本発明は足場システムに係り、より詳しくは、所定の装備への取り付けに当たり、取り付け装置への異物の落下防止及び作業の便宜を図るために設けられる支持パネルを支える構造を改善して組立て及び撤去を容易に行うことのできる足場システムに関する。
通常、液化天然ガスは、メタンを主成分とする天然ガスを極低温の状態にしてその体積を圧縮したものであり、これを運搬するための輸送船は、液化天然ガスを貯蔵するタンクの断熱方式によって、独立型のものとメンブレン型のものとに大別できる。
前記輸送船における液化天然ガスの貯蔵タンクは、内部の断熱のためにその内壁に設けられるメンブレンが極めて薄く、その取付け高さが極めて大きくなっている。このため、前記貯蔵タンク及び周辺施設の取付け作業に際しては、前記貯蔵タンクへの異物の落下及び接触を防ぐ目的で、足場システムを構成してから作業を行っている。このような通常の足場システムは、図1に示してある。
図1は、通常の足場システムを示す斜視図である。
図1を参照すると、液化天然ガスが貯えられる貯蔵タンク1に何らかの作業を行うための足場システムには、左右の両側部分と途中部分にそれぞれ足場支柱2が設けられる。これらの足場支柱2は、作業員の作業及び移動スペースに用いられる支持パネル5を取り付けるためのものであり、この支持パネル5は、前記足場支柱2に連ねるボードベア4により支えられる。また、前記足場支柱2には、作業員が移動または作業を行うときに空間をガイドして前記作業員を支えるためのガイドレール3が設けられる。前記ガイドレール3は、前記支持パネル5の上側に作業員をガイドまたは支持できる高さで、両端が隣り合う足場支柱2にそれぞれ固定される。
図2(a)は、従来の技術による足場システムの支持パネルの底面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるI−I線断面拡大図である。
図2を参照すると、前記ボードベア4は、前記足場支柱2の一方の側と他方の側においてそれぞれ固定されて前記支持パネル5を支える。このために、前記一方の側と他方の側におけるボードベア(board bear)4の間には、上側に位置する支持パネル5を支えるための多数のフレーム6が挿置される。
このとき、前記フレーム6の先端には、前面と両側面が開口され、上面と下面にそれぞれ締結孔6bが形成されて全体としてコ字状を呈する締結部6aが形成される。また、前記ボードベア4には、前記フレーム6が密接される一方の面に前記締結部6aと結合する連結部4aが形成される。この連結部4aは、前面と両側面が端面を形成し、かつ、上面と下面が開口されたような形状を呈する。
このため、前記フレーム6における締結部6aの開口された内側に前記連結部4aが据付可能に、前記フレーム6を前記ボードベア4の一方の面に密接する。そして、前記締結部6aの前面に形成されている締結孔にテーパーキー7aを差し込み、このテーパーキー7aを前記連結部4aの開口面、すなわち、上下面に通させて前記締結部6aの下面に突出させる。このように、前記テーパーキー7aが前記連結部4aと締結部6aを固定することにより、前記フレーム6が前記ボードベア4に固定される。
図3(a)及び図3(b)は、それぞれ図1におけるA部分及びB部分の拡大斜視図であり、従来の技術による足場システムの足場支柱連結装置にボードベア4またはガイドレール3が取り付けられている状態である。
図3を参照すると、従来の足場支柱連結装置には、前記足場支柱2の外周面に前記ガイドレール3またはボードベア4を取り付けるための連結金具2aが溶接される。
前記連結金具2aは略コ字状に折り曲げられた部材であり、その両端部が前記足場支柱2に溶接される。これにより、前記連結金具2a及び前記足場支柱2により囲まれ、且つ、上側と下側が開口された貫通孔2bが形成される。
このようにして形成される連結金具2aは、図3(a)に示すように、前記足場支柱2の片側に設けられても良く、図3(b)に示すように、前記足場支柱2の前面と背面、そして両側にそれぞれ設けられても良い。
さらに、前記ガイドレール3または前記ボードベア4の両端にはそれぞれ、上側において平面を形成する上面プレート3a、4aと、前記上面プレート3a、4aと対向するような平面を形成する下面プレート3b、4bとが形成され、前面は開口される。また、前記上面プレート3a、4a及び前記下面プレート3b、4bには、それぞれの同一線上を貫通する挿入孔3c、4cが形成される。
一方、前記足場支柱の連結金具は、前記貫通孔2bの上、下側に前記ガイドレール3または前記ボードベア4の上面プレート3a、4aと下面プレート3b、4bの挿入孔3c、4cがそれぞれ位置するように配設された状態で、前記貫通孔2b及び前記挿入孔3c、4cにテーパーキー7b、7cが差し込まれる。
