JP4266135B2 - 放送局設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送運行データに基づいて放送を行なう放送局設備に係り、特に、放送延長の際に、操作者の負荷を低減し得る放送局設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
放送局設備は、放送運行予定に沿って番組やコマーシャルを放送する。但し、野球放送番組の如き、放送延長の可能性がある番組の場合には、予め延長時間毎の編成ルートを準備する階段編成が行なわれる。この階段編成により、放送局設備は、放送延長の際に、現在放送中の編成ルートを準備していた他の編成ルートに変更して円滑に運用されている。
【0003】
階段編成の具体的な運用は、数年前までは、操作の便宜上、放送延長時に一律に最大延長ルートに変更し、延長放送の終了時に、該当する編成ルートに再度、変更する方式で行っていた。
【0004】
一方、近年の放送局設備ではEPG(電子番組ガイド)等のサービスが開始され、放送の種別によっては編成ルートを正確に設定する必要が生じたため、前述した便宜的な運用が不可となりつつある。また、放送局設備では、人件費を抑えたいため、放送局設備の操作者の少人数化を図るべく、操作者の作業負荷を軽減したい要望がある。
【0005】
すなわち、近年の放送局設備では放送運行データを正確に出力しつつ、操作者の作業負荷を軽減したい要望がある。
【0006】
図7は従来の放送局(マスタ)設備の概略構成を示すブロック図である。営放システム10は、番組の編成情報である放送運行データを作成し、この放送運行データをデータサーバ30へ送信する。
【0007】
データサーバ30においては、この放送運行データを営放システムI/Fタスク(受信)31が受信して運行データDB(database)32に保存する。
【0008】
一方、データサーバ30においては、データサーバ管理部33が放送日や運行データDB32を管理する。データベース管理部33は、例えば放送の数日前に、運行データDB32の放送運行データをプレイリストに変換し、このプレイリストを外部機器I/Fタスク(送信)34を介してプロセスコントローラ40及び各種の周辺機器50,60に送信する。なお、プレイリストは、各種の周辺機器50,60などの各機器に対応した編成データ体系である。
【0009】
プロセスコントローラ40は、データサーバI/Fタスク(受信)41により受信されたプレイリストに従って、データ制御部42が、映像・音声制御部43を介して映像・音声出力部70を制御すると共に、周辺機器I/Fタスク(送信)44を介して周辺機器50,60などを制御する。
【0010】
周辺機器50,60は、例えばCMバンク、AFバンク、VFバンク等であり、データサーバI/Fタスク(受信)51,61により受信されたプレイリストと、プロセスコントローラI/Fタスク(受信)52,62により受信されたプロセスコントローラ40からの制御命令とに従い、映像・音声制御部53,63が映像・音声設備としての映像・音声出力部70を制御する。
【0011】
映像・音声出力部70は、プロセスコントローラ40及び各周辺機器50,60からの制御に従い、放送データを出力する。
【0012】
次に、以上のような放送局設備において、放送延長に伴い、編成ルートを変更する階段編成時のデータの流れを説明する。ここでは野球放送を例に挙げて図8〜図11を用いて述べる。なお、階段編成は、番組の進行状況に柔軟に対応すべく、あらゆる編成ルートが組まれており、操作者は、放送延長が確定する毎に編成ルートの変更操作を必要とする。
【0013】
図8は、野球放送における階段編成において、レギュラー編成であって延長が無い状態を編成ルート情報R0として示している。放送局によっては、レギュラー編成自体を野球にする場合もある。図9は10分間の延長が確定した状態を編成ルート情報R10として示している。図10に示す20分延長や図11に示す30分延長のように、操作者は、延長放送が確定する毎に、編成ルート情報R10,R20,…の変更処理を実施する。
【0014】
編成ルートの変更処理は、営放システム10から編成ルート情報R10,R20,R30,…を再度送信する第1方式か、データサーバ30で運行データDB32の編成ルート情報Rを変更する第2方式により実現される。
【0015】
