JP4269502B2 - データキャリア - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波や光を通信媒体とした質問器からの質問信号に応答信号を返信するとともに、質問器から送られるデータを記憶するデータキャリア(RF−IDタグ、スマートカード等)に関し、特に記憶するデータの信頼性を向上させるとともに、メモリ不足にも容易に対応できるようにしたデータキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、質問器とデータキャリアで構成されるデータキャリアシステムが盛んに研究開発され、様々な分野で実用化が図られている。この内、データの記憶媒体となるデータキャリアには、ラベルやカード形状等の比較的薄いフレキシブルな構造を持つ基材が使用される場合が多い。
【0003】
このラベルやカード形状のデータキャリア中に、ダイポールアンテナやループ形状などのアンテナを埋め込み、また、このアンテナに接続された状態でIC(半導体集積回路)を埋め込んでいる。このICは、電磁波や光を通信媒体とし、質問器からの質問信号に対し記憶したデータを返信するとともに、質問器から送られるデータを書き込むよう作動する。
【0004】
また、質問器とデータキャリアは非接触のため、データキャリア内のICを駆動する電源には、質問器から送信される通信媒体のエネルギーを電力に変換して使用するか、あるいはICとともに埋設した電池が使用されている。
【0005】
図10は、従来のデータキャリアの構成例を示す図であり、電磁波を通信媒体として非接触で質問器とのデータの交信を行うデータキャリア(RF−IDタグ)の例である。図10において、コイル状のアンテナ101の両端には共振回路を構成するコンデンサ102が接続され、またアンテナ101の両端には、IC103の端子aと端子Vss(グランド端子)が接続され、質問器から送信された高周波電磁界による電磁誘導によりIC103に電力を供給している。また、コイル状のアンテナ101の中間端子mがIC103の端子bに接続されている。そして、IC103の内部回路が、端子bおよび端子Vss間に接続されたFET(電界効果トランジスタ)・TrをON、OFFし、アンテナ101のコイルとしてのインダクタンスを変化させ、質問器に応答信号を返信するように構成されている。
【0006】
この例に示すように、従来のデータキャリアでは、ラベルやカード形状の基材に、1つのアンテナ101と1つのIC103を埋め込んで構成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術の項で説明したように、データキャリアにはラベルやカード形状等の比較的薄いフレキシブルな構造の基材が多く使用され、その中に1つのアンテナと1つのICを実装していた。
【0008】
このため、データキャリアに外力や衝撃が加わった場合は、データキャリアは容易に変形し、アンテナ101とIC103を接続する線が断線したり、IC103自身が破壊するなどの故障が発生することがあった。一旦故障が発生すると、このデータキャリアはもう使用できず、交換することが必要である。
【0009】
しかしながら、このデータキャリアの交換については、例えば、データキャリアが建築物の壁内に埋め込まれた配管の管理に使用され、データキャリア自身が壁内に埋め込まれているような場合にはやっかいな問題となる。すなわち、故障したデータキャリアを交換する場合、まず壁面のデータキャリアが埋め込まれている部分を破砕し、次にデータキャリアを交換し、その後に壁面の修復作業を行うなど、多くの作業時間と修理費を要することになるからである。
【0010】
また、アプリケーションの要求仕様によっては、データキャリアに使用しているICのメモリ容量が不足する場合がある。このような場合、新たにメモリ容量を増やしたICを設計すればよいのであるが、新たにICを設計するには膨大な費用と時間がかかり簡単には実行できず、既存のICをうまく活用して、メモリ不足の問題を解決するデータキャリアの開発が求められていた。
【0011】
本発明の第1の目的は、上記問題点に鑑み、ラベルやカード形状の比較的フレキシブルな構造を持つデータキャリアにおいても、その信頼性を著しく向上させ、修理交換が困難な場所にも使用できるデータキャリアを提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、新たなICを開発することなく、既存のICを有効に活用して、メモリ不足の問題を解決し得るデータキャリアを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1記載のデータキャリアは、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵し、前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、それらのICが実装されたタグを識別するID情報と実装された個々のICを識別するID情報を書き込むデータエリアを設け、これらのID情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載のデータキャリアは、電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵するとともに、前記複数のICを1つの共通のアンテナに接続し、前