JP4266505B2 - マイクロレンズ基板の貼り合わせ方法及び液晶表示素子の対向基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス基板に多数の微小レンズを配列したマイクロレンズアレイ基板と平板ガラスとを接着性樹脂で貼り合わせる方法に関し、特にTFT基板と共に液晶を挟持し、液晶表示素子を構成する対向基板の作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示素子は直視型だけでなく、プロジェクションテレビ等の投影型表示素子としても需要が高まりつつある。
【0003】
投影型表示素子に用いられる液晶デバイスとしてよく知られるTFT−LCDは、薄い液晶層を一対の基板で挟持した構成となっている。
【0004】
一対の基板の一方は、液晶層に接する側の面に、液晶に対する駆動電界を印加するためのTFTが画素配列に従って形成され、これらTFTを駆動するためのバスラインが形成されたTFT基板である。
【0005】
一対の基板のもう一方の基板は、液晶層に接する側の面に、TFTに対する透明な対向電極層と、TFTやバスラインに対して照射光束を遮光するブラックマトリックス等が形成された対向基板である。
【0006】
この様なTFT−LCDを投影型表示素子として使用する場合、高い拡大率でも精細な画像を得るためには絵素数を増やす必要がある。ところが液晶表示素子の絵素数を増やすと、絵素以外の部分がしめる面積が相対的に大きくなってしまい、これらの部分を覆うブラックマトリックスの面積が増大してしまう。その結果、表示に寄与する絵素開口部の面積が減少し、開口率の低下をまねく。開口率が低下すると、画面が暗くなり、画像品位を低下させることになってしまう。
【0007】
これを改善するために、TFT−LCDにおける個々の絵素に対応してマイクロレンズを設け、各マイクロレンズにより光を対応する絵素開口部に集光し、光の利用効率を高めるようにする方法が知られている。
【0008】
この手法を用いるときの重要な用件の一つは、マイクロレンズの焦点距離に応じて、個々のマイクロレンズ頂点とTFTの絵素開口部間の距離が一定であると言うことである。この距離にばらつきがあると、投影型表示素子として輝度ムラ、色ムラが発生し、表示品位を低下させてしまうこととなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、略球面状の微小レンズを1次元または2次元に配列したマイクロレンズアレイが単数または複数形成されたマイクロレンズ基板の製造方法としては、特に凸型のマイクロレンズアレイの場合には、凸型のマイクロレンズアレイを原盤として金型を作成し、この金型を用いて光硬化型樹脂をガラス基板上に成形する方法(2P法)を用いると、効率良くマイクロレンズ基板を作成することができる。
【0010】
しかしながら現在の2P法の製造技術では、ガラス表面からマイクロレンズの頂点までの厚さを均一に制御することが難しい。特にガラス基板に薄肉基板を用いるような場合には、ガラスの剛性の問題で、ガラス基板の表面から半球面状レンズの土台に相当する部分(図1に示す部分、以下マイクロレンズの土台部と称する)の厚さにばらつきが生じやすいことを本願発明者らは見いだした。
【0011】
また、マイクロレンズ基板の上に接着性樹脂(特に光硬化型樹脂が好適に用いられる)を介して保護ガラスを貼合せた後、マイクロレンズの焦点距離近傍となるところまでガラスを研磨する方法が知られている。
【0012】
この場合には、マイクロレンズと保護ガラス間に配置される接着性樹脂の厚さばらつきが、マイクロレンズ頂点とTFTの絵素開口部の距離のばらつきを生む要因となる。
【0013】
更に保護ガラス及び先述の2P法で用いるガラス基板の厚さばらつきも無視できないものである。
【0014】
一般に、2枚の基板を接着性樹脂を介して貼合せる場合、どちらか一方の基板の中央部に接着性樹脂をたらし、空気が混入しないように他方の基板を重ね合わせ、加圧定盤で加圧し、樹脂を展開させる方法がとられる。
【0015】
しかしながらこの方法では、加圧定盤の平面度を反映して圧力分布が生じ、その結果接着性樹脂の厚さばらつきが生じてしまう。
【0016】
