JP4271973B2 - 遠隔監視操作システム、遠隔監視操作方法および遠隔監視操作プログラム - Google Patents

遠隔監視操作システム、遠隔監視操作方法および遠隔監視操作プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学プラントなどの産業用装置をDCS(Distributed Control System)を用いて制御する遠隔監視操作システム、遠隔監視操作方法および遠隔監視操作プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プラントなどの産業用装置を制御するDCSは、コントローラとクライアントとで構成されている(例えば、非特許文献1参照)。コントローラは、対象となる装置を制御するプログラムが常時実行されており、データの保存や表示などの機能を備えていないことが多い。クライアントは、装置の運転員が操作する端末であり、コントローラから収集した情報を保存し表示する。また、クライアントは、運転員からのコントローラに対する命令を受け付けて、コントローラへその命令を送信する。
【0003】
従来のDCSでは、クライアントが表示または保存する可能性のある情報すべてを定期的にコントローラから収集していた。したがって、今クライアントの画面上に表示されておらず、かつ保存の対象になっていない情報は、収集しても意味がないにもかかわらず収集していた。
【0004】
【非特許文献1】
計測技術2000.1月号(日本工業出版発行),367.Vol28.No.No.1,P18〜21
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、コントローラとクライアントとは、同じ部屋や同じ建物内などのような近距離に設置されて用いられている。ゆえに、コントローラとクライアントとを十分に帯域幅の大きいネットワークで接続することが可能であり、意味のない情報を大量に収集したとしても問題にはならなかった。
【0006】
ところが、クライアントを遠隔地に設置しようとした場合、両者の接続には経済的理由から比較的帯域幅の小さいネットワークを選択せざるを得ないことは常識であり、典型的な収集周期である1秒で情報を収集するためには、意味のない情報を収集する余裕はない。つまり、クライアントを遠隔地に設置することは実質的に不可能な場合がほとんどであった。
【0007】
例え遠隔監視の用途に利用できるクライアントがあったとしても、それは通常のクライアントとは別製品であったり、遠隔監視のために特別な仕組みを導入したりしなければならなかった。そのために、DCSシステムを用いて監視対象装置を遠隔監視ましてや遠隔操作を行なうことは現実的ではなかった。
【0008】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、化学プラントなどの産業用装置を運転操作制御するコントローラとクライアントとを小さい帯域幅のネットワークで接続することができ、運転員の介在が必要な化学プラントなどを安全にかつ最適な状態で運転可能なように遠隔監視・遠隔操作することができる遠隔監視操作システム、遠隔監視操作方法および遠隔監視操作プログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解決するために、発明では、コントローラと操作用端末であるクライアントとを有する分散制御システムが複数、ネットワークを介して接続され、かつ該ネットワークに遠隔操作用クライアントが接続されてなり、該遠隔操作用クライアントにより少なくとも1つの対象物を遠隔で監視・操作する遠隔監視操作システムであって、クライアントが有している複数のタスクの要求を非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求と共に、該要求の「破棄可能または不可能」を示すフラグを一時保持する要求送信キュー手段と、前記コントローラに前記複数のタスクからの要求を送信する送信手段と、前記要求送信キュー手段を定期的に監視し、該要求送信キュー手段に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー手段に保持されている要求のうち、前記フラグにより破棄可能が示されている要求を破棄するとともに、前記既に要求送信キュー手段に保持されている要求と前記新たな要求との重複を取り除いて前記送信手段に受け渡すキュー管理手段とを有する前記コントローラとクライアントとの間の通信を行う通信手段を具備することを特徴とする。
【0011】
また、発明では、遠隔で監視・操作する複数の対象物は、プラントであり、プラントサイトにあるクライアントと、前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントとをネットワークを介して接続させ、前記プラントサイトにあるクライアント及び前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントを含む全てのクライアントのうち、最終操作を行なったクライアントを、最優先で操作可能な最優先操作クライアントとして常に明示し、前記最優先操作クライアントは、最優先クライアントの権利を放棄すると判断したときに、「操作権委譲通知」を発行し、その他のクライアントに対して前記最優先クライアントの権利を放棄する旨明示し、前記「操作権委譲通知」を確認したクライアントのうち、最優先クライアントとなりたいクライアントは前記最優先クライアントに対して「操作移管命令」を発行し、前記「操作移管命令」受信した前記最優先クライアントは、前記「操作移管命令」を発行したクライアントに対して「操作許可命令」を発行すると共に、前記最優先操作クライアントが他のクライアントに「操作許可命令」を発行するまで、最優先操作クライアントとして維持するとともに、前記他のクライアントからの操作を不可とする操作権移管制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、発明では、前記操作権移管制御手段は、前記他のクライアントが、前記最優先操作クライアントが発行した「操作許可命令」を受信した時点で、前記他のクライアントを、最優先操作クライアントとすることを特徴とする。