第1方式及び第2方式のうち、第1方式が短い間隔の延長編成では運用が困難であるため、第2方式が一般に用いられている。この第2方式では、操作者の操作により、データサーバ操作端末20,21がプレイリストの編成ルート情報Rに対する変更指示を編成ルート変更部35に出力する。編成ルート変更部35は、この変更指示により、該当する編成ルート情報Rを変更し、得られた変更後の編成ルート情報R10を外部I/Fタスク(送信)34に送出する。外部I/Fタスク(送信)34は、変更後の編成ルート情報R10を含むプレイリストを作成し、プロセスコントローラ40及び周辺機器50,60に送信する。プロセスコントローラ40及び周辺機器50,60では、受信したプレイリストに従って、制御系・表示系の処理を行い、放送を継続する。
【0016】
なお、この出願に関連する先行技術文献情報としては次のものがある(特許文献1〜4を参照)。特許文献1は、急な番組変更があっても、スケジュール調整部により、重複等のエラーを防ぐ技術が開示されている(段落[0005]及び[0010]参照)。特許文献2は、デジタルTV放送において、時間延長時に空きチャンネルで延長番組を放送することにより、番組編成を変更せずに時間延長する技術が開示されている(段落[0011]参照)。特許文献3は、モノメディアデータ(テキストデータや静止画データ)からなるコンテンツを配信する技術が開示されている(段落[0052]〜[0054]参照)。特許文献4は、確定した放送番組の項目を編集する場合に、入力可能な項目時間の許容範囲を残時間として計算表示することにより、番組項目構成表を作成するための作業負荷を軽減する技術が開示されている(段落[0052]〜[0054]参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開2001−285220号公報
【0018】
【特許文献2】
特開2001−24989号公報
【0019】
【特許文献3】
特開2000−31921号公報
【0020】
【特許文献4】
特開平7−141428号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような放送局設備では、延長放送時の編成ルート変更処理において、操作者に多大な作業負荷がかかってしまう。
【0022】
例えば、編成ルートの変更処理においては、操作者が5分から10分の間に編成ルートを決定する必要がある。また、操作者は、編成ルート変更処理の操作と同時にオンエア(放送中)を監視する必要がある。このため、操作者の作業負荷が増加する。
【0023】
一方、操作者の作業負荷を軽減する観点から、操作者を増員した場合、人件費を増大させてしまう。
【0024】
また、前述した特許文献1〜4に記載の技術はそれぞれ次のような状況にある。特許文献1に記載の技術は、急な番組変更時に操作者の作業負荷が増加する点は同様である。特許文献2に記載の技術は、空きチャンネルがなければ延長不可能であるため(段落[0019]及び図4参照)、確実性に欠けている。特許文献3は、動画像の放送番組は対象でなく、また、放送番組の時間延長に関する記載が無い。特許文献4に記載の技術は、項目時間を決定して入力する作業負荷が操作者にかかる点は同様である。
【0025】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであり、階段編成の編成ルートを変更する際に、操作者の作業負荷を軽減でき、もって、操作者の小人数化を図り得る放送局設備を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、編成ルート情報を含む放送運行データを提供するデータサーバと、編成ルート情報に基づいて映像・音声設備を制御する周辺機器と、前記データサーバ及び前記周辺機器の間に直並列に接続されたプロセスコントローラとを備えた放送局設備であって、前記周辺機器及び前記プロセスコントローラに個別に設けられ、放送延長の可能性がある同一放送時間帯に対して複数の編成ルート情報が予め記憶される複数の内部メモリと、前記データサーバに設けられ、外部から入力される編成ルート変更イベントを予め記憶された放送運行データに設定するためのデータサーバ管理部と、前記プロセスコントローラに設けられ、前記データサーバから提供された放送運行データに編成ルート変更イベントが設定されているとき、この編成ルート変更イベントを送出する送出手段と、前記プロセスコントローラに設けられ、前記送出手段から受けた編成ルート変更イベントに基づいて、前記各編成ルート情報のいずれかへのルート変更を通知する編成ルート変更イベント通知部と、前記周辺機器及び前記プロセスコントローラに個別に設けられ、いずれかの前記内部メモリを有し、前記編成ルート変更イベント通知部からの通知に基づいて、現在使用中の編成ルート情報に代えて、前記内部メモリ内の該当する編成ルート情報に応じて前記映像・音声設備を制御する複数の映像・音声制御部と、を備えた放送局設備である。
【0027】
