JP4272137B2 - 細胞破砕装置及び破砕法 - Google Patents

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    • C12M47/02Separating microorganisms from the culture medium; Concentration of biomass

Description

1細胞などの極少数の細胞中のmRNAやタンパク質などの生体物質を分析するための細胞破壊装置および細胞破壊方法に関する。
生体物質の分離に関しては、例えば、アミノ酸や糖の分離では、今でも、液体クロマトグラフィーが最も重要な分離手段であるが、そのバリエーションは、ペーパークロマトグラフィー、箔層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーなどクロマトグラフィーを実行する上での形状のバリエーションに加え、分離単体の種類と分離溶媒のバリエーションが多様であるので、条件を最適化することで多くの生化学物質や化学物質を分離することが可能である。あるいはこれに類似の技術で、溶液の搬送を電気浸透流で行う方法も利用されている。
タンパク質やポリヌクレオチド(DNAやRNA)などの電荷を持った高分子の分離には一般的に電気泳動が用いられる。電気泳動においても、分離単体の選択と、溶媒の選択(多くの場合、pHと静電力のコントロールを行う)により、高分離で、一般的には、サイズの2%くらいまでの違いを識別し分離できる。あるいはチャージの違いで分ける等電点電気泳動では0.02pHの違いに対応する等電点の違いでタンパク質を分離できる。ポリヌクレオチドの分野で、DNAシーケンサーに用いられている技術では、類似配列のDNAに限れば、700bpと701bpのDNAを長さの差で分離することも可能である。
生化学研究の分野は、このような分離手段に支えられて発展してきた。生命の構成要素を成分ごとに分離し、それらの特性を明らかにすることで、生命現象全体が再構築できると考えられていたからである。近年のゲノム研究をはじめとするオーミクス研究では、生体の構成要因は遺伝子だけでも数万に及び、それ以外に、ゲノム情報によらずに関係し合う化学物質や物質間の相互作用は膨大な数にのぼることが明らかになりつつある。このため、生命現象は物質の複雑な相互作用の結果であるという古典的な解釈が再浮上している。
このような研究を進めるには、まず、細胞を破壊し、その中に含まれる種々物質を分離し、上記手法で分析するのが一般的な手法である。すでに多くの細胞破壊の方法が実施されている。たとえば、細胞を機械的にすりつぶす方法、高速に回転するカッターで裁断する方法、細胞に超音波を照射して破壊する方法、ボイリングウォーター法と呼ばれる煮沸による方法、強アルカリを用いる方法、有機溶媒を用いる方法、酵母や植物などでは酵素を用いて細胞表面をプロトプラスト化した後、界面活性剤などで細胞膜を破壊する方法、赤血球などでは、低張溶液で細胞をバーストさせる方法、これらのほかにも各細胞に即した細胞は解放が数多く実用化されている。
いずれにせよ、細胞内の生体物質を分析しようとすると、一般的には、細胞を破壊して可溶化して分析せざるを得ない場合が多い。ところが、上記のように、細胞破壊方法としては各細胞に即した細胞破壊方法があるということは、汎用的な細胞破壊方法があまりないということである。機械的に破壊する方法や超音波を用いる方法は比較的汎用的に用いられているが、細胞数がたとえば1個のように少ない場合は実質上用いることが困難である。なぜなら、機械的にすりつぶしたり超音波を照射したりするには、少なくても100μl程度の溶液として取り扱う必要があり、微量の細胞の取り扱いが厄介になる。有機溶媒を用いる方法などでは、細胞破壊後の有機溶媒の除去が問題となる。アルコール沈殿などでゲノムやRNAは回収できるが、細胞数が少なくなると回収率が低下する。
