JP4271471B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガイドワイヤ、特に血管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガイドワイヤは、例えばPTCA術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルの目的部位への誘導などに使用される。
PTCA術に用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導するために使用される。
特に、バルーンカテーテルを血管に挿入するために用いるガイドワイヤーについては、複雑に湾曲している血管内を進入する必要があるため、曲げに対する十分な柔軟性および復元性、また基端部における操作を先端側に確実に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを合わせて操作性とする)、耐キンク性等が要求される。
【0003】
しかしながら、従来のガイドワイヤは、芯材が実質的に1種の材料から構成されているため、ガイドワイヤの操作性を高めるために芯材に比較的弾性率の高い材料を用いた場合、押し込み性は高くなるが柔軟性に劣るもののとなり、逆に、ガイド芯材に比較的弾性率の低い材料を用いると、ガイドワイヤの押し込みが劣るものとなり操作性が低下する。このように、必要とされる柔軟性および操作性を、1つの芯材で満たすことは困難とされていた。
特許文献1には、芯材にNi−Ti合金線を用い、その先端側と基端側とに異なった条件で熱処理を施し、先端部の柔軟性を高め、基端側の剛性を高めたガイドワイヤが提案されている。
また、特許文献2には、先端側に配置された可撓性を有するワイヤと、基端側に配置された剛性が高いワイヤと、第1のワイヤと第2のワイヤとを接続し溝およびスリットを有する管状の接続部材とからなり、接続部材は先端側から基端側に向かって徐々に剛性が高くなるガイドワイヤが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−14792号公報
【特許文献2】
特開平10−118005号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、単一の芯材を用いるガイドワイヤであって、目的とする操作性の設定が容易であり、操作性の高いガイドワイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 先端部と本体部と前記先端部と前記本体部間に位置する中間部を備えるガイドワイヤであって、前記本体部は、第1の材料によって形成された中心層と、第2の材料によって形成された表面層と、前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された中間層を備え、前記中間部は、前記第1の材料により形成された中心層と前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された表面層を備え、前記第1の材料は、第1の金属材料であり、前記第2の材料は、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料であり、前記先端部は、前記第1の材料により形成されるとともに、前記ガイドワイヤの先端を形成する細径部分であることを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記先端部は、前記第1の材料により形成されるとともに、前記本体部の中心部と連続している上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記本体部は、該本体部の先端部に設けられたテーパー部を備えている上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
【0007】
(4) 前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された中間層は、表面層に向かうに従って前記第1の材料含有率が低下しかつ前記第2の材料含有率が高くなっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(5) 前記先端部は、前記第1の材料のみにより形成されている(1)に記載のガイドワイヤ。
(6) 前記先端部は、前記第1の材料により形成され、さらに、表面に薄い前記第2の材料により形成された表面被覆層を備えるものである(1)に記載のガイドワイヤ。
) 前記第1の材料は、Ni−Ti系合金または造影性金属である上記(1)ないし()のいずれかに記載のガイドワイヤ。
) 前記第2の材料は、ステンレス鋼である上記(1)ないし()のいずれかに記載のガイドワイヤ。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例であるガイドワイヤを添付図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるガイドワイヤの正面図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図1のB−B線断面図である。図4は、図1のC−C線断面図である。
