JP4275685B2 - トナーバインダー - Google Patents
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Description
電子写真プロセスでカラー画像を得るためには、このようなカラー現像剤において、重ね合わさったトナーがあらゆる色調を再現するために、よりいっそう透明性の高いトナー構成成分を使用することが求められている。
透明性に優れたトナー構成成分を使用して、色材本来の色を損なうことがないトナーを提供することをねらったものとして、無色の帯電制御剤を用いる方法が提案されている(特許文献1参照)。
すなわち本発明は、(I)活性水素化合物(a)に環状エステル(b)が開環重合されてなるポリエステル樹脂(A)からなり、(A)がポリエステル用重合触媒(c)であるテレフタル酸チタン存在下に重合させて得られた樹脂であり、(A)のヘイズ値が0.1〜40であることを特徴とするトナーバインダー;並びに、(II)活性水素化合物(a)に環状エステル(b)が開環重合されてなるポリエステル樹脂(A)からなり、(A)がポリエステル用重合触媒(c)であるテレフタル酸チタン存在下に重合させて得られた樹脂であり、(A)の光透過率が90〜100%であることを特徴とするトナーバインダー;である。
1.透明性に優れる。
2.耐熱保存性に優れる
3.電子写真、静電記録、静電印刷用トナーとして用いた場合、耐熱保存性が優れるとともに得られる画像の光沢が向上する。
アルコールとしては、組成設計の自由度の点から、2〜6価のポリオールが好ましい。2〜6価のポリオールとしては以下のものが挙げられる。
2価のアルコールとしては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);炭素数4〜100のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど);植物油系ポリオール[2価のヒマシ油ポリオールなど]);およびポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[炭素数6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸など]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)またはそのAO付加物(AOとしてはEOまたはPOなど、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸およびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物など];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミンなど)および/またはアルカリ金属(ナトリウム塩など)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、アミノエチルピペラジン)などが挙げられる。
一方のブロックを表面付近に配向させる方法は特に限定されないが、例えば、(A)を有機溶媒に溶解あるいは分散させて樹脂溶液を製造する工程、乳化剤および/または分散安定剤の存在下で、前記樹脂溶液と水性媒体を混合することにより前記樹脂溶液の粒子が前記水性媒体中に分散した水性分散液を製造する工程、前記粒子中の有機溶媒を除去することにより樹脂粒子を生成させる工程、前記樹脂粒子を前記水性媒体から分離し、乾燥する工程を行う方法が挙げられる(詳細は、例えば特開2005−49858号公報に記載)。
例えば、Mn(ゲルパーミテーションクロマトグラフィーにて測定)は、通常1,000〜500万、好ましくは2,000〜50万である。(A)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)は、通常80〜130℃であり、好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは、90〜110℃である。80℃以上が耐熱保存性の観点から好ましく、130℃以下が低温定着性の観点から好ましい。(A)のTgは通常30〜80℃であり、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは、50〜70℃である。Tgが30℃以上であるほうが耐熱保存性の観点から好ましく、80℃以下であるほうが低温定着性の観点から好ましい。(A)のSP値は、通常8〜16、好ましくは9〜14である。(A)の水酸基価は、通常70mgKOH/g以下、好ましくは5〜50mgKOH/g、さらに好ましくは10〜45mgKOH/gである。水酸基価が小さいほうが環境安定性および帯電量が向上する点で好ましい。(A)の酸価は、通常0〜40mgKOH/g、好ましくは1〜30mgKOH/g、さらに好ましくは10〜30mgKOH/g、特に好ましくは15〜25mgKOH/gである。酸価が小さいほうが環境安定性が向上するが、適度の酸価を有しているほうが帯電の立ち上がりが向上する点で好ましい。
(COOH)z
|
(Z)x−Ar−(COO−)y (1)
これらのうち、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ホウ素およびアルミニウムが好ましく、さらに好ましくはチタン、ジルコニウム、マンガンおよびコバルトである。特に好ましくはチタンおよびジルコニウム、最も好ましくはチタンである。なお、族は元素の周期表の族を意味する。
脂環式炭化水素としては、飽和脂環式炭化水素および不飽和脂環式炭化水素が使用できる。
飽和脂環式炭化水素としては、炭素数5〜20(好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜10)の飽和脂環式炭化水素等が用いられる。具体例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、ドデシルシクロへキシル、2,3,4−トリプロピルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル、パーフルオロシクロヘキシル、シアノトリメチルシクロヘキシルおよびニトロシクロペンチル等が挙げられる。
不飽和脂環式炭化水素としては、炭素数5〜20(好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜10)の不飽和脂環式炭化水素等が用いらる。具体例としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル、ドデシルシクロへキセニル、シクロオクテニル、2,3,4−トリメチルシクロヘキセニルおよびジニトロシクロペンチル等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、炭素数6〜20(好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜10)の芳香族炭化水素等が用いらる。具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、クメニル、メシチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、1,3,5−トリメチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、フェニルフェニル、ベンジルフェニル、p−クミルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、ペンタフルオロフェニル、ヘプチルフルオロナフチル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメチルナフチル、パーフルオロメチルフェニル、3−メチルテトラフルオロフェニル、p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニル、3,5−ジメチルトリフルオロフェニル、2,4,5−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジ[t−ブチル]フェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレニル、ビフェニレニル、シアノナフタセニル、ニトロピレニル、トリフェニレニルおよびパーフルオロ3,4,5−トリプロピルフェニル等が挙げられる。
