JP4268820B2 - 複数のユーザ機器に対して共有シグナリングを行う方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムに関し、特に無線通信システムの制御チャネルで送信される情報を符号化/復号化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムにおいては、エアインターフェイスをユーザ機器(UE)と基地局、あるいは他の通信システム機器との間で情報を交換するために用いている。エアインターフェイスは、通常複数の通信チャネルを含む。Universal Movile Telecommunication System(UMTS)のHigh Speed Downlink Packet Access(HSDPA)仕様においては、High Speed Downlink Shared channel (HS-DSCH 高速ダウンリンク共有チャネル)を基地局から複数のUEへの伝送に用いている。HS−DSCHに関してはデータ伝送を容易にするために、シグナリングチャネルが共有制御チャネルを介して与えられる。High Speed Shared Control Channels(HS-SCCH 高速共有制御チャネル)は、HS−DSCHに関連づけられている。
【0003】
HS−SCCHは、対応するデータ伝送を処理するためにUEに必要とされるシグナリング情報を伝送するために用いられている。例としてHS−SCCH内のシグナリング情報は伝送フォーマット情報、例えば符号情報(データ伝送用に用いられる符号)と変調情報とTransport Block Size(TBS)とを含んでいる。HS−SCCHは、全てのUEの間で共有ベースで用いられ、その結果全てのUEは無線ネットワークのセル内に構成されたHS−SCCHの全てを読むことができる。
【0004】
発展しつつある無線データ通信システムにおいて、例えば公知の1xEV−DO標準とと1xEV−DV標準と、前記のUMTS標準内のHSDPA仕様においては、スケジューリング機能が基地局コントローラーからUEに移されて、UEからのチャネル品質フィードバックに基づいた「高速」のスケジューリングを可能としている。更にまた、Adaptive Modulation and Coding(AMC)と、Hybrid Automated Repeat Request(HARQ)のような技術を導入して全システム容量を上げている。一般的にスケジューラーは、ある時点で伝送を行なうためにUEを選択し、適宜の変調と符号化技術によりUEから見た現在のチャネル状態に対する適切な伝送フォーマット(変調と符号化方式)の選択を可能としている。
【0005】
HSDPAにおいては、例えばスケジューラーとAMC機能とHARQ機能は、基地局内に配置されたMAC−hs(Medium Access Control-high speed)コントローラーにより与えられている。MAC−hsはエアインターフェス上を送信されるデータの処理に対し責任/権限を有している。更にまたMAC−hsはHSDPAに割り当てられた無線リンク物理資源を処理する権限が与えられている。一般的にMAC−hsにより実行される機能は、フロー制御、スケジューリング、優先ハンドリング、HARQ、及び物理層トランスポートフォーマット(例えば変調と符号化系)とを含んでいる。
【0006】
上記の技術を可能とするためには、制御シグナリングがアップリンク(UEから基地局へ)とダウンリンク(基地局からUEへ)の両方に必要とされる。アップリンクシグナリングは、HARQ操作とチャネル品質識別(CQI)用にACK/NACKフィードバックから成り立っている。HSDPA内のアップリンクシグナリングは、HS−DPCCHを介して実行される。HSDPA用のダウンリンクシグナリングにおいては、HS−SCCHを用いてUEへの現在の送信用にスケジューリングとHARQ制御情報を搬送している。
【0007】
HS−SCCHを介して送信されるシグナリング情報内の制御、あるいはシグナリング情報は通常ブロック符号、あるいはたたみ込み符号を用いて符号化されている。かくしてUEはHS−SCCH内の全ての情報を復号化して、シグナリングメッセージを復号化しなければならず、その後これを用いて対応するHS−DSCHを介しての対応するデータ伝送を処理する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図1はHS−SCCH110と、それに対応する共有HS−DSCHの対応部分120との間の関係を示す。図1において各HS−SCCHx(X=1ないし4)は、対応するHS−DSCHx(X=1ないし4)に関連するシグナリングメッセージ情報を搬送する。HS−DSCHの番号、それ故にHS−SCCHの番号は伝送時間間隔(TTI)内で同時にスケジューリングされているUEの数に依存して、各TTIに対し変動する。従って図1のHS−SCCHとHS−DSCHの構成により、データのチャネル化シグナリング符号とパワー資源は4個の同時伝送の間で分割される。
