折板と第2複屈折板を貼り合わせる場合、まず、高分子フィルムを第1複屈折板に貼り合わせる第1貼り合わせ工程を行い、次に、高分子フィルムを第2複屈折板に貼り合わせる第2貼り合わせ工程の2回の貼り合わせ工程が必要であること、高分子フィルムを硬質板へ貼り合わせる第1貼り合わせ工程では、高分子フィルムを例えばローラなどで気泡を押し出しながら貼り合わせることにより、大気中でも気泡が入らないように貼り合わせることが可能であること、硬質板相互を貼り合わせる第2貼り合わせ工程では真空雰囲気下で行うことが必要であること、真空雰囲気は500Paから1Paの範囲が好ましいこと、第2貼り合わせ工程を真空雰囲気下で行うことにより、製造歩留まりを向上させながら、生産効率の低下を最小限とすることができること、第2貼り合わせ工程において、下側圧着板と前記複屈折板との間、または/及び、上側圧着板と前記複屈折板との間に緩衝材を挟んで圧着することを見出した。
真空雰囲気下で行う第2貼り合わせ工程では、第1複屈折板に貼った高分子フィルムと第2複屈折板とを離間させて対向配置させ、真空雰囲気下にした後、高分子フィルムと第2複屈折板とを接近させ、これらを圧着することにより、硬質板相互を真空雰囲気下で気泡を存在させずに貼り合わせることができる。
また、第2貼り合わせ工程で、第1複屈折板に貼った高分子フィルムと第2複屈折板とを真空雰囲気中で正確な位置に貼り合わせをする方法として、上下に昇降し、常時は上方に付勢されている案内装置上に、前記高分子フィルムを貼り合わせた第1複屈折板又は前記第2複屈折板の一方を保持させ、その下方に存在している下側圧着板上に配置されている第1複屈折板又は第2複屈折板の他方から離間させて高分子フィルムと第2複屈折板とを対向配置させ、上側圧着板を降下させて案内装置に保持された第1複屈折板又は第2複屈折板の一方を案内装置の付勢力に抗して降下させて、上側圧着板で高分子フィルムと第2複屈折板とを接近させ、上側圧着板と下側圧着板との間に挟んで圧着する方法を採用することができる。
また、粘着剤を用いて貼り合わせをする場合、圧着することに加えて加温することにより、より強固に貼り合わせをすることができる。
この場合、加温する温度は30℃から80℃の範囲が好ましい。
そのため、加熱した上下の圧着板の間に挟んで圧着することによって、より強固に貼り合わせをすることができる。
この場合、圧着する加圧力は1969600Paから4596000Paの範囲であることが好ましい。
また、加熱しながら圧力を加えることによって、より強固に貼り合わせをすることができる。
また、圧着板と複屈折板との間に緩衝材を挟んで加熱しながら圧力を加えることによって、緩衝材が複屈折板や高分子フィルムの小さな凹凸を吸収することができ、均一な加圧することができる。このことにより、複屈折板と高分子フィルムを強固に貼り合わせをすることができる。
従って、第1の発明は、硬質の第1複屈折板と硬質の第2複屈折板との間に高分子フィルムを挟んだ光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第1複屈折板に前記高分子フィルムを貼り合わせる第1貼り合わせ工程と、第1貼り合わせ工程後、前記高分子フィルムに前記第2複屈折板を真空雰囲気下で圧着する第2貼り合わせ工程とを有することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第2の発明は、第1の発明の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程が、真空雰囲気下で、前記高分子フィルムを貼り合わせた前記第1複屈折板と前記第2複屈折板とを離間させて前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを対向配置させた後、前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを接近させ、これらを圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第3の発明は、第1の発明の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程が、真空雰囲気下で、上下に昇降し、常時は上方に付勢されている案内装置上に、前記高分子フィルムを貼り合わせた前記第1複屈折板又は前記第2複屈折板の一方を保持させ、その下方に存在している下側圧着板上に配置されている前記第1複屈折板又は前記第2複屈折板の他方から離間させて前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを対向配置させた後、上側圧着板を降下させて前記案内装置に保持された前記第1複屈折板又は前記第2複屈折板の一方を前記案内装置の付勢力に抗して降下させて、前記上側圧着板で前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを接近させ、前記第1複屈折板、前記高分子フィルム及び前記第2複屈折