また、加圧定盤とガラス基板の間に微小異物が介在した場合などには、その影響により接着性樹脂の厚さに局所的な変化を生じてしまう。
【0017】
特に貼り合せるガラス基板の板圧が薄くなるほど、これらの影響が顕著になることは言うまでもない。
【0018】
こういった問題に対し、薄肉基板側を静水圧で直接、あるいは高分子弾性体を介して加圧し、樹脂を展開させる方法が提案されている(特開平7−281165号公報)。
【0019】
この場合には加圧定盤の平面度の影響は受けにくくなり、加圧時の圧力分布も均一になる。
【0020】
ところが図2に示すように、接着性樹脂をどちらか一方の基板にたらした後、他方の基板を重ね合わせた初期状態では、薄肉基板側が接着性樹脂の表面張力で引き寄せられ、接着性樹脂の厚さ分布として中央が厚く、周辺部が薄いという形状になる。この状態で均一な加圧を行うと、接着性樹脂の厚い所も薄い所も同じ加圧力が働く。その結果、周辺部の樹脂流路が狭まり、初期状態で中央部に多く存在する接着性樹脂が周辺部に向かって流れにくくなるため、均一な厚さの樹脂層が得られない。
【0021】
更に、前述したようにマイクロレンズそのものに厚さばらつきがある場合や、ガラス基板自体の厚さばらつきを無視できないような場合には、図3に示すように、加圧定盤の面精度、剛性をどんなに上げていっても、貼合せ時のガラス外面(加圧定盤に接する2面)同士の平行度が向上するだけで、ガラス内面に挟まれた接着性樹脂層の厚さを均一化することは困難である。
【0022】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、
(1)マイクロレンズの土台部の厚さにばらつきがある。
【0023】
(2)貼合せに使用するガラス自体に厚さばらつきがある。
ような場合でも、マイクロレンズ基板と保護ガラスの貼合せ時に用いる、接着性樹脂層の厚さばらつきを低減して貼合せられる方法を提供するものである。
【0024】
更に本発明の別の目的は、マイクロレンズの特性を最大限に活用可能な、液晶表示素子の対向基板を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わるマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法は、ガラス基板上に、略球面状の微小レンズを1次元又は2次元に配列したマイクロレンズアレイを複数配置して形成されたマイクロレンズ基板と、前記マイクロレンズアレイを保護するための保護ガラス基板とを接着性樹脂を介して貼り合わせるためのマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法であって、前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板の間の、前記マイクロレンズアレイの非形成エリアに粒子状スペーサーを配置する配置工程と、前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板との間に前記接着性樹脂を供給する供給工程と、前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板とを重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板とを加圧する加圧工程とを具備し、前記保護ガラス基板に対して前記粒子状スペーサーで規定される位置まで前記マイクロレンズ基板を変形させるように加圧してガラス基板に生じた厚さ分布を研磨することで平坦化することを特徴としている。
【0026】
また、この発明に係わるマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法において、前記加圧工程では、重ね合わせた一対の前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板の少なくとも前記マイクロレンズ基板側に緩衝材を配置し、加圧定盤で加圧することを特徴としている。
【0027】
また、この発明に係わるマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法において、前記粒子状スペーサーが、前記マイクロレンズ基板又は前記保護ガラス基板に対し、固着性を有することを特徴としている。