【0009】
本発明のガイドワイヤ1は、先端部2と本体部3を備えるガイドワイヤであって、本体部3は、第1の材料によって形成された中心層31と、第2の材料によって形成された表面層32と、第1の材料と第2の材料の混合物によって形成された中間層33を備えている。
このため、このガイドワイヤは、第1の材料と第2の材料の複合的性質を備えるものとなり、第1の材料のみによりまたは第2の材料のみにより作製されたガイドワイヤに比べて、中間的な物性を備えるものとなり、操作性の高いガイドワイヤとすることができる。
図1に示すように、ガイドワイヤは、図示する実施例のガイドワイヤ1のように、先端部2と、本体部3と、両者間に位置する中間部4を備えていることが好ましい。さらに、先端部2は、第1の材料により形成されるとともに、本体部3の中心部と連続していることが好ましい。また、中間部4は、第1の材料により形成された中心層45と第1の材料と第2の材料の混合物によって形成された表面層46を備えていることが好ましい。
【0010】
また、上記本体部3の第1の材料と第2の材料の混合物によって形成された中間層33は、表面層に向かうに従って第1の材料含有率が低下しかつ第2の材料含有率が高くなっていることが好ましい。また、この実施例のように、ガイドワイヤは、接合部を備えない一体物であることが好ましい。
ガイドワイヤ1は、カテーテル(図示せず)のルーメン内に挿入して使用される医療用ガイドワイヤである。図1に示すように、ガイドワイヤ1は、先端部2と、本体部3と、先端部2と本体部3の間に配置された中間部4を備えている。ガイドワイヤの全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。
【0011】
先端部2は、この実施例のガイドワイヤ1では、図1に示すように、ガイドワイヤの先端を形成する細径部分である。先端部2の長さは、20〜100mm程度、特に、5〜30mm程度であることが好ましい。また、先端部2の外径は、0.04〜0.2mm程度であることが好ましい。なお、先端部2は、全体がほぼ同じ外径となっているものでもよく、全体が、先端側に向かってテーパー状に縮径するものであってもよい。そして、このガイドワイヤ1では、図4に示すように、先端部2は、第1の材料のみにより形成されている。なお、先端部2は、表面に薄く後述する第2の材料により形成された表面被覆層を備えるものであってもよい。なお、この場合、表面被覆層は、実質的に第1の材料により形成される先端部2の物性に影響を与えないものであることが好ましい。
【0012】
第1の材料としては、金属が好ましい。金属としては、Ni−Ti系合金または造影性金属が好ましい。造影性金属としては、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金等が挙げられる。このように、第1の材料として、高造影性金属を用いることにより、X線造影、超音波造影などにより先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入可能となる。
また、第1の金属材料として、擬弾性を示しうるNi−Ti系合金を用いることも好ましい。第1の材料として、このような合金により形成することにより、先端部分は、柔軟部となる。第1の金属材料として擬弾性を示しうる金属材料(擬弾性合金ともいう)を使用すれば、十分な柔軟性および復元性を有するため、複雑に湾曲、屈曲する血管に対して高い追従性および操作性を得ることができる。また、擬弾性合金の高い復元性により、先端部2を繰り返し湾曲、屈曲変形させても曲がり癖が付かないため、曲がり癖が付くことによるガイドワイヤ1の操作性の低下を防止することができる。
【0013】
なお、擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線がいずれの形状のものも含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
擬弾性を示し得る金属材料としては、Ni−Ti系合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、Ni−Al合金等が挙げられる。具体的には、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が好ましい。第1の金属材料としては、特に、Ni−Ti系合金が好ましい。
【0014】
この実施例のガイドワイヤ1では、図1に示すように、中間部4は、本体部3の先端と連続する円柱状部43と、円柱状部43の前方に形成された先端に向かって緩やかに縮径する第2のテーパー部44を備えている。
このような構成により、中間部4の剛性は先端に向かって徐々に小さくなるため、ガイドワイヤ1の血管への追従性、安全性が向上するとともに、折れ曲がり等が生じにくくなる。なお、本発明の実施例では、先端に向かって縮径するテーパー部が1か所設けられているが、2か所以上設けられていてもよい。さらには、テーパー部を備えないものであってもよい。また、中間部は、先端部2に向かって全体がなだらかに縮径するテーパー部としてもよい。
【0015】
