JP2006162906A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高解像度、高精細の画像を長期にわたり得ることを可能とする画像形成方法及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】帯電工程と、像露光工程と、現像工程と、を有する画像形成方法は、感光体101は、支持体1上に少なくとも光導電層8及び表面層5を備える感光層2を有し、該感光層2は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、前記像露光工程は、380以上、500nm以下の光であって、光量分布の裾部の少なくとも一部を除いた光を用いて行う構成とする。
【選択図】図18
【解決手段】帯電工程と、像露光工程と、現像工程と、を有する画像形成方法は、感光体101は、支持体1上に少なくとも光導電層8及び表面層5を備える感光層2を有し、該感光層2は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、前記像露光工程は、380以上、500nm以下の光であって、光量分布の裾部の少なくとも一部を除いた光を用いて行う構成とする。
【選択図】図18
Description
本発明は、電子写真方式を利用した画像形成方法及び画像形成装置に関し、より詳細には、デジタル方式の画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を利用したデジタル式の画像形成方法としては、感光体にレーザー光を照射するか否かで文字、図形等の画像を形成する、2値の潜像記録方式が主として使用されている。像露光光源としては、レーザー光源やLED(発光ダイオード)が使用される。
昨今、高画質化に対するニーズの高まりから、高解像度化、高精細化に向けた様々なアプローチがなされている。
例えば、像露光光源としてレーザー光源を用いる場合、レーザーの波長は、この高解像度化に深く関わっている。レーザーの発振波長が短くなるほど、レーザーのスポット径を細くすることが可能となり、高解像度の潜像の形成が可能となる。レーザー発振波長の短波長化には、いくつかの手法が挙げられる。非線形光学材料を利用し、第2高調波発生を用いるものもあり、高出力可能なGaAs系のレーザーやYAGレーザーを使用できるため、長寿命化や大出力化が可能である。1997年10月には、日亜化学工業からGaN系半導体を用いたレーザーでの1150時間連続発振(50℃条件)が報告されるなど、本格的実用化が進められている。
又、露光方式として、記録密度を低下させずに高解像度で、各画素において中間調を形成する方式(PWM:パルス幅変調方式)が提案されている。この方式は、画像信号に応じてレーザービームを照射する時間を変調することにより、中間調画素形成を行うものである。この方式によれば、高解像度、且つ、高階調性の画像を形成することができる。従って、特に高解像度と高階調性を必要とするカラー画像形成装置には適している。即ち、この方式によると、1画素毎に、ビームスポットにより形成されるドットの面積階調を行うことができる。このため、解像度を低下させることなく中間調を表現することができる。
ところが、このPWM方式においても、更に画素密度を上げていくと像露光において感光体上に照射される光のスポット(以下「露光スポット」ともいう。)の径に対して画素が相対的に小さくなるため、露光時間変調による解像度、階調性を十分にとることができないという問題点がある。そこで、解像度、階調性を向上するためには、像露光に用いる静止スポット(露光スポット)の径をより小さくする必要がある。
そのためには、例えば、レーザーを用いた走査光学系を使用するときには、レーザー光の波長を短波長化すること、f−θレンズのNA(開口数)を大きくすること等が必要となる。しかしながら、このような方法を用いると、レンズ、スキャナーの大型化、焦点深度の低下により、要求される機械精度の上昇等から装置の大型化やコスト上昇は避け難い。
又、LEDアレイや液晶シャッターアレイ等の固体スキャナーにおいても、スキャナー自体の価格の上昇、取り付け精度の上昇、電気駆動回路のコスト上昇は避け難い。
更に、上述のように光の静止スポット径を微小化していった場合でも高精細な画像を良好に得ることは困難であった。これは、像露光に用いるレーザー光、LED光等が光量(強度)分布を有するためである。
一方、感光体の感度を相対的に落とし、像露光に用いる光の裾部(端部)を使用しない構成、或いは低露光量において感度が小さく、露光量が大の領域では高感度な感光体を使用し、像露光に用いる光の裾部を使用しないようにする構成が提案されている。又、低光量では光減衰が少なく、光量が高い領域では高感度な、即ち、感度特性が上に凸の形態の感光体が提案されている。
しかしながら、このような感光体を用いた場合であっても、400dpi以上の高精細画像を形成し、更に階調再現を安定に行うことは困難であった。
このような問題に対して、電荷密度と、解像度と、感光体の感光層の膜厚との相関を規定すること(特許文献1参照。)、或いは感光体の感光層の膜厚と露光手段が照射する光のスポット面積との積を20000μm3以下とすること(例えば、特許文献2参照。)等により、潜像を形成するための光キャリアの拡散によって画像情報が劣化してしまう現象、或いは形成された潜像により生じる電位ポテンシャルが低下する現象を防ぐ方法が提案されている。
又、特許文献3は、a−Si感光体と500nm以下の短波長光を使用し、画像形成光線を露光する時点における感光体にかかる電界が150kV/cm以上で、像露光に用いる光の裾部を使用しないOFS(Over Field Scan:レーザー走査露光光学系において回転多面鏡の1つの反射面幅よりも入射する光ビームの幅が広い過露光型の光学系)を開示している。a−Siを用いる系において、OFSを用いることで、スポット光量分布中心付近の比較的光量の安定した部分のみを使用することが可能となる。つまり、光量分布の裾の光量変化があっても、電位揺らぎ(ドット径の揺らぎ)に影響しにくく、安定したドット潜像を形成することが可能となる。
しかしながら、a−Si感光体は一般に高価であり、又、500nm以下、例えば400nm近傍の短波長に対しては分光感度が低く、必要露光量、即ち、像露光光源の出力の増大により、コストアップを招き易い。
一方、上記特許文献1は、露光スポットの径と、感光体の感光層の膜厚と、電荷密度との関係を規定し、像露光により生成された光キャリアの散乱による画質低下を抑止する。又、上記特許文献2における、感光層の膜厚と露光手段が照射する光のスポット面積との積が20000μm3以下であるような感光体は、400dpiの場合、実質的に20μm以下という薄い感光層を有する感光体を意味する。このように感光層を薄くすることもまた、像露光により生成された光キャリアの散乱による画質低下を抑止する。
しかしながら、像露光に用いる光の光量分布の裾部により形成された光キャリアによるドット端部の鋭利性、即ち、高精細化における細線の再現性には改善の余地がある。
又、潜像が高精細に形成されるのみならず、現像工程、転写工程にて形成される顕像が高精細であり、再現性が良いことが重要である。
更に、像露光の散乱等の耐久変動を抑え、長期にわたり良好な画像を維持することも重要である。
特開2001−142356号公報
特開平8−272197号公報
特開2002−311693号公報
本発明の目的は、高解像度、高精細の画像を長期にわたり得ることを可能とする画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成方法及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、感光体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記感光体を露光して潜像を形成する像露光工程と、潜像が形成された前記感光体に現像剤を供給する現像工程と、を有する画像形成方法において、前記感光体は、支持体上に少なくとも光導電層及び表面層を備える感光層を有し、該感光層は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、前記像露光工程は、380nm以上、500nm以下の光であって、光量分布の裾部の少なくとも一部を除いた光を用いて行うことを特徴とする画像形成方法である。
本発明の一実施態様によると、前記像露光工程で前記感光体に照射される光の実際のスポットの面積をSE[μm2]、前記像露光工程で前記感光体に照射される光の前記感光体の表面における前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅をW[μm]、前記露光工程で前記感光体が露光される時点における前記感光体の非露光部の電界をE[V/μm]としたとき、下式(1)〜(3)
d×SE≦20000[μm3] ・・・(1)
W×0.7≦d≦W×1.5 ・・・(2)
25≦E≦70 ・・・(3)
の全てを満たす。
d×SE≦20000[μm3] ・・・(1)
W×0.7≦d≦W×1.5 ・・・(2)
25≦E≦70 ・・・(3)
の全てを満たす。
又、本発明の一実施態様によると、前記像露光工程は、光源で発生した光を回転多面鏡により偏向して前記感光体上を走査露光させることにより行い、該回転多面鏡の1つの反射面の前記走査方向の幅W1よりも、該回転多面鏡に入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D1が大きく、好ましくは、前記幅W1とD1とが、下式、
3.0≧D1/W1≧1.5 ・・・(4)
を満たす。
3.0≧D1/W1≧1.5 ・・・(4)
を満たす。
又、本発明の他の実施態様によると、上記像露光工程は、光源で発生した光をスリットを介して前記感光体に照射することによって行い、該スリットの前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅W2よりも、該スリットに入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D2が大きく、好ましくは、前記幅W2とD2とが、下式、
2.0≧D2/W2≧1.5 ・・・(5)
を満たす。
2.0≧D2/W2≧1.5 ・・・(5)
を満たす。
第2の本発明によると、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像が形成された前記感光体に現像剤を供給する現像手段と、を有する画像形成装置において、前記感光体は、支持体上に少なくとも光導電層及び表面層を備える感光層を有し、該感光層は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、前記像露光手段は、380nm以上、500nm以下の光を発生する光源と、該光源からの光を偏向して前記感光体上を走査露光させる回転多面鏡と、を備え、該回転多面鏡の1つの反射面の前記走査方向の幅W1よりも、該回転多面鏡に入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D1が大きいことを特徴とする画像形成装置が提供される。
更に、第3の本発明によると、前記第2の本発明の前記露光手段に替えて、380nm以上、500nm以下の光を発生する光源と、該光源からの光が通過するスリットと、を備え、該スリットの前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅W2よりも、該スリットに入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D2が大きい前記像露光手段を有する画像形成装置が提供される。
本発明によれば、高解像度、高精細の画像を長期にわたり得ることができる。
以下、本発明に係る画像形成方法及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置]
先ず、本発明を適用し得る画像形成装置の一例について説明する。図1に、本発明を適用し得る画像形成装置の一例の要部概略断面を示す。図示の画像形成装置100は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色フルカラー画像を、記録材(記録用紙、プラスチックフィルム、布など)形成し得る、中間転写方式を採用した電子写真方式のレーザービームプリンターである。
[画像形成装置]
先ず、本発明を適用し得る画像形成装置の一例について説明する。図1に、本発明を適用し得る画像形成装置の一例の要部概略断面を示す。図示の画像形成装置100は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色フルカラー画像を、記録材(記録用紙、プラスチックフィルム、布など)形成し得る、中間転写方式を採用した電子写真方式のレーザービームプリンターである。
像担持体としての電子写真感光体(感光体)101は図の紙面に垂直な軸の周りに回転可能なように支持されている。感光体101の周囲には、帯電手段としての帯電器102、像露光手段としてのレーザースキャナー103A、現像手段としての4つの現像器140M、140C、140Y、140Kを備える回転式現像装置104、中間転写ユニット106、クリーニング手段としてのクリーニング装置107が設けられている。又、必要に応じて、除電手段108、測定手段(内部電位センサ)109等をそれぞれ感光体101の周囲の適宜な角度位置に設けることができる。
帯電器102としては、スコロトロンを用いた。スコロトロン102は、ワイヤ102aと、グリッド102bを有する。
レーザースキャナー103Aは、像露光光源としてのレーザー光源131、回転多面鏡132、光源光学系133、fθレンズ等の走査光学系134、その他、反射鏡135等を有する。像露光手段については詳しくは後述する。
画像形成装置本体に取り付けられているか接続されている原稿読み取り装置(スキャナー)112等で読み込まれた原稿情報、或いは画像形成装置本体に対して通信可能に接続されたコンピュータ等から入力されるプリント情報等に従い、光源131から発せられたレーザー光は、回転多面鏡132にて偏向された後、fθレンズ等の走査光学系134、反射鏡135を介して感光体101に照射される。
回転式現像装置104は、マゼンタ用現像器140M、シアン用現像器140C、イエロー用現像器140Y、ブラック用現像器140Kを、現像器支持体としての回転体(ロータリ)104aに有する。回転体104aは、回転軸(図示せず)の周りを回転することで、感光体101と近接する現像位置に所望の現像器を移動させる。各色用の現像器は、現像剤の色を除いて実質的に同一の構成とし得るので、以下特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の現像器であることを示すために符号に与えた添え字M、C、Y、Kは省略して総括的に説明する。
現像器140中の現像剤は、少なくともトナー(外添剤が外添されたトナー粒子)を有する。現像剤は、更にキャリアを有する2成分現像剤であっても、キャリアを有さない1成分現像剤であっても構わない。現像器140については詳しくは後述する。
中間転写ユニット106は、感光体101から現像剤が転写される被転写体としてのベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)161を、複数のローラに掛け渡して周回移動可能に有している。又、中間転写ベルト161を介して感光体101に対向する位置には一次転写手段としての一次転写ローラ162が配設されている。又、中間転写ベルト161が掛け回された複数のローラのうち1つのローラ(バックアップローラ)163に対向する位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ110が設けられている。更に、中間転写ベルト161上をクリーニングするベルトクリーナ164が設けられている。二次転写ローラ110及びベルトクリーナ164は、中間転写ベルト161に対して離接可能に配設されている。
クリーニング装置107は、クリーニング手段として、弾性部材で構成された板状のクリーニング部材である弾性ブレード(クリーニングブレード)107aを有する。弾性ブレード107aは、感光体101に当接している。又、必要に応じて、補助部材として、感光体101に当接して回転可能な摺擦部材107b等を有していてもよい。更に、必要に応じて、廃トナー搬送手段107c、スクレーパー107d等を具備していてもよい。クリーニング装置107については詳しくは後述する。
例えば、フルカラー画像の形成時を例に画像形成動作を説明すると、先ず、回転する感光体101の表面は、帯電器(スコロトロン)102によって一様に帯電される。次いで、帯電器102によって帯電された感光体101の表面は、レーザースキャナー103Aからのレーザ光で画像情報に応じて走査露光される。これによって、感光体101上に静電像(潜像)が形成される。感光体101上に形成された静電像は、静電像に対応する分解色用の所定の現像器によって現像される。例えば、先ず、図1に示すようにマゼンタ用の現像器140Mを現像位置に配置し、マゼンタの画像情報に応じて感光体101上に形成された静電像を現像することで、感光体101上にマゼンタのトナー像を形成する。
感光体101上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト161を介して一次転写ローラ162と感光体101とが対向する一次転写部n1において、一次転写ローラ162に印加された転写バイアスの作用で中間転写ベルト161上に転写される。
上述の動作を4色分行うことで、中間転写ベルト161上に4色のトナー像が順次重ねられたフルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト161上に形成された4色のトナー像は、二次転写手段としての二次転写ローラ110と中間転写ベルト161とが対向する二次転写部n2において、二次転写ローラ110に印加された二次転写バイアスの作用で記録材Pに一括して転写される。ここで、記録材Pは、中間転写ベルト161上のトナー像と同期がとられて、記録材収容部(図示せず)から送り出された後、搬送ローラ(図示せず)、搬送経路113、レジストローラ114等の記録材搬送手段によって二次転写部n2に搬送されてくる。
中間転写ベルト161からトナー像が転写された記録材Pは、中間転写ベルト161から分離されて、搬送ベルト114等の記録材搬送手段によって定着手段としての定着器111へと搬送される。記録材Pは、定着器111によって加圧/加熱され、トナー像がその上に永久画像として定着される。
その後、記録材Pは機外に排出される。又、一次転写工程後に感光ドラム1上に残った付着物(転写残トナーなど)は、クリーニング装置107により除去される。更に、中間転写ベルト161上に残った付着物(転写残トナーなど)は、ベルトクリーナ164によって除去される。
勿論、所望の色用の現像器140を用いて単色或いはマルチカラーの画像を形成することもできる。
図示の画像形成装置100におけるレーザースキャナー103Aに代えて、像露光光源としてLEDを用いるLED露光装置(図3)を像露光手段として用いることができる。この場合、像露光手段が異なる以外は、実質的に図1に示す上述の画像形成装置と同じ構成とし得るので、ここでは重複する説明は省略する。
[画像形成プロセス要素]
以下、画像形成プロセスに係る要素ごとに更に詳しく説明する。
以下、画像形成プロセスに係る要素ごとに更に詳しく説明する。
〔像露光〕
・レーザースキャナー
図2に示すように、通常、レーザースキャナー(光走査装置)103Aは、像露光光源としてのレーザー光源(レーザーダイオード,半導体レーザー)131と、レーザー光源131からの光を偏向して感光体101上を走査露光させる回転多面鏡132と、レーザーダイオード131から出射されたレーザービーム(単色光)を回転多面鏡132に導く光源光学系133と、回転多面鏡133で偏向されたレーザービームを記録媒体である感光体101に導き走査する走査光学系134とを有する。光源光学系133は、コリメータレンズ133a、シリンドリカルレンズ133b等を有する。走査光学系134は、トーリックレンズ134a、fθレンズ134b等を有する。
・レーザースキャナー
図2に示すように、通常、レーザースキャナー(光走査装置)103Aは、像露光光源としてのレーザー光源(レーザーダイオード,半導体レーザー)131と、レーザー光源131からの光を偏向して感光体101上を走査露光させる回転多面鏡132と、レーザーダイオード131から出射されたレーザービーム(単色光)を回転多面鏡132に導く光源光学系133と、回転多面鏡133で偏向されたレーザービームを記録媒体である感光体101に導き走査する走査光学系134とを有する。光源光学系133は、コリメータレンズ133a、シリンドリカルレンズ133b等を有する。走査光学系134は、トーリックレンズ134a、fθレンズ134b等を有する。
本発明においては、像露光光源としてのレーザー光源131は、500nm以下の短波長レーザーを発生するものを使用する。レーザーの発振波長が短くなるほど、レーザーのスポット径を細くすることが可能となるので、このような短波長のレーザーを使用することにより、高解像度の潜像の形成が可能となる。一方、レーザー光源は380nm以上のレーザーを発生するものとする。即ち、本発明においては、像露光工程は、380nm以上、500nm以下の短波長光により行う。
画像形成光線は、レーザーダイオード131から所定の輝度で発せられ、1本又は複数本の光線として感光体101の表面に照射される。光の幅(径)、面積等は、ピーク強度の1/e2(eは自然対数)の強度を有している範囲について考慮すればよい。
・LED露光装置
デジタルタイプの電子写真の画像形成には、上記の走査光学系の他に、図3に示すようなLED露光装置103Bを使用することができる。LED露光装置103Bは、基板135上に、一般に列状に配置された像露光光源としてのLED素子136と、レンズ137とを有する(LEDアレイ)。
デジタルタイプの電子写真の画像形成には、上記の走査光学系の他に、図3に示すようなLED露光装置103Bを使用することができる。LED露光装置103Bは、基板135上に、一般に列状に配置された像露光光源としてのLED素子136と、レンズ137とを有する(LEDアレイ)。
