JP4269787B2 - 車両遠隔操作装置及びその方法 - Google Patents

車両遠隔操作装置及びその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモコン装置により車両の移動を遠隔操作する車両遠隔操作装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両を遠隔操作するためのリモコン装置は、車両の移動方向そのものが割り当てられた複数のボタンによって構成されている。例えば、リモコン装置は、前進、後退、右旋回、左旋回などの車両の動作が割り当てられた複数のボタンを有している。リモコン装置において、ボタンを押して遠隔操作で車両を所望の方向に移動させている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−120742号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
車両を遠隔操作するためのリモコン装置において、前進、後退、右旋回、左旋回などの車両の移動方向等そのものをボタンに割り当てている。しかし、車両と操作者(リモコン装置)との位置関係や向きが変化すると、車両に所望の方向に移動させようとしても、操作者がどのボタンを押していいのかを迷う場合があり、また、車両の移動を誤操作してしまう場合もある。
【0005】
また、そのような車両が移動する際の移動速度をリモコン装置の遠隔操作により調整することもできるものもある。例えば、リモコン装置のボタンの連続操作或いは断続操作に応じて車両の移動速度を調整している。
このような車両の移動速度の調整は、主に任意の目標位置への精度の高い移動、或いは目標位置へ移動する際の障害物回避など、いわゆる位置制御を意図とする場合に行うことが多い。しかし、そのような目標位置への精度を高くした移動や障害物回避の際に、ボタン操作で車両移動速度を調整することは困難である。
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、リモコン装置を用いて的確に車両の移動を遠隔操作できる車両遠隔操作装置及びその方法に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の問題を解決するために、本発明に係る車両遠隔操作装置は、車両とリモコン装置との相対位置が所定の位置関係になるように、リモコン装置の移動に車両を追従移動させる。
すなわち、本発明では、リモコン装置での同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を、当該リモコン装置から車両の受信手段が受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、当該ボタン押圧信号の受信を開始した時に相対位置検出手段が検出した車両とリモコン装置との相対位置を維持して、リモコン装置の移動に車両を追従移動させる。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、操作者は、リモコン装置のボタンを押しながら移動するだけで、相対位置を維持して車両を移動させることができる。
これにより、車両を移動する際の煩雑なボタン操作が不要となり、リモコン装置による車両の移動の誤操作を防止できる。また、操作者の移動方向及び移動速度で車両が追従移動するので、例えば、車両を目標位置へ精度を高くして位置決めでき、また、複雑な移動経路であってもその移動経路に沿うように車両を容易に移動操作できる。
【0008】
さらに、操作者と車両との相対位置を保って車両を移動できるので、操作者の安全性を向上できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を適用した車両遠隔操作装置である。
図1は、車両遠隔操作装置を実現するリモコン装置1及び車両10内の構成を示す。ここで、車両遠隔操作装置が適用される車両10は、例えばオートマチックトランスミッションを備えた車両である。
【0010】
車両遠隔操作装置を実現する車両側の構成は、図1に示すように、第1及び第2の測距センサ11,12、舵角センサ13、信号出力部14、操舵モータ15、駆動モータ16及び制御部20からなる。制御部20は、操舵輪制御部21、駆動輪制御部22、センサインタフェース(I/F)23、CPU24、RAM25、ROM26及び警報制御部27を備えている。
【0011】
リモコン装置1は、図2に示すように、ボタン2、制御部3、信号入出力部4及び警報部5を備えている。ボタン2は例えば押圧ボタン構造をなしている。制御部3は、このボタン2が押されている場合、信号入出力部4を介して押しボタン押圧信号を外部出力する。
また、信号入出力部4は、後述するように、車両側の警報制御部27からの警報信号や異常信号を受信する部分でもある。信号入出力部4から警報信号や異常信号が入力された場合、制御部3は、入力された信号に基づいて警報部5を駆動する。警報部5は、例えば、表示構造、発光構造或いは振動構造によって構成されており、制御部3からの制御信号により、表示、発光或いは振動する。例えば、異常信号が入力された場合には、警報信号が入力された場合よりも、より緊急性が高い態様で、表示、発光或いは振動する。
【0012】
一方、信号入出力部4を介して外部出力された押しボタン押圧信号は、車両側の構成において、第1及び第2の測距センサ11,12に入力される。
