JP4273035B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関するもので、具体的には表面層を有する電子写真感光体、及びクリーニング手段を有する画像形成装置に関する。より具体的には、長寿命の電子写真感光体を使用し、ブレードクリーニング手段を有する画像形成装置に関する。
〔電子写真装置の背景〕
近年、電子写真式の画像形成装置の電子写真用感光体は、有機電子写真感光体(以下、OPCと称する)が広範囲に利用されている。OPCは各種露光波長に対応した材料を開発し易いことや、製造コストが安いこと等の利点があるが、機械的強度が弱く、多量のプリント時に電子写真感光体表面の劣化や傷が付くこと等の問題が発生する場合があった。
特に最近では、市場のニーズとして、カラー化、高画質化に加え、高寿命、メンテナンスフリーといった特性が重視される。具体的には、潜像、及び顕像特性の安定性や、耐損耗性等の特性が重要視され、電子写真感光体を始めとしてシステムの化学的劣化、機械的劣化及び電気的劣化等に対する耐久性が、より重要視されるようになってきている。
前記の如く要求される様々な特性を満たすため、様々な検討がなされてきた。例えば、該OPCの耐放電安定性、機械的劣化や、電気的劣化に対する耐久性を向上させる技術が検討されてきた。そのアプローチとして、上記のOPCに対して、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる方法(例えば、特許文献1を参照)が報告されている。
また、OPCに電荷輸送材料を含有する、硬化性樹脂を用い、更に潤滑剤や、酸化防止機能を具備した表面保護層(例えば、特許文献2〜特許文献6を参照)が報告されている。
しかし、OPCの機械的強度が増加し、摩耗速度が低減すると、従来摩耗により有効に除去されていた、電子写真感光体表面に付着したトナーや紙粉等に起因する付着物が取れ難くなり、その結果堆積した付着物により、高湿環境下での画像流れ等といった画像品質の低下が発生する場合があった。
これの改善手段として、架橋構造を有する樹脂からなる最表面を有する電子写真感光体と、クリーニングブレードからなるクリーニング手段とを配した系で、更にブラシローラーを有し、繊維の太さ、ブラシ密度といった、該ブラシローラーの形状特性と、該ブラシローラーが電子写真感光体に押し当る時の押し圧力や、駆動トルクといった、電子写真感光体への設置条件を規定した方法(例えば、特許文献7を参照)が提案されている。
また、繊維の太さ、ブラシ密度といった、該ブラシローラーの形状特性とブラシのヤング率、電子写真感光体に対する設置条件、駆動条件からなる式の範囲を規定した方法が報告されている(例えば、特許文献8を参照)。
しかしながら、前者(特許文献7)の方法では、画像流れ等の画像結果に関して開示されていない。また後者(特許文献8)の方法では、0.45μm/200kc(1kc=1000コピー)未満の摩耗速度では、電子写真感光体劣化の防止に不十分である。
また、付着力の観点で、電子写真感光体の表面自由エネルギーにおいて、前進接触角から求めた値γsP[前進]、及び後退接触角から求めた値γsP[後退]、また現像剤の表面自由エネルギーも、前進接触角から求めた値γsT[前進]、及び後退接触角から求めた値γsT[後退]とし、各々の差分の相関をγsP[前進]−γsP[後退]<γsT[前進]−γsT[後退]で規定し、電子写真感光体と現像剤の付着力を規定し、かぶりや中抜けを抑制する方法が報告されている(例えば、特許文献9及び10を参照)。
しかしながら、この(特許文献9及び10)方法では、耐久、或いは環境変動による、表面自由エネルギー乃至は接触角といった表面性の変化に関しての開示がなされていない。また、画像流れや感光体及び/又はクリーニング手段の損耗等の、耐刷により生じる画像欠陥についての開示がなされていない。
また、上記の各方法において、いわゆる通常の画像流れを抑制できる条件、且つ当然ながらクリーニング性が良好な条件に於いても、耐刷によりスジ状の画像欠陥が発生する場合があった。このようなスジ状欠陥はハイライト側のハーフトーンで見え易い。特にこの様な画像を出力するカラー画像形成装置において課題であり、高画質志向の装置であればなおさらである。
耐刷により発生するスジ状の画像欠陥について、本発明者らが耐磨耗性の異なる種々の電子写真感光体について比較評価した結果、摩耗速度が小さい、即ち耐磨耗性が高い電子写真感光体で発生し易い傾向が見出された。
特開平2−127652号公報 特開2001−175016号公報 特開2001−166520号公報 特開2001−265044号公報 特開2002−40686号公報 特開2002−236382号公報 特開2001−51576号公報 特開2002−182536号公報(0021段落等) 特開平11−224038号公報 特開平11−167224号公報
本発明の目的は、上記の各課題を解決し、長期に亘って良好なクリーニング性を保持し、画像不良が無く、且つ電子写真感光体やクリーニング部材の耐久性を向上させた画像形成装置を提供することにある。
具体的には、耐刷による上記のスジ状欠陥等の画像欠陥を防止し、一方では電子写真感光体、及びクリーニング手段の耐久性を高水準で維持する画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らの検討の結果、長寿命化のために耐磨耗性を向上させた電子写真感光体を使用した画像形成装置に於いては、接触角、特に静止接触角と後退接触角の相関が、クリーニング性と、密接な相関があることを見出した。
本発明に従って、少なくとも電子写真感光体と、帯電手段と、現像手段と、クリーニング手段と、を有する画像形成装置において、
該電子写真感光体が、25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm以上240N/mm以下であり、かつ弾性変形率Weが43%以上65%以下であって、
該クリーニング手段が、少なくとも弾性ブレードを有するものであって、
該電子写真感光体の純水の接触角が、25℃/湿度50%RH、30℃/湿度80%RH及び10℃/湿度15%RHのそれぞれの環境下において、下記式(1)を満たすことを特徴とする画像形成装置が提供される;
θs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9・・・・(1)
ただし、
θs_useは、50000回の画像形成後の静的接触角
θr_useは、50000回の画像形成後の後退接触角
である。
以上説明した様に、本発明は、ユニバーサル型さ値HUが150N/mm以上240N/mm以下であり、かつ、弾性変形率Weが43%以上65%以下である電子写真感光体を使用し、耐久前後の接触角、特に静的接触角と後退接触角の相関を規定範囲で使用することを主体に、電子写真感光体表面の摺擦条件、転写残現像剤の挙動制御条件を付与した。
これにより、スジ状欠陥を抑止する他、画像流れや、クリーニングブレード捲れや、擦り抜け、融着・フィルミングといったクリーニング不良を抑制し、長期に亘り安定した画質、及びクリーニング性を確保できる。
また、電子写真感光体の過剰な摺擦を抑制して、必要充分な摺擦にでき、電子写真感光体のみならずクリーニング部材の損耗を防止し長寿命化が成され、メンテナンスフリーについても同様に効果が得られた。
また、予期せぬ効果として、転写残現像剤の量、いわゆる廃トナー量が減少した。
電子写真感光体が適宜に摺擦を受け、良好な表面性を維持すること、また現像剤に含有される外添剤の効果等により、耐久を通じての転写効率が向上したと考えられる。
〔画像形成装置〕
図1に、本発明の画像形成装置の実施態様の一例を模式的に示す。
電子写真感光体101は、本紙面に垂直な不図示の軸の周りに回転可能なように支持されており、該電子写真感光体101の周囲には、帯電手段102、露光手段103、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107等がそれぞれ適宜な角度位置に設けられている。
クリーニング手段107の詳細は図3、図4に示してあるように、クリーニング手段107は、容器107−3に、支持板107−5と、クリーニング部材107−1としての弾性ブレードと、クリーニング補助部材107−2とを有している。
クリーニング部材107−1は、周知のクリーニング部材が使用できる。またその固定方法も図3、図4に示す如く、周知の方法が使用できる。いわゆるチップブレード、板金板ブレード、バネ加圧型等である。
以下、本発明の要素ごとに説明する。
〔有機光導電体(OPC)〕
(層構成)
図7は、本発明に掛る電子写真装置用感光体の層構成の模式的構成図である。電子写真感光体300の構成は、導電性支持体301上に感光層302、及び表面層(OCL)305が順次積層されている。
感光層302は、電荷発生層CGL303、電荷輸送層CTL304をこの順に積層した、機能分離型の電子写真感光体構成である。この他にも、CTL304が二層以上でもよいし、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層中に分散した単層の感光層302からなる構成でもよい。導電性支持体301と感光層302との間に、導電層及び下引き層等からなる層(以下、単に下引き層と称する)307を付加してもよい。
電子写真感光体としての特性、特に残留電位等の電気的特性及び耐久性の点から、少なくとも表面層(OCL)305に、電荷輸送性化合物を含有した、及び/又は同一分子内に1つ以上の連鎖重合性基を有する電荷輸送性化合物を含有した、重合体が含有されていることが好ましく、電荷輸送能を低下させることなく表面層の高耐久化が可能になる。
(表面層)
本発明に掛る電子写真感光体としては、表面層(OCL)を有する電子写真感光体が好ましく、特に高耐久性を確保する観点から、架橋構造を含有する表面層、特に電荷輸送機能を有する表面層が好ましい。
具体的には、電荷移動層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷移動層硬化膜を形成した電子写真感光体(例えば、特開平5−216249、特開平7−72640号公報を参照)や、シロキサン系化合物を架橋させ表面層を有する電子写真感光体(例えば、特開2002−182536号公報を参照)等が挙げられる。
更に、摩擦特性を向上させるために、潤滑剤としてフッ素原子含有化合物等を含有すること等が開示されている。このような表面層としては、熱硬化型表面層、紫外線硬化型表面層及び電子線硬化型表面層等が挙げられる(例えば、特開2001−166509号公報、特開2001−166517号公報を参照)。
これらの表面層を基準に、更に、必要に応じて潤滑剤等、所望の機能性を有する材料を導入したり、表面の形状を制御することも好ましい。
(電子写真感光体の製造方法)
次に、本発明に掛る電子写真感光体の製造方法を具体的に示す。
表面層より下(支持体側)の層は、周知の電子写真感光体を使用することができる。簡略に説明する。
電子写真感光体の支持体としては、導電性を有するものであればよい。また、膜の密着性や、レーザー等の可干渉光の干渉防止等により、該支持体の表面形状を制御することも好ましい。導電性支持体の上には導電層を設けることができる。一般に導電層307は、10〜20μmで使用されることが多い。
CGL、CTLに使用する電荷発生材料、電荷輸送材料は、周知の材料を使用できる。CGL303の膜厚は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.1〜2μmである。CTL304の膜厚は、CGL303と合せた厚さが5〜50μmが好ましく、特に本発明の如く、耐磨耗性に優れた表面層を有する、本発明の系では、コスト等の観点から更に薄層化することが好ましい。より好ましくは30μm以下、最適には20μm以下である。
OCL305は、本発明に掛る、耐磨耗性、耐候性はもとより、良好な摩擦特性を有し、クリーニング性を良好に維持するための重要な要素の一つである。
本発明に掛るOCL305材料の好適な例として、同一分子内に1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を有する硬化性樹脂が好ましい。また、硬化性樹脂の構造の骨格中に、電荷輸送性化合物が含有していても構わない。この場合、硬化性を阻害するような電荷輸送性化合物を意図的に添加する必要がなく、膜特性の制御が容易にできる。