本発明においては、LED露光装置103Bの像露光光源としてのLED素子136は、上記レーザースキャナーの場合と同様、380nm以上、500nm以下の短波長光を発生する。
LEDの光の均一性や、応答性は、画質及びプリント速度等の性能を大きく左右する。LED露光装置103Bは、一般に、感光体101の回転軸方向に平行に上記基板135上に配置されたLED素子136、レンズ137の列を1列又は複数列を配置する。各LED素子136は、形成する潜像に応じて所定の輝度で発光する。LED素子136が発生した光(単色光)は、レンズ137を介して平行光とされたり、或いは集光されて、感光体101の表面に照射される。光の幅(径)、面積等は、ピーク強度の1/e2(eは自然対数)の強度を有している範囲について考慮すればよい。
走査光学系(レーザースキャナー)103Aを使用する系においても、LED露光装置103Bを使用する系においても、光を感光体101の表面に結像させるためのレンズ等の特性や精度等により生じる結像誤差、収差などにより、ドット画像の先鋭度が低下する等の問題がある。又、これらの光源から発せられる光は、ドット中心部の光量が高く、中心から離れた位置では光量が低下する。一般に、ガウス分布などの光量分布を有している。
<像露光方式>
像露光方式には、回転多面鏡と入射ビームとの関係で大きく分けて2つの方式がある。
像露光方式には、回転多面鏡と入射ビームとの関係で大きく分けて2つの方式がある。
先ず、レーザースキャナー103Aについて説明すると、一つは、図4に示すように、回転多面鏡132の1つの反射面132aの主走査方向(即ち、回転多面鏡132による走査方向)の幅W1よりも入射する光ビームLの同方向の幅D1が広い過露光型の光学系(Over Field Scan:以下「OFS」という。)である。
他方は、図5に示すように、回転多面鏡132の1つの反射面132aの主走査方向幅W1よりも入射する光ビームLの同方向の幅D1が狭く、入射した光ビームLを全て走査レンズ220に出射する形式の光学系(Under Field Scan:以下「UFS」という。)である。
同じ走査レンズを用いる場合、OFSでは、UFSよりも回転多面鏡132の径を小さくできる。そのため、OFSでは、回転多面鏡132の駆動用のモータの負荷を低くでき、又、画像形成装置の高速化への対応に有利である。しかしながら、OFSでは上述のような特徴があるが、入射ビームの一部が切り取られて走査レンズに出射されるために、出射光量が記録媒体(ここでは、感光体101)上の位置によって差を生じ、場合によっては画像の濃度が部分的に異なる等の現象が起こり得る。しかしこれは、図6に示すように、光源光学系133で回転多面鏡132へ入射する光ビームLの幅を広くすることで、回転多面鏡132の1つの反射面132aで反射する光ビームLのムラを小さくできることが知られている。
つまり、詳しくは後述するように、レーザースキャナー103Aを用いる場合、OFSにおいては、回転多面鏡132の1つの反射面132aの主走査方向(回転多面鏡による走査方向)の幅W1[μm]と、回転多面鏡132の反射面132aに入射する位置での光の同方向の幅D1[μm]との関係をD1/W1>1.0とし(即ち、W1よりもD1の方を大きくし)て、像露光に用いる光の光量分布の裾部をカットして使用しない。これにより、光量分布の中心付近の比較的光量の安定した部分のみを使用することが可能となる。
又、LED露光装置103Bを使用する系では、図7に示すように、LED素子136からレンズ137を介して照射される光の光路に、LED素子136で発生した光が通過するスリット138を設置して、このスリット138を介して感光体101に光を照射することで、光量分布の裾部(図中の破線部)をカットする方法がある。スリット138は、レンズ137内に組込まれていても良い。
LED露光装置103Bを使用する系においては、上記レーザースキャナーを使用する系のOFSとは構成が異なるが、説明の簡易化のために、像露光に用いる光の光量分布の裾部(端部)をカットした系を「OFS」と総称し、他方、光量分布の裾部まで像露光に供される系を「UFS」と総称する。
つまり、詳しくは後述するように、LED露光装置103Bを用いる場合、OFSにおいては、スリット138の主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の幅(開口幅)W2[μm]と、スリット138に入射する位置での光の同方向の幅D2[μm]との関係をD2/W2>1.0とし(即ち、W1よりもD1の方を大きくし)て、像露光に用いる光の光量分布の裾部をカットして使用しない。
<露光の分布と潜像>
図8は、イメージ部露光方式においてUFSで感光体101を露光した場合の感光体101の表面電位の一例を示す。即ち、感光体101を暗部電位VDに一様に帯電させ、露光によりイメージ部の電位を明部電位Viに減衰させて潜像を形成する。図中左側部に1ラインのイメージI1を形成した状態、即ち、1ラインのみ光ビームONとした潜像の状態が示されており、又、図中右側部に4ラインのイメージI2、I3、I4、I5を形成した後に1スペース空けた状態、即ち、1ラインのみ光ビームOFFとした潜像の状態が示されている。この潜像は、図9に示すように、露光光の光量分布と、感光体101のEV特性とから導くことができる。
図8は、イメージ部露光方式においてUFSで感光体101を露光した場合の感光体101の表面電位の一例を示す。即ち、感光体101を暗部電位VDに一様に帯電させ、露光によりイメージ部の電位を明部電位Viに減衰させて潜像を形成する。図中左側部に1ラインのイメージI1を形成した状態、即ち、1ラインのみ光ビームONとした潜像の状態が示されており、又、図中右側部に4ラインのイメージI2、I3、I4、I5を形成した後に1スペース空けた状態、即ち、1ラインのみ光ビームOFFとした潜像の状態が示されている。この潜像は、図9に示すように、露光光の光量分布と、感光体101のEV特性とから導くことができる。
図10及び図11に、E−V特性カーブと1ラインの潜像電位分布との関係を示す。感光体101として使用される有機光導電体(OPC)は、一般に感度の電界依存性を有し、図10(a)に示すように下に凸のE―V特性を示し、潜像電位分布は、図10(b)に示すようにお椀型となる。つまり、一般にOPCでは、図11(a)に示すようにE−V特性はリニアではなく、図11(b)のようなガウシアン分布の潜像電位分布は示さない。
このため、図8〜図11から分かるように、OPCを使用した系で、特にUFSでは、露光スポットの径に対して潜像が広がる傾向が見られる。
これに対して、像露光に用いる光の光量分布の裾部を使用しないOFSを使用した系では、ドットの広がりは無く、高精細化に有利である。
LED露光装置103Bを使用する系においては、LEDからの光は、レンズ(収束性ロッドレンズアレイ)137により感光体101上に結像される。このとき、主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の解像度は、LED露光装置(LEDプリンターヘッド、LEDアレイ)103Bの集積度により決められ、解像度に応じた間隔、例えば400dpiであれば63.5μm間隔(600dpiでは42.3μm間隔、1200dpiでは21.2μm間隔)のものが用いられる。副走査方向の解像度は、上記レンズ(ロッドレンズアレイ)137の集光性能と感光体101の移動速度により決められる。
尚、LEDの発光の強度分布はガウス分布より矩形的ではあるものの、レーザーと同様に、中心部に対して端部側が弱い強度分布を有している。ピーク強度の1/e2の強度を有している部分について考慮すればよい。
ここで、レーザースキャナー103Aを使用する系において、露光に用いる光の光量分布の裾部をカットすることは、感光体101の表面における主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の実際の露光スポットの幅(露光スポット径)W[μm]と、同じ光学系で回転多面鏡132の反射面132aの主走査方向の幅を変更してUFS系とした場合の感光体101の表面における主走査方向のスポットの幅(光源スポット径)D[μm]との関係をD/W>1.0とすることに相当する。幅Dは、レーザー光源の選択、発振の調整、光路長及びレンズの選択などの設計により決定される(即ち、光学設計上決まるものである。)。又、感光体101に至る光路中の複数箇所で市販のパワーメーターにより測定し、光路長等の条件から感光体101の表面での幅Dを求めることもできる。又、幅Wは、OFS系では、上記同様の光学設計と回転多面鏡132の反射面132aの主走査方向の幅から設計上決定される。或いは、感光体101に至る光路中の複数箇所で市販のパワーメターにより測定し、光路長等の条件から感光体101の表面での幅Wを求めることもできる。
そして、特に、本発明者は、詳しくは実施例を参照して後述するように、レーザースキャナー103Aを使用する場合、DとWとの比が、下式、
3.0≧D/W≧1.5
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像を得ることができることを見出した。
3.0≧D/W≧1.5
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像を得ることができることを見出した。
又、LED露光装置103Bを使用する系においても同様に、露光に用いる光の光量分布の裾部をカットすることは、感光体101の表面における主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の実際の露光スポットの幅(露光スポット径)W[μm]と、同じ光学系でスリット138の主走査方向の幅を変更(或いはスリット138を除去)してUFS系とした場合の感光体101の表面における主走査方向のスポットの幅(光源スポット径)D[μm]との関係をD/W>1.0とすることに相当する。幅Dは、上記レーザースキャナー103Aを用いる場合と同様、LED素子136の選択、発振の調整、光路長及びレンズの選択などの設計により決定される。或いは、感光体101に至る光路中の複数箇所で市販のパワーメーターにより測定し、光路長等の条件から感光体101の表面での幅Dを求めることもできる。又、幅Wは、OFS系では、上記同様の光学設計とスリット138の主走査方向の幅から設計上決定される。或いは、感光体101に至る光路中の複数箇所で市販のパワーメターにより測定し、光路長等の条件から感光体101の表面での幅Wを求めることもできる。
そして、特に、本発明者は、詳しくは実施例を参照して後述するように、LED露光装置103Bを使用する場合、DとWとの比が、下式、
2.0≧D/W≧1.5
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像を得ることができることを見出した。
2.0≧D/W≧1.5
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像を得ることができることを見出した。
上記DとWとの比、即ち、D/Wは、レーザースキャナー103Aを用いる系では、回転多面鏡132の反射面132aに入射する位置での光の同方向の幅D1[μm]と、回転多面鏡132の1つの反射面132aの主走査方向(回転多面鏡による走査方向)の幅W1[μm]との比、即ち、D1/W1を調整することによって調整することができる。又、LED露光装置103Bを用いる系では、D/Wは、スリット138に入射する位置での光の同方向の幅D2[μm]と、スリット138の主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の幅(開口幅)W2[μm]との比、即ち、D2/W2を調整することによって調整することができる。
ここで、レーザースキャナー103A、LED露光装置103Bを使用する系では、レンズを使用することから、通常、W1、W2とWは異なる。例えば、レーザースキャナー103Aを使用する系においては、光源131で発生されたレーザーは広がりながら多面鏡133に到達し、該多面鏡133を経由した光束は、レンズ(走査光学系134)を通過して、集光されて感光体101の表面に照射される。このため、レンズの選択等により変動するが、一般には、W1>Wになる場合が多い。又、LED露光装置103Bを使用する場合においても、平行光になるレンズを選択するか、レンズの選択とレンズから感光体101の表面までの距離を合わせ込むことがない場合、通常、W2とWとは異なる。高dpiに対応したLED群を感光体101の表面の露光スポットと同寸法に低コストで製造することは困難であるなどの理由から、レンズの選択等によって変動するが、一般には、W2>Wになる場合が多い。
但し、D1/W1或いはD2/W2を調整することにより、光はレンズによる拡大或いは集束等があっても、光学原理的によってその比は変わらず、即ち、D1/W1=D/W、或いはD2/W2=D/Wのまま感光体101に露光照射される。幅D1或いはD2は、光源(レーザー、LED)の選択、発振の調整、光路長及びレンズの選択などの設計により、その位置での値が決定される。或いは、回転多面鏡132或いはスリット138に至る光路中の複数箇所で市販のパワーメーターにより測定し、回転多面鏡132或いはスリット138の位置での値を求めることもできる。
つまり、レーザースキャナー103Aを使用する場合、D1とW1との比、即ち、D1/W1が下式(4)、
3.0≧D1/W1≧1.5 ・・・(4)
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像を得ることができる。
3.0≧D1/W1≧1.5 ・・・(4)
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像を得ることができる。
一方、LED露光装置103Bを使用する場合、D2とW2との比、即ち、D2/W2が下式(5)、
2.0≧D2/W2≧1.5 ・・・(5)
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、より高画質な画像が得られる。
2.0≧D2/W2≧1.5 ・・・(5)
を満たすことにより、光学的な損失を抑制しながら、より高画質な画像が得られる。
階調再現性は、所定の解像度において光ビームの照射量を256階調分直線的に変化させた場合に、画像濃度が照射量に比例する部分で定義される。図12に400dpiで測定した階調再現性の測定の模式図を示す。
更に、周知の如く、感光体101の電荷発生層(CGL)において露光によって形成された光生成キャリア、例えば、負帯電感光体の場合は正孔(ホール)は、電荷輸送層(CTL)を走行して、最表面の電荷を打ち消す。これによって、潜像が形成される。そして、光生成キャリアは、電荷輸送層(CTL)を走行中に、自己の電荷による反発、或いは周囲の電界等の影響により、拡散する場合がある。像露光において高精細に光を照射した効果を維持するため、光生成キャリアの拡散を実用範囲内に抑制することが必要である。
前述のように、特許文献3は、感光体101の感光層の膜厚と露光手段が照射する光のスポット面積との積を20000μm3以下とすることにより、高解像度、高階調性を得ることを開示する。
詳しくは実施例を参照して後述するように、本発明者は、感光体101の感光層の膜厚と、感光体に照射される露光スポットの面積との積を20000μm3以下とすることに加え、感光体101の感光層の膜厚と露光スポット幅の比、又像露光において光が照射される時点での感光体101にかかる電界を規定することで、光生成キャリアの拡散を抑止し、更に高精細な潜像を形成することができることを見出した。又、これにより、像露光に用いる光の光量分布の裾部により形成された光キャリアによるドット端部の鋭利性、即ち、高精細化における細線の再現性が改善される。
つまり、本発明者の検討の結果、像露光において感光体101に照射される実際の露光スポットの面積をSE[μm2]、感光体101の表面における主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の露光スポットの幅をW[μm]、感光体101の非露光部の電界をE[V/μm]、感光体101の感光層の膜厚をd(μm)としたとき、下式(1)、(2)及び(3)を満たすことで、高精細な潜像を形成できることが判明した。
d×SE≦20000[μm3] ・・・(1)
且つ、
W×0.7≦d≦W×1.5 ・・・(2)
且つ、
25≦E≦70 ・・・(3)
且つ、
W×0.7≦d≦W×1.5 ・・・(2)
且つ、
25≦E≦70 ・・・(3)
ここで、感光体101に照射される実際の露光スポットの面積のSE[μm2]、露光スポット幅Wは、光源の選択、発振の調整、光路長及びレンズの選択を含む設計により決定される。或いは、感光体101に至る光路中の複数箇所で市販のパワーメーターにより測定し、感光体101上での値を求めることもできる。
本発明は理論によって束縛されるものではないが、露光スポット径と感光体の膜厚の積を規定する上式(1)を満たすことにより、光生成キャリアの分散を抑止し、高精細な潜像を得ることができる。上式(1)を満たすことは、例えば、400dpiの時に膜厚は略20μm以下と実質的に薄膜感光体を使用することを意味する。又、上式(2)により露光スポット径Wに対して、感光体膜厚dの上下限を切る。上式(2)における上限は潜像の高精細の点から定まる。感光層厚が厚すぎると、上記光生成キャリア拡散が生じる。一方、上式(2)における下限は感度自体から決まる。つまり、感光層厚が薄いとEV特性の傾きが寝ることとなり、即ち、感度が全般に低下する。又、露光スポット径Wを低下させると、即ち、高dpi化を図ると、各ドットの光量低下を抑制するためには、例えばレーザー光源のパワーを強くする必要がある。従って、光源感光層厚が薄すぎると感度自体が不足する懸念が生じる。更に、上式(3)を満たすことにより、潜像の高精細化を図ることができる。これは、薄膜の感光体の使用、又は暗電位Vdを高くすることで達成することができる。光生成キャリアが感光層を走行中に拡散しないためには電界Eは上述のように25V/μm以上であることが好ましい。一方、電界Eが高すぎると静電破壊(リーク)等が発生する場合があるため、電界Eは70V/μm以下とすることが好ましい。
〔現像〕
図13は、本発明が適用される画像形成装置にて使用し得る現像器140の一例を模式的に示す。図13は、現像方式として2成分接触現像方式を採用した現像器140を示している。一般に、2成分接触現像は、高画質に有利であるとされる。しかし、本発明は、現像方式を2成分接触現像方式に限定するものではなく、1成分現像、2成分現像、又接触現像、非接触現像のいずれであっても使用可能である。
図13は、本発明が適用される画像形成装置にて使用し得る現像器140の一例を模式的に示す。図13は、現像方式として2成分接触現像方式を採用した現像器140を示している。一般に、2成分接触現像は、高画質に有利であるとされる。しかし、本発明は、現像方式を2成分接触現像方式に限定するものではなく、1成分現像、2成分現像、又接触現像、非接触現像のいずれであっても使用可能である。
現像器140は、現像容器141内に現像剤を収容している。現像容器141内は、隔壁142によって現像室141aと攪拌室(貯蔵室)141bとに区画されている。現像室141a内には現像剤攪拌搬送部材としての第1搬送スクリュー143aが配置されている。又、隔壁142を挟んで攪拌室141b内には、現像剤攪拌搬送部材としての第2搬送スクリュー143bが配置されている。
又、現像室141aの一部が開口しており、この開口部に現像剤担持体としての現像スリーブ144が配置されている。現像スリーブ144は、磁界発生手段としての固定のマグネットロール145を内蔵している。マグネットロール145は、周方向に複数の磁極を有する。更に、現像スリーブ144に対向するように現像剤層厚規制部材としての規制ブレード146が配置されている。
第1搬送スクリュー143a及び第2搬送スクリュー143bは、現像スリーブ144の軸線方向(長手方向)と略平行に配置され、それぞれ長手方向に沿って互いに逆方向に現像剤を搬送する。又、隔壁142の紙面手前側と奥側の端部には、現像室141aと攪拌室141bとを連通させる連絡路が形成されている。こうして、現像剤は現像容器141内を循環搬送される。そして、現像容器141内の現像剤は、マグネットロール145の発生する磁界の作用により、現像スリーブ144上に供給される。現像スリーブ144の回転に伴って、現像スリーブ144上の現像剤は、規制ブレード146によって規制された後、感光体101との対向部(現像部)に搬送される。現像部において、現像スリーブ144上の現像剤は、マグネットロール145の発生する磁界によって穂立ちし、磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシを感光体101に接触させながら現像スリーブ144が回転することにより、感光体101上の潜像に応じて、磁気ブラシから感光体101上にトナーが供給される。
現像スリーブ144には、少なくとも現像工程時に、交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧(現像バイアス)が印加される。振動バイアス電圧のピーク間電圧Vppは、1kV以上、5kV以下が好ましく、又、周波数は1kHz以上、10kHz以下が好ましい。振動バイアス電圧の波形としては矩形波、サイン波及び三角波等が使用できる。現像スリーブ144と感光体101との最小間隙は0.2mm以上、1mm以下であることが好適である。
〔クリーニング〕
<クリーニング手段>
クリーニング装置107は、周知の接触式のクリーニング方式を使用するものであってよく、クリーニングブレード(弾性ブレード,ゴムブレード)、ファーブラシ等に代表されるクリーニング手段を用いることができる。クリーニング装置107は、転写工程後に感光体101上に残る転写残現像剤等の異物を感光体101の表面から除去するクリーニング作用を成す。これと共に、クリーニング装置107は、感光体101との当接(ニップ)部で、転写残現像剤、特に、トナーの外添剤を挟み込み、感光体101を摺擦する。この摺擦作用により、高湿環境下での画像ボケなどの原因になる、感光体101の表面の帯電生成物などを除去し、高画質を長期に維持することができる。
<クリーニング手段>
