JP4275024B2 - ディスクの周縁研削装置 - Google Patents

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本発明は、情報記録媒体として広く用いられているディスクの研削加工装置に関し、特にディスクのクランプ時にディスクの厚みを測定し、その測定値に基づいて算出した補正値を加工条件にフィードバックさせる研削装置に係る。
情報記録媒体として使用されるディスクは、ドーナツ円盤状である。
基板からディスクを切り出し、内周縁と外周縁とを研削して製品化される。
この研削に用いられるディスク周縁研削装置の一般的な構造は、ワーク軸の上端部に設けたクランプ装置でディスクの両面を把持(挟持)し、ワーク軸を回転し、このワーク軸に隣接配置した外周用砥石あるいは内周用砥石を、ワーク軸と平行な方向(Z方向)及びワークに近接離隔する方向(X方向)にサーボ制御して、ディスクの内外周縁加工をするものである。
この場合に、砥石で研削する目的は、ディスクの外径及び内径を調整するほかに、面取りをも要求される。
従って、砥石の研削面には例えば、図2に示すように、ディスクの周縁の両面角のエッジを研削できるように溝が形成されている。
よって、ディスクの周縁の研削にはディスクの厚み方向中心と砥石の溝中心を合致させる必要がある。
ディスクは薄い基板ではあるが、その厚みにバラツキがあり、特開平10−217076号公報に開示するように、厚みバラツキを抑える加工方法も検討されているが、現実には数〜数十ミクロンのバラツキがある。
そこで、従来は、ディスク原材料の基板ロットが変わる毎に、ディスクを試験的に研削加工し、厚みや面取り位置を測定し、研削加工条件を調節していた。
あるいは、ディスクの周縁の加工品を、抜き取り的に測定機で測定し、対応していた。
これでは、ロットが変わる毎に生産が中断したり、測定機で測定する工程分だけ加工サイクルが長くなる問題があった。
また、試し研削による不良品も発生していた。
特開平10−217076号公報
本発明は、ディスクの研削装置において、ディスクの一連の加工サイクルの中で、ディスクの厚みを測定し、加工条件にフィードバックできる研削装置の提供を目的とする。
本発明におけるディスクの周縁を研削する研削装置は、回転制御されたワーク軸の上端部に設けた下クランパと、垂直方向に移動自在の昇降枠にワーク軸と同一軸線回りに自由回転可能に設けた円筒状の上クランパと、当該上下のクランパにて把持したドーナツ円盤状ディスクの外周縁を研削する外周砥石又は/及び内周縁を研削する内周砥石を備え、昇降枠は当該昇降枠の上下移動に従って上下移動するドグを有し、昇降枠の下降動作により上クランパと下クランパとでディスクをクランプした際のドグの高さを近接センサーで感知することで当該ディスクの厚みを測定する測定手段を有し、この測定値に基づいて外周砥石又は/及び内周砥石の研削位置を補正する砥石位置制御手段を有していることを特徴とする。
砥石を位置制御する手段としては、上クランパ側と砥石位置制御側との間に、ドグと近接センサーとを対向設置する方法が例として挙げられる。
より、具体的には、例えば、上クランパにドグを取り付け、外周砥石側、あるいは内周砥石側に近接センサーを取り付ける。
このようにすると、上クランパが下降して、下クランパ とでディスクを狭持した際に上クランパのドグ位置を砥石側の近接センサーで感知し、砥石の基準位置と上クランパの位置との関係が測定でき、これにより、ディスクの厚みを測定するとともに、ディスクの厚みバラツキを補正するように砥石位置制御側にフィードバックできる。
本発明においては、上クランパが下降して下クランパとでディスクを把持する際にディスクの厚みを測定し、この測定値に基づいて外周砥石あるいは内周砥石を位置制御したことにより、研削装置おけるディスク(ワーク)をクランプするという一連の加工サイクルの中で、ディスクの厚み測定とこれによる補正値を自動計算し、砥石の位置制御にフィードバックできる。
この場合に、上クランパ側と砥石位置制御側との間に、ドグと近接センサーとを対向設置する方法を採用すれば、既存の研削装置に容易に組み込むことができ、しかも、従来の厚み測定や、面取り等の研削品質チェック工数を削減できる。
