JP4268504B2 - 加工性に優れた帯電防止プレコート金属板およびその製造方法 - Google Patents

加工性に優れた帯電防止プレコート金属板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、家電製品や建材等に使用される際に塗膜の摩擦によって生ずる静電気による障害が防止され、且つ加工性に優れたプレコート金属板とその製造方法に関する。
建材、家電、雑貨、自動車などの分野においては、金属板を成形加工して組立てた後に塗装するという従来のポストコート方式に変わって、あらかじめ塗装された金属板(プレコート金属板:PCMと略す)を成形加工し、接合して製品とするプレコート方式が多く採用されるようになってきた。この方式の導入により、需要家での塗装工程が省略でき塗装廃棄物等による公害・環境問題の解決が図られ、さらに塗装のための作業スペースを他の用途に転用できるなどのメリットがあることから、PCMの需要量は着実にのびてきている。しかし、PCMの加工ラインでは、塗膜と他の素材とが摩擦することによって生ずる静電気により、PCM表面にゴミが付着したり、帯電したPCMに触れて電撃を受けたりする問題が度々起こっている。
特開平5−278170号公報及び特開平5−279641号公報には、PCMの帯電を防止するために、PCMの表面に、帯電防止剤を含有させた保護シートを貼り付ける方法が開示されている。しかし、このような方法は、シート脱着に手間がかかるうえ、PCMの製造コストが高くなるという問題がある。
特開平9−254296号公報、特開平10−16134号公報、特開平10−230565号公報には、PCM塗膜へのフッ素やその他の添加物の添加によって、PCM塗膜の帯電列上の位置を低位化(マイナスに帯電しやすくする)させたり、PCM表裏の帯電列関係を制御することで、静電気の発生を抑制する方法が開示されている。
また本願の発明者らは、クロロプレンゴムシートを用いて帯電させたときの帯電電位を非接触式フィールドメーターで測定し、該方法で測定した帯電電圧を低下させる為にイソシアネート誘導体を塗膜に含有させたPCMを出願(特願2003−051338)している。
特開平5−278170号公報 特開平5−279641号公報 特開平9−254296号公報 特開平10−16134号公報 特開平10−230565号公報 特願2003−051338号明細書
前述のように保護シートを貼り付ける方法は、シート脱着に手間がかかるうえに製造コストが上昇するという問題がある。帯電防止剤を塗膜に含有させて塗装鋼板(PCM)の帯電を防止する方法は、保護シートを貼る方法と比較して簡便であるため、最近よく行われるようになってきた。帯電防止を目的として塗膜に含有させる帯電防止剤には大別して導電性物質と低帯電性物質の2種類の物質があり、その作用は大きく異なっている。
塗膜に混入された導電性物質の役割は、発生した静電気を接地部分に逃がすか、空気中に放電させることにある。導電性物質を混入して塗膜の表面電気抵抗率を1012Ω以下にすると通常自然放電が起こるとされており、導電性物質としては金属化合物、カーボン、各種界面活性剤などが使われる。
他方、低帯電性物質の役割は、摩擦によってポリエステル系樹脂などの塗膜がプラスに帯電するのを防止する事にある。これはマイナスに帯電する傾向にあるホコリを付着しにくくするのに有効である。PCMの塗膜の帯電は、搬送コンベアーのゴムや、切断、打ち抜き、成形加工する際の押さえ治具、ポンチ、金型等との摩擦によって発生し、塗膜のアクリルやポリエステル樹脂が、摩擦相手より帯電列上高位にあるためプラスに帯電してホコリを付着するという問題があった。また、塗膜に低帯電性物質を混入すると、ホコリの付着防止には有効であるが、塗膜への異物(低帯電性物質)混入は塗膜の耐食性や加工性などの悪化の原因ともなっていた。
更に、従来の塗膜への低帯電性物質の混入は、比較的膜厚の厚い通常の樹脂層全体に混入していたので高価な低帯電性物質を多量に使用し、コスト高になるという問題もあった。
