JP4275764B2 - 騒音制御装置および振動制御装置 - Google Patents

騒音制御装置および振動制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、騒音環境下における能動的騒音制御を用いた騒音制御装置、および、振動環境下における能動的振動制御を用いた振動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境騒音を制御音発生手段からの制御信号により騒音を消音する能動的騒音制御装置が提案されている。
【0003】
従来、この種の騒音制御装置は例えば図9に示すように、騒音検出器13で検出した騒音信号を適応フィルタ14で処理してその出力を、制御音として制御スピーカ1より発音させ、これにより騒音源12が発生する騒音を減少させ、その誤差信号を誤差検出器2で検出する。この誤差検出信号が小さくなるようにデジタルフィルタ17の出力を用いて係数更新器22で演算し、適応フィルタ14を制御する。
【0004】
また、上述した騒音制御装置と同様に、制御振動発生手段からの制御振動により振動を消音する能動的振動制御装置も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の騒音制御装置では、騒音源12の騒音信号が誤差検出器2の誤差信号との相関性が低い場合に、精度よく騒音を制御し、低減できない問題点があった。また、騒音源12の振幅が時間的に大きく変動したり、あるいは周波数成分が常に変動する場合には、適応フィルタ14が精度良く収束しない問題点があった。
【0006】
同様な問題点が、振動を制御するための上記従来の振動制御装置にもあった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するものであり、騒音源と誤差検出手段の誤差信号の相関性に関わらず、また騒音源信号の特性に関わらず、精度良く、騒音を制御し、低減することができる騒音制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
また、本発明は、振動源と誤差検出手段の誤差信号の相関性に関わらず、また振動源信号の特性に関わらず、精度良く、振動を制御し、低減することができる振動制御装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、第1の構成として、
制御音発生手段と、
制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域雑音発生手段と、
前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第3のフィルタの出力信号と前記加算手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする。
【0010】
第2の構成として、
制御音発生手段と、
制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域雑音発生手段と、
前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする。
【0011】
第3の構成として、
制御音発生手段と、
制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域雑音発生手段と、
前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
前記加算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
前記加算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする。
【0012】
第4の構成として、
制御音発生手段と、
制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域雑音発生手段と、
前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第2のフィルタの出力と前記第1の選択手段の出力を加算し前記制御信号を出力する加算手段と、
前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする。
【0013】
第5の構成として、
制御音発生手段と、
制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域雑音発生手段と、
前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する第1の減算手段と、
前記第1の減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
騒音源の情報を検出する騒音検出器と、
前記騒音検出器の出力を入力する第4及び第5のフィルタと、
前記第4のフィルタの出力と前記広帯域雑音発生器の出力を選択する第3の選択手段と、
前記第3の選択手段の出力と前記第2のフィルタの出力を加算し、前記制御信号を出力する加算手段と、
前記広帯域雑音発生手段の出力を入力する第6のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第6のフィルタの出力を減算する第2の減算手段と、
前記第2の減算手段の出力と前記広帯域雑音発生手段の出力を入力する第2の係数更新手段と、
前記誤差検出器の出力と前記第5のフィルタの出力を入力する第3の係数更新手段と、
前記第2の係数更新手段の出力を受けて前記第5及び第6のフィルタに出力する第4の選択手段とを有し、
前記第3の選択手段の入力を前記広帯域雑音発生器に選択し、
前記第4の選択手段の入出力を結合して、
前記第4の選択手段の出力により前記第5、第6のフィルタの係数を更新した後、前記第4の選択手段の入出力を開放し、
前記第3の選択手段の入力を前記第4のフィルタに選択して、前記第4のフィルタの係数を更新し、
