JP4271504B2 - 吹き込み空気をガラス容器成形機のモールド内に導入する方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は、独立セクション(IS)型ガラス容器成形機のブランクモールド内のガラス塊の中にカウンタブロー吹き込み空気を導入する方法及び装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
米国特許第4,364,764号明細書(発明者:ファーカス(Forkas)等)はその図1において、IS型のガラス容器成形機で成形可能な温度の状態にあるガラスの塊から中空ガラス容器をブローアンドブロープロセスと呼ばれる方式によって製造する際に実施される一連の工程を示しており、かかる米国特許明細書の開示内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。IS機で実施されるブローアンドブロープロセスでは、ガラス容器のプレフォームを、ブランクモールドと呼ばれることが多い第1のステージモールドで裏返し又は逆さまの向きで、即ち、その開放端部を下にした状態で成形される。プレフォーム(これは、ブランク又はパリソンと呼ばれることが多い)を次に、180°の円弧にわたる裏返し作業で、ブローモールドと呼ばれることが多い第2のステージモールド内へ移送し、ここでプレフォームは、その最終形態にブロー成形(吹き込み成形)される。上記米国特許第4,364,764号明細書の図2の図Cは、ブローアンドブロープロセスにおいてカウンタブロー工程と呼ばれる工程、即ち、パリソンをブランクモールドの底部に正しく配置した後、吹き込み空気をパリソンの中へ注入する工程を示している。
【0003】
米国特許第4,191,548号明細書(発明者:フォートナー(Fortner)等)は、ブローアンドブロープロセスで稼働しているIS機のブランクモールド内のガラスプレフォーム中にカウンタブロー空気を導入する専用装置を開示しており、かかる米国特許明細書の開示内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0004】
従来、IS機で実施されるブローアンドブロープロセスにおいて用いられるカウンタブロー空気は、IS型成形機のブランクモールド内のガラスの塊の中にブランクモールドに対して往復動するプランジャを介して導入され、このブランクモールド内のガラス塊は、パリソンの所望の形状にブロー成形されることになっており、カウンタブロー空気は、プランジャがその下方位置にあるときにのみ吹き込まれる。この工程は例えば、上述のフォートナー等の米国特許第4,191,548号明細書の第5欄第49〜57行に記載されている。しかしながら、カウンタブロー空気の導入中、プランジャを引っ込める工程が原因となってパリソンの仕上げ部分の「コケージ(corkage )」の変形が生じる場合がある。なお、「コケージ」という用語は、上述の米国特許第4,191,548号明細書で用いられている。
【0005】
【発明の概要】
IS型ガラス容器成形機のブランクモールド内でパリソンの状態に吹き込みブロー成形されるべきガラス塊の中にカウンタブロー空気を導入することと関連した上述の問題及び他の問題を解決するため、プランジャの中へのカウンタブロー空気の導入中、ボブ及びモールドに対して往復動する必要が無ければ往復動もしないカウンタブロー空気導入プランジャが提供される。本発明のプランジャは、IS機のブランクモールドの下に位置決めされる非往復動環状部材を有し、このプランジャは更に、環状部材に対して往復動する滑り弁部材を有している。滑り弁部材は、カウンタブロー空気がプランジャを通って流れていないとき、環状部材の切頭円錐形表面に着座する外方に延びる切頭円錐形端部を備えた細長いステムを有している。弁は、滑り弁部材のステムに螺着された環状カラーを更に有し、このカラーを貫通して円周方向の複数の空気通路が設けられている。カラーは、環状部材の凹部内で摺動し、この凹部には吹き込み空気が間欠的に導入され、このカラーは、加圧されて滑り弁部材の切頭円錐形端部を環状部材の切頭円錐形受座から離脱させて、環状部材の凹部が加圧されたときにのみ、吹き込み空気が塊の中に流れることができるようになっている。環状部材の凹部の減圧時点滑り弁部材は、重力の作用でその着座位置に戻ることになる。このように、プランジャは、カウンタブロー工程全体を通じ、ブロー成形中のパリソンの仕上げ部と接触したままであり、それにより、ガラスパリソンのカウンタブローに関し、従来の教示による実行の際、従来カウンタブロー工程の実施中に起る場合のあるパリソン仕上げ部のコケージの変形の問題を解決する。
