JP4273743B2 - 位置決め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば外部環境から隔離された室内でワークを移動可能な位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造装置などにおいては、真空や特殊ガス雰囲気に維持したプロセス室内で、ワークをステージに載置して移動させて加工処理することが行われている。ここで、プロセス室内に位置決め装置を設けると、その可動部に補給する潤滑剤などが飛散してプロセス室内を汚染するおそれがある。
【0003】
このような問題に対して、たとえば米国特許第4191385号(特許文献1)には、一体型負圧密封式ガス軸受組立体が開示されている。かかる従来技術においては、軸受ブロック上に2次元方向に移動可能な可動部を設け、さらに軸受ブロックと可動部との間にプロセス室を形成し、差動排気シールによりプロセス室と外部とを密封することによって、プロセス室を負圧環境に維持したまま、その内部で可動部上に載置したワークの処理を行えるようにしている。従って、ワークを駆動する駆動部をプロセス室外に設置することができ、それによりプロセス室の汚染を抑止でき、また駆動部のメンテナンスも容易に行えるようになっている。
【特許文献1】
米国特許第4191385号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなプロセス室内における加工処理は、半導体の製造など、極めて高い精度を要するワークに適用されるものである。ここで、加工の基準となる面を筐体の内面とすることも考えられる。しかしながら、例えばプロセス室を真空にした場合、プロセス室を覆う筐体には、筐体内外の気圧差に基づく大きな力が加わるので、微小な変形が生ずる。又、プロセス室と連通する開口を、移動ブロックに対峙させたとき、開口内が真空であることから、移動ブロック自体にも微小な変形が生じることとなる。かかる場合、移動ブロックが変形すると、加工の基準となる加工基準位置が変化して、精度の良い加工処理が行えない恐れがある。そのような問題に対し、移動ブロック等の肉厚を増大させることによって変形を抑えるという考えもある。しかしながら、移動ブロック等の肉厚を増大させると、装置全体が重くなるという新たな問題が生じる。
【0005】
かかる観点から、本願発明者は、移動ブロックを挟んでプロセス室と反対側に、プロセス室外より低圧の減圧室を設けた位置決め装置を提案している。しかるに、かかる提案された位置決め装置は、減圧室が、プロセス室に対応した第2の開口を有する第2の筐体内に形成され、この第2の開口には、移動ブロックとの間に、所定の隙間を介して対向した状態で案内する第2の案内面を設けているものである。すなわち、移動ブロックは、所定の隙間を介して両面で、第1の案内面と第2の案内面に対峙していることとなる。
【0006】
ところで、近年においては、移動ブロックの大型化(ストロークの長大化)の要求が高まり、それにより微小隙間で対向する差動排気シールのシール面積が大きくなる傾向がある。例えば、300mmのストロークを達成するためには、差動排気シールにおいて、150mm×400mmの面積にわたって数μmで2面が対向する必要がある。更に、差動排気シール以外に静圧軸受を配置したり、プロセス室との連結部の剛性を確保するためにた、例えば200mm×600mmの面積にわたって数μmで対向している必要がある。
【0007】
このように大きな領域を数μmで対向させるためには、現在の加工技術における精度限界から、小さな領域の場合に比べ広めの隙間を設定するという実情がある。また、装置の輸送時などに設置面の精度が保証されない場合に、設置面の極端な凹凸に起因して位置決め装置が変形し、差動排気シール面が接触してかじり付きなどが生じることを防止するためにも、より広めの隙間を確保したい。しかしながら、かかる事情により広めの隙間を設定すると、その分、差動排気シールの機能が低下することになる。
【0008】
そこで本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、プロセス室に通じる開口をシールする差動排気シールのシール面に、かじり付き等の発生することを防止しつつ、高いシール性能を得ることができる位置決め装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の位置決め装置は、
減圧下に曝されるプロセス室内に連通する第1の開口を有する第1の案内面を備えた第1の筐体と、
前記第1の案内面に対して第1の隙間を介して対向した状態で、少なくとも一方向に移動可能に設けられた移動ブロックと、
前記第1の開口を囲むようにして、前記第1の筐体と前記移動ブロックとの間に設けられ、前記プロセス室内と、前記プロセス室内よりも高圧のプロセス室外との間をシールする第1の差動排気シールとを備えた位置決め装置において、
