JP4265055B2 - プログラマブル論理制御装置およびプログラマブル論理制御装置モジュール - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にプログラマブル論理制御装置(ＰＬＣ)システムに使用されるものなど、制御装置アセンブリに関するもので、さらに詳しくは、Ｉ／Ｏモジュール、プロセッサモジュール、通信モジュール、電源などの各モジュールの取り付けと取り外しを容易にするＰＬＣシステムのモジュラー部品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
プログラマブル論理制御装置は、広い範囲の機械およびその他の可動部品やシステムの制御や監視を行なうため、産業界で広く用いられている。従来のＰＬＣシステムでは、ラックシステムによって機械的に取り付けられ、背面配線板で電気的に接続される入力／出力モジュールなどの複数のモジュールが使用されている。各モジュールは、ラックおよび／または背面配線板から取り外すことにより、交換または置換が可能である。このとき、ラックや背面配線板などの取り付け部品を用いない、相互に固定するモジュラー形式のモジュールを提供できれば、望ましい。
【０００３】
ラックや背面配線板を使用せずに相互に接続されるモジュールを構成しようという試みが少なくとも１つ見られる。この特定実施例では、各モジュールに、固定プラグと、次の隣接モジュールの固定プラグと係合するように設計された固定プラグソケットとが備えられている。各モジュールにはさらに、複数の突起部が片側に設けられるとともに次の隣接モジュールから延出した突起部が挿嵌される複数の開口部が反対側に設けられたハウジングを備えている。また、各モジュールは、ＤＩＮレールに沿って取り付けるための取付機構も備えている。
【０００４】
このように、突起部およびプラグコネクタが、次の隣接モジュールの開口部およびプラグコネクタと嵌合するまで、各モジュールをＤＩＮレールに沿って移動させれば、各モジュールを隣接モジュールに取り付けることができる。いったん嵌合すると、固定機構により、モジュールの突起部が次の隣接モジュールの対応開口部に保持される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、モジュール間を電気的に接続するのと無関係に隣接モジュールを機械的に相互固定することはできない。さらにこの構成では、特定の入力／出力モジュールの取り付け部分を壊さないと、隣接モジュール間に挟まれた単一のモジュールを取り外せない。この機械的な相互固定システムでは、次の隣接モジュールの開口部から嵌合突起部を離すのに充分な程度モジュールを横方向に移動させる必要がある。この横方向の移動を可能にするため、対象モジュールの取り外しおよび／または挿入に十分な間隔が設けられるように、対象モジュールの片側に位置するモジュールをすべて移動させなければならない。対象モジュールがいったん嵌合すると、移動させた一連のモジュールを再度嵌合させなくてはならない。
【０００６】
本発明は、上記点に鑑み、選択的、機械的に相互固定が可能でありながらモジュールが隣接モジュール間に配置されているか否かに関係なく挿入および取り外しが容易なモジュールを使用し、小型でラックを用いないプログラマブル論理制御装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プログラマブル論理制御装置の入力／出力モジュールなどの相互固定モジュールのためのプログラマブル論理制御装置を提供する。このプログラマブル論理制御装置は、複数のモジュール（２２）を備え、複数のモジュール（２２）のうち隣接するモジュール（２２）同士が相互に接続され、相互に接続された複数のモジュール（２２）がＤＩＮレール（２６）に沿って取り付けられる。モジュール（２２）は、隣接するモジュール（２２）に対向する第１の面と、該第１の面とは反対側で同じく隣接する別のモジュールに対向する第２の面と、第１の面と第２の面のそれぞれに隣接するとともにＤＮレール（２６）に対向する第３の面と、第１の面と第２の面と第３の面のそれぞれに隣接する第４の面とを有するハウジング（２８）を備えている。
