JP4273040B2 - 内視鏡用クリップ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、生体の管腔臓器内等において止血やマーキング等を行うために内視鏡の処置具挿通チャンネルに通して使用される内視鏡用クリップ装置に関する。
管腔臓器内等において止血やマーキング等を行うためのクリッピング処置が、クリップ装置を内視鏡の処置具挿通チャンネルに通して行われているが、クリッピング処置を一回行う毎にクリップ装置を内視鏡の処置具挿通チャンネルから引き出してクリップを装填し直すのでは操作があまりに煩雑になってしまう。
そこで従来は、外力が作用しない時は自己の弾性によって閉じた状態になるように形成された複数のクリップを外套管の先端部分内に直列に装填して、それらを順に外套管の先端から押し出すことにより、複数のクリッピング処置を連続的に行えるようにしていた(例えば、特許文献1)。
特開2002−330972
しかし、上述のような従来の内視鏡用クリップ装置においては、常態では閉じているクリップを外套管の先端から突出させて広げる際に、クリップの後半部分を細い外套管内に残して梃子の作用等でその部分を変形させることにより前半部分を開くようにしているので、クリップの後半部分の僅かな歪みや傾き等が前半部分側で大きく増幅されて、クリップの開き角の不足や向きの不正等が発生していた。
そこで本発明は、クリップを所定通りの向きに所定通りの大きさに確実に開いて連続的にクリッピング処置を行うことができる内視鏡用クリップ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用クリップ装置は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される外套管と、並列に並んだ一対の弾性ロッドにより形成されて先端部分を外套管の先端から突没させることができるように外套管内に挿通配置され、その先端部分が、外套管内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、外套管から突出した状態では自己の弾性により前方に向けて略ハの字状に広がるように形成されたクリップガイドロッドと、弾性変形する材料により形成されて外力が作用しない状態では閉じていて、クリップガイドロッドに沿って前方に移動自在にクリップガイドロッドに直列に並んで係合する状態に配置された複数のクリップと、外套管の基端側から操作されて複数のクリップをクリップガイドロッドに沿って前方に押し進めるように外套管内に軸線方向に進退自在に挿通配置されたクリップ押し込み部材とが設けられて、直列に並んでクリップガイドロッドに係合しているクリップの中の最後端位置のクリップをクリップ押し込み部材で後方から前方に押すと、それに押されて前方に移動する最先端位置のクリップが、クリップガイドロッドの形状に沿って前方に向けて略ハの字状に広がってから、クリップガイドロッドとの係合が外れて自己の弾性により閉じた状態になるようにしたものである。
なお、各クリップが、クリップガイドロッドより腰の弱いバネ材を先端が閉じた二つ折りの状態に曲げ戻して形成されていて、その各腕部にクリップガイドロッドに対してスライド自在に係合する係合部が設けられていてもよい。
また、クリップガイドロッドが、外套管内においては平行に並んで配置された一対の弾性ロッドであり、その一対の弾性ロッドの間に複数のクリップが直列に並んで配置されていてもよい。
また、クリップ押し込み部材が、クリップの後端に当接する頭部と、その頭部を外套管の基端側から進退操作するように外套管内に軸線方向に進退自在に挿通配置された進退動作伝達部材とを有していて、頭部には、クリップガイドロッドを構成する一対の弾性ロッドが緩く通過する一対の貫通孔が形成されていてもよい。
本発明によれば、直列に並んでクリップガイドロッドに係合しているクリップの中の最後端位置のクリップをクリップ押し込み部材で後方から前方に押すと、それに押されて前方に移動する最先端位置のクリップが、クリップガイドロッドの形状に沿って前方に向けて略ハの字状に広がってから、クリップガイドロッドとの係合が外れて自己の弾性により閉じた状態になるので、クリップを所定通りの向きに所定通りの大きさに確実に開いて連続的にクリッピング処置を行うことができる。