【0006】
したがって、本発明の目的は、IS型ガラス容器成形機のブランクモールド内のガラスの塊の中にカウンタブロー空気を導入する改良方法及び改良装置を提供することにある。より詳細には、本発明の目的は、カウンタブロー空気導入プランジャをカウンタブロー空気導入工程中、ブランクモールドの他の構造部材に対して引っ込める必要が無く、それにより、ブランクモールド内で成形されているパリソンの仕上げ部のコケージの変形を回避する上述した形式の方法及び装置を提供することにある。
【0007】
本発明の内容及びその目的をより深く理解するために、図面及び図面の簡単な説明、本発明の詳細な説明並びに特許請求の範囲を参照されたい。
【0008】
【詳細な説明】
本発明の好ましい実施形態のカウンタブロー空気導入プランジャが全体を符号10で示されている。プランジャ10は、作動の際、IS機(図示せず)のブランクモールドに対して往復動しない環状ハウジング部材12と、作動の際、環状部材12に対し環状部材12の長手方向中心軸線に沿って摺動自在に往復動する弁部材14と、弁部材14のステム部分14aに固定されていて、これと共に往復動するカラー16とで構成されている。カラー16は、環状部材12の入口端部のところに設けられた拡大凹部又は凹み部分12a内で前後に摺動し、以下に詳細に説明する目的で、このカラーを貫通して円周方向に互いに間隔を置いた複数の流体流れ通路16が設けられている。
【0009】
弁部材14は、その上方自由端部のところに上方に延びる拡大切頭円錐形部分14bを更に有し、図1に示すように、弁部材14の第1の位置では、この部分14bは、環状部材12の上方に延びる上方切頭円錐形部分12bに着座してプランジャ10を通る流体の流れを遮断するようになっている。環状部材12に対する弁部材14の移動は、弁部材14のステム14a上のカラー16の位置によって制限される。というのは、カラー16は、環状部材12の凹部12aの上端部のところに設けられた半径方向肩12cと接触した位置を越えて移動できないからである。環状部材12の凹部12aは、以下に詳細に説明する目的で、肩12cの軸方向内方に位置決めされた縮径部分12dを更に有している。
【0010】
カウンタブロー空気は、概略的に示されている入口ライン20を通って環状部材12の凹部12aに間欠的に送られ、空気入口ライン20には、環状部材12に対するカウンタブロー空気の流れのタイミングを制御するオンオフ弁22が設けられている。凹部12aを入口ライン20を通るカウンタブロー空気の流れによって加圧すると、凹部内の圧力は、カラー16の下側を加圧し、カラー16及び弁部材14が一緒になって図3に示すように環状部材12に対して上昇するようにする。次に、これにより、凹部12aからの加圧空気が通路16aを通って流れ、しかる後、弁部材14の部分14bと環状部材12の弁座12bとの間の環状隙間に逃げ込んでプランジャ10と関連したブランクモールド内の成形可能な温度状態にあるガラスの塊をカウンタブローする。弁22の閉鎖時、凹部12aは減圧状態になり、これにより、弁部材14及びカラー16が重力の作用で一緒になって図3の位置から図1の位置に戻ることができ、この図1の位置で、弁部材14の部分14bは、環状部材12の弁座12bに着座して環状部材12を通るそれ以上の空気の流れを遮断する。環状部材12に対する弁部材14の上昇可能距離を制御するため、カラー16は、弁部材14のステム部分14aの雄ねじ付き部分14cに螺着されていて、カラー16が所望に応じて環状部材12に対する弁部材14の移動中における始めの方の位置又は遅い方の位置で環状部材12の肩12aに係合するようになっている。この場合、環状部材の凹部12a内に残存している加圧空気は、通路16aを通って縮径部分12d内へ逃げ込み、ここから、弁部材14の弁部分14bと環状部材12の弁座12bとの間の環形部又は環状域を通ってプランジャ10の外部に逃げ出ることができる。