前記移動ブロックを挟んで前記プロセス室と反対側に、前記プロセス室外より低圧の減圧室を設けており、
前記減圧室は、前記プロセス室に対応した第2の開口を有する第2の筐体内に形成され、前記第2の開口には、前記移動ブロックとの間に、第2の隙間を介して対向した状態で案内する第2の案内面と、前記第2の案内面と前記移動ブロックとの対向面に設けられ、前記減圧室内と、前記減圧室内よりも高圧の減圧室外との間をシールする第2の差動排気シールとが設けられており、
動作時において、前記第1の隙間は前記第2の隙間より小さいことを特徴とする。
【0010】
【作用】
輸送時など、装置の非動作時における差動排気シールのカジリなどを抑制するためには、前記移動ブロックと前記第1の案内面(第1の差動排気シールのシール面)との第1の隙間、及び前記移動ブロックと前記第2の案内面(第2の差動排気シールのシール面)との第2の隙間をそれぞれ広くすることが考えられる。しかしながら、装置の動作時(使用時)に所定の環境を維持したい前記プロセス室に連通する前記移動ブロックと前記第1の案内面との第1の隙間を広くすることは、前記プロセス室の環境を損なう恐れがあるので回避したい。そこで、本発明においては、前記移動ブロックの両面に対し、前記第1の隙間と前記第2の隙間とが存在することに着目し、この点を利用することにした。すなわち、少なくとも使用時(動作時)における第2の隙間を第1の隙間より広めに設定している。さらに、必要に応じ、輸送時など非動作時には、前記移動ブロックを前記第2の案内面側に寄せることで前記第2の隙間を狭くし、その分だけ前記第1の隙間を広くして不用意なカジリなどを抑制できるようにしている。特に、前記第1の案内面及び前記第2の案内面に静圧軸受を設けた場合、静圧軸受が機能せず案内面と移動ブロックが接触した状態になるため、本発明の効果が大きいといえる。但し、輸送中など振動が付与されることを考慮した場合、例えば輸送固定具によって、隙間が常に一定に維持されるような機構が必要である。一方、動作時には、前記移動ブロックを前記第1の案内面側に寄せることで前記第1の隙間を狭くし、それにより前記プロセス室の環境を保護することができる。
【0011】
尚、動作時に、前記第1の隙間と前記第2の隙間をいくらに設定するかであるが、前記プロセス室内を高真空にすることを考えた場合、前記第1の隙間は数μm、前記第2の隙間は十〜数十μmと設定することが望ましいと考えられる。このような隙間の差を差動排気シールに隣接して設けた静圧軸受で達成する場合、静圧軸受は数μmと狭い隙間での支持性能は高いが、隙間が広くなると支持性能が低下するため、その分軸受面積を大きくする必要が生じる。搭載重量によるが、狙いの性能を実現するためには、軸受面積が非現実的な大きさとなることも発生するので、静圧軸受以外の手段で、隙間の差を実現する必要もある。
【0012】
更に、前記第1の差動排気シールのシール面積は、前記第2の差動排気シールのシール面積より大きいと、動作時に、例えば前記移動ブロックを前記第1の案内面側に寄せることで前記第1の隙間を狭くし、それにより前記プロセス室の環境を保護することができる。
【0013】
又、前記第1の案内面に、媒体を介して前記移動ブロックを支持する非接触式の第1の軸受(例えば静圧軸受や磁気軸受等)が設けられ、前記第2の案内面に、媒体を介して前記移動ブロックを支持する非接触式の第2の軸受(例えば静圧軸受や磁気軸受等)が設けられ、前記第1の軸受の支持面の面積は、前記第2の軸受の支持面の面積より小さいと、動作時に、例えば前記移動ブロックを前記第1の案内面側に寄せることで前記第1の隙間を狭くし、それにより前記プロセス室の環境を保護することができる。
【0014】
ここで、差動排気シールとは、例えば対向する2面間の微小な間隙にある気体を排気することにより、非接触の状態で、対向面を挟む両側の雰囲気(例えば大気圧と高真空)を一定の状態に保つように機能するものをいう。以下に述べる実施の形態においては、排気面を有する部材を差動排気シールという。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる位置決め装置110の正面断面図であり、密閉されている筐体の上部を省略し且つ差動排気シール及び静圧軸受に関しては簡略化して示している。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態の位置決め装置110は、プロセス室Pを含む且つプロセス室Pとその外部とを連通する開口120aを有する第1の筐体120と、第1の筐体120の開口120aに対向して配置された移動ブロック130と、第1の筐体120と移動ブロック130との間に挟まれた中間ブロック170と、移動ブロック130を挟んで第1の筐体120(或いは中間ブロック170)の反対側に配置された第2の筐体140とから構成されている。プロセス室Pは、不図示のポンプにより吸引され負圧となっている。また、減圧室Rも不図示のポンプにより吸引され、負圧となっている。尚、本実施の形態及び後述する実施の形態において、第1の筐体120及び中間ブロック170が、本発明の第1の筐体を構成している。