第1及び第2の測距センサ11,12は、図3に示すように、車両10の前端部又は後端部であって、車幅方向の両端それぞれに配置されている。リモコン装置1からの押しボタン押圧信号が、このような第1及び第2の測距センサ11,12から入力され、センサI/F23を介して制御部20に入力される。また、第1及び第2の測距センサ11,12はそれぞれ、押しボタン押圧信号が出力しているリモコン装置1までの距離を計測する機能を併有している。そして、第1及び第2の測距センサ11,12はそれぞれ、計測した距離を制御部20に出力する。
【0013】
なお、第1及び第2の測距センサ11,12によりモコン装置1までの距離のみを検出するようにして、他のセンサにより当該リモコン装置1からの出力信号(例えば前記押しボタン押圧信号)を検出してもよい。
制御部20は、車両の各構成部分を制御するように構成されている。CPU24は、その制御或いは演算を行う部分であり、ROM26は、そのような制御或いは演算のための各種プログラムや各種データが記憶されている。また、RAM25には、外部から入力されてデータ、例えば前記押しボタン押圧信号(データ)やリモコン装置1までの測距データが記憶される。
【0014】
例えば、CPU24は、前記リモコン装置1からの押しボタン押圧信号の検出状態に基づいて、車両10の動作の開始や停止を決定し、或いは車両10の移動方向や移動速度を決定している。CPU24は、そのように決定した車両10の移動方向については、操舵輪制御部21に命令を出して実現しており、また、そのように決定した車両10の移動速度については、駆動輪制御部22に命令を出して実現している。
【0015】
操舵輪制御部21は、CPU24からの命令により、所望の操舵角になるように操舵輪(例えば前輪)を制御する。具体的には、操舵輪制御部21は、操舵信号を操舵モータ15に出力して、操舵輪を制御する。操舵モータ15は、操舵輪制御部21からの操舵信号に基づいて、操舵輪を転舵する。このとき、舵角センサ13が、その操舵輪の転舵角を検出して、その検出信号を制御部20に出力する。すなわち、制御部20は、フィードバック制御により、操舵輪の転舵を制御している。これにより、車両は、所望の方向に移動するようになる。
【0016】
駆動輪制御部22は、CPU24からの命令により、所望の駆動力になるように駆動輪(例えば後輪)を制御する。具体的には、駆動輪制御部22は、駆動信号を駆動モータ16に出力して、駆動輪を制御する。また、駆動モータ16は、駆動輪制御部15からの駆動信号に基づいて、駆動輪を駆動する。これにより、車両は、所望の速度で移動するようになる。
【0017】
また、制御部20の警報制御部27は、所定の条件になった場合、信号出力部14を介して、無線でリモコン装置1に警報信号や異常信号を出力する。この警報信号や異常信号を出力するタイミングについては後で詳述する。
以上のように車両遠隔操作装置が構成されている。このような構成により実現される処理或いは動作について次に説明する。
【0018】
操作者は、車外から車両移動を操作するため、リモコン装置1のボタン2を押す。このボタン操作により押しボタン押圧信号が、リモコン装置1から第1及び第2の測距センサ11,12を介して制御部20に入力される。押しボタン押圧信号は、ボタン2が押されている場合には、オン状態として立ち上がり、ボタン2が押されていない場合には、オフ状態として立ち下がる。
【0019】
制御部20(具体的にはCPU24)は、このような押しボタン押圧信号の立ち上がり(アップエッジ)から押しボタンが操作されていることを検出して、第1及び第2の測距センサ11,12を用いて車両10に対する操作者(リモコン装置1)の相対位置を算出する。
例えば、第1及び第2の測距センサ11,12により車両10に対する操作者(リモコン装置1)の距離(相対距離)を測定し、その測定した距離に基づいて、当該第1及び第2の測距センサ11,12とリモコン装置1との間を三角測量して、車両10に対する操作者(リモコン装置1)の相対位置を算出する。
【0020】
そして、制御部20は、引き続きこの押しボタン押圧信号のオン/オフ状態、すなわち前記立ち上がり後の状態を検出して、押しボタン押圧信号がオン状態(或いはオンレベル)の場合には、車両10に対する操作者(リモコン装置1)の相対位置が先に算出した相対位置として維持されるように、すなわち所定の位置関係として維持されるように、操作者(リモコン装置1)の移動方向、移動速度に車両10を追従させる。
【0021】
すなわち、制御部20は、押しボタン押圧信号がオン状態(或いはオンレベル)である限り、所定の位置関係を維持して、操作者(リモコン装置1)の移動方向、移動速度に車両10を追従させる。また、押しボタン押圧信号の立ち上がり(アップエッジ)を検出した際の車両10に対するリモコン装置1の相対位置を、その以降で実施する車両10の追従制御の基準としている。すなわち、制御部20は、リモコン装置1のボタン2が押された直後の車両10とリモコン装置1との位置関係が維持されるように車両10を追従させる。
【0022】
なお、移動する際に維持する相対位置は最適化してもよい。例えば、制御部20は、ボタン操作の最初の検出時、すなわち押しボタン押圧信号の立ち上がり(アップエッジ)を検出した時点の相対位置が不適当である場合には、所望の位置関係になるように、車両を移動してもよい。例えば、この場合、制御部20は、車両の周囲の状況等を注意して車両を所望の位置関係になるように移動させるようにする。
【0023】
追従する際の移動方向、移動速度の制御は例えば次のようになる。
操舵輪制御部21の転舵制御により、操作者(リモコン装置1)の移動方向に追従するように、車両の移動方向を制御し、駆動輪制御部22の駆動制御により、操作者(リモコン装置1)の移動速度に追従するように、車両の移動速度を制御する。具体的には、制御部20は、操作者(リモコン装置1)の移動方向に基づいて、車両10の移動目標位置を算出し、車両10の現在位置からその算出した移動目標位置までの移動経路を算出する。そして、制御部20は、その移動経路に沿うように、操舵角及び駆動輪速度を制御する。