板を前記上側圧着板と前記下側圧着板との間に挟んで圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第4の発明は、第1〜3の発明のいずれかに記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程が、加熱した上下の圧着板の間に挟んで圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第5の発明は、第1の発明の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第1貼り合わせ工程が、前記高分子フィルムに前記第1複屈折板を真空雰囲気下で圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第6の発明は、第1〜5の発明のいずれかに記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程で製造した光学ローパスフィルタに加熱しながら圧力を加える加圧処理工程を有することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第7の発明は、第1〜6の発明のいずれかに記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記真空雰囲気は500Paから1Paの範囲内であることを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第8の発明は、第1〜6の発明のいずれかに記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、圧着する加圧力を1969600Paから4596000Paの範囲内としたことを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
第9の発明は、第4の発明の光学ローパスフィルタの製造方法において、第2貼り合わせ工程で加熱する温度を30℃から80℃の範囲内としたことを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法を提供する。
以下、本発明の光学ローパスフィルタの製造方法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明の光学ローパスフィルタの製造方法の対象となる光学ローパスフィルタとしては、2枚の複屈折板の間に高分子フィルムからなる1/4波長板を挟んだ構造の垂直付加タイプの3層構造を挙げることができる。複屈折板は、通常は所定の結晶面を有する水晶板が用いられる。1/4波長板を構成する高分子フィルムとしては、一軸延伸したプラスチックフィルムが挙げられる。1/4波長板は入射光の偏光状態を直線偏光から円偏光に変換する機能を有する。一軸延伸した所定の厚さの高分子フィルムは入射光の波長が大きくなるほど複屈折率が大きくなる特性を有する。一軸延伸した高分子フィルムは、例えば、厚さが約80μmのプラスチックフィルムである。これらの複屈折板と高分子フィルムとは光学軸がそれぞれ所定の方向になるように相互に精密に配置される必要がある。
高分子フィルムの両面に複屈折板を貼り合わせるために、粘着剤又は接着剤が用いられる。接着剤としては、通常は生産効率がよい紫外線硬化型が選択される。粘着剤としては、光透過性が良好なタイプが選択され、高分子フィルムの両面に厚さが20μm程度の粘着剤層が形成され、両面粘着テープのような形態で供給される場合がある。また、高分子フィルムの一方の面にだけ粘着剤層が形成される場合もある。この高分子フィルムは、粘着剤層が設けられていない面は接着剤によって接着する。
図1は、光学ローパスフィルタの主要な製造工程の一例を示すフローチャートである。この光学ローパスフィルタの製造工程は、赤外カット膜と反射防止膜を形成した第1複屈折板と第2複屈折板を用いて貼り合わせる場合と貼り合わせた後で赤外カット膜と反射防止膜を形成する場合とがある。赤外カット膜と反射防止膜を形成した第1複屈折板と第2複屈折板を用いて貼り合わせる場合は、第1複屈折板と第2複屈折板のそれぞれの外面側となる片面それぞれに赤外カット膜成膜工程と反射防止膜成膜工程を行う。赤外カット膜を成膜すると、複屈折板にそりが生じる場合があるため、貼り合わせ後、赤外カット膜と反射防止膜を成膜することが好ましい。
通常の工程は、第1複屈折板に高分子フィルムを貼り合わせる第1貼り合わせ工程後、第1複屈折板に貼り合わせた高分子フィルムを第2複屈折板に貼り合わせる第2貼り合わせ工程を行い3層構造の光学ローパスフィルタを製造する。その後、必要により、光学ローパスフィルタに対して加温しながら加圧して貼り合わせを更に強固にする加圧処理工程を行う。次に、必要により、光学ローパスフィルタの一方の面に赤外カットフィルタを形成する赤外カット膜成膜工程と、光学ローパスフィルタの他方の面に反射防止膜を形成する反射防止膜成膜工程を行い、光学ローパスフィルタに赤外カットの機能を付加すると共に、反射を減らし光線透過率を向上させる機能を付加する。最後に、光学ローパスフィルタとして必要な大きさに切断する切断工程を行い、その後は検査工程、梱包工程を経て最終的に光学ローパスフィルタの製品として出荷される。
