JP4274026B2 - 電解加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被加工物と電極との間に電解液を満たして両者間に電流を供給することにより行う電解加工方法に関し、特に、被加工物に、第1の孔と、第1の孔の周壁部に開口する第2の孔とが形成されている場合に、第1の孔の周壁部と第2の孔の周壁部とが接する部分であるエッジ部を、略曲面状に加工するための電解加工方法に関する。
従来の電解加工方法は、図9(a)に示すように、電極102の形状を、製品の形状に合わせて形成しておき、硝酸ナトリウム(NaNO3)や塩化ナトリウム(NaCl)等の水溶液からなる電解液103中で、電極102と被加工物101とを所定の間隔を置いて対向させ、被加工物101と電極102との間にパルス電流を供給することにより行っていた。
被加工物が鉄材であるとして、電解加工のメカニズムについて説明すると、被加工物101は電流供給開始時に、酸化膜Fe23に覆われた状態であり、この状態で電流が供給されると、酸化膜は、Fe23+6H++2e→2Fe2++3H2Oで示される反応によって電解液中に溶解する。そして、Fe2++2OH-→Fe(OH)2で示される反応により、スラッジFe(OH)2が発生し、一方、2H++2e→H2で示される反応により、水素ガスが発生する。電流が停止されると、スラッジとガスの排出が、電解液の流れにより促進され、被加工物101の母材が表面に現れて、被加工物101の表面が再び酸化膜で覆われる。そして、電流の供給、停止が繰り返されることにより、かかる酸化膜生成、酸化膜溶解、スラッジ及びガスの発生、スラッジ及びガスの排出、が繰り返されて、被加工物101の加工が進展することとなる。
ここで、従来の電解加工方法では、図9(b)に示すように、加工が進むにつれて電極102を被加工物101の方に送ることにより、電極102と被加工物101との間隔を一定に保ち、電解液の流れの安定を図って、電極102の形状を、被加工物101に、いわば転写していた。
なお、従来の電解加工装置としては、次のものが知られている。
特開平9−141528号公報
しかし、従来の電解加工方法では、図10(a)(b)に示すように、被加工物1に、第1の孔11と、第1の孔11に交差する第2の孔12とが形成されている場合に、第1の孔11の周壁部11aと第2の孔12の周壁部12aとが接する部分であるエッジ部13に、転写により、図10(c)のようなR付け(曲面付け、丸み付け)加工をしようとしても、第1の孔11と第2の孔12との交差部分に対して、R形状を有する電極を挿入し、加工が進むにつれてその電極を送ることは、困難であるという問題があった。
ここで、交差とは、十字をなすように交わる場合のみならず、一方が他方に突き当たった状態で交わる場合(例えば、図10の第1の孔11と第2の孔12のように略T字形状をなす場合や、略Y字形状をなす場合)も含むものとする。かかる2つの孔の交差部分が、例えば高圧燃料の通路となるような場合には、その交差部分のエッジ部を丸めておくことが、耐圧性向上のためには望ましい。
そこで、図11に示すように、第2の孔12からのみ電極104を挿入し、電解液を第1の孔11から第2の孔12に流入させるとともに、被加工物1と電極104との間に電流を供給すると、エッジ部13は電解加工されるが、単に角を取る所謂ダラシ加工や、バリ取り加工はできるものの、R付け加工を含めて、エッジ部13を略曲面状にする加工はできないという問題があった。なお、第2の孔12の加工したくない部分には、絶縁部材105を対向させている。
また、図12に示すように、第1の孔11からのみ電極106を挿入し、電解液を電極106内に形成された流路106bを介して、第1の孔11に流入させ、第1の孔11から第2の孔12に流入させると、エッジ部13は加工されるが、やはりダラシ加工やバリ取り加工はできるものの、略曲面状にする加工はできないという問題があった。なお、電極106には第2の孔12に対向させて突出部106aが形成され、また、第1の孔11には絶縁部材107が挿入されて、加工したくない部分を覆っている。