ハウジング（２８）内には、第１のプラグ部（９８）と、隣接するモジュール（２２）の第１のプラグ部（９８）と電気的に接続される第２のプラグ部（８２）と、第１のプラグ部（９８）が回転可能かつ摺動可能に搭載された可動式のレバー（１０８）とが設けられている。レバー（１０８）は、一端側が第３の面に回転可能に取り付けられ、他端側が第４の面よりハウジング（２８）外に突出している。
第１の面には、第１相互接続部（４２）が設けられ、第２の面には、隣接するモジュール（２２）の第１相互接続部（４２）と機械的に接続する第２相互接続部（４４）が設けられ、第３の面には、ＤＩＮレール（２６）を収納するＤＩＮレール取付部（６０）と、ＤＩＮレール取付部（６０）に収納されたＤＩＮレール（２６）を固定するＤＩＮラッチ（６２、６４）とが設けられている。第４の面のハウジング内の面には、ハウジング（２８）の内側空間に向かって突出するようにプラグガイド部（１２４）が形成されており、第１のプラグ部（９８）には、プラグレール（１２６）が形成されており、プラグレール（１２６）は、第１のプラグ部（９８）を第４の面と平行に直線移動可能となるようにプラグガイド部（１２４）内に保持されており、プラグガイド部（１２４）とプラグレール（１２６）との間には、緩和用間隙（１４６）が設けられている。
レバー（１０８）を動作させることで、第１のプラグ部（９８）がＤＩＮレール（６０）上での複数のモジュール（２２）の配置方向に沿って直線的に移動し、第１のプラグ部（９８）がハウジング（２８）の外部に露出して、隣り合うモジュール（２２）の第２のプラグ部（８２）に接続される状態と、第１のプラグ部（９８）がハウジング（２８）の内部に収納され、隣り合うモジュール（２２）の第２のプラグ部（８２）との接続が解除される状態とに移行可能となっている。また、第１相互接続部（４２）及び第２相互接続部（４４）は、第３の面と直交する方向に沿って形成され、隣接するモジュール（２２）同士が第３の面と直交する方向に沿って相互にスライド移動可能になっている。さらに、ＤＩＮラッチ（６２、６４）は、第３の面と平行な方向、かつ、ＤＩＮレール（２６）上での複数のモジュール（２２）の配置方向と交差する方向に沿って移動可能であり、ＤＩＮレール取付部（６０）に収納されたＤＩＮレール（２６）を固定する状態と、ＤＩＮレール（２６）の固定を解除する状態とに移行可能となっている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１および図２に、本発明の好適な実施形態による相互固定モジュール２２からなるプログラマブル論理制御装置２０を示す。相互固定モジュール２２は、例えば、ＰＬＣシステムで使用される種類の入力／出力モジュール、プロセッサモジュール、通信モジュール、電源がある。モジュール２２はＤＩＮレール２６や平面部材等の取付部材２４に沿って取り付けられる。
【００１１】
本実施形態の図では、３個のモジュール２２がＤＩＮレール２６に取り付けられた状態が示されている。モジュールを３個としたのは、説明の便宜のためである。３個の相互固定モジュール２２について図示および説明されているのは、いかなる点でも限定的なものと考えるべきではない。例えば、本発明の範囲から逸脱しなければ、プログラマブル論理制御装置２０に組み込むモジュールを、より少なくあるいはより多くすることができる。さらにモジュールは、通常、プログラマブル論理制御装置などの制御装置に接続される。
【００１２】
各モジュール２２は、後部３０（図１参照）と前部３２と左側面３４と右側面３６とを有する外側モジュールケースであるハウジング２８を備えている。さらに各モジュールは、上面３８および底面４０とを備えている。左、右、上、底、後、前と呼んでいるのは、図１におけるプログラマブル論理制御装置２０の配置に基づいている。しかし、これらの用語は説明を容易にするために用いられているだけで、相互固定モジュール２２の配置を限定するものではない。
【００１３】
