以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した記録再生装置1の構成例を表している。図1の記録再生装置1は、例えば、被写体を撮像し、撮像したデータを装着した光ディスク2に記録するカムコーダなどにより構成される。記録再生装置1には、光ディスク2を着脱することができる。図1の例においては、記録再生装置1のうち、ドライブ部22に装着された光ディスク2に、入力した映像や音声のデータをリアルタイムに記録する処理を行う記録処理部21が示されている。
光ディスク2は、Blu-ray Disc、CD−RW(Compact Disk ReWritable)、DVD+RW(Digital Versatile Disk ReWritable)などの追記可能な記録媒体により構成される。光ディスク2には、映像データおよび音声データにより構成される、ある連続時間のAV(Audio/Video)ファイルと、AVファイルと同じ連続時間の予約領域が連続した領域に記録される。この予約領域は、AVファイルと同期して再生したい映像ファイルや音声ファイルなどが後で格納される領域として予め確保される領域であるが、AVファイルのデータ記録時には、AVファイルや予約領域などの管理情報が含まれるシステムログ情報が記録される領域となる。
記録再生装置1の制御部11には、操作入力部12、メモリ13、およびフラッシュメモリ14が接続される。制御部11は、ユーザの操作に基づく、操作入力部12からの記録要求に応じて、バス15を介して接続される記録処理部21およびドライブ部22を制御し、撮像部23やマイクロフォン24から入力される映像信号や音声信号を、AVファイルとして、光ディスク2に記録する処理を実行する。
光ディスク2に記録されるファイルは、例えば、UDF(Universal Disk Format)などのファイルシステムにより管理され、記録再生装置1などにより、例えば、QT(Quick Time)(商標)などのアプリケーションの管理情報が参照されることにより読み出される。制御部11は、ユーザの操作による操作入力部12からの記録要求に応じて、光ディスク2にファイルを記録する際の記録情報(例えば、入力されるデータのフォーマット形式や記録時刻などの記録環境情報)を生成し、メモリ13のシステム管理情報に記録する。
また、制御部11は、AVファイルのデータ記録中、メモリ13のシステム管理情報などに基づいて、ファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報を生成し、メモリ13に記録する。ファイルシステムの管理情報は、例えば、光ディスク2におけるファイルの記録位置や記録長などのファイルの物理的配置情報で構成される。アプリケーションの管理情報は、例えば、ファイルの再生時間やファイルの読み出し順番などのファイルの論理的配置情報で構成される。制御部11は、光ディスク2へのデータ記録終了直後、ドライブ部22を制御し、メモリ13に記録されているファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報などを、光ディスク2上の所定の位置に記録させる。
制御部11は、また、メモリ13に記録されるシステム管理情報、ファイルシステムの管理情報、およびアプリケーションの管理情報などから、図9を参照して後述するシステムログ情報を生成し、生成したシステムログ情報を、光ディスク2上のAVファイルと連続して記録される予約領域に記録させる。すなわち、制御部11は、ドライブ部22を制御し、AVファイルおよび光ディスク2のシステムログ情報を連続的に記録させる。このとき、制御部11は、さらに、システムログ情報が記録された予約領域のアドレスなどのログ記録情報を生成し、生成したログ記録情報をフラッシュメモリ14に記録する。
操作入力部12は、ボタンなどにより構成され、ユーザの操作に基づく制御信号を、制御部11に供給する。メモリ13は、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、記録再生装置1の状態などの情報を管理するシステム管理情報、ファイルシステムの管理情報、アプリケーションの管理情報、およびシステムログ情報などを記録する。また、メモリ13には、制御部11が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。フラッシュメモリ14は、不揮発性メモリなどにより構成され、システムログ情報のログ記録情報などを記録する。
記録処理部21は、映像信号処理部31、音声信号処理部32、マルチプレクサ33、AV(Audio/Video)バッファ34、補助バッファ35、マルチプレクサ36などにより構成される。映像信号処理部31は、撮像部23から入力された映像信号から、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2のビットストリームを生成し、生成したビットストリームをマルチプレクサ33に供給する。音声信号処理部32は、マイクロフォン24から入力された音声信号から、例えば、AC(Audio Code number)3のビットストリームを生成し、生成したビットストリームをマルチプレクサ33に供給する。
マルチプレクサ33は、映像信号処理部31および音声信号処理部32から供給されるビットストリームを多重化し、AVストリームデータを生成し、AVファイルとして、AVバッファ34に格納する。AVバッファ34には、マルチプレクサ33からのAVファイルが格納される。補助バッファ35には、メモリ13からの光ディスク2のシステムログ情報のデータが格納される。
マルチプレクサ36は、AVバッファ34から、ある連続時間(10乃至20秒)のAVファイルのデータを入力し、ドライブ部22に供給し、補助バッファ35から、AVファイルのデータと同じ連続時間の予約領域に格納するデータ(この場合、システムログ情報のデータ)を入力し、ドライブ部22に供給する。すなわち、マルチプレクサ36は、AVファイルのデータと、予約領域に格納するデータを交互に選択して、ドライブ部22に供給する。
ドライブ部22は、データを符号化する符号化部41を内蔵している。ドライブ部22は、マルチプレクサ36より供給されるデータを、符号化部41に符号化させ、符号化されたデータを、制御部11の制御のもと、光ディスク2に記録する。
撮像部23は、レンズやCCD(Charge Coupled Device)撮像素子などからなり、被写体を撮像し、被写体に対応する映像信号を、映像信号処理部31に入力する。マイクロフォン24は、集音した音声を、音声信号として、音声信号処理部26に入力する。
図2は、記録再生装置1の記録処理を制御する制御部11の構成例を表す。図2の例の場合、制御部11は、データ記録制御部51、管理情報生成部52、空き領域検索部53、ログ情報生成部54、ログ記録情報生成部55、およびドライブ制御部56により構成される。
データ記録制御部51は、ユーザの操作による操作入力部12からの記録要求に応じて、記録処理部21を制御する。このとき、データ記録制御部51は、管理情報生成部52を制御し、光ディスク2にデータを記録する際の記録情報を生成させ、メモリ13のシステム管理情報に記録させるとともに、ログ情報生成部54を制御し、メモリ13に記録されている各管理情報に基づいて、システムログ情報を生成させる。また、データ記録制御部51は、空き領域検索部53に空き領域を検索させるとともに、管理情報生成部52に、ファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報を生成させる。