【0009】
図1を参照すると、各HS−SCCH上の制御チャネルデータは通常2つの部分に分けられる。パート1は特定のUEに割り当てられたデータチャネル化シグナリング符号に関連する制御、即ちシグナリング情報からなっている。パート2はHARQ関連情報、及びトランスポート情報を含む。
【0010】
上記の制御シグナリング情報はいくつかの欠点、即ち高いエラーレート、ミス/誤ったアラームの可能性、資源の非効率的な利用という不利な点がある。これらの問題は、共有制御チャネルのそれぞれに必要とされる個別の符号化に起因している。個別の符号化により各共有制御チャネルは、例えば巡回冗長性符号(CRC)データビットと、基地局からデータを受信する各UE用の個別のテールビットとを有する。
【0011】
図2は、各HS−SCCHを介して送信されるべきシグナリングメッセージ内のパート1とパート2の中身をさらに詳細に示す。パート1とパート2は、いくつかのセグメントを含む。各HS−SCCHに対してはパート1は、情報ビットの独自のセット(info1HS−SCCHx ここでx=1から4)を有する情報ビットセグメントと、エラー検出に用いられる巡回冗長性チェックコード(CRC)セグメントと、HS−SCCHのパート1の終了を示すテールビットセグメントを含む。例えば情報ビットは7ビットのチャネル化符号シグナリングと、1ビットの変調符号と、1個のUE−IDの10ビットのUE−ID符号と他の制御あるいはシグナリングビット情報を含む。同様に各HS−SCCHのパート2は、情報ビットの独自のセット(info2HS−SCCHx ここでx=1から4)と、巡回冗長性チェックコード(CRC)ビットとテールビットを含む。パート2内の情報ビットは、HARQ関連データと、トランスポートフォーマットと、資源関連データ、例えばTBSと他の制御情報、及び単一のUE用のUE−IDとCRC情報を有する。
【0012】
UEにおける複雑さを解消するために、HS−SCCH設計によりデータ転送の開始(即ちt=0以前)前にパート1情報を送信できるようにする(図1)。現在の構成においては、各UEはHS−SCCH上の各パート1を各TTI毎に復号化して(a)伝送がその特定のUEに向けられたものであるかと、(b)伝送がその特定のUEに向けられたものである場合には、UEはパート1を復号化し、そして対応するHS−DSCHがどのチャネル化符号に到達するかを見いださなければならない。言い換えるとUEは、その特定のUEに向けられたHS−SCCHを完全に復号化するためには、各パート1とパート2を個別に復号化しなければならず、その結果UEは正しく復号化されたHS−SCCHに対応するHS−DSCHを介して意図されたバッハ(記憶すること)を開始する。
【0013】
従って各UEはデータ伝送の開始前に、各TTIごとに最大4個のHS−SCCHを復号化しなければならない。UE処理の複雑性の観点から、処理を必要とするようなパート1内のビットの数を制限することが望ましく、同時にまたできるだけシンプルにその処理を行なうことが望ましい。
【0014】
図3はHS−SCCHに対するHSDPA伝送時間間隔(TTI)を示す。TTI300は、3個のタイムスロット310a〜310cを有し、それぞれの持続時間0.667ms(ミリ秒)である。スロット310aは、パート1情報を含み、スロット310b‐cは、パート2情報を含む。図3は、HS−SCCHのパート1とパート2の情報を送信するチャネル化符号の構成を示す。HS−SCCH350情報は、3個のチャネル化符号スロットを介して送信され、それらはパート1情報(スロット360内の符号で送信された)と、パート2情報(スロット370a‐b内の符号で送信された)に分割される。従ってスロット310aのパート1情報は、第1スロット360内で送信され、パート2情報スロット310b‐cは、第2と第3のチャネル符号化スロット370a、370bで送信される(図3の点線矢印)。各HS−SCCHは拡散係数(spreading factor(SF))128のチャネル化符号を用いる。UMTS内のQPSK変調と3.84Mc/Sのチップレートにおいては、40個のビットが単一のタイムスロットで送信される。
【0015】
HSPDAのHS−SCCH制御フィールドの詳細、即ちパート1とパート2の情報ビットとCRCビットを表1に示す。UE IDはパート1またはパート2の制御フィールド内に明示的には含まれてないが、xビットのCRCがパート1とパート2の制御フィールドを介して計算される。ここでxは8,16,24、32のCRCビットであり、表1においてはCRC符号は16ビットの長さを有する。
【0016】