そして、中間部4は、図1および図3に示すように、中心層45と表面層46を備えていることが好ましい。特に、中心層45は、上述した第1の材料により形成されるとともに、先端部2と連続していることが好ましい。また、表面層46は、上述した第1の材料と後述する第2の材料の混合物によって形成されていることが好ましい。そして、この実施例では、中心層45は、先端部2の外径とほぼ同じ径となっている。また、中間部4の長さは、10〜200mm程度、特に、30〜100mm程度であることが好ましい。
【0016】
第2の材料としては、先端部を形成する第1の金属材料よりも剛性の高い材料であることが好ましい。具体的には、第2の材料は、第1の材料より高い弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)を有するものであることが好ましい。このような材料としては、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等)、高炭素鋼、コバルト系合金などの各種金属材料が使用できる。特に、ステンレス鋼やコバルト系合金が好ましい。第1の材料と第2の材料の組み合わせとしては、第1の材料として上述したNi−Ti系合金であり、第2の材料として、上述したステンレス鋼の組み合わせが好適である。
【0017】
そして、中間部4の表面層46は、第1の材料と第2の材料の混合物によって形成されている。第1の材料および第2の材料は上述したとおりである。中間層形成材料における第1の材料と第2の材料重量比は、使用する材料によっても相違するが、第1の材料と第2の材料の重量比は、1:9〜9:1が好適であり、特に、3:7〜7:3が特に好適である。
さらに、表面層46は、表面に向かうに従って第1の材料含有率が低下しかつ第2の材料含有率が高くなっていることが好ましい。このようにすることにより、ガイドワイヤは、径方向の傾斜物性を備えるものとなる。表面層46における第2の金属材料含有率は、表面に向かう従って段階的に高くなるもの、また徐々に高くなるもの、増加の割合が高くなるものまたは増加の割合が低くなるものであってもよい。そして、この実施例のガイドワイヤ1では、上述した中間部の構造がガイドワイヤの本体部3に到達するまで延びている。つまり、ガイドワイヤの中間部全体が、上述した中心層と表面層の2層構造を備えるものとなっている。
【0018】
本体部3は、第1の材料によって形成された中心層31と、第2の材料によって形成された表面層32と、第1の材料と第2の材料の混合物によって形成された中間層33を備えている。本体部3は、先端部に設けられたテーパー部22と、ほぼ同一外径に形成された主部を備える。本体部3の長さは、300〜5000mm程度、特に、500〜1000mm程度であることが好ましい。 また、本体部3の外径は、0.2〜1.2mm程度であることが好ましい。
本体部3は、図2に示すように、中心側から外側に向かって、中心層31,中間層33,表面層32を備える構造となっている。中心層31は、上述した中間部4の中心層45と連続するとともに、上述した第1の材料により形成されている。よって、このガイドワイヤ1では、第1の材料により形成される中心層は、本体部3および中間部4を貫通し、先端部を形成している。第1の材料は上述した通りである。
【0019】
表面層32は、本体部の外層を形成するものであり、第1の材料と異なる第2の材料により形成されている。第2の材料としては、金属材料が好適である。特に、第1の材料および第2の材料は共に金属材料であり、かつ、第2の材料は、第1の金属材料より剛性の高いものであることが好ましい。
本体部3の表面層32は、先端部を形成する第1の金属材料よりも剛性の高い第2の金属材料を用いて作製されていることが好ましい。具体的には、第2の材料は、第1の材料より高い弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)を有するものであることが好ましい。高い弾性率を有する第2の金属材料を用いて本体部3の表面層を形成することにより、ガイドワイヤ1は操作性(押し込み性およびトルク伝達性)に優れたものとなる。
【0020】
第2の材料としては、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等)、高炭素鋼、コバルト系合金などの各種金属材料が使用できる。特に、ステンレス鋼やコバルト系合金が好ましい。第1の材料と第2の材料の組み合わせとしては、第1の材料として上述したNi−Ti系合金であり、第2の材料として、上述したステンレス鋼の組み合わせが好適である。
【0021】
そして、本体部3の中間層33は、第1の材料と第2の材料の混合物によって形成されている。第1の材料および第2の材料は上述したとおりである。中間層形成材料における第1の材料と第2の材料重量比は、使用する材料によっても相違するが、第1の材料と第2の材料の重量比は、1:9〜9:1が好適であり、特に、3:7〜7:3が特に好適である。
さらに、中間層33は、表面層に向かうに従って第1の材料含有率が低下しかつ第2の材料含有率が高くなっていることが好ましい。このようにすることにより、ガイドワイヤは、径方向の傾斜物性を備えるものとなる。中間層33における第2の金属材料含有率は、表面層に向かう従って段階的に高くなるもの、また徐々に高くなるもの、増加の割合が高くなるものまたは増加の割合が低くなるものであってもよい。そして、この実施例のガイドワイヤ1では、上述した構造がガイドワイヤの基端まで延びている。つまり、ガイドワイヤの本体部全体が、上述した中心層、中間層および表面層の3層構造を備えるものとなっている。