前記テーパーキー7b、7cは、先ず、その下側が前記前記プレート3a、4aの挿入孔3c、4cに挿入されて前記貫通孔2bを貫通した後、前記下プレート3b、4bの挿入孔3c、4cを通って突出され、これにより、前記足場支柱2と前記ガイドレール3または前記ボードベア4とが固定される。
このために、前記テーパーキー7b、7cは、一方の側面が垂直端面を呈すると共に、他方の側面は下方に進むにつれて狭幅となる傾斜面を呈する。
しかしながら、上記の如き従来の足場システムは、前記フレームとボードベアをつなぐフレーム連結装置が別体のテーパーキーにより固定されるが故に、前記テーパーキーの紛失またはその数量の不足時には作業を行うことが困難になり、別途の管理が求められていた。また、従来の足場システムは、複数のガイドレールまたはボードベアの連結が容易ではなく、網などを別途に張る必要があるときには、別途の連結装置が必要とされていた。さらに、従来の足場システムは、前記ボードベアまたはガイドレールの連結のための連結金具が前記足場支柱に溶接されるが故に、取付け高さを変えることができず、しかも、他の足場支柱と同じ個所に連結金具を溶接する必要があるが故に、作業が決して容易ではなかった。なおかつ、溶接に起因して前記足場支柱と前記ボードベアまたはガイドレールとの連結部が熱的損傷を受けて変色が起こり、しかも、錆などが形成され、塗色を行う必要があるという不都合があった。加えて、従来の足場システムは、前記足場支柱とガイドレールまたはボードベアとの結合が堅固ではないため、振動または外力により前記テーパーキーが外されたり、締付力が弛まったりする恐れがあった。これにより、前記足場支柱からガイドレールまたはボードベアが離脱する可能性があり、これは、安全事故につながるという問題点があった。
特許文献としては、一般足場技術として 特開2004−017844、特開2002−347763などがある。
特開2004−017844
特開2002−347763
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ボードベアとフレームの連結装置をそれぞれの胴体に一体化させることにより、容易に管理することができ、ボードベアまたはガイドレールの取付け位置を調節できるほか、複数の設置を可能にし、且つ、前記ガイドレールまたはボードベアを前記足場支柱に堅結することのできる足場システムを提供するところにある。
上記の不具合を解決するための本発明に係る足場システムは、地面に固定される足場支柱により支えられて作業員の移動及び作業スペースを形成する支持パネルを備える足場システムにおいて、前記支持パネルを支えるためのボードベアまたは作業員の安全のためのガイドレールを前記足場支柱に連結するための足場支柱連結装置と、前記支持パネルを支えるための多数のフレームと、前記フレームを前記ボードベアに連結するためのフレーム連結装置とを備え、前記フレーム連結装置は、一方の面から垂直端面に突き出て貫通形成された挿入孔を有する側端面結合部と、一方の面から平面に突き出て貫通形成された滑りばめ孔を有する下側平面結合部と、が形成されているボードベアと、前記挿入孔に挿入する挿入部と、他方の面において前記滑りばめ孔に挿通する滑りばめ部と、他方の面に締結されて前記滑りばめ部を上下移動自在にガイドするガイド部とが形成されているフレームとを備える。
ここで、前記挿入部は、先端における所定の部分から薄肉化が進むことにより、一方の面に傾斜面が形成されても良い。また、前記滑りばめ部は、上側において所定の面積を有する平面に形成される手摺と、前記手摺の下側に延設されて垂直端面に形成される垂直移動端面と、を備えることができる。
また、前記足場支柱連結装置は、前記足場支柱の両外周面に固定され、水平向きの端面に挿通された上ボードベア取付口を有する上ブレース取付部と、前記上ブレース取付部と所定の間隔をあけて前記足場支柱の両外周面に固定され、水平向きの端面に挿通された下ボードベア取付口を有する下ブレース取付部とを備え、前記ボードベアは、上面から上側に突出されて端面に前記上ボードベア取付口と突き合わせられる上面固定口が形成された上面固定部と、下面から下側に突出されて端面に前記下ボードベア取付口と突き合わせられる下面固定口が形成された下面固定部とを備え、前記上ブレース取付部と下ブレース取付部との隙間に挿置されることが好ましい。さらに、前記ボードベアは、一方の面において、所定の幅と長さを有し、一方向に突出する端面に挿通されたボードベアブレース取付口が形成されたボードベアブレース取付部を備えることができる。さらに、前記上ブレース取付部と下ブレース取付部は、水平向きの端面からそれぞれ対角上方及び対角下方の端面に延設され、前記対角方向の端面にブレースが取り付けられるブレース取付口が挿通されても良い。さらに、前記足場支柱の外周面における前方と後方にそれぞれ固定され、前記足場支柱の外周面に固定される端面から対角上方及び対角下方、水平向きのそれぞれの端面が分岐状に延設され、前記各端面には、前記ブレースが取り付けられる端面延設ブレース取付口がそれぞれ貫通形成される端面延設ブレース取付部をさらに備えることができる。