図3に研削装置の外観図、図4にその平面図を示すように、この発明のディスクの周縁研削装置は、平面矩形のワーク台11とその一つの辺の外側に配置された2個の加工ユニット12a、12bを備えている。
2個の加工ユニット12a、12bは、ワーク台11と実質上一体の機械フレーム13のコラム(支持フレーム)14の両端にそれぞれ配置されている。
各加工ユニット12(12a、12b)は、図1に示すように、それぞれワーク軸30と、外周用砥石15と、内周用砥石16とを備えており、ワーク軸30の上端に設けた下クランパ22と上クランパ21で固定されたディスク(ワーク)1の内周と外周とを同時加工する。
加工前及び加工済のディスク1は、図4に示すようにカセット60に収容された状態でワーク台11上に搭載されている。
カセット60は、図6に示すように上面が開放され、側面内側に縦方向のガイド溝61を等間隔(等ピッチ)に設けた箱型の容器で、ディスク1はその面を垂直方向にして面直角方向に並べた状態で各カセット60内に収容されている。
ワーク台11と加工ユニット12a、12bの間でディスクを搬送するローダ装置70は、図5に示す。
ローダ装置70は、2個のローダハンド80を備えており、各ローダハンドはその先端にディスク1を真空吸着するディスク吸着部81を備えている。
ローダハンドは、水平方向の軸73回りに回動自在で、かつ揺動シリンダ74のロッドに連結されて設けられており、揺動シリンダ74のロッドの進退により、図に示す水平方向と90度下向きに回動した下向き方向とに向きを変えることができる。
ローダハンドは、ワーク台1の上方で2次元方向(X−Y方向)に移動するキャリア71に昇降自在に設けられている。
ワーク台11上のカセット60に面を垂直方向にして収容された加工前ディスクは、図6に示すように、下向きとなって下方移動したディスク吸着部81で吸引された後、ローダハンドを上昇させることによりカセット60から引き出される。
次に、ローダハンドを水平方向にしてキャリア71の移動により、図4に示すように、ディスク1を芯出し台2上に載せる。
ディスク1は、芯出し台上で芯出しされ、再びローダハンドのディスク吸着部で吸着される。
次に、キャリア71は、加工ユニット12a、12bのいずれかの側に移動し、加工済ディスクを一方のローダハンドで吸着保持し、横移動して他方のローダハンドに吸着している加工前ディスクを当該加工ユニットのワーク軸30の上端の加工位置へと供給する。
ローダハンドに吸着された加工済ディスク1は、乾燥装置3へと搬送され、乾燥空気で研削液(水)を除去及び蒸発させた後、ローダハンドに吸着され、加工済ディスクを収容するカセット上へと搬送され、ハンドの下向き動作と下降動作により、カセット内に収容される。
このように加工ユニットを2つ備え、一方を粗加工、他方を仕上加工とし、ローダハンドを2つ備えると、芯出し及び乾燥が1回で済み、かつワーク台11、芯出し台2及び乾燥装置3を粗加工用と仕上加工用の2個の加工ユニットで共用できる。
次に図1を参照して、加工ユニット12(12a、12b)の詳細構造を説明する。
各加工ユニット12は、ワーク軸30、上クランパ21、下クランパ22、外周用砥石15及び内周用砥石16を備えている。
ワーク軸30は、上端にディスクを載置する上向きカップ状の下クランパ22を備え、下端に回転継手を内蔵したクーラントジョイント32aが連結され、クーラントジョイントの直上にディスクを下クランパ上面に吸着するための真空ジョイント33がワーク軸に回転自在に連結されている。
ワーク軸30は、パイプ状で真空ジョイント33より下クランパ22のディスク1の載置面まで空気路が連絡している。
クーラントジョイント32aからは、ワーク軸の内径中心部で下クランパ22とワーク軸30の下端とで固定されたクーラントパイプ32により、下クランパ上面中央の凹み孔まで水路が連絡している。
この水路は、ディスク内外周縁研削時に研削液を供給するためのものである。
ワーク軸30は、コラム14に固定したブラケット31で軸支され、ブラケット31の上端にワーク軸と一体の下クランパ22が位置し、コラム14の底面まで延びたブラケット31の下端には、プーリ35aが取り付けられている。
前述の真空ジョイント33、クーラントジョイント32aは、このプーリ35aの下部に設置されている。