この発明は、上述した問題を解決するものであり、被加工物に、第1の孔と、第1の孔の周壁部に開口する第2の孔とが形成されている場合に、第1の孔の周壁部と第2の孔の周壁部とが接する部分であるエッジ部を、略曲面状に加工することが可能な電解加工方法を提供することを目的とする。
なお、この明細書及び特許請求の範囲において、略曲面状とは、略滑らかに曲がった面をなしている状態を言い、複数の曲がった面が略滑らかに連続している状態(波形面状)も含む意である。
本発明の電解加工方法は、第1の孔と前記第1の孔の周壁部に開口する第2の孔とが形成された被加工物の、前記第1の孔の周壁部と前記第2の孔の周壁部とが接する部分であるエッジ部を加工する電解加工方法であって、前記第1の孔に、前記第1の孔の周壁部との間に間隔を置いて第1の電極を挿入して、前記第1の電極の一部を、前記第1の孔の周壁部の、前記第2の孔の開口部の周囲に対向させ、前記第2の孔に、前記第2の孔の周壁部との間に間隔を置いて第2の電極を挿入して、前記第2の電極の一部を、前記第2の孔の開口部から前記第1の孔内に延設し、前記第1の孔から前記第2の孔の開口部を介して前記第2の孔に電解液を流入させるとともに、前記被加工物と前記第1の電極との間、及び、前記被加工物と前記第2の電極との間に電流を供給して、前記エッジ部を加工することを特徴とする。
これによれば、エッジ部は、第1の電極と第2の電極の両方から電流を受けることとなる。このため、エッジ部を略曲面状に加工することが可能となる。
ここで、前記第1の電極が、有底の略筒形状に形成され、前記第1の電極の周壁部に、電解液が流出する流出口が1つ以上設けられ、前記流出口の1つを、前記第2の孔の開口部に対向するように配置して、前記第2の電極の先端部を、当該流出口に挿入することが好ましい。
これによれば、第2の電極の先端部が第1の電極の流出口に挿入できれば、その流出口が第2の孔の開口部に対向し、第2の電極が第2の孔の軸方向に略沿って挿入されていることになる。すなわち、先端部を流出口に挿入することにより、第1の電極及び第2の電極を正しく配置できることとなる。
また、前記流出口が、互いに対向するように2つ設けられていることが好ましい。
これによれば、電解液が第1の電極から対称的に流出して、電解液の流れの偏りが小さくなるので、エッジ部の加工形状を安定化できるとともに、エッジ部を略曲面状に加工することが可能となる。
また、前記第1の電極と前記第1の孔の周壁部との間に、前記第2の孔の開口部に対向する部位が開口した絶縁部材を配置して、前記絶縁部材と前記第1の孔の周壁部との間の少なくとも前記第2の孔の開口部の周囲に、チャンバーを設けることが好ましい。
これによれば、チャンバーが電解液の液溜りになることにより、第1の孔から第2の孔に流れ込むときの電解液の急縮が抑制されて、電解液の流れが安定化するので、第1の電極及び第2の電極を、送りを行わない固定電極としても、第1の電極及び第2の電極と被加工物との間隔の変化による電解液の流れの変化を抑制でき、安定してガスやスラッジを排出でき、エッジ部の加工形状を安定化できるとともに、エッジ部を略曲面状に加工することが可能となる。
なお、前記第1の孔の周壁部の、前記第2の孔の開口部の周囲に、前記第1の孔の径方向における外方に凹む凹部を設けることにより、前記チャンバーを設けることとしてもよい。
(第1実施形態)本発明の第1実施形態の電解加工方法について、図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、鉄製の被加工物1には、断面略円形の第1の孔11と、断面略円形の第2の孔12とが形成されている。第2の孔12は、第1の孔11よりも小径である。第2の孔12は、図10に示すように、第1の孔11に対して略T字形状をなすように交差しており、第1の孔11の周壁部11aに一端が開口している。本実施形態では、絶縁性を有する部材(以下、絶縁部材と言う。)2と、第1の電極3と、第2の電極4とを備えた電解加工装置を用いて、第1の孔11の周壁部11aと第2の孔12の周壁部12aとが接する部分(すなわち、周壁部11aと周壁部12aとをつなぐ部分)であるエッジ部13を加工する。