管理情報生成部52は、データ記録制御部51からの指示に応じて、光ディスク2にデータを記録する際の記録情報を生成し、メモリ13のシステム管理情報に記録したり、メモリ13のシステム管理情報、および空き領域検索部53により検索された空き領域の情報に基づいて、記録するデータに関するファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報を生成し、メモリ13に記録する。また、管理情報生成部52は、生成されたファイルシステムの管理情報のアドレス情報を、ログ記録情報生成部55およびドライブ制御部56に供給する。
空き領域検索部53は、データ記録制御部51の制御のもと、メモリ13に記録されるファイルシステムの管理情報に基づいて、AVファイルと予約領域が連続して記録される連続記録領域を記録するための空き領域を検索し、検索した空き領域の情報を、管理情報生成部52に供給する。
ログ情報生成部54は、メモリ13に記録されるシステム管理情報、ファイルシステムの管理情報、およびアプリケーションの管理情報などに基づいて、システムログ情報をメモリ13に生成し、生成したシステムログ情報を、補助バッファ35に供給する。
ログ記録情報生成部55は、管理情報生成部52からのアドレス情報を、ログ情報生成部54により生成された光ディスク2のシステムログ情報のログ記録情報として、フラッシュメモリ14に記録する。
ドライブ制御部56は、管理情報生成部52からのアドレス情報が入力されると、ドライブ部22を制御し、光ディスク2上のアドレス情報に対応する位置に、符号化されたデータを記録させる。
図3は、図1の記録再生装置1により光ディスク2に記録されるファイルの構成例を表す。
記録再生装置1は、AVファイル101のうち、ある連続した再生時間(例えば、10秒乃至20秒)のデータ(以降、この連続した再生時間のデータを、ストリームユニットと称する)を1つの連続記録領域113に配置するように光ディスク2に記録する。すなわち、AVファイル101は、n個のストリームユニット111−1乃至111−nに分割されて、光ディスク2の連続記録領域113−1乃至113−nにそれぞれ記録される。なお、以降、ストリームユニット111−1乃至111−nおよび連続記録領域113−1乃至113−nを、特に区別する必要がない場合、単に、ストリームユニット111および連続記録領域113と称する。
この連続記録領域113は、他の連続記録領域と不連続であってもよいが、1つの連続記録領域113は、連続的に記録される必要がある。したがって、記録再生装置1は、光ディスク2上に1つの連続記録領域113が連続して記録できる空き領域を探しながら、AVファイル101を記録する。また、記録再生装置1は、各連続記録領域113のストリームユニット111−1,111−2,…の直前に、補助領域112−1,112−2,…(以降、特に区別する必要がない場合、単に、補助領域112と称する)をそれぞれ配置する。
補助領域112は、AVファイル101が記録されるときには、予約領域として空のまま確保され、AVファイル101が記録された後で記録(アフターレコーディング)される映像ファイルや音声ファイルが、ストリームユニット111と同じ再生時間(例えば、10秒乃至20秒)分格納される領域であるが、AVファイル101が、ストリームユニット111として光ディスク2に記録されるときには、図9を参照して後述するシステムログ情報が記録される。なお、光ディスク2においては、AV101ファイルの転送レートは、最大15.57Mbpsと規定されており、補助領域112に記録されるデータの転送レートは、最大0.256Mbpsと規定されている。
図4は、光ディスク2に記録されるファイルを管理するファイルシステムの構成例を示す。光ディスク2においては、例えば、UDFが採用されている。
UDFにおいては、ディレクトリ情報は、FID(File Identifier Descriptor)により管理され、ファイル情報は、ファイルエントリFEにより管理される。
ディレクトリ(Directory)は、ファイルエントリFEの場所を示す情報、ファイル名、およびファイルの種類などを含むディスクリプタであるFID(File Identifier Descriptor)から構成される。ファイルエントリFEは、記述子ヘッダと、AD(Allocation Descriptor)から構成される。ADは、AVファイルのファイル本体(ファイルボディ)の光ディスク2上の記録位置(アドレス)と長さを記述している。
なお、図4に示すファイルエントリFEおよびディレクトリは、図5に示すようなファイルツリーを構成するものである。
したがって、FSD(File Set Descriptor)には、ルートディレクトリ(図4の例の場合、ディレクトリdir0)のファイルエントリFE(図4の例の場合、ファイルエントリFE−R)の場所を示す情報が記述されている。ファイルエントリFE−RのADは、ルートディレクトリdir0の位置(アドレス)を示している。ディレクトリdir0は、ルートディレクトリdir0のファイルエントリFEを示すFID−R(directory)、ディレクトリdir1のファイルエントリFE−D1を示すFID−D(directory)、ファイルF1のファイルエントリFE−F1を示すFID−F(File)により構成される。
ファイルエントリFE−F1のADは、ファイルF1の位置を示している。ファイルエントリFE−D1のADは、ディレクトリdir1の位置を示している。ディレクトリdir1は、ルートディレクトリdir0のファイルエントリFEを示すFID−D(directory)、ディレクトリdir2のファイルエントリFE−D2を示すFID−D(directory)、ファイルF2のファイルエントリFE−F2を示すFID−F(File)により構成される。
ファイルエントリFE−F2のADは、ファイルF2の位置を示している。ファイルエントリFE−D2のADは、ディレクトリdir2の位置を示している。ディレクトリdir2は、何も記録されていないので、ディレクトリdir1のファイルエントリFEを示すFID−D(directory)により構成される。
すなわち、図4の例の場合、ファイルエントリFE−Rがそのアドレスを示すルートディレクトリdir0のFID−Fに従って、ファイルエントリFE−F1にたどり着くことで、ファイルF1に対するデータの読み出しまたは書き込みが可能となる。また、ルートディレクトリdir0のFID−Dに従って、最終的に、ファイルエントリFE−F2にたどり着くことで、ファイルF2に対するデータの読み出しまたは書き込みが可能となる。
図6は、図4のファイルエントリと光ディスク2上のファイル本体との関係を示す図である。
図6の例においては、光ディスク2上には、例えば、補助領域112−1およびストリームユニット111−1からなる連続記録領域113−1、…、補助領域112−2およびストリームユニット111−2からなる連続記録領域113−2、…、補助領域112−3およびストリームユニット111−3からなる連続記録領域113−3、…が順に記録されている。
この光ディスク2に記録されるファイルを管理するファイルシステムのファイルエントリは、ストリームユニット111を管理するAVファイルのファイルエントリ121、および、補助領域112を管理する補助領域のファイルエントリ122により構成される。