前記第1のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記第2のフィルタの伝達関数を請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法により求め、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする。
【0014】
第6の構成として、
制御振動発生手段と、
制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域振動発生手段と、
前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第3のフィルタの出力信号と前記加算手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする。
【0015】
第7の構成として、
制御振動発生手段と、
制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域振動発生手段と、
前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする。
【0016】
第8の構成として、
制御振動発生手段と、
制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域振動発生手段と、
前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記制御振動生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
前記加算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
前記加算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする。
【0017】
第9の構成として、
制御振動生手段と、
制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域振動発生手段と、
前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
前記減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
前記第2のフィルタの出力と前記第1の選択手段の出力を加算し前記制御信号を出力する加算手段と、
前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする。
【0018】
第10の構成として、
制御振動発生手段と、
制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
広帯域振動発生手段と、
前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する第1の減算手段と、
前記第1の減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
振動源の情報を検出する振動検出器と、
前記振動検出器の出力を入力する第4及び第5のフィルタと、
前記第4のフィルタの出力と前記広帯域振動発生器の出力を選択する第3の選択手段と、
前記第3の選択手段の出力と前記第2のフィルタの出力を加算し、前記制御信号を出力する加算手段と、
前記広帯域振動発生手段の出力を入力する第6のフィルタと、
前記誤差検出手段の出力から前記第6のフィルタの出力を減算する第2の減算手段と、
前記第2の減算手段の出力と前記広帯域振動発生手段の出力を入力する第2の係数更新手段と、
前記誤差検出器の出力と前記第5のフィルタの出力を入力する第3の係数更新手段と、
前記第2の係数更新手段の出力を受けて前記第5及び第6のフィルタに出力する第4の選択手段とを有し、
前記第3の選択手段の入力を前記広帯域振動発生器に選択し、
前記第4の選択手段の入出力を結合して、
前記第4の選択手段の出力により前記第5、第6のフィルタの係数を更新した後、前記第4の選択手段の入出力を開放し、
前記第3の選択手段の入力を前記第4のフィルタに選択して、前記第4のフィルタの係数を更新し、
前記第1のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記第2のフィルタの伝達関数を請求項6から請求項9のいずれかに記載の方法により求め、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
まず、本発明の第1の実施形態について、図1を参照しながら説明する。本実施形態は騒音源と誤差検出手段からの信号の相関性が低い場合でも、また騒音源信号の変動性が大きい場合であっても、精度良く騒音を制御し、低減する特徴を有する。
【0021】
図1の本発明の第1の実施形態の騒音制御装置において、1は制御スピーカ、2は誤差検出器、3は広帯域雑音発生器、4は広帯域雑音発生器3の信号を出力するか否かを選択するスイッチ、5は誤差検出器2の出力とスイッチ4の出力を加算する加算器、6及び9は制御スピーカ1から誤差検出器2までの伝達関数を模擬したデジタルフィルタ、7は加算器5の出力からデジタルフィルタ6の出力を減算する減算器、8は減算器7の出力を受けて、騒音制御信号を生成する適応フィルタ、10は加算器5の出力信号と、デジタルフィルタ9の出力信号を入力して、適応フィルタ8の係数更新信号を出力する係数更新器、11はスイッチ4と同期して係数更新器10の出力で適応フィルタ8の係数を更新するか否かを選択するスイッチである。
【0022】