【0024】
また、制御部20は、押しボタン押圧信号がオフ状態(或いはオフレベル)になった場合、操舵輪制御部21及び駆動輪制御部22による転舵制御及び駆動制御を停止する。これにより、車両10は停止し、操作者(リモコン装置1)への追従動作を中止する。
以上より、車両10は、操作者(リモコン装置1)との相対距離を維持しながら前進、後退及び左右の旋回動作をするようになる。これにより、操作者は、リモコン装置1を移動させるだけで、車両10を全方向に所望の速度で移動させることができる。
【0025】
図4及び図5は、リモコン装置1による車両10の移動操作例を示す。例えば、この例では、第1及び第2の測距センサ11,12が車両前端部に配置されている。
図4に示すように、操作者100がリモコン装置1のボタンを押しながら、矢印A1に示すように後退しつつ横方向に移動することで、車両10が操作者100と所定の位置関係(ボタン2押圧開始時の位置関係)を保ちつつ、操作者100に追従するようになる。このように、操作者100はリモコン装置1により車両10を引いて移動することができる。
【0026】
また、図5に示すように、操作者100がリモコン装置1のボタンを押しながら、矢印A2に示すように前進しつつ横方向に移動することで、車両10が操作者100と所定の位置関係(ボタン2押圧開始時の位置関係)を保ちつつ、操作者100に追従するようになる。このように、操作者100はリモコン装置1により車両10を押して移動することができる。
【0027】
制御部20は、車両諸元に基づいて予め車両10の車両動作可能範囲を得ている。ここで、車両諸元は、トレッド、ホイールベース、最大操舵角等の車両特性である。すなわち、車両動作可能範囲は、リモコン装置1が移動した場合、すなわち車両10に対してリモコン装置1が相対位置を変えた場合に、車両諸元の制限のもとで、そのリモコン装置1の移動に車両10が追従可能な範囲である。そして、本実施の形態では、この車両動作可能範囲を、現在のリモコン装置1の位置からみたものとして、車両諸元を用いて予め得ている。
【0028】
図6は、それを説明するための概念図である。また、図6は、操作者100が前方方向に移動する場合の車両動作可能範囲を示す。この図6に示すように、操作者100が前方方向に移動しようと場合、現在のリモコン装置1の位置に基づいて、操作者100の前方の領域として車両動作可能範囲を予め得ている。なお、この車両動作可能範囲外の一定範囲は、後述する車両動作許容範囲になる。
【0029】
なお、車両諸元は例えばRAM25に記憶されている。また、その車両諸元に基づいて予め得ている車両10の車両動作可能範囲もRAM25に記憶されている。
このように車両動作可能範囲を決定している。そして、制御部20は、移動したときの操作者(リモコン装置1)の移動方向(具体的には車両10に対するリモコン装置1の相対位置)が、予め得ているその車両動作可能範囲内にあるか否かを判定する。ここで、制御部20は、操作者(リモコン装置1)の移動方向がその車両動作可能範囲内にある場合に、前述したように追従制御を実際に実施する。
【0030】
ここで、前述したように、車両動作可能範囲は、現在のリモコン装置1の位置を基準として決定している。そして、その現在のリモコン装置1の位置は、当初の相対位置、すなわち当該リモコン装置1のボタン2が押された時点の相対位置となる。
このようなことから、車両10のリモコン装置1に追従させる際の基準となる車両10に対するリモコン装置1の相対位置により、車両諸元に基づいて得られる車両動作可能範囲も異なってくる。例えば、図7に示すように、操作者100、100、100は、車両10に対して様々な位置で、リモコン装置1により車両10の移動操作を開始するが、その移動操作を開始する際の車両10とリモコン装置1との位置関係により、車両諸元に基づいて得られる車両動作可能範囲も異なる。
【0031】
制御部20は、以上のように、操作者(リモコン装置1)の移動方向がその車両動作可能範囲内にある場合に、前述したように追従制御を実際に実施するが、操作者(リモコン装置1)の移動方向が車両動作可能範囲内にない場合、さらに、操作者(リモコン装置1)の移動方向が車両動作許容範囲内にあるか否かを判定する。
【0032】
車両動作許容範囲は、前記図6に示したように、前記車両動作可能範囲外であり、当該車両動作可能範囲から多少冗長性を持たせた範囲である。この車両動作許容範囲は、車両諸元に従えば操作者(リモコン装置1)の移動方向に追従するように車両10を移動させることができない範囲であるが、操作者(リモコン装置1)の移動方向にできるだけ近づくように車両10を移動させることができる範囲である。
【0033】
制御部20は、操作者(リモコン装置1)の移動方向が車両動作許容範囲内にある場合、すなわち操作者(リモコン装置1)の移動方向が車両動作可能範囲外であり、かつ車両動作許容範囲内である場合、操作者(リモコン装置1)の移動方向に最も近い方向となるように、車両10を移動させる。
具体的には、次のようにして、移動方向に最も近い方向となるように、車両10を移動させる。
【0034】
前述したように、制御部20は、追従制御をする際に、操作者(リモコン装置1)の移動方向に基づいて、車両10の移動目標位置を算出し、車両10の現在位置からその算出した移動目標位置までの移動経路を算出している。
しかし、ここでは、制御部20は、操作者(リモコン装置1)の移動方向に最も近い車両10の移動方向を算出して、その算出した移動方向に基づいて、車両10の移動目標位置を算出する。そして、制御部20は、車両10の現在位置からその算出した移動目標位置までの移動経路を算出し、その移動経路に沿うように、操舵角及び駆動輪速度を制御する。