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、それらのICが実装されたタグを識別するID情報と実装された個々のICを識別するID情報を書き込むデータエリアを設け、これらのID情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載のデータキャリアは、電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、複数のアンテナを内蔵するとともに、質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行する複数のICを内蔵し、各アンテナには、前記ICが少なくとも1つ接続され、前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、それらのICが実装されたタグを識別するID情報と実装された個々のICを識別するID情報を書き込むデータエリアを設け、これらのID情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とする。
請求項4記載のデータキャリアは、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵し、前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、複数のICが分担してデータを記憶する場合に使用するデータの構成順序の情報を書き込むデータエリアを設け、前記データの構成順序の情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とする。
請求項5記載のデータキャリアは、電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵するとともに、前記複数のICを1つの共通のアンテナに接続し、前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、複数のICが分担してデータを記憶する場合に使用するデータの構成順序の情報を書き込むデータエリアを設け、前記データの構成順序の情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とする。
請求項6記載のデータキャリアは、電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、複数のアンテナを内蔵するとともに、質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行する複数のICを内蔵し、各アンテナには、前記ICが少なくとも1つ接続され、前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、複数のICが分担してデータを記憶する場合に使用するデータの構成順序の情報を書き込むデータエリアを設け、前記データの構成順序の情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とする。
【0016】
請求項7記載のデータキャリアは、請求項3又は6記載のデータキャリアにおいて、前記複数のアンテナを、それらの相互干渉作用が最小となる位置またはその近傍に配置することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態の回路構成を示す図であり、図2は本発明の第1の実施の形態の実際の接続状態を示す図である。ラベル形状やカード形状の基材中に、1つのアンテナコイルと、2個のICを実装した例である。
【0021】
図1および図2において、1はコイル状のアンテナ、2はアンテナ1と共振回路を構成するコンデンサ、3、4はICを示している。また、IC3、4内の符号Trはスイッチング用のFETを示している。
【0022】
この例では、アンテナ1はプリント基板のパターンで作成されたコイル状のものであり、外形50mm、ターン数5のものである。そのインダクタンスは、約3μHであり、13.56MHzで共振するように、アンテナ1を形成するコイルに並列に46pFのチップコンデンサ2が接続されている。このコイルに2つのIC3、4を並列に接続しデータキャリアを構成している(以下このデータキャリアを単に「タグ」という)。
【0023】
すなわち、アンテナ1のコイルの両端とIC3、4のa端子およびVss端子(グランド端子)を接続し、アンテナ1のコイルのVss端子側から1ターン目の位置より中間タップmを取り出し、これをIC3、4のb端子に接続する。アンテナの接続部の銅箔には厚み1nmの金のストライクめっきを施し、直径25nmのアルミのワイヤで接続したのち、樹脂ポッティングにより封止した。
【0024】
次に、このタグの動作について説明する。タグを13.56MHzの磁界中に置くと、アンテナ1のコイルとコンデンサ2から構成される共振回路に電圧が誘起され、これがIC3、4のa端子とVss端子間に印加される。この電圧が一定の値を超えると、IC3、4の内部回路が動作を開始する。IC3、4の内部回路が動作を開始すると、IC3、4は内部のメモリ(容量160bit)の内容に応じたデータをマンチェスター符号として、80kbsのデータレートで質問器に送信する。図3にマンチェスター符号の一例を示す。
【0025】