これらの構成において、まず実際の騒音環境下で動作する前に、スイッチ4及びスイッチ11を閉じた状態にして、広帯域雑音発生器3の出力を加算器5に入力することにより、適応フィルタ8、制御スピーカ1、誤差検出器2の帰還ループ回路に広帯域雑音による計測信号が入力される。ここで、デジタルフィルタ6の作用によりこれら帰還ループ回路による正帰還信号が減算器7においてキャンセルされ、また、デジタルフィルタ9の作用と、よく知られたFiltered-XLMS法(例えば、Widrow and Stearns ”Adaptive Signal Processing”1985)などのアルゴリズムを用いることにより、係数更新器10によって、加算器5の出力信号が小さくなるように適応フィルタ8の係数を更新する。すなわち、適応フィルタ8の係数は外部の広帯域雑音発生器3による計測信号を制御する係数に収束する。ここで、広帯域雑音発生器3の信号は実際の騒音環境での騒音周波数帯域を含む変動の少ない周波数帯域で、同時にその振幅の時間変動も少なくすることにより、適応フィルタ8の係数の収束が精度良く行われる。
【0023】
つぎに、スイッチ4及び11を開放にして、広帯域雑音発生器3の出力を切り、適応フィルタ8の係数を固定化させ、実際の騒音環境下に適用する。ここで、適応フィルタ8は、最適の条件により収束させた係数を用いて、騒音源12からの騒音が誤差検出器2の位置で小さくなるように、つまり加算器5の出力を小さくなるように制御信号を生成して制御スピーカ1から制御音を出力させる。また、適応フィルタ8の出力はデジタルフィルタ6によって処理され、減算器7により、加算器5の出力からデジタルフィルタ6の出力が減算されて再度適応フィルタ8に入力されるので、騒音源12からの騒音は誤差検出器2の位置で実質上常に小さくなる。このように、適応フィルタ8が最適の条件により収束させた係数を用いることによって、騒音源12の騒音の周波数変動や、振幅変動に関わらず、安定した騒音制御と、大きな騒音低減効果を得ることができる。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態の騒音制御装置の構成図を図2に示す。本実施形態は、第1の実施形態の構成において加算器5の配置位置を変更したものである。
【0025】
すなわち、誤差検出器2の出力を係数更新器10と加算器5に入力し、加算器5の出力を減算器7に入力する構成となっており、それ以外は第1の実施形態と同様である。
【0026】
本実施形態の動作についても第1の実施形態と同様であり、広帯域雑音発生器3の出力を加算器5に入力することにより、適応フィルタ8、制御スピーカ1、誤差検出器2のループ回路に計測信号が入力され、適応フィルタ8の係数を最適の条件で適応、収束させたのち、実際の騒音を制御することにより第1の実施形態と同様な効果が得られる。
【0027】
次に、本発明の第3の実施形態の騒音制御装置について、図3を参照しながら説明する。本実施形態は、第2の実施形態の構成において加算器5の配置位置を変更したものである。
【0028】
すなわち、誤差検出器2の出力を減算器7に入力し、減算器7の出力を加算器5に入力し、加算器5の出力を適応フィルタ8及びデジタルフィルタ9に入力する構成となっており、それ以外は第2の実施形態と同様である。
【0029】
本実施形態の動作についても第1の実施形態と同様であり、広帯域雑音発生器3の出力を加算器5に入力することにより、適応フィルタ8、制御スピーカ1、誤差検出器2のループ回路に計測信号が入力され、適応フィルタ8の係数を最適の条件で適応、収束させたのち、実際の騒音を制御することにより第1の実施形態と同様な効果が得られる。
【0030】
次に、本発明の第4の実施形態の騒音制御装置について、図3を参照しながら説明する。本実施形態は、第2の実施形態の構成において加算器5の配置位置を変更したものである。
【0031】
すなわち、誤差検出器2の出力を係数更新器10及び減算器7に入力し、適応フィルタ8の出力を加算器5に入力し、加算器5の出力を制御スピーカ1及びデジタルフィルタ6に入力する構成となっており、それ以外は第2の実施形態と同様である。
【0032】
本実施形態の動作についても第1の実施形態と同様であり、広帯域雑音発生器3の出力を加算器5に入力することにより、適応フィルタ8、制御スピーカ1、誤差検出器2のループ回路に計測信号が入力され、適応フィルタ8の係数を最適の条件で適応、収束させたのち、実際の騒音を制御することにより第1の実施形態と同様な効果が得られる。
【0033】
次に、本発明の第5の実施形態の騒音制御装置について、図5を参照しながら説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成に加えて、誤差検出信号と相関性の高い騒音検出信号が得られる場合に最適の騒音制御手法を提供するものである。
【0034】
図5の本発明の第5の実施形態の騒音制御装置において、制御スピーカ1、誤差検出器2、デジタルフィルタ6は第1の実施形態と同様であり、適応フィルタ8は第1から第4のいずれかの実施形態により、収束した係数を保持している。13は騒音源12の情報を検出する騒音検出器、14は騒音検出信号を処理する適応フィルタ、15は広帯域雑音発生器3の出力か、適応フィルタ14の出力かを選択するスイッチ、16は適応フィルタ8の出力とスイッチ15の出力を加算する加算器、17は騒音検出器13からの騒音検出信号を処理して係数更新器22に出力するデジタルフィルタ、18は広帯域雑音発生器3の出力を入力する適応フィルタ、19は誤差検出器2の出力から適応フィルタ18の出力を減算する減算器、20は減算器19の出力と広帯域雑音発生器3の出力を入力して適応フィルタ18の係数を更新する係数更新器、21は係数更新器20の出力を適応フィルタ18とデジタルフィルタ17に入力するか否かを選択するスイッチ、22は誤差検出器2の出力とデジタルフィルタ17の出力を入力して、適応フィルタ14の係数を更新する係数更新器である。
【0035】