AVファイルのファイルエントリ121は、ファイルエントリの情報が記述されるファイルエントリディスクリプタ(File Entry Descriptor)、並びに、各ストリームユニット111の開始アドレス位置(Position)と長さ(length)を記述するAD[0],AD[1],AD[2],…により構成される。すなわち、AD[0]には、ストリームユニット111−1の開始アドレス位置と長さが記述されており、AD[1]には、ストリームユニット111−2の開始アドレス位置と長さが記述されており、AD[2]には、ストリームユニット111−3の開始アドレス位置と長さが記述されている。
補助領域のファイルエントリ122は、ファイルエントリの情報が記述されるファイルエントリディスクリプタ、並びに、各補助領域112の開始アドレス位置と長さを記述するAD[0],AD[1],AD[2],…により構成される。すなわち、AD[0]には、補助領域112−1の開始アドレス位置と長さが記述されており、AD[1]には、補助領域112−2の開始アドレス位置と長さが記述されており、AD[2]には、補助領域112−3の開始アドレス位置と長さが記述されている。
以上のように、ファイルエントリは、光ディスク2上に記録されるファイル本体の物理的配置情報などを管理している。記録再生装置1による光ディスク2へデータ記録中においては、これらのAVファイルおよび補助領域のファイルエントリのADは、次々と、更新、追加されていく。したがって、通常、データ記録中においては、これらのFIDおよびファイルエントリなどからなるファイルシステムの管理情報は、メモリ13に記録されており、記録再生装置1により、データ記録の終了直後にまとめて光ディスク2に記録される。
図7は、光ディスク2に記録されているデータを再生するために、記録再生装置1において参照されるアプリケーションの管理情報の構成例を表す。図7の例においては、光ディスク2にAVファイルが記録された状態の管理情報であるムービ情報ファイル131が示されている。
図7の例において、ムービ情報ファイル131は、AVファイル101や他の実データの管理情報が記録されるムービアトムと、一部の実データ(補助領域管理データ)が記録されるムービデータアトムにより構成される。
なお、記録再生装置1においては、光ディスク2から読み出されたデータを再生するために、アプリケーションとして、例えば、プラットフォームに依存せず、様々な記録形式に対応し、拡張性があるソフトウェアであるQT(Quick Time)(商標)が使用される。アトムは、QTにおいて、基本的なデータユニットを表し、ムービアトムは、ムービデータアトムに記録される実データを読み出すための管理情報が記録されるデータユニットであり、ムービデータアトムは、AVファイル101や後から記録される音声ファイルなどの実データが記録されるデータユニットである。なお、ムービアトムは、データの最小単位であるサンプル毎に、ムービデータアトムに記録されているファイルのデータを管理する。
ムービ情報ファイル131において、ムービアトムは、AVデータ管理トラック、補助領域管理トラック、および補助領域予約トラックにより構成される。
AVデータ管理トラックは、AVファイル101を管理する領域である。具体的には、AVデータ管理トラックは、ストリームユニット111を、ストリームサンプル毎に管理する。各ストリームサンプルは、1以上のGOP(Group Of Picture)により構成される。AVデータ管理トラックは、ストリームユニット111を構成するストリームサンプル数分のサンプル番号とその再生時間が記録されているサンプル時間アトム、および、ストリームサンプル数分のサンプルのデータサイズが記録されているサンプルサイズアトムなどにより構成される。
補助領域管理トラックは、ムービデータアトムの補助領域管理データを管理する領域である。補助領域管理データをサンプル毎に管理している。具体的には、補助領域管理データのサンプル番号とその再生時間がサンプル番号の順番に記録されるサンプル時間アトム、および、補助領域管理データそれぞれのサンプルのデータサイズがサンプル番号の順番に記録されるサンプルサイズアトムなどにより構成される。
補助領域予約トラックは、補助領域112の領域を管理する領域である。具体的には、補助領域予約トラックは、光ディスク2上において、補助領域112の領域を予め確保しておくトラックである。補助領域予約トラックにおいては、1つの補助領域112が1サンプルとして管理される。補助領域予約トラックは、例えば、補助領域112のサンプル番号とその再生時間がサンプル番号の順番に記録されるサンプル時間アトム、および、補助領域112のそれぞれのサンプルのデータサイズがサンプル番号の順番に記録されるサンプルサイズアトムなどにより構成される。なお、補助領域112の再生時間は、ストリームユニット111の再生時間(すなわち、ストリームユニット111を構成するストリームサンプルの再生時間の和)と等しい。また、補助領域112のデータの中身は、領域の予約を行うだけであり意味がない。
ムービデータアトムは、通常は、ムービ情報ファイル131の外に記録されることが多いが、内包することもできる。したがって、ムービ情報ファイル131には、実データのうちの補助領域管理データが記録されるムービデータアトムのみ配置される。なお、以降、説明の便宜上、ムービ情報ファイル131のムービデータアトムを、ムービデータアトムと称し、ムービ情報ファイル131の外部において他の実データが記録されるムービデータアトムを、ムービデータアトムとは敢えて称さないこととする。
ムービ情報ファイル131のムービデータアトムには、補助領域112の使用状態を管理する情報である補助領域管理データが記録されている。具体的には、補助領域112の使用状態についての管理情報が記述される補助領域管理サンプルにより構成され、AVファイル101が記録された時点では、すべての補助領域管理サンプルの使用状態は未使用となっている。
以上のように、ムービ情報ファイル131は、光ディスク2上に記録されるファイルの論理的配置情報を管理している。これらのムービ情報ファイル131の各データは、記録再生装置1による光ディスク2へデータ記録中においては、次々と、更新、追加されていく。したがって、通常、データ記録中においては、このムービ情報ファイル131などからなるアプリケーションの管理情報は、メモリ13に記録されており、データ記録の終了直後に、記録再生装置1によりまとめて光ディスク2に記録される。
図8は、光ディスク2の補助領域112にファイルが記録された状態のアプリケーションの管理情報の構成例を表す。
光ディスク2に、AVファイル101が記録された後に、AVファイル101を編集したり、あるいは、タイトルロールの映像ファイル(PNG(Portable Network Graphics)ファイルまたはJPEG(JointPhotographicExpertGroup)ファイル)や効果音などのMP(MPEG Audio Layer)3やAC(Audio Code number)3などで構成される音声ファイル181を後から編集して、補助領域112に記録した場合には、その編集後のファイルを管理するための編集リスト情報ファイル161が光ディスク2に記録される。このとき、補助領域112に記録されるデータに対するアプリケーションの管理情報が、編集リスト情報ファイル161として初めて生成され、その補助領域112に対応する、ムービ情報ファイル131の補助領域管理データの補助領域管理サンプルの使用状態が使用中となる。