クリーニング装置107は、周知の接触式のクリーニング方式を使用するものであってよく、クリーニングブレード(弾性ブレード,ゴムブレード)、ファーブラシ等に代表されるクリーニング手段を用いることができる。クリーニング装置107は、転写工程後に感光体101上に残る転写残現像剤等の異物を感光体101の表面から除去するクリーニング作用を成す。これと共に、クリーニング装置107は、感光体101との当接(ニップ)部で、転写残現像剤、特に、トナーの外添剤を挟み込み、感光体101を摺擦する。この摺擦作用により、高湿環境下での画像ボケなどの原因になる、感光体101の表面の帯電生成物などを除去し、高画質を長期に維持することができる。
クリーニング性を良好に維持できること、又上記の摺擦作用を良好に維持し得ること、更に装置の小型化の観点から、クリーニング手段としてクリーニングブレード(弾性ブレード,ゴムブレード)を用いることが好ましい。
クリーニングブレード107aは、一般的な硬度(20度以上、85度以下)、反発弾性(5%以上、70%以下)のものを好適に使用することができる。尚、硬度はJIS−A硬度でJIS K−6253に基づき測定したものであり、又反発弾性はJIS K−6255に基づき測定したものである。
クリーニングブレード107aの硬度が85度よりも高いと、感光体101の局所的な損耗が生じたり、クリーニング性が低下したりする場合がる。一方、この硬度が20度よりも低いと、クリーニングブレード107aの捲れが生じ易くなる。又、クリーニングブレード107aの反発弾性が5%よりも低いと、感光体101の表面の凹凸や異物等によりクリーニングブレード107aが欠けたり、感光体101が局所的に損耗したりする場合がある。一方、この反発弾性が70%よりも高いと、クリーニングブレード107aが感光体101の移動方向に引きずられ易くなり、クリーニングブレード107aの捲れや、擦り抜けが発生し易くなる場合が有る。
又、クリーニングブレード107aの厚さとしては、1mm以上、4mm以下が好ましい。1mmよりも薄いと、硬度、反発弾性といった上述のゴム物性を有効に使用できず、又、クリーニング不良が生じ易くなる。一方、4mmよりも厚いと感光体101が局所的に損耗する場合がある。
クリーニングブレード107aは、少なくとも感光体101と当接する部分に摩擦制御部材を導入しても良い。摩擦制御部材としては、紫外線等によりクリーニングブレード107aを構成する材料を変質加工した部分を設けたり、研磨剤或いは潤滑材等を含有させたりすることができる。
クリーニングブレード107aとしては、周知のものを使用することができる。クリーニングブレード107aを構成する弾性部材としては、ウレタンゴムを好適に用いることができる。クリーニングブレード107aの固定方法も周知の方法が使用できる。図14(a)に示すように支持板107eの先端に弾性部材が固定された、所謂、チップブレード型、図14(b)に示すように板状の弾性部材が支持板107eに固定された、所謂、板金板ブレード型、図14(c)に示すように弾性部材を固定した支持板107eがバネ等の付勢手段107fにより感光体101に当接させられる、所謂、バネ加圧型などである。
クリーニングブレード107aの保持機構としては、例えば上述のチップブレードにおいては保持部材としての板金107eが多用される。又、バネ加圧型(挟み込み式)においては、アルミニウム、SUS(ステンレススチール)製などの金属板107e、燐青銅等からなる背板(図示せず)、更にクリーニングブレード107aの感光体101の表面への当接圧を調節するためのバネ107fなどを備える保持機構が多用される。
クリーニングブレード107aにかかる負荷のばらつきを制御する手段としては、保持機構を制御することも有効である。保持部材としての板金の厚さや、形状、固定状態、自由長、感光体101への当接圧、当接角等を制御することで、クリーニングブレード107aの受けた負荷を好適に分散し、クリーニングブレード107aの摩擦力の偏差を実質的に制御することができる。又、クリーニングブレード107aの自由長、当接角(クリーニングブレード107aの感光体101側の側面と、当接部における感光体101の接線との成す角:図14中のα)等の調整を併用することも有効である。一般的に、クリーニングブレード107aの自由長は2mm以上、10mm以下の範囲、当接角は20°以上、40°以下の範囲が、当接圧、及び当接圧の分布を良好に維持する点で好ましい。
ここで、詳しくは実施例を参照して後述するがここで、本発明者の検討によれば、クリーニングブレードは、損失正接tanδピーク温度が30℃以下のものが特に良好に作用することが判明した。
更に説明すると、クリーニング装置107は、画像形成装置100が動作中、画像形成装置100の機内昇温等によって30℃近傍又はそれ以上の温度に置かれることが多い。クリーニングブレード107aのtanδピーク温度が30℃以下であるとき、特に、感光体101の表面の摺擦が均一になり、又キズの発生などを抑制することができる。又、欠けなどのクリーニングブレード107aの損耗も抑制することができる。これにより、システムとしての耐久性が向上する。
<補助部材>
クリーニング装置107は、更に補助部材として摺擦部材107bを有しても良い。
クリーニング装置107は、更に補助部材として摺擦部材107bを有しても良い。
摺擦部材107bは、感光体101上の転写残現像剤、紙粉等の異物を除去するクリーニング補助部材として、或いは、クリーニングブレード107aと感光体101との当接部にトナーの外添剤等の潤滑剤(転写残現像剤であってよい。)を適宜補給(塗布)する塗布手段としても機能する。摺擦部材107bは、感光体101の回転方向においてクリーニングブレード107aと転写手段(ここでは1次転写ローラ162)との間に設けられている。
摺擦部材107bは、弾性部材からなる弾性ローラ、或いは繊維からなるファーブラシ(例えば、ローラ状のもの)の部材が好ましい。この場合、画像形成装置100には、摺擦部材107bを、駆動(回転駆動)するためのモータ等の駆動手段が設けられていてよい。
摺擦部材107bとしての弾性ローラを構成する素材は、任意のものを用いることができるが、疎水性で、且つ、誘電率が高い高分子重合体を用いることが好ましい。弾性ローラが導電性であると、例えば接地することで現像剤の剥離放電等の抑制にも好ましい。
摺擦部材107bとしての弾性ローラに用いる弾性部材の硬度は、Askre−C硬度で5度以上、30度以下が好ましい。この硬度が5度未満では、十分な擦過力が無いため、感光体101の表面の付着物を除去できない。又、弾性ローラ自体が損耗し、寿命低下が生じる場合がある。一方、この硬度が30度より大きいと、感光体101の表面を傷つけ感光体101の寿命を低下させる虞がある。
又、摺擦部材107bとしてのファーブラシは、導電性でも絶縁性でもよい。例えば、ファーブラシを構成する素材にカーボン等の低抵抗物質を含有させ、任意の抵抗に調整したものを使用することができる。又、ファーブラシの繊維は、直毛状態のものでも、ループ形状を有するものでもよい。
ファーブラシローラに用いるファーブラシの単繊維の太さは、0.56tex(5D)以上、3.33tex(30D)以下であることが好ましい。この単繊維の太さが0.56texに満たないと、十分な擦過力が無いため、感光体101の表面の付着物を除去できない。又、この単繊維の太さが3.33texより大きいと、繊維が剛直になるため感光体101の表面を傷つけ、感光体101の寿命を低下させる虞がある。ここでいう「tex」は、ファーブラシを構成する繊維の長さ1000mの重量をg(グラム)単位で測定した数値で、従来多用されていた「デニール(D)」に対して、tex=D/9で換算される。
又、ファーブラシの繊維密度は、4×102f/cm2以上、20×103f/cm2以下であることが好ましい。この繊維密度が4×102f/cm2に満たないと、擦過にムラができ、感光体101の表面の付着物を均一に除去することができない。又、この繊維密度が20×103f/cm2より大きいと、ブラシ繊維間に入り込んだトナー等の異物が除去しきれず、パッキングが発生し、ファーブラシの特性が失われる場合がある。
これら摺擦部材107bとしての弾性ローラ、ファーブラシ等は、アースに接地されていても、又適宜なバイアスが印加されていても良い。
又、転写残現像剤を感光体101の軸方向に移動又は散乱させる構成を有することで、画像比率が分布を有している場合でも、クリーニング部での局所的な感光体101の磨耗を防止し、感光体101の電気的特性のムラを抑止できるので好ましい。同様の理由で、クリーニング工程が感光体101の軸方向において位相を有する構成を有していることも好ましい。つまり、感光体101に対して成されるクリーニング作用が感光体101の軸方向に周期性を持っていることも好ましい。
転写残現像剤を感光体101の軸方向に移動又は散乱させる構成としては、例えば上記のファーブラシに、らせん状に凹部を設けたりするなどしてもよいし、ベルトやスクリューなどの別の手段を設置してもよい。
又、クリーニング工程が感光体の軸方向において位相を有する構成としては、例えばクリーニング部材のホルダーごと、感光体101の軸方向に所定の周期で往復運動(レシプロ)させる構成などが挙げられる。
〔有機光導電体(OPC)〕
感光体101としては、有機材料であるポリビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料などを用いる有機光導電体(OPC)が、高生産性、無公害等の点で、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電体を用いるものよりも有利である。又、OPCは、a−Siと比較して低コストで、又、500nm以下といった短波長の光に対する分光感度が高い点で有利である。従って、感光体101としては、OPCを用いることが好ましい。
感光体101としては、有機材料であるポリビニルカルバゾール、フタロシアニン及びアゾ顔料などを用いる有機光導電体(OPC)が、高生産性、無公害等の点で、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などの無機光導電体を用いるものよりも有利である。又、OPCは、a−Siと比較して低コストで、又、500nm以下といった短波長の光に対する分光感度が高い点で有利である。従って、感光体101としては、OPCを用いることが好ましい。
<層構成>
図15は、感光体101の層構成を模式的に示す。
図15は、感光体101の層構成を模式的に示す。
感光体101の構成は、導電性支持体1上に、表面層(表面保護層:OCL)5を含む感光層2が積層されており、表面層5の最表面が自由表面6である。
感光層2は、電荷発生物質を含有する電荷発生層(CGL)3上に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層(CTL)4を積層した構成若しくは電荷輸送層(CTL)4上に電荷発生層(CGL)3を積層した光導電層8で構成することができる。そして、感光層2は、この光導電層8に、更に表面層(OCL)5を積層した構成とすることができる。
下から電荷輸送層(CTL)4、電荷発生層(CGL)3の順に積層された層構成は、像露光に用いる光の波長が短波長である場合、又像露光において微小ドットで光が照射される場合、最表面である自由表面6から電荷発生層(CGL)3までの各層による光の吸収、或いは散乱を抑止することができる。又、発生した光キャリアが、感光体101の電荷に応じて感光層2を走行する途中で拡散するのを抑止し、高精細な潜像を形成するのに有利である。
一方、一般には下から電荷発生層(CGL)3、電荷輸送層(CTL)4の順に積層された層構成が多用されており、低コストで感光体101を製造できるメリットがある。又、上述のような像露光における光の吸収は、電荷輸送層(CTL)4の材料を選択することで低減可能である。
上述のような層構成の他にも、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)を同一層中に分散した、所謂、単層系の感光層2を備えた構成をとることも可能である。尚、上述のような積層型においては、電荷輸送層(CTL)4が二層以上ある構成とすることも可能である。
感光体101は、上述のいずれの層構成を有していてもよく、感光層2が電荷輸送性化合物を含有していればよい。但し、感光体101としての特性、特に、残留電位などの電気的特性及び耐久性の点より、電荷発生層(CGL)3/電荷輸送層(CTL)4/表面層(OCL)5、或いは電荷発生層(CGL)3/電荷輸送層(CTL)4/表面層(OCL)5をこの順に下から積層した機能分離型の構成であることが好ましい。表面層5は、少なくとも電荷輸送性化合物が含有されることが好ましい。詳しくは後述するが、好ましくは、表面層5は、連鎖重合性基を有する電荷輸送性化合物の重合体を含有する。これにより、電荷輸送能を低下させることなく、表面層5を高耐久化することが可能になる。
感光体101は、導電性支持体1と、電荷発生層3或いは電荷輸送層4との間に、整流性を有する下引き層7を有していても良い。尚、ここでは、下引き層7を設ける場合、下引き層7も感光層2に含まれるものとし、後述するように感光層2の総膜厚には下引き層7の厚さも含まれるものとする。
又、更に、下引き層7と導電性支持体1の間に、該導電性支持体1の凹凸を均したり、入射光の乱反射を抑制したりするために導電層を設けても良い。尚、ここでは、この導電層は感光層2には含まれず、後述するように、この導電層の厚さは感光層2の総膜厚には含まれない。
又、像露光の光量分布の端部(裾部)を使用しない系では、高感度であることが優先される。感度特性の形状(感度曲線形状)に関しては自由度が広いが、下に凸の形状(図10)、又はリニアの形状(図11)が、潜像の深さや均一性の観点で好ましい。
<電荷発生層(CGL)>
電荷発生層(CGL)3は、電荷発生物質(CGM)を適当な結着剤に分散し、これを導電性支持体1上に塗工することにより形成することができる。又、導電性支持体1上に蒸着、スパッタ法及びCVDなどの乾式法で形成することができる。結着剤は、周知の結着性樹脂から選択することができ、1種類で用いても、複数種類混合して用いてもよい。
電荷発生層(CGL)3は、電荷発生物質(CGM)を適当な結着剤に分散し、これを導電性支持体1上に塗工することにより形成することができる。又、導電性支持体1上に蒸着、スパッタ法及びCVDなどの乾式法で形成することができる。結着剤は、周知の結着性樹脂から選択することができ、1種類で用いても、複数種類混合して用いてもよい。
電荷発生層(CGL)3は、像露光に用いられる光(好ましくは、380nm以上、500nm以下の短波長光)に感度を有する電荷発生物質(CGM)を含んでいればよい。像露光に用いられる光に感度を有していれば、周知の電荷発生物質(CGM)でよい。特に、上記波長(380nm以上、500nm以下)の範囲内で、アゾ顔料、フタロシアニン系材料、例えばガリウムフタロシアニン化合物、オキシチタニウムフタロシアニン等から選択される電荷発生物質(CGM)及び電荷発生層(CGL)が提案されている(特開2000−250239号公報、特開2000−105476号公報、特開2000−105475号公報)。感度の波長依存性等、各種特性の点から、これら公知の電荷発生物質(CGM)、電荷発生層(CGL)を好ましく使用することができる。
<電荷輸送層(CTL)>
電荷輸送物質(CTM)を含有する層、即ち、電荷輸送層(CTL)4は、電荷輸送物質(CTM)と、適当な結着剤とを組み合わせて形成することができる。結着剤は、周知のものを使用することができる。結着剤と電荷輸送物質(CTM)との配合割合は、結着剤100重量部(以下、単に「部」という。)あたり、電荷輸送物質(CTM)を10部以上、500部以下とすることが好ましい。
電荷輸送物質(CTM)を含有する層、即ち、電荷輸送層(CTL)4は、電荷輸送物質(CTM)と、適当な結着剤とを組み合わせて形成することができる。結着剤は、周知のものを使用することができる。結着剤と電荷輸送物質(CTM)との配合割合は、結着剤100重量部(以下、単に「部」という。)あたり、電荷輸送物質(CTM)を10部以上、500部以下とすることが好ましい。
電荷輸送層(CTL)4は、上述の電荷発生層(CGL)3と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層(CGL)から注入された電荷キャリアを受け取ると共に、これらの電荷キャリアを感光体101の表面まで輸送する機能を有している。
電荷輸送物質(CTM)には電子輸送性物質と、正孔輸送性物質とがある。正孔輸送性物質としては、アミン化合物の他に、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物等が挙げられる。
特に、電荷発生層(CGL)3上に電荷輸送層(CTL)4が積層される場合、電荷輸送層(CTL)4は、像露光に用いられる光(好ましくは、380nm以上、500nm以下の短波長光)に対して光吸収及び散乱が微小若しくは無い材料が好ましい。
電荷輸送物質(CTM)としては、周知の材料を使用できるが、繰り返し使用における感光体101の電位変動、或いは画像におけるゴースト現象等の画像欠陥を抑制することが好ましい。これらの電位変動やゴースト等の一因として、短波長の強いエネルギーの光の照射により電荷発生層(CGL)3で発生した励起子及び電荷キャリアの一部が、電子写真プロセスで消費されずに感光層2内に蓄積していき、感光体101の帯電能や感度特性を変化させることが考えられる。このような電位変動や画像欠陥を抑制するため、スチリル化合物等の如き電荷輸送物質(CTM)を含有することが好ましい。このような電荷輸送物質(CTM)は、例えば、特開2000−105476号公報、特開2000−105475号公報、特開2000−047404号公報に開示されている公知のものであってよい。
<表面層(OCL)>
感光体101は、高耐久性を確保する観点から、架橋構造を含有する表面層(OCL)5を有することが好ましい。
感光体101は、高耐久性を確保する観点から、架橋構造を含有する表面層(OCL)5を有することが好ましい。
表面層(OCL)5は、耐磨耗性、耐候性を有していることはもとより、良好な電子写真特性を有している必要があり、高精細、高画質を良好に維持するための重要な要素の一つである。一方、表面層(OCL)5は、電荷発生層(CGL)3にまで各種露光を透過させる、窓材としての機能も重要であり、像露光に用いられる光(好ましくは、380nm以上、500nm以下の短波長光)に対して光吸収が微小若しくは無い材料が好ましい。
又、残留電位の上昇を防止するため、又電気抵抗の適正化等のために、表面層(OCL)5に電化輸送機能を有するもの、例えば電荷輸送性化合物を含有させたり、硬化性樹脂の構造の骨格中に電荷輸送性化合物を含有させたりすることが好ましい。
具体的には、例えば、電荷移動層(CTL)4に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、電荷移動材の炭素−炭素二重結合と熱或いは光のエネルギーによって反応させて、電荷移動層硬化膜を形成し、表面層(OCL)5とした感光体、或いは、シロキサン系化合物を架橋させてなる表面層(OCL)5を有する感光体等が挙げられる。前者の感光体は、例えば、特開平5−216249号公報、特開平7−72640号公報に開示されている公知のものであってよく、後者の感光体は、例えば、特開2002−182536号公報に開示されている公知のものであってよい。
又、摩擦特性を向上させるために、表面層(OCL)5に、潤滑材としてフッ素原子含有化合物などを含有させてもよい。
又、表面層(OCL)5が、少なくとも硬化性樹脂と電荷輸送化合物を含有していることが好ましい。好ましくは、表面層(OCL)5は、同一分子内に1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物及び/又はこの電荷輸送性化合物を少なくとも熱、光、放射線のいずれかにより重合、硬化したものと、を含有している感光体101を好ましく用いることができる。
このような感光体としては、表面層(OCL)5として、熱硬化型表面層、紫外線硬化型表面層、電子線硬化型表面層等を有するものが挙げられる。このような表面層(OCL)5を有する感光体は、例えば、特開2001−166509号公報、特開2001−166517号公報に開示されている公知のものであってよい。
硬化性樹脂とは、アクリル基(-O-CO-CH=CH2)等に代表される、当業者には周知の重合性官能基を有している樹脂を指す。一方、電荷輸送性化合物は複数の5員環、6員環などからなる化合物で、当業者には周知のように一般にOPCで使用される。例えば、後述の化4に示す化合物M1は、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の例であり、アクリル基(-O-CO-HCCH2)が重合性官能基である。又、化合物M1においてCH2CH2-O-CO-HCCH2を除いた部分、即ち、3個の6員環、及び該6員環に結合したCH3若しくはCH2までの部分が電荷輸送物質である。
尚、アクリル系樹脂などの硬化性樹脂と電荷輸送性化合物は別個に含んでいても良い。但し、例えば下記式M1の如く、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、即ち、電荷輸送機能を有する硬化性樹脂であることがより好ましい。これは、硬化性樹脂、電荷輸送性化合物を個別に含む場合には、これらのいずれか或いは両方がドメインを形成することなどにより、硬化性樹脂の架橋が不充分になったり、硬度や弾性変形率といった強度面での損失が生じる懸念があるが、電荷輸送機能を有する硬化性樹脂の場合はこれらの懸念が殆ど無いためである。又、硬化性樹脂と電荷輸送性化合物とが個別の物質の場合には、溶剤を選択する際に、両方に共通した溶剤を探索しなければならないが、電荷輸送機能を有する硬化性樹脂の場合はその必要がなく、製造上の負荷を増加させずに済むという利点もある。
表面層(OCL)5を有する感光体101について、本発明者が更に検討を進めた結果、感光体101の耐磨耗性、特に、表面の形状・粗さや膜厚の変化等による像露光の散乱等の耐久変動を防止するために、又、転写性を良好に維持するためには、感光体101は、次の条件を満たす必要があることが判明した。