【0017】
図1で、移動ブロック130の上面は、中間ブロック170の下面(第1の案内面)に設けられた第1の差動排気シール150に対して、第1の隙間Δ1を有するように転がり式の案内装置であるリニアガイド189に支持されている。このとき、移動ブロック130の下面の、第2の筐体140の上面(第2の案内面)に設けられた第2の差動排気シール160に対する第2の隙間Δ2が、前記第1の隙間Δ1に対し、Δ2>Δ1となるよう設定されている。第2の差動排気シールにより密封される空間が減圧室Rとなる。差動排気シール150,160は、移動ブロック130との間の隙間以外は同一の仕様であり、同一の条件で吸引されることで負圧となっており、内部への異物や空気の流入等を阻止する機能を有する。差動排気シール150及び160はそれぞれ3列の差圧室を備えており(詳細は後述の第2の実施の形態で説明する)、排気手段P1は、3つの排気ポンプからなり、差動排気シール150及び160の最も内側の差圧室同士、2番目の差圧室同士、最も外側の差圧室同士が、それぞれの排気ポンプにより排気されている。但しこのように同じ位置同士の差圧室に対応する排気ポンプを共通化する代わりに、別々にしてもよい。
【0018】
定盤G上に、脚部190及び中間ブロック170を介して支持された筐体120は、その下壁120cに、長孔状の開口(第1の開口)120aを形成している。図1で、筐体120の下壁120cの下面には、長円形状の浅い座繰り部120dが形成されている。下壁120cに対向する中間ブロック170の上面には、座繰り部120dの周囲に沿って溝部170aが形成されている。溝部170a内には、変形吸収手段としてのO−リング171が配置されている。O−リング171は、筐体120の下壁120cの下面に当接し、中間ブロック170との間を密封するようになっている。尚、図1に明示されていないが、筐体120は不図示の脚部を介して定盤G上に支持されており、溝部170aの外側の周囲においても、筐体120の下壁120cの下面と、中間ブロック170の上面との間には、隙間が設けられるように設定されている。この外側の周囲の隙間は、0.1mm程度のものであるが、これにより中間ブロック170の上面と、下壁120cの下面との非接触状態が保たれる。
【0019】
中間部材170の中央には長円の開口170bが形成されている。かかる開口170b及び第1の筐体120の開口120aを貫通するようにして、軸131が延在している。軸131は、移動ブロック130の上面に取り付けられて一体となっている。減圧室Rが移動ブロック130の下面と対向している部分が、開口(第2の開口)140aとなっている。尚、移動ブロック130は、不図示の駆動部に、連結部133(図3参照)を介して連結されている。駆動部としては、例えばモータとボールねじ等の送りねじとの組み合わせ、モータとベルト及びプーリとの組み合わせ、或いはリニアモータ等を用いることができる。
【0020】
差動排気シール150,160については、後述する第2の実施の形態で詳細に説明する。
【0021】
次に、本実施の形態に係る位置決め装置110の動作について説明する。不図示の駆動源の駆動力は、連結部材133を介して移動ブロック130に伝達され、それにより軸131も一体で移動するので、軸131の上端に取り付けられたテーブルに載置されたワーク(不図示)を、第1の筐体120内で開口120a、170bに沿って移動可能な範囲内で、任意の位置に位置決めできる。
【0022】
ここで、第1の筐体120の内部が真空であった場合、第1の筐体120の内外の気圧差が大きくなり、それに応じて第1の筐体120が微小変形する。より具体的には、開口120aの付近が最も剛性が低いので、図2で開口120aを上方に押し上げるように変形する。本実施の形態においては、第1の筐体120の下壁120cの中央部が変形により上方に移動しても、変形吸収手段としてのO−リング171は、第1の筐体120の下壁120cの下面から離隔することがなく、第1の筐体120と中間ブロック170との間の密閉性は維持される。すなわち、予め第1の筐体120の変形量(かかる変形は第1の筐体120と中間ブロック170との間の微小隙間により保証される)を見込み、常にO−リング171が第1の筐体120と中間ブロック170との双方に密着した状態を保つように設定されている。つまり、プロセス室P内が減圧され、第1の筐体120の下壁120cがたわみにより上方に変位するにつれ、O−リング171の弾性変形量(つぶれ代)は小さくなってくるが、想定される最大変位量に達しても、O−リング171の弾性変形が完全になくなることがないようにしている。すなわち、第1の筐体120は、定盤G上に不図示の脚部を介して支持されており、一方、中間ブロック170,脚部190を介して定盤G上面を基準にして固定されているので、前記不図示の脚部への高さ、すなわち第1の筐体120の底面の高さと中間ブロック170の上面の高さの差が、上記の条件を満たすように設定されている。このように、変形吸収手段としてO−リング171を用いることにより、部品点数が少なくて済む簡単な構成を達成でき、第1の筐体120の変形の影響を、移動ブロック130に及ぼさないようにできる。