また、前記足場支柱連結装置は、内側が上下に貫通形成されて前記足場支柱が内側に挿入されることにより、前記足場支柱の外周面を滑摺して昇降する摺動部と、前記摺動部の外周面を貫通して前記足場支柱に固定されることにより、前記摺動部を前記足場支柱に固定する複数の前記滑りばめ部と、前記摺動部の外周面において所定の面積を有する平面に形成される上プレートと、前記上プレートの下側において一定距離をあけて所定の面積を有する平面に形成される下プレートと、前記上プレートと下プレートの平面においてそれぞれ挿通されるプレート貫通孔とを備えることができる。さらに、前記ボードベアは、所定の形状を有する平面であり、前記プレート貫通孔と突き合わせられる締結孔が形成される締結部が先端に形成されて前記上プレートと下プレートとの間に挿入されても良い。さらに、前記ガイドレールは、所定の形状を有する平面であり、前記プレート貫通孔と突き合わせられる締結孔を有する締結部が先端に形成されて前記上プレートと下プレートとの間に挿置されても良い。
前記足場支柱連結装置は、地面に固定される足場支柱の外周面に固定される下部連結金具と、前記下部連結金具の上面を覆い、上側から下側に向かって貫通する貫通孔とが形成された上プレートを有する連結部と、前記足場支柱に取り付けられるガイドレールの両端にそれぞれ形成され、前記貫通孔と突き合わせられる挿入孔がそれぞれ形成されて前記上プレートに支えられる上面プレートと、前記下部連結金具の下面を支える下面プレートとが形成される締結部と、前記貫通孔と挿入孔に挿通されて前記締結部と連結部を固定するテーパーキーとを備えることができる。
さらに、前記足場支柱連結装置は、地面に固定される足場支柱の外周面に固定され、前面が開口されて内側に中空が形成され、上面と下面には貫通孔が形成される連結部と、前記連結部の内側に挿入され、上面と下面には前記貫通孔と突き合わせられる挿入孔が形成される締結部と、前記貫通孔及び挿入孔に挿通されて前記締結部と連結部を固定するテーパーキーとを備えることができる。ここで、前記連結部は、段面コ字状に形成されても良い。また、前記締結部は、前面に垂直端面が形成される四角形状を呈しても良い。
本発明に係る足場システムは、一方の側と他方の側のボードベアにそれぞれ突設される垂直端面と所定の平面に挿通される連結装置を前記フレームの両端に一体にそれぞれ形成することにより、前記フレームとボードベアを別途の工具無しに組立て及び撤去することができ、その作業が容易であって作業時間を短縮することができる。また、複数のボードベアを同じ方向に連設することができ、上下部フランジを用いて支持及び固着することができる。
また、足場支柱の外周面において各方向から対角上方、対角下方及び水平向きにブレースを同時に連結するか、あるいは、足場支柱を中心としてボードベア同士を連結することにより、前記足場支柱に固定させ、また、上下のブレース取付部を対角方向にして上部及び下部フランジの上面と下面にそれぞれ形成することにより、別途の構成要素なしにボードベアとブレースを同時に連結させることから、作業時間の短縮及びコスト節減の効果がある。
さらに、足場支柱の外周面を滑摺して作業員の所望の個所に固定することから、前記連結装置に繋結されるボードベアとガイドレールの高さを作業場の環境に合わせて変えることができ、足場システムの取付け作業が容易になる。また、前記ガイドレールの締結部を外していて、作業開始直前にガイドレールの先端に締め付けることから、別途の溶接が不要になると共に、ガイドレールと締結部との結合部分へのさらなる塗色作業が不要になり、これは、コスト節減につながる。さらに、前記ガイドレールと締結部、連結部とをそれぞれ繋結する複数の固定手段を可撓性材質により形成することから、保管が容易であり、使用時における作業員の使い勝手を良好にできる。
さらに、上部及び下部フランジの間に締結部が挿置されて連結部と締結部との接触及び支持が全体の面積に亘って行われ、外力または振動による揺れ及び離脱を生じることなく固定できることから、安全事故を未然に防ぐことができ、また、上部及び下部フランジが分岐状に足場支柱に取り付けられることから、ガイドレールの取付け後であっても、分岐状のフランジの結合手段を取り外して連結部を上下移動させることにより、ガイドレールの水平バランスを取ることができ、その結果作業が容易になり、しかも、時間を節減できる。