つまり、温度25℃/湿度[RH(相対湿度):本明細書では他の同様。]50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上、240N/mm2以下であり、且つ、We(弾性変形率)が40%以上、65%以下である必要がある。このような感光体101によれば、感光体101の耐磨耗性、更に感光体101の表面形状変化を好適に抑止して、システムとしての高耐久性を得ることができる。又、長期にわたって良好なクリーニング性を保持し、画像不良がなく、且つ、感光体やクリーニング手段の耐久性を向上することができる。これにより、スジ画像、画像流れ、斑点状の画像等の画像欠陥を長期にわたり抑制することができる。
又、特に、転写手段及び/又は現像手段が感光体101に接触する方式のとき、表面層(OCL)5のHU及びWeを上記の範囲とすることによって、環境依存性が小さく、又、非常に良好な現像効率及び転写効率を得ることができる。現像剤を介して感光体101と現像手段及び/又は転写手段とが当接する際に、感光体101が微小に変形し、現像性或いは転写性に好適に寄与するものと考えられる。
一般的に、膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、感光体101も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられる。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めるわけではなく、上記の範囲が良好であることが分かった。
HUとWeとを切り離してとらえることはできないが、例えば、HUが240N/mm2を超えるものであるとき、Weが40%未満である場合には、感光体101の弾性力が不足しているが故に、又Weが65%より大きい場合にはWeは高くても弾性変形量が小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかり、感光体101の傷が発生し易くなったり、摩耗量が増大したりする。或いは、このような場合、クリーニング手段(クリーニングブレード)が欠けたり、損耗したりすることがある。このように、HUが高いものが必ずしも感光体101として最適ではないものと考えられる。
又、HUが150N/mm2未満であるとき、Weが65%を超えるものの場合、Weが高くても塑性変形量も大きくなってしまい、クリーニング手段(クリーニングブレード)等に挟まれた紙粉や現像剤が擦られることで、感光体101が削れたり、細かい傷が発生したりして、耐久寿命が短くなる。
感光体101の表面層(OCL)5の特性を上述したような範囲にするには、表面層(OCL)5は、電荷輸送性化合物を含有した硬化性樹脂及び/又は電荷輸送機能を有した硬化性樹脂により形成されたものであることが好ましい。硬化性樹脂を用いることで、硬化性樹脂の硬化度を調整することで、感光体101のHUや、特に、Weを上述した範囲にすることが容易になるからである。又、感度低下、残留電位上昇を抑制することができることから、表面層(OCL)5が電荷輸送物質(CTM)を含有したり、電荷輸送性機能を有したりすることが好ましい。
<感光体膜厚、表面層膜厚の評価方法>
感光体101の膜厚は、渦電流方式の膜厚計或いは段差膜厚計等の膜厚計を使用して測定することができる他、感光体101の断面を観測するなど、周知の手法で測定することができる。
感光体101の膜厚は、渦電流方式の膜厚計或いは段差膜厚計等の膜厚計を使用して測定することができる他、感光体101の断面を観測するなど、周知の手法で測定することができる。
本発明においては、感光体101の電荷発生層(CGL)3、電荷輸送層(CTL)4、表面層(OCL)5、及び下引き層7(設けられる場合)を含む感光層2の厚さ(以下「総膜厚」ともいう。)は、渦電流式膜厚計(カールフィッシャー社製)を用いて測定した。又、磨耗量は、渦電流式膜厚測定器(FISCHER社製、PERMASCOPE TYREE111)を用いて測定した。又、表面層(OCL)5の厚さは、表面層(OCL)3を積層する前後の、上記膜厚計で測定した膜厚の差分により求めた。
尚、導電層を有する場合には、別途断面観測などを行い、上記渦電流式の測定結果から、該導電層の膜厚分を引いた差分を総膜厚とした。
<HU、Weの評価方法>
HU(ユニバーサル硬さ値)及びWe(弾性変形率)は、通常環境(N/N環境:温度25±2℃/湿度50±10%)下で、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は、対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定した。
HU(ユニバーサル硬さ値)及びWe(弾性変形率)は、通常環境(N/N環境:温度25±2℃/湿度50±10%)下で、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は、対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定した。
出力チャートの概略を図16に示す。同図は、縦軸が荷重[mN]で横軸が押し込み深さh[μm]であり、段階的に荷重を増加させて6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果を示している。
HU(ユニバーサル硬さ値)は、押込み深さと圧子形状から求められる表面積、及び試験荷重とから、下式(6)に従って算出される。図16のような押込み深さと試験荷重との関係を示すグラフから、図17に示すように、押込み深さとHUとの関係を示すグラフが得られる。本発明においては、HUは、押込み深さと荷重との関係を用い、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから、下記式(6)によって算出された値として規定される。
HU[N/mm2]=試験荷重[N]/試験荷重でのビッカース圧子の表面積[mm2]
=試験荷重[N]/(26.43×h2)[mm2]
=0.006/(26.43×h2) ・・・(6)
(h:試験荷重での押込み深さ)
We(弾性変形率)は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、即ち、圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、その値は、下記式(7)から求まる。全仕事量Wt(nW)は図16中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量W(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
=試験荷重[N]/(26.43×h2)[mm2]
=0.006/(26.43×h2) ・・・(6)
(h:試験荷重での押込み深さ)
We(弾性変形率)は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、即ち、圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、その値は、下記式(7)から求まる。全仕事量Wt(nW)は図16中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量W(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率We=W/Wt×100(%) ・・・(7)
<感光体の製造方法>
次に、感光体の製造方法の一具体例について説明する。
次に、感光体の製造方法の一具体例について説明する。
感光体101の支持体1は、導電性を有するものであればよい。又、膜の密着性や、レーザーなどの可干渉光の干渉防止などにより、支持体1の表面形状を制御することも好ましい。
導電性支持体1の上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層7を設けることができる。下引き層7は、感光層2の接着性改良、塗工性改良、支持体1の保護、支持体1上の欠陥の被覆、支持体1からの電荷注入性改良、又、感光層2の電気的破壊に対する保護などのために形成される。下引き層7の膜厚は、0.1μm以上、2μm以下が好ましい。又、下引き層7と導電性支持体1との間に導電層を設ける場合、一般に導電層は10以上、20μm以下で使用されることが多い。
感光体101が機能分離型である場合には、電荷発生層(CGL)3及び電荷輸送層(CTL)4を積層する。
電荷発生層(CGL)3に用いる電荷輸送物質(CGM)は、前述のように、像露光に用いる光(好ましくは、380nm以上、500nm以下の短波長光)での像露光に適した材料を使用することができる。電荷発生層(CGL)3の膜厚は、5μm以下であることが好ましく、特に0.1μm以上、2μm以下の範囲であることが好ましい。
電荷輸送層(CTL)4の材料は、前述のように、像露光に用いる光(好ましくは、380nm以上、500nm以下の短波長光)に対して光吸収及び散乱が微小若しくは無い材料を使用することができる。
そして、表面層(OCL)5は、例えば、次のようにして形成することができる。ここでは、前述のような連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する表面層(OCL)5を、電荷輸送層(CTL)4上に積層して設ける場合について説明する。
この場合、表面層(OCL)5を形成するには、先ず、前述のような連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する溶液を塗工する。
その際、必要に応じて潤滑剤を添加することが好ましい。潤滑剤は、前述のように、フッ素含有樹脂を適宜な分散剤を使用して表面層(OCL)5の材料中に分散させるなどの手法で添加することができる。表面層(OCL)5に含有させる潤滑材の割合は、表面層(OCL)5となる層の全重量に対し1%以上、50%以下が好ましく、より好ましくは5以上、30%以下である。潤滑材が50%より多いと像露光が散乱しやすくなる他、表面層(OCL)5となる層の機械的強度が低下し易くなる。一方、潤滑材の割合が、、表面層(OCL)5となる層の全重量に対し1%より少ないと、表面層(OCL)5となる層の撥水性、滑り性が充分ではなくなることがある。
そして、一般的には、上述の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせる。しかし、前もって電荷輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散または溶解させて、表面層(OCL)5を形成することも可能である。これらの溶液は、周知のコーティング方法で塗布できる。又蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
表面層(OCL)は、キズや、偏摩耗により電荷輸送層(CTL)4等の下地が表出することを防止するために、厚い方が好ましい。一方、表面層(OCL)5の光吸収による透過光の損失、或いは残留電位増加、光散乱等による感度変動や潜像のブロード化を抑止するためには、表面層(OCL)5は薄い方が好ましい。詳しくは実験例を参照して後述するように、好ましい表面層(OCL)5の厚さは、2μm以上、5μm以下である。
表面層(OCL)5は、柔らかい物の上に、硬い物が付いている状態なので、薄すぎると、局所的な負荷がかかったときにキズが発生し易くなる場合がある。又、キズが発生した時に、下地に到達してしまい、キズの成長が促進されるといった弊害が出る場合がある。このため、表面層(OCL)5は、2μm以上であることが好ましい。一方、表面層(OCL)5が5μmを越えると、感度の低下、或いは残留電位の増加が生じる場合がある。
感光体101は、電荷発生層(CGL)3、電荷輸送層(CTL)5、表面層(OCL)5を含めた感光層2の厚さ(総膜厚)が20μm以下の薄膜であることが好ましい。感光体101を薄膜化することで、高解像度で、且つ、高コントラストな潜像電位が形成されるほか、電気力線が尖鋭になることで、現像工程での潜像再現性が格段に向上する。非接触現像方式においても、電気力線が感光体101の表面からより遠方まで届くため有効である。
特に、耐磨耗性に優れた表面層(OCL)5を有する系、即ち、上述のように、HU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上、240N/mm2以下であり、且つ、We(弾性変形率)が40%以上、65%以下である感光体101を用いる系では、コスト等の観点から、上記感光層2は更に薄層化することが好ましい。より好ましくは、上記感光層2は、18μm以下、最適には15μm以下である。
一方、暗減衰の増加や絶縁破壊(リーク)が生じる場合があり、感光層の総膜厚は3μm以上が望ましい。より好ましくは5μm以上である。
表面層(OCL)5は、熱、光又は放射線(電子線及びγ線)により重合架橋させることができる。好ましくは、放射線による重合である。放射線による重合は、重合開始剤を必要とせず、非常に高密度な架橋を有する表面層(OCL)5の作製が可能となる利点を有する。これにより、良好な電子写真特性が確保される。又、放射線による重合は、生産性も高く、更には放射線の透過性の良さから、膜厚や添加剤などの遮蔽物質等による硬化阻害の影響が非常に小さい。
但し、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加することも可能である。
電子線を照射する場合に、電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。電子線の加速電圧は、250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。又、電子線の線量は、好ましくは0.1MRad以上、50MRad以下の範囲、より好ましくは0.5MRad以上、5MRad以下、最適には0.7MRad以上、3.5MRad以下の範囲である。
加速電圧が上記の範囲を越えると、電気的特性やその耐久変動などと言った、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。又、線量が上記範囲よりも少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こりやすい。又、線量が5MRad以下、更には3.5MRad以下の時に、特に、380nm以上、500nm以下の短波長領域の光に対する感度特性等の感光体特性が向上する。
又、重合中の感光体101の温度の調整は、重合硬化度を制御すると共に、摩擦特性を制御する重要な項目である。重合中の感光体101の温度は、50℃以上、150℃以下が好ましい。50℃以下では重合硬化に時間がかかり製造コストが上昇することが懸念され、或いは重合硬化が不十分な場合がある。一方、150℃を越す高温では、下地(電荷輸送層(CTL)4、電荷発生層(CGL)3、下引き層7)の損傷等による残留電位の上昇などの影響が出る場合がある。より好ましくは、重合中の感光体101の温度は130℃以下である。
表面層(OCL)5まで形成した後、研磨等の周知の手法で表面形状を制御することも好ましい。
〔現像剤〕
<現像剤構成>
現像剤は、着色剤、樹脂等からなる母体である分級品、即ち、トナー粒子と、この分級品の周囲に外部添加される外添剤を含む。2成分現像剤では、更にキャリアが含まれる。
<現像剤構成>
現像剤は、着色剤、樹脂等からなる母体である分級品、即ち、トナー粒子と、この分級品の周囲に外部添加される外添剤を含む。2成分現像剤では、更にキャリアが含まれる。
高画質機では、一般に2成分現像剤が好ましく利用される。尚、トナー粒子は、離型剤を含有することが好ましく、離型剤として適正量の、周知のワックスを含有させることにより、高解像性と耐オフセット性を両立させつつ感光体へのトナー融着を防止することが可能となる。
<トナー粒子>
現像剤中のトナー粒子の平均粒径は、ここでは重量平均粒径で定義される。トナー粒子としては、高解像度に対応する等のために、平均粒径(重量平均粒径)が3μm以上、8μm以下の小粒径が好ましい。更に、トナー粒子は、0.60μm以上、159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、4.00μm以上、15.04μm未満の粒径範囲での下記式(8)より求められる円形度aが0.90以上である粒子を90個数%以上、100個数%以下含有することが好ましい。つまり、現像剤中のトナー粒子の重量平均粒径が3μm以上、8μm以下であって、且つ、上記円形度aが0.90以上である粒子を90個数%以上、100個数%以下含有することがより好ましい。
現像剤中のトナー粒子の平均粒径は、ここでは重量平均粒径で定義される。トナー粒子としては、高解像度に対応する等のために、平均粒径(重量平均粒径)が3μm以上、8μm以下の小粒径が好ましい。更に、トナー粒子は、0.60μm以上、159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、4.00μm以上、15.04μm未満の粒径範囲での下記式(8)より求められる円形度aが0.90以上である粒子を90個数%以上、100個数%以下含有することが好ましい。つまり、現像剤中のトナー粒子の重量平均粒径が3μm以上、8μm以下であって、且つ、上記円形度aが0.90以上である粒子を90個数%以上、100個数%以下含有することがより好ましい。
円形度a=L0/L ・・・(8)
(ここで、
L:トナー粒子投影像の周囲長
L0:トナー粒子投影面積と同面積の円の周囲長)
(ここで、
L:トナー粒子投影像の周囲長
L0:トナー粒子投影面積と同面積の円の周囲長)
トナー粒子の円形度aは、FPIA−1000(東亜医用電子社製)を用いて測定することができる。測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニュアル等に記載されているので、これに従えばよい。円形度aは、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上、159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定することにより求めることができる。
重量平均粒径が3μm未満のトナーは、トナー全体の表面積が増えることに加え、粉体としての流動性及び攪拌性が低下することにより、カブリや転写性が悪化する傾向となる。又、画像の不均一ムラの原因となりやすい。その他、転写効率の低下から感光体上の転写残トナーが多くなり、クリーニング手段(クリーニングブレード)への局所的な衝撃が過剰になり、クリーニング性やトナー融着の抑制が難しくなる。
又、トナーの重量平均粒径が8μmを越える場合には、文字やライン画像の太り、細りが生じやすく、高解像度が得られにくい。又、1ドットの再現が悪化する傾向にある。
ここでは、トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて調整された1%NaCl水溶液を使用する。測定法としては、上記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
チャンネルとしては、2.00〜2.52、2.52〜3.17、3.17〜4.00、4.00〜5.04、5.04〜6.35、6.35〜8.00、8.00〜10.08、10.08〜12.70、12.70〜16.00、16.00〜20.20、20.20〜25.40、25.40〜32.00、32.00〜40.30[μm]の13チャンネルを用いる。
トナー粒子は、周知のものを使用することができる。トナー粒子は、上記の特性を有していることが好ましく、更に示差走査型熱量計(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線において、ガラス転移点Tgが40℃以上、90℃以下、好ましくは50℃以上、70℃以下の温度領域に少なくとも1つの吸熱ピークを有することが更に好ましい。この範囲内に吸熱ピークを有することにより、トナーの定着性及び対オフセット性を改善できる。Tgが上記範囲よりも低すぎると、高温雰囲気下でトナーが劣化しやすく、又定着時にオフセットが発生しやすくなる。又、Tgが上記範囲よりも高すぎると、定着性が低下する傾向にある。
上記範囲の吸熱ピークを有するトナーを得るためには、示差走査型熱量計(DSC)により測定される昇温時のDSC曲線において40℃以上、90℃以下に吸熱ピークを有するワックスをトナーに含有させればよい。
トナーの吸熱ピーク温度の測定は、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、例えば、DSC−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定を行う。DSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、昇温速度10℃/分で昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。ここでは、DSC−7を用い、下記の条件にて測定した。
試料:5〜20mg、好ましくは10mg
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/分)
降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/分)
昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/分)
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(20℃→180℃、昇温速度10℃/分)
降温I(180℃→10℃、降温速度10℃/分)
昇温II(10℃→180℃、昇温速度10℃/分)
上記測定手順において、昇温IIで測定される吸熱ピークを用い、吸熱ピーク前後のベースラインの中間点の線と、示差熱曲線との交点をガラス転移温度Tgとする。
トナー粒子の製造方法は重合法、粉砕法など周知の方法で製造できる。
懸濁重合等の重合法で生成されるトナー粒子は非常に良好な円形度を有する。トナー粒子を重合法により製造する場合には、公知の分散安定剤や方法を用いて、重合、濾過、洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た後、無機微粒子等の外添剤を混合し表面に付着させることで、トナー粒子を得ることができる。又、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも好ましい。