【0028】
また、この発明に係わるマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法において、前記粒子状スペーサーの直径が前記マイクロレンズアレイにおける個々のマイクロレンズの高さ以上の大きさであることを特徴としている。
【0029】
また、この発明に係わるマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法において、前記粒子状スペーサーが可撓性を持つことを特徴としている。
【0030】
また、本発明に係わる液晶表示素子の対向基板は、上記の貼り合わせ方法により貼り合わせて製造されたことを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について説明する。
【0032】
本実施形態は、ガラス基板上に略球面状のマイクロレンズが1次元または2次元に配列されたマイクロレンズアレイが単数または複数形成されたマイクロレンズ基板と、このマイクロレンズアレイを保護する保護ガラス基板とを、接着性樹脂、特に光硬化型樹脂を介して貼合せる方法において、マイクロレンズアレイの非形成エリアに粒子状スペーサーを配置するようにしている。
【0033】
このスペーサーの存在により、貼合せの際に望まれる、均一加圧時にもある一定の空間を保持し、接着性樹脂の流動経路を確保して貼合せることが可能となるとともに、貼合せ基板内面同士での厚さ制御が可能になるので、接着性樹脂層の厚さ分布を均一にすることが可能となる。
【0034】
更に、上記貼合せ方法において、マイクロレンズ基板と保護ガラス基板のどちらか一方を薄肉基板とし、重ね合わせた一対のマイクロレンズ基板と保護ガラス基板の少なくとも薄肉基板側に緩衝材を配置した後、加圧定盤で加圧することが望ましい。
【0035】
ここで言う緩衝材とは、外力に対して容易に変形可能なシート状部材を指す。変形の仕方は、塑性変形するものでも弾性変形するものでもかまわない。この緩衝材により、加圧定盤からの圧力は均一化され、加圧定盤の面精度に起因する接着性樹脂の厚さ分布を排除することが可能である。また図4に示すように、ガラス基板そのものや、マイクロレンズの土台部に厚さ分布があるような場合にも、上記粒子状スペーサーで規定される位置まで薄肉基板を変形させることができるため、構成部材の厚さ分布を貼合せ基板の外面に出すことが可能となる。外側に出された構成部材の厚さ分布は、あとでガラスを研磨することにより、平行平面とすることが可能である。
【0036】
上記貼合せ方法に用いる粒子状スペーサーについては、液晶セルのギャップ制御用のスペーサーが流用可能であるが、以下の用件が求められる。
【0037】
まず、粒子状スペーサーは配置された基板に対して固着性を有することが望ましい。
【0038】
これは、マイクロレンズ基板のマイクロレンズ非形成エリアもしくは保護ガラス基板のマイクロレンズ非形成エリアに重なる部分のいずれかに粒子状スペーサーを配置したとき、接着性樹脂を両基板に挟んで加圧すると、粒子状スペーサーは接着性樹脂の展開に伴う「液の流れ」の影響を受ける。この流れにより、粒子状スペーサーが移動し、マイクロレンズの上に乗ってしまうとマイクロレンズを破壊してしまうおそれがあるためである。
【0039】
この様な機能を有する固着性スペーサーとしては、スペーサー芯材料表面にアクリル系樹脂、ステレン系樹脂等の熱可塑性樹脂をコーティングしたものや、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をコーティングしたものが使用可能である。
【0040】
また、粒子状スペーサーの径はマイクロレンズアレイにおける個々のマイクロレンズの高さと同じか、それ以上の大きさでないと、加圧の際、マイクロレンズ頂点と保護ガラス基板が強く接触してしまい、マイクロレンズがダメージを受けるおそれがある。
【0041】
更に、本実施形態による貼合せ方法で使用される接着性樹脂は、光硬化型樹脂が好適に用いられるが、一般的にこの様な接着性樹脂は、硬化の際、体積収縮が生じる。このとき樹脂の厚さ方向に働く、両基板の距離を縮めようとする力に対し、硬度の高いスペーサーを使用していると、基板ガラスの変位を許さない。その結果、接着性樹脂に応力がかかり、その部分で接着性樹脂にクラックを生じてしまう。