図4は、UE特定のCRC(UE-specific CRC)計算の例を示す。UE特定CRC計算の1つの方法は、UE ID410に他の制御フィールド420を添付し、標準のCRC計算430を実行することである。送信時にUE ID410をパート1とパート2の制御フィールド240から取り除き、制御フィールド420を計算されたCRC430と共に送信する(ライン435参照)。UEがHS−SCCH送信を受信するとUEはCRCチェック440を実行するが、これはその自分のUE IDにパート1内の他の制御フィールド、あるいはパート2内の別個の制御フィールドとを添付することにより行なわれる。CRCチェックを送信されたCRCで行なう場合には、UEは送信はそのUEに向けられたものと仮定している。CRCが送信されたCRCでチェックしない場合にはUEは対応するHS−DSCH上の伝送を無視する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図2において単一のHS−SCCH用のパート1内のビットの全数は次式で表される。Ntotal1=Ninfo+NCRC1+Ntail1である。ここでNinfo1はHS−SCCHのパート1に含まれる情報ビットの数であり、NCRC1はパート1用のCRCビットの数であり、Ntail1はパート1内のテールビットの数である。4個のHS−SCCHにおいては、各制御チャネル上で個別に符号化されるとTTI内で搬送されるビットの全数は、MxNtotal1である。例えばNinfo1=20、NCRC1=8、Ntail1=8と仮定すると基地局で符号化しなければならない、あるいはUEが復号化しなければならないビットの全数は、4個のHS−SCCHにおいては144ビット(4x36)である。ビットのこの全数は、処理すべき負荷となり、各HS−SCCHに必要とされる個別の符号化故に資源の非効率的な使用となる。上記したように個別の符号化によりHS−SCCHはCRCビットとテールビットを別個に搬送している。
【0018】
同様に単一のHS−SCCHのパート2情報のビットの全数は次式で表される。Ntotal2=Ninfo2+NCRC2+Ntail2である。ここでNinfo2はパート2に含まれる情報ビットの数であり、NCRC2はパート2用のCRCビットの数であり、Ntail2はシグナリングメッセージのパート2のテールビットの数である。パート2は基地局で個別に符号化され、かつUEで個別に復号化されるためにUEで処理するビットの全数は処理負荷となる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば合成シグナリングメッセージ部分が生成され、無線通信システムの複数の共有制御チャネルを介して送信される。本発明の一実施例においては、合成シグナリングメッセージ部分は少なくとも2個のセグメントを含み、各セグメントは異なるユーザ機器(UE)を識別するデータを含むように構成される。この実施例においては、形成するステップは少なくとも2個のセグメントを共同で符号化することにより生成されたエラー修正符号を含むような部分を形成する。本発明の他の実施例においては、合成シグナリングメッセージ部分は、少なくとも2個のセグメントを含み各セグメントは異なるユーザ機器(UE)に制御チャネル上の情報を提供するデータを含む。この実施例においては、この形成するステップは少なくとも2個のセグメントを共同で符号化することにより、生成されたエラー修正符号を含む部分を構成する。
【0020】
本発明の他の態様によれば、少なくとも1個の合成シグナリングメッセージ部分は複数の共有制御チャネルを介して送信される。本発明の一実施例においては、合成シグナリングメッセージ部分のの異なる一部が、各共有制御チャネル内の少なくとも1つの同一のタイムスロットを介して送信される。合成シグナリングメッセージ部分は少なくとも2個のセグメントを含み、各セグメントは異なるユーザ機器(UE)を特定するデータを含む。この実施例においては、合成シグナリングメッセージ部分は更に少なくとも2個のセグメントを共同で符号化することにより生成された巡回冗長性符号(CRC)を含む。本発明の他の実施例においては、合成シグナリングメッセージ部分の異なる一部は、各共有制御チャネルの少なくとも1つの同一タイムスロットを介して送信される。シグナリングメッセージ部分の一部は少なくとも2個のセグメントを含み、各セグメントは異なるUEに専用の専用制御チャネル上の情報を提供する。この実施例においては、この部分は更に少なくとも2個のセグメントを共同で符号化することにより生成された巡回冗長性符号(CRC)を含む。
【0021】
本発明の他の態様によれば、シグナリングメッセージを共同に搬送する複数の制御チャネルはパワー制御が行なわれる。シグナリングメッセージは、複数のユーザ機器(UE)用のデータを含む。シグナリングメッセージの一部は、各共有制御チャネルに割り当てられ、その結果各共有制御チャネルは、他のUE以外の1つのUEに関連づけられたより多くのデータを搬送する。各共有制御チャネルのパワーは、割り当てられた部分に関連するUEに基づいて制御される。