第2の発明は、放送運行データを提供するデータサーバと、映像・音声設備を制御する周辺機器と、前記データサーバ及び前記周辺機器の間に直並列に接続されたプロセスコントローラとを備えた放送局設備であって、前記データサーバに設けられ、外部から入力される編成ルート変更イベントを予め記憶された放送運行データに設定するためのデータサーバ管理部と、前記プロセスコントローラに設けられ、前記データサーバから提供された放送運行データに編成ルート変更イベントが設定されているとき、この編成ルート変更イベントを送出する送出手段と、前記プロセスコントローラに設けられ、前記送出手段から受けた編成ルート変更イベントに基づいて、前記各編成ルート情報のいずれかへのルート変更を前記データサーバに通知する編成ルート変更イベント通知部と、前記データサーバに設けられ、前記編成ルート変更イベント通知部からの通知に基づいて、該当する編成ルート情報を含む放送運行データを送信手段を介して前記プロセスコントローラ及び前記周辺機器に送信する編成ルート変更部と、前記周辺機器及び前記プロセスコントローラに個別に設けられ、現在使用中の編成ルート情報に代えて、前記編成ルート変更部から前記送信手段を介して送信された編成ルート情報を含む放送運行データに基づいて、前記映像・音声設備を制御する複数の映像・音声制御部と、を備えた放送局設備である。
【0028】
(作用)
従って、第1の発明は以上のような手段を講じたことにより、予め複数の編成ルート情報を周辺機器及びプロセスコントローラに記憶させておき、編成ルート情報の変更時には、編成ルート変更イベントによりルート変更をプロセスコントローラに通知するので、操作者が編成ルート情報を変更して再送信する従来と比べ、階段編成の編成ルートを変更する際に、操作者の作業負荷を軽減でき、もって、操作者の小人数化を図ることができる。
【0029】
また、第2の発明は、編成ルート情報の変更時には、編成ルート変更イベントによりルート変更をデータサーバに通知し、データサーバが、ルート変更に基づいて該当する編成ルート情報を含む放送運行データをプロセスコントローラ及び周辺機器に送信するので、操作者が編成ルート情報を変更して再送信する従来と比べ、階段編成の編成ルートを変更する際に、操作者の作業負荷を軽減でき、もって、操作者の小人数化を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る放送局設備の概略構成を示す模式図であり、図7と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
【0031】
本実施形態は、編成データの変更時に、操作者の作業負荷を軽減させるものであり、具体的には、予め階段編成時の全ての編成ルート情報をプロセスコントローラ40a及び各周辺機器50a,60aに記憶させ、編成データの変更時には、編成ルート情報の変更・送信をせずに、ルート変更のみを通知する構成となっている。なお、編成ルート情報は、放送番組のスケジュール情報であり、変更の可能性があるものである。また、編成データは、通常編成時には確定したスケジュール情報であり、階段編成時には編成ルート情報のうち、選択されたものである。
【0032】
ここで、プロセスコントローラ40aは、前述した機能に新たな機能を付加した各部41a〜43aと、周辺機器I/Fタスク(送信)44と、編成ルート変更イベント通知部45とを備えている。
【0033】
データサーバI/Fタスク(受信)41aは、前述した同タスク41の機能に加え、データサーバ30aから設定される複数の編成ルート情報をデータ制御部42aに送出する機能と、データサーバ30aから提供された放送運行データに後述する編成ルート変更イベントが設定されているとき、この編成ルート変更イベントを編成ルート変更イベント通知部45に送出する機能とをもっている。
【0034】
データ制御部42aは、前述した機能に加え、データサーバ30aからデータサーバI/Fタスク(送信)41aを介して設定される編成ルート情報を映像・音声制御部43aに書込む機能と、編成ルート変更イベント通知部45から通知されるルート変更を映像・音声制御部43aに送出する機能をもっている。
【0035】
映像・音声制御部43aは、前述した機能に加え、放送延長の可能性がある同一放送時間帯に対して複数の編成ルート情報がデータ制御部42aにより予め記憶される内部メモリ(図示せず)を有し、データ制御部42aからのルート変更の通知に基づいて現在使用中の編成ルート情報に代えて、内部メモリ内の該当する編成ルート情報を使用する機能をもっている。ここで、内部メモリには、ファイル・仮想記憶領域・データベース等が含まれる。
【0036】
編成ルート情報は、図2に示すように、ブロック番号、ルート番号、イベント名、イベント種別、放送時間、変更有効フラグ及び関連情報から構成されている。但し、編成ルート情報は、図3に示すように、変更有効フラグが省略されていてもよく、また、イベント名、イベント種別は適宜、省略してもよい。