【0042】
従って、スペーサーの芯材料には、硬度が比較的小さく、可撓性のあるものが望ましい。例えばジビニルベンゼン等の樹脂スペーサーや、SiO2に樹脂コンポジットしたスペーサー、あるいはSiO2の焼成条件を低温にして硬度を落としたSiO2スペーサーが適している。
【0043】
以下、具体的な実施例について説明する。
【0044】
(実施例1)
まず、本実施例に用いた、貼合せ基板について説明する。
【0045】
図5は本実施例に用いたマイクロレンズ基板73のアレイ配列を示した模式図であり、図6は図5のA−A’断面図である。また、図7は、マイクロレンズ基板に保護ガラス基板を貼り合わせる工程を示した図である。
【0046】
このマイクロレンズ基板は6インチウェハーサイズ、厚さ0.9mmの薄肉ガラス基板61上に2P法によりマイクロレンズ層62を形成したものである。図5中、ハッチングで示した部分がマイクロレンズ形成エリアであり、その他の部分が非形成エリアである。このマイクロレンズ基板のレンズ部の高さ及び土台部の厚さばらつきを光学的測定器により測定した所、レンズ部高さは8±0.5μmで安定していたが、土台部の厚さばらつきは図6に示すように、中央部が薄く、周辺部が厚いという傾向で約10μmほどあった。また、薄肉ガラス基板61の厚さばらつきは3μm程度であった。
【0047】
一方保護ガラス基板76には、同じく6インチウェハーサイズ、厚さ2.5mmの研磨厚ガラスを用いた。この厚ガラスの厚さばらつきは1μm程度であった。
【0048】
次に粒子状スペーサーを配置する工程について説明する。
【0049】
保護ガラス基板76のマイクロレンズ形成エリア相当部(マイクロレンズ基板と重ね合わせたとき、レンズ形成部が重なるエリア)をテーピングによりマスキングし、その上から粒子状スペーサーを分散させた水−アルコール混合液をスプレイで噴霧し、その後テープを除去し、マイクロレンズ非形成エリア相当部(マイクロレンズ基板と重ね合わせたとき、レンズ非形成部が重なるエリア)のみに粒子状スペーサー75を20ヶ/mm2の密度で配置した。ここで用いたスペーサーは粒径9.0μmの低硬度SiO2の表面にスチレン系熱可塑樹脂をコートしたもの(宇部日東化成社製商品名ハイプレシカUF N5M13)である。その後保護ガラス基板76を120℃のオーブン中で1時間焼成し、粒子状スペーサー75を保護ガラス基板76に完全に固着させた。
【0050】
次に粒子状スペーサーを固着させた保護ガラス基板とマイクロレンズ基板の貼合せ工程について、工程の順を追って説明する。
【0051】
(1)図7に示すようにφ140mm、Sus(ステンレス)製のステージ71(平面度3μm)上にSusステージと同サイズ、厚さ1.0mmの緩衝材72(ブリジストン社製 商品名エバーライトスコットフェルト)を設置し、更にその上にマイクロレンズ基板73を設置した。
【0052】
(2)マイクロレンズ基板73の上に光硬化型樹脂74(協立化学産業社製 商品名ワールドロック7702)を0.5cc滴下した。
【0053】
(3)次に前述の粒子状スペーサー75を固着させた保護ガラス基板76を、気泡が入らないように中心部より光硬化型樹脂74に接合した。
【0054】
(4)続いて静かに保護ガラス基板76とマイクロレンズ基板73を光硬化型樹脂74を介して全面接合し、これをφ140mmのSus製ステージ71’(平面度3μm)で90kg、20分間加圧した。
【0055】
(5)加圧により光硬化型樹脂74が十分に展開された後加圧を取り除き、貼合せられた一対の保護ガラス基板76とマイクロレンズ基板73に紫外線照射を行った(図示せず)。紫外線の照射条件は、照度を42mW/cm2とし、時間は90秒とした。
【0056】
以上のようにして作成された貼合せ基板の、レンズ上での光硬化型樹脂74の膜厚分布を光学的測定器により測定した所、レンジで0.6μmしかなかった。
【0057】
また、マイクロレンズアレイ上を光学顕微鏡にて観察したが、粒子状スペーサーが移動して、レンズ上に乗り、その影響でレンズが破壊された箇所は発見されなかった。
【0058】
なお、本実施例で用いた光硬化型樹脂74は、硬化時に6〜10%の体積収縮率(メーカーデータ値)を持つが、スペーサーに可撓性を持たせたので、体積収縮の影響による樹脂のクラックは発生しなかった。