本発明者らは、低帯電性物質を塗膜の表層のみに含有させ、通常の塗膜層と複層化することにより、低帯電性物質の使用量を削減しても帯電防止効果を向上させることに成功した。また、表層を薄膜化し所定の膜厚とすることにより加工性を改善することに加えて、通常の塗膜層には低帯電性物質を混入させず塗膜の耐食性も向上させた。更に、本帯電防止プレコート金属板の製造方法として、通常の塗膜層と帯電防止塗膜層を同時多層コートし、同時焼付けすることにより、加工性と耐食性を更に向上できることを見出して本発明を完成させた。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)塗膜層と、その表層に膜厚が1〜10μmで下層の塗膜層より薄く、低帯電性物質を含有した薄膜帯電防止塗膜層を設けたことを特徴とする加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(2)金属板と塗膜層の間に前処理層及び/またはプライマー層を設けたことを特徴とする、(1)に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(3)低帯電性物質としてイソシアネート誘導体を薄膜帯電防止塗膜層中に含有したことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(4)イソシアネート誘導体の薄膜帯電防止塗膜層中の全固形分に対する割合が5質量%以上であることを特徴とする、(3)に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(5)薄膜帯電防止塗膜層中にイソシアネート誘導体及びアルコキシアミン塩を同時に含有したことを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(6)アルコキシアミン塩の薄膜帯電防止塗膜層中の全固形分に対する割合が1質量%以上であることを特徴とする、(5)に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(7)イソシアネート誘導体としてイソホロンジイソシアネート(IPDI)誘導体を含有することを特徴とする、(3)〜(5)のいずれか1つに記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
(8)塗膜層と薄膜帯電防止塗膜層を同時多層コートする事を特徴とする、(1)〜(7)に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板の製造方法。
本発明のプレコート鋼板(PCM)はホコリ等が付着しにくい帯電防止性を有し、耐食性、加工性、経済性にも優れる。また、本発明のプレコート金属板の製造方法によれば複層膜の密着性が改善されることから、プレコート金属板の加工性と耐食性を更に向上できる。
本発明について詳細に説明する。
PCMの静電気による障害として先ず挙げられるのは、ゴミ付きである。電撃も問題になることがあるが、これは相当な摩擦により大量の静電気が蓄積された場合に発生するものであり、比較的少量の静電気により発生するゴミ付き問題のほうが深刻である。ゴミ付きで実際に問題になったことのある例を示す。家電メーカーの冷蔵庫の組み立てラインにて、PCMを筐体に加工したものを、クロロプレン製の吸引治具にて吸引して搬送する際に、吸引治具がPCM塗膜に密着して離れたときに発生する静電気により、ライン内にある金属粉などのゴミが塗膜表面の吸引治具の触れていた部分に付着する問題が発生した。ゴミが付着しているままでは商品価値が低下するため、ふき取り作業が必要となり、コストが大幅にアップした。このような問題を解決するために、PCM塗膜が他の物質と接触して発生する静電気を抑制する必要がある。
低帯電性物質を塗膜の表層に混入すると帯電電圧が低下する。このような効果を発現する低帯電性物質としては、フッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、イソシアネート誘導体、クロロプレン樹脂などの物質が挙げられる。特にPCM用塗料中にイソシアネート誘導体を含有させると、剥離帯電後の帯電電圧を抑制するのにきわめて効果的である。理由は明確ではないが、イソシアネート誘導体を含有することで、塗膜の、帯電列上の位置が低位化し、クロロプレンゴムとの相対的位置が近くなるため、発生する静電気量が抑制されるためと推定できる。イソシアネート誘導体の場合、全固形分に対する割合が5重量%のときに顕著な静電気抑制効果が得られる。静電気抑制効果に関して、イソシアネート誘導体の添加量に上限を設けるものではないが、添加量が多すぎるとその効果が飽和し不経済であるだけでなく、加工性等の他の性能も低下する場合があるので、適宜必要に応じた量を添加することが望ましい。