第1貼り合わせ工程の第1複屈折板に高分子フィルムを貼り合わせる方法としては、複屈折板は硬質の水晶板であり、高分子フィルムは軟質であることから、水晶板に対して高分子フィルムをローラで気泡を押し出すように貼り合わせることにより、大気中で貼り合わせが可能である。また、生産効率は低下するが、第1貼り合わせ工程を真空雰囲気中で行うようにしても良い。
第1複屈折板に貼り合わせた高分子フィルムを第2複屈折板に貼り合わせる第2貼り合わせ工程では、硬質板相互を貼り合わせるため、真空雰囲気下で貼り合わせすることが必要である。
図2(a)は、第1貼り合わせ工程と第2貼り合わせ工程の両方に使用することができる真空貼り合わせ装置の概要の構成を示す側面透視図である。
図2(b)は、案内装置の拡大図、図2(c)は貼り合わせる際に第1複屈折板と高分子フィルムとの重ね合わせの位置関係を示す平面図、図2(d)は、真空貼り合わせ装置で圧着動作を行っている状態を示す側面図である。
この真空貼り合わせ装置100は、図2(a)に示すように、真空チャンバ110を備え、図示しない真空装置に真空配管111で接続され、真空引きが可能になっている。真空チャンバ110内の底面に上面が平滑に仕上げられた平らな定盤である下側圧着板121が配置されている。下側圧着板121は第1複屈折板1よりも大きく、第1複屈折板1を載置したときに、第1複屈折板1全体を保持して周囲に余裕がある程度の大きさである。下側圧着板121の両端部側には下側圧着板121を貫通して案内装置130が上下に昇降可能に配設されている。
この案内装置130は、図2(b)の拡大図に示すように、下側圧着板121に垂直方向に昇降可能に保持されている昇降ピン131の上端に針金が外方に向かってL字状に屈曲された形状の案内保持部132が設けられている。この案内保持部132は、矩形状の第1複屈折板1の短辺11の両端縁を保持できると共に、短辺11の両側面の位置を両側から規制する。昇降ピン131は弾性部材133によって上方に付勢され、常時は案内保持部132が下側圧着板121の上面から上方に離間している。この案内保持部132に第1複屈折板1を保持させることにより、第1複屈折板1を空中に保持させることができる。昇降ピン131は垂直下向きに押されることにより、弾性部材133の付勢力に抗して降下し、案内保持部132で保持された第1複屈折板1を下側圧着板121の上面に接触させる位置まで降下するようになっている。弾性部材133としては、図示のコイルバネ以外に板バネ、流体バネ等のバネやゴムなどの弾性体を例示することができる。
高分子フィルム2の幅は、図2(c)に示すように、第1複屈折板1の長さよりもわずかに狭く、両側の昇降ピン131の間の離間距離よりもわずかに狭く形成されている。そのため、図2(b)に示すように、高分子フィルム2を昇降ピン131間の下側圧着板121の上に載置できる。
真空チャンバ110の上壁を貫いて図示しない駆動装置によって垂直方向に昇降するように駆動される昇降軸141が配設され、昇降軸141の下端には上側圧着板142が固定されている。この上側圧着板142の下面は、下側圧着板121の上面と平行になっていて、平滑に仕上げられている。上側圧着板142は、下側圧着板121とほぼ同じ形状で、第1複屈折板1の全体を覆うことができる形状、大きさになっている。昇降軸142の駆動は、上側圧着板142を下降させたときに、下側圧着板121の上面に接して加圧できる位置まで下降できるようになっている。
このような真空貼り合わせ装置100を用いて、図2を参照しながら第1貼り合わせ工程を真空雰囲気下で行う方法について説明する。この場合の高分子フィルム2は、両面に粘着剤層が設けられたタイプのものを使用することとして説明する。
第1複屈折板1と第2複屈折板3は予め洗浄工程で洗浄され、表面の付着物が除去されたものを使用する。まず、真空チャンバ110の図示しない扉を開いて一方の粘着剤層を露出させた高分子フィルム2を露出させた粘着剤層を上にして下側圧着板121の上の所定の位置に載置する。次に、案内装置130の案内保持部132の上に第1複屈折板1を載置する。これにより、第1複屈折板1と高分子フィルム2の配置は、図2(c)に示すような重なりの配置となる。即ち、上から見ると、第1複屈折板1の短辺11側の両端縁が高分子フィルム2の両端縁から外方にはみ出している。第1複屈折板1の短辺11側の両端縁が案内装置130の案内保持部132で保持され、第1複屈折板1は高分子フィルム2の上方の空間に保持され、高分子フィルム2から離間して対向配置されている。