絶縁部材2は、有底の略円筒形状に形成されている。絶縁部材2の上壁部22は、中央部に略円形状の挿入口23が形成された略円環状をなし、外径は第1の孔11と略同径とされている。絶縁部材2の下壁部21は、第1の孔11と略同径の略円形状をなしている。絶縁部材2の周壁部24は、挿入口23よりも大径で第1の孔11よりも小径の外径を有する略円筒形状とされている。すなわち、下壁部21と上壁部22とは、周壁部24よりも外側に鍔状に突出している。周壁部24には、上壁部22と下壁部21との中間位置に、第2の孔12よりも大径の略円形状の開口部25が形成されている。
第1の電極3は、有底の略円筒形状に形成され、外径は挿入口23と略同径である。第1の電極3の上端には、流入口34が形成されている。第1の電極3の周壁部33には、2つの流出口31が、互いに対向するように形成されている。各流出口31は、開口部25より小径で、第2の電極4よりも大径の略円形状をなしている。
第2の電極4は、第2の孔12よりも小径の略丸棒状に形成されており、先端部41とは反対側の基端部には、絶縁部材42が配設されている。
次に、以上のように構成された絶縁部材2、第1の電極3、及び、第2の電極4の配置手順について説明する。
本実施形態では、まず、絶縁部材2を、開口部25が周壁部11aにおける第2の孔12の開口部12bに対向するように、第1の孔11内に挿入する。
次に、第1の電極3を、挿入口23から絶縁部材2内に、流出口31の1つが開口部12bに対向するように、絶縁部材2内に挿入する。流出口31、31を区別するときは、開口部12bに対向する流出口31を流出口31a、その反対側の流出口31を流出口31bと表記する。流出口31aは、開口部25の開口面を介して開口部12bと対向し、流出口31aの周囲に相当する第1の電極3の一部が、開口部12bの周囲と対向することとなる。流出口31aは、後述するように、第2の電極4の先端部41が挿入される被挿入部となる。
そして、第1の電極3の周壁部33と絶縁部材2の周壁部24との間には間隔があき、周壁部24と第1の孔11の周壁部11aとの間にも間隔があくことから、周壁部33と周壁部11aとの間には間隔が置かれることとなる。また、第1の電極3の下壁部32と絶縁部材2の下壁部21との間にも、間隔が置かれる。
なお、絶縁部材2内に第1の電極3を挿入しておいてから、その絶縁部材2を第1の孔11内に挿入してもよい。
次に、第2の電極4を、第2の孔12内に、第2の孔12の周壁部12aとの間に間隔を置いて、開口部12bとは反対側の開口部から挿入する。そして、第2の電極4の先端部41を、開口部12bから第1の孔11内に突出させる。すなわち、第2の電極4の先端部41を含む一部を、開口部12bから第1の孔11内に延設する。
そして、さらに、第2の電極4の先端部41を、開口部25に挿通して、流出口31a内に挿入する。ここで、先端部41が流出口31aに挿入できるということは、開口部25及び流出口31aが開口部12bに対向しており、第2の電極4が第2の孔12の軸方向に略沿って挿入されていることを意味する。すなわち、先端部41を流出口31aに挿入することにより、絶縁部材2、第1の電極3、及び、第2の電極4を正しく配置できることとなる。
また、被加工物1が+側、第1の電極3及び第2の電極4が−側になるように、被加工物1と第1の電極3及び第2の電極4との間に、パルス電源5を接続する。なお、この接続は、絶縁部材2、第1の電極3、及び、第2の電極4の上述した配置の前か後かを問わない。
以上のように、絶縁部材2、第1の電極3、及び、第2の電極4を配置後、図示しないポンプにより、流入口34を介して第1の電極3内に電解液(本実施形態ではNaNO3)を供給する。電解液は、図1及び図2の矢印に示すように、各流出口31から、第1の電極3と絶縁部材2との間に流出し、さらに、開口部25から、絶縁部材2と周壁部11aとの間に流出する。なお、流出口31bから流出した電解液は、第1の電極3の周壁部33と、絶縁部材2の周壁部24との間を流通して、開口部25から流出する。開口部25から流出した電解液は、開口部12bを介して第2の孔12に流入する。