このような望ましくない置換基としては、スルフィノ基(−SO2H)、スルホ基(−SO3)、シアナト基(−OCN)、イソシアナート基(−NCO)、チオシアナト基(−SCN)、ヒドラジノ基(H2N−NH−)、ホスホノ基(−P(OH)3)、ホスフィノ基(−PR2)、アミノ基(−NR2)等が挙げられる。
1価のカルボキシル基(−COOH)の個数zは0〜5の整数であり、好ましくは0〜2である。このカルボキシル基は芳香族環とのみ共有結合し、原子(m)とは配位結合していない。y+zは2〜6の整数である。Zの個数xは0〜6の整数であり、好ましくは0〜4、さらに好ましくは0〜2である。また、x+y+zは6以下である。
このオキシカルボニル基とカルボキシル基は1個または2個以上のポリカルボン酸に由来している。
これら他の樹脂の含有量(重量%)は、トナー バインダーの重量を基準として、好ましくは0〜80、更に好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜30である。
着色剤としては公知の染料、顔料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイト、鉄黒などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは2〜15重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは20〜70重量%である。
離型剤としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックス(カルナバワックス、モンタンワックス、ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
トナー中の離型剤の含有量は、好ましくは0〜10重量%であり、さらに好ましくは1〜7重量%である。
荷電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。
トナー中の荷電制御剤の含有量は、好ましくは0〜5重量%である。
さらに、流動化剤を使用することもできる。流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることができる。
トナーを作る方法は、通常用いられる方法でよく、(i)流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェット粉砕機等を用いて微粒化して、更に分級することにより体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20ミクロンの微粒とした後、流動化剤を混合してトナーを得る方法等を挙げることができる。また、(ii)流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶媒に溶解あるいは分散させて樹脂溶液を製造する工程、乳化剤および/または分散安定剤の存在下で、前記樹脂溶液と水性媒体を混合することにより前記樹脂溶液の粒子が前記水性媒体中に分散した水性分散液を製造する工程、前記粒子中の有機溶媒を除去することにより樹脂粒子を生成させる工程、前記樹脂粒子を前記水性媒体から分離し、乾燥する工程を順次行った後、流動化剤を混合してトナーを得る方法を挙げられる。Tgの高いブロックを表面に配向させることができることから、(ii)の方法でトナーを作る方が好ましい。(ii)の方法の詳細は、例えば特開2005−49858号公報に記載されている。
次いで、公知の熱ロール定着方法などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に定着して記録材料とされる。
<実施例1>
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、ポリプロピレングリコール(三洋化成工業製ニューポールPP−2000)100部、L−ラクチド500部およびテレフタル酸チタン1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂1]を得た。
ビーカー内に[樹脂1]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、[水性分散体1]を得た。[水性分散体1]100部、着色剤[銅フタロシアニン]4部、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、および水50部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体2]を得た。[水性分散体2]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(P1)を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール701部(18.8モル)、テレフタル酸ジメチルエステル716部(7.5モル)、アジピン酸180部(2.5モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する1,2−プロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が150℃になった時点で取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは316部(8.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し[ポリエステルa1]を得た。[ポリエステルa1]のMnは2000、水酸基価は43mgKOH/g、酸価は19mgKOH/gであった。
なお、( )内のモル数は、相対的なモル比を意味する。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、[ポリエステルa1]100部、L−ラクチド500部およびテレフタル酸チタン1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂2]を得た。
ビーカー内に[樹脂2]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、[水性分散体3]を得た。[水性分散体3]100部、着色剤[銅フタロシアニン]4部、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、および水50部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体4]を得た。[水性分散体4]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(P2)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、[ヒマシ油ポリオールHS 3P−255(豊国製油(株)製)]15部、L−ラクチド500部およびテレフタル酸チタン1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂3]を得た。