次に、真空チャンバ110の図示しない扉を閉じて図示しない真空装置を作動させ、真空チャンバ110内を真空配管111を介して真空引きする。真空チャンバ110内が所定の真空度に達した後、昇降軸141を図示しない駆動装置で駆動して下降させる。昇降軸141が下降し、上側圧着板142が下降していくと案内保持部132の上端に接し、上側圧着板142が昇降ピン131を上方に付勢している弾性部材133の付勢力に抗して案内保持部132を押し下げながら下降し、案内保持部132に保持されている第1複屈折板1を下側圧着板121に載置されている高分子フィルム2に当接させた後、上側圧着板142で第1複屈折板1を所定の圧力で押圧する。これにより、図2(d)に示すように、上側圧着板142と下側圧着板121との間に第1複屈折板1と高分子フィルム2とを挟んで所定の圧力で圧着する。このときの第1複屈折板1と高分子フィルム2の重なりは図2(c)に示した配置が保たれている。所定時間圧着した後、図示しない駆動装置を駆動させて昇降軸141を上昇させ、上側圧着板142を上昇させる。上側圧着板142の上昇に伴って案内保持部132が弾性部材133の付勢力で高分子フィルム2が貼り合わされた第1複屈折板1を保持したまま上昇し、元の位置に復帰する。
次に、真空チャンバ110の真空配管111を遮断し、真空チャンバ110内に大気を導入し、大気圧に戻して第1貼り合わせ工程が終了する。
次に、図3を参照しながら真空貼り合わせ装置100を使用して第2貼り合わせ工程を行う方法の説明を行う。図3(a)は第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3の重なりを説明する平面図であり、図3(b)は真空貼り合わせ装置にセットした状態を示す断面図であり、図3(c)は圧着している状態を示す断面図である。
まず、真空チャンバ110の図示しない扉を開いて高分子フィルム2が貼り合わされた第1複屈折板1を取り出し、図3(b)に示すように、下側圧着板121の上面に第2複屈折板3を所定の位置に載置する。高分子フィルム2のもう一方の粘着剤層を露出させ、露出した粘着剤層を下にして案内装置130の案内保持部132に第1複屈折板1を再度保持させる。このときの第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3の垂直方向の重なりは、図3(a)に示すように、矩形状の第1複屈折板1と同じ矩形状の第2複屈折板3とは直交するように配置され、第2複屈折板3の紙面左右方向の幅は高分子フィルム2の同じ方向の幅よりも狭くなっている。下側圧着板121の上に載置されている第2複屈折板3と案内保持部132に保持されている第1複屈折板1に貼り合わされている高分子フィルム2とは離間して対向されて配置されている。
図3(b)に示すような配置状態で、真空チャンバ110内を真空配管111を介して真空引きし、所定の真空度に達した後、昇降軸141を図示しない駆動装置を駆動させて下降させ、上側圧着板142が下降していくと案内保持部132の上端に接し、上側圧着板142が昇降ピン131を上方に付勢している弾性部材133の付勢力に抗して案内保持部132を押し下げながら下降し、案内保持部132に保持されている第1複屈折板1に貼り合わされている高分子フィルム2を下側圧着板121に載置されている第2複屈折板3と当接させた後、上側圧着板142で第1複屈折板1を所定の圧力で押圧する。
これにより、図3(c)に示すように、上側圧着板142と下側圧着板121との間に第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3を挟んで図示しない駆動装置の駆動力を伝達する昇降軸141を介して所定の圧力で押圧する。
所定時間圧着した後、図示しない駆動装置を駆動させて昇降軸141を上昇させ、上側圧着板142を上昇させる。上側圧着板142の上昇に伴って案内保持部132が弾性部材133の付勢力で高分子フィルム2に第2複屈折板3が貼り合わされた第1複屈折板1を保持したまま上昇し、元の位置に復帰する。次に、真空チャンバ110の真空配管111を閉じ、真空チャンバ110内に大気を導入し、大気圧に戻し、真空チャンバ110の図示しない扉を開けて高分子フィルム2の両面に第1複屈折板1と第2複屈折板3とが貼り合わされた光学ローパスフィルタを取り出す。
このような真空貼り合わせ装置100を用いて高分子フィルム2の両面に第1複屈折板1と第2複屈折板3を貼り合わせる方法は、真空雰囲気中で貼り合わせるため、高分子フィルム2と複屈折板1,3との間に気泡が存在することを確実に防止することができる。
また、案内装置130の案内保持部132に第1複屈折板1を載置することにより、第1複屈折板1を位置決めすることができ、案内保持部132に保持された状態で上側圧着板142によって案内保持部132が垂直に押し下げられ、第1複屈折板1が降下して下方の下側圧着板121の上の所定の位置に配置されている高分子フィルム2又は第2複屈折板3と所定の配置で正確に重ね合わされ、圧着される。そのため、第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3の光学軸を真空雰囲気中でそれぞれ正確に配置して精度良く貼り合わせることができる。