加えて、足場支柱に取り付けられた連結部とガイドレールの締結部にそれぞれ形成される貫通孔と挿入孔を突き合わせ、上プレートの貫通孔と上面プレートの挿入孔による摩擦力によりテーパーキーを固定することから、従来に比べて前記テーパーキーの固定力が格段に強くなり、外力または振動が生じてもテーパーキーが離脱することなく、固定状態を保持することができる。また、連結部と締結部との接触面積が広くなり、外力または振動により左右回転が起きないように固定できることから、前記ガイドレールの安全度が高まって安全事故を予防することができる。
発明を実施するための最良の態様
図4(a)及び図4(b)は、本発明に係る足場システムのフレーム連結装置の一側の結合関係を示す斜視図であり、図5は、本発明に係る足場システムのフレームが結合されたボードベアを示す斜視図であり、そして図6は、本発明に係る足場システムのフレームの一端を示す斜視図である。
図4ないし図6を参照すると、フレーム10は、ボードベア20と繋結される。また、フレーム胴体11は、四角形状あるいはその他の形状に製作されて上側の支持パネル(図1及び図2における5)を支える。
前記ボードベア20は、図5に示すように、四角形状あるいはその他の形状を呈するボードベア胴体21と、前記ボードベア胴体21の一方の面から突設されて垂直端面をなす側端面結合部22と、前記ボードベア胴体21の一方の面から下側に突出されて所定の平面をなす下側平面結合部23とを備える。
ここで、前記側端面結合部22は、前記ボードベア胴体21の一方の面から突設され、前記ボードベア胴体21と連結される端面には、後述するフレーム10の挿入部12が挿入されるための挿入孔22aが貫通形成される。このとき、前記側端面結合部22は、前記フレーム胴体11の高さと同じ幅に形成可能である。
また、前記下側平面結合部23は、前記ボードベア胴体21の一方の面から突設され、前記側端面結合部22の下部につながる。さらに、前記下側平面結合部23の一側には、後述するフレーム10の滑りばめ部13が嵌合するための滑りばめ孔23aが形成される。
一方、前記フレーム胴体11の一方の面には、図6に示すように、挿入部12が突設される。好ましくは、前記挿入部12は所定の厚さと幅をもって形成され、その先端の所定の部分においてその厚さが薄肉化した所定の傾斜面を含む。
また、前記フレーム胴体11の他方の面には、前記ボードベア20の滑りばめ孔23aに嵌合する滑りばめ部13をガイド及び支持するガイド部14が形成される。
さらに、前記滑りばめ部13は、「┐」形状に形成され、上端部をなす手摺13aと、前記手摺13aの下端部に所定の幅と高さをもって形成される垂直移動端面13bとを備える。
さらに、前記ガイド部14は、前記フレーム胴体11の他方の面に固定される。このとき、前記ガイド部14は、両端が前記フレーム胴体11に固定され、途中部は前記フレーム胴体11の他方の面と所定の間隔をあけて形成される。一方、前記ガイド部14の途中部と前記フレーム胴体11との隙間には、前記滑りばめ部13の垂直移動端面13bが挿置され、これにより、前記フレーム胴体11と前記ボードベア20が固定される。
このようにして構成された足場システムにおいて、前記フレーム10の挿入部12は、前記側端面結合部22の挿入孔22aに嵌合する。このとき、前記フレーム10の滑りばめ部13の垂直移動端面13bと前記ボードベア20における下側平面結合部23の滑りばめ孔23aを突き合わせると、前記フレーム胴体11の先端が前記下側平面結合部23に定着する。
さらに、前記挿入部12が前記挿入孔22aに嵌合すると、厚くなった挿入部12の一側と前記挿入孔22aの接触面との摩擦力が強くなって結合力が強化する。
そして、前記滑りばめ部13の垂直移動端面13bが前記滑りばめ孔23aに合わせられると、ユーザが前記滑りばめ部13の手摺13aを手にとって前記垂直移動端面13bを下降させ、前記滑りばめ孔23aに通させる。
これにより、前記フレーム10は、前記挿入部12と側端面結合部22間、及び滑りばめ部13と下側平面結合部23間がそれぞれ結合され、その結果、前記ボードベア20に結合される。
図7(a)及び図7(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合関係を示す斜視図であり、図8(a)及び図8(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置を示す正面図及び側面図であり、そして図9は、本発明に係る足場システムのボードベアを示す斜視図である。