【0022】
しかし、このようなものに限定されるものではなく、例えば、図5ないし図7に示すようなものであってもよい。
図5は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの正面図である。図6は、図5のD−D線断面図である。図7は、図5のE−E線断面図である。
【0023】
この実施例のガイドワイヤ10は、本体部3の基端側に基端部5を備えている。
ガイドワイヤ10の基端部5は、図6に示すように、本体部3の表面層32を形成する第2の材料により形成されている。このように、ガイドワイヤ10の基端部5を第2の材料のみにより形成することにより、基端部での操作性が良好となる。また、基端部5の先端側には、移行領域5aを形成することが好ましい。この移行領域5aは、図5のE−E線断面図である図7に示すように、中心層31と表面層32とにより形成されており、中間層が形成されていない。具体的には、中心層部分は、本体部と同じであり、中間層部分が表面層と同じ第2の材料により形成されている。つまり、表面層が厚くなった構造となっている。このため、移行領域5aは、3層構造部分(本体部)より若干剛性が高い部分となる。このような移行領域を設けることにより、より基端部での操作性が向上する。
【0024】
また、ガイドワイヤは、外面が樹脂により被覆されていてもよい。樹脂としては、熱可塑性樹脂が望ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系樹脂もしくはそれらのポリオレフィン系エラストマー、フッ素系樹脂もしくは軟質フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルもしくはポリエステル系エラストマー、メタクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリウレタンもしくはポリウレタン系エラストマー、ポリアミドもしくはポリアミド系エラストマー、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、スチレンブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂もしくはスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリイミド、ポリ塩化ビニルなどが使用できる。また、これらの樹脂をベースとしたポリマーアロイあるいはポリマーブレンドを用いることも可能である。さらには、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴムなどのゴムも使用できる。特に、熱可塑性樹脂が好適である。また、樹脂被膜は、ガイドワイヤの湾曲の妨げにならない程度に柔軟であり、外表面は凹凸のない滑らかな表面となっていることが好ましい。
【0025】
さらに、樹脂被膜の外面には、ヘパリン、ウロキナーゼ等の抗凝固剤、ウレタンとシリコーンのブロック共重合体(登録商標 アブコサン)、ヒドロキシエチルメタクリレート−スチレン共重合体等の抗血栓材料をコーティングしてもよい。
また、樹脂被膜の表面に低摩擦性物質を固定してもよい。低摩擦性物質の固定は、先端部分のみに行うもの、または後端部分を除き行うものとしてもよい。低摩擦製物質には、湿潤とは無関係に低摩擦表面を有する疎水性物質、例えば、フッ素系樹脂やシリコーン樹脂、および湿潤時に潤滑性を有する物質(潤滑性物質)をいう。後者の具体例として、水溶性高分子物質またはその誘導体がある。潤滑性物質は、上記合成樹脂の表面に共有結合またはイオン結合により固定されている。そして、この潤滑性物質は、原則として鎖状で架橋のない高分子物質であり、−OH、−CONH、−COOH、−NH、−COO−SO などの親水性基を有している。さらに、潤滑性物質は、湿潤時(例えば、血液接触時)に含水し潤滑性を発現するものである。
【0026】
具体的には、天然水溶性高分子物質として、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプンなどのデンプン系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系、タンニン、リグニン系、アルギン酸、アラビアゴムヘパリン、キチン、キトサンなどの多糖類、ゼラチン、カゼインなどのタンパク質などが考えられる。合成水溶性高分子物質としては、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイド系として、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレングリコール系として、ポリエチレングリコール、アクリル酸系として、ポリアクリル酸ソーダ、無水マレイン酸系として、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル無水マレイン酸ソーダ、メチルビニルエーテル無水マレイン酸アンモニウム塩、無水マレイン酸エチルエステル共重合体、フタル酸系として、ポリヒドロキシエチルフタル酸エステル、水溶性ポリエステルとして、ポリジメチロールプロピオン酸エステル、アクリルアミド系として、ポリアクリルアミド加水分解物、ポリアクリルアミド四級化物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルホネート、水溶性ナイロンなどが考えられる。好ましくは、無水マレイン酸系であり、特に無水マレイン酸エチルエステル共重合体が好適である。