ワーク軸30は、プーリ35aに掛け回したベルト35を介して主軸モータ34で回転駆動される。
ワーク軸30の下端には、上下方向のシリンダ27が取付枠36で懸吊した状態で支持されており、このシリンダの上向きのロッド26の先端に、自在継手25を介して昇降枠24が連結されている。
昇降枠24は、ワーク軸30を挟む両側にワーク軸と平行なガイドロッド23を備えており、このガイドロッド23がブラケット28でコラム14に固定されたガイドスリーブ29で上下移動可能に案内されている。
2本のガイドロッド23の先端相互は、繋ぎ材21aで連結され、この繋ぎ材の中央に短い円筒状の上クランパ21がワーク軸30と同一軸線回りに自由回転可能に軸支されている。
加工されるディスク1は、前記ローダハンドにより2本のガイドロッド23の間を通して下クランパ22上に搬送される。
そして、シリンダ27の動作により昇降枠24が下方へ引かれ、下クランパ22上のディスクは下降してきた上クランパ21との間で挟持される。
このとき、上クランパ21側にはドグ4を取り付け、外周砥石15の位置制御側には近接センサー5を取り付けている。
これにより、近接センサー5とドグ4との相対位置関係からディスクの厚みが測定される。
この関係を図2に基づいて説明する。
ディスク1の厚みにバラツキがあると、その分だけ、例えば、外周砥石15の溝中心15aとディスクの厚み中心1aとにdだけズレが生じることになる。
上クランパ21がディスクをクランプする際にドグ4の位置を近接センサー5で、感知することで、上記ズレ量dの値を自動計算でき、砥石位置をこのズレ量に対応して補正できる。
そして、ローダハンド80が退避した後、主軸モータ34を回転すると、ワーク軸30の上端で上下のクランパ21、22で挟持されたワークが回転駆動される。
外周砥石15で、ディスクの外周縁を研削し、内周用砥石16は、上クランパ21の中空孔を通って下降してワークの内周縁の研削を行う。
外周用砥石15及び内周用砥石16を装着する砥石軸41、42は、それぞれ外周用砥石台43及び内周用砥石台44に軸支されており、外周用砥石軸41は、外周用砥石モータ45でベルト47を介して回転駆動され、内周用砥石軸42は、内周用砥石モータ46でベルト48を介して回転駆動されている。
外周用砥石台43及び内周用砥石台44は、コラム14の垂直方向の面に横方向(X方向)に案内された横移動台49、50にそれぞれ上下方向(Z方向)移動可能に装着されている。
横移動台49、50及び外周用と内周用の砥石台43、44は、周知のねじ送り機構、すなわち横方向送りモータ51、52及び上下方向送りモータ53、54で回転駆動されるボールねじに螺合して、NC制御による送りモータ51、52、53、54の回転により、X−Z平面上でディスク加工位置と退避位置との間を移動して、ディスク1の外周及び内周を所望形状及び寸法に研削加工する。
本発明に係る加工ユニット側面図を示す。 ディスクと砥石の位置関係を示す。 研削装置の外観図を示す。 研削装置上面図を示す。 ローダ装置外観図を示す。 ディスクカセットを示す。
符号の説明
1 ディスク
2 芯だし装置
3 乾燥装置
4 ドグ
5 近接センサー
10 研削装置
11 ワーク台
12(12a、12b) 加工ユニット
15 外周砥石
16 内周砥石
21 上クランパ
22 下クランパ
30 ワーク軸
60 カセット
70 ローダ装置
80 ローダハンド
81 ディスク吸着部

Claims (1)

  1. 回転制御されたワーク軸の上端部に設けた下クランパと、垂直方向に移動自在の昇降枠にワーク軸と同一軸線回りに自由回転可能に設けた円筒状の上クランパと、当該上下のクランパにて把持したドーナツ円盤状ディスクの外周縁を研削する外周砥石又は/及び内周縁を研削する内周砥石を備え、昇降枠は当該昇降枠の上下移動に従って上下移動するドグを有し、昇降枠の下降動作により上クランパと下クランパとでディスクをクランプした際のドグの高さを近接センサーで感知することで当該ディスクの厚みを測定する測定手段を有し、この測定値に基づいて外周砥石又は/及び内周砥石の研削位置を補正する砥石位置制御手段を有していることを特徴とするディスク研削装置。
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