好適な実施形態では、各モジュール２２は、ラックまたは背面配線板を使用せずに隣接モジュールに選択的に接続するための相互固定する部分を備える。すなわち、各モジュールは、第１相互接続部４２と第２相互接続部４４とを備えている。最も好適な実施形態において、第１相互接続部は、溝部４８を有する延出部４６を備える。他方、第２相互接続部４４は、溝部４８と嵌合するように設計された突出部、すなわち舌型部５０を備える。図のように延出部４６と対応する溝部４８とは、上部３８および底部４０に近接してハウジング２８の左側に沿って配置されている。他方、舌型部５０は上部３８と底部４０に近接してハウジング２８の右側に沿って配置されるとよい。隣接するモジュール２２で舌型部と溝部が交互に形成されているため、多数のモジュールを相互接続することができる。
【００１４】
例えば、図のモジュール２２を、一番左をモジュールＡ、中央をモジュールＢ、一番右をモジュールＣとする。この特定例では、中央モジュールＢと左側に隣接するモジュールＡとは、モジュールＡの舌型部５０がモジュールＢの溝部４８と摺動嵌合することにより接続される。同様に、モジュールＢの右側に隣接する次のモジュールＣは、モジュールＣの溝部４８をモジュールＢの舌型部５０に沿って摺動させることにより連結できる。機械的に相互連結されたこれらのモジュール２２は、ＤＩＮレール２６などの取付部材２４に沿って取り付けられる。
【００１５】
溝部４８と舌型部５０などの相互接続部は、取付部材２４が延在する平面を概ね横切る方向に配置されることが望ましい。モジュールＢのように中央に配置されたモジュールは、このモジュールの接続部４２、４４が隣接のモジュールから外れるまで取付部材２４から離れる方向に摺動させると、取付部材２４および隣接のモジュールＡ、Ｃから取り外すことができる。これにより中央に配置されたモジュールの取り外しまたは交換の際にも、他のモジュールを取り外す必要がなくなる。
【００１６】
以下、各モジュールのその他の特徴について説明する。図２に示すように、前部３２は、複数のＬＥＤ（発光ダイオード）５４から成る表示部５２を備える。さらに図２の部分破断断面図に図示されているように、複数の入力／出力端子５８の上には脱着自在カバー５６が設けられている。
【００１７】
後部３０は図３に最も分かり易く示されている。後部３０には、ＤＩＮレールを収容するＤＩＮレール取付部分６０が含まれる。さらに、スライド６６には、上部ＤＩＮラッチ６２と下部ＤＩＮラッチ６４が摺動自在に取り付けられている。上部ＤＩＮラッチ６２と下部ＤＩＮラッチ６４は各々、ラッチを開位置または閉位置に付勢する付勢機構６８を備えている。すなわち、各付勢機構６８には、ラッチが対応のスライド６６に沿って移動すると固定当接部７２を越えて摺動する一対の弾性突起部７０が含まれる。弾性突起部７０は、ラッチを開位置から閉位置へ、またその逆に付勢するのに所定量の力を必要とするような形状となっている。
【００１８】
さらに、各モジュール２２には上側取付脚部７４と下側取付脚部７６とが含まれる。取付脚部７４、７６は、パネル、一般的にはＤＩＮレール２６の代わりに用いられる平面パネルに各モジュール２２を取り付けるのに使用される。
【００１９】
図４、図５に示されているように、各モジュール２２の右側には側壁７８が備えられていることが望ましい。側壁７８には、コネクタプラグ部（プラグコネクタ）８２が露出する開口部８０が含まれる。後でより詳しく説明するように、コネクタプラグ部８２は、次の隣接モジュール２２の対応プラグ部と嵌合して、隣接モジュール間の電気的相互接続を形成するように設計されている。コネクタプラグ部８２は例えば、複数の導体８４を備えたプラグソケットの形でよい。開口部８０内には、隣接モジュールの対応アース接点と嵌合するアース接点８６も設けられている。図のように側壁７８に沿って、丸い雄突起などの位置決め突部８７を配置できる。位置決め突部８７は、電気的および機械的相互接続を容易にするための、隣接モジュール２２の位置決めに役立つ。
【００２０】