【0035】
これにより、移動方向に最も近い方向となるように車両10を移動させる。
また、このとき、制御部20は、警報制御部27により、信号出力部14を介して、リモコン装置1に警報信号を外部発信する。これにより、リモコン装置1は、その警報信号に応じた態様で、表示、発光或いは振動する。
また、制御部20は、操作者(リモコン装置1)の移動方向が車両動作許容範囲内にない場合、すなわち操作者(リモコン装置1)の移動方向が車両動作可能範囲外であり、かつ車両動作許容範囲外である場合、車両10を動作させない。さらに、このとき、制御部20は、警報制御部27により、信号出力部14を介して、リモコン装置1に異常信号を外部発信する。これにより、リモコン装置1は、その異常信号に応じた態様、例えば緊急性を示すような態様で、表示、発光或いは振動する。
【0036】
前述したように、操作者自身が移動してリモコン装置1により車両の移動操作をする際の当該操作者の移動(例えば、移動方向や移動速度)は滑らかではない。この結果、当然リモコン装置1自体の移動も滑らかではなく、その移動が不規則になることが予想される。このような場合に、不規則に移動する操作者(リモコン装置1)に車両10が忠実に追従することはきわめて困難である。また、車両10が忠実に追従すれば、逆に車両動作に無駄が生じる。
【0037】
このようなことから、リモコン装置1の移動軌跡をならし、そのならした移動軌跡に車両20の移動軌跡が一致又は近づくように当該車両20を移動させるようにしている。具体的には、操作者(リモコン装置1)の移動に追従する際の車両移動を次のように最適化している。
制御部20は、リモコン装置1の移動位置を微少時間Δt間隔で連続的に測定し、最新(直近)のN個の移動位置履歴(以下、移動位置測定点という。)を得る。そして、制御部20は、その移動位置測定点列に基づいて、近似直線、具体的には近似ベクトルを算出して、その算出した近似ベクトルに基づいて、操舵角や駆動輪速度を制御する。例えば、近似ベクトルの示す方向が車両の移動方向となるように、また、その近似ベクトルの大きさに応じた車両移動速度となるように、操舵角や駆動輪速度を制御する。
【0038】
図8は、操作者100の移動軌跡(図中曲線)と、リモコン装置1の移動位置測定点(図中点で示す)P,P,P,〜Pn−1,Pとの関係を示す。制御部20は、操作者100の移動軌跡(図中曲線)上で、微少時間Δt間隔でリモコン装置1の移動位置測定点列(図中点で示す)P〜Pを得る。この移動位置測定点列P〜Pの取得は、リモコン装置1のボタン操作がなされている期間中行う。
【0039】
そして、制御部20は、その取得した移動位置測定点列P〜Pのうちの最新(直近)のN個の移動位置測定点列に基づいて、近似ベクトルを順次算出していく。すなわち、制御部20は、微小時間Δt毎に測定されたリモコン装置1の最新のN個の移動位置測定点に基づいて、現在の車両位置を基点とする近似直線ベクトルを算出する。
【0040】
そして、制御部20は、そのようにして順次算出した近似ベクトルに基づいて、操舵角や駆動輪の速度を制御する。具体的には、微小時間Δt毎に順次算出する近似ベクトルに基づいて、車両移動軌跡、すなわち現在位置から目標移動位置までの移動経路を算出する。そして、制御部20は、この移動経路の移動を実現する操舵角指令値、移動速度(駆動輪速度)指令値を算出して、その操舵角指令値、移動速度(駆動輪速度)指令値により、車両の操舵角制御及び移動速度(駆動輪速度)制御を実施する。すなわち、制御部20は、微小時間Δt毎に順次算出する近似ベクトルから、操舵角指令値、移動速度(駆動輪速度)指令値にフィードバックをかけて、その操舵角指令値、移動速度(駆動輪速度)指令値により、車両の操舵角制御及び移動速度(駆動輪速度)制御を実施する。
【0041】
これにより、リモコン装置1の移動軌跡をならし、そのならした移動軌跡に車両20の移動軌跡が一致又は近づくように当該車両20を移動させている。このようにすることで、操作者(リモコン装置1)が不規則に移動する場合でも、車両10は最適動作として移動するようになる。
ここで、前記近似ベクトルを求める最新の移動位置測定点数Nを8として、さらに具体的に説明する。
【0042】
なお、移動位置測定点数Nは補正の感度ともいえる。例えば、移動位置測定点数Nを変更可能としている。この移動位置測定点Nが多いほど、リモコン装置1の移動に対する車両動作の反応は鈍くなり、この移動位置測定点Nが少ないほど、リモコン装置1の移動に対する車両動作の反応は敏感になる。例えば、このような移動位置測定点Nを、操作者の技量に応じて設定する。
【0043】
リモコン装置1のボタン2が押された場合、制御部20は、その押された時点のリモコン装置1の位置をPとし、以降、微小時間Δt間隔で連続的にリモコン装置1の移動位置測定点P,・・・を得ていく。
そして、制御部20は、最初の8個の移動位置測定点P〜Pを得た時点で、その8個の移動位置測定点{P,P,P,P,P,P,P,P}に基づいて近似ベクトルを算出する。そして、その近似ベクトルに基づいて、操舵角指令値、移動速度(駆動輪速度)指令値を得て、車両の操舵角制御及び移動速度(駆動輪速度)制御を実施する。
【0044】
以降、同様に、リモコン装置1のボタン2が押されている限り、微小時間Δt時間毎に、8個の移動位置測定点{P,P,P,P,P,P,P,P}、続いて8個の移動位置測定点{P,P,P,P,P,P,P,P}、さらに続いて8個の移動位置測定点{P,P,P,P,P,P,P,P10}、そして最後の8個の移動位置測定点{Pn−7,Pn−6,Pn−5,Pn−4,Pn−3,Pn−2,Pn−1,P}を次々得る。
【0045】
