JP4270297B2 - 運動器具 - Google Patents

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Description

本発明は、乗馬形態の運動を行う運動器具であって揺動を行う機構を簡素化した運動器具に関するものである。
従来、図23に示すように、人が座る鞍1′を揺動させる乗馬形態の運動器具が提供されている。この運動器具は、鞍1′を上部に載せている下部箱体部分イの内部に駆動モータを備え、駆動モータの回転力を鞍1′の揺動に変換する機構を介して鞍1′を揺動させている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2001−286578号公報 特開2000−505320号公報
ところで、駆動モータの回転力を鞍1′の揺動に変換する機構は、縦形リンク、平行リンク、回転のための回転支点などを備えており、この機構の上下寸法が大きく、また構成も複雑になっている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、駆動モータの回転力を鞍の揺動に変換する機構の構成を簡素化するとともに上下寸法を抑えた運動器具を提供することにある。
請求項1の発明は、位置固定されたベースと、ベースに揺動自在に搭載され人が座る鞍と、鞍を揺動させる駆動部とを備え、駆動部は、出力軸を回転駆動する駆動モータと、駆動モータの回転力を鞍の前後の往復移動に変換する第1の駆動機構と、駆動モータの回転力を鞍1の左右の往復移動に変換する第2の駆動機構とを備え、第1の駆動機構と第2の駆動機構との少なくとも一方は、駆動モータの回転力が伝達される回転部と、回転部の回転に従動し回転部とともに回転力を水平面内での往復移動に変換して鞍に伝達する往復部とを備え、回転部と往復部との一方はガイドを備え、他方はガイドが挿入されるとともにガイドの移動方向を規制する溝孔を備えることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記第1の駆動機構と前記第2の駆動機構とは、前記回転部の回転比を異ならせることにより前後の往復周期と左右の往復周期とを1:2に設定していることを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、駆動部が、駆動モータと第1の駆動機構と第2の駆動機構とからなり、第1の駆動機構と第2の駆動機構との少なくとも一方を、駆動モータの回転力が伝達される回転部と、回転部の回転に従動し回転部とともに回転力を水平面内での往復移動に変換して鞍に伝達する往復部とで構成し、回転部と往復部との一方にガイドを設け、他方にはガイドが挿入されるとともにガイドの移動方向を規制する溝孔を設けているから、縦形リンク、平行リンクなどを用いずに駆動モータの回転力を鞍の揺動に変換する機構を実現することができ、結果的に構成を簡素化し上下寸法を抑えることができる。
請求項2の発明の構成によれば、回転部の回転比を異ならせることによって前後の往復周期と左右の往復周期とを1:2にしているから、左右に1回往復する間に前後に2回往復することになり、前後と左右との往復移動の始点位置を適宜の関係に設定しておけば、鞍が移動する軌跡をV字状や8字状にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図2(a)は概略側面図、同図(b)は底面図である。図3(a)は脚の別仕様のものの概略側面図、同図(b)は正面図である。図1は駆動系を示し、同図(a)は概略平面図、同図(b)は概略側面図である。
運動器具Eは、接地して自立する脚2に鞍1が支持されて鞍1を前後方向Xと左右方向Yと上下方向Zとに揺動させることが可能であり、人が鞍1に座って鞍1を揺動させることにより乗馬運動を行うものである。
本発明においては、鞍1に内蔵する駆動部の厚さを抑えて鞍1の高さを低くし、鞍1に座った人が両足の締め付け動作(運動)ができるようにし、かつ、前後方向X、左右方向Y、上下方向Zの揺動を行う機構を簡素化し、それでいて、本当の馬に乗ったような運動を行えるようにするものである。以下、詳述する。
接地して自立している脚2にベース3を固定し、鞍1を揺動させる駆動部をベース3に搭載している。駆動部は、駆動モータ4と平面状駆動ユニット5と鞍駆動ユニット6とを備える。具体的には、ベース3に揺動摺動面15を形成し、この揺動摺動面15に鞍駆動ユニット6の例えば四隅に設けている玉軸受16…を転動自在に搭載している。鞍駆動ユニット6は、ベース3に固定した駆動モータ4からの出力が後述する駆動機構を介して前後方向Xおよび左右方向Yに伝達され、鞍駆動ユニット6が前後方向Xおよび左右方向Yに水平駆動するのに伴って揺動摺動面15に倣って上下方向Zに移動するものである。