上記第2貼り合わせ工程の説明では、第1複屈折板1を案内保持部132に保持させていたが、第2複屈折板3を案内保持部132に保持させ、高分子フィルム2を貼り合わせた第1複屈折板1を下側圧着板121に載置するようにしても良い。
また、上記説明では、第1貼り合わせ工程と第2貼り合わせ工程の両方を真空貼り合わせ装置100を用いて行っているが、本発明においては、第1貼り合わせ工程は真空雰囲気下でなくても済むため、第2貼り合わせ工程だけを真空雰囲気中で行うことが生産効率の面で好ましい。
また、両面に粘着剤層を設けた高分子フィルムを用いた例を示したが、接着剤を用いてもよい。この場合、紫外線硬化をさせるために、上側圧着板142と下側圧着板121とは、紫外線透過性のガラス等で構成することが好ましく、紫外線照射ランプを真空チャンバ110内に配置することが好ましい。また、接着剤を塗布する前工程を設けることも必要である。
また、図4に示すように、粘着剤で貼り合わせる場合、上側圧着板142と下側圧着板121にそれぞれ電気ヒータ等の加熱手段150を内蔵させることが好ましい。圧着するときに粘着剤を加熱手段で加熱することにより、粘着剤を軟化させて表面の凹凸を無くし、粘着剤による貼り合わせを強固にすることができる。
さらに、発明者は複屈折板と高分子フィルムを貼り合わせる条件である、真空雰囲気(真空度)、加熱温度(貼り合わせ温度)、圧着する加圧力について実験を行い、複屈折板と高分子フィルムの貼り合わせ面に気泡残りを減少させ、製造歩留まりを向上させる良好なる条件を見出した。以下にその説明を行う。
表1は、複屈折板と高分子フィルムを貼り合わせたときの、真空度の変化に対する貼り合わせ面に残る気泡の面積を計測した結果である。気泡面積は複雑な形状をしており、便宜上、気泡における長手方向の寸法と、この長手方向の長さにほぼ垂直方向の寸法の積とした。
また、試料としては大きさ50mm×50mm、厚さ0.7mmの複屈折板と、両面にアクリル系の粘着剤層(厚さ約20μm)を形成したポリカーボネートを素材とする高分子フィルム(厚さ約80μm)を用いた。
他の貼り合わせ条件をしては、貼り合わせ温度40℃、圧着する加圧力を196000Pa、圧着時間を3分とした。なお、貼り合わせ温度とは、貼り合わせを行う複屈折板と高分子フィルムの温度である。
Figure 0004277721
この結果によれば、真空度が500Paから1Paの範囲において、貼り合わせ面に気泡が存在しない、良好な貼り付け条件が得られている。
次に、前述の実験と同様の手法を用い、また、同じ試料を用い、貼り合わせ温度を変化させたときの貼り合わせ面に残る気泡の面積を計測した結果を表2に示す。
他の貼り合わせ条件としては、真空度を100Pa、圧着する加圧力を196000Pa、圧着時間を3分とした。
Figure 0004277721
この結果によれば、貼り合わせ温度が30℃から80℃の範囲において、貼り合わせ面に気泡が存在しない、良好な貼り合わせ条件が得られている。
さらに、前述の実験と同じ試料を用い、圧着する加圧力を変化させたときの貼り合わせ面に残る気泡の面積を計測した結果を表3に示す。
他の貼り合わせ条件としては、真空度を100Pa、貼り合わせ温度を40℃、圧着時間を3分とした。
Figure 0004277721
この結果によれば、圧着の加圧力が1969600Paから4596000Paの範囲において、貼り合わせ面に気泡が存在しない、良好な貼り合わせ条件が得られている。
次に、真空貼り合わせ装置を用いて第2貼り合わせ工程を行う場合の、他の実施形態について図5を参照しながら説明する。図5(a)は第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3の重なりを説明する平面図であり、図5(b)は真空貼り合わせ装置にセットした状態を示す断面図であり、図5(c)は圧着している状態を示す断面図である。
まず、図5(b)に示すように、下側圧着板121の上面には緩衝材5が配置され、緩衝材5の上に第2複屈折板3を所定の位置に載置する。なお、緩衝材5の材質としては、シリコンゴムなどのゴムシートや、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタート、ウレタンなどの発泡品や樹脂シート、または、上質紙、コピー用紙、ダンボール、防塵紙などの紙類、木綿、ナイロンなどの繊維類、牛皮などの皮類、などの金属よりやわらかい材質のものから選択できる。
次に、高分子フィルム2が貼り合わされた第1複屈折板1の高分子フィルム2のもう一方の粘着剤層を露出させ、露出した粘着剤層を下にして案内装置130の案内保持部132に第1複屈折板1を再度保持させる。このときの第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3の垂直方向の重なりは、図5(a)に示すように、矩形状の第1複屈折板1と同じ矩形状の第2複屈折板3とは直交するように配置され、第2複屈折板3の紙面左右方向の幅は高分子フィルム2の同じ方向の幅よりも狭くなっている。下側圧着板121の上に載置されている第2複屈折板3と、案内保持部132に保持されている第1複屈折板1に貼り合わされている高分子フィルム2とは離間して対向されて配置されている。