まず、騒音環境下で動作する前に、スイッチ15の入力を広帯域雑音発生器3に選択し、スイッチ21を閉じて、係数更新器20の出力を適応フィルタ18とデジタルフィルタ17に入力する。すなわち、加算器16に入力された広帯域雑音の計測信号が、制御スピーカ1、誤差検出器2、この両者間の伝達関数、デジタルフィルタ6、適応フィルタ8による帰還ループにより変化する。この変化を誤差検出器2の出力として取り出し、減算器19に入力して、適応フィルタ18の出力を減算する。係数更新器20はこの減算器19の出力が小さくなるように、よく知られたLMS法等を用いて、適応フィルタ18の係数を更新することにより、適応フィルタ18の収束後の係数はこの帰還ループにおける加算器16から誤差検出器2の伝達関数を近似した特性に同定される。
【0036】
つぎに、スイッチ15を適応フィルタ14の出力に選択し、スイッチ21を開放にして適応フィルタ18及びデジタルフィルタ17の係数を固定化して、実際の騒音環境下に適用する。ここで、適応フィルタ14の制御信号は帰還ループによる変化をうけて誤差検出器2に到達するので、デジタルフィルタ17がこの帰還ループ特性を近似していることから、よく知られたFiltered-XLMSアルゴリズムが精度良く動作し、騒音検出信号と相関のある誤差検出器2の出力についてはその信号が小さくなるように適応フィルタ14の係数が係数更新器22により更新され、誤差検出器2における騒音が精度良く制御され、減少する。もちろん、相関の低い騒音であっても、第1の実施形態における効果により騒音低減がおこなわれるので、本実施形態の構成によれば第1の実施形態に加えてさらに制御精度が向上し、騒音低減効果が増加する。
なお、上述した実施形態では騒音を制御する例を説明したが、制御対象は騒音に限定されるものではない。例えば、自動車のエンジン等の振動源で発生し、運転席に到達する振動を、能動的に振動を発生するアクティブマウントやアクティブダイナミックダンパによって制御することも可能である。そのさい、図1から図5の上述した各実施形態の騒音制御装置の、制御スピーカ1をアクティブマウントやアクティブダイナミックダンパといった制御振動発生手段に置き換え、また、誤差検出器2および騒音検出器13を加速度センサなどの誤差検出手段に置き換え、さらに、広帯域雑音発生器3を広帯域振動発生手段に置き換える必要がある。それらアクティブマウントやアクティブダイナミックダンパといった制御振動発生手段と、加速度センサを自動車に設置した例を図6に示す。図6に示すように、制御振動発生手段27はエンジン26と接するように設置され、加速度センサ28a〜dは各座席に設置される。そして、上述した第1から第4の実施形態それぞれに対応する振動制御装置では、対応する実施形態と同様にして、振動環境下で本発明の振動制御装置を動作させる前に、具体的には例えば自動車のエンジンを動かす前に、広帯域振動発生手段からの振動を利用し、係数更新器10によって、広帯域振動発生手段からの計測振動を制御する係数に、適応フィルタ8の係数を更新しその係数を保持させる。その後、振動環境下で振動制御装置を動作させ、適応フィルタ8に、保持した係数を利用させて、振動源からの振動が加速度センサ28a〜dの位置で、つまり各座席で小さくなるように制御信号を生成させ、アクティブマウントやアクティブダイナミックダンパといった制御振動発生手段27に制御振動を発生させる。また、上述した第5の実施形態に対応する振動制御装置では、第5の実施形態と同様にして、あらかじめ適応フィルタ8に上述した係数を保持させ、振動環境下で振動制御装置を動作させる前に、広帯域振動発生手段からの振動を利用し、係数更新器20によって減算器19の出力が小さくなるように適応フィルタ18およびデジタルフィルタ17の係数を更新し固定化する。その後、振動環境下で振動制御装置を動作させ、適応フィルタ8、適応フィルタ18およびデジタルフィルタ17に、保持した係数を利用させて、振動源からの振動が加速度センサ28a〜dの位置で、つまり各座席で小さくなるように制御信号を生成させ、制御振動発生手段27に制御振動を発生させる。なお、制御振動発生手段27の一つのアクティブマウントは、例えば図7に示すようなものであって、アクティブマウントと接続されているアクチュエータに制御信号を入力してその制御信号に基づいて駆動力を発生させ、振動特性可変手段29がその駆動力を利用して弾性支持手段30の振動特性を可変制御して制御振動を発生させることによって、加速度センサの位置での振動を低減するものである。他方、制御振動発生手段27の一つのアクティブダイナミックダンパは、例えば図8に示すようなものであって、コイル31に制御信号を入力し、その制御信号に基づいて周波数や振幅を制御した振動信号を永久磁石32とコイル31との間に発生する磁力により質量部34を介してゴム33に伝達し、そのゴム33に振動信号を利用して制御振動を発生させることによって、加速度センサの位置での振動を低減するものである。さらに、加速度センサは、振動源からの振動とアクティブマウントまたはアクティブダイナミックダンパからの制御振動とから誤差信号を検出するものである。
【0037】
【発明の効果】
以上の実施形態の説明から明らかなように、本発明によれば第1に、周波数及び、振幅の変動の少ない広帯域雑音計測信号を用いて、帰還ループ内の適応フィルタを収束させることにより、精度のよい収束結果による係数を求め、固定化することにより、実際の変動性の高い騒音または振動環境下においても騒音または振動低減効果の高い、騒音制御装置と振動制御装置を提供できる。
【0038】
第2に、前記第1の効果に加え、騒音または振動検出信号が、誤差検出信号と相関性が得られる場合に、帰還ループを含めた精度のよい同定を行うことにより、Filtered-XLMSアルゴリズムを精度良く実行できるため、より良い騒音または振動制御効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の騒音制御装置の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の騒音制御装置の構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の騒音制御装置の構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の騒音制御装置の構成図である。