駆動機構は平面状に形成して平面状駆動ユニット5としている。以下、平面状駆動ユニット5を詳述する。
図1に示すように、駆動モータ4の出力軸7の軸芯を平面視において前後方向Xに対して略45°に交差させてベース3に駆動モータ4を固定している。駆動モータ4は正逆に回転駆動される。駆動モータ4の両側に出力軸7を突出させている。出力軸7の両端部には、ウォームギア31を取り付けている。ベース3にはウォームホイール32を回転自在に支持していてウォームギア31をウォームホイール32に噛合させて駆動モータ4の回転を大きく減速してウォームホイール32を回転させるようにしている。
ウォームホイール32にはその回転軸36から偏芯した位置に偏芯縦軸(ガイド)9を立設している。鞍駆動ユニット6側のベース板34に被動長孔(溝孔)13、13を形成し、偏芯縦軸9、9を被動長孔13、13に係合しているものである。しかして、一対の偏芯縦軸9、9が被動長孔13、13に係合して鞍駆動ユニット6を略水平面において前後方向Xおよび左右方向Yに駆動させることができるのであり、平面状駆動ユニット5の構成を簡素化できる。
すなわち、駆動モータ4の回転力が伝達されるウォームホイール(回転部)32に設けた偏心縦軸(ガイド)9が、ベース板(往復部)34に設けた左右方向の被動長孔(溝孔)13に挿入されて構成されている第1の駆動機構により、駆動モータ4の回転力が鞍1の前後方向Xの往復移動に変換される。また、駆動モータ4の回転力が伝達されるウォームホイール(回転部)32に設けた偏心縦軸(ガイド)9が、ベース板(往復部)34に設けた前後方向の被動長孔(溝孔)13に挿入されて構成される第2の駆動機構により、駆動モータ4の回転力が鞍1の左右方向Yの往復移動に変換される。
鞍駆動ユニット6が前後方向Xおよび左右方向Yに駆動されると、図4のようにベース3側の揺動摺動面15に搭載されている鞍駆動ユニット6が、揺動摺動面15にガイドされて上下方向Zの揺動が行われるのである。この場合、鞍1の形を鞍1に座る人の両足が回る胴形に形成しているのである。
図5に示すように、ベース3にステー35が支持されてベース3とステー35によってウォームホイール32が支持され、ウォームホイール32の回転軸36に偏芯板37が取り付けられ、偏芯板37に偏芯縦軸9を取り付けている。被動長孔13に係合する偏芯縦軸9の部分を球面状にしていて鞍駆動ユニット6が傾いた場合にもこじれを発生することなく円滑な駆動力の伝達を行うことができる。偏芯縦軸9は、偏芯板37に形成した複数の取り付け孔において取り付け位置を変更可能に構成していて、偏芯縦軸9の取り付け位置を変更することで、偏芯量の変更を容易に行うことができる。
また、被動長孔13の係合された偏芯縦軸9が抜止めされる抜止め縁14を被動長孔13の下縁全周に形成していて、偏芯縦軸9が抜け止め縁14に当たることで鞍駆動ユニット6が抜けることがない。
また、ベース3と鞍駆動ユニット6との間に前後方向Xおよび左右方向Yの移動を許す略十字状となった自在継ぎ手22を設けていて、自在継ぎ手22によって鞍駆動ユニット6の一定以上の大きな回転を防止して安全を図っている。
図6および図7は、ベース3に形成した揺動摺動面15の具体例を示すものである。
鞍駆動ユニット6をベース3に揺動自在に載置するのに際して、上述したように、ベース3に揺動摺動面15を形成しているのであり、平面状駆動ユニット5にて前後方向Xおよび左右方向Yに駆動される鞍駆動ユニット6はベース3に形成した揺動摺動面15に載置されていて、前後方向Xおよび左右方向Yの駆動に伴って揺動摺動面15に倣って揺動させることができ、前後方向X、左右方向Yおよび上下方向Zに揺動させる構成を簡素化させることができ、薄形化を達成でき、かつ、揺動量の設定が容易となり、本当の馬の乗った動きの実現が容易となる。
ところで、図6および図7の構成においては、鞍駆動ユニット6の四隅より垂下した垂下脚38に玉軸受16を取り付け、ベース3の四隅に前後方向Xの中心部に向けて傾斜し、かつ、左右方向Yの中心部に向けて傾斜するフラット傾斜面15a、15aが形成されている。
しかして、四隅において玉軸受16をフラット傾斜面15aに載置することで、鞍駆動ユニット6は中心部を指向してベース3に載置されるようにしていて、ベース3の四隅で鞍駆動ユニット6を安定的に支持できながら、四隅に必要な揺動摺動面15を確保でき、不要な揺動摺動面15がなくて生産面およびコスト面で有利となる。