【0027】
次に、本発明の他の実施例であるガイドワイヤを添付図面を用いて説明する。図8は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの先端部拡大断面図である。本発明のガイドワイヤ20とガイドワイヤ1の相違点は、ガイドワイヤ20が先端部にコイル部26を有する点のみである。以下、相違点を中心に説明する。ガイドワイヤ20は、図8に示すように、ワイヤ部25とコイル部26とからなる。ワイヤ部25については、上述したガイドワイヤ1と同じであるため、説明を省略する。また、本発明のワイヤ部25の代わりに上述したガイドワイヤ10をワイヤ部としてもよい。
【0028】
ガイドワイヤ20は、図8に示すように、ガイドワイヤ20の先端部を被覆するように設けられたコイル部26を備えている。
コイル部26は、線材(細線)を螺旋状に巻回してなる部材により作製され、先端部2の先端側の細径部を被覆するように設置されている。コイル部26は、先端部2の先端部がコイル部26の内側に接触しないように配置されていることが好ましい。実施例では、先端部2の先端側の細径部は、コイル部26の中心部に挿通され、コイル部26の内側に接触していない。
【0029】
コイル部26の構成材料としては、金属製材料であることが好ましい。金属製材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金等が挙げられる。また、コイル部は、高造影性材料で作製されていることが好ましい。高造影性材料としては、上述した金、白金、タングステン等の貴金属等であることが好ましい。このように、コイルを高造影性材料で作製することにより、X線造影、超音波造影などにより先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入可能となる。また、コイル部26は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成しても良い。例えば、コイル部は、先端側部分を高造影性材料により作製して、基端側部分をステンレス鋼などのX線による造影性が高くない材料で作製したものであってもよい。
【0030】
また、コイル部26は、先端部において、ワイヤ部25の先端部2に固定され、基端部において中間部4の基端部に固定されている。また、コイル部26は、図8に示すように、先端部および基端部の間においても先端部2に基端部に固定されていることが好ましい。固定は、ろう付け、半田付け等のろう接、溶接、接着剤を用いた接着により行われていることが好ましい。本発明の実施例においては、コイル部26は、それぞれ固定材料27、28、29(半田、ろう)を用いてワイヤ部25に固定されている。また、先端部における固定材料27の先端面は、血管内壁の損傷防止のため、丸みを帯びるように作製されていることが好ましい。
コイル部26の全長は、特に限定されないが、5〜500mm、特に、10〜250mmであることが好ましい。また、コイル部26は、柔軟部の先端側の細径部全体を被覆することが好ましい。また、コイル線径は、0.01〜0.3mm、特に、0.03〜0.1mmであることが好ましい。
【0031】
また、ワイヤ部25の先端部をコイル部26で被覆することにより、先端部2の外部に対する接触面積が減少するため、摺動抵抗を小さくすることができ、よって、ガイドワイヤの操作性が向上する。
また、このガイドワイヤは、外面が樹脂により被覆されていてもよい。特に、コイル部分を除く部分の外面を樹脂により被覆することが好ましい。樹脂としては、上述したものが使用できる。
なお、上述したすべてのガイドワイヤにおいて、中心層を形成する第1の材料に対して、表面層を形成する第2の材料は、剛性の高いものを用いているが、これに限定されるものではない。逆に、中心層を形成する第1の材料に対して、表面層を形成する第2の材料は、剛性の低いものを用いてもよい。
【0032】
次に、本発明の一実施例のガイドワイヤの製造方法について説明する。
図9は、本発明の一実施例のガイドワイヤの製造方法を説明するための説明図である。
このガイドワイヤの製造方法は、先端部と本体部を備えるガイドワイヤであって、本体部は、第1の材料によって形成された中心層と、第2の材料によって形成された表面層と、第1の材料と第2の材料の混合物によって形成された中間層を備えるガイドワイヤの製造方法である。
【0033】
最初に、第1の材料粉末および第2の材料粉末を準備する。第1の材料粉末としては、上述したNi−Ti系合金粉末が好適である、第2の材料粉末としては、上述したステンレス鋼粉末が好適である。特に、第1の材料粉末としては、Ni−Ti合金粉末が好適であり、第2の材料粉末としては、SUS304粉末が好適である。SUS304粉末は、例えば、高純度化学研究所株式会社製のステンレス304Lパウダー(FEA01PB)がある。また、Ni−Ti合金粉末としては、高純度化学研究所株式会社製のニッケル・チタニウム合金パウダー(NIA11PB)がある。
【0034】