【0023】
又、本実施の形態では、減圧室Rは、第2の差動排気シール160により、外部に対して減圧されている。従って上下面の圧力が近くなっているので、移動ブロック130の中央の変形を抑制できる。
【0024】
本実施の形態では、輸送時などの非動作時もΔ1<Δ2の状態である。剛性の高いリニアガイドの採用などにより、中間ブロック170と移動ブロック130との接触を最小限に抑えることは可能である。しかし、特に、輸送時の部材の変形や振動が問題になる場合には、輸送時など非動作時には、移動ブロック130を第2の差動排気シール160(第2の案内面)側に寄せることで第2の隙間Δ2を狭くし、その分だけ第1の隙間Δ1を広くしてプロセス室Pに通じる側の開口のシール面の不用意なカジリなどを抑制するようにするのが、より好ましい。具体的には、Δ1>Δ2となるように組立て、動作時にはΔ1<Δ2となるように吸引力を作用させるようにする。これにより、動作時には、移動ブロック130を第1の差動排気シール150(第1の案内面)側に寄せることで第1の隙間Δ1を狭くし、それによりプロセス室Pの環境を保護することができる。そのようにするための具体的方策としては、後述の第2の実施の形態のように、差動排気シール150の排気能力を、差動排気シール160の排気能力に対して相対的に高くする方法や、第3の実施の形態のようにシール有効面積を150の側を相対的に大きくする、あるいは両者の組み合わせ等がある。
【0025】
図2は、第2の実施の形態にかかる位置決め装置210の正面断面図であり、密閉されている筐体の上部を省略し且つ差動排気シール及び静圧軸受に関しては簡略化して示している。図3は、図2の位置決め装置210を矢印III-IIIで切断して矢印方向に見た図である。図4は、図3の位置決め装置210を矢印IV-IVで切断して矢印方向に見た図である。図5〜7は、それぞれ図3の位置決め装置210をV-V、VI-VI、VII-VII線で切断して矢印方向に見た図である。
【0026】
図2に示すように、本実施の形態の位置決め装置210は、プロセス室Pを含む且つプロセス室Pとその外部とを連通する開口120aを有する第1の筐体120と、第1の筐体120の開口120aに対向して配置された移動ブロック130と、第1の筐体120と移動ブロック130との間に挟まれた中間ブロック170と、移動ブロック130を挟んで第1の筐体120(或いは中間ブロック170)の反対側に配置された第2の筐体140とから構成されている。プロセス室Pは、不図示のポンプにより吸引され負圧となっている。同様に減圧室Rも不図示のポンプにより吸引され負圧になっている。
【0027】
図2,図5〜7で、移動ブロック130の両側の上面は、中間ブロック170に対して第1の隙間Δ1を介して、静圧軸受181(その下面が第1の案内面)で支持され、移動ブロック130の両側の下面は、第2の筐体140に対して第2の隙間Δ2(>Δ1、但し動作時)を介して、静圧軸受182(その上面が第2の案内面)で支持され、移動ブロック130の両側面は、軸受ブロック183,184に設けられた静圧軸受185で支持されている。従って、移動ブロック130は、図2において紙面に垂直方向に(図3においては上下方向に)移動可能となっている。尚、本実施の形態では、静圧軸受181,182,185は、それぞれ略円筒形の多孔質グラファイトでなるもので、その軸受面が、中間ブロック170、筐体140、或いは軸受ブロック183,184と面一となるように固定されており、簡略化して示すエア供給路を介してエアが供給されるようになっている。静圧軸受181に隣接し且つその内側における移動ブロック130の上面と、中間ブロック170との間は、第1の差動排気シール150で密封され、静圧軸受182に隣接し且つその内側における移動ブロック130の下面と、第2の筐体140との間は、第2の差動排気シール160により密封されている。静圧軸受181,182,185は、ポンプP3から圧送された空気により、対向する面を非接触に支持することができる。一方、第1の差動排気シール150は排気ポンプP1に吸引され、第2の差動排気シール160は、ポンプP2に吸引されることで負圧となっている。更に、静圧軸受181と第1の差動排気シール150との間の環状空間154(詳細は後述)と、静圧軸受182と第2の差動排気シール160との間の環状空間164(詳細は後述)とは、大気圧に維持されるようになっている。
【0028】