【0037】
編成ルート情報は、図4に示すように、階段編成時に取り得る状態を示しており、1つの階段編成を示すブロック番号と、階段編成内の複数のルート番号との組により識別可能となっている。図4中、“M102”は、階段編成の取り得る状態(M:Multi)であり、ブロック番号“1(先頭1桁)”、ルート番号“02(残り2桁)”を表している。
【0038】
階段編成が1つしかない場合、ブロック番号は省略可能となる。変更有効フラグは、階段編成のブロック番号毎に記憶され、編成ルートの変更の有効(変更可)/無効(変更否)を示している。なお、変更有効フラグは、例えば編成ルートを変更したくない場合に用いられ、上位のデータサーバ30a又はプロセスコントローラ40aから入力・設定可能となっている。
【0039】
編成ルート変更イベント通知部45は、データサーバI/Fタスク(受信)41aから編成ルート変更イベントを受けた時で且つ映像・音声制御部43aの内部メモリ内の変更有効フラグが有効のとき、ルート変更をデータ制御部42a及び周辺機器50a,60aに通知する機能をもっている。周辺機器50a,60aへの通知は、周辺機器I/Fタスク(送信)44を介して行なうように変形してもよい。
【0040】
周辺機器は複数あるが、ここでは周辺機器50aを例に挙げて説明する。
周辺機器50aは、前述した機能に新たな機能を付加した各部51a〜53aを備えている。
【0041】
データサーバI/Fタスク(受信)51aは、前述した同タスク51の機能に加え、データサーバ30aから設定される複数の編成ルート情報を映像・音声制御部53aに送出する機能をもっている。
【0042】
プロセスコントローラI/Fタスク(受信)52aは、前述した同タスク52の機能に加え、プロセスコントローラ40aからのルート変更の通知を映像・音声制御部53aに送出する機能をもっている。
【0043】
映像・音声制御部53aは、前述した機能に加え、放送延長の可能性がある同一放送時間帯に対して複数の編成ルート情報がデータサーバI/Fタスク(受信)51aにより予め記憶される内部メモリ(図示せず)を有し、プロセスコントローラI/Fタスク(受信)52aからのルート変更の通知に基づいて、現在使用中の編成ルート情報に代えて、内部メモリ内の該当する編成ルート情報を使用する機能をもっている。周辺機器50a,60aに記憶される編成ルート情報は、図3に示したように変更有効フラグは無い。
【0044】
一方、データサーバ30aは、前述した編成ルート変更部35を省略する一方、前述同様の各部31,32,34と、前述した機能に新たな機能を付加したデータサーバ管理部33aと、プロセスコントローラI/Fタスク(受信)36とを備えている。
【0045】
データサーバ管理部33aは、前述した機能に加え、操作者の操作により、外部機器I/Fタスク(送信)34を介して、プロセスコントローラ40a及び周辺機器50a,60aに予め階段編成の全ての編成ルート情報を設定する機能と、操作者の操作により現在使用中の編成ルート情報を他の編成ルート情報に変更するとき、編成ルート変更イベントを放送運行データに設定する機能をもっている。但し、データサーバ30aが放送運行データに編成ルート変更イベントを設定する場合に限らず、営放システム10にて放送運行データに編成ルート変更イベントを設定するように変形してもよい。
【0046】
プロセスコントローラI/Fタスク(受信)36は、プロセスコントローラから受けるルート変更の通知に基づいて、変更後の編成ルート情報をデータサーバ端末20,21に表示させる機能をもっている。
【0047】
次に、以上のように構成された放送局設備による編成ルート変更時の動作を説明する。
(準備)
データサーバ30aにおいては、操作者の操作により、データサーバ管理部33aがプロセスコントローラ40a及び周辺機器50a,60aに予め階段編成の全ての編成ルート情報を設定する。
【0048】
プロセスコントローラ40aにおいては、データサーバ30aからの設定により、映像・音声制御部43aの内部メモリに、放送延長の可能性がある同一放送時間帯に対して複数の編成ルート情報が予め記憶される。
【0049】
同様に、周辺機器50a,60aにおいては、データサーバ30aからの設定により、映像・音声制御部53a,63aの内部メモリに、放送延長の可能性がある同一放送時間帯に対して複数の編成ルート情報が予め記憶される。
これにより、階段編成時に編成ルートを変更するための準備が完了する。
【0050】
(ルート変更)
データサーバ30aにおいては、現在使用中の編成ルート情報を他の編成ルート情報に変更するとき、操作者の操作により、データサーバ管理部33aが、例えば図5に示すように、変更後の編成ルート情報を指定する編成ルート変更イベントを放送運行データに設定する。