【0022】
本発明の更に別の態様によれば、無線通信システムの複数の共有制御チャネルを介して送信されるシグナリングメッセージが生成される。シグナリングメッセージの第1部分は、共有制御チャネルの第1部分の伝送用に形成される。シグナリングメッセージの第1部分は、複数のユーザ機器(UE)用のスタート情報を含み、この各UEのスタート情報がUE専用の物理チャネルのシーケンス内の第1物理チャネルを特定(識別)する。シグナリングメッセージの第2部分は、共有制御チャネルの第2部分の伝送用に形成される。シグナリングメッセージの第2部分は、複数のUE用の終了情報を含み、各UEに対する終了情報はUE専用の物理チャネルのシーケンス内の最後の専用物理チャネルを識別(特定)する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の原理はUMTS標準のHSDPA仕様に基づいた無線通信システムに適したものであり、これを例に以下説明するがこれは単なる一実施例でこの通信システムに限定されるものではない。様々な変形が当業者には明らかであろう。更にまたユーザ機器(UE)は、無線ネットワークの移動局と同義語である。
【0024】
合成メッセージ部分とHS−SCCHの形成
本発明の第1実施例によれば、HS−SCCHとの1対1の対応を有するシグナリングメッセージを生成する代わりに、合成パート1メッセージ部分が図5(a)に示されるように生成される。個々のパート2メッセージ部分は、図2に関し上記に説明したように形成される。図5(a)を参照すると合成パート1メッセージ部分は、特定のTTI内の送信を受信する全てのUEに対するチャネル化符号と変調とUE ID情報を含む。この実施例においては、送信を受信する2つのUEのみが示されており、HS−SCCHのパート1が送信を受信するM個のUEのチャネル化符号と変調とUE ID情報を搬送しなければならない。
【0025】
図5(a)によれば、合成パート1はUEAに対するUE IDセグメント510とUEAに対するチャネル化/変調符号セグメント520とUEBに対するUE IDセグメント530とUEBに対するチャネル化/変調符号セグメント540を有する。図5(a)においてUE IDは、合成パート1内に明示されている。この情報は、巡回冗長性符号(CRC)を用いて共同でエラー修正符号化される。CRC符号ビットの単一のセット(セグメント550)と、テールビットの1つのセット(セグメント560)は合成パート1内に含まれる。複数のUE用の情報は、合成パート1を復号化するためにUEが実行しなければならない処理量は大幅に削減される。
【0026】
具体的に説明すると、UEがNtotal1=を処理しなければならないビット数は次式で示される。Ntotal1=(MxNinfo1)+NCRC1+Ntail1。符号化レートと図2に関連した従来の方法との比較を表2に示す。表2の符号化レートの結果を決定する際にNinfo1=20、NCRC1=8、Ntail1=8を仮定した。
【0027】
表2に示すように、UE処理しなければならないHS−SCCHの数が増加すると符号化レートは減少する。
【0028】
図5(b)は、図5(a)の実施例に従って伝送時間間隔の間にパート1とパート2データがチャネル化符号化内で以下に送信されるかを示す。図3には従来の符号化スキームにおいて、シグナリングメッセージのパート1がHS−SCCHの単一のタイムスロット内の単一の符号を介して送信され、パート2がHS−SCCHの2個のタイムスロットの単一の符号を介して送信される状態を示している。従ってタイムスロット当たり1個の符号のみが、HS−SCCHを介して従来のアプローチで送信される。言い換えるとUEは、どのパート1がそのUEに向けられたシグナリング情報を含むかを見いだすために4個全てのパート1を復号化しなければならなく、かくしてUEはHS−DSCHを介した対応する伝送データを受信することができる。
【0029】
図5(b)は、図5(a)の例に従ってUEA,UEBへ合成パート1、パート2メッセージ部分を送信する2個のHS−SCCHを示す。同図に示すように合成パート1の第1部分は、HS−SCCH1のパート1内で送信され、合成パート1の第2部分は、HS−SCCH2のパート1部分で送信される。HS−SCCh1とHS−SCCH2のパート2は図2に示したものと同一である。
【0030】
図5(c)は、3個のUEがHS−SCCHを共有した場合に、合成パート1は3個のHS−SCCHの504のパート1を介して送信される。同様に4個のUEがHS−SCCHを共有した場合には、合成パート1はHS−SCCHの506のパート1を介して送信される。
【0031】