【図5】本発明の第5の実施形態の騒音制御装置の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態で用いる振動制御装置の制御加振器および加速度センサを自動車に設置した例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態で用いるアクティブマウントの構成図である。
【図8】本発明の実施の形態で用いるアクティブダイナミックダンパの構成図である。
【図9】従来例の騒音制御装置の構成図である。
【符号の説明】
1、1a〜d 制御スピーカ
2 誤差検出器
3 広帯域雑音発生器
4、11、15、21 スイッチ
5、16 加算器
6、9、17 デジタルフィルタ
7、19 減算器
8、14、18 適応フィルタ
10、20、22 係数更新器
12 騒音源
13 騒音検出器
23 車体
24a〜d 車輪
25 車室内
26 エンジン
27 制御加振器
28a〜d 加速度センサ
29 振動特性可変手段
30 弾性支持手段
31 コイル
32 永久磁石
33 ゴム
34 質量部

Claims (10)

  1. 制御音発生手段と、
    制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域雑音発生手段と、
    前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
    前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
    前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記加算手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  2. 制御音発生手段と、
    制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域雑音発生手段と、
    前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
    前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
    前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  3. 制御音発生手段と、
    制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域雑音発生手段と、
    前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
    前記加算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
    前記加算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  4. 制御音発生手段と、
    制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域雑音発生手段と、
    前記広帯域雑音発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
    前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第2のフィルタの出力と前記第1の選択手段の出力を加算し前記制御信号を出力する加算手段と、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域雑音発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  5. 制御音発生手段と、
    制御音と騒音との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域雑音発生手段と、
    前記制御音発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する第1の減算手段と、
    前記第1の減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
    騒音源の情報を検出する騒音検出器と、
    前記騒音検出器の出力を入力する第4及び第5のフィルタと、
    前記第4のフィルタの出力と前記広帯域雑音発生器の出力を選択する第3の選択手段と、
    前記第3の選択手段の出力と前記第2のフィルタの出力を加算し、前記制御信号を出力する加算手段と、
    前記広帯域雑音発生手段の出力を入力する第6のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第6のフィルタの出力を減算する第2の減算手段と、
    前記第2の減算手段の出力と前記広帯域雑音発生手段の出力を入力する第2の係数更新手段と、
    前記誤差検出器の出力と前記第5のフィルタの出力を入力する第3の係数更新手段と、
    前記第2の係数更新手段の出力を受けて前記第5及び第6のフィルタに出力する第4の選択手段とを有し、
    前記第3の選択手段の入力を前記広帯域雑音発生器に選択し、
    前記第4の選択手段の入出力を結合して、
    前記第4の選択手段の出力により前記第5、第6のフィルタの係数を更新した後、前記第4の選択手段の入出力を開放し、
    前記第3の選択手段の入力を前記第4のフィルタに選択して、前記第4のフィルタの係数を更新し、
    前記第1のフィルタの伝達関数を前記制御音発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記第2のフィルタの伝達関数を請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法により求め、前記制御音により前記誤差検出手段に到来する騒音を制御することを特徴とする騒音制御装置。