本構成においては、四隅のフラット傾斜面15a…で対向するフラット傾斜面15a、15aを中央部が低くなる谷形にしたが、中央部が高くなる山形にしてもよく、このように山形にすると、馬の歩行の波足に近い動きにすることができる。
図8(a)は四隅の揺動摺動面15としてフラット傾斜面15aを示し、同図(b)は階段状面15cを示し、同図(c)は円弧面15bを示している。このように、揺動摺動面15を曲率を持った面にしていると、前後方向Xおよび左右方向Yに揺動される鞍駆動ユニット6を曲率を持った揺動摺動面15に倣って揺動させることがき、望む揺動量を簡単確実に確保できる。また、四隅の揺動摺動面15は、前後方向および左右方向において対向して互いに逆勾配の傾斜を備えていて、鞍駆動ユニット6を前後方向Xおよび左右方向Yに駆動することで、逆勾配の傾斜によって揺動を抑えることができ、望む揺動量を簡単確実に得ることができる。また、フラット傾斜面15a、円弧面15bおよび階段状面15cより選ばれた複数のものを備えることで、単調になりがちな揺動運動に変化を持たせることができ、長時間の運動を飽きないで行うことができる。
図8(d)および図9は他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施の形態においては、揺動摺動面15は、前下がり面15dと後下がり面15d’を形成していて、上述のように、対向する前下がり面15d、後下がり面15d’が中央部が高くなる山形となっていて、前下がり面15dに倣う前下がりの揺動および後下がりの揺動ができて、例えば、若者等において望まれる強い揺動が可能になる。
図10および図11は上記玉軸受16の詳細を示し、玉軸受16は、鋼球17と、鋼球17を上方より保持する上保持部材18と、上保持部材18に連結されて鋼球17の下部を露出させながら落下防止を図って保持する下保持部材19と、上下保持部材18、19間の鋼球17を複数の点で支持する突起20を備えている。しかして、玉軸受16は上下保持部材18、19で構成され、両部材18、19の少なくとも一方に形成された突起20によって円滑な回転が可能となりながら、構成を簡素化できる。この場合、上下保持部材18、19のうち、板厚の薄い下保持部材19に開口19aを形成しておき、上保持部材18をパンチのような工具にて開口19aに圧入気味に打ち出して上下保持部材18、19の仮固定を行う。上下保持部材18、19は取り付け孔39において本取り付けを行う。
図12乃至図14は鞍駆動ユニット6の駆動パターンの例を示し、図12乃至図14の各図の(a)は偏芯縦軸9、9の始端位置を示し、同各図の(b)は揺動水平リンク12の枢支連結箇所Pにおける駆動軸33の軌跡Gを示している。これらの駆動パターンを得るには、基本的に前後方向Xの揺動を行う偏芯縦軸9と左右方向Yの揺動を行う偏芯縦軸9の回転数を異ならせて回転比を1:1以外にするのである。
図12の駆動パターンは、回転比を1:2とした場合で、主として前後方向Xに移動される偏芯縦軸9xと主として左右方向Yに移動される偏芯縦軸9yの原点(始端位置)を略90°(揺動水平リンク12の開き角度θおよび揺動水平リンク12を使用しない場合にはその相当位置)の位置で駆動するものであり、同図(b)に示すように略V字状の運動パターン(軌跡G)になる。
図13の駆動パターンは、回転比を1:2とした場合で、主として前後方向Xに移動される偏芯縦軸9xと主として左右方向Yに移動される偏芯縦軸9yの原点(始端位置)を略180°(0°)(揺動水平リンク12の開き角度θおよび揺動水平リンク12を使用しない場合にはその相当位置)の位置で駆動するものであり、同図(b)に示すような運動パターン(軌跡G)になる。
図14の駆動パターンは、図12および図13の仕様以外で、同図(a)に示す偏芯縦軸9x、9yの原点位置における駆動パターンを示し、同図(b)に示すような運動パターン(軌跡G)になる。
図12乃至図14の駆動パターンの選択によって、乗馬時の常足、速足および駆足などに変化させるのであり、基本パターンになる。
このような構成によれば、鞍駆動ユニット6の駆動パターンを種々に設定することができ、多様な運動パターンを容易に得ることができる。
このように、前後方向Xの揺動を行う偏芯縦軸9と左右方向Yの揺動を行う偏芯縦軸9の回転比を1:1以外に設定し、且つ、上記二つの偏芯縦軸9、9の原点位置の組み合わせによって前後方向Xおよび左右方向Yの駆動パターンを設定可能に構成していることから、鞍駆動ユニット6の駆動パターンを種々に設定することができ、多様な運動パターンを容易に得ることができる。