【0011】
プランジャ10の環状部材12、弁部材14及びカラー16はそれぞれ、IS機のブランクモールドの近くの領域中で生じている高温に鑑みて、適当な金属材料、好ましくは、耐熱性の鋼で作られる。かかる材料は、凹部12aを減圧したとき、カラー16の上面と環状部材12の肩12cとの間に戻しばねを必要としないで、弁部材14及びカラー16を含む組立部品(サブアセンブリ)を図3の位置から図1の位置に戻すのに十分な質量を組立部品に与えるのに十分な密度を有している。
【0012】
環状部材12は、これを通るカウンタブロー空気の通過中、定位置に留まっているので、カウンタブロー空気がブランクモールド内でパリソンの状態に成形されている塊の中に流れることができるようにする引っ込み可能なプランジャを利用する従来技術のカウンタブロー空気導入システムに特有の問題、即ち、カウンタブロー空気によって形成されているパリソンの仕上げ部分のコケージの変形の問題が回避される。
【0013】
出願時点において本発明を実施する本発明者によって発明された最適実施態様を本明細書において開示したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく適当な改造例、変更例及び均等例を想到できることは明らかであり、かかる範囲は、特許請求の範囲に記載された技術的事項及びその法上の均等範囲によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カウンタブロー空気をIS型ガラス容器成形機のブランクモールド中に導入する本発明の好ましい実施形態としてのプランジャのその動作の第1の条件において示す部分概略断面側面図である。
【図2】図1の2−2線矢視断面図である。
【図3】図1と類似した図であり、プランジャをその作動の別の状態で示す図である。
【符号の説明】
10 プランジャ
12 環状部材
14 滑り弁部材
14a ステム部分
14b 拡大弁座部分
16 カラー
20 入口ライン
22 オンオフ弁

Claims (10)

  1. IS型ガラス容器成形機のブランクモールド内の成形可能な温度状態にあるガラスの塊の中にカウンタブロー空気を導入する装置であって、
    環状部材を有し、前記環状部材は、ブランクモールドに対して往復動不能であり、前記環状部材は、垂直方向に延びる長手方向中心軸線、最も下の端部のところに設けられた拡大凹部及び最も上の端部のところに設けられた上向きの弁座を有し、
    滑り弁部材を有し、前記滑り弁部材は、前記環状部材の環形部内に配置され、前記環状部材に対し往復動可能であり、最も上の端部のところに拡大弁部分を備えたステムを有し、前記拡大弁部分は、前記環状部材に対する前記弁部材の第1の位置において、前記環状部材の前記弁座に着座し、前記弁部材の第2の位置において、前記弁座に対して離脱した状態にあり、
    前記弁部材と共に往復動可能な状態で、前記弁部材の前記ステムに固定された環状カラーを有し、前記カラーは、前記環状部材の前記凹部内に配置され、前記カラーを貫通して少なくとも1つの空気流通路が設けられ、
    加圧空気を前記凹部に間欠的に送って前記カラーの下側に作用させ、それにより前記弁部材の前記弁部分を押圧してこれを前記第1の位置から前記第2の位置に動かすための手段を有し、前記弁部材は、前記凹部を減圧すると、前記第1の位置に戻るようになっていることを特徴とする装置。
  2. 前記滑り弁部材の前記拡大弁部分は、前記滑り弁部材の自由端部のところに最大の広がりを持つ切頭円錐形の形状をしており、前記環状部材の前記弁座は、切頭円錐形の形状をしており、前記滑り弁部材の前記拡大弁部分は、前記滑り弁部材が前記第1の位置にあるとき、前記弁座と面接触をなして係合することを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記カラーを貫通して延びる前記少なくとも1つの空気流通路は、前記滑り弁部材の長手方向中心軸線を包囲する円周方向アレイ状に設けられた複数の空気流通路から成ることを特徴とする請求項1記載の装置。