さらに、隣接モジュールどうしが電気的に相互接続された後、隣接モジュール間の機械的相互接続を助けるため、舌型部５０には固定用切欠部８８が形成されている。機械的および電気的な相互接続が行なわれた後で隣接モジュールどうしをさらに相互固定するため、レバー固定用穴部９０を側壁７８に形成してもよい。
【００２１】
図６、図７に示されているように、各モジュール２２の左側は一般的に、内側開口部９２が広く開口しており、この内側開口部９２には、例えばラッチ機構９６によってプリント回路基板９４が取り付けられる。さらに、嵌合コネクタプラグ部９８は、可撓性リボンケーブルなどの可撓性接続部材１００によって回路基板９４と電気的に接続されている。
【００２２】
嵌合コネクタプラグ部９８は、プラグ部８２と嵌合するように設計された雄プラグコネクタとすることができる。嵌合プラグ部９８には、例えば複数のソケット１０２が含まれる。ソケット１０２は、あるモジュールから別のモジュールに信号を正しく転送するための電気的相互接続を形成するために、プラグ部８２の導体８４が挿嵌されるように構成されている。プラグ部８２、９８を確実に正しく嵌合させるため、プラグ部８２、９８には各々、複数の嵌合隆起部１０４（図４参照）と溝部１０６（図６参照）を形成するとよい。位置決め突部８７が挿嵌されるため、およびプラグ部８２、９８とともに隣接モジュール間の位置合わせを容易にするために、一対の位置決め穴部１０７が配置されると望ましい。
【００２３】
コネクタプラグ部（雌プラグ部）８２と嵌合コネクタプラグ部（雄プラグ部）９８のうち少なくとも一方は、次の隣接モジュール２２の対応プラグ部と選択的に嵌合するために、可動式に構成されている。可動式プラグ部（可動式プラグコネクタ）は、隣接モジュール２２が嵌合溝部４８および舌型部５０を介して摺動嵌合する方向に対して概ね横方向に移動可能であると望ましい。すなわち、可動式プラグ部は取付部材２４と概ね平行な方向に移動するのが望ましい。
【００２４】
図の実施形態において、雄プラグ部９８は可動式に取り付けられ、コネクタプラグ部８２は固定位置に取り付けられている。例えば雄プラグ部９８はリボンケーブル１００を介してプリント回路基板９４に接続され、雌プラグ部８２は、通常、反対側の固定されたプリント回路基板９４に取り付けられている。隣接モジュール２２どうしが機械的に相互連結されると、一方のモジュールの雄プラグ部９８が左側のモジュールの雌プラグ部８２との嵌合位置まで移動する。同様に雌プラグ部８２は右側に配置された次の隣接モジュールの雄プラグ部９８と嵌合する。このように、隣接するモジュール、例えば入力／出力モジュールの間で、電気的相互接続と機械的相互接続が独立して形成される。また、電気的相互接続は機械的相互接続から独立して解除できる。さらに、機械的な切離しと電気的な切離しの際に（以下の説明を参照）、各モジュール２２は左右の隣接モジュールを移動させずに取付部材２４から外して取り除くことができる。
【００２５】
プラグ部９８を対応プラグ部８２と嵌合させたり嵌合を解除したりするための機構として、旋回式レバー１０８を好適に用いることができる。旋回式レバー１０８は、後部３０から内側開口部９２に延出する旋回ピン１１０に取り付けられている。図８に最も分かり易く示されているように、旋回式レバー１０８は上部３８から突出するハンドル部１１２を備えている。
【００２６】
上部３８と底部４０にはともに複数の通気スロット１１４が穿設されているが、上部３８にはレバースロット１１６も形成されている。レバースロット１１６は、プラグ部９８が隣接モジュール２２のプラグ部８２と嵌合した際にハンドル１１２と嵌合する幅狭部１１８を含んでいる。さらに開ストッパ部１２０と閉ストッパ部１２２がレバースロット１１６に突出形成されている。開ストッパ部１２０はレバー１０８を開位置すなわち解除位置に保持し、閉ストッパ部１２２は、プラグ部９８が移動してプラグ部８２と嵌合した際にレバー１０８を閉位置すなわち嵌合位置に保持するものである。閉ストッパ部１２２は、相当な振動を伴う産業環境でもレバー１０８を嵌合位置または閉位置に維持するのに役立つ。
【００２７】