すなわち、AVファイル101が記録されたときに、補助領域112に同時に記録されるシステムログ情報は、アプリケーションの管理情報においては管理されておらず、後から音声ファイル181などが編集され、記録された場合には、その音声ファイル181により上書きされ、消去される。
編集リスト情報ファイル161は、AVデータ管理トラックおよび音声データ管理トラックからなるムービアトムで構成される。光ディスク2における編集では、編集後のAVファイル101を新たに記録しなおさず、その編集内容のみを管理しておき、元のAVファイル101を参照し、一部分を再生させないなどのようにする非破壊編集が用いられる。したがって、AVデータ管理トラックは、AVファイル101のどの部分を飛ばすように編集されたかという編集内容、すなわち、AVファイル101のどの部分からどの部分へ再生させるかなどの編集後のAVファイル101を再生するための情報を管理する。
音声データ管理トラックは、補助領域112に記録された音声ファイル181を管理する領域である。なお、図8の例においては、音声ファイル181のみが記録された場合が示されており、例えば、PNGファイルまたはJPEGファイルなどの映像ファイルが記録された場合、それぞれ、編集リスト情報ファイル161には、PNGファイル管理トラックおよびJPEGファイル管理トラックが生成される。
なお、編集リスト情報ファイル161のAVデータ管理トラックおよび音声データ管理トラックの詳細な構成は、ムービ情報ファイル131のAVデータ管理トラックと基本的に同様な構成であるため、その説明を省略する。
次に、図9を参照して、光ディスク2の補助領域112に記録されるシステムログ情報について説明する。
記録再生装置1は、データ記録終了時に光ディスク2に記録される、図4乃至図8を参照して上述したファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を参照して光ディスク2に記録されているファイルを再生する。具体的には、記録再生装置1は、アプリケーションの管理情報を参照して、読み出すファイルを指示し、ファイルシステムの管理情報を参照して、指示されたファイルの位置を取得することにより、光ディスク2からデータを読み出し、読み出されたデータを、アプリケーションの管理情報を参照して、再生することができる。
しかしながら、AVファイルを光ディスク2にリアルタイムに記録している最中に、例えば、バッテリが切れてしまったなどの原因により、記録が途中で中断してしまった場合、ファイルシステムやアプリケーションが管理している管理情報と実際に光ディスク2に記録されている管理情報の不一致が発生しまうことがある。このような場合に対応して、記録再生装置1は、AVファイルの記録とともに、補助領域112にシステムログ情報201を記録する。
図9は、システムログ情報201の構成例を示す図である。図9の例において、光ディスク2の補助領域112は、システムログ情報201が記録される領域と予約領域202により構成される。すなわち、補助領域112において、システムログ情報201が記録されない領域は、システムログ情報201が増える場合の予約領域202として確保される。
システムログ情報201は、システムログ情報201のヘッダを表すファイルエントリログ(FELOG)211、および、システムログ本体212により構成される。ファイルエントリログ211は、システムログ本体212の開始アドレス位置と長さを記述するAD[0]および予約領域202の開始アドレス位置と長さを記述するAD[1]により構成される。
システムログ本体212は、ファイルシステムのFID221、補助領域のファイルエントリ(FE)222、およびAVファイルのファイルエントリ(FE)223、アプリケーションのムービ情報ファイル(ムービ)224、並びにその他のログ情報(その他)225により構成される。その他のログ情報225は、システムログ情報201を管理するための情報や前後の連続記録領域113(すなわち、補助領域112)の記録位置などの情報により構成される。
このシステムログ情報201は、AVファイルが生成され、記録されるときに、連続記録領域113の補助領域112にリアルタイムに記録される。すなわち、システムログ情報201は、AVファイルが記録されるときには空き領域である補助領域112に記録されるので、システムログ情報201により光ディスク2において記録する領域が減少することが抑制される。また、補助領域112は、AVファイルのストリームユニット111と連続記録領域113に配置されるため、光ディスク2へのアクセス時間の増加が抑制される。
なお、システムログ情報201は、記録されるAVファイルが増加するごとに情報が増える。また、1つの補助領域112のサイズも決まっているため、1つの補助領域112には、システムログ情報201を、前回のシステムログ情報201からの更新部分だけにより構成して記録するようにしてもよい。
次に、図10のフローチャートを参照して、図1の記録再生装置1の記録処理を説明する。ユーザは、操作入力部12を操作することにより、光ディスク2への記録要求を指示する。操作入力部12は、ユーザによる操作に対応する制御信号を、データ記録制御部51に供給する。
データ記録制御部51は、操作入力部12からの記録要求に対応する制御信号を入力すると、ステップS11において、管理情報生成部52を制御し、光ディスク2にデータを記録する際の記録情報を生成させ、ステップS12に進む。管理情報生成部52は、ステップS11において、光ディスク2にデータを記録する際の記録情報(例えば、フォーマット形式や記録時刻などの記録環境情報)を生成し、メモリ13のシステム管理情報に記録する。
データ記録制御部51は、ステップS12において、ログ情報生成部54を制御し、システムログ情報201を生成させ、ステップS13に進む。ログ情報生成部54は、メモリ13に記録される光ディスク2のシステム管理情報、ファイルシステムの管理情報、またはアプリケーションの管理情報などに基づいて、システムログ情報201をメモリ13に生成し、生成したシステムログ情報201を補助バッファ35に供給する。
データ記録制御部51は、ステップS13において、映像信号処理部31および音声信号処理部32を制御し、撮像部23やマイクロフォン24から入力した映像信号や音声信号から、ビットストリームを生成させ、ステップS14に進む。具体的には、映像信号処理部31は、撮像部23から入力された映像信号から、ビットストリームを生成し、生成したビットストリームをマルチプレクサ33に供給する。音声信号処理部32は、制御部11の制御のもと、マイクロフォン24から入力された音声信号から、ビットストリームを生成し、生成したビットストリームをマルチプレクサ33に供給する。
データ記録制御部51は、ステップS14において、マルチプレクサ33を制御し、映像信号処理部31および音声信号処理部32から供給されるビットストリームを多重化させることにより、AVストリームデータを生成させる。そして、データ記録制御部51は、マルチプレクサ33に、生成されたAVストリームデータを、AVファイルとして、AVバッファ34に格納させ、ステップS15に進む。
データ記録制御部51は、ステップS15において、ドライブ部22を制御し、データ記録処理を実行させ、ステップS16に進む。なお、ステップS15のデータ記録処理は、図11のフローチャートを参照して後述するが、このデータ記録処理により、メモリ13の各管理情報が更新され、光ディスク2上の連続記録領域に、符号化されたデータが記録される。