また、通常は容器に細胞懸濁液を入れて操作を行うが、細胞懸濁液の量を少なくすると溶媒体積に対する容器の表面積が大きくなり、溶質である生体物質が吸着により失われる現象が起きる。一般に細胞質を破壊すると、その中に含まれる種々の酵素が活性化され、たとえばmRNAのようなものは急激に分解され得る、などの問題を抱えている。このため、実質1細胞を破壊してその中に含まれる生化学物質を回収しようとしても、その量の制約や物質そのものの損傷から、実施困難である。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消し、単に生化学物質を分離するという観点だけではなく、細胞の機能を明らかにするため、細胞に対して活性のある極小数の分子を、機能追跡が可能な形で分離する新しい技術手段を提供することを課題としている。
本発明は、少数の細胞または細胞塊を含む溶液を液滴として基板上に置き、この基板上の液滴に対して収束光を照射する。
本発明によれば、極微量の細胞、究極的には1細胞を確実に破壊できる。破壊にかかる時間は瞬間的であるので、従来の細胞破壊に比べ短時間で細胞を破壊できる。このことは、細胞内の生化学反応を瞬時に停止させることができることを意味する。さらに、液滴の形を維持しながら、液滴内で細胞を破壊し、その液滴内に破壊された細胞を保持できる。このため、細胞を破壊したそのときの細胞内の物質状況を安定して、固定できるメリットがある。
図1(A)は、本発明の実施に好適な細胞保持基板100の平面図、(B)は平面図のA−A位置で矢印方向に見たときの断面図である。1はシリコン基板であり、例えば、その厚さは1mm、大きさは20mm×20mmである。基板1の表面は疎水性領域2とされ、そのなかに、親水性領域3が配列される。親水性領域3の大きさは、この親水性領域3に保持したい液滴の直径に比べ十分に小さい大きさとしている。4は位置決め用のマーカーであり、シリコン基板1の一面に形成される。
親水性領域と疎水性領域の作成方法は、例えば、疎水性のシリコン基板1の上面を酸化して、一旦、全領域を親水性のSiO薄膜とする。その後、疎水性とすべき領域のSiO薄膜をフッ酸で溶解除去して疎水性領域を作成すれば良い。あるいは、基板1の材質が表面があらかじめSiO2薄膜形成してある親水性表面の場合、フッ素系樹脂,シリコン系樹脂等の疎水性材料を、その上に配置することで、疎水性領域を形成すれば良い。この場合は、疎水性領域中に存在する親水性領域が、疎水性材料の厚さだけ低くなったものとなる。図1の例は後者方法によって疎水性領域2とを形成した例である。
図2(A)は、本発明の実施に好適な細胞保持基板100の親水性領域3に細胞を含む液滴を構成するシステム構成の例を説明する概念図、図2(B)は、細胞保持基板100の親水性領域3に細胞を含む液滴が形成された結果を示す断面図である。
図2(A)では、細胞12を含む液滴を形成するためのピペット11の先端の液滴を光学的にモニターしながら細胞保持基板100の親水性領域3に細胞12を含む液滴を形成する。19はXY方向に駆動されるステージであり、27はステージ19の駆動装置である。ステージ19の上面には細胞保持基板100が載置される。細胞保持基板100の上部には、液滴に包含されるべき細胞12を含む懸濁液13があらかじめ吸い上げられて保持されているピペット11が配置される。ピペット11の根元部には、チューブ30を介してシリンジポンプ31が設けられ、シリンジポンプ31には駆動装置32が取り付けられている。シリンジポンプ31が駆動装置32により駆動されると、ピペット11内の懸濁液13が細胞12とともに押し出される。なお、ピペット11の根元部とチューブ30との接続部が離れたように図示されているのは、ピペット11を拡大して表示するためである。
一方、ピペット11の先端部には、ピペット11の先端部に培養液を供給するための他のピペット20の先端が配置される。ピペット20の根元部にはチューブ34を介してシリンジポンプ35が設けられ、シリンジポンプ35には駆動装置36が取り付けられている。シリンジポンプ35が駆動装置36により駆動されると、シリンジポンプ35内の培養液がピペット20から押し出される。
また、ピペット11の先端部に形成された液滴を細胞保持基板100の親水性領域3に移すためのピペットの上下動駆動装置37が設けられる。ここでは、上下動駆動装置37はピペット11に連係するものとする。上下動駆動装置37に、使用者により、ピペット11を下げる信号が与えられると、ピペット11は下に動き、ピペット11の先端部に形成された液滴を細胞保持基板100の親水性領域3に移す。上下動駆動装置37に、使用者により、ピペット11を復旧させる信号が与えられると、ピペット11は図に示す位置に戻る。ピペット11の図に示す位置への復旧は、下げ操作から、パソコン26により、タイムシーケンシャルに行われるものとしても良い。一点差線39は上下動駆動装置37とピペット11との連係を意味する。