  4. 環状カラーは、前記滑り弁部材の前記ステムに調節自在且つ着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
  5. 環状カラーは、前記滑り弁部材の前記ステムに調節自在且つ着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項2記載の装置。
  6. 環状カラーは、前記滑り弁部材の前記ステムに調節自在且つ着脱自在に固定されていることを特徴とする請求項3記載の装置。
  7. 前記環状部材の前記凹部は、半径方向肩を有し、前記環状カラーは、前記滑り弁部材の前記第2の位置において、前記半径方向肩に係合することを特徴とする請求項4記載の装置。
  8. IS型ガラス容器成形機のブランクモールド内の成形可能な温度状態にあるガラスの塊の中にカウンタブロー空気を導入する装置であって、
    環状部材を有し、前記環状部材は、ブランクモールドに対して往復動不能であり、前記環状部材は、垂直方向に延びる長手方向中心軸線、最も下の端部のところに設けられた拡大凹部及び最も上の端部のところに設けられた上向きの弁座を有し、
    滑り弁部材を有し、前記滑り弁部材は、前記環状部材の環形部内に配置され、前記環状部材に対し往復動可能であり、最も上の端部のところに拡大弁部分を備えたステムを有し、前記拡大弁部分は、前記環状部材に対する前記弁部材の第1の位置において、前記環状部材の前記弁座に着座し、前記弁部材の第2の位置において、前記弁座に対して離脱した状態にあり、
    前記弁部材と共に往復動可能な状態で、前記弁部材の前記ステムに固定された環状カラーを有し、前記カラーは、前記環状部材の前記凹部内に配置され、前記カラーを貫通して少なくとも1つの空気流通路が設けられ、
    加圧空気を前記凹部に間欠的に送って前記カラーの下側に作用させ、それにより前記弁部材の前記弁部分を押圧してこれを前記第1の位置から前記第2の位置に動かすための手段を有し、前記弁部材は、前記凹部を減圧すると、前記第1の位置に戻るようになっており、
    前記凹部は、前記半径方向肩から軸方向内方に間隔を置いていて、前記カラーが前記半径方向肩に係合したときに前記凹部内に残存している流体を逃がすことができるようにする側方の広がりが縮減された一部分を更に有していることを特徴とする装置。
  9. ガラスの塊をIS型ガラス容器成形機のブランクモールド内に配置した後、前記ブランクモールド内の成形可能な温度状態にあるガラスの塊の中にカウンタブロー空気を導入する方法であって、
    往復動不能な環状部材を準備する工程を有し、環状部材は、その最も上の端部のところに設けられた受座及びその最も下の端部のところに設けられた拡大凹部を有し、
    最も上の端部のところに設けられた拡大弁部分及び拡大弁部分から下方に延びるステムを有する滑り弁部材を準備する工程を有し、滑り弁部材は、環状部材に対して往復動可能であって、弁部分が環状部材の受座に着座して環状部材を通る流体の流れを遮断する第1の位置と、弁部分が環状部材の受座から離脱して環状部材を通る流体の流れを可能にする第2の位置との間で動くようになっており、
    前記滑り弁部材のステムに設けられていて、滑り弁部材と一緒に環状部材に対して往復動できるカラーを準備する工程を有し、カラーは、環状部材の凹部内で摺動自在であり、カラーを貫通して少なくとも1つの流体流れ通路が設けられており、
    環状部材の凹部を流体で加圧し、流体がカラーの下側に作用してカラーを上方に押圧し、それにより、滑り弁部材を第1の位置から第2の位置に動かす工程を有し、
    環状部材の凹部を減圧して滑り弁部材が重力の作用で第1の位置に戻るようにする工程を有していることを特徴とする方法。
  10. 流体は、圧縮空気であることを特徴とする請求項9記載の方法。
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