【0059】
(実施例2)
本実施例に用いたマイクロレンズ基板は、実施例1と同様の手順で作成し、使用した薄肉ガラスも同じものである。このマイクロレンズ基板のレンズ部の高さ及び土台部の厚さばらつきを光学的測定器により測定した所、レンズ部高さは8±0.5μmで安定していたが、土台部の厚さばらつきは図8に示すように、中央部が厚く、周辺部が薄いという傾向で約11μmほどあった。
【0060】
このマイクロレンズ基板と、実施例1で用いたものと同じ保護ガラス基板76とを、実施例1と全く同じ方法で貼合せた後、実施例1と同じ条件で紫外線を照射し、光硬化型樹脂74を硬化させた。
【0061】
以上のようにして作成された貼合せ基板の、レンズ上での光硬化型樹脂74の膜厚分布を光学的測定器により測定した所、レンジで0.6μmしかなかった。即ちマイクロレンズの土台部の厚さばらつきの傾向が変わっても、本実施形態の方法が有効であることが確認された。
【0062】
また、マイクロレンズアレイ上を光学顕微鏡にて観察したが、粒子状スペーサーが移動して、レンズ上に乗り、その影響でレンズが破壊された箇所は発見されなかった。
【0063】
更に光硬化型樹脂74のクラックも発見されなかった。
【0064】
(実施例3)
本実施例に示す貼合せ方法では、実施例1と全く同様のマイクロレンズ基板と、保護ガラス基板を使用した。マイクロレンズの土台部の厚さばらつきや、ガラス自体の厚さばらつきも同様である。
【0065】
保護ガラス基板には、実施例1と同様の手順でマイクロレンズ非形成エリア相当部のみに粒子状スペーサー75を配置し、固着させた。
【0066】
次に粒子状スペーサー75を固着させた保護ガラス基板とマイクロレンズ基板の貼合せ工程について、工程の順を追って説明する。
【0067】
(1)図9に示すようにφ140mm、Sus製のステージ71(平面度3μm)上にSusステージと同サイズ、厚さ1.0mmの緩衝材72(ブリジストン社製 商品名エバーライトスコットフェルト)を設置し、更にその上にマイクロレンズ基板73を設置した。
【0068】
(2)マイクロレンズ基板73の上に光硬化型樹脂74(協立化学産業社製 商品名ワールドロック7702)を0.5cc滴下した。
【0069】
(3)次に前述の粒子状スペーサー75を固着させた保護ガラス基板76を、気泡が入らないように中心部より光硬化型樹脂74に接合した。
【0070】
(4)続いて静かに保護ガラス基板76とマイクロレンズ基板73を光硬化型樹脂74を介して全面接合し、これをφ150mm厚さ50mm平面度3μmのガラス91で90kg、20分間加圧した。
【0071】
(5)加圧により光硬化型樹脂74が十分に展開された後、加圧状態のまま、紫外線照射を行った。紫外線の照射条件は照度を42mW/cm2とし、時間は90秒とした。
【0072】
以上のようにして作成された貼合せ基板の、レンズ上での光硬化型樹脂74の膜厚分布を光学的手段により測定した所、レンジで0.2μm以下しかなかった。
【0073】
本実施例では加圧を解除することなく硬化処理を行っているので、変形させられた薄肉基板が元の形に戻る余地を与えないため、光硬化型樹脂74の膜厚分布を更に小さくする事が可能である。
【0074】
また、マイクロレンズアレイ上を光学顕微鏡にて観察したが、粒子状スペーサーが移動して、レンズ上に乗り、その影響でレンズが破壊された箇所は発見されなかった。
【0075】
更に光硬化型樹脂74のクラックも発見されなかった。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、マイクロレンズ基板と保護ガラス基板を接着性樹脂を介して貼合せる方法に関して、マイクロレンズの土台部、及びガラス基板自体に厚さ分布を持つような場合にも、マイクロレンズアレイの非形成エリアに配置されたスペーサーにより、加圧時の接着性樹脂の排出経路を確保するのと同時に、基板内面での厚さ制御が可能になる。
【0077】
また加圧時に緩衝材を配置することにより、圧力分布を均一化すると共に、レンズの高さばらつき、基板の厚さばらつきを貼合せ基板の外面に逃がし、接着性樹脂の厚さばらつきが少ない貼合せ基板が提供可能となる。
【0078】