内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される外套管と、並列に並んだ一対の弾性ロッドにより形成されて先端部分を外套管の先端から突没させることができるように外套管内に挿通配置され、その先端部分が、外套管内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、外套管から突出した状態では自己の弾性により前方に向けて略ハの字状に広がるように形成されたクリップガイドロッドと、弾性変形する材料により形成されて外力が作用しない状態では閉じていて、クリップガイドロッドに沿って前方に移動自在にクリップガイドロッドに直列に並んで係合する状態に配置された複数のクリップと、外套管の基端側から操作されて複数のクリップをクリップガイドロッドに沿って前方に押し進めるように外套管内に軸線方向に進退自在に挿通配置されたクリップ押し込み部材とを設ける。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は内視鏡用クリップ装置の先端部分付近の側面断面図であり、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等からなる可撓性の外套管1の先端内に、中心軸線を間に挟んで間隔をあけて平行に並んだ一対の弾性ロッドからなるクリップガイドロッド2が配置されている。
ただし、各クリップガイドロッド2の先端部分2aは、外力が作用しない常態においては前方に向けて略ハの字状に広がった形状に形成されている。図2は、それを正面から見た状態を示している。
各クリップガイドロッド2の後端部分は、外套管1内に緩く挿通配置された密着巻きコイルパイプ3に例えばロー付け等によって固着されている。したがって、密着巻きコイルパイプ3と外套管1を基端側から軸線方向に相対的に移動させる操作をすることにより、クリップガイドロッド2の先端部分2aを外套管1の先端から突没させることができる。
そのような操作が行われると、クリップガイドロッド2の先端部分2aは、外套管1内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、外套管1から突出した状態では自己の弾性により前方に向けて略ハの字状に広がった形状に戻る。
そのようなクリップガイドロッド2には、この実施例においては三個のクリップ10が直列に並んで装着されており、図3はクリップ10の単体の側面図、図4はそのIV−IV断面図、図5はクリップ10が開かれた状態の側面断面図である。なお、クリップ10を四個以上直列に並べて配置してもよい。
クリップ10は、クリップガイドロッド2より腰の弱いバネ用ステンレス鋼材等を先端が閉じた二つ折りの状態に曲げ戻して形成されていて、その各腕部の先端部分には互いに交差する状態に先端爪部10aが折り曲げ形成されている。10bは曲げ戻し端部であり、滑らかなアール形状に形成されている。
また、クリップ10の各腕部の中間部分には、クリップガイドロッド2が緩く挿通されてスライド自在に係合する係合環11(係合部)が、クリップ10の外面側に突出する状態にロー付け等によって強固に固着されている。なお、係合環11は板材を折り曲げて形成してもよく、或いはパイプ材等から形成してもよい。
このように構成されたクリップ10は、図1に示されるように、各係合環11にクリップガイドロッド2が緩く通されて、三個のクリップ10が各々曲げ戻し端部10b側を後方にして直列に当接し合う状態で二本のクリップガイドロッド2の間の位置に配置されており、クリップガイドロッド2に沿って前方に移動することができる。
なお、図においてはクリップ10の曲げ戻し端部10bとクリップガイドロッド2とが部分的に干渉する状態になっているが、実際には各々が少しずつ弾性変形する等して、クリップ10が二本のクリップガイドロッド2の間に挟まれた状態になっている(以下同じ)。
4は、三個のクリップ10の中の最後端位置のクリップ10Aの後端に後方から当接する頭部4aと、密着巻きコイルパイプ3内に(従って外套管1内に)軸線方向に進退自在に挿通配置された例えばパイプ材又はワイヤ材等からなる進退動作伝達部材4bとを連結固着して形成されたクリップ押し込み部材である。
その頭部4aには、二本のクリップガイドロッド2が緩く通過する一対の貫通孔が軸線と平行方向に形成されていて、進退動作伝達部材4bを基端側の操作部から押し込み操作すれば、最後端位置のクリップ10Aを頭部4aで後方から前方に押して、三つのクリップ10をクリップガイドロッド2に沿ってまとめて前方に押し進めることができる。
このように構成された実施例の内視鏡用クリップ装置を使用する際には、まず、図6に示されるように、外套管1を前方に押し進めた状態にしておく。すると、クリップガイドロッド2の先端部分2aが弾性変形して外套管1の先端内に窄まった状態に収納されるので、外套管1を内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通することができる。
外套管1の先端部分が内視鏡の処置具挿通チャンネルを通過したら、図1に示されるように外套管1を後方に引く(又は、密着巻きコイルパイプ3を前方に押し込む)ことにより、クリップガイドロッド2の先端部分2aが外套管1の先端から突出して略ハの字状に開いた状態になる。
そして、その部分がクリッピング対象となる患部に対向する位置に誘導されたら、図7に示されるように、クリップガイドロッド2に装着されているクリップ10の中の最後端位置のクリップ10Aをクリップ押し込み部材4で後方から前方に押す。