前記連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物は、先ず、電荷輸送性化合物を含有する溶液を前述の電子写真感光体上に塗工する。
上述の溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、前もって該電荷輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散又は溶解させて、表面層を形成することも可能である。なお、これらの溶液の塗布には、浸漬コーティング法やスプレイコーティング法等の周知のコーティング法が使用できる。
本発明において連鎖重合性基を有する電荷輸送性化合物は、熱、光、又は放射線(電子線及びγ線)により重合させることができる。好ましくは放射線による重合である。
放射線による重合では、基本的に重合開始剤を必要とせず、これにより非常に高密度な架橋を有する表面層の作製が可能となる。また、生産性も高く、更には放射線の透過性の良さから、膜厚や添加剤等の遮蔽物質の影響が非常に小さい等の利点が挙げられる。
ただし、連鎖重合性基の種類等によっては、必要に応じて、特性に影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。
電子線を照射する場合に、電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また、線量は好ましくは1Mrad〜100Mrad、より好ましくは1.0Mrad〜50Mrad、最適には1.5Mrad〜10Mradである。加速電圧が上記を超えると、電子写真感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となり易く、線量が多い場合には電子写真感光体特性の劣化が起こり易い。
また、該重合中の電子写真感光体温度の調整は、重合硬化度を制御すると共に、摩擦特性を制御する重要な項目である。本発明に於いて、重合中の温度は50〜150℃が好ましい。50℃未満では重合硬化に時間がかかりコストアップする、或いは重合硬化が不十分な場合がある。一方、150℃を超える高温では下地の電荷輸送層乃至下引き層の損傷等による残留電位の上昇、更に影響が出る場合がある。より好ましくは130℃以下である。
上述の電荷輸送性化合物含有溶液には、必要に応じて所望の機能性材料を導入することが好ましい。例えば、潤滑剤としては、周知のフッ素含有樹脂を適宜使用して、表面層材料中に分散させる等の手法で添加することができる。本発明において該表面層に含有させる潤滑剤の割合は、表面層となる層の全質量に対し、質量比(wt%)で1〜50wt%が好ましく、より好ましくは5〜30wt%である。潤滑材が50%より多いと表面層となる層の機械的強度が低下し易く、1wt%より少ないと、表面形状にも依るが、表面層となる層の撥水性、滑り性が充分ではなくなることがある。
また、画像欠陥の一因である帯電生成物を、電子写真感光体表面から除去し易くする機能を有する材料としてステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩を添加することも可能である。該表面層に含有させる脂肪酸金属塩としては、5wt%以下が好ましい。使用する電荷発生層及び電荷輸送層の材料や構成等にも依るが、5wt%より多いと感度等の電子写真特性が悪化する場合がある。その他にも、注入帯電方式の場合の注入帯電サイト機能を有する材料等、電子写真プロセス等により、所望の機能を有する材料を導入することができる。
電子写真感光体の表面形状の制御は、成膜前後の何れの時点で行ってもよく、例えば、支持体にφ0.2mmの剛体球を衝突させてディンプル状の凹凸を形成したり、切削したりといった、成膜前の処理や、表面層まで形成した後、研磨テープを使用して研磨する等の成膜後の処理等が挙げられる。
ところで、表面層は、上述の如く、保護層としての機能を有している。キズや、偏摩耗により電荷輸送層等の下地が表出することを防止するために、厚い方が好ましい。一方、該表面層は電荷発生層にまで各種露光を透過させる、窓材としての機能も重要である。該表面層の吸収による透過光の損失や、特に潤滑剤としてフッ素含有樹脂を分散した場合等の光散乱等による感度変動や潜像のブロード化を抑止するためには、薄い方が好ましい。
該表面層の耐磨耗性、硬度、光吸収特性や散乱特性にも依るが、表面層の厚さは0.5〜10μmが好ましい。より好ましくは2〜8μmである。
〔有機光導電体(OPC)〕
(硬度HU、弾性変形率We)
これらの表面層を有する電子写真感光体について、一般的に鉛筆硬度やビッカース硬度が高い電子写真感光体が機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられているが、これらの測定で高硬度が即ち耐久性が高い訳ではなく、ユニバーサル硬さ値(HU)と弾性変形率(We)とから規定された範囲が耐久性に寄与することが判明した。
HUとWeを切り離してとらえることはできないが、例えば、HUが高くても、Weが低過ぎると、また、Weが高くてもHUが低過ぎると、電子写真感光体、及び/又はクリーニング部材のキズや磨耗等の損耗が発生し易くなる場合がある。本発明者らが更に検討を進めた結果、電子写真感光体の耐磨耗性、更にクリーニング部材のダメージ等を鑑みると、該電子写真感光体は25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、かつ、弾性変形率(We)が43%以上65%以下である電子写真感光体が、該電子写真感光体の耐磨耗性、更にクリーニング部材の欠けや損耗等を好適に抑止して、システムとしての高耐久性を得る上で好ましいことが判明した。
HU及びWeは、通常環境(25±2℃/50±10%RH;以下N/Nと称する)下で、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は、最終荷重6[mN]まで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定した。
出力チャートの概略を図5に示す。縦軸は荷重[mN]で横軸は押込み深さH[μm]であり、段階的に荷重を増加させ(A→B)、その後同様に段階的に荷重を減少させた(B→C)結果である。
HUは、押込み深さと圧子形状から求められる表面積、及び試験荷重とから算出される。図5に示した押込み深さvs試験荷重のグラフから、図6の如く、押込み深さvsHUのグラフが得られる。
本発明に於いては、HUは押込み深さvs荷重から、6[mN]で押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(4)によって規定される。
Figure 0004273035
一方、弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(5)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図5中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量W(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される;
弾性変形率We=W/Wt×100[%] ・・・・(5)
該電子写真感光体の表面層の特性を上述したような範囲にするには、電荷輸送性化合物を含有した硬化性樹脂、及び/又は電荷輸送機能を有した硬化性樹脂により形成された保護層であることが好ましい。硬化性樹脂の硬化度を調整することで、電子写真感光体のHUや、特に弾性変形率Weを上述した範囲にすることが容易になる。また、電荷輸送材料を含有させたり、電荷輸送性機能を有することで、感度低下、残留電位上昇を抑制させることができる。
(接触角;静止接触角θs、後退接触角θr)
接触角には静止接触角(静的接触角とも称する)と、動的接触角がある。上記の如く潤滑剤としてフッ素原子含有化合物を有する硬化型表面層等からなる、耐磨耗性が優れた表面層を有する電子写真感光体について、前述のスジ状の画像欠陥、一方では擦り抜け、及び共鳴音(いわゆる”鳴き”)等のクリーニング性について、検討を重ねた結果、接触角、特に静止接触角θsと後退接触角θrの相関が、これらの特性と密接な相関があることを見出した。
具体的には、該電子写真感光体の純水の接触角が、25℃/湿度50%RH、30℃/湿度80%RH及び10℃/湿度15%RHのそれぞれの環境下において、下記式(1)を満たす規定の範囲で使用することが、クリーニング性やスジ状欠陥等の画像欠陥の抑制に好適であることが判明した;
θs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9・・・・(1)
ただし、
θs_useは、50000回の画像形成後の静的接触角
θr_useは、50000回の画像形成後の後退接触角。
θs_useが65°以上であることで、スジ状欠陥の起因物質である帯電生成物やトナー等の、異物の表面付着性を抑制する。また、θr_use/θs_useを0.7以上の範囲で使用することで、上記の異物が感光体表面に付着した場合でも、除去し易い状態で使用できる。これにより、スジ状欠陥やトナー融着等の画像欠陥を抑制できる。また、クリーニング部材の負荷も低減でき、該クリーニング部材を含めたシステムの長寿命化に好適である。
更に好適な範囲として、上述の式(1)に加え、下式(2)を満たす範囲が好適である;
0.7≦θs_use/θs_ini≦0.9、且つ0.7≦θr_use/θr_ini≦0.9・・・・(2)
ただし、
θs_iniは、25℃/湿度50%RHにおける初期静的接触角
θr_iniは、25℃/湿度50%RHにおける初期後退接触角。
θs_use/θs_ini、またθr_use/θr_ini、即ち初期と耐久後のθs、θrの維持レベルを0.7以上の規定された範囲で使用することで、上述の式(1)の良好な状態を好適に維持し、システムの安定性が得られる。
式(1)の、θr_use/θs_useや、式(2)のθs_use/θs_iniが、が0.9を超えるようにする構成として、感光体表面が随時リフレッシュされる構成等があるが、これは該感光体表面が磨耗し、感光体の寿命が低減する場合がある。
また、硬化型表面層に潤滑剤としてフッ素原子含有化合物を多量に含有させる構成なども挙げられるが、感光体の硬度や弾性変形率が悪化し、上述同様に該感光体の寿命が低減する場合がある。また、PTFE等の添加物を含有させる場合、外添か物量が多量になると、特に高精細な画質に於いて、潜像露光が散乱するなどして潜像が乱れる場合がある。
接触角は、液体と固体の付着性依存する値だが、静止接触角θsや前進接触角と、後退接触角θrでは寄与する要因が異なってくる。
図8に、撥水性の領域と親水性の領域が混在する系での接触角に寄与する力を模式化して示す。図8(a)はθs、及び前進接触角に於ける模式図、図8(b)は、θrにおける模式図である。
図8(a)の如く、水が広がるときは、親水性領域により、水滴が広がる方向、破線矢印の方向に力が加わる一方、前述のフッ素系樹脂等の、撥水生領域との当接部では、該水滴には逆の、実線矢印の方向の力が掛かる。一方、図8(b)の如く、水が引くときは、親水性領域により、破線矢印の方向に、水を引き止める力が働く。
親水性の領域と撥水性領域の面積比が極端に異なり、一方が他方に対して無視できる場合は別だが、何れの方向の接触角にしても、水滴は、水液自体の張力により、該水液の進行方向に対して率則となる方向の力が接触角を支配する。θsは撥水領域の、θrは親水領域の被覆率や親水性に依存する。
θs、θrの制御は、電子写真感光体の樹脂設計や、上記フッ素系樹脂の粒径や、電子写真感光体への含有量を調整したりしてもできる。また、該フッ素系樹脂の形状によっても制御できる。
なお、接触角の測定は、液滴法や浸漬法等の周知の方法で測定できる。本発明に於いては、液滴法で測定を行った。具体的には、純水を用い、装置は協和界面科学(株)、接触角計CA−VP型、及び同社製の付属アプリケーションソフトを使用した。該装置及びソフトにより、静止接触角及び後退接触角を測定した。
〔クリーニング装置〕
(クリーニング部材(クリーニングブレード))