そして、第1の材料粉末51は、第1材料粉体供給装置61に、第2の材料粉末52は、第2の材料粉体供給装置62に投入される。粉体供給装置としては、例えば、K−トロン社製ロス・イン・ウェイト式フィーダKCL24KQX2などが好適に使用される。そして、各粉体供給装置61,62は、供給量を連続可変的に調整する機能を備えている。そして、各供給装置からは、例えば、第2の材料粉体供給装置62では、供給量が時間経過に比例し、0から100g/分などに漸次増大するように設定されており、一方の第1の粉体供給装置ニッケル・チタニウムでは、逆に時間経過につれ供給量が100から0g/分までなどに漸次減少するように設定されている。
【0035】
そして、各粉体供給装置61,62から供給される材料粉体は、粉体攪拌混合装置55に投入され攪拌される。そして、攪拌装置55から流出する粉体は、ノズル56を介して、長軸を中心として回転し、上下に蓋を持つ中空円筒体57に供給される。つまり、2つの粉体定量供給装置61,62から粉体混合装置55により混合され、ノズル56より中空円筒体57に連続的に供給される粉体の組成が変化するように供給される。これにより、半径方向に傾斜組成を持つ粉体積層体を得ることができる。この粉体積層体は、中心部がNi−Ti合金粉末によって構成され、周辺部に向かうに連れてステンレス鋼粉末の割合が増加して、表面部はステンレス鋼粉末によって構成されるものとなっている。
【0036】
そして、上記のように作製された粉体積層体65は、焼成される。粉体積層体の焼成は、HIPホットプレス焼結法、放電プラズマ焼結法、通電加熱焼結法等の加圧焼結法により行われることが好ましい。特に、より効率的かつ粉体粒子間の強固な結合を得るために、ホットプレス法と放電プラズマ焼結法の併用、または放電プラズマ焼結法を使用することが好ましい。
【0037】
図示する焼結装置は、放電プラズマ焼結装置66であり、焼結チャンバー67と、チャンバー67の両端から混合物の積層物を加圧する加圧機構68(一方を図示せず)を有している。なお、焼結装置としては、ホットプレス装置であってよい。上述した積層物は、直径(言い換えれば、チャンバー内径)が、5〜100mm、特に、10〜40mmであることが好ましく、高さが、2〜100mm、特に、5〜20mmであることが好ましい。焼結装置66としては、例えば、住友石炭鉱業株式会社製、放電プラズマ焼結装置SPS−511Sが使用できる。また、チャンバーに加えられる加圧力は、30〜50MPa程度が好ましい。また、焼結温度は、1000〜1600℃程度が好適である。また、焼結時間は、10〜30分程度が好適である。
そして、このようにして得られた焼結体80は、細径化される。細径化方法としては、熱間ロール鍛造、プレス工程などにより所定外径まで縮径させた後、さらに、伸線機等により、線径が、ガイドワイヤの本体部の外径となるまで細径化される。
【0038】
そして、上記のようにして作製された線材は、本体部3となる部分はそのままで、中間部4および先端部2となる部分は、さらに細径化される。この先端部および中間部形成のための細径化は、機械研磨、化学研磨などにより行われる。特に、中間部は、図1に示す実施例のように、表面層を形成する第2の材料を高含有率にて含む層が徐々に薄くなっていくように行うことが好ましい。さらに、先端部は、第2の材料を含む層が若干形成されるか、全く形成されないように作製される。
なお、上記実施例では、形成されるガイドワイヤの中心層がNi−Ti合金によって構成され、表面層がステンレス鋼によって構成されている例にて説明したが、逆であってもよい。
【0039】
また、本発明のガイドワイヤの製造方法は、以下に示すようなものであってもよい。図10は、本発明の他の実施例のガイドワイヤの製造方法を説明するための説明図である。
この実施例のガイドワイヤの製造方法と、上述したガイドワイヤの製造方法の相違点は、粉体積層80の形成工程のみである。その他については、上述したガイドワイヤの製造方法と同じである。以下、相違点のみを説明する。
【0040】
上述したように、第1の材料粉末および第2の材料粉末を準備する。第1の金属材料としては、上述したものが使用される。好ましくは、Ni−Ti系合金であり、特に、Ni−Ti合金が好ましい。第2の金属材料としては、上述したものが使用される。好ましくは、ステンレス鋼であり、特に、SUS304Lが好ましい。また、粉末の平均粒径としては、10〜30μm程度のものが好適である。そして、第1の材料粉末とバインダーを混練することにより第1の金属粉末含有材料を作製する。同様に、第2の材料粉末とバインダーを混練することにより第2の粉末含有材料を作製する。さらに、第1の材料粉末と第2の材料粉末とバインダーを混練することにより混合粉末含有材料を作製する。混合粉末含有材料における第1の材料と第2の材料の重量比は、3:7〜7:3が好適であり、特に、4:6〜6:4が特に好適である。バインダーとしては、各種有機バインダーを用いることができる。バインダーとしては、例えば、パラフィンワックスが好適である。さらに、粉末含有材料中には、成形助剤を添加してもよい。成形助剤としては、油剤、ポリエチレンなどが使用される。そして、第1および第2の金属粉末含有材料は、ペレット化してもよい。
【0041】