【0013】
また、発明では、地球上の複数の地点に遠隔操作用の前記クライアントを配置し、各地点間の時差に応じて、各地点に配置した前記クライアントを順次作動可能にすることにより、前記プラントの運転操作を移管することを特徴とする。
【0014】
また、上述した問題点を解決するために、発明では、コントローラと操作用端末であるクライアントとを有する分散制御システムが複数、ネットワークを介して接続され、かつ該ネットワークに遠隔操作用クライアントが接続されてなり、該遠隔操作用クライアントにより少なくとも1つの対象物を遠隔で監視・操作するための遠隔監視操作方法であって、クライアントが有している複数のタスクの要求を送信手段により非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求と共に、該要求の「破棄可能または不可能」を示すフラグを要求送信キュー手段により一時保持し、キュー管理手段により、前記要求送信キュー手段を定期的に監視し、該要求送信キュー手段に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー手段に保持されている要求のうち、前記フラグにより破棄可能が示されている要求を破棄するとともに、前記既に要求送信キュー手段に保持されている要求と前記新たな要求との重複を取り除いて前記送信手段に受け渡すことを特徴とする。
【0016】
また、発明では、遠隔で監視・操作する複数の対象物は、プラントであり、プラントサイトのクライアントと、前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントとをネットワークを介して接続させ、前記プラントサイトにあるクライアント及び前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントを含む全てのクライアントのうち、最終操作を行ったクライアントを、最優先で操作可能な最優先操作クライアントとして常に明示し、前記最優先操作クライアントは、最優先クライアントの権利を放棄すると判断したときに、「操作権委譲通知」を発行し、その他のクライアントに対して前記最優先クライアントの権利を放棄する旨明示し、前記「操作権委譲通知」を確認したクライアントのうち、最優先クライアントとなりたいクライアントは前記最優先クライアントに対して「操作移管命令」を発行し、前記「操作移管命令」受信した前記最優先クライアントは、前記「操作移管命令」を発行したクライアントに対して「操作許可命令」を発行すると共に、前記最優先操作クライアントが他のクライアントに「操作許可命令」を発行するまで、最優先操作クライアントとして維持するとともに、前記他のクライアントからの操作を不可とすることを特徴とする。
【0017】
また、発明では、前記他のクライアントが、前記最優先操作クライアントが発行した「操作許可命令」を受信した時点で、前記他のクライアントを、最優先操作クライアントとすることを特徴とする。
【0018】
また、上述した問題点を解決するために、発明では、コントローラと操作用端末であるクライアントとを有する分散制御システムが複数、ネットワークを介して接続され、かつ該ネットワークに遠隔操作用クライアントが接続されてなり、該遠隔操作用クライアントにより少なくとも1つの対象物を遠隔で監視・操作するための遠隔監視操作プログラムであって、クライアントが有している複数のタスクの要求を送信手段により非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求と共に、該要求の「破棄可能または不可能」を示すフラグを要求送信キュー手段により一時保持する第1のステップと、キュー管理手段により、前記要求送信キュー手段を定期的に監視し、該要求送信キュー手段に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー手段に保持されている要求のうち、前記フラグにより破棄可能が示されている要求を破棄するとともに、前記既に要求送信キュー手段に保持されている要求と前記新たな要求との重複を取り除いて前記送信手段に受け渡す第2のステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
この発明では、クライアントが有している複数のタスクの要求を非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求を要求送信キュー手段に一時保持し、キュー管理手段によって、前記要求送信キュー手段を保持された、複数のタスクからの要求の重複除去および要求の整合性を管理する。したがって、化学プラントなどの産業用装置を運転操作制御するコントローラとクライアントとの通信量をクライアント側で調整することが可能となるので、小さい帯域幅のネットワークで接続することができ、運転員の介在が必要な化学プラントなどを安全にかつ最適な状態で運転可能ように遠隔監視・遠隔操作することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
A.基本システム
図1は、本発明の実施形態による遠隔監視操作システムの基本構成を示すブロック図である。図1において、クライアント1には、多数のタスク1−1〜1−nが含まれており、各タスク1−1〜1−nは、系統図やグラフなどの各ウィンドウのほか、データ保存などの各機能を実行している。タスク1−1〜1−nには、常時実行されているものもあれば、運転員の要求により実行を開始し停止するものもある。例えば、データ保存などは、常時実行とする場合が多く、系統図やグラフなどは、運転員が見ている間だけ実行すれば十分である。
【0022】
タスクとしては、操作を受け付ける「計器」が代表的なものである。「計器」の外観の一例は、図2に示すようなGUIを用いる。通常、これが画面上に複数並ぶことになる。アプリケーション的には「計器」、「グラフ」、「系統図」などとタスクを挙げることはできるが、これは根本的なタスクの分類ではない。上述した計器以外にも、アプリケーション毎に特別に画面を作成して、そこに操作スイッチやスライダなどを配置するようにしてもよい。システム的には、「データ保存」、「ウィンドウ表示」、「アラーム受信」の3つである。