送信後は約80〜120msec待機状態となった後に、上記のデータを再度送信するという動作を、電源が供給されている限り繰り返す。データの送信は、具体的にはIC3、4内部のb端子とVss端子間にそれぞれドレインとソースが接続されたFET・Trのゲート端子にON、OFFの電圧を印加することによって行われる。
【0026】
質問器の送信アンテナであるコイルと、タグのアンテナ1であるコイルとは、磁気的に結合しているため、タグ内のIC3、4のFET・TrをON、OFFすることにより、タグ側のアンテナ1のインダクタンスが変化し、このインダクタンスの変化を、質問器のアンテナ側から見たインピーダンスの変化として取り出し、タグのデータを読み取っている。
【0027】
次に、2つのICがそれぞれ内蔵された2つのタグ(タグA、タグBとする)からデータを読み取る場合について説明する。この例では、タグA中には、IC#1およびIC#2が内蔵され、タグB中には、IC#3およびIC#4が内蔵され、2つのタグが同時に質問器の電磁界中に入った場合の例である。
【0028】
図4は、IC内のメモリデータの構成例その1を示す図であり、IC内のデータ記憶エリアでのデータの構成例を示したものである。メモリアドレスの0〜7ビットはデータのヘッダであり、全てのIC(IC#1〜IC#4)について共通に「FF」が書き込まれている。メモリアドレスの8〜39ビットは、各ICについてのユニークなチップID(識別コード)であり、これにより異なるICからのデータであることを識別できる。メモリアドレスの40〜47ビットはタグのID(識別コード)であり、どのタグに埋められたICから送信されたデータであるかを識別できる。メモリアドレスの48〜159ビットはアプリケーションに応じて使用される任意のデータエリアである。
【0029】
図5はデータの送信タイミングを示す図であり、各IC(IC#1、IC#2、IC#3、IC#4)からのデータが送信されるタイミングを示した図である。なお、実際には約2msec幅のパケットが約80〜120msecの間隔で送信されるのであるが、図5では、図面を見やすくするために、データ送信間隔を実際の時間スケールより短く記載している。
【0030】
すなわち、タグA、タグBの2つのタグが同時に質問器の磁界内に入ると、各IC(IC#1、IC#2、IC#3、IC#4)は同時にON状態になり、各ICが同時にデータパケットを送信するため、最初のパケットはすべて衝突し、質問器が正常に受信することはできない。しかしながら、次のパケット送信までの待機時間が、各ICによって異なるため、ある程度時間が経過すると、すべてのICからのデータを受信することが可能となる。
【0031】
また、質問器の内部に置かれたコンピュータでは、受信したデータパケットのチップID、タグのIDを比較して、同一タグからのデータを、書き込まれた順番に並べることもできる。
【0032】
ここで、図4に示すIC内の任意データのエリアに、全く同一のデータを書き込むことで、一方のICの機能あるいはアンテナとの接続に障害が起こった場合でも、もう一方のICにより、質問器はデータの受信を行うことができる。
【0033】
また、質問器がタグIDが同一でチップIDが異なるデータを受信した場合には、複数のICが同一のタグ中で動作していることが分かる。なお、全く同一のデータをICに書き込む場合には、個々のICを識別する必要がないことから、ユニークなチップIDを持たないICを使用することも可能である。
【0034】
また、「任意データ」の部分に、異なる値を書き込むと共に、ICのチップIDの大小に応じたデータの書込み順序を予め規定しておくことにより、読み込み後にタグIDを指標として、同一のタグからのデータか否かを識別し、更に同一のタグからと判断されたデータについては、ICのチップIDを基にデータを並べ替えることにより、データの書き込まれた順序を再現できる。この動作により、原理的にはメモリ容量を増やしたのと同様の効果が得られる。
【0035】
なお、各ICのチップIDを管理して、その順番にデータを書き込み、タグに実装することは、製造工程管理上も容易ではないため、このような場合には、例えば、図6のIC内のメモリデータの構成例その2を示す図のように、メモリアドレス40、41ビットの2ビットにデータの順序を示す情報を書き込むことで、最大4個までのICの順序を管理することができる。この場合、データの順序を識別するチップIDは不要なため、チップIDを持たないICを使用することも可能であり、製造管理上での利点がある。
【0036】
また、更にデータの読み取りの信頼性を高めたい場合には、図7のIC内のデータの構成例その3に示すように、アドレス42、43ビットを、そのタグに含まれるICの個数の情報のエリアとすることで、データの読み飛ばしなどのエラーを防止することができる。この方法は、図4で示したメモリデータの構成例その1の場合についても、合わせて適用することができる。
【0037】
このように、上述したメモリデータの構成例を種々組み合わせて、例えば、複数のICを内蔵するタグに、4つのICを内蔵させ、そのうちの2個ずつが同一データを持つという構成とするなど、アプリケーションに応じて様々な組み合わせを選択することができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、1つのタグにひとつのコイル状のアンテナ1が内蔵され、これに2個のIC3、4が接続された場合について説明したが、これを図8の本発明の第2の実施の形態を示す図のように、タグに2個のコイル状のアンテナ11、21とコンデンサ12,22からなる共振回路を内蔵し、この共振回路に1つまたは2つ以上のICを接続することもできる。図8の例では、アンテナ11には2つのIC13、14を接続し、アンテナ21には2つのIC23、24を接続した例である。