トナー粒子を粉砕法により製造する場合は、公知の方法が用いて、トナー粒子として必要な成分類相溶、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得ることができる。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。特定の円形度を有するトナーを得るためには、熱をかけて粉砕したり、或いは補助的に機械的衝撃を加える処理をしたりすることが好ましい。又、微粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法などを用いてもよい。
一方、粉砕法における粉砕手段としては、機械式粉砕機が好ましく用いられる。機械式粉砕機としては、例えば、ホソカワミクロン(株)製粉砕機イノマイザー、川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルなどを挙げることができ、これらの装置をそのまま、或いは適宜改良して使用することが好ましい。
粉砕或いは重合されたトナーは、その後、周知の分級機を用いて、上記の粒径及び粒度分布に分級される。
<外添剤>
トナー母体粒子には、流動性付与、研磨剤、クリーニング補助剤、滑剤、荷電制御剤等、各種目的で添加剤が外添される。
トナー母体粒子には、流動性付与、研磨剤、クリーニング補助剤、滑剤、荷電制御剤等、各種目的で添加剤が外添される。
これら添加剤の量は、トナー粒子100部に対し0.01部以上、10部以下が好ましい。より好ましくは、0.05部以上、5部以下である。これら添加剤は、1種類で用いても、又、複数類を併用してもよい。例えば、流動性付与剤として酸化ケイ素(以下「シリカ」という。)と酸化チタン(以下「チタニア」という。)を、研磨剤又はクリーニング補助剤としてチタン酸ストロンチウム(以下、STCと称する)を使用することができる。
外添剤の一次粒径は、0.07μm以上、1.0μm以下であることが好ましい。尚、一次粒径とは、一次粒子の平均粒径(ここでは個数平均一次粒径)のことをいう。このような外添剤を使用することで、外添剤は感光体の表面とトナー粒子との間でスペーサーとして働き、感光体上の潜像に対するトナーの静電付着若しくは離脱が、非常に応答性良くなる。これにより、高精細な顕像が得られる。又、転写工程においても、外添剤のスペーサーとしての作用により、良好な転写特性を示す。
これらの外添剤の作用は、トナー母体粒子の粒径及び円形度を上述の範囲に規定することによる作用と良好に相乗作用し、潜像に応じた高画質な画像を得ることを可能とする。特に、接触現像方式、接触転写方式で更に良好に作用する。複数の外添剤を使用する場合は、一次粒径が0.07μm以上、1.0μm以下である粒子が含まれていれば良い。
又、外添剤のトナー粒子からの遊離率が1個数%以上、70個数%以下のとき、非常に良好な画像が得られる。この遊離率が1個数%未満では、トナーの摩擦帯電量(トリボ)が不安定になったり、現像性・転写性が低下する場合がある。一方、この遊離率が70個数%を超えると、現像器中でトナー流離からの外添剤の遊離が過剰に進んで、現像器中に外添剤が蓄積し易くなることなどにより、現像性が低下する場合がある。このような理由から、外添剤のトナー粒子からの遊離率は、更に好ましくは、3個数%以上、40個数%以下である。
更に好ましくは、外添剤には、シリコーンオイル等で疎水処理が施される。
外添剤の一次粒径は、電子顕微鏡における現像剤の表面観察により求める。具体的には、トナー母体粒子に外添剤を外添後、トナー粒子を走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所(株)製 S−800)にて無作為に100個以上の外添剤粒子について、その一次粒径を測定し、該測定値の平均値(個数平均一次粒径)を算出した。
又、外添剤のトナー粒子からの遊離率は、トナー粒子に含まれる炭素原子と外添剤(潤滑性化合物等)に含まれる原子(例えば、フッ素樹脂ならフッ素原子、ステアリン酸亜鉛なら亜鉛原子)との個数の和に対する、外添剤に含まれるがトナー粒子に含まれない原子の個数の比によって表される。遊離率は、「Japan Hardcopy97」論文集の65〜68頁に記載の原理で測定することができる。具体的には、トナー粒子を1個ずつプラズマへ導入し、得られる発光スペクトルからトナー粒子中の元素、トナー粒子数及びトナー粒子の粒径を知ることができ、この発光スペクトルから遊離率を測定することができる。
上記の測定方法によれば、潤滑性化合物の遊離率は、トナー粒子に含まれる結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、潤滑性化合物の原子の発光から下記式(9)により求められる。
遊離率(個数%)=NLSO×100/(NLC+NLS) ・・・(9)
(ここで、
NLSO:外添剤に含まれる原子のみの発光回数
NLC:炭素原子と同時に発光した外添剤に含まれる原子の発光回数
NLS:外添剤に含まれる原子の発光回数)
(ここで、
NLSO:外添剤に含まれる原子のみの発光回数
NLC:炭素原子と同時に発光した外添剤に含まれる原子の発光回数
NLS:外添剤に含まれる原子の発光回数)
上記式において「同時に発光した」とは、外添剤(潤滑性を有する化合物等)に含まれる原子の発光であって、炭素原子の発光から2.6msec以内の発光をいい、それ以降の外添剤に含まれる原子の発光は外添剤に含まれる原子のみの発光とする。又、炭素原子と外添剤に含まれる原子が同時発光するということは、トナー粒子と同期していることを意味し、外添剤に含まれる原子のみの発光は、外添剤がトナー粒子から遊離していることを意味する。遊離率の測定方法は発光スペクトルを利用したパーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)を使用して測定を行った。
具体的な測定方法は以下の通りである。先ず、トナーサンプルを温度23℃/湿度60%の環境にて、酸素0.1体積%含有のヘリウムガス中で1晩放置して調湿する。測定に際しては、チャンネル1で炭素原子(測定波長247.860nm、Kファクターは推奨値を使用。)、チャンネル2で外添剤に含まれる原子を測定し、1回のスキャンで炭素原子の発光回数が1,000〜1,400回となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光回数が総数で10,000回以上となるまでスキャンを繰り返し、発光回数を積算する。この時、炭素原子の発光回数を縦軸に、炭素原子の三乗根電圧を横軸にとった分布において、この分布が極大を1つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサンプリングして測定を行う。そして、このデータを基に、全原子のノイズカットレベルを1.50Vとし、上記計算式(9)を用い、外添剤の遊離率を算出する。
又、ここでは、外添剤の遊離率とは、トナー母体粒子以外に含まれる外添剤すべての遊離率の積算値と定義する。例えば、外添剤として酸化ケイ素、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムが含まれているときには、Si元素及びTi元素について遊離率を算出し、これらを積算した値が外添剤トータルでの遊離率である。
例えば、外添剤としての流動化剤として、乾式法シリカを、アミノ基を有するカップリング剤或いはシリコーンオイルで処理したものを必要に応じて用いることができる。流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100部に対して、流動化剤を0.01部以上、8部以下、好ましくは0.1部以上、4部以下にて使用するのがよい。
外添剤の疎水化度(メタノールウェッタビリティー)における降下開始点は、粉体濡れ性試験機(WET−100P、レスカ社製)を用いて測定することができる。100mlのビーカーに純水(イオン交換水又は市販の精製水)42mlとメタノール18mlとを入れ、蓋をして超音波分散器などを用いて均一分散させる。試料の外添剤0.5gを精秤して添加し、スターラーを250rpmで回転させながら撹拌し、メタノールを1.3ml/minで添加していく。水溶液に外添剤が沈降、分散しはじめると溶液の透過度が低下するので、この時の下式(10)のθwを、外添剤疎水化度の降下開始点とする。
θw=メタノール/(メタノール+水)[重量%] ・・・(10)
該疎水化度は、40%以上、90%以下の範囲であることが望ましい。疎水化度が40%より小さい場合には、疎水化処理が不十分であり、帯電量の低下、特に高湿環境下で帯電量が著しく低下し、トナー飛散、カブリ、画質劣化などが問題が起こり易くなる。又、疎水化度が90%より大きい場合には、無機微粒子自身の帯電コントロールが困難となり、結果として、特に、低湿環境下でトナー帯電量がチャージアップしてしまうことがある。又、疎水化処理後の粒子合一が発生し、トナー流動性が著しく低下するため好ましくない。尚、本明細書において“疎水化処理を施してある”とは、上記の疎水化度の範囲が40〜90%であることを指し、実施例に於いて疎水化シリカは疎水化度が60〜70%のものを使用した。
該疎水化度は、40%以上、90%以下の範囲であることが望ましい。疎水化度が40%より小さい場合には、疎水化処理が不十分であり、帯電量の低下、特に高湿環境下で帯電量が著しく低下し、トナー飛散、カブリ、画質劣化などが問題が起こり易くなる。又、疎水化度が90%より大きい場合には、無機微粒子自身の帯電コントロールが困難となり、結果として、特に、低湿環境下でトナー帯電量がチャージアップしてしまうことがある。又、疎水化処理後の粒子合一が発生し、トナー流動性が著しく低下するため好ましくない。尚、本明細書において“疎水化処理を施してある”とは、上記の疎水化度の範囲が40〜90%であることを指し、実施例に於いて疎水化シリカは疎水化度が60〜70%のものを使用した。
<キャリア>
2成分系現像剤で使用されるキャリアとしては、磁性体分散型の樹脂キャリア、表面を樹脂でコートしたフェライト等の磁性体単体の磁性キャリア、或いは磁性体分散型の樹脂キャリア等を使用することができる。
2成分系現像剤で使用されるキャリアとしては、磁性体分散型の樹脂キャリア、表面を樹脂でコートしたフェライト等の磁性体単体の磁性キャリア、或いは磁性体分散型の樹脂キャリア等を使用することができる。
磁性キャリア粒子は、樹脂で被覆されていることが好ましく、磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらの材料は、1種類で用いても、複数種類を用いることができる。被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1重量%以上、30重量%以下(好ましくは0.5重量%以上、20重量%以下)が好ましい。
キャリアの平均粒径は10μm以上、100μm以下、好ましくは20μm以上、70μm以下を有することが好ましい。キャリアの平均粒径は、ここでは個数平均粒径で示す。尚、キャリアの個数平均粒径は、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3により測定した。
トナーとキャリアとを混合して2成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2重量%以上、15重量%以下、好ましくは4重量%以上、13重量%以下にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低下しやすく、15重量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
[実験例]
以下、実験例により本発明の効果を具体的に説明する。尚、以下の実験例は本発明を限定するものではない。
以下、実験例により本発明の効果を具体的に説明する。尚、以下の実験例は本発明を限定するものではない。
<1>感光体の作成
表面層(OCL)を有する感光体を下記のように作成した。
表面層(OCL)を有する感光体を下記のように作成した。
先ず、表面層(OCL)より下の層(支持体1を含む。)は、下記の要領で作成した。下引き層7の厚さは0.8μm、電荷発生層(CGL)3の厚さは0.2μm、電荷輸送層(CTL)4の厚さは13μmとした。
<1−1>支持体、下引き層
アルミニウム製の支持体上にメトキシメチル化ナイロン(重量平均分子量32000)5部とアルコール可溶性共重合ナイロン(重量平均分子量29000)10部をメタノール95部に溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が0.8μmの下引き層を形成した。
アルミニウム製の支持体上にメトキシメチル化ナイロン(重量平均分子量32000)5部とアルコール可溶性共重合ナイロン(重量平均分子量29000)10部をメタノール95部に溶解した液をマイヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が0.8μmの下引き層を形成した。
<1−2>電荷発生層(CGL)
次に、下式(化1)のアゾ顔料3部と、下式(化2)のフタロシアニン顔料2部を、シクロヘキサノン95部にブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%、重量平均分子量35000)3部を溶かした溶液に加え、サンドミルを用いて5時間分散した。この液を下引き層上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層(CGL)を形成した。
次に、下式(化1)のアゾ顔料3部と、下式(化2)のフタロシアニン顔料2部を、シクロヘキサノン95部にブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%、重量平均分子量35000)3部を溶かした溶液に加え、サンドミルを用いて5時間分散した。この液を下引き層上にマイヤーバーで塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層(CGL)を形成した。
<1−3>電荷輸送層(CTL)
次に、下式(化3)の電荷輸送物質を7部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(重量平均分子量45,000)10部をモノクロルベンゼン65部に溶解した電荷輸送層溶液を調製し、この溶液を電荷発生層(CGL)上にマイヤーバーで塗布し、100℃で1時間乾燥することによって、膜厚が13μmの電荷輸送層(CTL)4を形成した。
次に、下式(化3)の電荷輸送物質を7部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(重量平均分子量45,000)10部をモノクロルベンゼン65部に溶解した電荷輸送層溶液を調製し、この溶液を電荷発生層(CGL)上にマイヤーバーで塗布し、100℃で1時間乾燥することによって、膜厚が13μmの電荷輸送層(CTL)4を形成した。
<1−4>表面層(硬化型表面保護層)(OCL)
更に、表面層(OCL)5を積層して感光体(表2中感光体No.K1〜K34))を作成した。表面層(OCL)5は、原料に下式(化4)の、重合性電荷輸送性化合物(以下「化合物M1」ともいう。)を含有する。化合物M1は、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物である。この化合物の生成に際して、適宜シリカゲルカラムを通し精製を行い不純物の除去を行った。又、潤滑剤として、フッ素含有樹脂である、テトラフルオロエチレン樹脂を表面層(OCL)に含有させた。
更に、表面層(OCL)5を積層して感光体(表2中感光体No.K1〜K34))を作成した。表面層(OCL)5は、原料に下式(化4)の、重合性電荷輸送性化合物(以下「化合物M1」ともいう。)を含有する。化合物M1は、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物である。この化合物の生成に際して、適宜シリカゲルカラムを通し精製を行い不純物の除去を行った。又、潤滑剤として、フッ素含有樹脂である、テトラフルオロエチレン樹脂を表面層(OCL)に含有させた。
潤滑材として、テトラフルオロエチレン樹脂粒子(ルブロンL−2、ダイキン工業製)26部及びモノクロロベンゼン50部を、ガラスビーズを用いたサンドミル装置で分散させた。このテトラフルオロエチレン樹脂粒子分散液に、上記電荷輸送性化合物(化4)を60部加えて溶解した後、ジクロロメタン30部を加えて表面層用塗料を調製した。
この塗料を、電荷輸送層(CTL)上にコーティングし、加速電圧100kV、線量2.5MRad、感光体の表面温度が120℃の条件で電子線を照射して、樹脂を硬化し、膜厚が6μmの表面層(OCL)を形成した。
基本的には以上のような方法により、総膜厚20μmの感光体K1を得た。又、上記製造方法に対して、電子線量、製造時の感光体の表面温度を振って、感光体K2〜K11を作成した。
又、電荷輸送性化合物として下式(化5、化6)の化合物(以下、それぞれ「化合物M2」、「化合物M3」ともいう。)を含有させることを含め、総膜厚や表面層(OCL)の厚さ等の製造条件を振って、感光体K12〜34を作成した。化合物M2、M3は、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物である。
尚、感光体の総膜厚の調整は、表面層(OCL)及び/又は電荷輸送層(CTL)の厚さを調整することにより行った。
更に、参考として、硬化型表面層(OCL)を有さない感光体KN1〜KN4を作成した。感光体KN1〜KN4については、電荷輸送層(CTL)の厚さを調整することにより、感光体の感光層の厚さ(総膜厚)を調整した。
作成した感光体の膜厚、表面層(OCL)の有無、表面層(OCL)に含有させた電荷輸送性化合物(CTM)等の諸特性は表2に示す通りである。
<2>現像剤の作成
カラー用現像剤として、下記の要領で2成分現像剤を作成した。
カラー用現像剤として、下記の要領で2成分現像剤を作成した。
<2−1>キャリア
2成分現像剤用のキャリアとして、下記の如き新規なキャリアを用いた。但し、2成分現像剤のキャリアとしては、周知のフェライトキャリアなどを使用しても良い。
2成分現像剤用のキャリアとして、下記の如き新規なキャリアを用いた。但し、2成分現像剤のキャリアとしては、周知のフェライトキャリアなどを使用しても良い。
本例においては、キャリア粒子は球形重合キャリアである。本例では、次のような方法によりキャリアを製造した。重合法のモノマーとして、バインダー樹脂と磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物等を添加したモノマー組成物を用意し、これを水系の媒体中で懸濁し、重合させることで球形状のキャリア粒子を得た。尚、キャリアの製造方法は、上記のものに限定されるものではなく、乳化重合法等で生成しても構わない。又、他の添加物が入っていても構わない。
−キャリアの製造例−
個数平均粒径0.24μmの強磁性体であるマグネタイト粉(FeO・Fe2O3)と、個数平均粒径0.60μmの非磁性体のα−Fe2O3粉に対し、夫々5.5重量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で、高速混合撹拌して、各金属酸化物微粒子の親油化処理を行った。
個数平均粒径0.24μmの強磁性体であるマグネタイト粉(FeO・Fe2O3)と、個数平均粒径0.60μmの非磁性体のα−Fe2O3粉に対し、夫々5.5重量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で、高速混合撹拌して、各金属酸化物微粒子の親油化処理を行った。
次いで、上記の各金属酸化物微粒子を含む下記の組成(C1)を、28重量%NH4OH水溶液を含む水からなる水性媒体の入ったフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温して、この温度を維持ながら3時間反応させ、熱硬化させた。続いて、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。その後に、減圧下(5mmHg以下)にて50〜60℃で乾燥して、重合法によって磁性樹脂キャリアを得た。
組成(C1)
・フェノール 10部
・ホルムアルデヒド溶液 6部
(ホルムアルデヒド40重量%、メタノール10重量%、水50重量%)
・親油化処理したマグネタイト粉 60部
・親油化処理したα−Fe2O3粉 40部
更に、上述のようにして得られた磁性樹脂キャリアをコア粒子として、この表面に下記の方法で、熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。磁性キャリア表面のコート樹脂量が1.0重量%となるように、トルエンを溶媒として、10重量%のシリコーン樹脂材料を含むコート溶液を作製した。この溶液に剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、コア粒子表面へのコートを行った。次に、コート溶液がコートされた磁性キャリアを、200℃で1時間キュアし、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、表面にシリコーン樹脂がコートされた磁性体分散型の磁性樹脂キャリアを得た。
・フェノール 10部
・ホルムアルデヒド溶液 6部
(ホルムアルデヒド40重量%、メタノール10重量%、水50重量%)
・親油化処理したマグネタイト粉 60部
・親油化処理したα−Fe2O3粉 40部
更に、上述のようにして得られた磁性樹脂キャリアをコア粒子として、この表面に下記の方法で、熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。磁性キャリア表面のコート樹脂量が1.0重量%となるように、トルエンを溶媒として、10重量%のシリコーン樹脂材料を含むコート溶液を作製した。この溶液に剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、コア粒子表面へのコートを行った。次に、コート溶液がコートされた磁性キャリアを、200℃で1時間キュアし、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、表面にシリコーン樹脂がコートされた磁性体分散型の磁性樹脂キャリアを得た。