不図示の定盤上に支持された筐体120は、その下壁120cに、長孔状の開口(第1の開口)120aを形成している。図2で、筐体120の下壁120cの下面には、長円形状の浅い座繰り部120dが形成されている。下壁120cに対向する中間ブロック170の上面には、座繰り部120dの周囲に沿って溝部170aが形成されている。溝部170a内には、変形吸収手段としてのO−リング171が配置されている。O−リング171は、筐体120の下壁120cの下面に当接し、中間ブロック170との間を密封するようになっている。尚、図2に明示されていないが、筐体120は不図示の脚部を介して定盤G上に支持されており、溝部170aの外側の周囲においても、筐体120の下壁120cの下面と、中間ブロック170の上面との間には、隙間が設けられている。この外側の周囲の隙間は、0.1mm程度のものであるが、これにより中間ブロック170の上面と、下壁120cの下面との非接触状態が保たれる。
【0029】
中間部材170の中央には長円の開口170bが形成されている。かかる開口170b及び第1の筐体120の開口120aを貫通するようにして、軸131が延在している。軸131は、移動ブロック130の上面に取り付けられて一体となっている。第2の差動排気シール囲われた空間が減圧室Rを構成している。減圧室Rが移動ブロック130の下面と対向している部分が、開口(第2の開口)140aとなっている。尚、移動ブロック130は、不図示の駆動部に、連結部133(図3)を介して連結されている。駆動部としては、例えばモータとボールねじ等の送りねじとの組み合わせ、モータとベルト及びプーリとの組み合わせ、或いはリニアモータ等を用いることができる。又、静圧軸受185の代わりに或いはそれに加えて、第2の筐体140に対して移動ブロック130を駆動することができる超音波モータ(不図示)を設けることで、駆動部及び連結部133を省略することもできる。又、連結部133を設ける代わりに、移動ブロック130の長手方向端部に、連結部を設け、これを介して駆動部を連結するようにしても良い。この場合、移動ブロック130の短手方向の開口は遮蔽してもよい。
【0030】
差動排気シール160は、溝(差圧室)161,162,163と,連通孔165,166,167と、排気孔169とから構成される。図3において、第2の筐体140の上面に形成された長円状の減圧室Rの周囲に沿って、4本の溝161〜164がトラック状に延在している。そのうち溝164(前記環状空間)は、接線方向両側に延び第2の筐体140の両端面で大気に開放している。図3,図6又は7に示すように、溝161〜163の溝底から、第2の筐体140の内部に向かって、それぞれ連通孔165〜167が形成され、図5〜7に示すごとく第2の筐体140の内部を長手方向に延在する6本の排気孔169に連通している。排気孔169は、両端が第2の筐体140の外部へと抜けており、溝161〜163に対応してそれぞれ別個の不図示の吸引ポンプに接続されている(これらを代表して図2では排気手段P2として示している。)が、図5〜7に示すように、第2の筐体140の内部に向かうに連れ(すなわち開口170b寄りのものほど)太くなる径を有していると好ましい。
【0031】
差動排気シール150は、溝(差圧室)151,152,153と,連通孔155,156,157と、排気孔159とから構成される。中間ブロック170の長孔170bの周囲に沿って、4本の溝151〜154がトラック状に延在している。そのうち溝154は、接線方向両側に延び中間ブロック170の両端面で大気に開放している。図6、7に示すように、溝151〜153の溝底から、中間ブロック170の内部に向かって、それぞれ連通孔155〜157が形成され、図5〜7に示すごとく中間ブロック170の内部を長手方向に延在する6本の排気孔159に連通している。排気孔159は、両端が中間ブロック170の外部へと抜けており、溝151〜153に対応してそれぞれ別個の不図示の吸引ポンプに接続されている(これらを代表して図2では排気手段P1として示している。)が、図5〜7に示すように、中間ブロック170の内部に向かうに連れ(すなわち開口140a寄りのものほど)太くなる径を有していると好ましい。
【0032】
次に、本実施の形態に係る位置決め装置210の動作について説明する。不図示の駆動源の駆動力は、連結部材133を介して移動ブロック130に伝達され、それにより軸131も一体で移動するので、軸131の上端に取り付けられたテーブルに載置されたワーク(不図示)を、第1の筐体120内で開口120a、170bに沿って移動可能な範囲内で、任意の位置に位置決めできる。
【0033】