そして、微小時間Δt時間毎に、それぞれ得た8個の移動位置測定点に基づいて近似ベクトルを得て、その近似ベクトルに基づいて、車両の操舵角制御及び移動速度(駆動輪速度)制御を実施する。
制御部20がリモコン装置1の位置を検出できない場合、その場で車両10の動作を停止すると共に、警報制御部27によりリモコン装置1に対して異常信号を外部発信する。リモコン装置1では、車両10からの異常信号に応じた態様で、表示、発光或いは振動する。
【0046】
ここで、制御部20がリモコン装置1の位置を検出できない場合として、リモコン装置1や測距センサ11,12の故障、リモコン装置1と測距センサ11,12との間で発生した電波障害等によるものが挙げられる。
図9を用いて、前述した処理の一連の処理手順を示す。また、図9の処理は、繰り返し処理により、前述の処理を実現している。なお、この図9に示す処理では、前述した処理手順と多少異なる部分もあるが本発明に実質的には影響するものではない。
【0047】
先ずステップS1において、制御部20は、リモコン装置1のボタン2が押されている否かを判定する。ここで、制御部20は、リモコン装置1のボタン2が押されている場合、ステップS2に進み、リモコン装置1のボタン2が押されていない場合、ステップS22に進む。
ステップS2では、制御部20は、そのボタン2のオン操作が最初のオン操作か否かを判定する。すなわち、制御部20は、押しボタン押圧信号の立ち上がり(アップエッジ)を検出したか否かを判定する。ここで、制御部20は、そのオン操作が最初のオン操作の場合、ステップS3に進み、そのオン操作が最初のオン操作でない場合、すなわちそのオン操作が継続したオン操作である場合、ステップS7に進む。
【0048】
ステップS22では、制御部20は、車両を停止させる。すなわち、リモコン装置1のボタン2が押されていない場合、車両は何ら反応しない。
ステップS3では、制御部20は、車両10とリモコン装置1との間を三角測量する。そして、制御部20は、続くステップS4において、その三角測量が正常動作しているか否かを判定する。ここで、制御部20は、その三角測量が正常動作している場合、ステップS5に進み、その三角測量が正常動作していない場合、前記ステップS22に進む。
【0049】
ステップS5では、制御部20は、nを0として、初期設定する。
続いてステップS6において、制御部20は、前記三角測量の結果から、車両10に対するリモコン装置1の相対位置を記憶する。例えば、レジスタ0(n=0)にその相対位置を基準相対位置として記憶する。
続いてステップS7において、制御部20は、リモコン装置1のボタン2が押されているか否かを判定する。ここでのリモコン装置1のボタン2のオン操作の判定は、オン操作が継続されているか否かの判定となる。ここで、制御部20は、リモコン装置1のボタン2が押されている場合、ステップS8に進み、リモコン装置1のボタン2が押されていない場合、前記ステップS22に進む。
【0050】
ステップS8では、制御部20は、nに1を加算する。
続いてステップS9において、制御部20は、車両10とリモコン装置1との間を三角測量する。そして、制御部20は、続くステップS10において、その三角測量の結果から、リモコン装置1の移動位置測定点を算出して、さらに続くステップS11において、その算出した移動位置測定点をレジスタnに記憶する。
【0051】
続いてステップS12において、制御部20は、前記移動位置測定点の測定点数(直近の測定点数)がN(例えば8)以上か否かを判定する。ここで、制御部20は、前記移動位置測定点の測定点数がN以上の場合、ステップS13に進み、前記移動位置測定点の測定点数がN未満の場合、前記ステップS7からの処理を再び実施する。
【0052】
例えば、リモコン装置1のボタン2のオン操作直後時では、Pから移動位置測定点を得ていき、最初の8個の移動位置測定点{P,P,P,P,P,P,P,P}を得た時点で、ステップS12からステップS13に進むようになる。
ステップS13では、制御部20は、最新(直近)のN個の移動位置測定点列に基づいて近似ベクトルを算出する。そして、制御部20は、続くステップS14において、前記ステップS13で算出した近似ベクトルに基づいて、車両移動軌跡を算出する。
【0053】
一方、制御部20は、続くステップS15において、リモコン装置1の移動方向を算出し、続くステップS16において、その移動方向が車両動作可能範囲内にあるか否かを判定する。
ここで、制御部20は、リモコン装置1の移動方向が車両動作可能範囲内にある場合、ステップS17に進み、リモコン装置1の移動方向が車両動作可能範囲内にない場合、ステップS18に進む。
【0054】
ステップS17では、制御部20は、前記ステップS14で算出した車両移動経路に沿うように、操舵角及び駆動輪速度を制御して、車両10を所望の移動方向及び移動速度で移動させる。
ステップS18では、制御部20は、リモコン装置1の移動方向が車両動作許容範囲内にあるか否かを判定する。ここで、制御部20は、リモコン装置1の移動方向が車両動作許容範囲内にある場合、ステップS19に進み、リモコン装置1の移動方向が車両動作許容範囲内にない場合、ステップS20に進む。
【0055】
ステップS19では、制御部20は、リモコン装置1に警報信号を外部発信する。リモコン装置1は、その警報信号に応じた態様で、表示、発光或いは振動する。また、制御部20は、前記ステップS17に進み、操舵角及び駆動輪の速度を制御して、車両10を所望の移動方向及び移動速度で移動させる。ここでは、制御部20は、リモコン装置1の移動方向に最も近い方向になるように、車両移動経路を演算し、その経路に沿うように、操舵角及び駆動輪速度を制御する。
【0056】