図3と図4に示したクリーニング装置において、クリーニング部材107−1のいわゆるゴム物性は、クリーニングの安定性や、該クリーニング部材の耐久性等の観点から、反発弾性が5〜60%で、硬度が20〜85度の弾性ブレードであることが好ましい。
硬度が85度よりも高いと、電子写真感光体の局所的な損耗が生じたり、クリーニング性が低下したりする場合がある。一方20度よりも低いと、クリーニング部材107−1の捲れが生じ易くなる。反発弾性が5%よりも低いと、電子写真感光体表面の凹凸や、異物等により該ブレードが欠けたり、電子写真感光体が局所的に損耗したりする場合がある。一方、60%よりも高いと該クリーニング部材107−1の捲れや、擦り抜けが発生し易くなる場合が有る。なお、硬度はJIS−A硬度でJIS K−6253に基づき、また反発弾性はJIS K−6255に基づき測定する。
また、該クリーニング部材の粘弾性特性tanδのピーク温度が使用される感光体の表面温度により近い材質からなるクリーニングブレードが好ましい。
このようなクリーニング部材は、使用時の温度では反発弾性が低く、硬度が高い高硬度・低反発弾性特性を有している。この高硬度・低反発弾性特性を有するクリーニング部材は、従来の高反発弾性のクリーニングブレードに比べて、感光体表面に対する掻き取り能力が向上し、スジ状欠陥の起因物質やトナー融着を摺擦除去するのに好適である。
図10に、クリーニング部材107−1の粘弾性率tanδの温度に対する特性の一例を示す。図10から分かるように、温度が低下して粘弾性率tanδのピーク温度の約20℃に至るまでは、温度が下がるほどtanδの値が高くなる。tanδは、粘弾性特性で粘性/弾性の比率を意味し、tanδの値が高くなることは、粘性が高まることを示す。粘性が高い状態でクリーニングブレード13を使用すると、クリーニング部材107−1の捲れによるクリーニング不良が発生する可能性が高くなる。又、弾性項が低いということは、スティックスリップが結果として起きる場合に、その振動数が低いということであり、このことはクリーニング不良が発生する場合があることを意味する。
ここで粘弾性特性の粘弾性率tanδのピーク温度とは、tanδの温度に対する変化でtanδが最大値をとるときの温度を意味し、JIS K 6394(1998)[参考通則JIS K 6250(2001)]に準じてtanδピーク温度を測定する。例えば粘弾性特性のtanδのピーク温度は、粘弾性測定装置(例えばRSA2(レオメトリックス社))を用い、測定することができる。
前記tanδのピーク温度は、例えば、特定のポリエステルポリオールの併用等、用いる弾性部材の種類の選定したり、ウィスカー等の補強材の使用、他の化合物を混合した弾性部材の使用、この時の混合条件の選定等によって調整することができる。
一般に画像形成装置が使用される環境(25℃前後)において、使用時の感光体表面、及びクリーニング部材の温度は、定着手段等の余熱等により、30〜40℃程度に昇温する。また、プリンター等、低温(10℃前後)環境下に置かれる場合は、使用時の観光体表面温度が更に低温になるケースがある。したがって、tanδピーク温度が、30℃以下であるクリーニング部材が好ましい。
この結果、クリーニングブレードのエッジ欠け等を抑制でき、感光ドラムの摩耗も低減でき、良好な画像を耐久性良く得られることを見出した。
なお、該クリーニング部材の、tanδの値が0.18〜0.40の範囲の値となるように使用するのが、クリーニング性の安定性及びスジ状欠陥起因物質の除去等の点で好ましい。
tanδのピーク温度が低過ぎると、使用時の温度ではtanδの値が低くなり過ぎる場合もあるため、該tanδのピーク温度は−10℃以上であることが好ましい。より好ましくは−7℃以上、25℃以下である。
また、クリーニング部材107−1の厚さとしては、2〜4mmが好ましい。2mmよりも薄いと、硬度、反発弾性といった上記のゴム物性を有効に使用できず、また、電子写真感光体の表面を好適に摺擦する作用が低下したり、クリーニング不良が生じ易くなる。一方、4mmよりも厚いと電子写真感光体が局所的に損耗する場合がある。
該クリーニング部材107−1は、少なくとも電子写真感光体と当接する部分に摩擦制御部材を導入したりしてもよい。該電子写真感光体と当接する部分にナイロンコーティングや、紫外線等による変質加工等を行うことができる。
該クリーニング部材107−1の保持機構は、上述のチップブレードに於いては板金107−5が多用され、挟み込み式に於いては、アルミニウムやステンレス等の金属板107−5と、燐青銅等からなる不図示の背板、更に該クリーニング部材107−1の電子写真感光体表面への当接圧を調節するための、バネ等からなる構成の保持機構が多用される。
クリーニング部材107−1にかかる負荷のばらつきを制御する手段としては、該保持機構を制御することも有効である。板金の厚さや、形状、固定状態、自由長、電子写真感光体への当接圧、当接角等を制御することで、クリーニング部材107−1の受けた負荷を好適に分散し、該クリーニング部材107−1の摩擦力の偏差を実質的に制御することができる。いわゆるイコライズ機構等も好適である。
また、クリーニング部材107−1の自由長や、当接角等の調整を併用することも有効である。クリーニング部材107−1の自由長は2〜10mmが、当接角は20〜40°の範囲が、当接圧、及び該当接圧の分布を好適に維持する点で好ましい。
また、一般的な画像形成においては、数〜数10%dutyの画像が多く、必ずしも電子写真感光体の長手方向全域に現像剤が供給されるとは限らない。従って、クリーニング部材が局所的な負荷を受けないようにすることも好ましい、クリーニングブレードを電子写真感光体の長手(軸)方向に移動させる、いわゆるレシプロ機構等も好ましい構成である。
また、クリーニングブレードは電子写真感光体の長手(軸)方向において、非平行、つまり位相を有する構成であってもよい。
クリーニングブレードが非平行になることで、該クリーニングブレードでせき止められた転写残現像剤等が、電子写真感光体の長手(軸)方向に移動し易くなる。これにより、該クリーニングブレード上で現像剤等が均され、該クリーニングブレードの局所的な負荷を抑制される。
(クリーニング補助部材)
本発明に掛るクリーニング手段は、更にクリーニング補助部材107−2を有している。該クリーニング補助部材107−2は、該電子写真感光体101上の帯電生成物を摺擦除去する部材として、またクリーニング部材107−1と電子写真感光体101の当接部に、転写残現像剤や外添剤等の潤滑剤及び/又は研磨剤を、再塗付させる部材としても機能する。
また、電子写真感光体101から除去した異物や過剰な外添剤等を除去するために、該クリーニング補助部材107−2には、必要に応じて上記異物等を除去する機構を配することも有効である。
クリーニング補助部材は、アースに接地されていても、また適宜なバイアスが印加されていてもよい。更に、現像剤を、クリーニング部材107−1が、長手方向で均一に電子写真感光体表面に供給するために、該現像剤を電子写真感光体の長手(軸)方向に適宜散乱させる機構を有することも好ましい。
(クリーニング補助部材1;ファーブラシ)
図3において、該クリーニング補助部材107−2として、ファーブラシ状のクリーニング補助部材107−2Fを使用した例を図示した。該クリーニング補助部材107−2Fは、クリーニング部材107−1の上流側で電子写真感光体表面に当接し、不図示の駆動手段により、該電子写真感光体と相対速度差を持って駆動される。
また、本発明で用いられるブラシローラーのブラシ構成素材は、疎水性で、かつ誘電率が高い繊維形成性高分子重合体を用いるのが好ましい。このような高分子重合体としては、例えばレーヨン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂及びポリビニルアセタール(例えばポリビニルブチラール)等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独であるいは2種以上の混合物として用いることができる。特に、好ましくはレーヨン、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂及びポリプロピレンである。
また、前記ブラシは、剥離放電や帯電系列等の観点から、構成素材にカーボン等の低抵抗物質を含有させ、任意の抵抗に調整したものが使用できる。また、ファーの繊維は直毛状態でも、ループ形状を有していてもよい。
ブラシローラーに用いるブラシの単繊維の太さは、0.56tex(5D)以上、3.33tex(30D)以下が好ましい。0.56texに満たないと、十分な擦過力が無いため表面付着物を除去し難く。また、3.33texより大きいと、繊維が剛直になるため電子写真感光体の表面を傷つけ該電子写真感光体の寿命を低下させ易い(「tex」は、前記ブラシを構成する繊維の長さ1000mの質量をg(グラム)単位で測定した数値で、従来多用されていた「デニール(D)」に対して、tex=D/9で換算される)。
また、前記ブラシの繊維密度は、4×10f/cm以上20×10f/cm以下が好ましい。4×10f/cmに満たないと、擦過にムラができ付着物を均一に除去することができない場合がある。20×10f/cmより大きいと、ブラシ繊維間に入り込んだ、トナー、異物が除去しきれず、パッキングが発生し前記ブラシの特性が失われる場合がある。
また、上述の現像剤散乱手法として、ファーを感光体の軸方向に対して非平行に設置、及び/又はスパイラル状の部材に形成することも好ましい。
更に、本発明の如き、HUとWeが規定された範囲の電子写真感光体は、前述の如く損耗に強いため、上記の樹脂に限らず、更に高硬度な、一部乃至は全部が無機材料からなる繊維を使用することも可能である。例えば、アモルファス金属繊維等も使用することができる。
これらの繊維は有機樹脂系の繊維と比較して一般に高強度であり、いわゆる抜け、折れが少ない。そのため、部材として高寿命であるほか、低繊度(細い状態)で使用することができるため、繊維密度やファーブラシの駆動速度の自由度を大きく取り易い。
(クリーニング補助部材2;トナー溜り)
また、外添剤等による電子写真感光体101表面の摺擦に関して、該外添剤等をクリーニング部材107−1近傍に適宜供給するために、転写残現像剤を電子写真感光体101表面近傍で保持するための部材、いわゆるトナー溜りを設ける部材を配するのも好ましい構成である。クリーニング部材近傍クリーニングされた現像剤を保持する際、溜った該現像剤等によるパッキングや融着を防止するために、過剰な現像剤を除去できる構成が好ましい。構成が簡略であり、過剰な現像剤がクリーニング容器側に逃げ易いため、樹脂シート等のシート状部材による構成が好ましく使用される。図4では、シート状のクリーニング補助部材107−2Sを使用した例を図示している。
また、本発明で用いられるシートの構成素材は、疎水性で、適宜な強度を有し、かつ誘電率が高いものが好ましい。このような素材としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂(PAc)等が挙げられる。前記素材は単独、又複合して使用してもよいし、機械的強度や帯電系列等の観点から、構成素材にカーボン等の低抵抗物質を含有させ、任意の抵抗に調整したものが使用できる。
また、シートの厚さは、素材にも依るが、0.1〜2mm厚程度のものが好ましい。更に、トナー溜り部材は振動を加えたりしてもよいし、適宜な間隔でトナー容器側に開口したりする開閉機構を有していてもよい。また、レシプロ機構を有していてもよい。
また、該クリーニング補助部材107−2を電子写真感光体に対して、通常状態から離脱させたり、元の位置に戻したりするような稼動機構107−7を付加してもよい。
〔その他、カートリッジ〕
また、図2の如く、上述の電子写真感光体101、一次帯電手段102、現像手段104及びクリーニング手段107等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
例えば、一次帯電手段102、現像手段104及びクリーニング手段107の少なくとも一つを電子写真感光体101と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段121を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ100とすることができる。帯電部材102は、コロトロン・スコロトロン方式、接触帯電方式等、任意に選択可能である。