  6. 制御振動発生手段と、
    制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域振動発生手段と、
    前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
    前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
    前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記加算手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする振動制御装置。
  7. 制御振動発生手段と、
    制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域振動発生手段と、
    前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記誤差検出手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
    前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記加算手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
    前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする振動制御装置。
  8. 制御振動発生手段と、
    制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域振動発生手段と、
    前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記制御振動生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力と前記第1の選択手段の出力を加算する加算手段と、
    前記加算手段の出力を入力して前記制御信号を出力する第2のフィルタと、
    前記加算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする振動制御装置。
  9. 制御振動生手段と、
    制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域振動発生手段と、
    前記広帯域振動発生手段の出力を受ける第1の選択手段と、
    前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する減算手段と、
    前記減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
    前記減算手段の出力を入力する第3のフィルタと、
    前記第2のフィルタの出力と前記第1の選択手段の出力を加算し前記制御信号を出力する加算手段と、
    前記第3のフィルタの出力信号と前記誤差検出手段の出力を入力するフィルタ係数更新手段と、
    前記フィルタ係数更新手段の出力を受ける第2の選択手段とを有し、
    前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々結合し、
    前記第2の選択手段の出力により前記広帯域振動発生手段の出力である計測信号を制御する係数に収束させるように前記第2のフィルタの係数を更新した後、前記第1及び第2の選択手段の入出力を各々開放し、
    前記第1及び第3のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする振動制御装置。
  10. 制御振動発生手段と、
    制御振動と振動との誤差信号を検出する誤差検出手段と、
    広帯域振動発生手段と、
    前記制御振動発生手段への制御信号と同一の制御信号を入力する第1のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第1のフィルタの出力を減算する第1の減算手段と、
    前記第1の減算手段の出力を入力する第2のフィルタと、
    振動源の情報を検出する振動検出器と、
    前記振動検出器の出力を入力する第4及び第5のフィルタと、
    前記第4のフィルタの出力と前記広帯域振動発生器の出力を選択する第3の選択手段と、
    前記第3の選択手段の出力と前記第2のフィルタの出力を加算し、前記制御信号を出力する加算手段と、
    前記広帯域振動発生手段の出力を入力する第6のフィルタと、
    前記誤差検出手段の出力から前記第6のフィルタの出力を減算する第2の減算手段と、
    前記第2の減算手段の出力と前記広帯域振動発生手段の出力を入力する第2の係数更新手段と、
    前記誤差検出器の出力と前記第5のフィルタの出力を入力する第3の係数更新手段と、
    前記第2の係数更新手段の出力を受けて前記第5及び第6のフィルタに出力する第4の選択手段とを有し、
    前記第3の選択手段の入力を前記広帯域振動発生器に選択し、
    前記第4の選択手段の入出力を結合して、
    前記第4の選択手段の出力により前記第5、第6のフィルタの係数を更新した後、前記第4の選択手段の入出力を開放し、
    前記第3の選択手段の入力を前記第4のフィルタに選択して、前記第4のフィルタの係数を更新し、
    前記第1のフィルタの伝達関数を前記制御振動発生手段から前記誤差検出手段までの伝達関数に近似して、前記第2のフィルタの伝達関数を請求項6から請求項9のいずれかに記載の方法により求め、前記制御振動により前記誤差検出手段に到来する振動を制御することを特徴とする振動制御装置。
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