イソシアネート誘導体とは、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、水素化MDI、水素化XDI(キシリレンジイソシアネート)、水素化TDI等に代表される各種のイソシアネートの一量体、二量体、三量体及びこれらのイソシアネートを骨格に持つプレポリマーを、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、フェノール、クレゾール、クロロフェノール、ニトロフェノール、ヒドロフェノール、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチル、カプロラクタム、ホスゲン、1−クロロ−2−プロパノール、MEKオキシム類等に代表されるブロック剤でブロックしたものをいう。ただし、イソシアネートの種類やブロック剤の種類は、上記のものに限定されるものではない。
イソシアネート誘導体として、イソホロンジイソシアネート(IPDI)誘導体を使用すると、PCM塗膜の焼き付け時の黄変や長期経時での黄変が抑制されて好ましい。また、IPDI誘導体の全固形分に対する割合が5質量%以上のとき、静電気抑制の効果が顕著となる。静電気抑制効果に関して、IPDI誘導体の添加量に上限を設けるものではないが、添加量が多すぎるとその効果が飽和し不経済であるだけでなく、加工性等の他の性能も低下する場合があるので、適宜必要に応じた量を添加することが望ましい。
イソシアネート誘導体と共に、PCM用塗料中にアルコキシアミン塩を含有させると、剥離帯電後の帯電電圧を相乗的に抑制するのに効果的である。理由は明確ではないが、アルコキシアミン塩の含有により塗膜の誘電率が上昇し、塗膜の蓄電効果がアップすることで塗膜表層の電位は低下し、帯電電圧が下がる可能性が考えられる。アルコキシアミン塩の全固形分に対する割合が1質量%以上のとき、特に静電気抑制の効果が顕著となる。アルコキシアミン塩としては、例えば共栄社化学(株)製のフローレンAE−2、サンノプコ(株)製のSNスタット824、楠本化成(株)製のディスパロン1121等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
静電気抑制効果に関して、アルコキシアミン塩の添加量に上限を設けるものではないが、添加量が多すぎるとその効果が飽和し不経済であるだけでなく、加工性等の他の性能も低下する場合があるので、適宜必要に応じた量を添加することが望ましい。
塗膜の帯電性の指標として、これまでにいくつかの物理量が導入されている。ひとつは表面抵抗値(JIS K 6911)である。プラスチックに関しては通常、表面抵抗値が10の12〜13乗オーム以下のときに、材料の導電性が十分に高く、発生した静電気の分散及び放電によりゴミが付着しないとされる。しかし、家電製品に使用されるPCMでは、表面抵抗値を下げると耐食性などのその他の性能が確保できないため、表面抵抗値はこの値以上のものを使わざるを得ない。よって、家電製品用PCMにおいては、表面抵抗値をもって塗膜の帯電性の指標とすることには意味がない。
2つ目の指標は、スタティックオネストメーターによる初期帯電圧と半減期(JIS L 1094)である。これは、強制的に塗膜に電圧を印加して帯電させたときの初期帯電圧と、電圧印加を解除してから初期帯電圧の1/2の電圧まで低下するまでの時間(半減期)を測定するもので、初期帯電圧が高いほど帯電しやすく、半減期が長いほど放電しにくいとされる。よって、初期帯電圧が低く、半減期が短いPCMほど、ゴミ付き等の静電気障害は起こりにくいとされる。ところが、各種のPCMの初期帯電圧及び半減期を測定し、実際の冷蔵庫組み立てラインでのゴミ付きの実績と比較すると、ゴミの全く付かないPCM塗膜の初期帯電圧が比較的高く、半減期が長かった。つまり、これまでの初期帯電圧と半減期の理論では、実際のゴミ付き現象を説明できず、これらの値をもってPCMの塗膜の帯電性の指標とすることはできない。
そこで本発明者らが適用したのが、塗膜を適当な対象物と接触・剥離させて帯電させたときの帯電電圧(以後、剥離帯電後の帯電電圧(あるいは単に「帯電電圧」)と略す)である。この剥離帯電後の帯電電圧がスタティックオネストメーターでの初期帯電圧と異なる点は、初期帯電圧が、非接触でかつ一定電圧の印加により帯電させるため、その塗膜固有の物理的性質にのみ基づく電圧となるのに対し、剥離帯電後の帯電電圧は、対象物との接触・剥離により帯電させるため、塗膜固有の物理的性質だけでなく、塗膜の形状や粘着性といった対象物とのアフィニティーに関わる因子も包括された電圧となることである。その結果、剥離帯電後の帯電電圧は、その塗膜の帯電性をトータル的に評価する指標として優れている。帯電電圧は、市販の非接触式フィールドメーターによって簡単に測定できる。