図5(b)に示すような配置状態で、真空チャンバ110内が真空配管111を介して真空引きされ、所定の真空度に達した後、昇降軸141を図示しない駆動装置を駆動させて下降させる。この際、上側圧着板142が下降していくと案内保持部132の上端に接し、上側圧着板142が昇降ピン131を上方に付勢している弾性部材133の付勢力に抗して案内保持部132を押し下げながら下降し、案内保持部132に保持されている第1複屈折板1に貼り合わされている高分子フィルム2を、下側圧着板121に載置されている第2複屈折板3と当接させた後、上側圧着板142で第1複屈折板1を所定の圧力で押圧する。
これにより、図5(c)に示すように、上側圧着板142と下側圧着板121との間に第1複屈折板1、高分子フィルム2及び第2複屈折板3を挟んで図示しない駆動装置の駆動力を伝達する昇降軸141を介して所定の圧力で押圧する。
所定時間圧着した後、図示しない駆動装置を駆動させて昇降軸141を上昇させ、上側圧着板142を上昇させる。上側圧着板142の上昇に伴って案内保持部132が弾性部材133の付勢力で高分子フィルム2に第2複屈折板3が貼り合わされた第1複屈折板1を保持したまま上昇し、元の位置に復帰する。次に、真空チャンバ110の真空配管111を閉じ、真空チャンバ110内に大気を導入し、大気圧に戻し、真空チャンバ110の図示しない扉を開けて高分子フィルム2の両面に第1複屈折板1と第2複屈折板3とが貼り合わされた光学ローパスフィルタを取り出す。
ここで、緩衝材5を第2複屈折板3と下側圧着板121の間に挟んで貼り合わせを行うことの効果について説明をする。
発明者は実験により緩衝材5を第2複屈折板3と下側圧着板121の間に配置した場合と配置しない場合での貼り合わせ面に残る気泡を比較した。
表4は、上記の構成における複屈折板と高分子フィルムを貼り合わせ、圧着時間を変化させたときの貼り合わせ面に残る気泡の面積を計測した結果である。気泡面積は複雑な形状をしており、便宜上、気泡における長手方向の長さと、この長手方向にほぼ垂直方向の長さの積とした。
また、試料としては大きさ50mm×50mm、厚さ0.7mmの複屈折板と、両面にアクリル系の粘着剤層(厚さ約20μm)を形成したポリカーボネートを素材とする高分子フィルム(厚さ約80μm)を用いた。緩衝材としては、防塵紙を用いた。
他の貼り合わせ条件をしては、貼り合わせ温度40℃、真空度を100Pa、圧着する加圧力を196000Paとした。
Figure 0004277721
この結果によれば、緩衝材を配置した場合には圧着時間が0.5分以上で気泡の存在が確認されず、緩衝材を配置しない場合には圧着時間が3分以上で気泡の存在が確認されなくなる。このことは、緩衝材を配置したことにより、貼り合わせ面に均一な加圧力を加えることが可能となり、例えば同じ圧着時間で比較すれば、均一な加圧力で圧着できるため、気泡の存在を減少させることができ、さらに粘着剤による貼り合わせをより強固にすることができる。
このような真空貼り合わせ装置100を用いて高分子フィルム2の両面に第1複屈折板1と第2複屈折板3を貼り合わせる方法は、真空雰囲気中で貼り合わせ、しかも緩衝材5を第2複屈折板3と下側圧着板121の間に配置することにより、高分子フィルム2と複屈折板1,3との間に気泡が存在することを確実に防止することができる。
なお、本実施形態においては、下側圧着板と複屈折板との間に緩衝材を配置した例を記載したが、この限りではなく、上側圧着板と複屈折板との間、或いは上下双方の圧着板と複屈折板との間に緩衝材を配置してもよい。
第2貼り合わせ工程後の加圧工程は、粘着剤で貼り合わせる場合に貼り合わせを強固にするために行われる。加圧工程は、第2貼り合わせ工程で十分な貼り合わせ強度が得られる場合には不要である。加圧方法は、例えばオートクレーブ中に高分子フィルム2の両面に複屈折板1,3を貼り合わせた光学ローパスフィルタを収納し、圧縮空気等の高圧ガスをオートクレーブ中に導入し、蓋を閉じ、オートクレーブに内蔵されているヒータで加熱することにより、高圧ガスの高圧と加温の雰囲気下で光学ローパスフィルタに加熱しながら圧力を加えることにより行われる。高圧ガスの圧力は例えば0.3MPa〜オートクレーブの耐圧の上限である30MPa程度の範囲であり、温度は70〜120℃程度である。また、通常の加熱された圧着板を用いて加熱しながら圧力を加えるようにしても良い。
赤外カット膜成膜工程で赤外カットフィルタを成膜するのは、次の理由による。即ち、CCDは比較的広い波長の光に感度があり、可視光領域のみならず近赤外領域(750〜2500nm)の光にも感度が良好である。しかし、通常のカメラの用途では、人間の眼に見えない赤外領域は不要であり、近赤外線が撮像素子に入射すると解像度の低下や画像のムラなどの不都合を引き起こす。そのため、ビデオカメラ等の光学系には色ガラスなどの赤外カットフィルタが挿入され、入射する光の中の近赤外線をカットするようになっている。本実施形態の光学ローパスフィルタでは、赤外カットフィルタを設けることにより、光学ローパスフィルタに赤外カットの機能を付加し、部品としての赤外カットフィルタを不要とし、部品点数の削減を図っている。