そして、第1の金属粉末含有材料を用いて円柱状体81を作製する。円柱状体81の外径は、5〜100mm、特に、10〜40mmであることが好ましく、高さ(長さ)が、2〜100mm、特に、5〜20mmであることが好ましい。そして、第1の材料粉末と第2の材料粉末とを含有する混合粉末含有材料を用いて第1の円筒体83を作製する。円筒体83の内径は、上述した円柱状体81の外径とほぼ同じとなるように形成する。円筒体83の外径は、10〜150mm、特に、15〜50mmであることが好ましく、高さ(長さ)は、円柱体81とほぼ同じものとなっている。
【0042】
そして、第2の金属材料粉末含有材料を用いて第2の円筒体82を作製する。第2の円筒体82の内径は、上述した第1の円筒体83の外径とほぼ同じとなるように形成する。第2の円筒体82の外径は、15〜200mm、特に、20〜80mmであることが好ましく、高さ(長さ)が、第1の円筒体83とほぼ同じものとなっている。
そして、第2の円筒体82内に第1の円筒体83を収納し、第1の円筒体83内に円柱体81を収納し、製造用積層物88を作製する。
【0043】
そして、この製造用積層物中のバインダーを除去するバインダー除去工程が行われる。具体的には、積層物88は、図示しない除去炉に挿入され、バインダーが除去される。バインダー除去は、加熱により行うことが好ましい。バインダー除去は、バインダー除去炉を積層物88が通過することにより行われることが好ましく、このバインダー除去工程は、除去炉進入時の温度と除去炉内での最大加熱温度にある程度の差異があるように行われる。つまり、除去炉の入り口では、温度が低く、進行方向に向かうに従って温度が高くなる。なお、除去炉としては、中間部から出口側は、同じ温度であってもよい。除去炉内の温度差は、100〜600℃程度が好ましい。このように、初期温度を低くすることにより、バインダーの急激な消失を防止できる。また、バインダー除去時間(除去炉内に進入してから排出されるまでの時間)としては、10〜20分、特に、5〜10分であることが好ましい。
【0044】
次に、製造用積層物88の焼成工程が行われる。製造用積層物の焼成は、ホットプレス焼結法、放電プラズマ焼結法、通電加熱焼結法等の加圧焼結法により行われることが好ましい。特に、より効率的かつ粉体粒子間の強固な結合を得るために、ホットプレス法と放電プラズマ焼結法の併用、または放電プラズマ焼結法を使用することが好ましい。
図示する焼結装置は、放電プラズマ焼結装置66であり、焼結チャンバー67と、チャンバー67の両端から混合物の積層物を加圧する加圧機構68を有している。なお、焼結装置としては、ホットプレス装置であってよい。上述した積層物は、直径(言い換えれば、チャンバー内径)が、5〜100mm、特に、10〜40mmであることが好ましく、高さが、2〜100mm、特に、5〜20mmであることが好ましい。焼結装置66としては、例えば、住友石炭鉱業株式会社製、放電プラズマ焼結装置SPS−511Sが使用できる。また、チャンバーに加えられる加圧力は、30〜50MPa程度が好ましい。また、焼結温度は、1000〜1600℃程度が好適である。また、焼結時間は、10〜30分程度が好適である。
【0045】
そして、このようにして得られた焼結体90は、細径化される。細径化方法としては、熱間ロール鍛造、プレス工程などにより所定外径まで縮径させた後、さらに、伸線機等により、線径が、ガイドワイヤの本体部の外径となるまで細径化される。
そして、上記のようにして作製された線材は、本体部3となる部分はそのままで、中間部4および先端部となる部分は、さらに細径化される。この先端部および中間部形成のための細径化は、機械研磨、化学研磨などにより行われる。特に、中間部は、図1に示す実施例のように、表面層を形成する第2の材料を高含有率にて含む層が徐々に薄くなっていくように行うことが好ましい。さらに、先端部は、第2の材料を含む層が若干形成されるか、全く形成されないように作製される。
【0046】
なお、製造用積層物としては、図10に示す積層物88aに示すようなものであってもよい。この積層物88aでは、第2の筒状体82aは、底面が閉塞した状態となっており、内部に柱状凹部を備えている。そして、円柱体81a、第1の筒状体83aは、上記第2の筒状体82aの凹部の深さと同じ高さ(言い換えれば、長さ)を備えている。このため、積層物88aは、上部から底面部までは3層構造を備え、底面部は単層構造のものとなる。第2の積層物88aの構造を上記のようにすることにより、製造されるガイドワイヤの本体部の基端部を第2の材料により形成することができる。
【0047】
さらに、製造用積層物としては、図10に示す積層物88bに示すようなものであってもよい。この積層物88bでは、第2の筒状体82bは、底面が閉塞した状態となっており、内部に柱状凹部を備え、この柱状凹部は、その中央に窪みを備えている。そして、第1の筒状体83bは、上記第2の筒状体82bの凹部の深さと同じ高さ(言い換えれば、長さ)を備えている。また、柱状体81bは、上記第2の筒状体82bの窪み部までの深さと同じ高さ(言い換えれば、長さ)を備えている。このため、積層物88bは、底面部が単層構造であり、上部は3層構造であり、両者間に短い2層構造部分備えるものとなる。積層物88bの構造を上記のようにすることにより、製造されるガイドワイヤの本体部の基端部を第2の材料により形成することができ、かつ基端部の先端部に移行領域を形成することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明のガイドワイヤは、先端部と本体部を備えるガイドワイヤであって、前記本体部は、第1の材料によって形成された中心層と、第2の材料によって形成された表面層と、前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された中間層を備えている。