さらに、帯電電圧はゴミ付きの程度とほぼ一義的に対応する。このことを本発明者らは以下のような方法で確認した。実績にてゴミの付きやすいPCM、付きにくいPCM、塗膜厚の厚いPCM、薄いPCM、溶剤系塗料によるPCM、粉体塗料によるPCM、裏面塗膜の有るPCM、無いPCM等、様々な種類のPCMをA4サイズに切断したものを、非導電性の台上に垂直に置き、その状態でクロロプレンゴムと摩擦させて、帯電電圧が0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6kVになるように塗膜を強制帯電させる。所定の電圧に帯電電圧を合わせるために、少し高めの電圧になるまで摩擦で帯電させておき、フィールドメーターを見ながら、所定の電圧になるまで、導電性の棒でPCMに軽く触れて放電させる方法をとった。所定の帯電電圧になったら、ゴミの代替品としてOHP用フィルムを1cm角に切断したものを、帯電したPCM塗膜の表面に付着させ、自重にて落下するかどうかを確認する。この試験を行ったところ、前述のPCMの種類に全く関係なく、帯電電圧が0.4kV未満ではOHPフィルムは落下し、0.5kV以上では落下しないで吸着した。もちろん、クロロプレンゴムを摩擦させたときの帯電電圧の上昇のしかたは、PCMの種類によって異なったが、帯電電圧が上昇しにくいものでも強制的に0.5kVまで帯電させると、やはりOHPフィルムは付着したのである。この事実から、塗膜の種類に関係なく、塗膜の帯電電圧が決定すればほぼ一義的にゴミ付きの程度は決定されるということができる。言い換えれば、ゴミの付きにくいPCM塗膜は、(同一条件下での)剥離帯電後の帯電電圧が低いのであって、決して帯電電圧が高くてもゴミが付着しないというものではないのである。さらに、一度付着したOHPフィルムは、その後に放電させて帯電電圧を0としても付着したままである。これは、OHPフィルムと塗膜表面とが密着している部分ではすでに電荷は中和され0となっており、この状態から放電しても密着部分の電荷バランスは変わらないからである。よって、ゴミが付着した瞬間の塗膜の帯電電圧が、ゴミ付きの度合いを決定するのであり、仮に放電性の良い材料を使用してゴミ付着後速やかに電荷が0となったとしても、ゴミ付着低減には関係ないのである。以上の議論から、剥離帯電後の帯電電圧が低いということと、静電気によるゴミ付きが少ないということとは等価に扱うことができる。
本発明においては、低帯電性物質を含有した薄膜帯電防止塗膜層のゴミ付き性の指標として、次に説明する方法1又は方法2により測定される塗膜の剥離帯電後の帯電電圧を用いることができる。
方法1では、23℃、50%RHの室内で、7×15cmに切断した平滑なプレコート金属板の対象塗装面の中央に、5×10cmに切断した、硬度50、カーボンブラック含有量31質量%、厚さ5mmのクロロプレンゴムシートを重ね合わせたものを、水平な陶磁製の台の上にプレコート金属板が下側になるように置き、クロロプレンゴムシート上に1kgの重りを10秒間置いて圧着し、そして静かに重りを取り除いた後、クロロプレンゴムシートを垂直方向に引き剥がし、その後速やかにプレコート金属板の塗装面中央部の帯電電圧を、非接触式フィールドメーターにて測定する。本発明において有効な薄膜帯電防止塗膜層であるためには、測定した塗膜の耐電電圧が0.15kV未満であることが好ましく、この条件を満たす塗膜層では、室温にて静電気によるゴミ付きは発生しない。
方法2では、あらかじめプレコート金属板、クロロプレンゴムシート、陶磁製の台、及び重りを、70℃のオーブン中で10分間加熱し、取り出した後30秒以内に、方法1で説明した工程をすべて完了させる。本発明において有効な薄膜帯電防止塗膜層であるためには、測定した塗膜の帯電電圧が0.25kV未満であることが好ましく、この条件を満たす塗膜層では、50〜100℃程度の高温でも静電気によるゴミ付きは発生しない。高温での耐ゴミ付き性は、例えば、冷蔵庫加工工程にて要求される。PCMを冷蔵庫の筐体に加工後、断熱材として発泡ウレタンを注入するが、このときウレタンの反応熱で80℃程度まで温度が上昇する。加工後のPCMにはこの状態でも静電気によるゴミ付きが発生しないことが要求されるのである。塗膜の温度が高いと、一般的に、接触・剥離により発生する静電気は多くなる。高温時には塗膜が軟化し、対象物と接触したときに粘着し、有効接触面積が上昇するためであると考えられる。