図７に最も分かり易く示されているように、プラグ部９８は、旋回式レバー１０８における旋回ピン１１０とハンドル部１１２の間に取り付けられている。上部３８から内側開口部９２にプラグガイド部１２４が延出形成されていることが望ましい。プラグ部９８は、プラグガイド部１２４に対応するプラグレール１２６を備えており、このプラグレール１２６はプラグ部９８を単一の移動軸に沿って相対移動させるためにプラグガイド部１２４内に保持されている。さらにプラグ部９８は、嵌合時と解除時にプラグ部９８がプラグガイド部１２４に沿って直線移動するように、レバー１０８に旋回自在および摺動自在に取り付けられている。このような取り付け方により、プラグ部９８は対応するプラグ部８２とともに嵌合状態および解除状態に直線的に移動する。
【００２８】
旋回式レバー１０８と、この旋回式レバーとプラグ部９８との接続についての詳細を、図９から図１１を参照してさらに説明する。図に示すように、レバー１０８は、旋回ピン１１０と旋回嵌合する、切れ目のある孔部１２８を備えている。さらにレバー１０８は、プラグ部９８から延出するプラグネイルヘッド１３２が挿嵌されるネイルヘッドスロット１３０を備えている。プラグネイルヘッド１３２は、軸部１３４と拡張部１３６とを備える。プラグ部９８がレバー１０８に接続されると、軸部１３４により、ネイルヘッドスロット１３０内におけるプラグ部９８の旋回および摺動動作が可能となる。しかしネイルヘッドスロット１３０は拡張部１３６とプラグ部９８の本体との間に拘束されるため、不意に外れることはない。さらに、プラグガイド部１２４にプラグレール１２６を取り付けると、ネイルヘッドスロット１３０の範囲を越えてプラグ部９８が摺動することはない。
【００２９】
レバー１０８には、プラグ部９８、８２が嵌合する際に隣接モジュール２２の移動を防止するため、レバー固定用穴部９０（図４と５参照）と嵌合するレバーケース固定用突起１３８が形成されている。またレバー１０８には、隣接モジュールどうしが機械的および電気的に相互接続される際に次の隣接モジュール２２の固定用切欠部８８と嵌合する固定突出部１４０が形成されている。
【００３０】
ハンドル部１１２は、レバーばね部１４４によって中央本体部１４２に接続されている。レバーばね部１４４は、ハンドル部１１２が開ストッパ部１２０と閉ストッパ部１２２の間を移動して幅狭部１１８と嵌合する際に、ハンドル部１１２に柔軟性を与える。レバーばね部１４４はさらに、閉ストッパ部１２２から開位置に移動してしまうのを防止して、レバー１０８を閉位置に保持するのに役立つ。
【００３１】
隣接する入力／出力モジュール２２は、操作時に、ＤＩＮレール２６などの取付部材に沿って取り付けられる。隣接するモジュール２２どうしは対応する舌型部５０を溝部４８と摺動嵌合させることにより、機械的に相互固定される。溝部４８と舌型部５０は、隣接モジュール２２どうしがＤＩＮレール２６に対して概ね横切る方向に摺動可能となるように配置されている。これにより、隣接モジュールの間に挟まれていても、いずれの隣接モジュールも取り外すことなく各モジュールを取り外すことができる。
【００３２】
さらにプログラマブル論理制御装置２０では、いかなる機械的相互接続からも独立して、隣接モジュール２２どうしを電気的に相互接続できる。隣接モジュールどうしがいったん機械的に接続されると、レバー１０８を旋回して雄プラグ部９８を次の隣接モジュール２２の雌プラグ部８２との嵌合位置に移動させるだけで、電気的相互接続が形成される。
【００３３】
同様に、各モジュール２２は雄プラグ部９８を隣接する雌プラグ部８２から解除するだけで取り外すことができる。右側面３６に隣接して何らかのモジュール２２が取り付けられている場合には、このモジュールのレバー１０８を動かして雄プラグ部９８を隣接モジュール２２のプラグ部８２から離脱させる。次に対象モジュールを、ラッチ６２、６４を閉位置から開位置へ移動させてＤＩＮレール２６から外す。この時点で対象モジュール２２を摺動させてＤＩＮレール２６から外し、隣接モジュール２２のいずれも移動させずに機械的に対象モジュールを取り外す。システムを分解しなくても各モジュールの取り外しおよび交換を迅速かつ容易に行なえるため、産業環境で使用されるＰＬＣシステムの保全や修理の際の休止時間を短縮できる。