〔現像剤〕
(現像剤構成)
現像剤は、着色剤や樹脂等からなる母体である分級品、即ちトナー粒子と、該分級品の周囲に外部添加される外添剤を含む。2成分現像剤では、更にキャリアが含まれる。
現像剤のトナーの平均粒径は、重量平均粒径で定義され、画質、及びクリーニングを良好に維持する観点で重量平均粒径の好ましい範囲は3〜8μmである。重量平均粒径が3μm未満のトナーに於いては、トナー全体の表面積が増えることに加え、粉体としての流動性及び攪拌性が低下し、カブリや転写性が悪化傾向となったり、融着以外にも画像の不均一ムラの原因となり易い他、転写効率の低下から電子写真感光体上の転写残トナーが多くなり、クリーニングブレードへの局所的な衝撃が過剰になり、クリーニング性やトナー融着の抑制が難しくなる。また、重量平均粒径が8μmを超える場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じ易く、高解像度が得られ難い。更に、1ドットの再現が悪化する傾向にある。
現像剤中のトナー粒子の平均粒径は、質量平均粒径で定義される。本発明において、トナーの質量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて調製された1%NaCl水溶液を使用する。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
それから本発明に係る体積分布から求めた質量基準の質量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。チャンネルとしては、2.00〜2.52、2.52〜3.17、3.17〜4.00、4.00〜5.04、5.04〜6.35、6.35〜8.00、8.00〜10.08、10.08〜12.70、12.70〜16.00、16.00〜20.20、20.20〜25.40、25.40〜32.00、32.00〜40.30[μm]の13チャンネルを用いる。
また、0.60μm以上159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、4.00μm以上15.04μm未満の粒径範囲での下記式(3)より求められる円形度aが0.90以上である粒子を90〜100個数%含有することが好ましい;
円形度 a=L0/L ・・・・(3)
ここで、
L ;トナー粒子投影像の周囲長
L0;トナー粒子投影面積と同面積の円の周囲長
である。
トナー粒子の円形度aは、FPIA−1000(東亜医用電子社製)を用いて測定することができる。測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニュアル等に記載されている。上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定することにより求めることができる。
(トナー粒子製造方法)
トナー粒子の製造方法は、重合法や粉砕法等の周知の方法で製造できる。中でも懸濁重合等の重合法で生成されるトナー粒子は、非常に良好な円形度を有する。
トナー粒子を重合法により製造する場合には、公知の分散安定剤や方法で重合、濾過、洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た後、無機微粒子等の外添剤を混合し表面に付着させることで、トナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、本発明の好ましい形態の一つである。
トナー粒子を粉砕法により製造する場合は、公知の方法を用いることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。本発明に係わる特定の円形度を有する非磁性トナーを得るためには、熱をかけて粉砕したり、あるいは補助的に機械的衝撃を加える処理をすることが好ましい。また、微粉砕(必要に応じて分級)された非磁性トナー粒子を熱水中に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法等を用いてもよい。
一方、粉砕法で使用される粉砕手段としては機械式粉砕機が好ましく用いられる。該機械式粉砕機としては、例えば、ホソカワミクロン(株)製粉砕機イノマイザー、川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミル等を挙げることができ、これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが好ましい。
粉砕或いは重合されたトナーは、その後、周知の分級機を用いて、上記の粒径、及び粒度分布に分級される。
(外添剤)
現像剤では、トナー母体粒子に流動性付与、研磨剤又はクリーニング補助、滑剤、荷電制御性等、各種目的で添加剤が外添される。これら添加剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部用いられるのが好ましく、より好ましくは0.05〜5質量部用いられる。これら添加剤は、単独で用いても、また複数併用してもよいが、本例では流動性付与剤として酸化ケイ素(以下、シリカと称する)と酸化チタン(以下、チタニアと称する)を、研磨剤又はクリーニング補助剤としてチタン酸ストロンチウム(以下、STと称する)を使用している。これらは、疎水処理されたものが好ましい。
該外添剤の一次粒径は、0.07[μm]以上2.0[μm]以下が好ましく、より好ましくは1.0[μm]以下である。
この範囲の外添剤を使用することで、電子写真感光体表面と、トナー粒子の間でスペーサーとして働き、現像剤が電子写真感光体の潜像に対して、非常に応答性が良く静電付着乃至は離脱し、高精細な顕像が得られる。また、転写工程に於いても、スペーサーとして良好な転写特性を示す。これらの作用は、上記の粒径、及び円形度が規定されたトナー母体粒子と良好に相乗作用し、潜像に応じた、高画質な画像が得られる。特に接触現像方式、接触転写方式で更に良好に作用する。複数の外添剤を使用する場合は、一次粒径が0.07以上1.0[μm]以下である粒子が含まれていればよい。
また、上記外添剤のトナー粒子からの遊離率が1%以上70%以下のとき、非常に良好な画像が得られる。1%未満では、トナーの摩擦帯電量(トリボ)が不安定になったり、現像性・転写性が低下する場合がある。一方、70%を超えると、現像手段中での遊離が過剰に進んで該現像手段中に外添剤が蓄積し易くなること等により、現像性が低下する場合がる。上記理由から、外添剤の遊離率が3%以上40%以下であると、更に好ましい。
外添剤の一次粒径は、電子顕微鏡における現像剤の表面観察により求める。具体的には、トナー母体粒子に外添剤を外添後、トナー粒子を走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所(株)製 S−800)にて無作為に100個以上の外添剤粒子について、その一次粒径を測定し、該測定値の平均値を算出した。
また、該外添剤のトナー粒子からの遊離率は、トナー粒子に含まれる炭素原子と潤滑性化合物に含まれる原子(例えば、フッ素樹脂ならフッ素原子、ステアリン酸亜鉛なら亜鉛原子)との個数の和に対する、トナー粒子に含まれない潤滑性化合物に含まれる原子の個数の比によって表される。上記遊離率は、「Japan Hardcopy97」論文集の65〜68ページに記載の原理で測定することができ、具体的には、トナー粒子を一個ずつプラズマへ導入し、得られる発光スペクトルからトナー粒子中の元素、トナー粒子数及びトナー粒子の粒径を知ることができ、この発光スペクトルから上記遊離率を測定することができる。
上記の測定方法によれば、潤滑性化合物の遊離率は、トナー粒子に含まれる結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、潤滑性化合物の原子の発光から下記式(6)により求められる;
遊離率(%)=NLSO×100/(NLC+NLS)・・・・・(6)
ここで、
NLSO;外添剤に含まれる原子のみの発光回数
NLC ;炭素原子と同時に発光した外添剤に含まれる原子の発光回数
NLS ;外添剤に含まれる原子の発光回数
である。
上記式において「同時に発光した」とは、潤滑性を有する化合物に含まれる原子の発光であって炭素原子の発光から2.6msec以内の発光をいい、それ以降の潤滑性を有する化合物に含まれる原子の発光は潤滑性を有する化合物に含まれる原子のみの発光とする。また、炭素原子と外添剤に含まれる原子が同時発光するということはトナー粒子と同期していることを意味し、外添剤に含まれる原子のみの発光は、外添剤がトナー粒子から遊離していることを意味する。遊離率の測定方法は発光スペクトルを利用した、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)を使用し測定を行った。
具体的な測定方法は以下の通りである。先ず、トナーサンプルを23℃/60%RHの環境にて0.1体積%酸素含有のヘリウムガス中で、1晩放置して調湿する。測定に際しては、チャンネル1で炭素原子(測定波長247.860nm、Kファクターは推奨値を使用)、チャンネル2で外添剤に含まれる原子を測定し、一回のスキャンで炭素原子の発光回数が1,000〜1,400回となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光回数が総数で10,000回以上となるまでスキャンを繰り返し、発光回数を積算する。この時、炭素原子の発光回数を縦軸に、炭素原子の三乗根電圧を横軸にとった分布において、該分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサンプリングして測定を行う。
そしてこのデータを元に全原子のノイズカットレベルを1.50Vとし、上記式(6)を用い、外添剤の遊離率を算出する。
本発明における外添剤の遊離率とは、トナー母体以外に含まれる外添剤全ての遊離率の積算値と定義する。例えば、外添剤として酸化ケイ素、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムが含まれているときには、Si元素及びTi元素について遊離率を算出し、これらを積算した値が外添剤全体の遊離率である。
本発明に用いられる流動化剤として、乾式法シリカを、アミノ基を有するカップリング剤或いは、シリコーンオイルで疎水処理したものを本発明の目的を達成するために必要に応じて用いてもかまわない。本発明に用いられる流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上が好ましく、より好ましくは50m/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対して流動化剤0.01〜8質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜4質量部使用するのがよい。
外添剤の疎水化度(メタノールウェッタビリティー)における降下開始点は、粉体濡れ性試験機(WET−100P、レスカ社製)を用いて測定することができる。100mlのビーカーに純水(イオン交換水又は市販の精製水)42mlとメタノール18mlを入れ、蓋をして超音波分散器等を用いて均一分散させる。試料の外添剤0.5gを精秤して添加し、スターラーを250rpmさせながら撹拌し、メタノールを1.3ml/minで添加していく。水溶液に外添剤が沈降、分散し始めると溶液の透過度が低下するので、この時の下式(7)のθwを外添剤疎水化度の降下開始点とする;
θw=メタノール/(メタノール+水)[質量%]・・・・・(7)
(キャリア)
また、二成分系現像剤で使用される磁性キャリアとしては、磁性体分散型の樹脂キャリアや、表面を樹脂でコートしたフェライト等の磁性体単体の磁性キャリア、磁性体分散型の樹脂キャリア等を使用することができる。
磁性キャリア粒子は、樹脂で被覆されていることが好ましく、磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール及びアミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。
上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%である。これらキャリアの平均粒径は10〜100μmが好ましく、特には20〜70μmを有することが好ましい。