このため、第1の材料と第2の材料の複合的性質を備えるものとなり、第1の材料のみによりまたは第2の材料のみにより作製されたガイドワイヤに比べて、中間的な物性を備えるものとなり、操作性の高いガイドワイヤとすることができる。
また、前記先端部は、前記第1の材料により形成されるとともに、前記本体部の中心部と連続しているものであれば、ガイドワイヤの中心部は一体なものとなり、急激な物性の変化点のない操作性の良好ものとなる。
【0049】
さらに、前記ガイドワイヤが、前記先端部と前記本体部間に位置する中間部を備え、該中間部は、前記第1の材料により形成された中心層と前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された表面層を備えるものであれば、先端部と本体部間における物性の変化が急激なものとならないため、良好なものとなり、急激な物性の変化点のない操作性の良好ものとなる。
さらに、前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された中間層は、表面層に向かうに従って前記第1の材料含有率が低下しかつ前記第2の材料含有率が高くなっているものであれば、径方向に向かって傾斜物性を備えるものとなり、層間剥離等を生じることを防止する。
【0050】
また、前記第1の材料は、第1の金属材料であり、前記第2の材料は、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料であれば、より操作性が良好なものとなる。
前記ガイドワイヤは、該ガイドワイヤの先端部を被覆するように設けられたコイル部を備えるものであれば、目的とする生体内部位への挿入操作がより容易なものものとなる。
前記ガイドワイヤは、接合部を備えない一体物であれば、急激な物性の変化点のない操作性の良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例であるガイドワイヤの正面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図1のB−B線断面図である。
【図4】図4は、図1のC−C線断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの正面図である。
【図6】図6は、図5のD−D線断面図である。
【図7】図7は、図5のE−E線断面図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例であるガイドワイヤの先端部拡大断面図である。
【図9】図9は、本発明のガイドワイヤの製造方法を説明する説明図である。
【図10】図10は、本発明のガイドワイヤの他の製造方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドワイヤ
2 先端部
3 本体部
4 中間部

Claims (8)

  1. 先端部と本体部と前記先端部と前記本体部間に位置する中間部を備えるガイドワイヤであって、前記本体部は、第1の材料によって形成された中心層と、第2の材料によって形成された表面層と、前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された中間層を備え、前記中間部は、前記第1の材料により形成された中心層と前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された表面層を備え、前記第1の材料は、第1の金属材料であり、前記第2の材料は、前記第1の金属材料より剛性の高い第2の金属材料であり、前記先端部は、前記第1の材料により形成されるとともに、前記ガイドワイヤの先端を形成する細径部分であることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記先端部は、前記第1の材料により形成されるとともに、前記本体部の中心部と連続している請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記本体部は、該本体部の先端部に設けられたテーパー部を備えている請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記第1の材料と前記第2の材料の混合物によって形成された中間層は、表面層に向かうに従って前記第1の材料含有率が低下しかつ前記第2の材料含有率が高くなっている請求項1ないし3のいずれかに記載のガイドワイヤ。
  5. 前記先端部は、前記第1の材料のみにより形成されている請求項1に記載のガイドワイヤ。
  6. 前記先端部は、前記第1の材料により形成され、さらに、表面に薄い前記第2の材料により形成された表面被覆層を備えるものである請求項1に記載のガイドワイヤ。
  7. 前記第1の材料は、Ni−Ti系合金または造影性金属である請求項1ないしのいずれかに記載のガイドワイヤ。
  8. 前記第2の材料は、ステンレス鋼である請求項1ないしのいずれかに記載のガイドワイヤ。
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