ステップS16において、データ記録制御部51は、操作入力部12からの記録終了に対応する制御信号が入力されたか否か、すなわち、記録終了が指示されたか否かを判定し、記録終了が指示されていないと判定した場合、ステップS12に戻り、それ以降の処理を繰り返す。ステップS16において、記録終了が指示されたと判定された場合、データ記録制御部51は、ステップS17に進む。
データ記録制御部51は、ステップS17において、ドライブ部22を制御し、メモリ13に記録されているアプリケーションの管理情報を、光ディスク2の所定の位置に記録させ、ステップS18に進み、メモリ13に記録されているファイルシステムの管理情報を、光ディスク2の所定の位置に記録させ、光ディスク2の記録処理を終了する。
以上のように、光ディスク2へのデータの記録が正常終了した場合、アプリケーションの管理情報、およびファイルシステムの管理情報が光ディスク2に記録されるので、記録再生装置1は、光ディスク2の各管理情報を参照することにより、光ディスク2からデータを読み出し、再生することができる。
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のステップS15のデータ記録処理を説明する。
データ記録制御部51は、ステップS31において、空き領域検索部53に空き領域を検索させ、ステップS32に進む。空き領域検索部53は、ステップS31において、連続記録領域113が記録可能な空き領域を検索し、検索した空き領域の方法を、管理情報生成部52に供給する。
ステップS32において、データ記録制御部51は、管理情報生成部52を制御し、ファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報を生成させ、ステップS33に進む。具体的には、管理情報生成部52は、ステップS32において、メモリ13のシステム管理情報、および空き領域検索部53により検索された空き領域の情報に基づいて、記録するデータに関するファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報を生成し、メモリ13に記録する。また、このとき、管理情報生成部52は、生成されたファイルシステムの管理情報のアドレス情報を、ログ記録情報生成部55およびドライブ制御部56に供給する。
ステップS33において、ログ記録情報生成部55は、管理情報生成部52からのアドレス情報を、ログ情報生成部54により生成されたシステムログ情報のログ記録情報として、フラッシュメモリ14に記録し、ステップS34に進む。
データ記録制御部51は、ステップS34、およびステップS35において、マルチプレクサ36を制御し、AVバッファ34のAVファイルおよび補助バッファ35のシステムログ情報201を交互に入力し、ドライブ部22に供給する。
すなわち、ドライブ制御部56は、管理情報生成部52からのアドレス情報に基づいて、ドライブ部22を制御し、ステップS34において、光ディスク2の対応するアドレスの位置の補助領域112に、システムログ情報201のデータを記録させ、ステップS35に進み、補助領域と連続する連続記録領域113に、AVファイル(ストリームユニット111)のデータを記録させる。ドライブ部22は、ドライブ制御部56の制御のもと、マルチプレクサ36より供給されるデータを、符号化部41に符号化させ、符号化されたデータを光ディスク2に記録する。ドライブ制御部56は、ステップS35の処理の後、データ記録処理を終了し、図10のステップS15に戻り、ステップS16に進む。
以上のように、光ディスク2のAVファイル(ストリームユニット111)と連続する連続記録領域113の補助領域112にシステムログ情報201がリアルタイムに記録される。したがって、何かの原因(例えば、バッテリ切れ)により、記録が異常終了した場合においても、ファイルシステムやアプリケーションの異常終了直前までの管理情報が記録されるので、ファイルシステムやアプリケーションの管理情報の復元率を向上させることができる。
また、システムログ情報201が、AVファイルが記録されるときには空き領域である補助領域112に記録されるので、従来、装置内の不揮発メモリに記録していた場合よりも多くのシステムログ情報201を記録することができ、また、光ディスク2においても、記録する領域が減少することが抑制される。
さらに、この補助領域112は、AVファイルのストリームユニット111と連続記録領域113に配置されるため、システムログ情報201を記録するために、ドライブ部22の不必要なシークが発生することがなく、光ディスク2へのアクセス時間の増加が抑制される
なお、上記説明においては、ストリームユニット111と連続した連続記録領域113に配置される補助領域112にシステムログ情報201を記録するようにしたが、光ディスク2には、ストリームユニット111とは離れて配置される補助領域(図示せず)も存在し、離れた補助領域にシステムログ情報201を記録するようにしてもよい。ただし、この場合には、システムログ情報201を記録するドライブ部22のシークによるアクセス時間の抑制はされないが、その他は、連続記録領域113の補助領域112の場合と同様の効果を得ることができる。
また、上記説明においては、システムログ情報201をメモリ13で生成し、生成したシステムログ情報201をストリームユニット111と連続した連続記録領域113に配置される補助領域112に記録するように説明したが、生成したシステムログ情報201をフラッシュメモリ14にも同時にバックアップとして記録するようにしてもよい。なお、この場合にも、バックアップとしての必要最小限のシステムログ情報201しか記録しておく必要がないため、従来の場合にシステムログ情報201のためにフラッシュメモリ14を占有していた領域を削減することができる。
図12は、図1の記録再生装置1の他の構成例を表している。図12の例においては、記録再生装置1のうち、ドライブ部22に装着された光ディスク2に記録されたデータを読み出し、読み出されたデータに対応する映像や音声を出力する処理を行う再生処理部311が示されている。なお、図12において、図1における場合と対応する部分には対応する符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
制御部11は、ユーザの操作に基づく、操作入力部12からの制御信号やメモリ13に適宜記憶される各処理に必要なデータに応じて、バス15に接続されるドライブ部22および再生処理部311を制御する。
具体的には、制御部11は、ドライブ部22により光ディスク2からメモリ13に読み出されたファイルシステム(例えば、図4のファイルシステム)を参照して、ドライブ22に装着された光ディスク2の記録処理が正常終了しているか否かを判定し、光ディスク2の記録処理が正常終了している場合には、ドライブ部22により光ディスク2からメモリ13に読み出されたファイルシステム、およびアプリケーションの管理情報(例えば、図7のムービ情報ファイル131)を参照して、ドライブ部22および再生処理部311を制御し、光ディスク2に記録されているデータを読み出させ、読み出されたデータを再生させる。また、制御部11は、光ディスク2の記録処理が正常終了していない場合には、ファイルシステムを参照して、ドライブ部22および再生処理部311を制御し、光ディスク2の補助領域112に記録されているシステムログ情報のデータを読み出させ、ファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報(例えば、図6のAVファイルのファイルエントリ121および図7のムービ情報ファイル131)などの復元処理を実行させる。