ステップS20では、制御部20は車両を停止させる。そして、制御部20は、続くステップS21において、リモコン装置1に異常信号を外部発信する。リモコン装置1は、その異常信号に応じた態様、例えば緊急性を示すような態様で、表示、発光或いは振動する。
図10は、車両遠隔操作装置の動作のタイムチャートを示す。なお、ここでは、リモコン装置1では表示部により警報表示や異常表示する場合について説明する。
【0057】
図10中(A)に示すように、リモコン装置1のボタン2が押されると(最初のオン操作がされると)、図10中(F)に示すように、移動位置測定点の取得を開始する。そして、リモコン装置1(操作100)の移動位置測定点をN個以上計測した時点で、図10中(D)に示すように、リモコン装置1(操作100)の移動方向が車両動作可能範囲内にある場合に、図10中(G)に示すように、そのリモコン装置1への車両10の追従移動を開始する。
【0058】
このとき、直近のN個の移動位置測定点に基づいて、車両動作へのフィードバック指令を生成し、すなわちリモコン装置1の移動に基づいて車両10に対する操舵角指令値及び移動速度(駆動輪速度)指令値を生成し、この操舵角指令値及び移動速度(駆動輪速度)指令値により車両動作を制御する。また、追従開始時の車両動作については、図10中(G)に示すように、滑らかな立ち上がりになる。
【0059】
そして、リモコン装置1(操作100)が移動していき、図10中(D)及び(E)に示すように、その移動方向が車両動作可能範囲外であり、かつ車両動作許容範囲内になると、図10中(G)に示すように、車両による追従動作は継続されるが、一方で、図10中(B)に示すように、リモコン装置1において警報表示がなされる。
【0060】
さらに、リモコン装置1(操作100)が移動していき、図10中(E)に示すように、その移動方向が車両動作許容範囲外になると、図10中(G)に示すように、車両は停止し、さらに、図10中(C)に示すように、リモコン装置1において異常表示がなされる。また、車両停止の際の車両動作は、図10中(G)に示すように、緩やかになされる。さらに、この場合に、図10中(A)に示すように、リモコン装置1のボタン2が離されると、図10中(C)に示すように、異常表示が停止する。
【0061】
また、図10において右側のタイムチャートに示すように、リモコン装置1(操作者100)の移動方向が車両動作可能範囲内にある限り、図10中(G)に示すように、車両の追従動作が実施される。そして、この場合において、リモコン装置1のボタン2が離されると、図10中(G)に示すように、車両は停止する。ここで、車両停止時の車両動作は、図10中(G)に示すように、緩やかになされる。
【0062】
次に効果を説明する。
前述したように、リモコン装置1のボタン2を押している期間中、車両10とリモコン装置1との相対位置が所定の位置関係になるように、リモコン装置1の移動に車両10を追従移動させている。
これにより、操作者は、リモコン装置1のボタン2を押しながら、移動するだけで、自身の移動に車両10を追従させて移動させることができる。これにより、車両を移動する際の煩雑なボタン操作が不要となり、リモコン装置による車両の移動の誤操作を防止できる。すなわち、操作者は、リモコン装置で車両を移動する際、煩雑なボタン操作から開放される。また、操作者の移動に追従して車両を移動するため、操作者の方向感覚、速度感覚と車両の移動は一致するものになる。
【0063】
また、操作者の移動方向及び移動速度で車両が追従移動するので、例えば、車両を目標位置へ精度を高くして位置決めでき、また、複雑な移動経路であってもその移動経路に沿うように車両を容易に移動操作できる。
さらに、操作者と車両との相対位置が保って車両を移動できるので、操作者の安全性を向上できる。
【0064】
また、前述したように、リモコン装置1の移動方向が、車両諸元から得られる車両動作可能範囲にある場合に追従制御を実際に実施している。さらに、リモコン装置1の移動方向が車両動作可能範囲外であっても、その車両動作可能範囲から所定範囲の車両動作許容範囲内にある場合、リモコン装置1の移動方向に最も近い方向となるように、車両10を移動させている。
【0065】
これにより、操作者(リモコン装置1)の移動方向が、車両が完全に追従可能である車両動作可能範囲から多少外れた場合であっても、操作者(リモコン装置1)の移動方向には完全には合致しないが、その方向に近くなるように車両10を移動させている。
また、リモコン装置1の移動方向が車両動作許容範囲内にある場合には、リモコン装置1により、警報出力している。これにより、操作者は、自己の移動方向に起因して、車両10を正確に移動することが困難になっていることを知ることができる。さらに、この場合でも、リモコン装置1の移動方向には合致しないが、その方向に近くなるように車両10は動作しているので、操作者が自身の移動を修正すれば、車両10は正確な追従移動に円滑に復帰することができるようになる。
【0066】
また、前述したように、リモコン装置1の移動方向が車両動作可能範囲外であり、かつ車両動作許容範囲外である場合、車両10を動作させないようにしている。これにより操作者は、自己の移動方向が車両動作可能範囲から大きく外れたことを知ることができ、さらに、車両10が動作しないことで操作者の安全性を向上させることができる。
【0067】
また、前述したように、リモコン装置1の移動軌跡をならし、そのならした移動軌跡に車両20の移動軌跡が一致又は近づくように当該車両20を移動させている。
このようにすることで、操作者が蛇行等の複雑な動きをしても、車両10を滑らかに追従移動させることができる。この結果、操作者の操縦難易度を軽減でき、さらに、車両10の負荷を軽減して当該車両10を移動させることができる。
【0068】