図7ないし図9を参照すると、足場支柱連結装置120は、地面に固定される足場支柱110の外周面における両側面にそれぞれ固定される上ブレース取付部121と下ブレース取付部122と、前記足場支柱110の外周面における正面と後方にそれぞれ固定される端面延設ブレース取付部123とを備える。
ここで、前記上ブレース取付部121は、前記足場支柱110の外周面に固定される水平断面平面と、前記水平端面の所定の個所以降から対角上方に延設する対角上方面とにより構成される。また、前記上ブレース取付部121には、前記水平端面の一側にボードベア130が連結される上ボードベア取付口121aが形成される。さらに、前記対角上方面の一側には上ブレース取付口121bが形成され、この上ブレース取付口121bにブレース140を嵌め込んで網などを張ることができる。
また、前記下ブレース取付部122は、前記上ブレース取付部121の下側に所定の距離をあけて設けられ、前記足場支柱110の外周面に固定される水平端面と、前記水平端面の所定の個所以降から対角下方に延設する対角下方面とにより構成される。また、前記下ブレース取付部122においては、前記水平端面の一側に前記ボードベア130が連結される下ボードベア取付口122aが形成され、前記対角下方面に前記ブレース140が連結される下ブレース取付口122bが形成される。
一方、前記端面延設ブレース取付部123は、前記足場支柱110の正面と後方においてそれぞれ足場支柱110の外周面に固定される。また、前記端面延設ブレース取付部123は、所定の面積を有する垂直端面から対角上方に延びる上向きブレース取付面123aと、前記垂直端面から水平に延びる水平向きブレース取付面123bと、前記垂直端面から対角下方に延びる下向きブレース取付面123cとを備える。
ここで、前記上向きブレース取付面123aと水平向きブレース取付面123bと下向きブレース取付面123cは、それぞれ前記垂直端面から延びて対角方向を向く端面に形成される。そして、前記水平向きブレース取付面123bは、前記垂直端面から水平に延び、それぞれの端面123a、123b、123cにはそれぞれブレース140を取り付けるための端面延設ブレース取付口123dが形成される。
さらに、前記ボードベア130には、内側に中空が形成される四角形状の端面に形成され、上面には「└」形状に形成されて平面が前記ボードベア130の上面に固定され、垂直端面が上側に突出される上面固定部131が形成される。さらに、前記ボードベア130の下面には「└」形状に形成されて平面が前記ボードベア130の下面に固定され、垂直端面が下側に突出される下面固定部132が形成される。
前記上面固定部131と下面固定部132には、前記上ブレース取付部121と下ブレース取付部122にそれぞれ形成された上ボードベア取付口121aと下ボードベア取付口122aに突き合わせられる上面固定口131aと下面固定口132aがそれぞれ形成される。
また、前記ボードベア130の一方の側面には、ボードベアブレース取付部133が一方向に所定の長さだけ突設される。また、ボードベアブレース取付部133の端面には、ブレース140を取り付けるためのボードベアブレース取付口133aが形成される。
このようにして構成された足場システムは、前記足場支柱110の両側における上側と下側にそれぞれ固定される上ブレース取付部121と下ブレース取付部122との隙間にそれぞれボードベア130が挿置される。このとき、前記ボードベア130は、一方の面にそれぞれ突出されたボードベアブレース取付部133がそれぞれ足場支柱110の外側を向くように固着される。すなわち、前記足場支柱110の一側に固定されるボードベア130は、上面固定部131が上側に位置するように固定されるが、他側に固定されるボードベア130は、下面固定部132が上側に位置するように回転されて固着される。
そして、前記ボードベア130においては、上面に形成される上面固定部131の上面固定口131aを前記上ブレース取付部121の上ボードベア取付口121aと突き合わせ、前記ボードベア130の下面に形成される下面固定部132の下面固定口132aを前記下ブレース取付部122の下ボードベア取付口122aと突き合わせる。さらに、ボードベア結合手段124は、突き合わせられたそれぞれの取付口に嵌合されて前記ボードベア130を前記上ブレース取付部121と下ブレース取付部122に取り付ける。これにより、前記足場支柱110の外周面に複数のボードベア130が固定される。ここで、前記ボードベア結合手段124としてボルトとネジを用いて、前記ボードベア130と上ブレース取付部121及び下ブレース取付部122を固定することが好ましい。