このように、本発明における薄膜帯電防止塗膜層は、一般には、方法1で測定した剥離帯電後の帯電電圧が0.15kV未満であるか、あるいは方法2で測定した剥離帯電後の帯電電圧が0.25kV未満であることが好ましくはあるが、個々の製品PCMに求められるゴミ付き防止の要件はまちまちであり、その要件を満足する限り、剥離帯電後の帯電電圧が上記の値を超える薄膜帯電防止塗膜層を使用しても差し支えない。
上述のとおり、塗膜へのゴミ付きの程度は、PCMの種類に関係なく、言い換えればPCM用の塗料を構成する樹脂、硬化剤等の種類やその組成などに関係なく、塗膜の帯電電圧によりほぼ一義的に決定される。従って、本発明においては、個々の製品PCMに求められるゴミ付き防止の要件、及びその他の特性上の要件が満たされる限り、塗料はどのようなものであってもよい。
本発明の下層の塗膜層の塗料に使用できる樹脂の例としては、高分子ポリエステル樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、塩化ビニル樹脂系、オレフィン樹脂系、ケトン樹脂系などの有機樹脂、シロキサン系、ボロン系、ボロシロキサン系などの無機系樹脂や、シロキサン、ボロシロキサン等の無機骨格を有機樹脂中に導入したような有機無機複合型の樹脂を挙げることができ、それらのための硬化剤として、メラミン樹脂系、フェノール系、イソシアネート系やこれらの併用系など、いずれを用いてもよい。
同様に、本発明の薄膜帯電防止塗膜層の塗料に使用できる樹脂の例として、高分子ポリエステル樹脂系、ポリエステル樹脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、塩化ビニル樹脂系、オレフィン樹脂系、ケトン樹脂系などの有機樹脂、シロキサン系、ボロン系、ボロシロキサン系などの無機系樹脂や、シロキサン、ボロシロキサン等の無機骨格を有機樹脂中に導入したような有機無機複合型の樹脂を挙げることができ、それらのための硬化剤として、メラミン樹脂系、フェノール系、イソシアネート系やこれらの併用系などのいずれを用いてもよい。いずれかの樹脂(基剤樹脂)と硬化剤を含む混合物に、所望のゴミ付き防止効果が得られるように低帯電性物質を添加した塗料を用いることにより、本発明の薄膜帯電防止塗膜層を形成することができる。
本発明の帯電防止PCMにおける基材としての金属板は、冷延鋼板、熱延鋼板、各種めっき鋼板(例えば亜鉛めっき、亜鉛合金めっき、錫めっき、鉛めっき、アルミニウムめっき、クロムめっき鋼板など)、ステンレス板、チタン板、アルミニウム板など任意のものが使用でき、これらをそのままあるいは通常の化成処理を施して使用すればよい。化成処理はクロメート系、非クロメート系を問わない。また、金属板と塗膜との密着性や耐食性を向上させるために、金属板の下塗り塗料として、例えば、ナイロン、ポリアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ、ポリアミド、フェノール、ポリオレフィン等を塗布したものを使用してもよい。下塗り塗料中には、任意の硬化剤、クロメート系あるいは非クロメート系の各種防錆顔料、体質顔料、その他の添加剤等を含有していてもよい。
従来のPCMは、図1(a)に模式的に示したように、金属板10上のプライマー層12の上に形成した、帯電防止剤18を混入した塗膜層14を備えている。プライマー層12は、場合により省略されることもある。
一方、本発明によるPCMは、図1(b)にやはり模式的に示したように、金属板20上のプライマー層22(このプライマー層は場合により割愛されることもある)の上に主塗膜層(下層塗膜層)24を有し、この主塗膜層24の上に、低帯電性物質28を含有した薄膜帯電防止塗膜層26を具備している。図面においては適宜上、低帯電性物質(18,28)を粒形状に描き、塗膜中に分散している形態に描いているが、これまでの記載からも明らかなように低帯電物質は粒形状であるとは限らず、イソシアネート誘導体のような樹脂である場合は、図面のような分散状態とはならずに、塗料の主樹脂と混合し均一な塗膜層となる。
このように、従来は金属板10の上に塗覆する塗膜層14に帯電防止剤18を混入していたが、本発明では塗膜層を複層化して表層の薄膜層26のみに帯電防止剤(低帯電性物質)28を混入している。塗膜への異物混入は、その塗膜の加工性を低下させるだけでなく、耐食性も低下させる原因となる。従来のように塗膜層14全体に帯電防止剤18を混入すると、金属板10の加工時に塗膜層14の最表部から深部にわたって深い亀裂が入り、水や腐食因子が塗膜中に深く浸入するため、耐食性が低下する。しかし、本発明のように表層の薄膜層26のみに帯電防止剤を混入すると、金属板20を加工しても、加工性の良い下層塗膜層24の緩衝効果により亀裂が発生しないか、あるいは表層薄膜層26に亀裂が発生しても下層塗膜層24の深部まで亀裂が伝搬しないため、加工性が向上する。また、水や腐食因子の浸入も抑制され、PCMの耐食性が向上する。