【００３４】
さらに、産業環境で生じる振動などの比較的過酷な条件による有害な影響を最小限にするため、電気的接続システムは浮動コネクタシステムとして設計することが望ましい。雄プラグ部９８をその機械的取付箇所に対して可動性とし、可撓性リボンケーブル１００を介して雄プラグ部９８を固定されたプリント回路基板９４に接続することにより、これが実現する。
【００３５】
詳しく述べると、プラグネイルヘッド１３２は、ネイルヘッドスロット１３０に沿って自由に旋回および摺動できる。さらに図７に最も分かり易く図示されているように、プラグガイド部１２４と雄プラグ部９８のプラグレール１２６との間には、緩和用間隙１４６が設けられている。可撓性リボンケーブル１００とネイルヘッドスロット１３０と緩和用間隙１４６との組合せにより、雄プラグ部９８は雌プラグ部８２と嵌合した後でも相対的な自由浮動状態となる。
【００３６】
所定の雄プラグ部９８は嵌合すると、事実上、嵌合相手である雌プラグ部８２を備えた次の隣接モジュール２２の一部となる。所定の雄プラグ部９８は、可撓性リボンケーブル１００を介して接続されたモジュール２２が受ける衝撃や振動から実質的に絶縁されている。相互接続部がこのように構成されているため、接続部品に対する疲労やその他のダメージを最小限に留めながら隣接モジュール間の相対移動を許容できる。
【００３７】
この好適な自由浮動設計に適応すべく、レバー１０８が閉位置すなわち嵌合位置に移動する際に、雄プラグ部９８と対応する雌プラグ部８２とをスムーズに嵌合させるためにガイド機構１５０が用いられる。ガイド機構１５０は、雄プラグ部９８をプラグ部８２との完全嵌合状態に移動させるための様々な特徴を備えている。例えば、図１１に示される複数の先細形状コーナーピン１５２は、雄プラグ部９８が雌プラグ部８２に挿入され始める際に、プラグ９８のガイドおよび位置合わせに役立つ。さらに雄プラグ部９８は、雄プラグ部９８と雌プラグ部８２を嵌合させる際に、先細形状コーナーピン１５２と協働する面取りされた先端部１５４を備える。同様に雌プラグ部８２には面取りされた受入端部１５５を備える。ガイド溝部１０６にも、プラグ部８２の嵌合する隆起部１０４の内向きに面取りされた端部１５８と協働する先広がりまたは面取りされた先端開口部１５６が含まれる（図４、図５参照）。これらのガイド機構の特徴はすべて、電気コネクタシステムの自由浮動設計に対応しながら、雄プラグ部９８と雌プラグ部８２を円滑かつ確実に嵌合および離脱させるために協働する。
【００３８】
以上の説明は本発明の好適な実施形態についてのものであり、本発明は図示した特定の態様には限定されないことが理解されるであろう。たとえばモジュールハウジングは、様々な材料から様々な形状に製造でき、機械的相互固定部はハウジングと一体的に成形しても、別に取り付けてもよい。隣接モジュールどうしを接続するのに用いられる電気的接続にはいろいろあり、リボンケーブル以外の可撓性接続部材も使用できる。電気的接続を容易にするため、プラグコネクタの一方または両方を可動式とすることもできる。添付した特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しなければ、以上の変形および他の変形をエレメントの設計および配置に加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好適な実施形態によるプログラマブル論理制御装置を示す斜視図である。
【図２】 図１に示されたモジュールの正面図である。
【図３】 図１に示されたモジュールの背面図である。
【図４】 図１に示されたタイプの１個のモジュールを示す概ね右側から見た斜視図である。
【図５】 図４のモジュールの右側面図である。
【図６】 図４のモジュールを示す概ね左側から見た斜視図である。
【図７】 図４のモジュールの左側面図である。
【図８】 図４のモジュールの上面図である。
【図９】 本発明の好適な実施形態によるモジュールの相互固定レバーを示す斜視図である。