即ち、この様に作成した貼合せ基板を研磨すれば、マイクロレンズの焦点距離にばらつきがなく、マイクロレンズの特性を最大限に活用可能な、液晶表示素子の対向基板が提供可能となる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マイクロレンズ基板と保護ガラス基板とを、接着性樹脂層の厚さばらつきを低減して貼合せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2P法でのマイクロレンズ層の厚さばらつきを示す図である。
【図2】従来法(均等加圧)の問題点を示す図である。
【図3】従来法(加圧定盤の面精度を上げたとき)の問題点を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の効果を説明する図である。
【図5】本発明の実施例で用いたマイクロレンズ基板のマイクロレンズアレイ配列を示す図である。
【図6】実施例1で用いたマイクロレンズ基板の断面図である。
【図7】実施例1で行った加圧構成の概略図である。
【図8】実施例2で用いたマイクロレンズ基板の断面図である。
【図9】実施例3で行った加圧構成の概略図である。
【符号の説明】
61 薄肉ガラス基板
62 マイクロレンズ層
71 Sus製加圧ステージ(下)
71′ Sus製加圧ステージ(上)
72 緩衝材
73 マイクロレンズ基板
74 光硬化型樹脂
75 粒子状スペーサー
76 保護ガラス基板
91 ガラス製加圧ステージ
Claims (6)
- ガラス基板上に、略球面状の微小レンズを1次元又は2次元に配列したマイクロレンズアレイを複数配置して形成されたマイクロレンズ基板と、前記マイクロレンズアレイを保護するための保護ガラス基板とを接着性樹脂を介して貼り合わせるためのマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法であって、
前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板の間の、前記マイクロレンズアレイの非形成エリアに粒子状スペーサーを配置する配置工程と、
前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板との間に前記接着性樹脂を供給する供給工程と、
前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板とを重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板とを加圧する加圧工程とを具備し、
前記保護ガラス基板に対して前記粒子状スペーサーで規定される位置まで前記マイクロレンズ基板を変形させるように加圧してガラス基板に生じた厚さ分布を研磨することで平坦化することを特徴とするマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法。 - 前記加圧工程では、重ね合わせた一対の前記マイクロレンズ基板と前記保護ガラス基板の少なくとも前記マイクロレンズ基板側に緩衝材を配置し、加圧定盤で加圧することを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法。
- 前記粒子状スペーサーが、前記マイクロレンズ基板又は前記保護ガラス基板に対し、固着性を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法。
- 前記粒子状スペーサーの直径が前記マイクロレンズアレイにおける個々のマイクロレンズの高さ以上の大きさであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法。
- 前記粒子状スペーサーが可撓性を持つことを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ基板の貼り合わせ方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の貼り合わせ方法により貼り合わせて製造されたことを特徴とする液晶表示素子の対向基板。
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