さらに、ピペット11の先端部の近傍の内部および先端部に形成される液滴の大きさをモニターするための光学系を構成する光源16、集光レンズ17が設けられ、これに対向する位置で細胞保持基板100の下部にコリメートレンズ18およびモニター25が設けられる。したがって、細胞保持基板100およびステージ19は、光学的に透明である必要がある。26は、いわゆる、パソコンであり、モニター25からの入力信号に応じて、あらかじめ格納してある所定のプログラムから得られる制御信号、および、使用者がモニター25の表示画面を見ながら与える操作入力信号28に応じて駆動装置27,32,36および37に必要な信号を与える。なお、ここでは、図示しなかったが、モニター25の検出している画面と同一の表示をパソコン26のモニターに表示するのが便利である。そうすれば、モニター25は、小型のCCDカメラとすることができる。また、操作入力信号28は、パソコン26の入力装置を介して与えられるものである。
なお、細胞保持基板100およびステージ19が、光学的に透明でない場合には、上面から照明して、反射光によるモニターとすれば良い。すなわち、基板が不透明な場合は、コリメトリーレンズとモニター25を基板上部の光源16と同じ側に設置し、反射像を観察すればよい。たとえば、光源を基板に対し斜めから照射し、直角方向から観察する。
ここで、ピペット11のサイズについて考えると以下のようである。ピペット11は、その先端に、必要な細胞数を持つ適当な大きさの液滴を構成できるようにすることが必要である。一方、ピペット11内には、細胞を含む懸濁液13をピペット11で吸い上げてから使用するが、液滴21を構成するときに、ピペット11の先端を通過する細胞がモニター25で誤り無く検出できることが必要である。したがって、ピペット11の先端部の直径は細胞1個あるいは所定の細胞数の塊が通過するのを許すが、計数できないほどの細胞が、一度に通過できないものとする。すなわち、現在、汎用的に使用されている培養用ピペットのように径が太いものではなく、透明で、先端部の直径が、一般的な動物細胞用として20〜100μm、バクテリアなどの微生物用では5μm程度とするのが良い。
細胞保持基板100の親水性領域3に細胞12を含む液滴21を形成する操作について以下説明する。まず、システムが起動されると、使用者は、図1(A)で説明したマーカー4に着目して細胞保持基板100が所定の起動位置にあるように位置決めする。次に、細胞12を含む液滴21の載置位置をピペット11および20の先端部に対応する位置に移動させる操作入力信号28に応じて、駆動装置27によりステージ19を操作する。細胞保持基板100が所定の位置まで来ると、ピペット11内部の細胞懸濁液13を細胞12とともに排出する操作を行う。この際、ピペット11の先端部の外側と先端部近傍の内部を光源16とモニター25からなる光学系で監視する。モニター25の出力をパソコン26に取り込み、パソコン26の画像演算結果をもとに駆動装置32を動作させて、シリンジポンプ31の送液を制御することができる。
モニター25でピペット11の先端を監視しながら、駆動装置32を動作させて、シリンジポンプ31を動かし、細胞12を含む懸濁液13をピペット11の先端から排出して、ピペット先端に液滴21を形成する。このとき、液滴21中に所定の細胞数が挿入されたことをモニター25を通してパソコン26が認識し、駆動装置32に停止指令を出して、シリンジポンプ31を停止させる。
以下、説明をシンプルにするため、液滴21に挿入される細胞12の数は1個として説明するが、細胞数は目的に応じて任意に使用者が決めればよい。たとえば、10個でもよい。細胞12の認識は、ピペット11の先端部の液滴21中に存在する細胞12を直接検出するだけでも良いが、より効率的には、ピペット11の内部を移動する細胞12をモニター25で監視し、パソコン26で細胞のピペット内での位置と移動速度を計算し、ピペット11の先端から液滴21内に排出される時を予測してシリンジポンプ31を制御してもよい。後者の認識方法を用いれば、たとえば短い間隔で複数の細胞がピペット内を移動している場合などに細胞を1個だけ液滴の中に入れる場合に有利となる。