図15および図16は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施の形態においては、揺動摺動面15に、鞍駆動ユニット6の移動軌跡(駆動パターン)に沿ったガイド溝23を形成している。
本実施の形態においては、鞍駆動ユニット6を揺動摺動面15に形成したガイド溝23によって所定の移動軌跡(駆動パターン)のとおりに揺動させることができ、鞍駆動ユニット6の揺動を安定して正確に行うことができる。図17はタイミングチャートである。
図18乃至図20は更に他の実施の形態を示し、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施の形態においては、鞍駆動ユニット6の四隅の垂下脚38に球面摺動体21を設けてベース3の四隅の揺動摺動面15に載置していて玉軸受16の構成に比べて構成を簡素化できる。この場合、四隅の揺動摺動面15は、ポリアセタール等の摩擦抵抗の少ない合成樹脂製としてあって、各揺動摺動面15における摺動抵抗を軽減し、かつ、騒音を低減できる。
図21および図22は更に他の実施の形態を示していて、但し、本実施の形態の基本構成は上記実施の形態と共通であり、共通する部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本発明の実施の一形態の駆動系を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 (a)は同上の概略側面図、(b)は同上の底面図である。 (a)は脚の別仕様のものの概略側面図、(b)は正面図である。 (a)(b)は同上の概略側面図である。 同上の概略拡大側面図である。 同上の更に他の実施の形態を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 (a)は同上の概略側面図、(b)は部分側面図である。 (a)乃至(d)は各々揺動摺動面の他の実施の形態を示す側面図である。 同上の更に他の実施の形態を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図である。 同上の玉軸受を示し、(a)は概略側断面図、(b)は概略底面図、(c)は部分拡大側断面図である。 同上の部分拡大側断面図である。 (a)は同上の偏芯縦軸の原点位置を示す説明図、(b)は軌跡を示す説明図である。 (a)は同上の偏芯縦軸の他の原点位置を示す説明図、(b)は軌跡を示す説明図である。 (a)は同上の偏芯縦軸の更に他の原点位置を示す説明図、(b)は軌跡を示す説明図である。 同上の揺動摺動面の他の実施の形態を示す平面図である。 (a)は図16のA−A線断面図、(b)は図16のB−B線断面図である。 タイミングチャートである。 同上の他の実施の形態を示し、(a)は概略平面図、(b)は一部破断した概略側面図である。 (a)は同上の概略側面図、(b)は部分拡大平面図、(c)は拡大側断面図である。 (a)は同上の他の実施の形態の球面摺動体の側断面図、(b)は揺動摺動面の側断面図である。 同上の鞍の他の実施の形態の作用を示す正面からの説明図である。 (a)は同上の全体側面図、(b)は底面図である。 従来例を示し、(a)(b)は斜視図である。
符号の説明
1 鞍
2 脚
3 ベース
4 駆動モータ
5 平面状駆動ユニット
6 鞍駆動ユニット
7 出力軸
8 減速ギア機構
9 偏芯縦軸(ガイド)
10 減速ギア
11 水平リンク
12 揺動水平リンク
13 被動長孔(溝孔)
32 ウォームホイール(回転部)
34 ベース板(往復部)

Claims (2)

  1. 位置固定されたベースと、ベースに揺動自在に搭載され人が座る鞍と、鞍を揺動させる駆動部とを備え、駆動部は、出力軸を回転駆動する駆動モータと、駆動モータの回転力を鞍の前後の往復移動に変換する第1の駆動機構と、駆動モータの回転力を鞍の左右の往復移動に変換する第2の駆動機構とを備え、第1の駆動機構と第2の駆動機構との少なくとも一方は、駆動モータの回転力が伝達される回転部と、回転部の回転に従動し回転部とともに回転力を水平面内での往復移動に変換して鞍に伝達する往復部とを備え、回転部と往復部との一方はガイドを備え、他方はガイドが挿入されるとともにガイドの移動方向を規制する溝孔を備えることを特徴とする運動器具。
  2. 前記第1の駆動機構と前記第2の駆動機構とは、前記回転部の回転比を異ならせることにより前後の往復周期と左右の往復周期とを1:2に設定していることを特徴とする請求項1記載の運動器具。
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