表層薄膜層26で使用する低帯電性物質28としては、上述のとおりイソシアネート誘導体が好適である。複層化した両塗膜層24、26の樹脂成分は同一の樹脂でも良いし、異なる樹脂を目的に応じて使い分けても良い。
本発明の加工性に優れた帯電防止PCMにあっては、薄膜帯電防止層26の膜厚の範囲が重要である。薄膜帯電防止層26の膜厚が薄いと帯電防止効果が発揮できない。膜厚が厚くなると、上述の効果が低減し、加工性、耐食性が悪化する。薄膜帯電防止層26の膜厚は、帯電によるゴミ付きに対する耐性、加工性、耐食性を同時に満足させるために、1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
その一方、下層塗膜層24の膜厚は、薄膜帯電防止層26のそれよりも厚く、通常のPCMにおける塗膜層(例えば図1(a)に例示した塗膜層14のようなもの)の膜厚と同程度であり、一般に10〜100μm程度でよい。
塗膜層を複層化した本発明のPCMは、通常のPCMを製造するラインにおいて、下層塗膜層24とその上の薄膜帯電防止塗膜層26を通常と同様の方法で形成することにより製造することができる。塗料の金属板表面への塗装方法としては、カーテンフロー法、ロールコート法、バーコート法、T−ダイ法、ラミネート法など、任意の方法を用いることができる。特に好ましい塗装方法は、スライドカーテンコータなどの多層コータを用いた多層同時塗布方法である。
塗装した塗料の焼き付け方法としては、例えば、熱風、常温、近赤外線、遠赤外線、高周波誘導加熱やこれらの複合による加熱法を用いることができる。また、多層同時塗布またはウェットオンウェット塗布した多層膜を同時乾燥(焼付け)すると、さらに好適な塗膜性能を得ることができる。
本発明のプレコート金属板の製造方法において特に多層同時塗布を採用した場合には、複層膜間の密着性が改善されることから、塗膜をしごくような厳しい加工を行った場合でも、両層間での界面剥離は発生しにくく、プレコート金属板の加工性と耐食性を更に向上できる。
以下、本発明における実施例について説明する。
作製したPCMの原板としては、0.6mm厚の溶融亜鉛めっき鋼板(YP:19kg/mm2、TS:34kg/mm2、EL:45%)(以後GIと略す)、0.6mm厚の電気亜鉛めっき鋼板(機械特性はGIと同等、EGと略す)、及び0.6mm厚の冷間圧延鋼板(機械特性はGIと同等、冷延と略す)を使用した。前処理としては、塗布型クロメート処理及びリン酸亜鉛処理(ボンデ処理)を表裏同一仕様で、標準条件にて施した。
塗膜構成は、おもて面は、プライマー、下層塗膜層(一般塗料層)、帯電防止層の3コートとした。本発明では前処理とプライマーは特に必須としないが、塗膜密着性と耐食性を高める必要性に応じてそれらを適宜採用してもよい。
耐ゴミ付き性の評価は以下のように実施した。
帯電による耐ゴミ付き性を評価するために、前述の方法1及び方法2により帯電電圧を測定した。これらの方法を用いた帯電電圧の測定値は前述の如く耐ゴミ付き性と強い相関を有している。
具体的には、方法1及び方法2による帯電電圧の測定は以下のように行った。
方法1では、23℃、50%RHの室内で、7×15cmに切断した平滑なPCMを、絶縁物である陶器製のコップの上に測定対象の塗装面が上になるように置き、一時的にアースしてPCMの電荷を0にする。次に、PCMの中央に、5×10cmに切断した、硬度50、カーボンブラック含有量31質量%、厚さ5mmのクロロプレンゴムシート(型番:黒350、加貫ローラ製作所製)を置き、その上に、このクロロプレンゴムシートの全面に均等に荷重がかかるような底面の平坦な1kgの重りを10秒間置いて圧着し、静かに重りを取り除いた後、3秒以内にクロロプレンゴムシートを垂直方向に引き剥がし、その後3秒以内にプレコート金属板の塗装面中央部の帯電電圧を、シムコ社製フィールドメーターFMX−002にて測定する。同一条件で5回の測定を行い、これらの平均をとった。方法2では、PCM、クロロプレンゴムシート、陶器製のコップ、及び重りを5組用意し、これらを70℃のオーブン中で10分間加熱した後一組ずつ取り出し、取り出し後30秒以内に方法1の帯電電圧測定作業を完了させる。このようにして得られたn=5の値を平均した。
加工性の評価は以下のように実施した。
(1)加工性1
20℃にてT曲げを行い、亀裂の有無を10倍ルーペで観察した。亀裂の入らない最低Tを評点とした。例えば、2T曲げで亀裂が認められ3T曲げで亀裂が認められなかった場合は、評点は3Tとなる。