【0039】
この場合、コイルの配置は基本的には任意であるが、特に2つのアンテナのコイルを、そのコイル間の結合係数が実質的に0と見なせるように配置すると独立性が増す。具体的な例を挙げると、図9はアンテナの配置例を示す図であり、2つのアンテナ31、32の重なる部分の面積S2と、重ならない部分の面積S1の比が、S1:S2=2:1〜8:1に選ぶと良好な結果が得られる。
【0040】
このように複数のアンテナを設け、それぞれに独立性を持たして配置した場合には、以下に説明する利点がある。
【0041】
一般的に、質問器がICにデータを書き込む場合には、その発信する高周波を、例えば振幅変調することで、ICを駆動するエネルギー源となる高周波に信号を重畳して送信しているが、第1の実施の形態の構成では、個々のICがアンテナを共有しているため、一方のICがデータを送信している間は、他方のICは質問器からの信号を受信することはできない。このため、質問器からICへのデータの書込みは、必ず両方のICのデータ送信が終わってからでなければ実行することができない。
【0042】
これに対して、第2の実施の形態のように、磁気的な結合係数が実質的に0となるようにタグ中に2つのアンテナを配置した場合には、一方のアンテナに接続されたICがデータを送信している間にも、他方のアンテナに接続されたICは質問器からの情報を読み取れるため、任意の時点で質問器からタグヘデータを書き込むことができる。
【0043】
また、例えば、米国マイクロチップテクノロジー社の販売しているいるMCRF355のようなICでは、データパケットを送信した後の待機時間中には、図1に示したFET・TrをONにしてしまうため(カタログ中にはクローキング機能と記載されている)、第1の実施の形態の構成では、もう一方のICがエネルギーを得ることができなくなってしまい、本発明のように複数のICを実装することができなくなる。このような市販のICを使用する場合に、第2の実施の形態のように実質的に結合係数が0である複数のアンテナを用いることにより、複数のICを内蔵したデータキャリアを構成することができる。
【0044】
なお、第2の実施の形態では、IC内のメモリデータの構成については説明しなかったが、もちろん第1の実施の形態の場合と同様の構成を取り得る。
【0045】
最後に、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態では外付けコンデンサにより、共振回路を構成したが、ICに内蔵されたコンデンサを用いて共振回路を構成することも可能である。
【0046】
また、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態では、電源を持たないパッシブタイプのICを使用した例について説明したが、本発明は、ICの電源を内蔵電池から供給するタグについても同様に適用できるものである。
【0047】
更に、上述した第1の実施の形態および第2の実施の形態は、ICの電源がON状態になるとICが自動的にデータを送信を開始する、いわゆるタグトークファーストタイプのICを使用した例について説明したが、質問器が最初にポーリング信号を送信し、これを受信して始めICが応答する、いわゆるリーダートークファーストのICを使用した場合でも、本発明を同様に適用することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
請求項1、請求項2、請求項4および請求項5記載のデータキャリアによれば、ひとつのデータキャリア内に少なくとも2つのデータキャリア用のICを内蔵することで、ひとつのICの機能に障害が発生した場合や、アンテナへの接続が不良となった場合でも、少なくとも2つ内蔵された他方のICがバックアップとして働くために、データキャリア自体を交換する必要がない。また、特に高いデータの信頼性が要求される場合は、3つ以上ICを内蔵し、多数決によりデータの信頼性を高めることができる。
また、アプリケーションの要求仕様に対してデータキャリア内のICのメモリ容量が不足する場合に、データキャリア内の各ICのデータ記憶エリアに書込まれた、タグID、各ICのチップIDまたは各ICのデータ構成順序の情報を指標として、質問器のソフトウェアによって、実際は複数のICへのデータの書込み/複数のICからのデータ読み取り動作を、実質的にひとつのICに対してのデータの書き込み/読み取り動作と見なせるようにできるため、新たに大きなメモリ容量を持ったICを開発する必要が無くなる。
【0049】
請求項3、請求項6および請求項7記載のデータキャリアによれば、複数のアンテナを使用するため、一方のアンテナおよびICの機能に障害が生じても、他方のアンテナおよびICでバックアップでき、信頼性が向上する。また、一方アンテナに接続されたICが質問器にデータを送信している場合にも、他方のアンテナに接続されたICでは独立して質問器からの情報を読み取れるため、任意の時点で質問器からデータキャリアにデータを書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の回路構成を示す図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の実際の接続状態を示す図である。
【図3】 マンチェスター符号の一例を示す図である。