電解液は、第1の孔11内の絶縁部材2の上壁部22から下壁部21までの部分と、第2の孔12内とを満たした状態で、第1の孔11から第2の孔12へ流れるように、供給され続ける。なお、電解液が満たされた電解液槽内に被加工物1を配置するか否かは問わない。
そして、電解液を供給する一方、パルス電源5により、被加工物1と第1の電極3との間、及び、被加工物1と第2の電極4との間に、パルス電流を供給する。すると、図3の矢印に示すように、絶縁部材2及び絶縁部材42に対向する部分を除いて、被加工物1は、第1の電極3と第2の電極4から電流を受けることとなる。特に、エッジ部13の角部13aは、開口部12bの周囲に対向する第1の電極3の一部と、開口部12b(開口部12bの周縁部がエッジ部13に相当する。)を通って第1の孔11内に配置される第2の電極4の一部とから電流を受けて、電流が集中することとなるので、エッジ部13は略曲面状に加工されることとなる。また、第1の電極3と第2の電極4の両方からの電流を受けるので、エッジ部13の加工速度が速くなるとともに、要求されるR(曲率半径)の大きさの確保が可能となる。
また、第1の電極3の周壁部33には、流出口31、31が対向して設けられ、下壁部32には流出口が設けられていないので、電解液が第1の電極3から対称的に流出し、電解液の流れの偏りは小さくなる。このため、エッジ部13を通過する電解液の流れも、エッジ部13全周で略均等となって乱れにくくなり、エッジ部13の加工形状を安定させることができる。
さらに、絶縁部材2の開口部25は、上壁部22と下壁部21との中間位置に形成されており、開口部25の位置に合わせて流出口31aが配置されることから、流出口31a、31bは、上壁部22と下壁部21との中間位置に配置される。このため、開口部12bには、図2における上側と下側とから略均等に電解液が流れ込んで、流れが乱れにくくなり、エッジ部13の加工形状は更に安定することとなる。
また、図4に示すように、電解液の供給方向を変えた実験では、第2の孔12から第1の孔11に電解液を供給した場合(正流方向)には、エッジ部13に角やしわが発生し、第1の孔11から、第2の孔12の軸方向に略沿って、第2の孔12に電解液を供給した場合(逆流方向)には、エッジ部13にR付けが可能であり、第1の孔11から、第2の孔12の軸方向に対して略直交する方向に電解液を流すことにより、第2の孔12に電解液を供給した場合(横流方向)には、エッジ部13のR付けが不均一となった。すなわち、R付けするためには、本実施形態のように、第1の孔11から、第2の孔12の軸方向に略沿って、第2の孔12に電解液を供給する逆流方向が、良いことが分かった。なお、図4に示す実験では、逆流方向の場合に流れ跡が発生したので、更に流れを安定させるために、本実施形態では、チャンバー6を設けた。
図5は、本実施形態のように、絶縁部材2の周壁部24を、第1の孔11の周壁部11aから離して配置することにより、絶縁部材2と周壁部11aとの間にチャンバー6を設けた場合の電解液の流れの様子の説明図であり、図6は、周壁部24と周壁部11aとを離間させず、チャンバー6が設けられていない場合の電解液の流れの様子の説明図である。そして、図5(a)のB、C、Dに示す部位の流れを、図5(b)(c)(d)に示し、図6(a)のB、Cに示す部位の流れを、図6(b)(c)に示す。
図5及び図6から分かるように、チャンバー6が設けられていない場合には、図6(a)の矢印に示すように、流れの急縮(急激な縮小)が起こって、流れが乱れてしまうが、チャンバー6を設けた場合には、流れの急縮が抑えられて、流れの乱れが抑制され、図5(c)に示すように、流れが再層流化する。これは、図5(d)の矢印Eに示すように、チャンバー6が液溜りとなることにより、チャンバー6内の流れ(矢印F)で、開口部25から噴出される流れが、第2の孔12の開口部12b側へ押さえ込まれるからであると推測される。