【0023】
各タスク1−1〜1−nは、自分が必要とする情報だけをコントローラ5に対して要求する。このとき、コントローラ5に直接要求すると、タスク1−1〜1−n間で要求が重複することも十分予想され、そうなると無駄な要求を送信することになる。そこで、各タスク1−1〜1−nは、コントローラ5に直接ではなく、要求送信キュー2に要求を送る。
【0024】
キュー管理タスク3は、定期的に要求送信キュー2を監視しており、要求送信キュー2に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー2内にある要求と併せて、その重複を取り除いて送信タスク4に渡す。
【0025】
送信タスク4は、コントローラ5に対して要求を送信する。コントローラ5は、一旦、要求を受信すると、そこに指定されている情報を定期的にクライアント1に対して送信する。受信タスク6は、コントローラ5からの情報を受信し、メモリ7に書き込む。
【0026】
各タスク1−1〜1−nは、メモリ7上の自分が必要とする情報が書かれている場所を読み込んで情報を得る。一旦、要求がコントローラ5で受け付けられると、情報は、定期的にクライアント1に送信されてくることから、各タスク1−1〜1−nは、それが起動したときに一度だけ要求を要求送信キュー2に送るだけでよい。
【0027】
コントローラ5は、新たな要求を受信すると、以前の要求を破棄するようになっており、要求が累積し続けることはない。各タスク1−1〜1−nからの要求は、非同期なので、必ずしもすべてのタスク1−1〜1−nの要求が同じタイミングでコントローラ5に伝わるとは限らない。そのため、先に届いた要求が、後に届いた要求によって破棄されてしまう可能性もある。そこで、破棄されては困る要求を識別するための標識および破棄の実行指令(許可と不許可)を示す信号が要求送信キュー2には保存されている。
【0028】
上記「破棄されては困る要求を識別する標識」とは、「破棄可能/不可能」を示すフラグであり、複数のタスク(データ保存プログラム、画面表示プログラムなど)の起動時に「これらのタグの値を下さい」という要求に付けられてキューに渡される。「破棄の許可と不許可を示す信号」とは、賞味期限のある商品は全部捨てろという意味である(本システムでは期限の概念はない)。
【0029】
例えば、ヒストリカルデータをファイルに保存するタスクは、画面上に何が表示されていようと、指定されたタグの値を一定時間間隔で収集する必要がある。ゆえに、上記タスクは、破棄不許可のフラグとともにデータ収集を要求する。逆に、系統図などの画面表示タスクは、それが表示されているときだけ値を収集すればよいので、破棄許可のフラグとともにデータ収集を要求する。但し、この場合、シングルウィンドウ表示が原則である。つまり、ユーザが別の画面を見るときには、いままで見ていた画面を閉じて新たに画面を開くようになっている。
【0030】
キュー管理タスク3は、これらの情報も監視しており、いつでも適切な要求を送信タスク4に渡すようになっている。また、これらの情報から要求送信キュー2にある要求を削除したり、標識を変更したりするなどのキュー管理もキュー管理タスク3の役割である。
【0031】
上述したコントローラ5とクライアント1間の通信方法を実現することにより、両者間の通信量をクライアント1側で調整することができるので、小さい帯域幅のネットワークシステムを実現することができるようになる。その結果、クライアント1がコントローラ5から受信する情報を柔軟に選択できるので、ネットワークの帯域幅に応じたDCSの利用が可能となる。
【0032】
そして、小さい帯域幅のネットワークが可能となることによって、コントローラ5とクライアント1とを地理的に離れた場所に設置することが可能となり、DCSを用いて制御を行なうような化学プラント、空気分離装置やヘリウム液化装置、その他ビルや工場なども本遠隔監視操作システムを使用して遠隔監視または遠隔操作のいずれか、あるいは双方を実行することが可能となる。
【0033】
さらに、帯域幅の小さいネットワークが実現できることにより、複数の化学プラントをネットワーク化することもでき、最適な物流、生産計画・管理などを総合的に立案し実行することが可能となる。
【0034】
特に、空気分離装置は、小型化傾向が進み、また自動制御が高度化・高機能化してきている。このような空気分離装置の分散化に対しても、本ネットワークシステムを用いれば、運転員以外の要員をプラントサイトに配する必要がなくなる。例えば、プラントサイトと同じ情報を、遠隔地のクライアントで得られるので、事故時の原因究明、事故等の早期発見、最適運転の解析等など、今までプラントサイトで行われてきたことを、遠隔地においても実行できる。このため、必要最小限の人員でそれぞれの対応をとることが可能となり、機能を分散化できる。つまり、それぞれのプラントサイトに必要であった要員を最低限の運転要員のみとし、その他、保守管理要員、解析要員、監視要員などをそれぞれ機能分散でき、しかも、それぞれの機能を1箇所に集中配置することが可能となるので、人件費の低減等に大きく寄与するシステムとなる。
【0035】
運転監視を集中的に中央監視センタで可能にすべき対象は空気分離装置の中でも大型プラントである。つまり国内における需要と供給との関係で言えば、大元の供給源に相当する。最近の需要側では、従来の液体貯槽からの供給と同時に、小型発生装置からのガス供給による場合が多い。定常的には何ら問題無いが、トラブルにより小型発生装置が停止した際は、液体貯槽からの供給を余儀なくされ、必然的に大元の供給源である大型プラントの液体酸素・窒素等の生産を増加させることが必要になってくる。
【0036】
従来ではこれらの情報処理は、装置そのものが分さされ、集中操作する考えが無かったので全てマンパワーの介在によっていた。
これに対して本発明では、集中運転監視することから、小型発生装置の「運転・停止信号、停止時送ガス量信号」を中央運転監視センタに送信し、停止信号をトリガーとして総需要量計算、最適配分量計算を実行させる経済的な仕組みが可能である。
【0037】