(2)加工性2
先ず、金属板を幅30mm、長さ200mm以上の短冊状に切断し、これを1組の金型で挟み込み、その間から金属板を引き抜くドロービード試験を行う。金型の形状は、一方が凸型(r=3mm)、他方が平型であり、凸型金型が金属板の表側になるように挟み込む。押し付け荷重0.9トン重、引き抜き速度200mm/分とする。次に、金型でしごかれた部分を50mm長さに切り出し、20℃にて、稜線が幅(30mm)になる方向にT曲げを行い、亀裂の有無を10倍ルーペで観察した。亀裂の入らない最低Tを評点とした。加工性2は、塗膜への金型によるしごきが加わる加工を想定したものである。
耐食性の評価は以下のように実施した。
(1)耐食性1
20℃にて2T曲げ加工を施した金属板を、SST120時間の試験に供した。2T加工部で白錆又は赤錆が発生している部分の、幅(30mm)に対して占める割合(小数点以下切り上げ)を下記の5段階で評価した。原板がGI又はEGの場合に白錆が発生し、冷延板の場合には赤錆が発生する。
5点(満点): 白錆又は赤錆の発生0%
4点: 1〜10%
3点: 11〜50%
2点: 51〜80%
1点: 81〜100%
(2)耐食性2
加工性2の方法にて2T曲げ加工を行い、これをSST120時間の試験に供した。2T加工部で白錆が発生している部分の、幅(30mm)に対して占める割合を5段階で評価した。評点は耐食性1と同様である。
表1に本発明に係わるプレコート金属板の実施例と比較例を示した。
プレコート金属板の各サンプルのプライマーとしては、ポリエステル系塗料Aまたはエポキシ系塗料Bを使用し、乾燥膜厚で5μmとなるようにロールコートにて塗布し、IHオーブンにてPMT(最高到達板温度)215℃で焼き付けた。その上に下層塗膜層及び薄膜帯電防止塗膜層として、樹脂系C(高分子ポリエステル/メラミン硬化系)、樹脂系D(高分子ポリエステル/フェノール硬化系)、または樹脂系E(アクリル/メラミン硬化系)の塗料(いずれも日本ペイント(株)製の、チタン顔料により着色した白色塗料)を、それぞれ表中記載の乾燥膜厚になるように、スライドカーテンコーターにより2層同時に塗布し、IHオーブンにてPMT230℃で焼き付け、このときのPMTまでの到達時間は45秒とした。薄膜帯電防止塗膜層用の塗料には、下記のイソシアネート誘導体及びアルコキシアミン塩を、表1に示した含有量(塗膜層中の全固形分に対する質量%で示す)添加した。
IPDI: イソホロンジイソシアネート単量体をカプロラクタムでブロックしたもの
MDI: 4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート単量体をカプロラクタムでブロックしたもの
HMDI: ヘキサメチレンジイソシアネート単量体をカプロラクタムでブロックしたもの
F: 3級アンモニウム塩(楠本化成社製ディスパロン1121)
裏面は、すべてメラミンアルキド系裏面用塗料を、乾燥膜厚で5μmとなるようにロールコートにて塗布し、IHオーブンにてPMTが215℃、及び230℃で2度焼き付けを行った。
同時多層コート以外の製造方法による例として、上記のプライマー塗装後の金属板上に下層塗膜層の塗料を表中記載の乾燥膜厚になるようにバーコート塗布し、IHオーブンでPMTが215℃で焼き付けた後、帯電防止層の塗料を表中記載の乾燥膜厚になるようにバーコート塗布し、IHオーブンでPMTが230℃で焼き付けたサンプル(実施例5)も作製した。この場合の裏面は、メラミンアルキド系裏面用塗料を、乾燥膜厚で5μmとなるようにロールコートにて塗布し、IHオーブンにてPMTが215℃、215℃、及び230℃で3度焼き付けを行った。
Figure 0004268504
比較例1〜3は、帯電防止層が15μmの単独層であり、従来型の塗膜構成であるため、GIベースで5T、EG及び冷延ベースで4Tと、加工性1が良好でない。しかし、実施例4のように、下層塗膜層(一般塗料層)と帯電防止層に複層化することにより、加工性1が2Tと大幅に向上している。また加工性1の向上に伴い、耐食性1も大幅に向上している。トータル塗膜厚を一定にして帯電防止層の膜厚を下げていくと実施例1のように加工性1は向上する傾向であり、逆に帯電防止層の膜厚を上げていくと実施例21のように加工性1は低下する。さらに帯電防止層の膜厚を上げていくと、比較例8、9のように加工性1は大幅に低下する。実施例10〜12のように、下層塗膜層(一般塗料層)の膜厚を固定して帯電防止層の膜厚を変化させると、帯電防止層の膜厚が薄いほど加工性1は向上する傾向が見られる。厚すぎると、比較例7のように加工性1は大幅に低下する。薄すぎると、比較例6のように帯電電圧が上がってしまう。