上述のようにして得られた磁性樹脂キャリアについて粒径を測定したところ、個数平均粒径は28.3μmであった。尚、キャリアの個数平均粒径は、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3により測定した。
又、上述のようにして得られたキャリアの、1キロエルステッドにおける磁化の強さは129emu/cm3であった。尚、磁化の強さは、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定した。
<2−2>トナー粒子
−重合トナーの製造−
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコに、イオン交換水900部とポリビニルアルコール100部とを投入し、回転数を1200rpm調整し、60℃に加熱して水系媒体を作製した。一方、下記の組成(T1)を混合し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて回転数12,000rpmで撹拌した。更に、これに2,2−アゾビスイソブチロニトリル3部を溶解させた重合性単量体組成物を、先に作製した水系媒体中に投入し、60℃で、窒素気流下でTK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌して、その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去して、更に冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥して重合体トナー粒子を得た。ここでは、黒色トナーの製造例を示す。
−重合トナーの製造−
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコに、イオン交換水900部とポリビニルアルコール100部とを投入し、回転数を1200rpm調整し、60℃に加熱して水系媒体を作製した。一方、下記の組成(T1)を混合し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて回転数12,000rpmで撹拌した。更に、これに2,2−アゾビスイソブチロニトリル3部を溶解させた重合性単量体組成物を、先に作製した水系媒体中に投入し、60℃で、窒素気流下でTK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌して、その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去して、更に冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥して重合体トナー粒子を得た。ここでは、黒色トナーの製造例を示す。
組成(T1)
・スチレン単量体 90部
・n−ブチルアクリレート単量体 22部
・カーボンブラック 10部
・サリチル酸金属化合物 1部
・離型剤 20部
・スチレン単量体 90部
・n−ブチルアクリレート単量体 22部
・カーボンブラック 10部
・サリチル酸金属化合物 1部
・離型剤 20部
続いて、上記の重合体トナー0.9部をメタノール5.0部に分散し、その後、ケイ素化合物として、テトラエトキシシラン0.5部、メチルトリエトキシシラン0.3部を溶解させ、更に、50部のメタノールを添加した。続いて、これに、28重量%NH4OH水溶液10部に対し100部のメタノールを添加した溶液を滴下しながら加え、室温で48時間攪拌した。
反応終了後に、得られた粒子を精製水で洗浄し、次いでメタノールで洗浄した後、粒子を濾別、乾燥した。
上述の方法で得られたトナー粒子の重量平均粒径は6.2μmであった。又、上述の方法で測定される、4.00μm以上、15.04μm未満の粒径範囲での円形度aが0.90以上である粒子を98.5個数%含有していた。
更に、重合条件を振って、各種粒径及び円形度のトナー粒子を得た。
−粉砕トナーの製造−
下記の組成(T2)の材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミル(ホソカワミクロン(株)製)で粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。衝突板は衝突する方向に対して90度となるよう調整した。得られた微粉砕物を風力分級してトナー粒子を得た。その後バッチ式の衝撃式表面処理装置で球形化処理を行い(処理温度40℃、回転式処理ブレード周速60m/sec、処理時間1分)、粉砕トナー粒子を得た。
下記の組成(T2)の材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミル(ホソカワミクロン(株)製)で粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。衝突板は衝突する方向に対して90度となるよう調整した。得られた微粉砕物を風力分級してトナー粒子を得た。その後バッチ式の衝撃式表面処理装置で球形化処理を行い(処理温度40℃、回転式処理ブレード周速60m/sec、処理時間1分)、粉砕トナー粒子を得た。
又、粉砕、分級、球形化処理の条件を振って、各種粒径、円形度のトナー粒子を得た。
組成(T2)
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体 85部
(重量比85/15、Mw=330000)
・飽和ポリエステル樹脂 5部
(Mw=18000)
・負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物) 3.5部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 7部
・ベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス 5部
(DSCにおける昇温測定時の最大吸熱ピーク72℃)
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体 85部
(重量比85/15、Mw=330000)
・飽和ポリエステル樹脂 5部
(Mw=18000)
・負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸の金属化合物) 3.5部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 7部
・ベヘニン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス 5部
(DSCにおける昇温測定時の最大吸熱ピーク72℃)
<2−3>外添剤、外添処理
一方、外添剤に使用する無機微粒子として、個数平均一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が200m2/gの疎水性シリカ微粉体を準備した。
一方、外添剤に使用する無機微粒子として、個数平均一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が200m2/gの疎水性シリカ微粉体を準備した。
その他にも、各種のフッ素系樹脂粉末、微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナや、これらをシランカップリング剤、チタンカッブリング剤、シリコーンオイルで表面処理して疎水性を施した処理品を使用することができる。
本例においては、上記手法で得られたトナー粒子100部に対して、下記2種の処方にて微粒子を外添し、外添剤を含むトナー(重合トナーTJ、及び粉砕トナーTH)を得た。
−外添処方1−
シリカ微粒子 1.2部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.012μm)
チタニア微粒子 0.3部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.03μm)
−外添処方2−
シリカ微粒子 0.7部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.012μm)
チタニア微粒子 0.3部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.03μm)
チタン酸ストロンチウム微粒子 0.5部
(シリコーンオイル処理有無、一次粒径0.07〜2.0μm)
−外添工程−
トナー粒子100部に対し、上記の外添剤(外添処方1又は2)を加え、三井三池化工機(株)製ヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽根の周速を40m/secとして3分間混合し、非磁性トナーを調製した。
シリカ微粒子 1.2部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.012μm)
チタニア微粒子 0.3部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.03μm)
−外添処方2−
シリカ微粒子 0.7部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.012μm)
チタニア微粒子 0.3部
(シリコーンオイル処理、一次粒径0.03μm)
チタン酸ストロンチウム微粒子 0.5部
(シリコーンオイル処理有無、一次粒径0.07〜2.0μm)
−外添工程−
トナー粒子100部に対し、上記の外添剤(外添処方1又は2)を加え、三井三池化工機(株)製ヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽根の周速を40m/secとして3分間混合し、非磁性トナーを調製した。
各トナー粒子毎に外添処方、或いは攪拌羽根の周速及び時間等を調整し、外添剤の遊離率が45個数%の各種トナー(重合トナーTJ1〜11、粉砕トナーTH1〜13)を得た。作成されたトナーは、外添剤を有するオイルレス非磁性トナー(非磁性ワックス内添トナー)である。
作成したトナーについて、トナー粒子、チタン酸ストロンチウム微粒子(STC)の各物性を表1に示す。
<2−4>現像剤の調整
現像剤として、前述の磁性樹脂キャリア(C)と、非磁性トナー(T)を、重量比でT/(C+T)=8%になるように混合し、十分に攪拌して現像器用現像剤を作製した。非磁性トナー(T)を耐久試験中の補給用現像剤とした。
現像剤として、前述の磁性樹脂キャリア(C)と、非磁性トナー(T)を、重量比でT/(C+T)=8%になるように混合し、十分に攪拌して現像器用現像剤を作製した。非磁性トナー(T)を耐久試験中の補給用現像剤とした。
<3>評価装置
キヤノン(株)製IR6000を改造して、評価装置として使用した。
キヤノン(株)製IR6000を改造して、評価装置として使用した。
IR6000は、図1の如きロータリー式の4色の現像器140を有するカラー画像形成装置に改造した。
又、像露光手段にレーザーを使用する改造機(以下「レーザー機」という。)と、LEDを使用する改造機(以下「LED機」という。)を用意した。
レーザー機は、像露光光源であるレーザー131を波長405nm、40mWの半導体レーザー素子に改造し、該レーザーの発振速度と回転多面鏡132の回転速度、即ち、解像度(dpi)を600〜3600dpiで調節できるようにした。又、回転多面鏡132は、各鏡の大きさを振ったものを用意した。
一方、LED機は、像露光照射位置に、600〜3600dpiで、中心波長405nmのLED136を並べた基板135を有する。又、この基板135と感光体101の表面の光路上に、LED136の反値幅に対して開口幅を振ったスリット138を、LEDと同解像度で設置した。
主走査方向(感光体の表面移動方向と略直交する方向)の解像度×副走査方向(主走査方向と略直交する方向)の解像度を、600dpi(1200dpi、又は2400dpi)×400dpiとした。
レーザー機の場合、回転多面鏡132の反射面132aに入射する位置でのレーザースポットの主走査方向幅をD1、回転多面鏡132の1つの反射面の主走査方向幅W1としたとき、D1、W1を振ることでD1/W1を振り、D/Wを調整したものを用意した。一方、LED機の場合、LED136で発生した光を通過させるスリット138に入射する位置での光の主走査方向幅をD2、スリットの主走査方向幅(開口幅)をW2としたとき、D2、W2を振ることでD2/W2を振り、D/Wを調整したものを用意した。
現像器140は、反転現像方式、即ち、被露光部が現像される(IAE)ように改造した。又、現像器140は2成分現像方式に変更した。
感光体101は、前述のようにして作製したネガ帯電性の感光体101を使用した。上記の如く反転現像で画像形成できるように、電源の極性変更等を行った。
現像剤は前述の2成分現像剤(外添剤を有する非磁性ワックス内添トナー、磁性キャリアからなる)とし、定着器111をこの現像剤に適応するように改造した。
感光体101の面速度(周速度:プロセススピード)を調整できるようにした。当然ながら、紙搬送や現像手段、転写手段等も、該プロセススピードに同調して速度が調整される。
クリーニング装置107に回収された転写残トナーや紙粉等は、廃トナー搬送手段107cにより廃トナーボックスに回収されるようにした。
又、電位評価を行えるように、露光量や帯電条件の調整を可能としたり、電位計の設置を可能とする等のための改造を施した。尚、本例では、電位計はTRek社製344、555P−1を用い、専用治具にて現像部に設置して電位を測定した。評価装置に既存の内部電位計を、現像器140の直上に移動する改造を施し、画像形成中もこの内部電位計用いて感光体の表面電位をモニターしてもよい。本例においては、前者の手法にて電位モニターを行った。
クリーニング装置107は、IR6000において設けられているマグネットローラを別の摺擦部材107bが取り付けられるようにし、更にこの摺擦部材を駆動できるようにした。
つまり、感光体101の摺擦、又転写残現像剤の塗付制御部材として、周知の方法でφ8mmの芯金上にカーボンを分散した発泡ウレタンからなる弾性ローラDR1を作成した。この弾性ローラDR1は、平均孔径がφ100μmの単泡セルを多数有する。この弾性ローラのAskerC硬度は20度であり、感光体101に0.5mm侵入するように設置した。又、クリーニング装置107内には、弾性ローラDR1に0.2mm侵入するようにスクレーパー107dを作成した。
又、カーボンを分散させた2tex(18D)のレーヨンを使用し、9.3×103f/cm2(60kf/inch2)で感光体に1.5mm侵入するように、ブラシローラBR1を作成した。又、クリーニング装置107内には、このブラシローラBR1に0.5mm侵入するようにスクレーパーを作成した。このブラシローラは、感光体に当接するように設置した。
上述のような摺擦部材(弾性ローラ及び該ブラシローラ)107bは、必要に応じて評価装置に設置し、感光体101の駆動に同調して任意の面速度(周速度)で回転駆動できるようにした。
上述のような摺擦部材(弾性ローラ及び該ブラシローラ)107bの駆動条件は、感光体101の面速度Sに対する相対速度[%]で示す。尚、+は感光体101に対し順方向(感光体101との当接部において感光体101の表面移動方向と同方向に移動するように回転)、−はカウンター方向(感光体101との当接部において感光体101の表面移動方向と逆方向に移動するように回転)であり、例えば+100%は感光体101と連れ回る状態、0%は停止状態、−100%は、感光体101の面速度と同速度でカウンター方向に回転している状態を指す。又、感光体101と摺擦部材107bの相対速度差の絶対値ΔS[m/sec]は、感光体101の面速度Sと相対速度差から算出することができる。
<4>評価
レーザー機を使用し、クリーニング手段はIR6000のマグネットローラを弾性ローラDR1に交換し、+120%(相対速度差は20%)で駆動した。
レーザー機を使用し、クリーニング手段はIR6000のマグネットローラを弾性ローラDR1に交換し、+120%(相対速度差は20%)で駆動した。
<4−1>感光体の物性評価
前述の方法で、作成した感光体のユニバーサル硬度HU[N/mm2]及び弾性変形率We[%]を測定した。
前述の方法で、作成した感光体のユニバーサル硬度HU[N/mm2]及び弾性変形率We[%]を測定した。
<4−2>感光体の電気的特性評価
評価装置の現像手段、転写手段を感光体から離脱させ、感光体の電気的特性を評価した。尚、特に指定が無い場合、表面電位とは、現像手段の対向位置(現像部)での感光体の表面電位を指す。
評価装置の現像手段、転写手段を感光体から離脱させ、感光体の電気的特性を評価した。尚、特に指定が無い場合、表面電位とは、現像手段の対向位置(現像部)での感光体の表面電位を指す。
又、上述の電気的特性評価後、感光体から離脱させた現像手段、転写手段を再設置し、トナーTJ1を用いて耐刷試験を行った。
−初期特性−
初期の感光体の電気特性評価を次のようにして行った。現像手段を取り外し、電位計を設置した。帯電手段であるスコロトロンのワイヤには−800μAの電流を印加し、グリッドには吸込み電源を用いて−750V迄が印加されるようにした。この状態で暗部電位(Vd)を測定した。次に、グリッドへの印加電圧を調整して暗部電位−700Vに設定し、明部電位(Vl)が−150Vとなるように光減衰させるために必要な光量としてVl光量(感度)を測定した。又、Vl光量の3倍の光量(Vr光量)を照射したときの電位として残留電位Vrを測定した。感光体KN1を用いて評価した結果、Vl感度は0.145μJ/cm2、Vrは−20Vであった。
初期の感光体の電気特性評価を次のようにして行った。現像手段を取り外し、電位計を設置した。帯電手段であるスコロトロンのワイヤには−800μAの電流を印加し、グリッドには吸込み電源を用いて−750V迄が印加されるようにした。この状態で暗部電位(Vd)を測定した。次に、グリッドへの印加電圧を調整して暗部電位−700Vに設定し、明部電位(Vl)が−150Vとなるように光減衰させるために必要な光量としてVl光量(感度)を測定した。又、Vl光量の3倍の光量(Vr光量)を照射したときの電位として残留電位Vrを測定した。感光体KN1を用いて評価した結果、Vl感度は0.145μJ/cm2、Vrは−20Vであった。
感光体KN1で得られたVl光量0.145μJ/cm2、Vr光量0.435μJ/cm2を基準として、他の感光体についても同様の評価を行った。
−繰り返し特性及び環境特性−
常温常湿下(N/N環境:温度23℃/湿度55%)で初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、ハーフトーン画像をA3サイズで5000枚形成する耐刷試験を行い、その後、暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)の変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。
常温常湿下(N/N環境:温度23℃/湿度55%)で初期暗部電位(Vd)及び初期明部電位(Vl)をそれぞれ−700V、−200V付近に設定し、ハーフトーン画像をA3サイズで5000枚形成する耐刷試験を行い、その後、暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)の変動量(ΔVd、ΔVl)を測定した。
その後、環境を高温高湿(H/H環境:温度33℃/湿度85%)に変え、上記N/N環境と同様の暗部電位(Vd)、明部電位(Vl)、耐刷試験を行い、暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)の変動量を測定した。
電位変動量は環境間、又耐刷による変動を全て考慮し、変動幅の最大値を、絶対値で表す。
−光メモリー−
感光体の初期暗部電位(Vd)を−700Vに設定し、405nmの単色光での初期明部電位(Vl)を−200V付近に設定した。次に、感光体の長手方向の一部に、光強度を20μW/cm2としてベタ画像を形成する。上記繰返し評価の如く、この一部ベタ画像をA3サイズで100枚形成するのに相当する帯電及び露光を繰返した後、再度感光体の暗部電位(Vd)、明部電位(Vl)を測定した。そして、光メモリーとして非照射部と照射部の暗部電位(Vd)の差(Memd)、及び非照射部と照射部の明部電位(Vl)の差(Meml)を測定した。電位差は絶対値で表す。
感光体の初期暗部電位(Vd)を−700Vに設定し、405nmの単色光での初期明部電位(Vl)を−200V付近に設定した。次に、感光体の長手方向の一部に、光強度を20μW/cm2としてベタ画像を形成する。上記繰返し評価の如く、この一部ベタ画像をA3サイズで100枚形成するのに相当する帯電及び露光を繰返した後、再度感光体の暗部電位(Vd)、明部電位(Vl)を測定した。そして、光メモリーとして非照射部と照射部の暗部電位(Vd)の差(Memd)、及び非照射部と照射部の明部電位(Vl)の差(Meml)を測定した。電位差は絶対値で表す。
−耐刷磨耗量−
感光体の初期と、上記一連の評価後とに、感光体の総膜厚を測定し、両者の差分を磨耗量とした。
感光体の初期と、上記一連の評価後とに、感光体の総膜厚を測定し、両者の差分を磨耗量とした。
以上の各評価結果を表2に示す。
表2より、表面層を有していない感光体KN1〜KN4、表面層を有する感光体K1〜K34のいずれも、初期明部電位(Vl)の絶対値は170V以下(いずれもマイナス極性)、初期残留電位(Vr)の絶対値は25V以下(いずれもマイナス極性)であった。又、繰返し或いは環境による暗部電位(Vd)、明部電位(Vl)の変動量(ΔVd、ΔVl)は、共に30V以下であった。又、光メモリー(Memd、Meml)は、いずれも7V以下であった。表面層(OCL)を積層することによる電気的特性の低下は殆ど無く、実用範囲で問題ないレベルであった。
又、表面層(OCL)を積層し、HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、Weが40%以上、65%以下である系では、多くても磨耗量が10K(10000枚)当りで0.1μm以下と、非常に低下している。
この他、特に表面層(OCL)の膜厚が5μm以下である場合、初期明部電位(Vl)の絶対値がいずれも160V以下(いずれもマイナス極性)と、特に良好な結果が得られた。