このように、本遠隔監視操作システムによれば、プラントサイトに設置したクラインアントと全く同一のクライアントを必要な場所に複数設置し、機能分散を図ることができ、地理的に離れた複数のクラインアントが空気分離装置などの化学プラントの運転操作を行なうことができる。しかし、それぞれのクライアントが自由に操作できる反面、安全性が損なわれる恐れもある。
【0038】
そこで、本遠隔監視操作システムでは、各クライアントには、どの場所で最終操作を行ったのかを常に明示するようにして、最終操作を行なったクライアントを最優先操作クライアントとすべく、インターロックで保護する機能を有するシステムを組みこんでいる。最優先操作クライアントが設定されることで、他のクライアントからは操作できなくなり、統一的なプラント制御が行なわれ、危険な状態にならない。ゆえに、最優先操作クライアント以外のクライアントが操作をしようとした時には、「操作権」を移管する必要がある。本実施形態では、「操作権」の移管手順には、2通りの手順を設けてある。
【0039】
第1の移管手順では、最終操作を行なった最優先操作クライアント自身が、最優先クライアントの権利を放棄すると判断したとき、「操作委譲通知」を発行して、その他のクライアントに対して放棄する旨を明示する。上記「操作委譲通知」を確認したクライアントのうち、最優先クライアントとなりたいクライアントは、最優先操作クライアントに対して「操作移管命令」を発行する。最優先クライアントは、そのクライアントに対して、「操作許可命令」を発行する。そして、上記クライアントが「操作許可命令」を受信した時点で、該クライアントが最優先操作クライアントとなり、遠隔操作が可能となる。つまり、最優先クライアントが自主的に「操作権」を放棄する場合である。
【0040】
次に、第2の移管手順では、最優先操作クライアントに対して、最優先操作クライアントになりたい他のクライアントが「操作移管命令」を発行する。該「操作移管命令」を受信した最優先操作クライアントは、他のクライアントに対して、「操作許可命令」を発行する。そして、該「操作許可命令」を上記クライアントが受信した時点で、最優先操作クライアントとなる。
【0041】
このように、最優先操作クライアントからの「操作許可命令」を発行し、該「操作許可命令」をクライアントが受信した時点で、「操作権」の移管が完了し、該クライアントが最優先操作クライアントとなってプラントなどを操作できるようになるので、空気分離装置などの化学プラントの安全性を保つことができる。
【0042】
B.実施形態
図3は、サイトA,B,C、すなわちプラントA,B,Cが距離的に離れており、各サイトのイーサネット(登録商標)がWAN等の監視ネットワーク100に接続されて構成された遠隔監視操作システムの例を示している。この構成例において、遠隔操作用クライアント40,41、42の各々は基本的にプラントA,B,Cを監視操作できる機能を有している。
【0043】
プラントAと遠隔操作用クライアント40、プラントBと遠隔操作用クライアント41、プラントCと遠隔操作用クライアント42は、それぞれ同一敷地内(サイトA,B,C)にある。
本実施形態では、各遠隔操作用クライアント40、41、42では、それぞれ全てのプラントを監視している。その方がリスク分散、異常時の迅速な対応が可能であるからである。
【0044】
また、各プラントの操作に関しては、特定の遠隔操作用クライアントでのみしか行わないように制限しないと、安全な運転を行うことができない。しかも、その特定の遠隔操作用クライアントであっても操作権を持っていないと運転を行うことができないようにしている(操作権を1つのプラントに対し、複数設定することも可能である)。
【0045】
次に、図3に示した遠隔監視操作システムの運用例について図4乃至図13を参照して説明する。図4は、プラントの運用例(1)の前提条件を示している。すなわち、図4(A)に示すように、遠隔操作用クライアント40〜42の各々は、全てのプラントA,B,Cを監視できるものとする。
【0046】
プラントの操作については、図4(B)に示すように、プラントAは遠隔操作用クライアント40、41で、プラントBは遠隔操作用クライアント41で、プラントCは遠隔操作用クライアント42で操作するものとし、しかもプラントAについては操作の優先権は遠隔操作用クライアント41にあるものとする。この場合におけるプラントに事故が発生したときの遠隔操作用クライアント側の動作内容を図5乃至図7に示す。
【0047】
この例では、プラントAに事故が起きたというアラームが発生した際の遠隔操作用クライアント側の動作について示しており、図5は遠隔操作用クライアント40で最初にアラーム発生に気付いた場合の各遠隔操作用クライアント40〜42における復旧操作を示している。
【0048】
同図に示すように、遠隔操作用クライアント40は、最初にベル停止処理を行い、この結果遠隔操作用クライアント41、42のベルの鳴動は停止するが、プラントAの操作権は遠隔操作用クライアント41にあるために、遠隔操作用クライアント41側でアラームを鳴動し、異常表示ランプは点灯したままにしておく。そして遠隔操作用クライアント41でアラーム発生に気付き、ベル停止処理を行った時点で、遠隔操作用クライアント41のベルの鳴動は停止し、遠隔操作用クライアント40,41、42の異常表示ランプは消燈する。
【0049】
また、図6は遠隔操作用クライアント41で最初にアラーム発生に気付いた場合の各遠隔操作用クライアント40〜42における復旧操作を示している。同図に示すように、最初にアラーム発生に気付いた遠隔操作用クライアント41がベル停止処理を行うと、遠隔操作用クライアント440、42のベルの鳴動は停止し、遠隔操作用クライアント41でプラントAの復旧操作をすると、遠隔操作用クライアント41のベルの鳴動は停止し、遠隔操作用クライアント40、41、42においてこれまで点灯していた異常表示ランプは消燈する。
【0050】
さらに、図7は遠隔操作用クライアント42で最初にアラーム発生に気付いた場合の各遠隔操作用クライアント40〜42における復旧操作を示している。同図示すように、遠隔操作用クライアント42がベル停止処理を行うと、遠隔操作用クライアント42のベルのみ鳴動は停止し、全ての遠隔操作用クライアントの異常表示ランプは点灯したままの状態となる。次に、遠隔操作用クライアント40または41でアラーム発生に気付いてベル停止処理を行い、次いでプラントの復旧操作を行うと、遠隔操作用クライアント40,41のベルの鳴動は停止し、これまで点灯していた全ての遠隔操作用クライアントの異常表示ランプは消燈する。