ここで、細胞懸濁液13の細胞濃度が低いときは、細胞がピペット11の先端から出る直前に液滴21を形成し始め、所定時間後に液滴形成を停止すれば、液滴21の大きさを所定のものにすることができる。液滴を形成したくないときは、たとえばブロアーでピペット11の先端から出てくる液を吹き飛ばせばよい。あるいは、基板1の外にドレインを設け、そこに排出してもよい。
一方、細胞懸濁液13の細胞濃度が高いと、ピペット11から排出される液量がまちまちとなる。すなわち、ピペット11から排出される細胞12の排出の頻度が上がるから、液を排出させる時間を所定の時間に固定していると、その時間内に次の細胞が液的21の中に入ってしまう可能性がある。このようなケースでは、ピペット20を用いる。ピペット20とこれに連結されたシリンジポンプ35には、培養液あるいは細胞希釈液のみが入れられている。すなわち、モニター25を通して細胞12が液滴21に入るのをパソコン26が確認したとき、駆動装置32に停止指令を出して、シリンジポンプ31を停止させるとともに、このときまでに液滴21を形成するのに駆動されたシリンジポンプ31の繰り出し量から、その時点の液滴21の体積を割り出す。この体積と液滴21の所望の体積との差をパソコン26で計算する。この計算結果に応じて、その時点に出来ている液滴21にピペット20で培養液あるいは細胞希釈液を加えるように、パソコン26から駆動装置36に動作信号を送り、シリンジポンプ35を駆動して、ピペット20を用いて液滴21の体積が所定の値になるまで液を加える。
このとき、ピペット20に液滴中の細胞が逆流しないように、ピペット20の先端は細胞が通らない大きさ、たとえば0.2μmφとするのが良い。あるいは、先端が0.2μmのフィルター構造を有するものとするのが良い。
このようにして作成した細胞が1個含まれる液滴21は、ピペット11の上下動駆動装置37により、ステージ19の上に置かれた基板1の上の親水性領域3に接触させられ、液滴21は基板1の親水性領域3に移動する。液滴21は、疎水性領域2にはじかれ、エネルギー的に安定な親水性領域3の位置で自己形成的に固定される。細胞12を含む液滴21が基板1の親水性領域3、すなわち、細胞保持基板100の親水性領域3に移動したことが確認されると、使用者は操作を停止する。
図2(B)は、図2(A)を参照して説明した、細胞保持基板100に細胞を含む液滴を形成するシステムによって、細胞保持基板100の親水性領域3に細胞を含む液滴が載置された結果を示す断面図である。シリコン基板1上の親水性領域3に細胞12と、これを包み込む形の液滴15が配置されている。
図3は、図1、図2を参照して説明したような、基板上に形成された液滴15をターゲットとして、液滴内で細胞を破壊する装置の実施例の概要を示す斜視図である。図3で説明する装置は、独立の形であるが、図2で説明した液滴を構成するシステムと一体的で隣接した形で構成され、ステージ19の制御による細胞保持基板100の移動、レーザービームの照射等をパソコン26に制御できるものとするのが好都合である。
図3において、細胞保持基板100上の液滴15は上下二方向より光照射されることができるようにしている。
上部の光源41より照射された光は、フィルター42により特定の波長に調整されコンデンサレンズ43によって集光されて、液滴15に照射される。照射された光は、透過光として対物レンズ47、ダイクロイックミラー48、ミラー49、フィルター51を介してカメラ52に誘導され、液滴15内部の透過光像は、カメラ52の受光面に結像する。従って、液滴形成と同様、細胞保持基板100およびステージ19は光学的に透明な素材であることが望ましい。具体的には、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等のガラスや、ポリスチレン等の樹脂やプラスチック、あるいはシリコン基板等の固体基板等が好適である。細胞保持基板100の基板1にシリコン基板を用いる場合は、上部の光源41は波長900nm以上の波長の光とするのが良い。
下部の光源47より照射された光は、フィルター46により波長選択された後に、ダイクロイックミラー48によって対物レンズ47に誘導され、液滴15内部の蛍光観察の励起光として用いられる。液滴15内部から発した蛍光は再度対物レンズ47によって観測され、フィルター51によって励起光をカットした後の蛍光をカメラ52で観察することができる。