共同で符号化されたシグナリングメッセージを復号化するために、UEはHS−SCCHのパート1を受信し、この合成パート1を復号化する。合成パート1がそのUEに対する識別情報を含む場合には、UEはこの識別情報の場所に基づいて復号化するためにHS−SCCHのパート2を知る。例えばUE IDが第3のUE IDの場合には、UEはHS−SCCH3のパート2を復号化する。
【0032】
別の方法としてUEは、データ伝送を受信するために共通に符号化された情報の一部を復号化する。例えばこの復号化は、米国特許出願第09/991,111に開示されているような部分復号化である。(特許になった場合には、特許番号を通知する用意がある)
【0033】
別の例として複数のUE ID情報がパート1内の他の制御情報を付属していない場合には、複数のUE IDはUE特定符号(例えば図4の場合には、UE特定CRCが用いられる)でもって制御情報をスクランブルすることにより非明示的に搬送することができる。CRCは、所望のUEに対するOKのみをチェックする。かくしてこれらの非明示的方法においては、明示的なUE IDビットを搬送するHS−SCCH(パート1又はパート2のいずれか)内にフィールドは存在しない。
【0034】
図6は、部分復号化原理を示す。例えば図6においてUEは1個のUEに対する伝送を仮定してパート1情報を復号化した後、CRCチェックを実行するために最初にトライする。CRCチェックが失敗すると、UEは2個のUEへの伝送を仮定して、制御情報を復号化しようとする。しかしUEが1個のUEに対する情報をすでに復号化している。そのためにシーケンシャルな復号化アプローチを用いて、UEはすでに復号化した情報を更に復号化する必要はない。このアプローチによりUEにおける処理負荷を減らすことができる。
【0035】
図7(a)は、合成パート1メッセージ部分と合成パート2メッセージ部分の両方が形成された本発明の実施例を示す。図5(a)を参照すると、合成パート1の形成に対応する説明が見いだされる。合成パート2も同様に形成される。ただしパート2情報についてではあるが、図5用に用いたのと同様に2個のUEの例を用いて、そして図7(a)を参照すると、合成パート2(700)はUEA用のUE IDセグメント710と、UEA用のHARQ制御とフォーマットセグメント720と、UEB用のUE IDセグメント730と、UEB用のHARQ制御とフォーマットセグメント720含む。図7(a)においては、UE IDはパート2に明示されている。この情報は、例えば巡回冗長性符号(CRC)を用いて共同でエラー修正符号化される。CRC符号ビットの単一の組(セグメント750)と、テールビットの組(セグメント760)が合成パート2内に含まれる。複数のUEに対する情報は、合成パート2を形成する際に共同に符号化されるために、合成パート2を復号化するためにUEが実行しなければならない処理量は大きい。
【0036】
具体的に説明すると、UEが処理しなければならないパート2のビット数Ntotal2は次式で表される。Ntotal2=(MxNinfo2)+NCRC2+Ntail2。M個の制御チャネルがある場合には、各HS−SCCH上の共通符号化を用いてTTIの中で搬送されるビットの全数は、MxNtotal2である。この符号化レートと図2に関して説明した従来の方法との比較を表3に示す。表3の符号化レートを決定するためにはNinfo2=20、NCRC2=8、Ntail2=8を仮定した。
【0037】
パート2情報のフォーマットはUEにとって入手可能であり、そしてこのUEがパート1情報を復号化する。従ってパート2フォーマットを明示的に信号化する必要はない。即ちパート1内のUE IDのN個の数が存在することは、パート2はN個のUEからの制御情報でもって符号化されていることを示している。パート1情報とパート2情報との間の1対1のマッピングが存在する。パート1情報は特定の順番で、例えばUE ID A、UE ID Bで送信される。そのためUEがパート1内でそのUE IDを見ると、パート2内のUE IDの位置を知ることができる。例えばUE ID Bがポジション2に現われるならば、このことはパート2情報内のポジション2はUE Bの制御情報を搬送していることを示している。
【0038】
図7(b)は、図7(a)の実施例に従って伝送時間間隔の間にHS−SCCH内でいかにパート1、パート2が搬送されるかを示している。同図に示すように合成パート1メッセージ部分は、HS−SCCHのパート1間で分割され、合成パート2メッセージ部分は、HS−SCCHのパート2間で分割される。
【0039】
それ故にシグナリングメッセージは、パート1とパート2の両方のUE−IDセグメントを共同で符号化することにより生成され、1つあるいは複数のHS−SCCHを介して送信される。更にまたシグナリングメッセージのパート1とパート2の両方内にあるUE−IDを共同で符号化することに加えて、テールビットの1つの組のみをたたみ込み符号用に用い、CRCビットの1つの組のみをエラーチェック用に用い、かくして対応するHS−DSCH上にそのUEに向けられた伝送があるか否かを決定するためにUEが処理しなければならないビット量を減らすことができる。