上記のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%が好ましく、より好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下し易く、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生し易い。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中の「部」は質量部を意味する。
(実施例1)
下記の要領で、本発明に掛る外径φ84mmの、IR6800用寸法の電子写真感光体を作製した。
先ず、IRC6800用の支持体に、ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを導電性支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、下引き層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電性支持体上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、膜圧が0.6μmの下引き層を形成した。
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2度)の9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン3部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を下引き層の上に浸漬塗布方法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚が0.2μmのCGLを形成した。
次に、下記式(I)で示されるスチリル化合物10部、
Figure 0004273035
及び下記式(II)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部、
Figure 0004273035
をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を上記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で一時間乾燥することによって膜厚が15μmのCTLを形成した。
また、CTLの膜厚を20μmとした以外は上記と同様にして電子写真感光体を作製した。なお、こちらのCTLが20μmの電子写真感光体は、表面層を積層せず、電子写真感光体NSL(No Surface Layer)とした。
<1>硬化型表面層の製造
<1−1>放射線硬化型表面層 基本型
表面層の処方を表1に示す。原料には、下記式(III)で示される重合性電荷輸送性化合物を使用した。該化合物の生成に際して、適宜シリカゲルカラムを通し精製を行い、不純物の除去を行った。
Figure 0004273035
一方、潤滑剤としては、フッ素含有樹脂である、ポリテトラフルオロエチレン樹脂を使用した。本発明において感光層に含有させる潤滑材として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業製;以下、単にPTFE樹脂と称する)26部、及びモノクロロベンゼン50部を、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散した。
このポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子分散液に上記式(III)で示される電荷輸送性化合物を60部加えて溶解した後、ジクロロメタン30部を加えて表面層用塗料を調製した。
この塗料を前記の電子写真感光体上にコーティングし、加速電圧150kV、線量5Mrad、電子写真感光体表面温度が110℃の条件で電子線を照射し樹脂を硬化した。その後引き続いて、同雰囲気下で電子写真感光体の温度が100℃になる条件で10分加熱処理を行い、膜厚5μmの硬化表面層を形成し、電子写真感光体K0を得た。
<1−2>放射線硬化型表面層 製造条件振り
上記、<1−1>で作製した電子写真感光体K0に対し、更に下記式(IV)、式(V)で示される電荷輸送性化合物を含有させたり、PTFE樹脂含有量、電子線量、製造時の感光体表面温度を振って、電子写真感光体K1〜K20を作製した。
Figure 0004273035
<2>非磁性2成分現像剤
カラー用現像剤として、2成分現像剤を下記の要領で作製した。
<2−1>キャリア
本発明で使用する二成分現像材用のキャリアは、周知のフェライトキャリア等を使用してもよいし、下記の如き樹脂被覆型のキャリアを用いてもよい。
本例に於いては、キャリア粒子は、球形重合キャリアで、その製法は、本実施例においては、重合法のモノマーにバインダー樹脂と磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物等を添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁し、重合させることで球形状のキャリア粒子を得た(なお、生成法は上記手法に限るものではなく、乳化重合法等で生成しても構わず、また他の添加物が入っていても構わない)。
(キャリアの製造例)
個数平均粒径0.24μmの強磁性体であるマグネタイト粉(FeO・Fe)と、個数平均粒径0.60μmの非磁性体のα−Fe粉に対し、夫々5.5質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で、高速混合撹拌して、各金属酸化物微粒子の親油化処理を行った。
次いで、上記の各金属酸化物微粒子を含む下記の組成
親油化処理したマグネタイト粉 60部
親油化処理したα−Fe粉 40部
フェノール 10部
ホルムアルデヒド溶液 6部
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10重量%、水50質量%)
を、28質量%NHOH水溶液を含む水からなる水性媒体の入ったフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温して、この温度を維持ながら3時間反応、熱硬化させた。続いて、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。
その後に、減圧下(5mmHg以下)にて50〜60℃で乾燥して、重合法によって磁性樹脂キャリアを得た。
更に、上記で得られた磁性樹脂キャリアをコア粒子として、この表面に下記の方法で、熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。磁性キャリア表面のコート樹脂量が1.0質量%となるように、トルエンを溶媒として、10質量%のシリコーン樹脂材料を含むコート溶液を作製した。この溶液に剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、コア粒子表面へのコートを行った。次に、コート溶液がコートされた磁性キャリアを、200℃で1時間キュアし、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、表面にシリコーン樹脂がコートされた磁性体分散型の磁性樹脂キャリアCを得た。
上記で得られた磁性樹脂キャリア1について粒径を測定したところ、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3により測定した個数平均粒径は28.3μmであった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは129emu/cmであった。磁化の強さは、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定した。
<2−2>非磁性トナー
(非磁性トナーの製造)
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコに、イオン交換水900部とポリビニルアルコール10部とを投入し、回転数を1200rpm調整し、60℃に加熱して水系媒体を作製した。一方、下記の組成
スチレン単量体 90部
n−ブチルアクリレート単量体 22部
カーボンブラック 10部
サリチル酸金属化合物 1部
離型剤 20部
を混合し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて回転数12,000rpmで撹拌した。更にこれに2,2−アゾビスイソブチロニトリル3部を溶解させた重合性単量体組成物を、先に作製した水系媒体中に投入し、60℃で、窒素気流下でTK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌して、その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去して、更に冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥して重合体トナー(T)を得た。ここでは、黒色トナーの製造例を示す。
続いて、上記の重合体トナー(A)0.9部をメタノール5.0部に分散し、その後、ケイ素化合物として、テトラエトキシシラン0.5部、メチルトリエトキシシラン0.3部を溶解させ、更に、50部のメタノールを添加した。続いて、これに、28質量%NHOH水溶液10部に対し100部のメタノールを添加した溶液を滴下しながら加え、室温で48時間攪拌した。
反応終了後に、得られた粒子を精製水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した後、粒子を濾別、乾燥し、平均粒径は6.5μm、形状係数SF1が1.06、円形度aが0.90〜1.00の粒子が98.5個数%のトナー粒子Tを得た。
(外添剤の製造)
一方、外添剤に使用する無機微粒子として、個数平均一次粒径9nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が200m/gの疎水性シリカ微粉体を準備した。また、個数平均一次粒径30nmの酸化チタンを準備した。
その他にも、フッ化ビニリデン微粉末やポリテトラフルオロエチレン微粉末等のフッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカや乾式製法シリカ等の微粉末シリカ、微粉末アルミナ、これらをシランカップリング剤、チタンカッブリング剤、シリコーンオイルで表面処理して疎水性を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ等を使用することができる。
(外添工程)
外添剤として、トナー粒子100部に対し、疎水性シリカ微粉体0.8部、及び酸化チタン微粉体0.7部を加え、三井三池化工機(株)製ヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽根の周速を40m/secとして3分間混合し、非磁性トナーTを調製した。
(現像剤)
現像剤として、上記の磁性樹脂キャリアCと、非磁性トナーTを、質量比でT/C=8%になる様に混合し、十分に攪拌して現像器用現像剤を作製した。該非磁性トナーTを耐久中の補給用現像剤とした。
<評価装置>
上記で作製した電子写真感光体、クリーニング手段の評価のために、キヤノン(株)IRC6800を改造して使用した。IRC6800は、現像手段や転写手段等の位置は製品の状態のままで、カートリッジのクリーニング部材の上流側に、前述のクリーニング補助部材及び該クリーニング補助部材の駆動、乃至振動手段を設置した。帯電手段のハウジンググリッドは、メッシュグリッドに変更した。また、電子写真感光体の極性が正から負に変更されるのに伴い、帯電手段、現像手段、転写手段の電源の極性を変更し、更にバイアスを振れる様にした。また、電子写真感光体の面速度、いわゆるプロセススピードを可変とする等の改造を施した。当然ながら、紙搬送や現像手段、転写手段等も、プロセススピードに同調して速度が調整される。