さらに、前記上ブレース取付部121と下ブレース取付部122の傾斜面にそれぞれ形成された上ブレース取付口121bと下ブレース取付口122bにブレース140の先端に形成された結合口141を突き合わせ、この突き合わせられた結合口141と上、下部取付口にブレース結合手段142を嵌合入して固定することにより、前記上部及び下ブレース取付部121、122にそれぞれ対角上方または対角下方にブレース140が取り付けられる。
さらに、前記足場支柱110の両側にそれぞれ固定された両側の前記ボードベア130において、前記足場支柱110の外側を向くボードベアブレース取付部133のボードベアブレース取付口133aと前記ブレース140の結合口141を突き合わせ、ブレース結合手段142を用いてボードベア130にブレース140を取り付ける。これにより、足場支柱110における両側に水平向きにブレース140が取り付けられる。
加えて、前記端面延設ブレース取付部123の前方と後方において、上側、水平、下側を向くそれぞれのブレース取付面123a、123b、123cに端面延設ブレース取付口123dがそれぞれ形成される。また、前記端面延設ブレース取付口123dには前記ブレース140の結合口141を突き合わせた後、ブレース結合手段142を嵌合して固定する。これにより、前記足場支柱110の前面と後方において、対角上方と対角下方及び水平向きにブレース140が取り付けられる。
ここで、前記ブレース結合手段142としてボルトとネジを用いて、前記端面延設ブレース取付部123、上ブレース取付部121及び下ブレース取付部122にブレース140を取り付けることが好ましい。
図10は、本発明に係る足場システムの一体型連結装置を示す斜視図であり、図11は、本発明に係る足場システムの一体型連結装置の結合関係を示す斜視図である。
図10及び図11を参照すると、摺動部221の内側に足場支柱210が縦通されることにより、前記足場支柱210の外周面を上下移動する。また、上プレート222は前記摺動部221の外周面において所定の面積を有する平面に形成され、下プレート223は前記上プレート222の下側において所定の面積を有する平面に形成される。さらに、プレート貫通孔224は、前記上プレート222と下プレート223の平面にそれぞれ貫通形成される。ここで、前記摺動部221の外周面には、多数の上プレート222と下プレート223が対をなして形成される。
また、前記プレート貫通孔224には結合手段225が嵌合され、これにより、後述するボードベア230またはガイドレール240の締結部231、341を固定する。さらに、前記摺動部221の外周面には滑りばめ部226が嵌着されて前記足場支柱210の外周面に前記摺動部221を固定する。
さらに、前記足場支柱210に繋結されるガイドレール240またはボードベア230の先端には、締結部231、241がそれぞれ形成される。前記締結部231、241は、前記上プレート222と下プレート223との隙間に対応する分の厚さと各プレートに対応する面積をもって所定の形状の平面に形成される。さらに、前記締結部231、241の平面には、前記プレート貫通孔224と突き合わせられる締結孔232、242が形成される。
このようにして構成された本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の取り付け過程を説明すると、下記の通りである。
先ず、足場支柱210の上端から摺動部221を挿入する。そして、前記摺動部221を前記足場支柱210の外周面に摺動させていき、前記摺動部221の外周面に多数設けられる滑りばめ部226を用いて前記足場支柱210の外周面の所定の位置に前記摺動部221を固定する。
ここで、前記多数の滑りばめ部226は、前記摺動部221の外周面を貫通して前記足場支柱210の外周面に密着されることにより、各方向から前記摺動部221を前記足場支柱210の外周面に固定する。
そして、前記ボードベア230またはガイドレール240の先端に所定の面積を有する平面に形成される締結部231、241を前記上プレート222と下プレート223との隙間に嵌合して前記締結部231、241の下面を前記下プレート223の上面に固着する。このとき、前記締結部231、241は、平面に貫通形成される締結孔232、242を前記上プレート222と下プレート223にそれぞれ形成されたプレート貫通孔224に突き合わせる。
これにより、上述したように、前記締結部231、241が前記上プレート222と下プレート223との間に挿置されると、前記結合手段225を前記上プレート222に形成されるプレート貫通孔224に嵌合し、前記締結孔232、242、前記下プレート223のプレート貫通孔224を順次に通させて下側に突出させる。
このように、前記足場支柱210に前記ボードベア230及びガイドレール240がそれぞれ繋結されることにより、作業場の環境に合わせて支持パネルなどの構造物の高さを調節して取り付けることが可能になる。