すなわち、本実施形態によれば、チャンバー6が電解液の液溜りになることにより、第1の孔11から第2の孔12に流れ込むときの電解液の急縮が抑制されて、電解液の流れが安定化する。このため、第1の電極3及び第2の電極4を、送りを行わない固定電極としても、第1の電極3及び第2の電極4と被加工物1との間隔の変化による電解液の流れの変化を抑制でき、安定してガスやスラッジを排出でき、エッジ部13の加工形状を安定させることができて、エッジ部13を略曲面状に加工することが可能となる。
(第2実施形態)次に、第2実施形態の電解加工方法について説明する。なお、第1実施形態の各構成要素と対応する構成要素については、第1実施形態と同じ符号を用い、その説明を適宜省略する。図7に示すように、第2実施形態では、第1の電極3及び第2の電極4の形状は、第1実施形態と同じであるが、絶縁部材2の形状が異なる。第2実施形態に用いる絶縁部材2は、周壁部24が、第1の孔11と略同径の外径を有する略円筒形状とされている。すなわち、第1実施形態に用いた絶縁部材2では、下壁部21と上壁部22とが、周壁部24よりも外側に鍔状に突出していたが、第2実施形態に用いる絶縁部材2では、上壁部22、周壁部24、及び、下壁部21の外径は、同じとされ、下壁部21と上壁部22とが鍔状に突出してはいない。
また、第2実施形態では、被加工物1の第2の孔12の開口部12bの周囲を、切削加工等により欠落させることにより、第1の孔11の周壁部11aには、第2の孔12の開口部12bの周囲に、第1の孔11の径方向における外方に凹む凹部11bが設けられている。
かかる凹部11bが設けられた状態で、絶縁部材2を第1の孔11に挿入すると、絶縁部材2と第1の孔11の周壁部11aとの間の、第2の孔12の開口部12bの周囲に、チャンバー6が設けられる。そして、第1の電極3と第2の電極4とを、第1実施形態と同様に挿入し、流入口34から電解液を供給すると、チャンバー6が液溜りとなって、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、図7には図示しないが、被加工物1と、第1の電極3及び第2の電極4との間には、パルス電源5により電流を供給する。
(第3実施形態)第1、第2実施形態は、第1の孔11と第2の孔12とが略T字形状をなして交差する場合の加工方法であったが、図8に示すように、第1の孔11と第2の孔12とが略十字形状をなして交差しており、第1の孔11の周壁部11aに、開口部12bと対向して、第2の孔12の開口部12cが形成されている場合にも、本発明は適応可能である。以下、かかる場合の実施形態(第3実施形態)について説明する。なお、第1実施形態の各構成要素と対応する構成要素については、第1実施形態と同じ符号を用い、その説明を適宜省略する。
第3実施形態では、図8に示すように、絶縁部材2に、開口部25に対向するもう1つの開口部26を設けておき、絶縁部材2と第2の電極3とを、第1の孔11に挿入する。そして、第2の電極4を第2の孔12に挿入して、先端部41を、開口部12bから第1の孔11内に入れ、開口部25、流出口31a、31b、開口部26、開口部12cに、この順に挿通する。これにより、第2の電極4は、第1の電極3を貫通して第1の電極3と交差するとともに、第1の孔11を横切るように第1の孔11と交差した状態となる。そして、第2の電極4の一部である中間部43が、開口部12b、12cから第1の孔11内に延設された形となる。なお、第3実施形態の先端部41は絶縁部材とされている。
かかる状態で、電解液及び電流を第1実施形態と同様に供給すれば、電解液が第1の孔11から開口部12b、12cを介して第2の孔12に流入するとともに、エッジ部13、及び、開口部12cの周縁部であるエッジ部14が、第1の電極3と第2の電極4の両方から電流を受けることになり、電流がエッジ部13、14に集中して、エッジ部13、14が略曲面状に加工されることとなる。
(その他の実施形態)なお第1、第2、第3実施形態では、面粗度向上のためパルス電源5を用いたが、単なる直流電源を用いることも可能である。