なお、現像剤は前述のオイルレス非磁性2成分現像剤(外添剤を有する非磁性ワックス内添トナー、磁性キャリアからなる)とし、現像バイアス、転写バイアス、定着温度設定を該現像剤に適応するように改造した。更に電位評価を行えるように露光量や帯電条件の調整や、電位計の設置が可能にする等の改造を施した。なお、TRek社製の電位計、及び同社製の電位プローブを用い、専用治具にて該電位プローブを現像手段位置に設置して電位を測定する。
<3>クリーニング補助部材
上記の評価機に設置する摺擦部材として、周知の方法で、φ12mmの芯金に、カーボンを分散させたアクリル繊維のパイルを巻き付けて、ローラー状ファーブラシF1を作製した。なお該パイルに使用したアクリル繊維は、繊度1tex(9D)、繊維密度9.3kF/cm(60kf/inch)、またファーの長さが略4mmにした。
該ファーブラシF1を、電子写真感光体に1.5mm侵入するように、電子写真感光体に平行に当接させ、図4の補助部材107−2Fとして設置した。更に該補助部材107−2Fは、芯金をアースに接地した。また、クリーニング装置内には、該ファーブラシF1に0.5mm侵入するようにスクレーパー107−4を設置した。
該ファーブラシの駆動は、電子写真感光体の駆動に同調して、任意の面速度で回転するようにした。該摺擦部材の駆動条件は、電子写真感光体の面速度Sに対する相対速度[%]で+30%とした。なお、+は電子写真感光体に対し順方向、−はカウンター方向であり、例えば+100%は電子写真感光体と等速で、いわゆる連れ回る状態、0%は停止状態、−100%は、電子写真感光体面速度と同速度でカウンター方向に回転している状態を指す。
また、該電子写真感光体と該摺擦部材の相対速度差の絶対値ΔS[m/sec]は、電子写真感光体の面速度Sと相対速度差から算出される。
<4>評価
上記で作製した電子写真感光体K0について、初期の電子写真特性、繰り返し使用時の電子写真特性及び画像を評価した。なお、電子写真感光体は、ユニバーサル硬さHU、弾性変形率We測定用、耐刷試験用に使用するため、同一処方で複数本作製した。
初期の電子写真特性及び耐久性は、この電子写真感光体を、上述のキヤノン(株)製IRC6800改造機(以下、IRC6800と称する)に装着して評価した。尚、プロセススピードは250mm/secとし、電子写真感光体内部の面状ヒーターはオフにした。
クリーニング部材(ブレード形状、及び該ブレードの支持方法)は製品のままとした。なお、ブレードはtanδのピーク温度が14℃、使用時の温度でtanδの値が0.18〜0.40の範囲であった。
また上記<3>で作製したファーブラシF1を有するクリーニング装置を使用し、電子写真感光体に対して電子写真感光体の面速度Sに対し、相対速度20%の順方向(+20%)で回転するようにした。
また、各実施例、比較例で作製した現像剤を、該IRC6800の現像手段に投入した。投入先の現像手段は任意に選択できる。また、少なくとも現像手段1つに付きクリーニング手段を1つづつ有している様な系、例えばタンデムカラー画像形成装置であれば、各現像手段に各種の作製した現像剤を投入してもよい。なお、本例では、シアンの現像手段に作製した現像剤を投入した。
上記構成で、ほぼ全域に均等な5%dutyのチャートを使用し、A4用紙を2枚間欠、単色モード、本例ではシアン単色で、4000枚/日で耐久した。ただし、後述する如く各種評価の区切り枚数を優先し、この枚数に掛る場合は、4000枚/日には拘らない。
耐久は、朝にメインスイッチをONして、耐久を開始し、耐久後の夜間はメインスイッチオフする繰返しで行った。
先ず、N/N環境下で、初期の感光体電気特性評価、表面物性評価を行った。初期の感光体電気特性評価として、現像手段を取り外し、電位計を設置して、帯電手段であるスコロトロンのワイヤには−800μAの電流を印加、グリッドには吸込み電源を用い、−700Vになる様にした。この状態で暗部電位Vdを測定した。次に、グリッドへの印加電圧を調整して暗部電位−650Vに設定し、−150Vに光減衰させるために必要な光量としてVl感度を、及び感度の3倍の光量を照射したときの電位として残留電位Vslを測定した。電気特性評価には、参考として、CTLがK0〜K20のCTL+表面層と同等の厚さになる様に作製した、電子写真感光体NSLについても、同様に評価した。
結果、本例で作製した電子写真感光体K0〜K20は、NSLと同等の帯電特性、感度特性、残電特性を有し、表面層による感度低下や、Vsl増加も無く、良好な電気特性を示した。
また、電子写真感光体表面上で、任意に20点を指定し、前述の方法で静的接触角、及び後退接触角を測定した。更に、同20点で、感光体表面粗さを、表面粗さ測定機(小坂研究所製、サーフコーダーSE−3400)を用い、JIS1982モード、測定速度0.1mm/sec、測定長5mm、カットオフλc=0.8mmで測定した。
続いて、これらの電子写真感光体K0〜K20について、微小硬さ測定装置フィッシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、ユニバーサル硬さHU、弾性変形率Weを測定し、更に、耐刷試験を行った。
評価装置は、現像手段を戻して、上記の電気特性、HU、Weを測定したものと同一処方の電子写真感光体を設置した。該N/N環境、温度30℃/湿度80%RHの(H/H)環境下、及び10℃/湿度15%RHの(L/L)環境下で、各々150000枚の通紙耐久を行った。
なお、各環境の耐久には同一手法で作製した、同一膜厚の電子写真感光体を各々使用した。よって各環境の評価条件、及び結果において同一の呼称を用いた。
耐久中、2000枚毎に、電子写真感光体目視から、表面のキズ、粗れを、また、画像サンプルから目視による画像欠陥、クリーニング性、スジの観察を行った。
画像欠陥は、ドラムのキズや摩耗等による、スジ状、帯状、或いは局所的な画像不均一性を評価した。クリーニング性は、クリーニング不良に因る、フィルミングや擦り抜け、クリーニング部材の振動音(ビビリ)、共鳴音を評価した。スジは、縦ライン300μm線で、単色、及び4色混合のハーフトーンを形成し、スジ状の画像欠陥の有無を評価した。
10000枚毎に、前記電子写真感光体の電気的特性を測定し、耐久によるVdの変化量ΔVd、及びVslの変化量ΔVs1を電位の差分で、またVl感度の変化量Δ感度の、初期の感度に対する比率Δ感度比で求めた。また、同じく10000枚毎に、初期に指定した20点、及びキズが現認された場合はその箇所についても、静的接触角、後退接触角及び表面粗さ測定を行った。
電気的特性は耐刷試験を通じての最悪値を以って結果とし、以降の結果の表に記載、また接触角は、何れの例も耐刷により低下傾向を有していたが、50000枚でほぼ飽和していたため、50000枚時点の値を表に記載した。
また、耐久前後で、クリーニング部材のエッヂ部を顕微鏡観察し、損耗レベルを評価した。同様に耐久前後で、電子写真感光体の摩耗量を測定した。なお、摩耗量は、渦電流式膜厚測定器(Fischer社製、PERMASCOPE TYPE E111)を用いて測定し、10000回転当りの摩耗Rate[mm/10回転]として算出した。
評価基準は下記の通りである。尚、各欠陥の評価に際しては、画像上での判断と同時に、電子写真感光体の膜厚や表面形状、またCLNブレードや帯電手段やCLN手段通過後の電子写真感光体表面の汚染度、等を評価した。これらの評価結果から、画像欠陥の要因を判断した。
画像上はスジ状の画像不良でも、キズ、クリーニング不良(以下、CLN不良)、スジ状欠陥等、要因に応じて下記の各評価項目を判定、判別した。
下記の各種評価結果は、耐刷評価を通じての最悪値を以って結果とし、以降の結果の表に記載した。
<画像欠陥(キズ)>
電子写真感光体のキズによる画像欠陥は、ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、及び2トーン画像から、大きさと個数を測定し、0.1mm以上の幅のスジ又は帯状の欠陥が最も多い画像に於いて、A3用紙1枚中に何個あるか、同時に、電子写真感光体表面を光学顕微鏡で観察し、その観察結果を合せて判定した。判定基準は、下記の通りである。
◎;電子写真感光体表面、画像上共に/非常に良好
○;電子写真感光体表面には最大高さRz(本測定、即ちJIS0601:1982で言うRmax)が、0.8μm以上のものがあるが、画像には出ていない/良好
●;長さ10mm以内、且つ幅0.5mm以内の画像欠陥が画像上5ヵ所以内である。更に、10mmを超える、又は幅0.5mmを超える画像欠陥無し/実用可能
×;上記以外(画像欠陥が5ヵ所以上ある。又は長さ10mm以上、或いは幅0.5mmを超える画像欠陥有り)/実用上問題あり
<画像欠陥(現像剤融着)>
現像剤融着による黒ポチ、白ポチの評価は、ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、及び2トーン画像から、大きさと個数を測定し、0.1mm以上の黒ポチ又は白ポチが最も多い画像に於いて、A3用紙1枚中に何個あるかで判定した。判定基準は、下記の通りである。
◎;電子写真感光体表面、画像上共に/良好
○;0.1mm以内が画像上3個以内、且つ0.3mm以上のポチ無し/実用可能
●;0.3mm以内が画像上5個以内、且つ0.5mm以上のポチ無し/実用可能
×;上記以外(4個以上、又は0.5mm以上のポチ有り)/実用上問題あり
<CLN不良(擦り抜け、ビビリ、共鳴音、めくれ)>
CLN不良に関しては、スジ状の擦り抜け画像欠陥(ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、2トーン画像で評価)を目視で評価した。フィルミング状の擦り抜けに関しては、反射濃度計(TOKYO DENSHOKU(株)製、REFRECTMETER MODEL TC−6D(S))を用いて測定し、画出し後の白地部反射濃度最悪値をDs、画出し前の用紙の反射濃度平均値をDrとした時の(Ds−Dr)をフィルミング量とした。
また、めくれ、びびり、擦り抜け、及び共鳴音発生の有無を評価した。判定基準は下記の通りである。
◎;フィルミング2%未満。擦り抜けなし。めくれ、ビビリ、共鳴音無し/良好
○;フィルミング2%以上、4%未満。擦り抜け無し。又は、スジ状欠陥2個以内・且つ幅0.3mm未満・且つ長さ1mm未満。めくれ無し、共鳴音は電子写真感光体停止時に発生する場合がある、又はビビリが発生する場合がある(頻度少)/実用可能
●;フィルミング4%以上、5%未満。擦り抜け無し。共鳴音とビビリの双方が発生する場合がある(頻度少)/実用可能下限
×;上記以外。フィルミング5%以上、又は擦り抜け有り。又は擦り抜けが3個以上、又は幅0.3mm以上、又は長さ1mm以上)。又はメクレが発生す場合がある。ビビリと共鳴音が発生する乃至は頻度が高い/実用上問題あり
<CLN損耗>
耐刷試験後にクリーニングブレードのカット面と当接面を顕微鏡観察し、クリーニングブレードの欠けや抉れを評価した。判定基準は下記の通りである。
◎;ブレード欠け無し。トナー粒径以下の抉れ又は欠けが3箇所以内。クリーニング不良なし/良好
○;トナー粒径以下の抉れ又は欠けが4〜5箇所。トナー粒径以上の抉れ又は欠け無し。クリーニング不良なし/実用可能
●;トナー粒径以下の抉れ又は欠けが6箇所以上。トナー粒径以上の抉れ又は欠けが有る。クリーニング不良なし/実用可能
×;上記以外。欠け/抉れ等のブレード損耗に起因するクリーニング不良が発生する。/実用上問題あり
<スジ画像欠陥(スジ)>
スジ状画像欠陥は、ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、及び2トーン画像から、大きさと個数を測定し、0.1mm以上の幅のスジ又は帯状の欠陥が最も多い画像に於いて、A3用紙1枚中に何個あるかで判定した。判定基準は、下記の通りである。
画像濃度は絶対濃度で測定し、各画像評価時に於ける上記画像を濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用して測定した。なお、耐久全般に於いてベタ黒画像は濃度1.3以上を確保していた。
◎;画像上、スジ状欠陥無し/非常に良好
○;スジ有り、但し、該スジ部と近傍の非スジ部の画像濃度差が0.1未満のスジ状欠陥であって、長さ10mm以内、且つ幅0.5mm以内の画像欠陥が画像上5ヵ所以内である。更に、10mmを超える、又は幅0.5mmを超える画像欠陥無し