【0051】
次に、操作権(操作の優先権)が遠隔操作用クライアント41にある場合の操作移管手順を図8及び図9に示す。なお、図8、図9において、C1は遠隔操作用クライアント40を、C2は遠隔操作用クライアント41を、C3は遠隔操作用クライアント42を示すものとする。
これらの図において、まず、遠隔操作用クライアント41が操作権の委譲通知を発行すると(ステップ200)、遠隔操作用クライアント40が委譲通知を受信して自身が最優先操作クライアント(操作権の優先順位が最も高いクライアント)と宣言するか否かが判定される(ステップ201)。
【0052】
ステップ201の判定が肯定された場合には、遠隔操作用クライアント41は操作許可命令を遠隔操作用クライアント40に対して発行する(ステップ202)。この結果、遠隔操作用クライアント40は最優先クライアントとなる(ステップ203)。
【0053】
またステップ201の判定が否定された場合には、遠隔操作用クライアント42が操作権委譲通知を受信して自身が最優先操作クライアントと宣言するか否かが判定される(ステップ204)。ステップ204の判定が肯定された場合には、遠隔操作用クライアント41は操作許可命令を遠隔操作用クライアント42に対して発行する(ステップ205)。この結果、遠隔操作用クライアント42は最優先クライアントとなる(ステップ206)。
【0054】
また、ステップ204の判定が否定された場合には、遠隔操作用クライアント41が最優先クライアントのままの状態(ステップ207)でステップ201に処理が戻る。
一方、ステップ200で遠隔操作用クライアント41が操作権の委譲通知を発行しない場合には、遠隔操作用クライアント40が最優先クライアントになりたいか否かが判定される(ステップ208)。
【0055】
ステップ208の判定が肯定された場合には、遠隔操作用クライアント41へに対して操作移管命令を発行し(ステップ209)、次いで遠隔操作用クライアント41が操作権の委譲通知を発行したか否かが判定される(ステップ210)。ステップ210の判定が肯定された場合にはステップ202に移行する。
また、ステップ210の判定が否定された場合には、拒否内容を遠隔操作用クライアント40に通知し(ステップ211)、処理はステップ207に移行する。
【0056】
また、ステップ208の判定が否定された場合には、遠隔操作用クライアント42が最優先操作クライアントになりたいか否かが判定される(ステップ212)。ステップ212の判定が否定された場合には、処理はステップ207に移行する。
一方、ステップ212の判定が肯定された場合には、遠隔操作用クライアント41に対して操作移管命令を発行する(ステップ213)。次いで、遠隔操作用クライアント41が操作権の委譲通知を発行したか否かが判定される(ステップ214)。
【0057】
ステップ214の判定が肯定された場合には、ステップ205に移行する。またステップ214の判定が否定された場合には、拒否内容を遠隔操作用クライアント42に通知し(ステップ215)、処理はステップ207に移行する。
【0058】
次に、他のプラントの運用例(2)について説明する。この運用例は前提条件としては、各プラントの監視、操作は基本的には図4に示したのと同じであるが、プラントAは、遠隔操作用クライアント40、または遠隔操作用クライアント41が操作権取得を宣言することで最優先操作クライアントになるものとする。すなわち、操作権を平等に持つことができるようにした運用例である。この場合におけるプラントに事故が発生したときの遠隔操作用クライアント側の動作内容を図10乃至図12に示す。
【0059】
この例では、プラントAに事故が起きたというアラームが発生した際の遠隔操作用クライアント側の動作について示しており、図10は遠隔操作用クライアント40で最初にアラーム発生に気付いた場合の各遠隔操作用クライアント40〜42における復旧操作を示している。
【0060】
同図に示すように、アラーム発生時にこれまで操作権を有していた遠隔操作用クライアント41が操作権を放棄し、遠隔操作用クライアント40,41が操作権の取得が可能な状態となる。遠隔操作用クライアント40がアラーム発生を発見し、このとき操作権取得を宣言し、ベル停止処理を行うと、全ての遠隔操作用クライアント40〜42のベルの鳴動は停止する。次いで、操作権を有する遠隔操作用クライアント40がプラントの復旧操作を行い、プラントAが復旧すると、すべての遠隔操作用クライアント40〜42の異常表示ランプは消燈する。
【0061】
また、図11は遠隔操作用クライアント41で最初にアラーム発生に気付いた場合の各遠隔操作用クライアント40〜42における復旧操作を示している。同図において、操作権を有する遠隔操作用クライアント41がアラーム発生時に操作権を放棄し、この時点では全ての遠隔操作用クライアント40〜42に操作権が取得可能な状態になっている。
【0062】
次いで、遠隔操作用クライアント41が最初にアラーム発生を発見し、操作権の取得を宣言してベルの停止処理を行うと、全ての遠隔操作用クライアント40〜42のベルの鳴動は停止する。そして遠隔操作用クライアント41がプラントAの復旧操作を行い、プラントAが復旧するとこれまで点灯していた全ての遠隔操作用クライアント40〜42の異常表示ランプは消燈する。
【0063】
さらに、図12は遠隔操作用クライアント42で最初にアラーム発生に気付いた場合の各遠隔操作用クライアント40〜42における復旧操作を示している。この例は、操作権を有していた遠隔操作用クライアント41がアラーム発生時に操作権を放棄し、全ての遠隔操作用クライアントが操作権の取得を宣言していない状態で遠隔操作用クライアント42がアラーム発生に最初に気付いてベルの鳴動を停止する処理を行った場合について示している。
【0064】
この場合には、次に、遠隔操作用クライアント40また41がアラーム発生に気付いたことにより、図10、図11と同様の処理となる。
次に、遠隔操作用クライアント操作権の移管手順の他の例を図13に示す。
