JP4273216B2 - 清掃用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は玄関のタイルやコンクリート等の硬く、ザラザラした場所をモップ状の清掃具に取付けたり、シート単独で清掃目的に使用される湿式の清掃用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の湿式の清掃用シートはその坪量が40〜200g/m2で、かつ使用時において床に接触する表面層が繊維長20mm以上の繊維からなる不織布で構成されており、かつ多数の凸部および熱および圧力の適用によって圧密化した多数の凹部を有して構成されている。
【0003】
[特許文献]特開2001−198066号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種の湿式の清掃用シートは、室内のフローリング等の床面の清掃は効率よく行なうことができるが、玄関のタイルやコンクリート等の硬く、摩擦係数が高いザラザラした場所に使用した場合、表面層の繊維がタイルやコンクリートのザラザラした場所にひっかかり、外部に抜け落ち、清掃できず、かえって汚してしまうという欠点があった。
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、玄関のタイルやコンクリート等の硬く、摩擦係数が高いザラザラした場所の清掃を行なっても容易に破れてしまうことなく、汚れを効率よく掻き取ることができる清掃用シートを提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は洗浄成分等が含浸された液体保持シートと、この液体保持シートの少なくとも一面一部を覆うように固定された、該液体保持シートよりも繊維密度が低く、かつ繊維強度が高いケミカルボンド不織布で形成された液体透過性清掃用不織布とで清掃用シートを構成している。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0009】
図1ないし図5に示す本発明の第1の実施の形態において、1は玄関のタイルやコンクリート等の硬く、摩擦係数の高いザラザラした場所の清掃を主に行なう場合に使用される清掃用シートで、この清掃用シート1は水性洗浄剤、洗浄水、エタノール等の洗浄成分等、本発明の実施の形態では洗浄成分等として水性洗浄剤2が含浸された液体保持シート3と、この液体保持シート3の一面全体あるいは一部を覆うように溶着あるいは接着固定された、該液体保持シート3よりも繊維密度が低く、かつ繊維強度が高く、液体透過性清掃用不織布4とで構成されている。
【0010】
前記液体保持シート3はレーヨン70%と、PET/PE融着30%とからなる混紡繊維の50gメッシュで、20cm×30cmの大きさのスパンレース不織布が使用されている。
【0011】
前記液体透過性清掃用不織布4はビニロン50%と、再生PET50%とからなる混紡繊維を接着剤により繊維同士が固定固着させた40gケミカルボンド不織布が使用されている。
また、この液体透過性清掃用不織布4と前記液体保持シート3は、湿気硬化型ホットメルト接着剤5で接着固定されている。
【0012】
上記構成の清掃用シート1は図4に示すように、モップ状の清掃具6の清掃用シート取付部7に取付け、玄関のタイルやコンクリート等の硬く、摩擦係数が高いザラザラした場所を清掃するが、清掃対象面は液体透過性清掃用不織布4の繊維同士が接着剤により固定されたザラザラした面で土埃等を掻き取り、液体保持シート3に含浸されている水性洗浄剤2は、該液体保持シート3から徐々に液体透過性清掃用不織布4を介して清掃面ににじみ出て、清掃対象面の汚れを落とすとともに、落とした汚れを液体保持シート3に吸着させることができる。
また、図5に示すように清掃用シート1を手作業でタイルやコンクリート等を拭く清掃作業にも使用できる。
【0013】
【発明の異なる実施の形態】
次に、図6ないし図12に示す本発明の異なる実施の形態につき説明する。なお、これらの本発明の異なる実施の形態の説明に当って、前記本発明の第1の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
図6および図7に示す本発明の第2の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、液体保持シート3と液体透過性清掃用不織布4とをスプレー接着剤8で接着固定した点で、このように構成した清掃用シート1Aにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0015】