【0051】
図5の放送運行データ中、VB(Visual Base)及びAB(Audio Base)の2項目が編成ルート変更イベントに該当する。ここで、VB、AB、VOL、AOL、VSP、ASPは、それぞれ以下の略語である。
VB:Visual Base 欄:本編の映像を制御するイベントを指定。
AB:Audio Base 欄:本編の音声を制御するイベントを指定。
VOL:Visual Over Lap 欄:本編に予告・説明用テロップ等を制御するイベントを指定。
AOL:Audio Over Lap 欄:本編に対して、時報等の別の音声を出力するイベントを指定。
VSP:Visual Special 欄:VB、VOLに対するサブイベントを指定。 例)VOLのON,OFF制御。
ASP:Audio Special 欄:AB、AOLに対するサブイベントを指定。 例)AOLのON,OFF制御。
なお、図5の機器コード欄に関しては、本実施形態のように、VB、AB、VOL、AOL、VSP、ASPの6欄を使用する場合と、VB、AB、MD、SPの4欄や、VB、AS、MD、SP1、SP2の5欄を使用する場合など、放送局の編成により異なる場合がある。ここで、MD、SPは、以下の略語である。
MD:Mode欄
SP,SP1.SP2:4欄、5欄対応時にVOL,AOL,VSP,ASP,の代わりのイベントを指定。
【0052】
図5では、ブロックNo.を先頭1桁(1〜9)、ルートNo.を残り2桁(01〜99)の3桁で表している。具体的には、以下の通りである。
101〜199、201〜299、301〜399
401〜499、501〜599、601〜699
701〜799、801〜899、901〜999
すなわち、図5は、次に示すように、M101のルートを放送中にM102へ変更するイベントの指定を行なった状態を表している。
VB VOL VSP AB AOL ASP
AM 102
なお、AMはAuto Multi(自動マルチ編成)の略語である。
【0053】
また、以上のような編成ルート変更イベントは、編成ルート変更が完了できるよう、余裕をもったxx秒前に設定する。ここで、xx秒は、放送局の機器構成により異なるが、プロセスコントローラ40a及び周辺機器50a,60aがルート変更の通知を受け、変更後の編成ルート情報による放送準備が完了する時間であればよい。
【0054】
編成ルート変更イベントが設定された放送運行データは、前述同様に、データサーバ30aからプロセスコントローラ40a及び各周辺機器50a,60aに送信される。
【0055】
プロセスコントローラ40aにおいては、編成ルート変更イベント通知部45が編成ルート変更イベントを認識し、且つ映像・音声制御部43aの内部メモリ内の変更有効フラグが有効のとき、ルート変更(変更先ルート)をデータ制御部42a及び各周辺機器50a,60aに通知する。
【0056】
周辺機器50a,60aにおいては、映像・音声制御部53a,63aが、ルート変更の通知により、変更後の編成ルート情報に応じて映像・音声出力部70を制御する。
【0057】
なお、延長を今以上行わない、あるいは編成ルートを変更したくない場合は、データサーバ30aは、操作者の操作により、変更イベントxx秒前にプロセスコントローラ40aの変更有効フラグを無効にすればよい。例えば図4に示した階段編成中、延長20分(M103)で放送を終了したい場合、M103に編成ルートを変更した後、M103の変更イベントをプロセスコントローラ40aが制御する前に、図2に示す変更有効フラグを無効にすればよい。
【0058】
これにより、ルート変更が無効となるので、現在使用中の編成ルートを保持することができる。
【0059】
本実施形態によれば、予め複数の編成ルート情報を周辺機器50a,60a及びプロセスコントローラ40aに記憶させておき、編成ルート情報の変更時には、編成ルート変更イベントを認識したプロセスコントローラ40aがルート変更を周辺機器50a,60aに通知する。操作者が人為的に編成ルート情報を変更して再送信する従来と比べ、階段編成の編成ルートを変更する際に、操作者の作業負荷を軽減でき、もって、操作者の小人数化を図ることができる。編成ルート変更時のプレイリストを再送する必要がなくなるので、余分なデータ送信を不要にすることができる。更にはアプリケーションの簡易化をもたらすことが期待できる。
【0060】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る放送局設備の概略構成を示す模式図である。
【0061】