ビーカー内に[樹脂3]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、[水性分散体5]を得た。[水性分散体5]100部、着色剤[銅フタロシアニン]4部、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、および水50部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体6]を得た。[水性分散体6]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(P3)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、実施例2記載の[ポリエステルa1]100部、L−ラクチド400部、ラセミラクチド100部およびテレフタル酸チタン1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂4]を得た。
ビーカー内に[樹脂4]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、[水性分散体7]を得た。[水性分散体7]100部、着色剤[銅フタロシアニン]4部、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、および水50部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体8]を得た。[水性分散体8]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(P4)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、実施例2記載の[ポリエステルa1]100部、D−ラクチド400部、ラセミラクチド100部およびテレフタル酸チタン1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂5]を得た。
ビーカー内に[樹脂5]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、[水性分散体9]を得た。[水性分散体9]100部、着色剤[銅フタロシアニン]4部、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、および水50部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体10]を得た。[水性分散体10]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(P5)を得た。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、[ヒマシ油ポリオールHS 3P−255(豊国製油(株)製)]15部、L−ラクチド400部、ラセミラクチド100部およびテレフタル酸チタン1部を投入し、窒素置換後、160℃で6時間重合し、[樹脂6]を得た。
ビーカー内に[樹脂6]100部および酢酸エチル40部を混合しておき、水500部およびドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間混合し、[水性分散体11]を得た。[水性分散体11]100部、着色剤[銅フタロシアニン]4部、離型剤[ビスコール550P(軟化点150℃);三洋化成工業(株)製]4部、および水50部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12000rpmで25℃で1分間攪拌して、[水性分散体12]を得た。[水性分散体12]を50℃で3時間攪拌した後、遠心分離して、水100部を添加し固液分離する工程を3回繰り返し、粒径(D50)が約5μmの本発明のトナーバインダーからなるトナー(P6)を得た。
テレフタル酸チタンをオクチル酸スズに変更する以外、実施例1と同様にして比較のトナーバインダーからなるトナー(CP1)を得た。
4つ口フラスコに、環流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計および撹拌装置を常法に従い設置し、無水フタル酸15部、テレフタル酸ジメチル170部、1,4−シクロヘキサンジメタノール66部、エチレングリコール22部、ネオペンチルグリコール49部およびチタンテトラブトキシド0.2部を仕込み、180℃で、生成する水およびメタノールを蒸留塔より留出させながらエステル化反応させた。蒸留塔より水およびメタノールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了した。さらに、系内を5mmHg以下に減圧し、200℃、攪拌回転数150rpmで、縮合反応で生じた遊離ジオールを系外へ留出させて[樹脂7]を得た。[樹脂1]を[樹脂7]に変更する以外、実施例1と同様にして比較のトナーバインダーからなるトナー(CP2)を得た。
(1)ヘイズ値
トナーバインダーのみを用いて、厚さ2mmのフィルムを作成し、JIS K7136に準拠して、ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(2)光透過率
トナーバインダーのみを用いて、厚さ2mmのフィルムを作成し、JIS K7361−1に準拠して、ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(3)光沢評価
市販カラー複写機(CLC−1;キヤノン製)の定着装置からオイル供給装置を取り除き、定着ロール上のオイルを除去した改造機を用いて定着評価した。定着画像の60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって光沢発現温度とした。光沢の良好なトナーほど光沢発現温度が低い。
(4)耐熱保存性
トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるいにて2分間ふるい、金網上の残存率(重量%)をもって耐熱保存性とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さい。
Claims (4)
- 活性水素化合物(a)に環状エステル(b)が開環重合されてなるポリエステル樹脂(A)からなり、(A)がポリエステル用重合触媒(c)であるテレフタル酸チタン存在下に重合させて得られた樹脂であり、(A)のヘイズ値が0.1〜40であることを特徴とするトナーバインダー。
- 活性水素化合物(a)に環状エステル(b)が開環重合されてなるポリエステル樹脂(A)からなり、(A)がポリエステル用重合触媒(c)であるテレフタル酸チタン存在下に重合させて得られた樹脂であり、(A)の光透過率が90〜100%であることを特徴とするトナーバインダー。
- 活性水素化合物(a)が、2〜6価のポリオール、並びに水酸基および/またはカルボキシル基を有するポリエステル樹脂から選ばれる1種以上である請求項1または2記載のトナーバインダー。
- 環状エステル(b)が、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、ラセミラクチド、グリコリド、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、およびε−カプロラクトンから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか記載のトナーバインダー。
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