●;スジ有り、但し、該スジ部と近傍の非スジ部の画像濃度差が0.1以上0.2未満であって、長さ10mm以内、且つ幅0.5mm以内の画像欠陥が画像上5ヵ所以内である。更に、10ミリメートルを超える、又は幅0.5mmを超える画像欠陥無し/実用可能
×;上記以外(該スジ部と近傍の非スジ部の画像濃度差が0.2以上、又は画像欠陥が5ヵ所以上ある。又は長さ10mm以上、或いは幅0.5mmを超える画像欠陥有り)、又は文字がぼやける、いわゆる画像流れが発生する/実用上問題あり
<電子写真感光体の膜厚減耗量差;耐刷試験前後の各電子写真感光体の膜厚摩耗を測定>
電子写真感光体の膜厚測定は、感光層の膜厚は均一膜厚部分を周方向に8箇所、長軸方向で3箇所の、計24箇所を測定し、その平均値を感光層の膜厚とした。膜厚測定器は、渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行った。なお、磨耗量の算出は、|100000枚耐刷終了後の電子写真感光体膜厚|−|スタート時の電子写真感光体膜厚|=摩耗量Δd(μm)で求められるΔdを、電子写真感光体の回転数で除し、1回転当りの摩耗Rate[10−5μm/回転(rot)]として算出した。
判定基準は下記の通りである;
◎;摩耗Rateが1×10−6[mm/10krot]未満。偏摩耗無し/非常に良好
○;摩耗Rateが1×10−6以上、4×10−5[mm/10krot]未満。偏摩耗無し/良好
●;摩耗Rateが4×10−5[mm/10krot]以上。又は偏摩耗有り。但し耐刷終了後に表面層が消失している部位無し/実用可能
×;全体、又は局所的に表面層が損失している部位がある/実用上問題発生の場合あり
(実施例2〜11)
電子写真感光体を前述のK1〜K10を使用した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例1〜10)
電子写真感光体を前述のK11〜K20を使用した以外は、実施例1と同様に評価を行った。
実施例1〜11及び比較例1〜10の、電子写真感光体の物性、評価条件を表1に記す。
Figure 0004273035
電子写真感光体のPTFE樹脂量は、K18〜K20以外は30%に固定し、電荷輸送化合物や電子線照射条件を変化させて、HU、Weの異なる電子写真感光体を使用している。また、評価条件はファーブラシの種類、使用条件を含めて同一とした。
実施例1〜11及び比較例1〜10の、耐久結果を表2〜5に記す。
Figure 0004273035
電気的な特性は全般に良好で、大きな差異は見られないが、磨耗特性に関しては、電子写真感光体のHU、Weに依存性が大きく、HUが150以上240以下[N/mm]の電子写真感光体を使用した実施例1〜11で良好な結果が得られた。一方、HU及び/又はWeがこの範囲外の比較例1〜7では、磨耗特性が低下していた。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表3〜表5より、電子写真感光体のHU、Weに依存性が大きく、HUが150以上240以下[N/mm]、且つθs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9の実施例1〜11で良好な結果が得られた。また、HU、Weは上記の範囲であっても、比較例8〜10の如くθs_use及び/又はθr_use/θs_useが上記の範囲を満たさない場合には、CLN不良や融着が発生映する場合があった。
以上、表1〜表5より、電子写真感光体のHUが150以上220以下[N/mm]且つWeが43以上65以下[%]である電子写真感光体を使用し、電子写真感光体の純水の接触角が、25℃/湿度50%RH、30℃/湿度80%RH及び10℃/湿度15%RHのそれぞれの環境下において、式(1)を満たす時に、良好な結果が得られた;
θs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9・・・・(1)
この範囲では、耐久においても電子写真感光体特性にはほとんど変化が見られず、非常に安定した良好な特性を示している。また、耐磨耗性も、摩耗量が非常に低減され、100000枚耐久で5μm以内の磨耗Rateとなっていた。偏磨耗等も無く、非常に良好な耐久性を示した。一方、上記の範囲外の場合には、キズ・磨耗やCLN部材の耐久性の低下が生じる場合があった。
また、各環境での耐刷試験において、CLN不良や融着等の欠陥の他、スジ状画像欠陥も抑制され、全環境を通して良好な画像が得られた。
(実施例12〜22、比較例11〜19)
電子写真感光体は、実施例5の電子写真感光体K4を使用した。及び評価装置を用い、クリーニング補助部材であるファーブラシの製造条件、使用条件を振って、実施例1と同様に評価を行った。評価条件を表6、結果を表7〜表10に示す。
Figure 0004273035
電子写真感光体はK4に固定し、ファーブラシの繊度、繊維密度、電子写真感光体との駆動速度差比を変化させた。
Figure 0004273035
電子写真感光体K4(HU=170N/mm、We=55%)を使用した本例では、磨耗Rate、及び電気的特性変動は、良好〜非常に良好であった。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表8〜表10から、ファーブラシの駆動速度が、電子写真感光体との相対速度差比で50〜90%の範囲では、良好な結果が得られた。一方、この範囲外では接触角低下が大きく、画像特性としてはCLN不良、CLN損耗、融着が悪化する場合があった。又はブラシの繊度が0.30及び5.65「Tex」、また、繊維密度が0.1及び100.3[kF/cm]では、キズやスジが悪化する場合があった。
以上、表6〜表10より、ファーブラシからなる補助部材は、電子写真感光体に対して、50〜90%の相対速度差比で駆動されている時に良好な結果が得られた。停止(0%、相対速度差被は100%)場合には、摺擦の特に長手方向でのムラが生じ、また連れ周り(100%、相対速度差被は0%)では、摺擦効果が低下し、画質の低下が見られた。該摺擦部材の駆動速度としては、+10〜+50%、+150〜+190%が好ましいが、装置の駆動負荷等を加味すると+10〜+50%が、より好ましい。
ファーブラシは繊度が0.56〜3.33tex(5D〜30D)、また、密度は1.55〜77.5kF/cm(10〜500kF/inch)の時に良好な結果が得られた。0.56tex未満の場合にはファーが損耗や変形したり、摺擦効果が不充分であった。また、千切れたりしてファーブラシから脱落しクリーニング部材当接位置に混入すると、クリーニング不良等が生じる場合があった。また3.33texを超える場合には電子写真感光体の損耗が生じる場合があった。また密度が1.55kF/cm以下の疎な場合は、当接ムラによるスジ状欠陥の発生が見られたり、77.5kF/cm超の過密な場合は、転写残現像剤がファーブラシで凝固(パッキング)したりすることで、電子写真感光体表面の適度な摺擦や、クリーニング部材への剤の供給が不適当になり、画質や耐久性の低下が生じる場合があった。
又はブラシを電子写真感光体に非平行に設置した。即ち、電子写真感光体表面の進行方向に直角から2.5°ずらして、設置し、実施例1〜22と同様の評価を行った。更に、耐久画像を全域ほぼ均等な3%dutyのチャートにして評価した。結果、3%の低dutyでも良好な結果が得られた。
(実施例23〜33、比較例20〜29)
クリーニング補助部材として、表面にインジウム−スズ酸化物(ITO)を付加した、厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレートシートを準備した。該シートを図4の如く、クリーニング部材の上流側に設置し、クリーニングされた転写残現像剤が、電子写真感光体101に接触する状態で溜まるようにした。更に、不図示の振動子を設置し、該シート107−2Sが微振動をする様にした。更に、該シートをアースに接地した。
上述のクリーニング装置を設置した以外は、実施例1と同様の評価機IRC6800を使用し、電子写真感光体K0〜K20、及び実施例1で使用した現像剤を使用し、実施例1〜11、比較例1〜10と同様の評価を行った。評価条件を表11、評価結果を表12〜表15に示す。
Figure 0004273035
表1と同様、電子写真感光体をK0〜K20で、HU、Weを変化させた。また、クリーニング補助部材はトナー溜り用の部材S1で、使用条件を含めてすべて同一とした。
Figure 0004273035
磨耗特性に関しては、電子写真感光体のHU、Weに依存性が大きく、HUが150以上240以下[N/mm]の電子写真感光体で良好な結果が得られた。一方、HU及び/又はWeがこの範囲外の電子写真感光体では、磨耗特性が低下していた。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表13〜表15より、HUが150以上240以下[N/mm]、且つθs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9の実施例23〜33で良好な結果が得られた。一方、HU及び/又はWeがこの範囲外の電子写真感光体では、キズ等の磨耗特性が低下していた。また、HU、Weは上記の範囲であっても、比較例27〜29の如くθs_use及び/又はθr_use/θs_useが上記の範囲を満たさない場合には、CLN不良や融着が発生映する場合があった。
以上、表11〜表15より、電子写真感光体のHUが150以上220以下[N/mm]且つWeが43以上65以下[%]である電子写真感光体を使用し、電子写真感光体の純水の接触角が、25℃/湿度50%RH、30℃/湿度80%RH及び10℃/湿度15%RHのそれぞれの環境下において、式(1)を満たす時に、良好な結果が得られた。
θs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9・・・・(1)
この範囲で、耐久にける電子写真感光体特性の安定性に優れ、耐磨耗性も、100000枚で5μm以内の磨耗Rateと、良好な結果が得られた。偏磨耗等も無く、非常に良好な耐久性を示した。一方、上記の範囲外の場合には、キズ・磨耗やCLN部材の耐久性の低下が生じる場合があった。
また、各環境での耐刷試験において、CLN不良や融着等の欠陥の他、スジ状画像欠陥も抑制され、全環境を通して良好な画像が得られた。
(実施例34)
シート107−2Sの材質に、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリカーボネート、アルミニウムを使用し、厚さを0.05、0.1、0.5、1、2、5mmのものを各種準備した。
これらを用い、図4の、シート可動機構107−7が拭かされていない状態で、実施例23〜33と同様の評価を、各々行った。結果、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリカーボネートで、厚さが0.1〜5mmの時、実施例23〜33同様、良好な結果が得られた。
一方、アルミニウムは弾性が低く、現像剤がパッキングする場合があった。また、現像剤が溜まり、クリーニング容器側に出ようとして、該シートが一旦変形すると、元に戻らず、以降、トナー溜りを形成できない場合があった。
次に、アルミニウムの0.1及び0.5mmのシートを使用し、図4の如く、アルミニウム板を可動にし、バネ107−7を付加して、適宜過剰な現像剤をクリーニング容器に排出し、元の位置に復帰できるようにしたもので同様の評価を行った。結果、ポリエチレンテレフタレート等と同様に良好な結果が得られた。
(実施例35)
一次粒径が150nmの、シリコーンオイルで疎水化処理を施したチタン酸ストロンチウム(ST)微粒子、0.5部を外添剤に追加する以外は、実施例1で作製した現像剤の製造方法に準じて現像剤を作製した。この現像剤を用いて、実施例12と同様の、ファーブラシを用いた評価を行った。更に、耐久チャートを3%duty、1%dutyのもので評価した。結果については、dutyを振った評価の中の最悪値を記載した。評価条件を表16、結果を表18〜表21に示す。
Figure 0004273035
(実施例36)