表面層(OCL)の膜厚が0.5μm、1μm、1.5μm(2μm未満)の感光体では、一部でキズが発生したり、局所的に磨耗が大きくなる場合があった。又、この場合、クリーニング部材に異物を挟み込むなど、何らかの事故の際など、傷が入りやすくなったり、キズが成長する場合があった。
又、本実験例で作成した各感光体について、分光感度の測定を行った所、いずれも380nm以上、500nm以下の範囲で実用可能範囲の感度を有していた。
−潜像の深さ・シャープさ−
上記表2の感光体と同一条件で作成した感光体について、1ドット1スペースの潜像を形成したときの潜像電位を測定した。又、潜像のシャープさを測定・評価した
前述の如く、感光層の薄膜である方が、露光による潜像が潜像電位としてシャープに再現されることが確認された。特に、感光層の厚さ(総膜厚)が20μm以下の時に、シャープな潜像電位が形成された。
上記表2の感光体と同一条件で作成した感光体について、1ドット1スペースの潜像を形成したときの潜像電位を測定した。又、潜像のシャープさを測定・評価した
前述の如く、感光層の薄膜である方が、露光による潜像が潜像電位としてシャープに再現されることが確認された。特に、感光層の厚さ(総膜厚)が20μm以下の時に、シャープな潜像電位が形成された。
又、感光体の表面から延びる電気力線についても、感光層が薄膜である方が強く、又発散が少なく、感光体の表面から離れた位置まで達していた。
図19に示すように、現像手段、及び現像剤を磁性1成分現像(ジャンピング現像方式)にして、ドット状の潜像形成の後に現像の直流成分を振り、各直流成分の電圧値時に現像された感光体上のドットトナー像の直径を測定し、グラフにすることにより、上記潜像のシャープさを評価した。又、現像手段と感光体表面の距離を振って、上記の潜像のシャープさの測定と同様の測定を行うことで、電気力線の評価を行った。
感光体K1及びKN1の電荷輸送層(CTL)を薄くして、感光層の厚さ(総膜厚)を更に薄くする実験を行った。その結果、薄膜化に応じて潜像及び電気力線はシャープになることが分かった。一方、暗減衰の増加や絶縁破壊(リーク)が生じる場合があり、感光層の総膜厚は3μm以上が望ましい。より好ましくは5μm以上である。
又、現像バイアスの直流成分Vdcを変化させて、現像コントラスト(|Vdc−Vl|)を振り、感光体上に現像されたドットサイズの変化を評価した一例を図18に示す。図18は、主走査方向の解像度600dpi、OFSにて評価した結果を示す。図18の「45μ」に総膜厚が45μmの感光体KN3でのドットプロファイル、又「20μ」に総膜厚が20μmの感光体K1でのドットプロファイル結果を示す。「45μ」ではドットプロファイルが浅くブロードなのに対し、「20μ」では深くなっており、ドット再現性の向上が見られた。
潜像がシャープになり、ドット再現性が向上することで、電位に対する画像濃度変動が小さくなり、濃度ムラ、階調性でも向上が見られた。
[実施例]
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
−評価準備・条件−
<実施例1>
感光体K1(実施例1−1)、K4(実施例1−2)、K11(実施例1−3)、及び現像剤TH11(実施例1−1〜実施例1−3)を用いる。光源スポット径D=42.33μm、波長405nmのレーザーを使用する。回転多面鏡による露光スポット径(感光体の表面における主走査方向の実際の露光スポット幅)W=37.00μmで、主走査方向の解像度を600dpiにする。クリーニング手段はクリーニングブレードのみとする。そして、上記実験例と同様に、感光体の暗部電位(Vd)=−700V、明部電位(Vl)=−150Vとなるように帯電条件及び露光光量を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
<実施例1>
感光体K1(実施例1−1)、K4(実施例1−2)、K11(実施例1−3)、及び現像剤TH11(実施例1−1〜実施例1−3)を用いる。光源スポット径D=42.33μm、波長405nmのレーザーを使用する。回転多面鏡による露光スポット径(感光体の表面における主走査方向の実際の露光スポット幅)W=37.00μmで、主走査方向の解像度を600dpiにする。クリーニング手段はクリーニングブレードのみとする。そして、上記実験例と同様に、感光体の暗部電位(Vd)=−700V、明部電位(Vl)=−150Vとなるように帯電条件及び露光光量を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
<実施例2>
感光体K19(実施例2−1)、K20(実施例2−2)、K21(実施例2−3)、及び現像剤TH11(実施例2−1)、TH12(実施例2−2)、TH13(実施例2−3)を用いる。光源スポット径D=42.33μm、波長405nmのLEDを使用する。スリットによる露光スポット径(感光体の表面における主走査方向の実際の露光スポット幅)W=37.00μmで、主走査方向の解像度を600dpiにする。クリーニング手段はクリーニングブレードのみとする。この状態で、実施例1と同様に、感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
感光体K19(実施例2−1)、K20(実施例2−2)、K21(実施例2−3)、及び現像剤TH11(実施例2−1)、TH12(実施例2−2)、TH13(実施例2−3)を用いる。光源スポット径D=42.33μm、波長405nmのLEDを使用する。スリットによる露光スポット径(感光体の表面における主走査方向の実際の露光スポット幅)W=37.00μmで、主走査方向の解像度を600dpiにする。クリーニング手段はクリーニングブレードのみとする。この状態で、実施例1と同様に、感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
<実施例3〜13>
感光体、現像剤、波長405nmの光源スポット径、回転多面鏡によるスポット径、主走査方向の解像度、及びクリーニング手段の条件を振った。この状態で、実施例1と同様に、感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
感光体、現像剤、波長405nmの光源スポット径、回転多面鏡によるスポット径、主走査方向の解像度、及びクリーニング手段の条件を振った。この状態で、実施例1と同様に、感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
<実施例14〜15>
実施例14は電子線硬化型のOCLを有する感光体K12(実施例14−1)、K15(実施例14−2)、K17(実施例14−3)、K16(実施例14−4)を使用し、実施例15では熱硬化型表面層(OCL)を有する感光体K15’(実施例15−1)、K16’(実施例15−2)、K14’(実施例15−3)、K18(実施例15−4)を使用した。尚、表3中の感光体K14’、K15’、K16’は、各々電子線硬化型表面層(OCL)を有する感光体K14、K15、K16と同等物性の感光体を熱硬化型表面層(OCL)を設けて作成したものである。この中で、現像剤、光源スポット径、及びクリーニング手段の条件を振った。主走査方向の解像度は1200dpiにする。この状態で、実施例1と同様に、感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
実施例14は電子線硬化型のOCLを有する感光体K12(実施例14−1)、K15(実施例14−2)、K17(実施例14−3)、K16(実施例14−4)を使用し、実施例15では熱硬化型表面層(OCL)を有する感光体K15’(実施例15−1)、K16’(実施例15−2)、K14’(実施例15−3)、K18(実施例15−4)を使用した。尚、表3中の感光体K14’、K15’、K16’は、各々電子線硬化型表面層(OCL)を有する感光体K14、K15、K16と同等物性の感光体を熱硬化型表面層(OCL)を設けて作成したものである。この中で、現像剤、光源スポット径、及びクリーニング手段の条件を振った。主走査方向の解像度は1200dpiにする。この状態で、実施例1と同様に、感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3、4に示す。
<比較例1〜5>
比較例1(比較例1−1〜1−2)、比較例2(比較例2−1〜2−2)、比較例3(比較例3−1〜3−2)、比較例4及び比較例5では、感光体、現像剤、像露光の波長やスポット径の条件を振った。主走査方向の解像度は600dpiにする。この状態で、実施例1と同様に、該感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3に示す。
比較例1(比較例1−1〜1−2)、比較例2(比較例2−1〜2−2)、比較例3(比較例3−1〜3−2)、比較例4及び比較例5では、感光体、現像剤、像露光の波長やスポット径の条件を振った。主走査方向の解像度は600dpiにする。この状態で、実施例1と同様に、該感光体の電位を調整した。詳細な条件は表3に示す。
(耐刷試験・評価)
上記各実施例及び比較例について、電位調整後、A4サイズで5%duty(印字率)の画像をN/N環境、H/H環境、N/L(温度23℃/湿度5%)環境で各500K(500000)枚、合計1500K(1500000)枚の耐刷試験を行った。
上記各実施例及び比較例について、電位調整後、A4サイズで5%duty(印字率)の画像をN/N環境、H/H環境、N/L(温度23℃/湿度5%)環境で各500K(500000)枚、合計1500K(1500000)枚の耐刷試験を行った。
耐刷試験中、50(50000)K枚毎に、精細度、画像濃度、カブリ、諧調性、トナーのトリボ、画像欠陥の評価を行った。各評価項目について、耐久初期、即ち、N/N初期のデータ、及び耐久或いは環境による変動の最低値を結果として表5に示す。尚、各評価方法、及び判定基準は下記の通りである。
−精細度評価−
N/N環境下で400線、600線、800線、及び1ドット1スペースの画像形成をA4で各10枚行い、細線、各ドットの間隔部分、及びエッヂ部分を、目視観察及び顕微鏡観察して、精細度を確認した。判定基準は、下記の通りである。
N/N環境下で400線、600線、800線、及び1ドット1スペースの画像形成をA4で各10枚行い、細線、各ドットの間隔部分、及びエッヂ部分を、目視観察及び顕微鏡観察して、精細度を確認した。判定基準は、下記の通りである。
◎:濃度変化0.15以内、且つ、全画像において感光体上、画像上共に非常に良好
○:濃度変化0.2以内、且つ、800線、及び/又は1ドット1スペースで、ドットエッヂに顕微鏡レベルで飛散り、丸みがあるものがあるが、目視レベルでは問題無し/良好
●:濃度変化0.25以内、且つ、400線又は600線で細線の間隔部に飛散り見られる場合があるが、目視で特に問題にならないレベル/実用可能又は従来並
×:上記以外(濃度変化0.25より大、400線で線間が潰れる、又はドットがぼやけて、見えない)/実用上問題あり
○:濃度変化0.2以内、且つ、800線、及び/又は1ドット1スペースで、ドットエッヂに顕微鏡レベルで飛散り、丸みがあるものがあるが、目視レベルでは問題無し/良好
●:濃度変化0.25以内、且つ、400線又は600線で細線の間隔部に飛散り見られる場合があるが、目視で特に問題にならないレベル/実用可能又は従来並
×:上記以外(濃度変化0.25より大、400線で線間が潰れる、又はドットがぼやけて、見えない)/実用上問題あり
−画像濃度−
画像濃度は、普通紙上に直径20mmのベタパッチ(オリジナル原稿濃度1.5)を5ヶ所形成し、SPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスデンシトメータRD918タイプ(Macbeth Densitometer RD918manufactured by Macbeth Co.)を使用して、平均画像濃度として測定した。
画像濃度は、普通紙上に直径20mmのベタパッチ(オリジナル原稿濃度1.5)を5ヶ所形成し、SPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスデンシトメータRD918タイプ(Macbeth Densitometer RD918manufactured by Macbeth Co.)を使用して、平均画像濃度として測定した。
画像濃度は、1.25以上が好ましい。より好ましくは1.30以上である。又、耐久や環境による変動は0.1以内が好ましく、より好ましくは0.07以内である。
−階調再現性評価−
階調再現性は、各実施例及び比較例の装置において像露光の照射量を256階調分直線的に変化させた場合に、画像濃度が照射量に比例する部分で定義される。図12に階調再現性の測定の模式図を示す。図12中の直線領域が広い方が階調再現性が良い。
階調再現性は、各実施例及び比較例の装置において像露光の照射量を256階調分直線的に変化させた場合に、画像濃度が照射量に比例する部分で定義される。図12に階調再現性の測定の模式図を示す。図12中の直線領域が広い方が階調再現性が良い。
ここでは、階調再現性は、IR6000製品に感光体KN3を設置した場合の初期の階調再現性を1.0として、相対比で示す。数値が大の方が階調再現性が良い。
−カブリ−
評価装置に通紙する前の普通紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFRECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙を通紙してベタ白画像(印字率0%)印字した。次いで、ベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式(11)から算出する。
評価装置に通紙する前の普通紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFRECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙を通紙してベタ白画像(印字率0%)印字した。次いで、ベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式(11)から算出する。
Fog(%)=Dr(%)−Ds(%) ・・・(11)
−トナーのトリボ−
測定環境下において、ブローオフ法に基づき以下の方法により測定する。先ず、500メッシュのスクリーンのある金属製の測定容器に、摩擦帯電量を測定しようとする現像剤(トナー)を約0.5gを入れ、金属製の蓋をする。この時、測定容器全体の重量を秤り、α1[g]とする。次に、吸引機(測定容器と接する部分は少なくとも絶緑体)において、圧力が250mmAqとなるように風量調節弁を調整しながら吸引口から吸引する。この状態で十分、好ましくは2分間吸引を行い、トナー吸引除去容量をC[μF]とする。吸引後の測定容器全体の重量を秤り、α2[g]とする。トナーのトリボ[mC/kg]は、下記(12)の如く計算される。
測定環境下において、ブローオフ法に基づき以下の方法により測定する。先ず、500メッシュのスクリーンのある金属製の測定容器に、摩擦帯電量を測定しようとする現像剤(トナー)を約0.5gを入れ、金属製の蓋をする。この時、測定容器全体の重量を秤り、α1[g]とする。次に、吸引機(測定容器と接する部分は少なくとも絶緑体)において、圧力が250mmAqとなるように風量調節弁を調整しながら吸引口から吸引する。この状態で十分、好ましくは2分間吸引を行い、トナー吸引除去容量をC[μF]とする。吸引後の測定容器全体の重量を秤り、α2[g]とする。トナーのトリボ[mC/kg]は、下記(12)の如く計算される。
トナーの摩擦帯電量[mC/kg]=C×V/(α1−α2) ・・・(12)
−画像欠陥−
画像欠陥は、ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、及び2トーン画像から、大きさと個数を測定し、0.1mm以上の幅の帯状の欠陥、又は0.1mm以上の黒ポチ(黒い斑点)若しくは白ポチ(白い斑点)が最も多い画像において、A3サイズ紙1枚中に何個あるかを観察し、又同時に感光体表面観察して、その結果を合せて判定した。判定基準は、下記の通りである。
画像欠陥は、ハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像、及び2トーン画像から、大きさと個数を測定し、0.1mm以上の幅の帯状の欠陥、又は0.1mm以上の黒ポチ(黒い斑点)若しくは白ポチ(白い斑点)が最も多い画像において、A3サイズ紙1枚中に何個あるかを観察し、又同時に感光体表面観察して、その結果を合せて判定した。判定基準は、下記の通りである。
◎:感光体の表面、画像上共に非常に良好
○:0.1mm以内の斑点が画像上3個以内、且つ、0.3mm以上の斑点無し。帯状欠陥は長さ5mm以下で、且つ、幅0.3mm以内の画像欠陥が画像上5ヵ所以内/実用可能
●:0.3mm以内の斑点が画像上5個以内、且つ、0.5mm以上の斑点無し。長さ10mm以内、且つ、幅0.5mm以内の帯状欠陥が画像上5ヵ所以内である。更に、10mmを超える、又は幅0.5mmを超える帯状欠陥無し/実用可能
×:上記以外(5個以上又は0.5mm以上の斑点有り。或いは、帯状欠陥が5ヵ所以上ある。或いは、長さ10mm以上又は幅0.5mmを超える帯状欠陥有り)/実用上問題あり
○:0.1mm以内の斑点が画像上3個以内、且つ、0.3mm以上の斑点無し。帯状欠陥は長さ5mm以下で、且つ、幅0.3mm以内の画像欠陥が画像上5ヵ所以内/実用可能
●:0.3mm以内の斑点が画像上5個以内、且つ、0.5mm以上の斑点無し。長さ10mm以内、且つ、幅0.5mm以内の帯状欠陥が画像上5ヵ所以内である。更に、10mmを超える、又は幅0.5mmを超える帯状欠陥無し/実用可能
×:上記以外(5個以上又は0.5mm以上の斑点有り。或いは、帯状欠陥が5ヵ所以上ある。或いは、長さ10mm以上又は幅0.5mmを超える帯状欠陥有り)/実用上問題あり
<結果>
表5より、感光層の膜厚が20μm以下で、HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、Weが40%以上、65%以下で、像露光に380nm以上、500nmといった短波長光を用い、そして像露光に用いる光の光量分布の裾部(端部)側を使用しない時、つまり、光源スポット径Dと、感光体の表面の主走査方向での実際の露光スポット幅Wとの比D/Wが、D/W>1.0である時、高精細で良好な画像を、長期に安定して得られた。例えば、総膜厚については実施例2−3と比較例3−2、HU、Weについては比較例2−1、2−2、比較例3−1、波長については比較例4及び5、OFSであるか否かについては比較例1−2〜3−2の結果に示される。
表5より、感光層の膜厚が20μm以下で、HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、Weが40%以上、65%以下で、像露光に380nm以上、500nmといった短波長光を用い、そして像露光に用いる光の光量分布の裾部(端部)側を使用しない時、つまり、光源スポット径Dと、感光体の表面の主走査方向での実際の露光スポット幅Wとの比D/Wが、D/W>1.0である時、高精細で良好な画像を、長期に安定して得られた。例えば、総膜厚については実施例2−3と比較例3−2、HU、Weについては比較例2−1、2−2、比較例3−1、波長については比較例4及び5、OFSであるか否かについては比較例1−2〜3−2の結果に示される。
薄膜の感光体と、短波長光での像露光により、再現性良くシャープな潜像が形成されることに加え、像露光起因でドットがぼやける要因である、露光量分布を除外する作用による効果と考えられる。
更に、露光手段とD/Wの比を規定された範囲、即ち、レーザースキャナーを使用する場合にはDとWとの比を、
3.0≧D/W≧1.5
とし、又、LED露光装置を使用する場合にはDとWとの比を、
2.0≧D/W≧1.5
とすることによって光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像が得られた。実施例1〜3は範囲外の例であり、実施例4〜15−4は範囲内の例である。
3.0≧D/W≧1.5
とし、又、LED露光装置を使用する場合にはDとWとの比を、
2.0≧D/W≧1.5
とすることによって光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像が得られた。実施例1〜3は範囲外の例であり、実施例4〜15−4は範囲内の例である。
上述のように、D/Wは、レーザースキャナーを用いる場合はD1/W1、LEDを用いる場合はD2/W2に相当する。従って、上記結果より、露光手段がレーザーを用いる場合は下式(4)、LEDを用いる場合は下式(5)を満たすことによって、光学的な損失を抑制しながら、高画質な画像が得られることが分かる。
3.0≧D1/W1≧1.5 ・・・(4)
2.0≧D2/W2≧1.5 ・・・(5)
2.0≧D2/W2≧1.5 ・・・(5)
又、感光体に照射される実際の露光スポットの面積をSE[μm2]と、感光体の表面における主走査方向での露光スポットの幅をW[μm]、感光体の非露光部の電界をE[V/μm]としたとき、下記式(1)、(2)及び(3)を満たす時、更に高精細、階調再現性の良好な画像が得られた。実施例1〜2は範囲外の例であり、実施例3〜15−4は範囲内の例である。
d×SE≦20000[μm3] ・・・(1)
且つ、
W×0.7≦d≦W×1.5 ・・・(2)
且つ、
25≦E≦70 ・・・(3)
且つ、
W×0.7≦d≦W×1.5 ・・・(2)
且つ、
25≦E≦70 ・・・(3)
又、図18に、現像バイアスの直流成分Vdcを変化させて、現像コントラスト(|Vdc−Vl|)を振り、感光体上に現像されたドットサイズの変化を評価した結果を示す。同図中、破線(「20μII(UFS)」)は、感光体K29を使用した実施例9をUFSに変更したシステムでドット再現性を評価した結果をで示す。この場合、d×SE、d、W、Eは上式(1)及び(3)を満たすが上式(2)を満たさない。
「20μII(USF)」の結果は、上記式(1)及び(3)を満たすことで、同図中の「20μ」の結果よりも、更にドットプロファイルがシャープで深くなり、ドット再現性が良好であることを示す。即ち、画質のラチチュードが向上していることを示す。