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、周辺機器50,60に予め階段編成の全編成ルート情報が記憶されない場合や、プロセスコントローラ40aが周辺機器50,60に対してルート変更を通知できない場合の例である。全編成ルート情報が記憶されない場合とは、例えば10分延長時は、10分延長ルートのデータのみ保持し、他の延長ルートのデータが無いような場合を意味する。
【0062】
第2の実施形態は、従来の図7の構成に比べ、プロセスコントローラ40bに編成ルート変更イベント通知部45bを付加し、データサーバ30bにプロセスコントローラI/Fタスク(受信)36bが付加され、データサーバ管理部33b、編成ルート変更部35b及びデータサーバI/Fタスク41bが改良されている。
【0063】
プロセスコントローラ40bのデータサーバI/Fタスク41bは、前述した同タスク41の機能に加え、データサーバ30bから提供された放送運行データに後述する編成ルート変更イベントが設定されているとき、この編成ルート変更イベントを編成ルート変更イベント通知部45に送出する機能をもっている。
【0064】
編成ルート変更イベント通知部45bは、データサーバI/Fタスク(受信)41aから編成ルート変更イベントを受けたとき、ルート変更をデータサーバ30bに通知する機能をもっている。
【0065】
データサーバ30bのデータサーバ管理部33bは、前述した機能に加え、操作者の操作により、現在使用中の編成ルート情報を他の編成ルート情報に変更するとき、編成ルート変更イベントを放送運行データに設定する機能をもっている。
【0066】
プロセスコントローラI/Fタスク(受信)36bは、プロセスコントローラ40bからのルート変更の通知を編成ルート変更部35bに送出する機能をもっている。
【0067】
編成ルート変更部35bは、変更有効フラグを有しており、プロセスコントローラI/Fタスク(受信)36bから受けたルート変更の通知及び変更有効フラグに基づいて編成ルート変更処理を実行し、変更後の編成ルート情報を含む放送運行データ(プレイリスト)を外部機器I/Fタスク(送信)34を介してプロセスコントローラ40b及び周辺機器50,60に送出する機能をもっている。
【0068】
なお、編成ルート変更部35bによる編成ルート変更処理は、データサーバ操作端末20,21で編成ルート変更処理を実行した時と同様の処理である。
【0069】
次に、以上のように構成された放送局設備による編成ルート変更時の動作を説明する。
データサーバ30bにおいては、データサーバ管理部33bが、操作者の操作により、現在使用中の編成ルート情報を他の編成ルート情報に変更するとき、編成ルート変更イベントを放送運行データに設定する。
【0070】
この放送運行データは、前述同様に、データサーバ30bからプロセスコントローラ40b及び周辺機器50,60に送信される。
【0071】
プロセスコントローラ40bにおいては、編成ルート変更イベント通知部45bが放送運行データ内の編成ルート変更イベントを認識し、ルート変更(変更先ルート)をデータサーバ30bに通知する。
【0072】
データサーバ30bにおいては、編成ルート変更部35bが、プロセスコントローラI/Fタスク(受信)36bから受けたルート変更の通知及び変更有効フラグ(有効状態)に基づいて編成ルート変更処理を実行し、変更後の編成ルート情報を含む放送運行データを外部機器I/Fタスク(送信)34を介してプロセスコントローラ40b及び周辺機器50,60に送出する。
【0073】
プロセスコントローラ40b及び周辺機器50,60は、データサーバ30bから受けた変更後の放送運行データに基づいて、映像・音声出力部70を制御する。
【0074】
本実施形態によれば、編成ルート情報の変更時には、編成ルート変更イベントによりルート変更をデータサーバに通知し、データサーバが、ルート変更に基づいて該当する編成ルート情報をプロセスコントローラ40b及び周辺機器50,60に送信する。
【0075】
これにより、操作者が編成ルート情報を変更して再送信する従来と比べ、階段編成の編成ルートを変更する際に、操作者の作業負荷を軽減でき、操作者の小人数化を図ることができる。
【0076】
なお、上記各実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスクなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0077】
また、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
【0078】