このとき、フィルター42、46、51の組み合わせを調整することで、透過光のみをカメラ52で観察したり、あるいは蛍光のみを観察したり、透過光像と蛍光像を同時にカメラ52で観察することもできる。
カメラで得られた画像データはパソコン26によって解析され、液滴15にレーザービーム63の照準が合うように、ステージ19を制御することができる。レーザービーム63が紫外レーザーの場合は危険なので、CCDカメラ52で観察を行う。ここでも、図示しなかったが、CCDカメラ52の検出している画像信号はパソコン26のモニターに表示するのが便利である。
61はレーザービーム源、62は波長選択のためのフィルターであり、実施例1ではYAGレーザーの3倍高調波である355nmを照射できるものである。レーザービーム63の強さは、200μJ程度以上とし、集束して細胞に照射する。ここでは、レーザービームは63、レーザービーム源61から、直接、液滴15を照射する形で示したが、構造上の制約があって、直接、液滴15を照射できないときは、レーザービーム63の光路に適当なミラーを配置してガイドすることができる。レーザービーム源61の照射は、パソコン26によって制御することができる。また、操作者は、パソコンに操作信号28を与えて、レーザービーム源61の照射を制御できる。
レーザービーム63を、液滴15中の細胞12に照準を合わせ、顕微鏡観察下で、200μJのレーザーパルスを細胞に照射すると、瞬時に細胞膜が破壊され飛び散るのが観測される。本レーザーは紫外レーザーなので、レーザー照射系の光学系はすべて紫外対応のものを用いる。液滴が大きいとき、あるいは、内部の細胞数が多いときはレーザービーム63の強さを大きくすれば良い。5mJ程度のパワーを出すのは容易である。
ここで重要なのは光の波長と照射の仕方である。溶媒である水に吸収がある波長の光を用いると、溶媒である水自体が気化してしまう。そこで細胞には吸収があるが、溶媒で水の吸収は無視できる波長帯域で加熱することとする。具体的には細胞内の生化学物質やタンパク質や核酸が光を吸収し、熱に変換する帯域である紫外域を用いるのが一つの方法である。あるいは、可視光でも原因は不明であるが細胞を破壊できる。また、細胞に集束光として照射することで、瞬間的に細胞を殺傷破壊することができることを見出している。
本発明は、1細胞といった極微量の細胞を効率よく破壊し、その後の内容物の分析や内容物の回収に利用を効率よく実行することを目的とするため、細胞を液滴に封じ込め、細胞破壊時の細胞の内容物を液滴内に保持することにより希釈拡散を防ぐ。一般に、細胞と溶媒である水とでは光吸収が若干異なるので、水にはほとんど吸収がなく、細胞の諸機関には吸収があるような波長の光を液滴に照射し、細胞のみを加熱、破壊し、破壊された細胞の内容物を液滴内に保持する。光吸収と温度上昇が緩慢であると、溶媒の構成要素である水の温度も上がってしまう。そのため、強い光を一瞬当てることにより溶媒の温度上昇よりも細胞の吸収のある部分の光上昇の速度を速め、結果として細胞を可溶化させることが重要である。
図4は、実施例で説明したようにして、細胞が破壊された液滴15の中の細胞片の懸濁液から、直接、生体物質を回収する具体例を説明する概念図である。細胞が破壊された液滴15の中の細胞片の懸濁液にRNA用の蛍光インターカレーターサイバーグリーンIIを所定の量(0.1μl)添加する。これには、液滴15に、直接、毛管により注入する。液滴15に、白金電極71とリニアージメチルポリアクリルアミド系のポリマーを主成分とする電気泳動分離媒体を充填した内径50μmのキャピラリー72を接触させる。キャピラリー72の他端は、容器73に入れられた緩衝液に浸す。また、緩衝液には白金電極74の一端を浸す。白金電極71をマイナス、白金電極74をプラスとして両電極間に、キャピラリー72に50v/cmの電界が印加されるようにして、10秒間電圧をかける。その後、液滴15に50μlの電気泳動緩衝液(トリス塩酸系)を加え、今度は200V/cmの電界が印加されるようにして電気泳動を続ける。液滴15から10cmの位置に488nmのアルゴンレーザー源75からアルゴンレーザーを照射し、得られる蛍光を検出器76でモニターする。