ドライブ部22は、読み出されるデータを復号し、エラー訂正を行う復号部321を内蔵している。ドライブ部22は、光ディスク2が装着されると、ファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を読み出し、読み出した情報を、内蔵する復号部321に、復号、エラー訂正させ、メモリ13に供給する。また、ドライブ部22は、制御部11より指定された光ディスク2の読み出し開始位置へ位置決めを行い(以降、位置決めにかかる時間をアクセス時間と称する)、位置決めした読み出し開始位置からデータを読み出し、読み出したデータを、内蔵する復号部321に、復号、エラー訂正させ、デマルチプレクサ331に供給する。
再生処理部311は、デマルチプレクサ331、AVバッファ332、補助バッファ333、デマルチプレクサ334、映像再生部335、および音声再生部336により構成される。デマルチプレクサ331は、制御部11の制御のもと、ドライブ部22からのデータを、AVファイルのデータと補助領域112に格納されているデータ(図12の例の場合、システムログ情報201のデータ)に分離し、AVファイルのデータを、AVバッファ332に供給し、システムログ情報201のデータを補助バッファ333に供給する。なお、上述したように、光ディスク2に記録されているデータが編集された場合には、補助領域112には、システムログ情報201のデータが消去され、PNGファイルのデータ、JPEGファイルのデータ、または音声ファイルのデータなどが記録されるので、補助領域112からは、編集により記録されたファイルのデータが読み出され、補助バッファ333に供給される。
AVバッファ332には、デマルチプレクサ334より、AVファイルのデータが蓄積される。AVバッファ332に蓄積されたデータは、制御部11の制御により、アプリケーションの管理情報(例えば、図7のムービ情報ファイル131)を参照して取得されるデータ再生時間に合わせて、デマルチプレクサ334に供給される。
補助バッファ333には、デマルチプレクサ334より、システムログ情報201のデータおよび編集により記録されたファイルのデータの少なくとも一方のデータが蓄積される。補助バッファ333に蓄積されたデータは、制御部11の制御により、メモリ13、または、アプリケーションの管理情報を参照して取得されるデータ再生時間に合わせて、デマルチプレクサ334に供給される。
なお、ドライブ部22のアクセス時間中は、光ディスク2から各バッファへのデータ転送は行われないが、各バッファにデータが先読され、そのデータがデマルチプレクサ334に送られることにより再生が続けられる。
デマルチプレクサ334は、制御部11からの制御のもと、AVバッファ332または補助バッファ333から供給されるデータを映像データおよび音声データに分離し、それぞれ映像再生部335および音声再生部336に供給する。映像再生部335は、デマルチプレクサ334から供給される映像データをデコードし、デコードした映像データを再生し、映像データに対応する映像を、表示部312に表示させる。音声再生部336は、デマルチプレクサ334から供給される音声データをデコードし、デコードした音声データを再生し、音声データに対応する音声を、スピーカ313に表示させる。
表示部312は、LCD(Liquid Crystal Display)などにより構成され、映像再生部335から供給される映像データに対応する映像を表示する。スピーカ313は、音声再生部336から供給される音声データに対応する音声を表示する。
図13は、記録再生装置1の再生処理を制御する制御部11の構成例を表す。図13の例の場合、制御部11は、復元制御部351、ログ記録情報検索部352、ディスク解析部353、ドライブ制御部354、および管理情報復元部355により構成される。
復元制御部351は、ドライブ部22に読み出されたファイルシステムに基づいて、光ディスク2の記録処理が正常終了しているか否かを判定する。具体的には、UDFファイルシステムのLVID(Logical Volume Integrity Descriptor)は、総ファイル数、光ディスク2を最後に更新したドライバ名などが記述される管理情報である。このLVIDには、Integrity Typeフィールドがある。Integrity Typeフィールドは、光ディスク2への書き込みを行う際には、「Open」の情報が記録されており、記録が正常終了した場合には、「Close」の情報が記録されるが、予期せぬ中断が発生した場合には、Integrity Typeは、「Open」のままになっていることが多い。したがって、復元制御部351は、Integrity Typeが「Open」であるか否かを判定し、Integrity Typeが「Open」である場合、ログ記録情報検索部352、ディスク解析部353、ドライブ制御部354、および管理情報復元部355を制御し、光ディスク2の復元処理を実行する。
ログ記録情報検索部352は、フラッシュメモリ14から、ログ記録情報を検索し、検索されたログ記録情報を、復元制御部351に供給する。すなわち、光ディスク2が記録再生装置1において記録されていた場合には、フラッシュメモリ14に、ログ記録情報が記録されているため、復元制御部351は、このログ記録情報に基づいて、光ディスク2上のシステムログ情報201の記録位置を求めることができる。
光ディスク2が他の記録装置において記録され、記録が正常終了していない場合(すなわち、光ディスク2を記録していた記録装置本体も壊れてしまい使用不可能な場合など)には、フラッシュメモリ14に、ログ記録情報が記録されていない。したがって、ディスク解析部353は、UDFファイルシステムのスペースビットマップ(Space Bitmap)に基づいて、光ディスク2の空き領域を検出し、検出した空き領域から、ファイルエントリを検出し、そのファイルエントリが、システムログ情報201のヘッダに配置されているファイルエントリ211であるか否かを判定し、システムログ情報201のヘッダに配置されているファイルエントリ211であると判定したファイルエントリに基づいて、システムログ情報201の位置を特定し、特定したシステムログ情報201の位置を復元制御部351に供給する。
ドライブ制御部354は、ドライブ部22を制御し、復元制御部351から供給されるシステムログ情報201の位置から、データを読み出させる。管理情報復元部355は、補助バッファ333に蓄積されるシステムログ情報201のデータを取得し、メモリ13に、ファイルシステムの管理情報およびアプリケーションの管理情報を復元する。
次に、図14のフローチャートを参照して、図12の記録再生装置1の復元処理を詳しく説明する。
ドライブ部22は、読み出されるデータを復号し、エラー訂正を行う復号部321を内蔵している。ドライブ部22は、光ディスク2が装着されると、ファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を読み出し、読み出したファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を、内蔵する復号部321に、復号、エラー訂正させ、メモリ13に供給する。復元制御部351は、ステップS71において、ファイルシステムのIntegrity Typeが「Close」であるか否かを判定し、Integrity Typeが「Close」であると判定した場合、この光ディスク2の記録は正常終了しているものであるとされ、復元処理を終了する。