ここで、第1の筐体120の内部が真空であった場合、第1の筐体120の内外の気圧差が大きくなり、それに応じて第1の筐体120が微小変形する。より具体的には、開口120aの付近が最も剛性が低いので、図2で開口120aを上方に押し上げるように変形する。本実施の形態においては、第1の筐体120の下壁120cの中央部が変形により上方に移動しても、変形吸収手段としてのO−リング171は、第1の筐体120の下壁120cの下面から離隔することがなく、第1の筐体120と中間ブロック170との間の密閉性は維持される。すなわち、予め第1の筐体120の変形量(かかる変形は第1の筐体120と中間ブロック170との間の微小隙間により保証される)を見込み、常にO−リング171が第1の筐体120と中間ブロック170との双方に密着した状態を保つように設定されている。つまり、プロセス室P内が減圧され、第1の筐体120の下壁120cがたわみにより上方に変位するにつれ、O−リング171の弾性変形量(つぶれ代)は小さくなってくるが、想定される最大変位量に達しても、O−リング171の弾性変形が完全になくなることがないようにしている。すなわち、第1の筐体120は、定盤G上に不図示の支持脚を介して支持されており、一方、中間ブロック170,第2の筐体140,及び軸受ブロック183,184よりなる移動ブロック130の案内機構も、前記定盤上面を基準にして固定されているので、前記支持脚の高さ(すなわち、第1の筐体120の底面の高さ)と中間ブロック170の上面の高さの差が、上記の条件を満たすように設定されている。このように、変形吸収手段としてO−リング171を用いることにより、部品点数が少なくて済む簡単な構成を達成でき、移動ブロック130の案内機構を構成する中間ブロック170,第2の筐体140,及び軸受ブロック183,184に第1の筐体120の変形による影響を及ぼすことが回避される。
【0034】
又、本実施の形態では、第2の筐体140の減圧室Rが第2の差動排気シール160により減圧されている。従って移動ブロック130の上下面の気圧が近づいているので、移動ブロック130の中央の変形を抑制できる。更に、本実施の形態では、O−リング171の位置は、差動排気シール150と静圧軸受181との間(大気に連通する溝154)と略一致するため、プロセス室Pにつながる中間ブロック170の上面の溝170aの内側の範囲が真空になった場合に、中間ブロック170の反対側が差動排気シール150となることから、中間ブロック170の変形を効果的に抑制することができる。すなわち、差動排気シール150の部分の中間ブロック170と移動ブロック130との間の隙間内の気圧は、プロセス室P内とは同一ではないが、十分これに近いと考えることができる。一方、移動ブロック130は、その上下面に差動排気シール150,160と、静圧軸受181,182とをバランス良く対向させているため、それらから受ける力が釣り合って、すなわち上下面の気圧差が全くないので、それに起因する曲げ変形も全くないこととなる。これらにより、中間ブロック170の下面と移動ブロック130の上面との間隔は略初期状態に維持されるので、差動排気シール150及び静圧軸受181の機能を損なうことがなく、移動ブロック130の下面と第2の筐体140の上面との間隔も略初期状態に維持されるので、差動排気シール160及び静圧軸受182の機能を損なうことがない。又、プロセス室Pの内部と外部(大気圧下)との差圧に起因する軸受に対する負荷がないので、前記差圧が変動しても軸受に対する負荷は変動することはない。
【0035】
本実施の形態において、中間ブロック170,第2の筐体140,及び軸受ブロック183,184で構成される移動ブロック130の案内機構は、定盤Gを基準にして組まれると共に、変形が抑制されているので高精度な移動が容易に得られるという点でも効果的である。
【0036】
尚、案内としては、作り込みの観点から静圧軸受181,182,185が優れている。案内面とシール面とを同一平面(或いは微小な段差を持った面)として、平行度・平面度を厳密に管理しながらも容易に形成できるからである。第1の実施の形態のように転がり式(接触式)のリニアガイドなどの別個の案内も利用することができるが、非接触シールである差動排気シールの特性を十分に引き出すためには、非接触式の案内がより優れているといえる。尚、非接触式の案内としては、磁気軸受や、磁気軸受と静圧軸受とを組み合わせたハイブリッド軸受なども含まれる。但し、本実施の形態のように、静圧軸受を使用すると、差動排気シールの部分と静圧軸受の部分とで、移動ブロックとの隙間をほぼ同一とすることができるので、好ましい。更に上述の通り、減圧室R内を減圧するポンプを別個に設けるようにしている。この場合、減圧室R内は、例えば10Pa程度にすることにより、移動ブロック130等の変形を抑制できるので、このポンプ及び差動排気シール160のためのポンプの能力は低いもので済むという利点がある。
【0037】