すると、それに押されて前方に移動する最先端位置のクリップ10Bが、クリップガイドロッド2の先端部分2aの形状に沿って弾性変形して前方に向けて略ハの字状に広がった状態になる。このようにして、クリップ10が、クリップガイドロッド2の先端部分2aに沿って所定通りの大きさで所定通りの方向に確実に広がる。
そして、クリップ押し込み部材4によりクリップ10をさらに前方に押し進めると、図8に示されるように、最先端位置のクリップ10Bとクリップガイドロッド2との係合が外れて、最先端位置のクリップ10Bが自己の弾性により閉じた状態になって患部100にクリッピングされる。
このようにして、一回目のクリッピング処置を行ったら、そのまま二回目及び三回目のクリッピング対象位置において同様の操作を行うことにより、二番目のクリップ10と最後端位置のクリップ10Aを順に送り出して連続的にクリッピング処置を行うことができる。
本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置の先端部分付近の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置の先端部分の、クリップを省略した状態の正面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップの側面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップの図3におけるIV−IV断面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップが開いた状態の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップガイドロッドが外套管内に収納された状態の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置のクリップが開いた状態の側面断面図である。 本発明の実施例の内視鏡用クリップ装置の一回目のクリッピング処置が終わった状態の側面断面図である。
符号の説明
1 外套管
2 クリップガイドロッド
2a 先端部分
3 密着巻きコイルパイプ
4 クリップ押し込み部材
4a 頭部
4b 進退動作伝達部材
10 クリップ
10b 曲げ戻し端部
10A 最後端位置のクリップ
10B 最先端位置のクリップ
11 係合環(係合部)

Claims (3)

  1. 内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される外套管と、
    並列に並んだ一対の弾性ロッドにより形成されて先端部分を上記外套管の先端から突没させることができるように上記外套管内に挿通配置され、その先端部分が、上記外套管内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、上記外套管から突出した状態では自己の弾性により前方に向けて略ハの字状に広がるように形成されたクリップガイドロッドと、
    弾性変形する材料により形成されて外力が作用しない状態では閉じていて、上記クリップガイドロッドに沿って前方に移動自在に上記クリップガイドロッドに直列に並んで係合する状態に配置された複数のクリップと、
    上記外套管の基端側から操作されて上記複数のクリップを上記クリップガイドロッドに沿って前方に押し進めるように上記外套管内に軸線方向に進退自在に挿通配置されたクリップ押し込み部材とが設けられて、
    上記各クリップは、上記クリップガイドロッドより腰の弱いバネ材を先端が閉じた二つ折りの状態に曲げ戻して形成されて、その各腕部に上記クリップガイドロッドに対してスライド自在に係合する係合部が設けられ、上記クリップガイドロッドと係合した状態では上記クリップガイドロッドにより略ハの字状に広げられて、上記クリップガイドロッドと係合しない状態では自己の弾性により閉じた状態になるように設けられ、
    直列に並んで上記クリップガイドロッドに係合しているクリップの中の最後端位置のクリップを上記クリップ押し込み部材で後方から前方に押すと、それに押されて前方に移動する最先端位置のクリップが、上記クリップガイドロッドの形状に沿って前方に向けて略ハの字状に広がってから、上記クリップガイドロッドとの係合が外れて自己の弾性により閉じた状態になることを特徴とする内視鏡用クリップ装置。
  2. 上記クリップガイドロッドが、上記外套管内においては平行に並んで配置された一対の弾性ロッドであり、その一対の弾性ロッドの間に上記複数のクリップが直列に並んで配置されている請求項記載の内視鏡用クリップ装置。
  3. 上記クリップ押し込み部材が、上記クリップの後端に当接する頭部と、その頭部を上記外套管の基端側から進退操作するように上記外套管内に軸線方向に進退自在に挿通配置された進退動作伝達部材とを有していて、上記頭部には、上記クリップガイドロッドを構成する一対の弾性ロッドが緩く通過する一対の貫通孔が形成されている請求項1又は2記載の内視鏡用クリップ装置。
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