図12は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合状態を示す斜視図であり、図13(a)及び図13(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合関係を示す断面図及び斜視図である。
図12及び図13を参照すると、連結部320は、前面と一方の面が開口される。また、前記連結部320の内側に形成された中空には締結部350が挿支される。また、前記締結部350は、ガイドレール340の両端にそれぞれ形成され、前記連結部320に挿入されて前記ガイドレール340を支持する。
前記連結部320における上プレート321と下プレート322には、平面に貫通形成される貫通孔323がそれぞれ形成される。このとき、前記下プレート322の上面は、前記締結部350の下面と密接する。併せて、前記上プレート321の下面は、前記締結部350の上面と密接、あるいは近接するように配置されることが好ましい。また、前記連結部320の側面プレート324は、前記上プレート321と前記下プレート322のいずれかの一側面と連結される。これにより、前記側面プレート324の内側面は、前記締結部350の外側面と密接される。
また、前記締結部350は、前面に垂直端面が形成され、前記垂直端面からそれぞれ折り曲げられて上面351と下面352を形成する。さらに、前記上面351と下面352にはそれぞれ挿入孔353が形成される。すなわち、前記締結部350は、前面と上面351、下面352は形成されるが、両側面が開口された四角形状に形成される。
そして、テーパーキー360は、一方の面が垂直端面を呈し、他方の端面が下方に進むにつれて狭幅となるように所定の傾斜角をもって形成される。このようにして形成された前記テーパーキー360は、前記貫通孔323及び挿入孔353に挿通され、これにより、前記連結部320と締結部350が固定される。
以上のように構成された足場システムの組立て過程を説明すると、下記の通りである。
前記締結部350は、前記連結部320の開口された前面または一方の側面を介して前記連結部320の内側の中空に挿通される。
一方、前記締結部350は、前記連結部320への挿通に際し、前記下プレート322により下方への移動が制限され、前記側面プレート324により一方の側方への移動が制限される。このため、前記締結部350の挿入に際し、前記下プレート322及び側面プレート324に密接すると、前記連結部320に形成された貫通孔323と前記締結部350に形成された挿入孔353が突き合わせられるように配置される。
そして、このようにして貫通孔323及び挿入孔353が突き合わせられると、前記テーパーキー360を前記上プレート321の貫通孔323を通って前記締結部350の上面351と下面352にそれぞれ形成された挿入孔353を貫通し、前記下プレート322の貫通孔323を通って下側に突出される。
これにより、前記連結部320と締結部350が固定され、その結果、前記足場支柱310にガイドレール340が固定される。
すなわち、本発明は、前記連結部320の前面及び一方の面を開口し、前記締結部350を四角形状に形成して、前記締結部350を前記連結部320に嵌合しているため、前記連結部320と締結部350との接触面積が増大され、これにより、前記連結部320と締結部350との締付力が強くなる。
図14は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合状態を示す斜視図であり、図15(a)及び図15(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合関係を示す断面図及び斜視図である。
図14及び図15を参照すると、連結部420は、足場支柱410に固定されてガイドレール440を支持し、ガイドレール440は、前記足場支柱410に締め付けられて作業員の移動及び作業スペースをガイドする。また、前記連結部420において、上プレート421は、下部連結金具422の上面を覆うと共に、平面に貫通形成される貫通孔423を備える。そして、下部連結金具422は、四角形状またはその他の形状を有するように製作され、内側に中空が形成され、下面が開口される。
また、前記締結部450は、前記ガイドレール440の両端にそれぞれ形成され、このうち下面プレート452は、前記下部連結金具422の下側に密着されて支持され、前記貫通孔423と突き合わせられる挿入孔453が形成される。また、上面プレート451は、前記連結部420の上プレート421の上面に密着あるいは近接することが好ましく、前記貫通孔423と突き合わせられる挿入孔453が形成される。さらに、前記上面プレート451と下面プレート452の一方の面には側面プレート454が形成される。