【0040】
HS−SCCH内のチャネル化符号情報の減少
図8は、本発明の符号化情報に従ってチャネル符号化ビットが減らされる実施例を示す。パート1情報の共同符号化により、符号化情報に必要とされるビット数を減らすことができる。図8は、セルが15個のSF16チャネル化符号を3つのUE、即ちUEA,UEB、UECに割り当てるものと仮定する。従来のアプローチを用いると、開始符号と終了符号の指示が各UEに対し個別に必要とされる。しかし共同符号化を用いることにより、開始符号の指示のみが最後のUE(即ちUEC)を除く全てに必要となるだけである。i番目のUEに対する終了の指示はi+1番目のUEの開始指示から得ることができる。
【0041】
図8は、この原理を示す。図8において符号情報は、開始1ビット、開始5ビット、開始14ビットと終了15ビットからなる。全部で16個のSF16符号でもって4ビットの指示を用いると、開始または終了を示すことができる。例えばパート1情報が3個のUEに対し搬送される場合には、情報符号ビットの全数はわずか16ビットである。従来のアプローチにおいては、開始符号と終了符号が各UEに個別に必要とされている。そのためTTIの中で3個のUS符号が多重化されると符号情報ビットの全数は、6x4(4個のHS−SCCHに対し)ビット、即ち24ビットとなる。
【0042】
HS−SCCHのパワー制御
パワー制御は重要である。その理由は他の実施例においては、合成パート1と合成パート2情報がTTIの中で複数のUEに対し情報を搬送するからである。
【0043】
本発明の一実施例においては、HS−SCCHはTTIの中の最悪のシナリオのチャネル条件のUEに基づいてパワー制御される。TTIの中に1つのUEしかない場合には、パート1情報はスケジュールされたUEにのみパワー制御される。
【0044】
他の実施例を図9に関し説明する。合成パート1をレート1/2のたたみ込み符化器でもって共同符号化した後、ビットは4個の等しい部分に分けられる。これらの4個の等しい部分のそれぞれは、その後チャネル化符号(即ちHS−SCCH)を介して送信される。異なるパワーが異なるチャネル化符号に基づいて用いられる。例えばUE1情報を復号化するのは、チャネル化符号1と2の上のSNRに大きく影響を受ける。i番目の情報ビットの復号化は、i+1番目、i+2番目・・・i+P番目のビットにより影響を受けるようなたたみ込み符号化/復号化を用いていることに起因する。制約長はたたみ込み符号内のシフトレジスタ(それぞれのレジスタは1ビットの情報を記憶する)の数である。ビット間の距離Pが大きくなればなるほど影響は薄れてくる。
【0045】
代表的なパワー制御系は、UE1にパワー制御されたチャネル化符号1と、UE2に対するチャネル化符号2とを有する。本発明の一実施例においては、UEは合成パート1内に配置され、その結果図9に示すようにUE1はチャネル品質の観点から最悪であり、UE4が最適である。このことはUE1情報の復号化が符号2、符号3、符号4上のSNRにより影響を受けている場合でも、符号1上のパワーに比較するとインパクトが小さいという事実に起因する。(例えばUE1情報ビットの大部分は、符号1で搬送される符号化ビット上にマッピングされる)従って異なるチャネル化符号に基づいて異なるパワーが用いられる。符号xに使用されるパワーは、Px(x=1,2,3,4)である。チャネル品質の観点からUE1が最悪のUEでUE4が最良のUEの場合には、符号1,2,3,4にそれぞれ用いられるパワーP1―P4は、次のP1>P2>P3>P4のルールに従う。言い換えると最悪のチャネル品質を有するUEに対し、共同で符号化された情報をパワー制御する必要はない。
【0046】
それ故にシグナリングメッセージの部分を各HS−SCCHに割り当てることにより、パワー制御は複数のUEに対するシグナリングメッセージを共同で搬送する1つあるいは複数のHS−SCCHに対し実行される。これは各HS−SCCHが他のUEとは別の特定のUEに関連するデータを搬送し、その結果そのHS−SCCHの送信パワーは対応するUE用のシグナリングメッセージの割り当てられた部分に従って制御される。
【0047】
合成パート1メッセージ部分が形成され、合成パート2メッセージ部分が形成されない実施例においては、HS−SCCHのパート2部分はデータがそれに対して向けられるUEに基づいて制御される。合成パート1と合成パート2のメッセージ部分が形成される実施例においては、HS−SCCHのパート2は図9で議論したのと同様の方法でパワー制御される。
【0048】
HS−SCCH内のパート1パート2間でチャネル化符号情報を分割する