一次粒径が150nmの、シリコーンオイルで疎水化処理を施したチタン酸ストロンチウム(ST)微粒子、0.5部を外添剤に追加する以外は、実施例1で作製した現像剤の製造方法に準じて現像剤を作製した。この現像剤を用いて、実施例23と同様の、トナー溜り部材を用いた評価を行った。更に、耐久チャートを3%duty、1%dutyのもので評価した。結果については、dutyを振った評価の中の最悪値を記載した。評価条件を表17、結果を表18〜表21に示す。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
磨耗Rate、及び電気的特性変動は外添剤を変化させても大きな変化は無く、非常に良好な結果が得られた。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表8〜表10の実施例5に対して、また表13〜表15の実施例23と比較して、本表の実施例35、同36は、環境にも依るが接触角が良化し、θs_use/θs_iniも、θr_use/θr_iniも0.7以上、0.9以下の範囲に入ってきている。耐久特性ではCLN不良、融着、スジ等、非常に良好な結果が得られた。
以上、表16〜表21から、非常に良好な結果が得られた。更に、実施例35、同36のSTの粒径、及び外添強度(外添工程の条件;ヘンシェルミキサーの攪拌羽根周速、及び混合時間)を振った結果、0.07μm以上2.0μm以下の粒子を外添すること、また、外添剤の総遊離率が1%以上70%以下であることで、非常に良好な結果が得られた。
(実施例37)
電子写真感光体製造例<1−1>で示した、PTFE樹脂26部、及びモノクロロベンゼン50部を、ガラスビーズを用いたサンドミル装置で分散させる工程で、分散時間を24時間にした。また、電子線照射で、樹脂を硬化した後、同雰囲気下、100℃で10分間加熱処理を行う際、電子写真感光体を面速度300mm/secで回転させながら過熱処理を行った。
これ以外は、PTFE樹脂量を含めて、電子写真感光体K0と同様の製造方法として、電子写真感光体K21を作製した。
該電子写真感光体K21を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を、表22〜表25に示す。
Figure 0004273035
PTFE樹脂の分散を変化させた本例では、実施例1に対して、磨耗Rateが低減していた。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表23〜表25からPTFE分散条件を変更した本例では、各環境において実施例1よりも、耐久後のθs、θrともに高い値を示し、θr_use/θs_use、θs_use/θs_ini、θr_use/θr_iniも高くなっていた。耐久特性としてはスジ、融着、CLN損耗が向上した。
以上、表22〜表25から、実施例37の電子写真感光体K21を用いることで、電気的特性や磨耗に影響なく、接触角の推移、及び融着が良化したことがわかる。
耐刷試験を行っていない電子写真感光体のフッ素樹脂の状態を断面TEM、ESCAで分析した結果、電子写真感光体K0では球形であったPTFE樹脂は、電子写真感光体K21では扁平になり、電子写真感光体表面のPTFE樹脂の占める面積が大きくなっていた。また、耐刷試験後においても、K21では該PTFE樹脂が抜け難く、又抜けても融着レベルが非常に良好であった。フッ素系樹脂の存在状態を調整することでも、良好な結果が得られることが判った。
(実施例38)
耐久に使用するチャートを、図9の如く、進行方向に縦線で形成される、3%dutyのチャートとした。又はブラシ作製工程中、芯金に接着する際に、パイルを2mm間隔の隙間を空けたファーブラシF13を準備した。
上記チャート、及びファーブラシF13以外は、実施例1と同様にして評価を行った。
本実施例の結果、及び実施例1の構成で、上記チャートを使用した結果を実施例1’とし、評価条件を表26、評価結果を表27〜表30に示す。なお、表26の補助部材の情報は、パイルの情報を記載したものであり、F1とF13の差異は表26には反映されない。
(実施例39)
耐久に使用するチャートを、図9の如く、進行方向に縦線で形成される、3%dutyのチャートとした。また、クリーニングブレードが電子写真感光体長手方向に30mmの幅、2000枚の耐刷で1往復する様にレシプロ機構を付加した。
上記チャート、及びレシプロ機構以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価条件を表26、評価結果を表27〜表30に示す。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
ファーブラシをスパイラル状にした実施例38、CLNブレードをレシプロさせた実施例39とも、これらを入れていない実施例1’に対して、磨耗、電気的特性共に遜色無い結果が得られた。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表28〜表30より、ファーブラシのスパイラル化、又はクリーニング部材のレシプロ制御をした実施例38、同39では、各環境において実施例1’よりも、耐久後のθs、θrともに高い値を示し、θr_use/θs_use、θs_use/θs_ini、θr_use/θr_iniも高くなっていた。耐久特性としては融着、CLN不良、CLN損耗が向上した。
以上、表26〜表30より、実施例38、同39で実施例1の構成に対して、特にCLN損耗が非常に良好であった。また、キズ、融着も良化した。チャートの状態に依らず、現像剤やクリーニング部材の負荷が長手方向に均一化するためと考えられる。
(実施例40)
ファーブラシとして、ユニチカ(メーカー)製アモルファス繊維「ボルファ(製品名)」で、線径φ20μmのものを使用し、F14を作製した。
耐久に使用するチャートを、図9の如く、進行方向に縦線で形成される、3%dutyのチャートとし、実施例38、同39の如く評価を行った。
本実施例の結果、及び実施例1の構成で、上記チャートを使用した結果を実施例1’(表28〜表30に同じ)として、評価条件を表31、評価結果を表32〜表35に示す。
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
Figure 0004273035
表33〜表35より、アモルファス繊維を使用した実施例40で、スジ、CLN性、CLN耐久性が非常に良好であった。耐刷評価後、ファーブラシを外して確認したところ、実施例1’のファーブラシF1は各所でファーの折れが見られ、CLN部材乃至は廃トナー中に抜けたと見られるファーが見られた。一方、実施例40のファーF14ではこれらのファーブラシの損耗が見られなかった。CLN耐久性の向上等はこれらのファーブラシの耐久性向上も一要因と考えられる。
以上、表31〜表35より、無機材料からなる補助部材を使用した実施例40でCLN性、耐久による画質、CLN部材の耐久性が向上した。
無機材料の補助部材としては、ファーブラシの場合、この他にも、日本精線(株)製のφ1〜120μmのステンレス繊維「ナスロン(製品名)」、デュポン社製のケブラーを金属被覆した繊維Aracon等、公知の各種の繊維が使用できる。また、トナー溜まり用のシート部材としても、可動機構を有している場合や厚さの制御をすることを条件に無機材料を使用することができる。
(実施例41)
IRC6800のプロセススピードを、50mm/sec〜500mm/secまで、50mm/sec刻みで振った以外は、実施例35、同36と同様にして評価を行った。
結果、電子写真感光体の面速度が400mm/sec以下の範囲で良好な結果が得られた。400mm/secを超えるとクリーニング補助部材の耐久性が低下したり、クリーニング補助部材の損耗が生じる場合があった。
本発明の画像形成装置の概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジ構成を有する画像形成装置の概略構成図である。 クリーニング部材の固定方法概略(ファーブラシの例)である。 クリーニング部材の固定方法概略(トナー溜り部材の例)である。 フィッシャースコープでの押込み深さvs荷重の評価出力の概略図である。 フィッシャースコープでの押込み深さvsHUの評価出力の概略図である。 本発明に掛る電子写真感光体の層構成の模式的構成図である。 本発明に掛る静的接触角、後退接触角の説明概略図である。 実施例38〜40の耐刷試験に使用したチャート概略図である。 クリーニング部材107−1の粘弾性率tanδの温度に対する特性の一例を示す図である。
符号の説明
101;電子写真感光体
102;帯電手段
103;露光手段
104;現像手段
105;給紙経路
106、118;転写手段
107;クリーニング手段
107−1;クリーニング部材
107−2;クリーニング補助部材
107−2F;ファーブラシ
107−2S;トナー溜り(シート)
107−3;クリーニング容器
107−4;スクレーパー
107−5;支持板
107−6;バネ
107−7;トナー溜り稼動機構
108;除電手段
109;内部電位センサ
110;搬送系
111;定着手段
112;原稿台
113;画像読み込み用光源
114;スキャナ
115;画像信号光源
116;ミラー
117;レジスタローラー
119;転写駆動手段
120;転写クリーニング手段
121;案内手段
122;感光体駆動中心軸
P ;転写材
300;電子写真感光体
301;導電性支持体
302;感光層
303;電荷発生層
304;電荷輸送層
305;表面層(OCL)
307;導電層

Claims (9)

  1. 少なくとも電子写真感光体と、帯電手段と、現像手段と、クリーニング手段と、を有する画像形成装置において、
    該電子写真感光体が、25℃/湿度50%RHの環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm以上240N/mm以下であり、かつ弾性変形率Weが43%以上65%以下であって、
    該クリーニング手段が、少なくとも弾性ブレードを有するものであって、
    該電子写真感光体の純水の接触角が、25℃/湿度50%RH、30℃/湿度80%RH及び10℃/湿度15%RHのそれぞれの環境下において、下記式(1)を満たすことを特徴とする画像形成装置;
    θs_use≧65°、且つ0.7≦θr_use/θs_use≦0.9・・・・(1)
    ただし、
    θs_useは、50000回の画像形成後の静的接触角
    θr_useは、50000回の画像形成後の後退接触角。
  2. 前記電子写真感光体の純水の接触角が、下記式(2)を満たす請求項1に記載の画像形成装置;
    0.7≦θs_use/θs_ini≦0.9、且つ0.7≦θr_use/θr_ini≦0.9・・・・(2)
    ただし、
    θs_iniは、25℃/湿度50%RHにおける初期静的接触角
    θr_iniは、25℃/湿度50%RHにおける初期後退接触角。
  3. 前記クリーニング手段が、転写残現像剤を電子写真感光体表面に再塗付する、再塗付手段を有している請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記再塗付手段が0.56〜3.33tex(5D〜30D)のファーブラシである請求項に記載の画像形成装置。
  5. 前記ファーブラシが、スパイラル状に構成されたものである請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記クリーニング手段が、転写残現像剤を、該電子写真感光体の軸方向に移動、又は散乱させる手段を有している請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  7. 前記クリーニング手段が、レシプロ機構を有する請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記クリーニング手段の有する弾性ブレードが、tanδピーク温度が、30℃以下である請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記電子写真感光体表面層を有し、該表面層が少なくとも同一分子内に1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を、熱、光、放射線のいずれかにより重合、硬化した硬化物を含有している請求項1〜のいずれかに記載の画像形成装置。
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