この例では、操作権を宣言した遠隔操作用クライアントに操作優先権があるが、アラーム等のイベントが発生し、いち早くプラント操作を必要とする場合に、自動的に操作権を放棄され、新たに操作権を取得することができるようにしている。
【0065】
なお、図13においても、C1は遠隔操作用クライアント40を、C2は遠隔操作用クライアント41を、C3は遠隔操作用クライアント42を示すものとする。
図13において、まず、操作権を取得した遠隔操作用クライアントは操作権を放棄したか否かが判定される(ステップ300)。
【0066】
ステップ300の判定が否定されると、さらに、イベント発生により操作権を放棄したか否かが判定される(ステップ301)。この判定が否定された場合には、処理はステップ300に戻る。
また、ステップ300の判定が肯定された場合には、操作権はフリーの状態となり(ステップ302)、次いで遠隔操作用クライアント40が操作権を取得したか否かが判定される(ステップ303)。
【0067】
ステップ303の判定が肯定された場合には、遠隔操作用クライアント40は操作権を取得し(ステップ304)、処理はステップ300に戻る。また、ステップ303の判定が否定された場合には、遠隔操作用クライアント41が操作権を取得したか否かが判定される(ステップ305)。ステップ305の判定が否定された場合には処理はステップ302に戻る。
また、ステップ305の判定が肯定された場合には遠隔操作用クライアント41が操作権を取得し(ステップ306)、処理はステップ300に戻る。
【0068】
図14は、DCSシステムを取り込んだ複数の空気分離装置を遠隔監視・遠隔操作する遠隔監視操作システムの構成を示すブロック図である。図14において、空気分離装置410,410,…,410は、各地に100台程度点在しており、各々、LAN411に接続されたコントローラ412とクライアント413とを備えている。
【0069】
中央監視センタ415は、装置の運転状況の監視、運転条件等の変数の変更などの遠隔操作、異常時におけるアラーム受発信などを行う。保守管理センタ416は、空気分離装置が故障したときのメンテナンス対応を行う。解析センタ417は、空気分離装置の最適化を目的とした解析を行う。なお、図示しないが、地震や通信系統の不慮の事故によるトラブルを最小限に防ぐためのサブの監視センタも配設されている。
【0070】
中央監視センタ415、サブの監視センタ、保守管理センタ416、解析センタ417は、各々、LAN418,419,420に接続されたクライアント430〜436を備えている。また、各センタ415〜417のLAN418〜420は、64Kbpsの通信速度を有する回線でWAN440に接続されている。
【0071】
各コントローラ412,412,…,412は、装置の状態値、内部変数、PID制御のパラメータなどを含めて総数1000以上の変数を持っている。これらの情報を遠隔監視するために、日常的に1秒周期で監視に必要な情報を表示している。そして、必要に応じてPID制御のパラメータなどの詳細情報を含めてすべての変数が参照および変更が可能となっている。
【0072】
中央監視センタ415等で使用される、コントローラ412から距離的に離れた場所に設置されたクライアント430〜436は、遠隔監視用に特別に製作または設定されているものではなく、装置付属のクライアント413と全く同じ構成、あるいは同等の機能を有している。
【0073】
遠隔地にあるクライアント430〜436と空気分離装置410側のコントローラ412とを、帯域幅の小さいネットワークで接続することができるので、他のネットワーク(図14には示していない物流センタあるいは在庫管理センタなどのネットワーク)との結合が容易となり、拡張性のあるネットワークシステムが得られる。
【0074】
例えば、中央監視センタ415のクライアント430〜432としては、警報用PC、傾向監視用PC、遠隔操作用監視PCがある。それぞれのクライアント430〜432は、リアルタイムトレンド、ヒストリカルトレンド画面、個別計器画面(圧力、流量、温度)、装置配管系統図画面、アラーム画面(どの装置、警報内容等表示)などの画面を、必要に応じて表示させることができ、操作用遠隔監視PCの場合は、これらに加えて運転操作画面を表示し、対象装置を操作することができる。
【0075】
このように、遠隔地にあるクライアント430〜436と、現場にある運転操作用クライアント413とは、同等の機能を有しているので、遠隔地にあるクライアント430〜436からリアルタイムで空気分離装置410を監視することができる。したがって、現場にいなくても運転上の変動を予測することができる。よって、従来技術に比べ、より迅速に、運転条件等の微調整、保全・トラブル発生時のガス供給・遮断、復旧対応、原因究明などを行なうことができる。しかも、本願のネットワークシステムは、本実施形態の通信手順のDCSを採用し、上述したインターロック機能を備えているので、空気分離装置の安全性も確保できている。
【0076】
また、最優先操作クライアントが無反応の場合には、強制的に最優先操作クライアントの「操作権」を放棄させ、他のクライアントに「操作権」を移管させることも可能となっている。但し、その際には、操作移管自体あるいは操作範囲(操作内容)を制限する何らかの手段を備えているものとする。
【0077】
上述した実施形態によれば、コントローラ・クライアント間の通信量をクライアント側で自由に調整できることから、非常に帯域幅の小さいネットワークの構築が可能である。その結果、遠隔監視および操作が非常に安価に実現することができる。しかも、多くの通信量が要求される装置付属のクライアントも、少ない通信量が要求される遠隔監視操作クライアントも全く同じ構成であり、非常に容易に導入、運用、保守を行なうことができる。
【0078】
また、上述したネットワークシステムを採用すれば、複数の空気分離装置等の化学プラントなどリアルタイムで遠隔監視できるとともに、安全性を確保した遠隔操作(運転)ができる。特に、制御対象がガスの流れや圧力、温度などで、PID制御のようにフィードバック、フィードフォワード連続制御が必要な対象装置に最適な遠隔監視操作システムを提供することができる。
【0079】