赤外カットフィルタは、TiO2、Nb25、Ta25等の高屈折率の誘電体からなる高屈折率層とSiO2、MgF2等の低屈折率の誘電体層からなる低屈折率層が交互に数層から数十層積層されている構造を有する。
高屈折率層と低屈折率層とを交互に基板上に成膜するには、物理的成膜法が一般的であり、通常の真空蒸着法でも可能であるが、膜の屈折率の安定した制御が可能で、保管・仕様環境変化による分光特性の経時変化が少ない膜を作成できるイオンアシスト蒸着やイオンプレーティング法、スパッタリング法が望ましい。
真空蒸着法は、高真空中で薄膜材料を加熱蒸発させ、この蒸発粒子を基板上に堆積させて薄膜を形成する方法である。イオンアシスト蒸着は、真空蒸着装置の中にイオンビーム発生装置とニュートライザーを備え、薄膜材料を気化させ、イオンビーム発生装置で不活性ガス又は酸素ガスをイオン化及び加速してイオンビームを基板に向けて出射すると共にニュートライザーでイオンビームを無帯電気体化しながら気化した薄膜材料を加速したり、基板上に付着した薄膜材料を撹拌(ミキシング)することにより活性化して蒸着させる方法である。イオンプレーティング法は、蒸着粒子をイオン化し、電界により加速して基板に付着させたり、ガスイオンで基板上を活性化させながら成膜する方法であり、APS(Advanced Plasma Source)、EBEP(Electron Beam Excited Plasma)法、RF(Radio Frequency)直接基板印加法(成膜室内に高周波ガスプラズマを発生させた状態で反応性の真空蒸着を行う方法)などの方式がある。スパッタリング法は、電界により加速したイオンを薄膜材料に衝突させて薄膜材料を叩き出すスパッタリングにより薄膜材料を蒸発させ、蒸発粒子を基板上に堆積させる薄膜形成方法である。
高分子フィルムの両面に水晶板を貼り合わせたローパスフィルタは、高分子フィルムや粘着剤が熱に弱いため、100℃以下の温度の低温成膜を行うことが好ましい。
反射防止膜は、無機被膜、有機被膜の単層または多層で構成される。無機被膜と有機被膜との多層構造であってもよい。無機被膜の材質としては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti23、Ti25、Al23、Ta25、CeO2、MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3等の無機物が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。また、多層膜構成とした場合は、最外層はSiO2とすることが好ましい。
無機被膜の多層膜としては、基材側からZrO2層とSiO2層の合計光学膜厚がλ/4,ZrO2層の光学的膜厚がλ/4、最上層のSiO2層の光学的膜厚がλ/4の4層構造を例示することができる。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。
無機被膜の成膜方法は、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
有機被膜の材質は、例えばFFP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等を挙げることができ、基材の屈折率を考慮して選定される。成膜方法は、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗装方法で成膜することができる。
本発明の光学ローパスフィルタの製造方法では、これらの赤外カット膜成膜工程と反射防止膜成膜工程とは、省略することが可能である。
(発明の効果)
本発明の光学ローパスフィルタの製造方法によれば、高分子フィルムと複屈折板との間に気泡が存在することを確実に防止することができると共に、生産性が良好である。
また、本発明の光学ローパスフィルタの製造方法によれば、真空雰囲気中で正確な位置に貼り合わせをすることができる。
本発明の光学ローパスフィルタの製造方法の製造工程の一例を示すフローチャートである。 真空貼り合わせ装置を用いて第1貼り合わせ工程を行う場合を示すもので、(a)は真空貼り合わせ装置の概要を示す構成図、(b)は案内装置を示す拡大断面図、(c)は第1複屈折板と高分子フィルムとの重なりの配置関係を示す平面図、(d)は上側圧着板と下側圧着板との間で圧着している状態を示す断面図である。 真空貼り合わせ装置を用いて第2貼り合わせ工程を行う場合を示すもので、(a)は第1複屈折板、高分子フィルム及び第2複屈折板の重なりの配置関係を示す平面図、(b)は第1複屈折板、高分子フィルム及び第2複屈折板の垂直方向の配置関係を示す断面図、(c)は上側圧着板と下側圧着板との間で圧着している状態を示す断面図である。 それぞれ加熱手段を内蔵させた上側圧着板と下側圧着板とを示す概略構成図である。 真空貼り合わせ装置を用いて第2貼り合わせ工程を行う場合の他の実施形態を示すもので、(a)は第1複屈折板、高分子フィルム及び第2複屈折板の重なりの配置関係を示す平面図、(b)は第1複屈折板、高分子フィルム及び第2複屈折板の垂直方向の配置関係を示す断面図、(c)は上側圧着板と下側圧着板との間で圧着している状態を示す断面図である。