なお、図4では表示を省略したが、電極71およびキャピラリー72は、図2で説明した操作装置37のような、任意の位置に先端が移動できる操作腕を持ったもので保持し、パソコン26により操作するのが良い。
図5は、電気泳動により得られる泳動パターンの例を示す波形図である。横軸は泳動時間、縦軸は蛍光強度を示す。2本の鋭いピーク81,82は2種のrRNA、ブロードなバンド83はmRNA由来のもので、84は高分子ゲノムである。図5から分かるように、泳動時間に対応した時間後に、キャピラリー72の他端から容器73にこれらの生体物質が排出される、すなわち、本発明により、微量な細胞からの生体物質の回収ができる。しかも、これは、液滴の中で細胞を破壊して得られるものであるから、細胞を破壊したそのときの細胞内の物質状況を安定して固定できることは明らかである。
(A)は、本発明の実施に好適な細胞保持基板100の平面図、(B)は平面図のA−A位置で矢印方向に見たときの断面図である。 (A)は、本発明の実施に好適な細胞保持基板100の親水性領域3に細胞を含む液滴を構成するシステム構成の例を説明する概念図、(B)は、細胞保持基板100の親水性領域3に細胞を含む液滴が形成された結果を示す断面図である。 図1、図2を参照して説明したような、基板上に形成された液滴15をターゲットとして、液滴内で細胞を破壊する装置の実施例の概要を示す斜視図である。 細胞が破壊された液滴15の中の細胞片の懸濁液から、直接、生体物質を回収する具体例を説明する概念図である。 電気泳動により得られる泳動パターンの例を示す波形図である。
符号の説明
1…シリコン基板、2…疎水性領域、3…親水性領域、4…位置決め用のマーカー、11…ピペット、12…細胞、13…懸濁液、15…液滴、16…光源、17…集光レンズ、18…コリメートレンズ、19…ステージ、25…モニター、26…パソコン、27,32,36,37…駆動装置、28…操作入力信号、30,34…チューブ、31,35…シリンジポンプ、41…光源、42,46,51…フィルター、43…コンデンサレンズ、47…対物レンズ、48…ダイクロイックミラー、49…ミラー、52…カメラ、61…レーザービーム源、62…フィルター、63…レーザービーム、71,74…白金電極、72…キャピラリー、73…容器、75…アルゴンレーザー源、76…検出器、100…細胞保持基板。

Claims (5)

  1. 所定の細胞を含む液滴を表面上に保持するための基板を載置するためのステージと
    細胞を含む溶液を保持でき、所定の大きさの細胞ないし細胞塊が通過できる程度の先端開口径を有するピペットと、
    前記ピペットの先端を監視するための手段と、
    シリンジポンプおよびその駆動装置を含む、前記ピペットの先端部に細胞を含む溶液を該ピペットの内部から押し出して液滴を形成する手段と、
    前記ピペット先端から前記基板上に滴下した液滴に細胞に吸収帯域のある集束光を照射する光学系
    を備える細胞破砕装置。
  2. 前記基板が、前記細胞を含む液滴を保持するための該液滴のサイズより狭い範囲の親水性領域を有し、該親水性領域の周囲が撥水性である請求項1記載の細胞破壊装置。
  3. 複数の細胞を含む溶液を保持でき、所定の大きさの細胞ないし細胞塊が通過できる程度の先端開口径を持つピペットと、
    前記ピペット先端の細胞を観察する手段と、
    シリンジポンプおよびその駆動装置を含む、前記ピペット先端部に細胞を含む溶液をピペット内部から押し出して液滴を形成する手段と、
    前記液滴内に所定の細胞が包含され、所定の大きさの液滴となったことを判断する手段と
    記ピペット先端部に形成された前記液滴を基板上の所定の位置に滴下する手段と、
    前記液滴に細胞に吸収帯域のある集束光を照射する光学系と
    を備える細胞破砕装置。
  4. 前記ピペットの内部から押し出された前記液滴が1個の細胞を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の装置を用いて、周囲が撥水性で細胞のサイズより狭い範囲が親水性領域からなる基板表面親水性領域に細胞を含む液滴を保持し、液滴中の細胞が光吸収する波長帯域の集束光を照射する細胞破砕法。
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