特に、本実施の形態では、排気手段P1(溝151,152,153に対応して設けられる排気ポンプ等を含む。)とP2(溝161,162,163に対応して設けられる排気ポンプ等を含む)の性能を異ならせ、例えば排気手段P1を構成する排気ポンプの性能を、排気手段P2を構成する排気ポンプより高めると、移動ブロック130は、中間ブロック170側に接近することとなる。すなわち、動作時には、移動ブロック130を第1の差動排気シール150(第1の案内面)側に寄せることで第1の隙間Δ1を狭くし、それによりプロセス室Pの環境を保護することができる。このとき、図2で上下方向(重力方向)の力の釣り合いを考えると、移動ブロック130が中間ブロック170と第2の筐体140の中間位置にあるとした場合において(すなわちΔ1=Δ2のとき)、移動ブロック130の重量をWとし、第1の差動排気シール150の吸引力及びプロセス室Pの排気による吸引力の和をF1とし、第2の差動排気シール160の吸引力及び減圧室Rの排気による吸引力の和をF2とし、第1の静圧軸受181の支持力をf1とし、第2の静圧軸受182の支持力をf2とすると、以下の式が成立する場合に、Δ1<Δ2とすることができる。
W+2×F2+2×f1<2×F1+2×f2
すなわち、静圧軸受181及び182のエアの供給圧力が等しいとすれば(従ってΔ1=Δ2の状態でf1=f2)、F1の大きさが少なくともF2+W/2より大きくなるようにすればよい。この条件を満たすように排気手段P1による吸引力を、排気手段P2による吸引力に対し相対的に強めるようにすればよい。そうすることで、Δ1=Δ2のとき、上記不等式が成立する。静圧軸受の場合、軸受隙間が狭くなると支持力は大きくなり、軸受隙間が広くなると支持力は小さくなる。従って、移動ブロック130が前記中間位置から上方へ変位するにつれ、f1が大きく、f2が小さくなる。そして、上記の左辺と右辺の値が等しくなるまで隙間が変化したとき、つり合いが取れた状態となる。すなわち、移動ブロック130は、中間ブロック170の下面に対し第1の隙間Δ1が隙間Δ2より小さくなるように(Δ1<Δ2)位置することとなる。
【0038】
一方、輸送時など非動作時(静圧軸受、差動排気シール等すべて作動していない状態)には、不図示の固定具により移動ブロック130を第2の差動排気シール160(第2の案内面)側に寄せることで第2の隙間Δ2を狭くし、その分だけ第1の隙間Δ1を広くした状態で固定することにより、不用意なカジリなどを抑制することができる。特に、本実施の形態のように静圧軸受のような非接触式軸受を使用する場合、軸受部、差動排気シール部のいずれか(両者が面一でない場合)、または両方(面一の場合)の作用面を移動ブロック130の対向面に密着させた状態(Δ2=0)で固定するのが、より好ましい。第2の案内面側へ寄せる(あるいは密着させる)のは、使用時、実際に高真空を必要とされるのがプロセス室Pの側であり、そのため第1の案内面は、よりカジリ等の発生を抑制したいからである。
【0039】
尚、以上の実施の形態では、排気ポンプP1とP2とに性能差を持たせるようにしたが、同じ排気ポンプを用い、第2の差動排気シール160側の配管に絞りを設けるなどにより、差動排気シール部の圧力分布を変える、及び/または減圧室Rとプロセス室Pとで内部圧力差を設けるようにしても良いし、静圧軸受181,182に性能差を持たせる(f2>f1とする)ようにしても良いし、これらを組み合わせてもよい。
【0040】
図8は、第3の実施の形態にかかる位置決め装置310の正面断面図である。本実施の形態においては、第2の実施の形態に対し、差動排気シール150,160の排気の条件を同じにしている(上記第1の実施の形態と同様)が、第1の差動排気シール150の有効面積(シール面積)に対して、第2の差動排気シール160の有効面積(シール面積)を小さくしている点が異なる。すなわち、有効面積の差によって差動排気シール150,160に性能差を持たせる(F1>F2とする)ことで、移動ブロック130が中間ブロック170と第2の筐体140の中間位置にあるとした場合(Δ1=Δ2)において、以下の式を成立させている。具体的には、差動排気シール160を構成する溝(差圧室)の幅及び/または溝同士の間隔を、差動排気シール150を構成する溝(差圧室)の幅及び/または溝同士の間隔よりも小さく設定している。
W+2×F2+2×f1<2×F1+2×f2
【0041】
上記第3の実施の形態では、溝の幅あるいは溝同士の間隔を異ならせることにより、差動排気シール150と160とで有効面積(シール面積)に差を持たせ、排気手段は同一条件としたが、溝(差圧室)の列数を差動排気シール150と160とで異ならせ、差動排気シール150の側の列数を差動排気シール160の側の列数より多くなる(差動排気シール160の側は列数ゼロを含む)ようにしてもよい。その場合、従って必要な排気ポンプの数も両差動排気シールで異なることになる。なお、その場合、排気ポンプは各溝に対応してすべて別個にしてもよいし、一部を共通化してもよい。例えば、差動排気シール150の側を3列、差動排気シール160の側を2列とし、最も大気側寄りの溝同士を1台の排気ポンプに、2番目に大気側寄りの溝同士を別の1台の排気ポンプに、残った差動排気シール150の最も内側の溝をもう1台の排気ポンプに、それぞれ接続するようにしてもよい。
【0042】