また、第1実施形態では、周壁部24を全周に亙って周壁部11aから離間させることにより、チャンバー6を第1の孔11の全周に亙って設けたが、チャンバー6は、第2実施形態のように、少なくとも第2の孔12の開口部12bの周囲に設ければよい。これは、第2実施形態のように、開口部12bの周囲に凹部11bを設けることによっても実現できるが、第2実施形態のような絶縁部材2において、開口部25の周囲を、絶縁部材2の径方向における内方に凹ませることによっても実現できる。
さらに、絶縁部材2の下壁部21と、第1の電極3の下壁部32との間に、間隙を設けない実施形態とすることもできる。
すなわち、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、本発明は種々の実施形態を採り得る。
第1実施形態の電解加工装置の概略断面図である。 図1のII−II部位の概略断面及び電源を示す図である。 第1実施形態の電流の流れの様子の説明図である。 電解液の供給方向を変えて加工を行い、エッジ部の形状を調べた実験結果を示す図である。 チャンバーを設けたときの電解液の流れの様子の説明図である。 チャンバーを設けないときの電解液の流れの様子の説明図である。 第2実施形態の電解加工装置の概略断面図である。 第3実施形態の電解加工装置の概略断面及び電源を示す図である。 従来の電解加工の説明図である。 (a)は、被加工物を第1の孔の軸方向に垂直な面で切断したときの概略断面図、(b)は、被加工物を第1の孔の軸方向に沿った面で切断したときの概略斜視図、(c)は、(b)においてエッジ部を加工した状態の図である。 第1の孔にのみ電極を挿入して電解加工を行った場合の説明図である。 第2の孔にのみ電極を挿入して電解加工を行った場合の説明図である。
符号の説明
1…被加工物
2…絶縁部材
3…第1の電極
4…第2の電極
6…チャンバー
11…第1の孔
11a…周壁部
11b…凹部
12…第2の孔
12a…周壁部
12b、12c…開口部
13、14…エッジ部
25、26…開口部
31…流出口

Claims (5)

  1. 第1の孔と前記第1の孔の周壁部に開口する第2の孔とが形成された被加工物の、前記第1の孔の周壁部と前記第2の孔の周壁部とが接する部分であるエッジ部を加工する電解加工方法であって、
    前記第1の孔に、前記第1の孔の周壁部との間に間隔を置いて第1の電極を挿入して、前記第1の電極の一部を、前記第1の孔の周壁部の、前記第2の孔の開口部の周囲に対向させ、
    前記第2の孔に、前記第2の孔の周壁部との間に間隔を置いて第2の電極を挿入して、前記第2の電極の一部を、前記第2の孔の開口部から前記第1の孔内に延設し、
    前記第1の孔から前記第2の孔の開口部を介して前記第2の孔に電解液を流入させるとともに、前記被加工物と前記第1の電極との間、及び、前記被加工物と前記第2の電極との間に電流を供給して、前記エッジ部を加工することを特徴とする電解加工方法。
  2. 前記第1の電極が、有底の略筒形状に形成され、
    前記第1の電極の周壁部に、電解液が流出する流出口が1つ以上設けられ、
    前記流出口の1つを、前記第2の孔の開口部に対向するように配置して、前記第2の電極の先端部を、当該流出口に挿入することを特徴とする請求項1記載の電解加工方法。
  3. 前記流出口が、互いに対向するように2つ設けられていることを特徴とする請求項2記載の電解加工方法。
  4. 前記第1の電極と前記第1の孔の周壁部との間に、前記第2の孔の開口部に対向する部位が開口した絶縁部材を配置して、前記絶縁部材と前記第1の孔の周壁部との間の少なくとも前記第2の孔の開口部の周囲に、チャンバーを設けることを特徴とする請求項1、2または3記載の電解加工方法。
  5. 前記第1の孔の周壁部の、前記第2の孔の開口部の周囲に、前記第1の孔の径方向における外方に凹む凹部を設けることにより、前記チャンバーを設けることを特徴とする請求項4記載の電解加工方法。
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