また、上述したネットワークによれば、解析、監視、保守管理、物流などの機能を分散化させ、総合的な(全社的な)管理が行えるとともに、従来、それぞれの空気分離装置サイトにいた要員を、それぞれの機能毎に集約することが可能となるので、人件費の削減など管理費を大幅に低減することができる。
【0080】
次に本発明の他の実施形態に係る遠隔監視操作システムについて説明する。 本実施形態では、昼間の時間帯が連続するような時差を有する複数の地点にクライアントを配置し、その中の昼間の時間帯にあるクライアントだけを作動可能とすることによりプラントを運転するにつき、クライアントを操作するオペレータの夜勤をなくすことを可能としている。
【0081】
時差を考慮して、地球を3分割、具体的には、ロスアンゼルス(アメリカ)、東京(日本)、ハンブルグ(ドイツ)に遠隔操作用クライアントを要する集中監視操作センタを配置する。
例えば、遠隔操作場所を日中8時間ごとに選定する。東京で遠隔監視操作を8時間担当した後、次に8時間時差があるハンブルグに運転を移管する。さらにその8時間後ロスアンゼルスに運転を移管し、さらにその8時間後に東京に順次、運転を移管する。その結果、夜勤等の勤務を無くすことができる。
【0082】
また、相互に時差が8時間がある3地点に遠隔操作用クライアントを配置する場合だけでなく、時差が12時間ある2地点に遠隔操作用クライアントを配置するようにしてもよい。
さらに、昼休みのような休憩時間を考慮すると、1時から5時までの4時間を相互に4時間の時差が有る6地点に遠隔操作用クライアントを配置するようにしてもよい。
【0083】
また、時差のある複数の地点に遠隔操作用クライアントを配置して昼間の時間帯のみ各地点の遠隔操作用クライアントを作動可能とする場合に、ある地点では8時間、別の地点では6時間というように、各地点で遠隔操作用クライアントの作動可能時間を異ならしめるようにしてもよい。
従来は、世界中に設置されたプラントの運転を、その限定された場所で24時間勤務を余儀なくされていたが、本実施形態に係る遠隔監視操作システムを採用すれば、夜勤をなくすことができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クライアントが有している複数のタスクの要求を非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求を要求送信キュー手段に一時保持し、キュー管理手段によって、前記要求送信キュー手段を保持された、複数のタスクからの要求の重複除去および要求の整合性を管理するようにしたので、化学プラントなどの産業用装置を運転操作制御するコントローラとクライアントとの通信量をクライアント側で調整することが可能となるので、小さい帯域幅のネットワークで接続することができ、運転員の介在が必要な化学プラントなどを安全にかつ最適な状態で運転可能なように遠隔監視・遠隔操作することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による遠隔監視操作システムの基本構成を示すブロック図である。
【図2】 タスクの一例として用いられるGUIを示す模式図である。
【図3】 各サイトのイーサネット(登録商標)が監視ネットワークに接続されて構成された遠隔監視操作システムの例を示す概略構成図。
【図4】 図3に示した遠隔監視操作システムの運用例の前提条件を示す説明図。
【図5】 図3に示した遠隔監視操作システムのクライアント側の復旧動作の一例を示す説明図。
【図6】 図3に示した遠隔監視操作システムのクライアント側の復旧動作の他の例を示す説明図。
【図7】 図3に示した遠隔監視操作システムのクライアント側の復旧動作のさらに他の例を示す説明図。
【図8】 図3に示した遠隔監視操作システムの操作移管手順の一例を示すフローチャート。
【図9】 図3に示した遠隔監視操作システムの操作移管手順の一例を示すフローチャート。
【図10】 図3に示した遠隔監視操作システムにおいて各クライアントが操作権を平等に持つ場合のクライアント側の復旧動作の一例を示す説明図。
【図11】 図3に示した遠隔監視操作システムにおいて各クライアントが操作権を平等に持つ場合のクライアント側の復旧動作の他の例を示す説明図。
【図12】 図3に示した遠隔監視操作システムにおいて各クライアントが操作権を平等に持つ場合のクライアント側の復旧動作のさらに他の例を示す説明図。
【図13】 図3に示した遠隔監視操作システムにおいて各クライアントが操作権を平等に持つ場合の操作移管手順の一例を示すフローチャート。
【図14】 DCSシステムを取り込んだ複数の空気分離装置を遠隔監視・遠隔操作するシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 クライアント
1−1〜1−n タスク
2 要求送信キュー(要求送信キュー手段)
3 キュー管理タスク(キュー管理手段)
4 送信タスク
5 コントローラ
6 受信タスク
7 メモリ(記憶手段)
410 空気分離装置
412 コントローラ
413 クライアント
415 中央監視センタ
416 保守管理センタ
417 解析センタ
418,419,420 LAN
430〜436 クライアント
440 WAN

Claims (8)

  1. コントローラと操作用端末であるクライアントとを有する分散制御システムが複数、ネットワークを介して接続され、かつ該ネットワークに遠隔操作用クライアントが接続されてなり、該遠隔操作用クライアントにより少なくとも1つの対象物を遠隔で監視・操作する遠隔監視操作システムであって、
    クライアントが有している複数のタスクの要求を非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求と共に、該要求の「破棄可能または不可能」を示すフラグを一時保持する要求送信キュー手段と、
    前記コントローラに前記複数のタスクからの要求を送信する送信手段と、
    前記要求送信キュー手段を定期的に監視し、該要求送信キュー手段に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー手段に保持されている要求のうち、前記フラグにより破棄可能が示されている要求を破棄するとともに、前記既に要求送信キュー手段に保持されている要求と前記新たな要求との重複を取り除いて前記送信手段に受け渡すキュー管理手段とを有する前記コントローラとクライアントとの間の通信を行う通信手段を具備することを特徴とする遠隔監視操作システム。