復元制御部351は、ステップS71において、Integrity Typeが「Close」ではない(「Open」である)と判定した場合、ステップS72に進み、ログ記録検索部352にフラッシュメモリ14からログ記録情報を検索させ、フラッシュメモリ14にログ記録情報があるか否かを判定する。
ログ記録検索部352によりフラッシュメモリ14からログ記録情報が検索され、検索されたログ記録情報が入力されると、復元制御部351は、ステップS72において、フラッシュメモリ14にログ記録情報があると判定し、ステップS73に進む。ログ記録情報には、システムログ情報201が記録されている補助領域112の記録位置などが記録されている。復元制御部351は、ステップS73において、ログ記録情報に基づいて、システムログ情報201が記録される補助領域112の記録位置を求め、ドライブ制御部354に供給し、ステップS74に進む。
ドライブ制御部354は、ステップS74において、ドライブ部22を制御し、復元制御部351から供給された記録位置の補助領域112から、システムログ情報201を読み出させ、ステップS75に進む。ドライブ部22により読み出されたシステムログ情報201のデータは、復号部321より復号、エラー訂正が実行され、デマルチプレクサを介して、補助バッファ333に入力される。
ステップS75において、復元制御部351は、管理情報復元部355を制御し、補助バッファ333に蓄積されるシステムログ情報201のデータを取得し、メモリ13に、ファイルシステムのFIDおよびファイルエントリFEを復元し、ステップS76に進む。復元制御部351は、さらに、ステップS76において、管理情報復元部355を制御し、補助バッファ333に蓄積されるシステムログ情報201のデータを取得し、メモリ13に、アプリケーションの管理情報(例えば、図7のムービ情報ファイル131)を復元し、復元処理を終了する。
一方、ステップS72において、フラッシュメモリ14にログ記録情報がないと判定された場合、すなわち、光ディスク2が他の記録装置において記録されており、正常に記録終了されなかった場合、ステップS77に進み、復元制御部351は、ディスク解析部353を制御し、ディスク解析処理を実行させる。このディスク解析処理を、図15のフローチャートを参照して説明する。
図15のステップS91において、ディスク解析部353は、ファイルシステムのスペースビットマップに基づいて、光ディスク2の空き領域を検出し、ステップS92に進み、検出された空き領域を選択し、ステップS93に進む。ディスク解析部353は、ステップS93において、選択された空き領域から、ファイルエントリFEを検索し、選択された空き領域に、ファイルエントリFEがあるか否かを判定する。
ステップS91乃至S93の処理を具体的に説明する。通常、UDFファイルシステムにおいて、スペースビットマップは、空き領域を管理している。スペースビットマップは、ファイル本体を記録した後に更新されるため、記録途中に中断が発生した場合には、光ディスク2上のスペースビットマップは更新されていない。したがって、記録中断直前にファイルが記録された領域は、ファイルシステムにおいて、ファイルの記録領域として管理されておらず、ファイルシステムから見ると、この領域(未管理領域)は、AVファイルが記録されていない空き領域と同じ扱いになる。しかしながら、実際には、この未管理領域に、記録中断直前に記録された補助領域112およびストリームユニット111が存在する可能性がある。したがって、光ディスク2において空き領域とされる領域からファイルエントリを探すことにより、補助領域112に記録されたシステムログ情報201のヘッダのファイルエントリ211の位置を求めることができる。
ステップS93において、選択された空き領域に、ファイルエントリFEがあると判定された場合、ディスク解析部353は、ステップS94に進み、検索されたファイルエントリFEが、システムログ情報201のヘッダのファイルエントリ211であるか否かを判定する。
ステップS94の処理について具体的に説明する。UDFファイルシステムのファイルエントリFEは、同一ディスク上では、重複しない、ユニークな値が記録されるユニークID(Unique identify)フィールドを有する。また、LVIDのLVHD(Logical Volume Header Descriptor)も、ファイルエントリFEと同様なユニークIDフィールドを有する。LVHDのユニークIDフィールドには、次にファイルエントリFEが追加された際に利用されるユニークIDが記録されているため、ファイルシステムが管理しているすべてのファイルエントリFEのユニークIDより大きい値でなければならない。したがって、ディスク解析部353は、空き領域において検索されたファイルエントリFEのユニークIDの値が、LVHDのユニークIDよりも大きい値であった場合には、このユニークIDがAVファイル記録中のシステムログ情報201のヘッダのファイルエントリ211であると判定することができる。
ディスク解析部353は、ステップS94において、検索されたファイルエントリFEのユニークIDが、LVHDのユニークIDよりも大きく、検索されたファイルエントリFEが、システムログ情報201のヘッダのファイルエントリ211であると判定した場合、ステップS95に進み、検索されたファイルエントリFEに基づいて、システムログ情報の記録位置を特定し、特定したシステムログ情報201の記録位置を、復元制御部351を介して、ドライブ制御部354に供給し、ステップS96に進む。
ドライブ制御部354は、ステップS96において、ドライブ部22を制御し、復元制御部351から供給された記録位置の補助領域112から、システムログ情報201を読み出させ、ステップS97に進む。ドライブ部22により読み出されたシステムログ情報201のデータは、復号部321より復号、エラー訂正が実行され、デマルチプレクサ331を介して、補助バッファ333に入力される。
ステップS97において、復元制御部351は、管理情報復元部355を制御し、補助バッファ333に蓄積されるシステムログ情報201のデータを取得し、メモリ13に、ファイルシステムのFIDおよびファイルエントリFEを復元し、ステップS98に進む。復元制御部351は、さらに、ステップS98において、管理情報復元部355を制御し、補助バッファ333に蓄積されるシステムログ情報201のデータを取得し、メモリ13に、アプリケーションの管理情報(例えば、図7のムービ情報ファイル131)を復元し、ディスク解析処理を終了し、図14のステップS77に戻り、復元処理を終了する。
一方、ステップS93において、選択された空き領域に、ファイルエントリFEがないと判定された場合、または、ステップS94において、検索されたファイルエントリFEのユニークIDが、LVHDのユニークIDよりも小さく、検索されたファイルエントリFEが、システムログ情報201のヘッダのファイルエントリ211ではないと判定した場合、ディスク解析部353は、ステップS99に進む。
ディスク解析部353は、ステップS99において、光ディスク2上のすべての空き領域において、ファイルエントリFEの検索が終了したか否かを判定し、まだ、すべての空き領域において、ファイルエントリFEの検索が終了していないと判定した場合、ステップS92に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS99において、光ディスク2上のすべての空き領域において、ファイルエントリFEの検索が終了したと判定された場合、光ディスク2からシステムログ情報201が検出されなかったので、ディスク解析処理を終了し、図14のステップS77に戻り、復元処理を終了する。