図8および図9に示す本発明の第3の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、レーヨン繊維を用いた洗浄水、エタノール9等が含浸された液体保持シート3Aと、ケミカルボンド不織布を用いた液体透過性清掃用不織布4Aとを用いた点で、このように構成した清掃用シート1Bにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0016】
図10ないし図12に示す本発明の第4の実施の形態において、前記本発明の第1の実施の形態と主に異なる点は、液体保持シート3の両面を覆うように液体透過性清掃用不織布4、4を接着固定した点で、このように構成した清掃用シート1Cにしても、前記本発明の第1の実施の形態と同様な作用効果が得られるとともに、使用時に清掃面がどちらであるかを考えなくても正しく使用することができる。
【0017】
なお、前記本発明の各実施の形態では液体保持シート3、3Aとしてスパンレース不織布にレーヨン繊維を用いたものに付いて説明したが、本発明はこれに限らず、液体保持シートとして、紙、織布、不織布等の液体を保持できれば特に制限はないが、液体保持性、コスト面から不織布が好ましい。
不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、ケミカルボンド不織布(レンジボンド不織布)、サーマルボンド不織布、フエルト、スパンレース不織布等特に制限はないが、液体保持性、ゴミ吸着性の面からスパンレース不織布ガ好適である。
また、液体保持シートに使用される繊維としては親水性繊維を主に含んでいることが好ましく、例えばパルプ、レーヨン、コットン、親水ポリエステル等が用いられる。
なお、疎水性繊維を混紡していてもよく、疎水性繊維としてはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられる。
液体透過性清掃用不織布4、4Aとしては、繊維密度が低く、かつ繊維強度が高い必要があり、ケミカルボンド不織布で形成されるのが好ましい。
また、この液体透過性清掃用不織布は、液体保持シートに含浸された洗浄成分等を透過させ清掃対象面に付着させることができるように液体透過性が必要である。
液体透過性清掃用不織布に用いられる繊維としては、例えばビニロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が用いられる。
液体保持シートに含浸される洗浄成分等とは、水性洗浄成分でも油性洗浄成分でも特に制限はない。
また、洗浄成分ではなく研磨剤、艶出し剤、ワックス成分等であっても良い。 さらに、洗浄成分と研磨剤、艶出し剤等を組み合わせても良く、防腐剤、殺菌剤、殺虫剤、香料等の清掃する際に用いると好ましい各種添加剤をさらに加えるのが好ましい。
液体保持シートと液体透過性清掃用不織布とを固定する方法としては、清掃時に容易に剥離しなければ特に制限はなく、接着、融着、繊維同士の絡哈による方法が用いられる。
特に好ましくは、接着剤を用いて固定する方法が採用される。
接着剤としては、紫外線硬化型接着剤、接触硬化型接着剤、二液硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、光硬化型接着剤、溶剤型接着剤、感圧型接着剤、ホットメルト型接着剤等が用いられる。
溶剤型接着剤としては、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ブチラール系接着剤等が用いられ、ホットメルト型接着剤、EVA樹脂系接着剤、ポリアミド系接着剤、オレフィン系接着剤、エポキシ変性系接着剤、ポリエステル変性系接着剤、エラストマー系接着剤等が用いられ、その他特に制限はなく、例えば、ビニル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、ポリビニルアセタール系接着剤、塩化ビニル系接着剤、ウレタン系接着剤、セルロース系接着剤、クロロプレン(ネオプレン)系接着剤、アクリル系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、スチレンコム系接着剤、プチルゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、ポリサルファイド系接着剤、テルペン樹脂あるいは水溶性ロジン等が挙げられる。
液体保持シートに用いられる洗浄成分等が水性である場合には、水溶性接着剤では容易に剥離してしまうため好ましくなく、湿気硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤が好ましい。
逆に、液体保持シートに用いられる洗浄成分等が油性である場合には、水溶性接着剤が好ましく、例えば、デンプン系、にかわ系、カゼイン系、ポリビニルアルコール系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド系、ポリビニルピロリドン系、酢酸ビニル共重合体系、アクリル系共重合体系接着剤等が用いられる。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0019】