  2. 遠隔で監視・操作する複数の対象物は、プラントであり、
    プラントサイトにあるクライアントと、前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントとをネットワークを介して接続させ、
    前記プラントサイトにあるクライアント及び前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントを含む全てのクライアントのうち、最終操作を行なったクライアントを、最優先で操作可能な最優先操作クライアントとして常に明示し、
    前記最優先操作クライアントは、最優先クライアントの権利を放棄すると判断したときに、「操作権委譲通知」を発行し、その他のクライアントに対して前記最優先クライアントの権利を放棄する旨明示し、
    前記「操作権委譲通知」を確認したクライアントのうち、最優先クライアントとなりたいクライアントは前記最優先クライアントに対して「操作移管命令」を発行し、
    前記「操作移管命令」受信した前記最優先クライアントは、前記「操作移管命令」を発行したクライアントに対して「操作許可命令」を発行すると共に、
    前記最優先操作クライアントが他のクライアントに「操作許可命令」を発行するまで、最優先操作クライアントとして維持するとともに、前記他のクライアントからの操作を不可とする操作権移管制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔監視操作システム。
  3. 前記操作権移管制御手段は、前記他のクライアントが、前記最優先操作クライアントが発行した「操作許可命令」を受信した時点で、前記他のクライアントを、最優先操作クライアントとすることを特徴とする請求項に記載の遠隔監視操作システム。
  4. 地球上の複数の地点に遠隔操作用の前記クライアントを配置し、各地点間の時差に応じて、各地点に配置した前記クライアントを順次作動可能にすることにより、前記プラントの運転操作を移管することを特徴とする請求項に記載の遠隔監視操作システム。
  5. コントローラと操作用端末であるクライアントとを有する分散制御システムが複数、ネットワークを介して接続され、かつ該ネットワークに遠隔操作用クライアントが接続されてなり、該遠隔操作用クライアントにより少なくとも1つの対象物を遠隔で監視・操作するための遠隔監視操作方法であって、
    クライアントが有している複数のタスクの要求を送信手段により非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求と共に、該要求の「破棄可能または不可能」を示すフラグを要求送信キュー手段により一時保持し、
    キュー管理手段により、前記要求送信キュー手段を定期的に監視し、該要求送信キュー手段に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー手段に保持されている要求のうち、前記フラグにより破棄可能が示されている要求を破棄するとともに、前記既に要求送信キュー手段に保持されている要求と前記新たな要求との重複を取り除いて前記送信手段に受け渡すことを特徴とする遠隔監視操作方法。
  6. 遠隔で監視・操作する複数の対象物は、プラントであり、
    プラントサイトのクライアントと、前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントとをネットワークを介して接続させ、
    前記プラントサイトにあるクライアント及び前記プラントサイトとは別の場所にある1以上のクライアントを含む全てのクライアントのうち、最終操作を行ったクライアントを、最優先で操作可能な最優先操作クライアントとして常に明示し、
    前記最優先操作クライアントは、最優先クライアントの権利を放棄すると判断したときに、「操作権委譲通知」を発行し、その他のクライアントに対して前記最優先クライアントの権利を放棄する旨明示し、
    前記「操作権委譲通知」を確認したクライアントのうち、最優先クライアントとなりたいクライアントは前記最優先クライアントに対して「操作移管命令」を発行し、
    前記「操作移管命令」受信した前記最優先クライアントは、前記「操作移管命令」を発行したクライアントに対して「操作許可命令」を発行すると共に、
    前記最優先操作クライアントが他のクライアントに「操作許可命令」を発行するまで、最優先操作クライアントとして維持するとともに、前記他のクライアントからの操作を不可とすることを特徴とする請求項に記載の遠隔監視操作方法。
  7. 前記他のクライアントが、前記最優先操作クライアントが発行した「操作許可命令」を受信した時点で、前記他のクライアントを、最優先操作クライアントとすることを特徴とする請求項に記載の遠隔監視操作方法。
  8. コントローラと操作用端末であるクライアントとを有する分散制御システムが複数、ネットワークを介して接続され、かつ該ネットワークに遠隔操作用クライアントが接続されてなり、該遠隔操作用クライアントにより少なくとも1つの対象物を遠隔で監視・操作するための遠隔監視操作プログラムであって、
    クライアントが有している複数のタスクの要求を送信手段により非同期でコントローラへ送信する際に、複数のタスクからの要求と共に、該要求の「破棄可能または不可能」を示すフラグを要求送信キュー手段により一時保持する第1のステップと、
    キュー管理手段により、前記要求送信キュー手段を定期的に監視し、該要求送信キュー手段に新たな要求が送られてくると、既に要求送信キュー手段に保持されている要求のうち、前記フラグにより破棄可能が示されている要求を破棄するとともに、前記既に要求送信キュー手段に保持されている要求と前記新たな要求との重複を取り除いて前記送信手段に受け渡す第2のステップとを、
    コンピュータに実行させることを特徴とする遠隔監視操作プログラム。
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