従来はHS−DSCHを特定するチャネル符号化シグナリングビット全体がHS−SCCHのパート1で搬送されている。図10(a)は、現在のHS−SCCH構成を示す。パート1情報は、HS−SCCHの1スロット(図3)を介して搬送され、パート2情報は、HS−SCCH残りの2つのスロットを介して搬送される。シグナリングメッセージのパート1内で搬送される制御とシグナリング情報は、パート2内で搬送される情報の半分以上である。しかし図3から分かるようにパート1の伝送時間(0.667ミリ秒のタイムスロット)は、パート2の伝送時間(2つのスロット)の半分である。従ってHS−SCCHのパート1は同一のframe error rate(FER)に対しては、パート2よりもより多くのパワーを必要とする。
【0049】
パート1とパート2の間のパワーのアンバランスは好ましくなく、その結果無線資源の非効率的な使用につながる。このことは、パート1とパート2の伝送の間送信パワーを一定に維持するために最悪の場合のパワーが用いられる(この場合パート1のパワー)という事実に原因する。それ故にパート2はFER目標パワーに適合するために必要とされるよりもより多くのパワーでもって送信される。その結果資源の無駄となる。
【0050】
このパワーアンバランスの問題を解決するために、パート1内の制御ビットの一部をパート2に移動させる。図10(b)は、本発明によりパート1とパート2の間で、HS−DSCH特定するチャネル化符号ビットを分割する概念を示している。一般的にUEはHS−DSCHを開始する前に制御、あるいはシグナリング開始情報のみを必要とする。それ故に図10(b)から分かるように、チャネル符号化開始情報はシグナリングメッセージのパート1内にあり、一方チャネル化終了符号ビットはパート2で搬送される。パート1データ(UE IDチャネル化符号開始指示等)を受領した後、UEはチャネル符号化開始指示から始まる全てのHS−DSCH符号をその中に記憶する。その後UEはパート2内のチャネル化符号終了指示を受領した後、UEに割り当てられた符号の正確な数(番号)を決定する。
【0051】
そのため図10(b)の実施例は、シグナリングメッセージが生成され、このメッセージのパート1とパート2の間で、チャネル化符号の開始符号指示と終了符号指示を分離することにより複数のHS−SCCHを介して送信するプロセスを示す。複数のUEに対する開始符号指示は、各HS−SCCHで搬送されるシグナリングメッセージのパート1内に形成され、終了符号指示はHS−SCCH上で搬送されるシグナリングメッセージのパート2内で形成される。
【0052】
本発明は様々な方法により実行することができる。上記のアルゴリズムはいつかの構成要素、フローチャート、ブロックからなるよう説明したが、符号化及び復号化方法は応用特定集積回路、ソフトウェア駆動プロッセサー、あるいは個々の構成要素の組み合わせにより実行することができる。
【0053】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。尚、特許請求の範囲に記載した参照番号は発明の容易な理解のためで、その技術的範囲を制限するよう解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の共有制御チャネルと共有ダウンリンクデータチャネルとの間の関係を示す図。
【図2】HS−SCCHの従来の構成を表す図。
【図3】パート1とパート2が伝送時間間隔によりチャネル化符号内で送信される状態を示す。
【図4】UE特定CRC計算の例を示す
【図5】(a)本発明の一実施例によるシグナリングメッセージのパート1の共同符号化を表す。
(b)、(c)本発明の一実施例によるシグナリングメッセージのパート1とパート2のデータが共同符号化を表す。
【図6】本発明により共同で符号化されたデータを復号化する方法を表す図。
【図7】(a)本発明の他の実施例によるHS−SCCHのパート1とパート2の共同符号化を表す図。
(b)本発明の一実施例によるシグナリングメッセージのパート1とパート2のデータが共同符号化を表す。
【図8】本発明の符号化方法によりチャネル符号化ビットが減少した実施例を表す図。
【図9】本発明によるHS−SCCHのパワー制御を表す図。
【図10】(a)従来のHS−SCCHを表す図であり、(b)本発明の一実施例によるHS−SCCHを表す図。
【符号の説明】
110 HS−SCCH
120 HS−DSCH
300 TTI
410 UE ID
430 CRC計算
420 SCCH制御フィールド
435 ライン
440 CRC
500,700 合成シグナリングメッセージ部分
Claims (8)
- 無線通信システムにおいて複数の共有制御チャネルを介して送信するために、合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を生成する方法であって、