(1)洗浄成分等が含浸された液体保持シートと、この液体保持シートの少なくとも一面一部を覆うように固定された、該液体保持シートよりも繊維密度が低く、かつ繊維強度が高いケミカルボンド不織布で形成された液体透過性清掃用不織布とで構成されているので、玄関のタイルやコンクリート等の硬く、摩擦係数が高いザラザラした場所の清掃を行なう際は、液体透過性清掃用不織布の繊維強度が高く繊維密度が低いため表面がザラザラしており、そのザラザラした面で土埃等を掻き取るとともに、水分高保持シートに含浸されている水性洗浄剤等が徐々ににじみ出て清掃面の汚れを落とすことができる。
また、落とした汚れは液体透過性清掃用不織布の繊維密度が低いため液体保持シートへも浸透し、清掃用シート全体で吸着するので、落とした汚れも逃すことがない。
したがって、玄関のタイルやコンクリート部分の清掃を効率よく行なうことができる。
【0020】
(2)前記(1)によって、液体透過性清掃用不織布は水分高保持シートよりも繊維密度が低く、かつ繊維強度が高く、水分透過性のよいものを使用しているので、摩擦係数が高くザラザラした場所を荷重をかけて清掃しても、従来のように液体透過性清掃用不織布が破れたり、清掃面のザラザラした場所に繊維にひっかかり、抜け落ちたりすることなく、きれいに清掃を行なうことができる。
液体透過性清掃用不織布にケミカルボンド不織布を用いた場合には繊維同士の接点が接着剤で固定されているため、適度な空隙と繊維自体の強度と不織布としての強度が高くザラザラした面となっているので、土埃等を掻き取り易く、洗浄剤も適度ににじみ出て汚れを落とす。
【0021】
(3)前記(1)によって、液体保持シートと液体透過性清掃用不織布とを接着あるいは溶着固定するだけであるので、従来のように清掃面部位に熱および圧力の適用によって格子状の凹部を形成するものに比べ、容易で、低コストで製造することができる。
【0022】
(4)前記(1)によって、従来の格子状の凹部の機能を液体透過性清掃用不織布の低い繊維密度と高い繊維密度により、あるいはケミカルボンド不織布により行なうことができる。
したがって、従来と比べ、全面に凹部の機能を有し、より効率よく清掃面に付着している汚れ等を除去することができる。
【0023】
(5)請求項2、3も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の分解斜視図。
【図3】図1の3−3線に沿う拡大断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の使用状態の説明図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の異なる使用状態の説明図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の斜視図。
【図7】図6の7−7線に沿う拡大断面図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の斜視図。
【図9】図8の9−9線に沿う拡大断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態の斜視図。
【図11】本発明の第4の実施の形態の分解斜視図。
【図12】図10の12−12線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C:清掃用シート、
2:水性洗浄剤、 3、3A:液体保持シート、
4、4A:液体透過性清掃用不織布、
5:湿気硬化型ホットメルト接着剤、
6:清掃具、 7:清掃用シート取付部、
8:スプレー接着剤、 9:洗浄水、エタノール。
Claims (3)
- 洗浄成分等が含浸された液体保持シートと、この液体保持シートの少なくとも一面一部を覆うように固定された、該液体保持シートよりも繊維密度が低く、かつ繊維強度が高いケミカルボンド不織布で形成された液体透過性清掃用不織布を具備してなることを特徴とする清掃用シート。
- 水性洗浄成分を含浸したスパンレース不織布で形成された液体保持シートと、この液体保持シートの少なくとも一面を覆うように接着あるいは溶着により固定された、該液体保持シートよりも繊維密度が低く、かつ繊維強度が高いケミカルボンド不織布で形成された液体透過性清掃用不織布を具備してなることを特徴とする清掃用シート。
- 液体保持シートと液体透過性清掃用不織布は湿気硬化型ホットメルト接着剤により固定したことを特徴とする請求項2に記載の清掃用シート。
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