図9は、第4の実施の形態にかかる位置決め装置410の正面断面図である。本実施の形態においては、第3の実施の形態に対し、更に静圧軸受181,182を同一の排気ポンプP3に接続しているが、第1の静圧軸受181の有効面積(支持面積)に対して、第2の静圧軸受182の有効面積(支持面積)を大きくしている点が異なる。すなわち、差動排気シール150,160及び静圧軸受181,182に性能差を持たせる(F1>F2且つf1<f2)とすることで、移動ブロック130が中間ブロック170と第2の筐体140の中間位置にあるとした場合(Δ1=Δ2)において、以下の式を成立させている。
W+2×F2+2×f1<2×F1+2×f2
【0043】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、差動排気シール150の溝部151,152、153及び差動排気シール160の溝部161,162、163は、3列にしたが、これに限定されず、吸引ポンプの性能、プロセス室内外の差圧の大きさ、等に応じ、2列あるいは4列以上としても良い。また、第1の筐体120と、中間ブロック170との第1の隙間の大きさも、吸引ポンプ等の性能との兼ね合いで決まるもので、移動ブロック130と第2の筐体140との第2の隙間より小さければ、数μmから数100μmまで適宜選択可能である。さらに、軸受としては、リニアガイドや静圧軸受に限らず、例えばクロスローラガイド等、他の転がり軸受など各種の軸受を用いることができる。またO−リング等の位置決め用の溝部を中間ブロック側に設けるようにしたが、第1の筐体側、あるいは双方に設けられるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明の位置決め装置によれば、広めの隙間を設定しても、差動排気シールの機能の低下を抑制できる位置決め装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる位置決め装置110の正面断面図である。
【図2】第2の実施の形態にかかる位置決め装置210の正面断面図である。
【図3】図2の位置決め装置210を矢印III-IIIで切断して矢印方向に見た図である。
【図4】図4は、図3の位置決め装置210を矢印IV-IVで切断して矢印方向に見た図である。
【図5】図3の位置決め装置210をV-V線で切断して矢印方向に見た図である。
【図6】図3の位置決め装置210をVI-VI線で切断して矢印方向に図である。
【図7】図3の位置決め装置210をVII-VII線で切断して矢印方向に見た図である。
【図8】第3の実施の形態にかかる位置決め装置310の正面断面図である。
【図9】第4の実施の形態にかかる位置決め装置410の正面断面図である。
【符号の説明】
110、210,310、410 位置決め装置
120 第1の筐体
130 移動ブロック
140 第2の筐体
170 中間ブロック
150,160 差動排気シール
P プロセス室
R 減圧室

Claims (3)

  1. 減圧下に曝されるプロセス室内に連通する第1の開口を有する第1の案内面を備えた第1の筐体と、
    前記第1の案内面に対して第1の隙間を介して対向した状態で、少なくとも一方向に移動可能に設けられた移動ブロックと、
    前記第1の開口を囲むようにして、前記第1の筐体と前記移動ブロックとの間に設けられ、前記プロセス室内と、前記プロセス室内よりも高圧のプロセス室外との間をシールする第1の差動排気シールとを備えた位置決め装置において、
    前記移動ブロックを挟んで前記プロセス室と反対側に、前記プロセス室外より低圧の減圧室を設けており、
    前記減圧室は、前記プロセス室に対応した第2の開口を有する第2の筐体内に形成され、前記第2の開口には、前記移動ブロックとの間に、第2の隙間を介して対向した状態で案内する第2の案内面と、前記第2の案内面と前記移動ブロックとの対向面に設けられ、前記減圧室内と、前記減圧室内よりも高圧の減圧室外との間をシールする第2の差動排気シールとが設けられており、
    動作時において、前記第1の隙間は前記第2の隙間より小さいことを特徴とする位置決め装置。
  2. 前記第1の差動排気シールのシール面積は、前記第2の差動排気シールのシール面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
  3. 前記第1の案内面に、媒体を介して前記移動ブロックを支持する非接触式の第1の軸受が設けられ、前記第2の案内面に、媒体を介して前記移動ブロックを支持する非接触式の第2の軸受が設けられ、前記第1の軸受の支持面の面積は、前記第2の軸受の支持面の面積より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置決め装置。
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