又、実施例9のままのOFSで評価した結果を、図18の実線(「20μII(OFS)」)で示す。この場合、d×SE、d、W、Eは上式(1)〜(3)を満たす。「20μII(OFS)」の結果は、上記「20μII(UFS)のドット再現性プロファイルに乗り、更にそのプロファイルの深い部分のみになっていることがわかる。即ち、上記式(1)、(2)及び(3)を満たすことで、更にドット再現性が良好になっていることが分かる。
又、トナー粒子の平均粒径が3μm以上、8μm以下で、前述のようにして求まる円形度aが0.90以上の粒子が90個数%以上の時に、潜像に対する再現性の良い、非常に良好な画像が得られた。例えば、実施例2−1は、平均粒径、円形度の両方が範囲外の例であり、実施例2−2、2−3が各々円形度a、平均粒径が範囲外の例である。又、実施例14は、平均粒径、円形度の両方が範囲内の例である。トナー粒径が大きすぎるとドットのエッヂ部が鈍る場合があった。一方、小さすぎるとカブリ等が発生し易くなる。又、該トナー粒子の円形度aは、0.90以上という、球形に近いものが現像性、転写性に優れ、良好な画像が得られた。
又、外添剤に一次粒径が0.07μm以上1.0μm以下の粒子を使用した時に、耐刷を通じて非常に良好な画像が得られた。これは、トナー粒子が球形に近い形状を有することで転写性や現像性がよくなることに加えて、上記の如き外添剤を併用することで外添剤がトナー粒子と感光体の間のスペーサーとして働き、潜像に対するトナー粒子の静電的な付着、或いは非潜像部での、トナーの現像バイアスによる感光体からの離脱を好適に維持していることによると考えられる。
画像濃度は、初期で1.30以上、耐久、或いは環境による最低値でも1.25以上と良好な結果が得られた。特に、実施例14〜15では1.30以上と、非常に良好な結果が得られた。
階調再現性も、20μm以下の薄膜で良好な結果が得られた。例えば、
実施例2−3と比較例3−2の結果に示される。
実施例2−3と比較例3−2の結果に示される。
カブリは、初期で0.3%以下、耐久、或いは環境による最低値でも0.8%以下の良好な結果が得られた。
又、トナーのトリボは26.0mC/kg以上、29.0mC/kg以下で、N/Nの初期に対し、耐久或いは環境での変化分(Δ)は、トナー粒子の粒径・円形度や、外添剤の規定により、1.0mC/kgと減少傾向にあり、良好な結果が得られた。
−その他−
上記各項目について、更に、クリーニング手段である弾性ブレードのtanδピーク温度が、30℃以下のとき、又更にクリーニング補助部材とてファーブラシや弾性ローラを使用した系では耐久性が高く、長期に高画質を維持できた。
上記各項目について、更に、クリーニング手段である弾性ブレードのtanδピーク温度が、30℃以下のとき、又更にクリーニング補助部材とてファーブラシや弾性ローラを使用した系では耐久性が高く、長期に高画質を維持できた。
<実施例16>
現像剤作成において、トナー粒子及び外添剤はの基本処方は表1に示すトナーTH2と同じとして、外添処理の攪拌羽根の周速、及び外添時間を調整し、キャリアからのトナーの遊離率の異なる各種のトナーを作成した。トナーTHを使用することを除いて実施例9と同じ構成とした実施例9−2、及び上述のように遊離率が異なる現像剤TH2〜TH2−22を使用することを除いて実施例9と同じ構成とした実施例16−1〜16−21について、上記同様の評価を行った。評価条件、及び結果を表6に示す。
現像剤作成において、トナー粒子及び外添剤はの基本処方は表1に示すトナーTH2と同じとして、外添処理の攪拌羽根の周速、及び外添時間を調整し、キャリアからのトナーの遊離率の異なる各種のトナーを作成した。トナーTHを使用することを除いて実施例9と同じ構成とした実施例9−2、及び上述のように遊離率が異なる現像剤TH2〜TH2−22を使用することを除いて実施例9と同じ構成とした実施例16−1〜16−21について、上記同様の評価を行った。評価条件、及び結果を表6に示す。
表6より、外添剤のトナーからの遊離率が1%以上、70%以下の時、耐刷を通じて非常に良好な画像が得られた。これは、トナーの流動性を維持し、又、トナー粒子から適宜遊離した外添剤が、感光体とトナー粒子の間でスペーサーとして働き、現像工程時に、潜像に対して再現性が良く静電的にトナーが付着又は離脱することによると考えられる。又、これは、転写工程時に、上記のスペーサー効果で転写性が向上することによると考えられる。
外添剤のトナーからの遊離率が1%以上、70%以下であると、上述したスペーサー効果により、画質が向上する。尚、遊離率が1%以下では1%以下ではトリボが不安定になったり、現像性・転写性が低下する場合がある。一方、70%を超えると、現像器中での遊離が過剰に進んで該現像手段中に外添剤が蓄積し易くなることなどにより、現像性が低下し、画質が低下する場合があった。上記理由から、外添剤の遊離率が3%以上、40%以下であることが更に好ましい。
以上説明したように、HU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm2以上、240N/mm2以下であり、且つ、We(弾性変形率)が40%以上、65%以下である感光体を使用し、380nm以上、500nm以下という短波長の像露光を使用し、該像露光の光量分布の端部を感光体に照射しない、即ち、光量分布を除外する構成とすることで、高解像度に適した、高精細な潜像(シャープな潜像)を長期に渡り維持することができる。
又、露光スポットの面積SE[μm2]、感光体の感光層の厚さd[μm]、主走査方向の露光スポットの幅W[μm]、感光体にかかる電界E[V/μm]が、式(1)、(2)及び(3)を満たすことにより、上述のようなシャープな像露光により生じる光キャリアの拡散を抑止し、潜像を好適に維持することができる。像露光に用いる光量分布の裾部により形成された光キャリアによるドット端部の鋭利性が悪化するようなことを抑制して、高精細化における細線の再現性を改善することができた。
又、表面層(OCL)の厚さを2μm以上、5μm以下にすることで、耐久性と明部電位(Vl)の変動などの電気的特性の両立を図ることができる。
又、トナー粒子の粒径を3μm以上、8μm以下、且つ、円形度aが0.90以上のものが90個数%以上と、トナー粒子の大きさと形状を規定すること、又外添剤を一次粒径が0.07μm以上、1.0μm以下のものを含むこと、更に外添剤のトナーからの遊離率が1%以上、70%以下であることなどにより、上記の潜像に非常に応答性の良い現像・転写工程を経て、高画質な画像を得られる。
更に、クリーニング手段の構成を上記の如くに規定することにより、感光体の表面が好適に摺擦され、良好な表面状態を維持できるほか、クリーニング手段自体の損耗を抑制し、システムとして長期に良好な状態を維持することができる。これは、メンテナンスフリーの観点からも有効である。
加えて、予期せぬ効果として、定着工程における定着温度のラチチュードが広がった。これは、上記の如き潜像・現像・転写工程が向上した結果、転写材上のトナー粒子のコート或いは顕像のエッヂ部が均一化したこと等により、定着不足やオフセット等が生じにくくなったためと考えられる。
このように、本発明は、ドットを形成する像露光手段と、長寿命の感光体とを有する、高精細、高画質の画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
[その他]
以上、具体的な実験例、実施例を参照して本発明を説明した。しかし、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
以上、具体的な実験例、実施例を参照して本発明を説明した。しかし、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、画像形成装置をカラー画像形成装置であるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図20に示すように感光体101と、この感光体101に作用する帯電手段102、現像手段140、クリーニング手段107等のプロセス手段を備えた画像形成プロセスユニットを一つ有する、単色用の画像形成装置であっても本発明は等しく適用し得るものである。
又、図20に示すように、感光体101、一次帯電手段102、現像手段140及びクリーニング手段107などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの画像形成装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、帯電手段102、現像手段140及びクリーニング手段107のうちの少なくとも一つを感光体101と共に枠体201によって一体にカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段(装着手段)125を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ200とすることができる。枠体201には、画像露光L、除電光Qなどが透過するスリットが設けられていてよい。帯電部材102は、コロトロン・スコロトロン等のコロナ方式、接触帯電方式など、任意に選択可能である。
1 導電性支持体
2 感光層
3 電荷発生層(CGL)
4 電荷輸送層(CTL)
5 表面層(OCL)
6 自由表面
7 下引き層
101 感光体
102 帯電手段
103A レーザースキャナー(像露光手段)
103B LED露光装置(像露光手段)
131 レーザー(像露光光源)
132 回転多面鏡
104 回転式現像装置
107a クリーニングブレード(クリーニング手段)
107b 摺擦部材(塗布手段)
2 感光層
3 電荷発生層(CGL)
4 電荷輸送層(CTL)
5 表面層(OCL)
6 自由表面
7 下引き層
101 感光体
102 帯電手段
103A レーザースキャナー(像露光手段)
103B LED露光装置(像露光手段)
131 レーザー(像露光光源)
132 回転多面鏡
104 回転式現像装置
107a クリーニングブレード(クリーニング手段)
107b 摺擦部材(塗布手段)
Claims (37)
- 感光体を帯電させる帯電工程と、帯電した前記感光体を露光して潜像を形成する像露光工程と、潜像が形成された前記感光体に現像剤を供給する現像工程と、を有する画像形成方法において、
前記感光体は、支持体上に少なくとも光導電層及び表面層を備える感光層を有し、該感光層は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、
前記像露光工程は、380nm以上、500nm以下の光であって、光量分布の裾部の少なくとも一部を除いた光を用いて行うことを特徴とする画像形成方法。 - 前記像露光工程で前記感光体に照射される光の実際のスポットの面積をSE[μm2]、前記像露光工程で前記感光体に照射される光の前記感光体の表面における前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅をW[μm]、前記露光工程で前記感光体が露光される時点における前記感光体の非露光部の電界をE[V/μm]としたとき、下式、
d×SE≦20000[μm3]
W×0.7≦d≦W×1.5
25≦E≦70
の全てを満たすことを特徴とする請求項1の画像形成方法。 - 前記像露光工程は、光源で発生した光を回転多面鏡により偏向して前記感光体上を走査露光させることにより行い、該回転多面鏡の1つの反射面の前記走査方向の幅W1よりも、該回転多面鏡に入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D1が大きいことを特徴とする請求項1又は2の画像形成方法。
- 前記幅W1とD1とが、下式、
3.0≧D1/W1≧1.5
を満たすことを特徴とする請求項3の画像形成方法。 - 上記像露光工程は、光源で発生した光をスリットを介して前記感光体に照射することによって行い、該スリットの前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅W2よりも、該スリットに入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D2が大きいことを特徴とする請求項1又は2の画像形成方法。
- 前記幅W2とD2とが、下式、
2.0≧D2/W2≧1.5
を満たすことを特徴とする請求項5の画像形成方法。 - 前記表面層の厚さは、2μm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成方法。
- 前記表面層は、少なくとも硬化性樹脂及び電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の画像形成方法。
- 前記表面層は、同一分子内に1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物及び/又は前記電荷輸送性化合物を少なくとも熱、光、放射線のいずれかにより重合、硬化したものを含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成方法。
- 前記現像工程で使用される現像剤は、少なくともトナー粒子を含み、該トナー粒子は、平均粒径が3μm以上、8μm以下であり、且つ、0.60μm以上、159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、4.00μm以上、15.04μm未満の粒径範囲での下記式、
円形度a=L0/L
(式中、Lはトナー粒子の投影蔵の周囲長、L0はトナー粒子の投影面積と同面積の円の周長である。)
により求められる円形度aが0.90以上である粒子を90個数%以上、100個数%以下含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成方法。 - 前記現像工程で使用される現像剤は、少なくともトナー粒子と外添剤とを含み、該外添剤は、一次粒径が0.07μm以上、1.0μm以下の粒子を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の画像形成方法。
- 前記外添剤は、疎水化処理が施されていることを特徴とする請求項11の画像形成方法。
- 前記外添剤のトナー粒子からの遊離率は、1個数%以上、70個数%以下であることを特徴とする請求項11又は12の画像形成方法。
- 前記外添剤のトナー粒子からの遊離率は、3個数%以上、40個数%以下であることを特徴とする請求項13の画像形成方法。
- 更に、前記感光体上から被転写体に現像剤を転写した後に前記感光体をクリーニングするクリーニング工程を有し、該クリーニング工程は、損失正接tanδのピーク温度が30℃以下の弾性ブレードを前記感光体に当接させることで行うことを特徴とする請求項1〜14のいずれかの項に記載の画像形成方法。
- 更に、前記感光体上から被転写体に現像剤を転写した後に現像剤を前記感光体の表面に塗付する工程を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれかの項に記載の画像形成方法。
- 前記塗付工程は、0.56tex以上、3.33tex以下(5D以上、30D以下)の繊維を備えるブラシにより行うことを特徴とする請求項16の画像形成方法。
- 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像が形成された前記感光体に現像剤を供給する現像手段と、を有する画像形成装置において、
前記感光体は、支持体上に少なくとも光導電層及び表面層を備える感光層を有し、該感光層は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、
前記像露光手段は、380nm以上、500nm以下の光を発生する光源と、該光源からの光を偏向して前記感光体上を走査露光させる回転多面鏡と、を備え、該回転多面鏡の1つの反射面の前記走査方向の幅W1よりも、該回転多面鏡に入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D1が大きいことを特徴とする画像形成装置。 - 前記幅W1とD1とが、下式、
3.0≧D1/W1≧1.5
を満たすことを特徴とする請求項18の画像形成装置。 - 前記露光手段により前記感光体に照射される光の実際のスポットの面積をSE[μm2]、前記像露光手段により前記感光体に照射される光の前記感光体の表面における前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅をW[μm]、前記露光手段により前記感光体が露光される時点における前記感光体の非露光部の電界をE[V/μm]としたとき、下式、
d×SE≦20000[μm3]
W×0.7≦d≦W×1.5
25≦E≦70
の全てを満たすことを特徴とする請求項18又は19の画像形成装置。 - 前記光源はレーザー光源であることを特徴とする請求項18、19又は20の画像形成装置。
- 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記感光体を露光して潜像を形成する像露光手段と、潜像が形成された前記感光体に現像剤を供給する現像手段と、を有する画像形成方法において、
前記感光体は、支持体上に少なくとも光導電層及び表面層を備える感光層を有し、該感光層は、厚さdが20μm以下、温度25℃/湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて最大荷重6mNで押し込んだ時のユニバーサル硬さ値HUが150N/mm2以上、240N/mm2以下、且つ、弾性変形率が40%以上、65%以下であり、
前記像露光手段は、380nm以上、500nm以下の光を発生する光源と、該光源からの光が通過するスリットと、を備え、該スリットの前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅W2よりも、該スリットに入射する位置における前記光源からの光の同方向の幅D2が大きいことを特徴とする画像形成装置。 - 前記幅W2とD2とが、下式、
2.0≧D2/W2≧1.5
を満たすことを特徴とする請求項22の画像形成装置。 - 前記露光手段により感光体に照射される光の実際のスポットの面積をSE[μm2]、前記像露光手段により前記感光体に照射される光の前記感光体の表面における前記感光体の表面移動方向と略直交する方向の幅をW[μm]、前記露光手段により露光される時点における前記感光体の非露光部の電界をE[V/μm]としたとき、下式、
d×SE≦20000[μm3]
W×0.7≦d≦W×1.5
25≦E≦70
の全てを満たすことを特徴とする請求項22又は23の画像形成装置。 - 前記光源は発光ダイオードであることを特徴とする請求項22、23又は24の画像形成装置。
- 前記表面層の厚さは、2μm以上、5μm以下でることを特徴とする請求項18〜25のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記表面層は、少なくとも硬化性樹脂及び電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする請求項18〜26のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記表面層は、同一分子内に1つ以上の連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物及び/又は前記電荷輸送性化合物を少なくとも熱、光、放射線のいずれかにより重合、硬化したものを含有することを特徴とする請求項18〜27のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段により使用される現像剤は、少なくともトナー粒子を含み、該トナーが、平均粒径が3μm以上、8μm以下であり、且つ、0.60μm以上、159.21μm未満の粒径範囲の個数基準の粒度分布において、4.00μm以上、15.04μm未満の粒径範囲での下記式、
円形度a=L0/L
(式中、Lはトナー粒子の投影蔵の周囲長、L0はトナー粒子の投影面積と同面積の円の周長である。)
により求められる円形度aが0.90以上である粒子を90個数%以上、100個数%以下含有することを特徴とする請求項18〜28のいずれかの項に記載の画像形成装置 - 前記現像手段により使用される現像剤は、少なくともトナー粒子と外添剤とを含み、該外添剤は、一次粒径が0.07μm以上、1.0μm以下の粒子を含むことを特徴とする請求項29の画像形成装置。
- 前記外添剤は、疎水処理が施されていることを特徴とする請求項30の画像形成装置。
- 前記外添剤のトナー粒子からの遊離率は、1個数%以上、70個数%以下であることを特徴とする請求項30又は31の画像形成装置。
- 前記外添剤のトナー粒子からの遊離率は、3個数%以上、40個数%以下であることを特徴とする請求項32の画像形成装置。
- 更に、前記感光体上から被転写体に現像剤を転写した後に前記感光体をクリーニングするクリーニング手段を有し、該クリーニング手段は、前記感光体に当接する、損失正接tanδのピーク温度が30℃以下の弾性ブレードであることを特徴とする請求項18〜33のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 更に、前記クリーニング手段と、前記感光体上から被転写体上に現像剤を転写させる転写手段との間に、現像剤を前記感光体の表面に塗付する手段を有することを特徴とする請求項18〜34のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 上記塗付手段は、0.56tex以上、3.33tex以下(5D以上、30D以下)の繊維を備えるブラシであることを特徴とする請求項35の画像形性装置。
- 更に前記塗付手段の駆動手段を有することを特徴とする請求項36の画像形性装置。
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JP2004353456A JP2006162906A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 画像形成方法及び画像形成装置 |
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