また、前述したように、車両の移動中に、リモコン装置1の位置が検出できない場合、車両10の移動を停止させている。
これにより、リモコン装置1や測距センサ11,12の故障、リモコン装置1と測距センサ11,12との間で電波障害等が発生した際の、周辺及び操作者自体の安全性の向上を図ることができる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施の形態として実現されることに限定されるものではない。
すなわち、前述の実施の形態では、2つの測距センサ11,12を備え、さらにその2つの測距センサ11,12を車両10の前端部又は後端部に配置した場合について説明した。しかし、これに限定されるものではない。例えば、車両10の周囲でリモコン装置1の位置を特定できるものであれば、測定センサの個数や配置箇所は適宜決定してもよい。
【0070】
また、前述の実施の形態では、車両動作可能範囲が、車両10に対して移動するリモコン装置1の相対位置により決定される車両の移動可能範囲であり、また、車両動作許容範囲が、その車両動作可能範囲から所定位置範囲であり、かつ車両10に対して移動するリモコン装置1の相対位置により決定される範囲である場合について説明した。しかし、車両動作可能範囲や車両動作許容範囲は、車両10に対するリモコン装置1の移動速度或いは移動量により決定される車両の移動速度可能範囲や当該移動速度可能範囲からの所定速度範囲であってもよい。
【0071】
例えば、この場合、車両10に対して移動するリモコン装置1の移動位置及び移動速度(或いは移動量)が、車両諸元から得られる車両動作可能範囲内である場合に、リモコン装置1の移動方向及び移動速度に正確に車両10が追従移動することになる。また、車両10に対して移動するリモコン装置1の移動位置及び移動速度(或いは移動量)のうちの少なくとも一方が、車両動作可能範囲外であり、かつ車両動作許容範囲内である場合、その車両動作可能範囲外となったリモコン装置1の移動位置(経路)又は移動速度に近づくように、車両10が移動するようになる。
【0072】
なお、前述の実施の形態の説明において、第1及び第2の測距センサ11,12及び制御部20(CPU24)による前記ステップS3及びステップS9の処理は、車両と前記リモコン装置との相対位置を検出する相対位置検出手段を実現しており、制御部20による前記ステップS13〜ステップS17の処理及び操舵制御部21、駆動制御部22、操舵モータ15及び駆動モータ16は、前記相対位置検出手段が検出した相対位置が所定の位置関係になるように、前記車両を移動させる車両移動手段を実現している。
また、前述の実施の形態では、車両とリモコン装置との相対位置が所定の位置関係になるように、リモコン装置の移動に車両を追従移動させる車両遠隔操作方法が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の車両遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
【図2】前記車両遠隔操作装置のリモコン装置の構成を示すブロック図である。
【図3】車両に取り付けられている前記車両遠隔操作装置の第1及び第2の測距センサを示す図である。
【図4】前記リモコン装置による車両の移動操作例であり、操作者がリモコン装置により車両を引いている状態示す図である。
【図5】リモコン装置による車両の移動操作例であり、操作者がリモコン装置により車両を押している状態示す図である。
【図6】車両動作可能範囲及び車両動作許容範囲の説明のために使用した図である。
【図7】前記リモコン装置により車両の移動操作を開始する際の車両とリモコン装置との位置関係により前記車両動作可能範囲も異なることの説明に使用した図である。
【図8】 操作者の移動軌跡(図中曲線)と、リモコン装置の移動位置測定点(図中点で示す)P,P,P,〜Pn−1,Pとの関係を示す図である。
【図9】前記車両遠隔操作装置の制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】車両遠隔操作装置の動作のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 リモコン装置
2 ボタン
3 制御部
4 信号入出力部
5 警報部
10 車両
11,12 測距センサ
13 舵角センサ
14 信号出力部
15 操舵モータ
16 駆動モータ
20 制御部
21 操舵輪制御部
22 駆動輪制御部
23 センサI/F
24 CPU
25 RAM
26 ROM
27 警報制御部

Claims (11)

  1. リモコン装置により車両の移動操作をする車両遠隔操作装置において、
    前記リモコン装置は、手動で押圧操作されるボタンと、前記ボタンが押圧されているときにボタン押圧信号を外部出力する信号外部出力手段と、を備え、
    前記車両には、前記信号外部出力手段が外部出力するボタン押圧信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信したボタン押圧信号を基に、車両の操舵及び駆動力を制御する制御手段と、前記リモコン装置との距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段が検出した前記リモコン装置との距離を基に、前記車両と前記リモコン装置との相対位置を検出する相対位置検出手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、当該ボタン押圧信号の受信を開始した時に前記相対位置検出手段が検出した相対位置を維持して、前記リモコン装置の移動に車両を追従移動させることを特徴とする車両遠隔操作装置。