以上のようにして、メモリ13には、ファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報が復元される。したがって、例えば、記録再生装置1は、メモリ13に復元されたファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を用いて、光ディスク2に記録されたデータを読み出し、再生することができる。また、記録再生装置1は、記録処理部21およびドライブ部22を制御して、光ディスク2のファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を更新するようにしてもよい。
なお、図9を参照して上述したように、システムログ情報201を、前回のシステムログ情報201からの更新部分だけにより構成して記録するようにした場合でも、直前の利ステムログ情報201を見つけることにより、そのシステムログ情報201には、前後の連続記録領域113(すなわち、補助領域112)の記録位置などの情報が記録されているため、光ディスク2に管理されていない情報を、できるかぎり復元することができる。
以上のように、光ディスク2のAVファイル(ストリームユニット111)と連続する連続記録領域113の補助領域112にシステムログ情報201がリアルタイムに記録されるので、何かの原因(例えば、バッテリ切れ)により、記録が異常終了した場合においても、ファイルシステムやアプリケーションの異常終了直前までの管理情報が記録されるので、ファイルシステムやアプリケーションの管理情報の復元率を向上させることができる。
また、光ディスク2にデータを記録していた記録再生装置1で、ファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を、自己完結で復元することができるだけでなく、例えば、記録再生装置1が壊れてしまった場合には、他の記録再生装置でも、光ディスク2に記録されているシステムログ情報201を用いて、ファイルシステムおよびアプリケーションの管理情報を復元することができ、光ディスク2に記録されたデータを読み出すことができる。
さらに、このシステムログ情報201は、後で編集などにより他のファイルを記録しない限りは、半永久的に光ディスク2に保存される。したがって、例えば、市場で光ディスク2の記録に対する問題が発生した場合に、メーカにおいて、記録した光ディスク2を回収し、システムログ情報を解析することにより、発生した問題を把握することができるので、不具合の解析に役立てることができる。
なお、上記説明において、記録再生装置1の記録処理を行う記録部および再生部の場合を説明したが、本発明は、記録装置または再生装置にも適用される。
また、上記説明においては、光ディスク2は、機械的、光学的、磁気的、または、磁気光学的に記録可能なもので、繰り返し書込みが可能なもの(例えば、Blu-ray Disc 、DVD-RW(Digital Versatile Disc- Rewritable)、DVD-RAM(Digital Versatile Disc- Random Access Memory))であってもよいし、1回書込みのみが可能なもの(例えば、DVD-R(Digital Versatile Disc- Recordable)や、DVD-ROM(Digital Versatile Disc- Read Only Memory)を含む)など、その形式は問わず、データを記録、または、再生できるディスク型の記録媒体であればよい。さらに、ディスク型の記録媒体に限らず、光ディスク2以外のメモリーカード(登録商標)、その他の記録媒体とすることもできる。
さらに、上記説明において用いたファイルシステムやアプリケーションは、一例である。すなわち、本発明は、他のファイルシステムやアプリケーションにも適用される。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図1および図12の記録再生装置1は、図16に示されるような記録再生装置401により構成される。
図16において、CPU(Central Processing Unit)411は、ROM(Read Only Memory) 412に記憶されているプログラム、または、記憶部418からRAM(Random Access Memory)413にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM413にはまた、CPU411が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU411、ROM412、およびRAM413は、バス414を介して相互に接続されている。このバス414にはまた、入出力インタフェース415も接続されている。
入出力インタフェース415には、キーボード、マウスなどよりなる入力部416、CRT(Cathode Ray Tube),LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部417、ハードディスクなどより構成される記憶部418、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部419が接続されている。通信部419は、無線などのネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース415にはまた、必要に応じてドライブ420が接続され、磁気ディスク421、光ディスク422、光磁気ディスク423、或いは半導体メモリ424などが適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部418にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図16に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク421(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク422(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク423(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ424などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM412や、記憶部418に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1 記録再生装置,2 光ディスク,11 制御部,13 メモリ,14 フラッシュメモリ,34 AVバッファ,35 補助バッファ,36 マルチプレクサ,41 符号化部,51 データ記録制御部,52 管理情報生成部,53 空き領域検索部,54 ログ情報生成部,55 ログ記録情報生成部,56 ドライブ制御部,111,111−1乃至111−n ストリームユニット,112,112−1,112−2 補助領域,113−1,113−2 連続記録領域,201 システムログ情報,351 復元制御部,352 ログ記録情報検索部,353 ディスク解析部,354 ドライブ制御部,355 管理情報復元部