実施例2、3及び6〜9は、帯電防止層にイソシアネート誘導体あるいはアルコキシアミン塩が添加させているため、概ね低い帯電電圧を示している。イソシアネート誘導体の含有量が5%以上、アルコキシアミン塩の含有量が1%以上の場合に、特に低い帯電電圧が得られている。一方、比較例4、5のように帯電防止層にイソシアネート誘導体が含有されていないと、帯電電圧が高くなる。イソシアネート誘導体の種類をIPDIからMDIに変更したり(実施例13〜16)、HMDIに変更したり(実施例17〜20)した場合でも、同等の性能が得られている。
実施例22、23のように原板を変更した場合や、実施例24、25のように前処理やプライマーを変更した場合でも、上層の帯電電圧には変化はない。ただし、加工性1は原板や前処理の種類によって若干の差が現れている。下層塗膜層と帯電防止層の樹脂系を変更した場合でも、同等の性能が得られている(実施例26〜31)。
耐食性1の結果は、加工性1の結果と良い相関がある。加工性の良いものは亀裂が生じにくいため、SSTによる腐食が少ないと言える。
加工性2の結果は、実施例5と24以外は、加工性1と同じ結果である。複層が同時塗布されている限りは、塗膜にしごきのダメージが加わっても加工性の変化は顕在化しないといえる。しかし、各層塗布毎に焼き付けて作製した実施例5では、しごき加工を行うことで下層塗膜層と帯電防止層の間の密着性が低下したためか、加工性2の結果が1ランク低下している。それに伴い、耐食性2についても、他のものが耐食性1の結果と同じ結果を示しているのに対し、大きく低下している。なお、実施例24の加工性2が加工性1よりも低下しているのは、しごき加工により塗膜下で脆いリン酸亜鉛結晶がダメージを受け、密着性が低下したためであると考えられる。
本発明のプレコート金属板は、あらかじめ塗装された金属板(プレコート金属板)を成形加工し、組み立てて製品とする、建材、家電、雑貨、自動車などの分野、即ちプレコート方式採用の事業分野において利用される。本発明のプレコート金属板は帯電防止被膜を有し、耐ゴミ付着性に優れ、耐食性、加工性も従来品と比較して改善されているので、従来導入が難しかった新規市場への利用可能性も高まった。
本発明によるプレコート金属板を従来のプレコート金属板と対比して説明する図である。
符号の説明
10、20…基材金属板
12、22…プライマー層
14、26…帯電防止塗膜層
24…主塗膜層
18、28…低帯電性物質

Claims (7)

  1. 塗膜層と、その表層に膜厚が1〜10μmで下層の塗膜層より薄く、イソシアネート誘導体を含有した薄膜帯電防止塗膜層を設けたことを特徴とする加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
  2. 金属板と塗膜層の間に前処理層及び/またはプライマー層を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
  3. イソシアネート誘導体の薄膜帯電防止塗膜層中の全固形分に対する割合が5質量%以上であることを特徴とする、請求項に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
  4. 薄膜帯電防止塗膜層中にイソシアネート誘導体及びアルコキシアミン塩を同時に含有したことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1つに記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
  5. アルコキシアミン塩の薄膜帯電防止塗膜層中の全固形分に対する割合が1質量%以上であることを特徴とする、請求項に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
  6. イソシアネート誘導体としてイソホロンジイソシアネート(IPDI)誘導体を含有することを特徴とする、請求項のいずれか1つに記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板。
  7. 塗膜層と薄膜帯電防止塗膜層を同時多層コートすることを特徴とする、請求項1〜に記載の加工性に優れた帯電防止プレコート金属板の製造方法。
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