(A)少なくとも2個のセグメント(510,530)(710,730)を含むよう合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を形成するステップであって、各セグメント(510,530)(710,730)が、異なるユーザ機器(UE)を識別するデータを含む、ステップ
からなり、
前記(A)ステップが、少なくとも2つのセグメント(510,530)(710、730)を共同で符号化することにより生成されたエラー修正符号(550,750)を含むように合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を形成することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法であって、さらに、
(B)チャネル化符号(520,720)上のデータ及び該異なるUEに専用の専用制御チャネルの変調を合成シグナリングメッセージ部分(500,700)に含めるステップ
からなる方法。 - 請求項1記載の方法であって、さらに、
(C)該異なるUEに専用の専用制御チャネルのトランスポートフォーマットデータ及びハイブリッドHARQ(720,740)を前記合成シグナリングメッセージ部分(700)に含めるステップ
からなる方法。 - 無線通信システムにおいて複数の共有制御チャネルを介して送信するために、合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を生成する方法であって、
(A)少なくとも2個のセグメント(510,530)(710,730)を含むよう合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を形成するステップであって、各セグメント(510,530)(710,730)が、異なるユーザ機器(UE)に専用の専用制御チャネル上に情報を提供するデータを含む、ステップ
からなり、
前記(A)ステップが、少なくとも2つのセグメント(510,530)(710、730)を共同で符号化することにより生成されたエラー修正符号(550,750)を含むように合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を形成することを特徴とする方法。 - 複数の共有制御チャネルを介して合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を送信する方法であって、
(A)前記共有制御チャネルのそれぞれに少なくとも1つの同一のタイムスロットを介して合成シグナリングメッセージ部分(500,700)の異なる部分を送信するステップであって、該合成シグナリングメッセージ部分(500,700)が少なくとも2個のセグメント(510,530)(710,730)を含み、各セグメント(510,530)(710,730)が異なるユーザ機器(UE)を識別するデータを含む、ステップ
からなり、
前記合成シグナリングメッセージ部分(500,700)が、少なくとも2つのセグメント(510,530)(710,730)を共同で符号化することにより生成された巡回冗長性符号(350,750)(CRC)を含むことを特徴とする方法。 - 請求項5記載の方法において、前記合成シグナリングメッセージ部分(500,700)がさらに、シグナリングメッセージ内に、該異なるUEに専用の専用制御チャネルのチャネル化符号及び変調のデータ(520,720)を含むことを特徴とする方法。
- 複数の共有制御チャネルを介して合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を送信する方法であって、
(A)前記共有制御チャネルのそれぞれに、少なくとも1つの同一のタイムスロットを介して合成シグナリングメッセージ部分(500,700)の異なる部分を送信するステップであって、該シグナリングメッセージの部分が少なくとも2つのUEに対するデータ(510,530)(710,730)を含み、各UEに対する該データ(510,530)(710,730)が情報を該UEに専用の専用制御チャネル上に提供するようなステップ
からなり、
前記合成シグナリングメッセージ部分(500,700)が、少なくとも2つのセグメント(510,530)(710,730)を共同で符号化することにより生成された巡回冗長性符号(350,750)(CRC)を含むことを特徴とする方法。 - 請求項7記載の方法であって、さらに、
(B)共有制御チャネルのそれぞれ内に同一の他のタイムスロットを介して、別の合成シグナリングメッセージ部分(500,700)を送信するステップであって、該別の合成シグナリングメッセージ部分(500,700)が該UEを識別するデータを含む、ステップ
からなる方法。
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