符号の説明
1…第1複屈折板、2…高分子フィルム、3…第2複屈折板、5…緩衝材、100…真空貼り合わせ装置、110…真空チャンバ、121…下側圧着板、130…案内装置、131…昇降ピン、132…案内保持部、142…上側圧着板。

Claims (9)

  1. 硬質の第1複屈折板と硬質の第2複屈折板との間に高分子フィルムを挟んだ光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第1複屈折板に前記高分子フィルムを貼り合わせる第1貼り合わせ工程と、第1貼り合わせ工程後、前記高分子フィルムに前記第2複屈折板を真空雰囲気下で圧着する第2貼り合わせ工程と、を有し、
    前記第2貼り合わせ工程において、下側圧着板と前記複屈折板との間、または/及び、上側圧着板と前記複屈折板との間に緩衝材を挟んで圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  2. 請求項1記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程が、真空雰囲気下で、前記高分子フィルムを貼り合わせた前記第1複屈折板と前記第2複屈折板とを離間させて前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを対向配置させた後、前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを接近させ、これらを圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  3. 請求項1記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程が、真空雰囲気下で、上下に昇降し、常時は上方に付勢されている案内装置上に、前記高分子フィルムを貼り合わせた前記第1複屈折板又は前記第2複屈折板の一方を保持させ、その下方に存在している下側圧着板上に配置されている前記第1複屈折板又は前記第2複屈折板の他方から離間させて前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを対向配置させた後、上側圧着板を降下させて前記案内装置に保持された前記第1複屈折板又は前記第2複屈折板の一方を前記案内装置の付勢力に抗して降下させて、前記上側圧着板で前記高分子フィルムと前記第2複屈折板とを接近させ、前記第1複屈折板、前記高分子フィルム及び前記第2複屈折板を前記上側圧着板と前記下側圧着板との間に挟んで圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程が、加熱した上下の圧着板の間に挟んで圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  5. 請求項1記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第1貼り合わせ工程が、前記高分子フィルムに前記第1複屈折板を真空雰囲気下で圧着することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか一項に記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程で製造した光学ローパスフィルタに加熱しながら圧力を加える加圧処理工程を有することを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  7. 請求項1〜5いずれか一項に記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記真空雰囲気は500Paから1Paの範囲内であることを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  8. 請求項1〜5いずれか一項に記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、圧着する加圧力を1969600Paから4596000Paの範囲内としたことを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
  9. 請求項4に記載の光学ローパスフィルタの製造方法において、前記第2貼り合わせ工程で加熱する温度を30℃から80℃の範囲内としたことを特徴とする光学ローパスフィルタの製造方法。
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