  2. 前記制御手段は、前記車両に対して移動する前記リモコン装置の相対位置が、車両特性から得られる、当該車両が移動可能な移動可能位置範囲内であるときには、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、当該ボタン押圧信号の受信を開始した時に前記相対位置検出手段が検出した相対位置を維持して、前記リモコン装置の移動に車両を追従移動させることを特徴とする請求項記載の車両遠隔操作装置。
  3. 前記制御手段は、前記車両に対して移動する前記リモコン装置の相対位置が、前記移動可能位置範囲外であるときには、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、車両の移動軌跡が前記リモコン装置の移動軌跡に近づくように、当該車両を移動させることを特徴とする請求項記載の車両遠隔操作装置。
  4. 前記リモコン装置は、警報手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記車両に対して移動する前記リモコン装置の相対位置が、前記移動可能位置範囲外であるときには、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、駆動信号により前記警報手段を駆動して警報出力させることを特徴とする請求項記載の車両遠隔操作装置。
  5. 前記制御手段は、前記車両に対して移動する前記リモコン装置の相対位置が、前記移動可能位置範囲外であり、かつ前記移動可能位置範囲から一定位置範囲外であるときには、前記受信手段が同一ボタンのボタン押圧信号を受信している間でも、車両の操舵及び駆動力の制御による前記車両の移動を停止するとともに、駆動信号により前記警報手段を駆動して警報出力させており、
    前記一定位置範囲は、前記移動可能位置範囲に対して冗長性をもたせた範囲であり、車両特性から前記リモコン装置の移動に車両を追従移動させることができない範囲でも、車両の移動軌跡が前記リモコン装置の移動軌跡に近づくように車両の操舵及び駆動力を制御するために設定した範囲であることを特徴とする請求項記載の車両遠隔操作装置。
  6. 前記制御手段は、前記車両に対する前記リモコン装置の移動速度が、車両特性から得られる、当該車両が移動可能な移動可能速度範囲内であるときには、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、当該ボタン押圧信号の受信を開始した時に前記相対位置検出手段が検出した相対位置を維持して、前記リモコン装置の移動に車両を追従移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両遠隔操作装置。
  7. 前記制御手段は、前記車両に対する前記リモコン装置の移動速度が、前記移動可能速度範囲外であるときには、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、車両の移動軌跡が前記リモコン装置の移動軌跡に近づくように、当該車両を移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両遠隔操作装置。
  8. 前記リモコン装置は、警報手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記車両に対する前記リモコン装置の移動速度が、前記移動可能速度範囲外であるときには、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、駆動信号により前記警報手段を駆動して警報出力させることを特徴とする請求項記載の車両遠隔操作装置。
  9. 前記制御手段は、前記受信手段がボタン押圧信号を受信しているときに、前記車両に対する前記リモコン装置の移動速度が、前記移動可能速度範囲外であり、かつ前記移動可能速度範囲外から一定速度範囲外であるときには、前記受信手段が同一ボタンのボタン押圧信号を受信している間でも、車両の操舵及び駆動力の制御による前記車両の移動を停止するとともに、駆動信号により前記警報手段を駆動して警報出力させており、
    前記一定位置範囲は、前記移動可能速度範囲に対して冗長性をもたせた範囲であり、車両特性から前記リモコン装置の移動に車両を追従移動させることができない範囲でも、車両の移動軌跡が前記リモコン装置の移動軌跡に近づくように車両の操舵及び駆動力を制御するために設定した範囲であることを特徴とする請求項記載の車両遠隔操作装置。
  10. 前記制御手段は、前記リモコン装置の移動を連続した移動位置の履歴として得て、その履歴として得た複数の移動位置から直線に近似させた移動軌跡を得ており、
    前記制御手段は、前記受信手段が同一ボタンの押圧操作に基づくボタン押圧信号を受信している間、車両の操舵及び駆動力を制御することで、前記直線に近似させた移動軌跡に車両の移動軌跡を一致させ、又は近づけて、当該車両を前記リモコン装置の移動に追従移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車両遠隔操作装置。
  11. 記制御手段は、前記受信手段がボタン押圧信号の受信に応じて車両の操舵及び駆動力を制御して、前記車両を移動させているときに、前記距離検出手段が前記リモコン装置との距離を検出できないとき、又は前記受信手段がボタン押圧信号を受信できなくなったときには、車両の操舵及び駆動力を制御し、車両の移動を停止させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の車両遠隔操作装置。
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