本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、階段編成の編成ルートを変更する際に、操作者の作業負荷を軽減でき、もって、操作者の小人数化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る放送局(マスタ)設備の概略構成を示す模式図である。
【図2】 同実施形態における編成ルート情報を説明するための模式図である。
【図3】 同実施形態における編成ルート情報を説明するための模式図である。
【図4】 同実施形態における編成ルート情報と階段編成との関係を説明するための模式図である。
【図5】 同実施形態における編成ルート変更イベントの設定を説明するための模式図である。
【図6】 本発明の第1の実施形態に係る放送局(マスタ)設備の概略構成を示す模式図である。
【図7】 従来の放送局(マスタ)設備の概略構成を示す模式図である。
【図8】 一般的な階段編成時の編成ルート情報の変更処理を説明するための模式図である。
【図9】 一般的な階段編成時の編成ルート情報の変更処理を説明するための模式図である。
【図10】 一般的な階段編成時の編成ルート情報の変更処理を説明するための模式図である。
【図11】 一般的な階段編成時の編成ルート情報の変更処理を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10…営放システム、20,21…データサーバ操作端末、30…データサーバ、31…営放システムI/Fタスク、32…運行データDB、33a,33b…データサーバ管理部、34…外部機器I/Fタスク、35b…編成ルート変更部、36,36b,52a,52,62a,62…プロセスコントローラI/Fタスク、40a,40b…プロセスコントローラ、41a,41,51a,51,61a,61…データサーバI/Fタスク、43a,43,53a,53,63a,63…映像・音声制御部、70…映像・音声出力部。
Claims (2)
- 編成ルート情報を含む放送運行データを提供するデータサーバと、編成ルート情報に基づいて映像・音声設備を制御する周辺機器と、前記データサーバ及び前記周辺機器の間に直並列に接続されたプロセスコントローラとを備えた放送局設備であって、
前記周辺機器及び前記プロセスコントローラに個別に設けられ、放送延長の可能性がある同一放送時間帯に対して複数の編成ルート情報が予め記憶される複数の内部メモリと、
前記データサーバに設けられ、外部から入力される編成ルート変更イベントを予め記憶された放送運行データに設定するためのデータサーバ管理部と、
前記プロセスコントローラに設けられ、前記データサーバから提供された放送運行データに編成ルート変更イベントが設定されているとき、この編成ルート変更イベントを送出する送出手段と、
前記プロセスコントローラに設けられ、前記送出手段から受けた編成ルート変更イベントに基づいて、前記各編成ルート情報のいずれかへのルート変更を通知する編成ルート変更イベント通知部と、
前記周辺機器及び前記プロセスコントローラに個別に設けられ、いずれかの前記内部メモリを有し、前記編成ルート変更イベント通知部からの通知に基づいて、現在使用中の編成ルート情報に代えて、前記内部メモリ内の該当する編成ルート情報に応じて前記映像・音声設備を制御する複数の映像・音声制御部と、
を備えたことを特徴とする放送局設備。 - 放送運行データを提供するデータサーバと、映像・音声設備を制御する周辺機器と、前記データサーバ及び前記周辺機器の間に直並列に接続されたプロセスコントローラとを備えた放送局設備であって、
前記データサーバに設けられ、外部から入力される編成ルート変更イベントを予め記憶された放送運行データに設定するためのデータサーバ管理部と、
前記プロセスコントローラに設けられ、前記データサーバから提供された放送運行データに編成ルート変更イベントが設定されているとき、この編成ルート変更イベントを送出する送出手段と、
前記プロセスコントローラに設けられ、前記送出手段から受けた編成ルート変更イベントに基づいて、前記各編成ルート情報のいずれかへのルート変更を前記データサーバに通知する編成ルート変更イベント通知部と、
前記データサーバに設けられ、前記編成ルート変更イベント通知部からの通知に基づいて、該当する編成ルート情報を含む放送運行データを送信手段を介して前記プロセスコントローラ及び前記周辺機器に送信する編成ルート変更部と、
前記周辺機器及び前記プロセスコントローラに個別に設けられ、現在使用中の編成ルート情報に代えて、前記編成ルート変更部から前記送信手段を介して送信された編成ルート情報を含む放送運行データに基づいて、前記映像・音声設備を制御する複数の映像・音声制御部と、
を備えたことを特徴とする放送局設備。
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