【図１０】 図９のレバーを示す別の斜視図である。
【図１１】 図１０に示すレバーと、レバーに隣接するプラグコネクタを示す斜視図である。
【符号の説明】
２０…プログラマブル論理制御装置、２２…モジュール、２４…取付部材、
２８…ハウジング、４２…第１相互接続部、４４…第２相互接続部、
９４…プリント回路基板、９８…プラグ部、１００…リボンケーブル、
１０８…旋回式レバー、１２０…開ストッパ部、１２２…閉ストッパ部、
１２４…プラグガイド部、１２６…プラグレール、１５０…ガイド機構。

Claims (1)

1. 複数のモジュール（２２）を備え、前記複数のモジュール（２２）のうち隣接する前記モジュール（２２）同士が相互に接続され、相互に接続された前記複数のモジュール（２２）がＤＩＮレール（２６）に沿って取り付けられるプログラマブル論理制御装置であって、
   前記モジュール（２２）は、隣接するモジュール（２２）に対向する第１の面と、該第１の面とは反対側で同じく隣接する別のモジュールに対向する第２の面と、前記第１の面と前記第２の面のそれぞれに隣接するとともに前記ＤＮレール（２６）に対向する第３の面と、前記第１の面と前記第２の面と前記第３の面のそれぞれに隣接する第４の面とを有するハウジング（２８）を備え、
   前記ハウジング（２８）内には、第１のプラグ部（９８）と、隣接する前記モジュール（２２）の前記第１のプラグ部（９８）と電気的に接続される第２のプラグ部（８２）と、前記第１のプラグ部（９８）が回転可能かつ摺動可能に搭載された可動式のレバー（１０８）とが設けられ、
   前記第１の面には、第１相互接続部（４２）が設けられ、前記第２の面には、隣接する前記モジュール（２２）の前記第１相互接続部（４２）と機械的に接続する第２相互接続部（４４）が設けられ、前記第３の面には、前記ＤＩＮレール（２６）を収納するＤＩＮレール取付部（６０）と、前記ＤＩＮレール取付部（６０）に収納された前記ＤＩＮレール（２６）を固定するＤＩＮラッチ（６２、６４）とが設けられ、
   前記レバー（１０８）は、一端側が前記第３の面に回転可能に取り付けられ、他端側が前記第４の面より前記ハウジング（２８）外に突出しており、
   前記第４の面のハウジング内の面には、前記ハウジング（２８）の内側空間に向かって突出するようにプラグガイド部（１２４）が形成されており、前記第１のプラグ部（９８）には、プラグレール（１２６）が形成されており、前記プラグレール（１２６）は、前記第１のプラグ部（９８）を前記第４の面と平行に直線移動可能となるように前記プラグガイド部（１２４）内に保持されており、前記プラグガイド部（１２４）と前記プラグレール（１２６）との間には、緩和用間隙（１４６）が設けられており、
   前記レバー（１０８）を動作させることで、前記第１のプラグ部（９８）が前記ＤＩＮレール（６０）上での複数の前記モジュール（２２）の配置方向に沿って直線的に移動し、前記第１のプラグ部（９８）が前記ハウジング（２８）の外部に露出して、隣り合う前記モジュール（２２）の前記第２のプラグ部（８２）に接続される状態と、前記第１のプラグ部（９８）が前記ハウジング（２８）の内部に収納され、隣り合う前記モジュール（２２）の前記第２のプラグ部（８２）との接続が解除される状態とに移行可能であり、
   前記第１相互接続部（４２）及び前記第２相互接続部（４４）は、前記第３の面と直交する方向に沿って形成され、隣接する前記モジュール（２２）同士が前記第３の面と直交する方向に沿って相互にスライド移動可能になっており、
   前記ＤＩＮラッチ（６２、６４）は、前記第３の面と平行な方向、かつ、前記ＤＩＮレール（２６）上での前記複数のモジュール（２２）の配置方向と交差する方向に沿って移動可能であり、前記ＤＩＮレール取付部（６０）に収納された前記ＤＩＮレール（２６）を固定する状態と、前記ＤＩＮレール（２６）の固定を解除する状態とに移行可能であることを特徴とするプログラマブル論理制御装置。

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