ここで、前記締結部450には、前記上面プレート451と下面プレート452、側面プレート454により囲まれた中空が形成され、この中空に前記連結部420が嵌合される。
そして、前記テーパーキー460は、一側が垂直端面を呈し、他側の端面は下方に進むにつれて側面が狭幅となるように所定の角度をもって形成され、前記上プレート421の貫通孔423と前記上面プレート451及び下面プレート452にそれぞれ形成される挿入孔453を挿通して前記締結部450を前記連結部420に固定する。
このようにして構成された足場システムの組立て過程を説明すると、下記の通りである。
前記締結部450において、上面プレート451と、下面プレート452及び側面プレート454間の中空に前記連結部420が挿置される。
このとき、前記連結部420は、前記締結部450への嵌合に際し、前記下面プレート452により下方への移動が制限され、前記側面プレート454により側方への移動が制限される。これにより、前記連結部420が嵌合されて前記下面プレート452及び側面プレート454に密接されると、前記締結部450に形成された挿入孔453と前記連結部420に形成された貫通孔423が突き合わせられる。
このように、前記貫通孔423と挿入孔453が突き合わせられると、前記テーパーキー460を前記上面プレート451の挿入孔453に嵌合する。このとき、前記テーパーキー460は、前記上面プレート451の挿入孔453に嵌合された後、前記上プレート421と下部連結金具422の貫通孔423、前記下面プレート452の挿入孔453を順次に貫通して下側に突出される。
これにより、前記テーパーキー460は、前記上面プレート451と下面プレート452の挿入孔453と前記上プレート421の貫通孔423の直径よりも大きな厚さを有する個所において挿入が止まり、このときに生じる摩擦力により前記締結部450と連結部420を固定する。
すなわち、上面プレート451との摩擦力によりテーパーキー460を固定していた従来とは異なり、本発明においては、上プレート421を下部連結金具422の上面に固定させ、前記テーパーキー460と摩擦力を生じて固定可能な直径を有する貫通孔423を形成し、貫通孔と挿入孔による摩擦力を生じることから、従来に比べてテーパーキー460の固定力が強くなる。
以上、本発明に係る足場システムを添付図面に基づいて詳述したが、本発明はこれらの実施の形態と図面により限定されるものではなく、特許請求の範囲内であれば、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって各種の修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
通常の足場システムの斜視図。
(a)は、従来の技術による足場システムの支持パネルの底面図、(b)は、(a)におけるI−I線断面拡大図。
(a)及び(b)は、図1におけるA部分及びB部分の拡大斜視図。
(a)及び(b)は、本発明に係る足場システムのフレーム連結装置の一側の結合関係を示す斜視図。
本発明に係る足場システムのフレームが結合されるボードベアを示す斜視図。
本発明に係る足場システムのフレームの一端を示す斜視図。
(a)及び(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合関係を示す斜視図。
(a)及び(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置を示す正面図と側面図。
本発明に係る足場システムのボードベアを示す斜視図。
本発明に係る足場システムの一体型連結装置を示す斜視図。
本発明に係る足場システムの一体型連結装置の結合関係を示す斜視図。
本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合状態を示す斜視図。
(a)及び(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合関係を示す断面図及び斜視図。
本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合状態を示す斜視図。
(a)及び(b)は、本発明に係る足場システムの足場支柱連結装置の結合関係を示す断面図及び斜視図。
符号の説明
10: フレーム
11: フレーム胴体
12: 挿入部
13: 滑りばめ部
13a:手摺
13b:垂直移動端面
14: ガイド部
20: ボードベア
21: ボードベア胴体
22: 側端面結合部
22a:挿入孔
23: 下側平面結合部
23a:滑りばめ孔