【図4】 IC内のメモリデータの構成例その1を示す図である。
【図5】 データの送信タイミングを示す図である。
【図6】 IC内のメモリデータの構成例その2を示す図である。
【図7】 IC内のメモリデータの構成例その3を示す図である。
【図8】 本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図9】 アンテナの配置例を示す図である。
【図10】 従来のデータキャリアの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1、11、21、31、32 アンテナ
2、12、22 コンデンサ
3、4、13、14、23、24 IC
Claims (7)
- 質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、
質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵し、
前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、それらのICが実装されたタグを識別するID情報と実装された個々のICを識別するID情報を書き込むデータエリアを設け、
これらのID情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とするデータキャリア。 - 電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、
質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵するとともに、
前記複数のICを1つの共通のアンテナに接続し、
前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、それらのICが実装されたタグを識別するID情報と実装された個々のICを識別するID情報を書き込むデータエリアを設け、
これらのID情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とするデータキャリア。 - 電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、
複数のアンテナを内蔵するとともに、
質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行する複数のICを内蔵し、
各アンテナには、前記ICが少なくとも1つ接続され、
前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、それらのICが実装されたタグを識別するID情報と実装された個々のICを識別するID情報を書き込むデータエリアを設け、
これらのID情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とするデータキャリア。 - 質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、
質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵し、
前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、複数のICが分担してデータを記憶する場合に使用するデータの構成順序の情報を書き込むデータエリアを設け、
前記データの構成順序の情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とするデータキャリア。 - 電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、
質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行するICを少なくとも2つ内蔵するとともに、
前記複数のICを1つの共通のアンテナに接続し、
前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、複数のICが分担してデータを記憶する場合に使用するデータの構成順序の情報を書き込むデータエリアを設け、
前記データの構成順序の情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とするデータキャリア。 - 電磁波を通信媒体として、質問器からの読み取り指令により指定された記憶データを送信するとともに、質問器からの書き込み指令により質問器から送信されたデータを記憶するデータキャリアにおいて、
複数のアンテナを内蔵するとともに、
質問器からの書き込み指令および読み取り指令を実行する複数のICを内蔵し、
各アンテナには、前記ICが少なくとも1つ接続され、
前記複数のICのそれぞれのデータ記憶エリアに、複数のICが分担してデータを記憶する場合に使用するデータの構成順序の情報を書き込むデータエリアを設け、
前記データの構成順序の情報を指標として、質問器からの指令によりデータの書き込みおよび読み取りを行うことを特徴とするデータキャリア。 - 前記複数のアンテナを、それらの相互干渉作用が最小となる位置またはその近傍に配置することを特徴とする請求項3又は6に記載のデータキャリア。
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