JP4265010B2 - 系統連系インバータ - Google Patents
系統連系インバータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP4265010B2 JP4265010B2 JP31872098A JP31872098A JP4265010B2 JP 4265010 B2 JP4265010 B2 JP 4265010B2 JP 31872098 A JP31872098 A JP 31872098A JP 31872098 A JP31872098 A JP 31872098A JP 4265010 B2 JP4265010 B2 JP 4265010B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- position signal
- current
- output
- zero
- phase difference
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
- Inverter Devices (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電源を系統に適合した仕様に変換し、前記系統に電力を供給する系統連系インバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の系統連系インバータについて図面を参照しながら説明する。図10は従来の系統連系インバータの一例の構成を示すブロック図である。図10において、系統連系インバータ1は、直流電源2を、電圧100V、周波数60Hzなど系統3の電源仕様に適合するように変換し、系統3に電力を供給する。4は系統3に接続される負荷、5は系統3と系統連系インバータ1とを分離する開閉器である。系統連系インバータ1は、インバータ手段6と参照波形生成手段7と電圧検出手段8とZVP作成手段9とから構成される。インバータ手段6は、参照波形生成手段7から出力される参照波形に基づいて出力電流の波形を形成し、系統3に電力を供給する。
【0003】
電圧検出手段8は、トランスなどによりインバータ手段6の出力、すなわち系統連系インバータ1の出力の電圧波形を取り込み、ZVP作成手段9は、前記電圧波形に基づいてゼロボルト位置ごとにパルスを出力するゼロボルト位置信号を作成し、参照波形生成手段7に伝達する。参照波形生成手段7は、前記ゼロボルト位置信号が与えるゼロボルト位置を出力電流のゼロアンペア位置として参照波形を生成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の系統連系インバータ1では、開閉器5が開放したり、系統3に至る線路が断線するなどにより、系統連系インバータ1と系統3とが分断したとき、系統連系インバータ1から電力を供給し続けると負荷4の両端に電圧が発生し続け、停電状態にあると誤認識した電気作業者などが触れて感電事故が発生する可能性があると言う問題があった。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するもので、系統から分断した場合、その分断状態を的確に検出して出力を停止できる安全な系統連系インバータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZVP作成手段に出力する電圧バンドパスフィルタと、前記電流検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZCP作成手段に出力する電流バンドパスフィルタと、前記インバータ手段の出力電圧および出力電流の周波数が変動したとき、前記周波数変動に伴う前記電圧バンドパスフィルタの出力の位相変化を補正する電圧フィルタ補正手段と、前記周波数変動に伴う前記電流バンドパスフィルタの出力の位相変化を補正する電流フィルタ補正手段とを備えた系統連系インバータである。
【0007】
これにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、高周波ノイズおよび高調波ノイズの影響を除去したゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とを得ることができ、分断について精度よく判断することができる。また、電圧バンドパスフィルタと電流バンドパスフィルタの周波数変化に伴う位相変化の影響を除去し、精度のよいゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とを得ることができ、分断時においてインバータ手段の周波数に変化があっても精度よく判断することができる。
【0014】
請求項2に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZVP作成手段に出力する電圧バンドパスフィルタと、前記電流検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZCP作成手段に出力する電流バンドパスフィルタと、50Hz用の50Hz電圧バンドパスフィルタおよび50Hz電流バンドパスフィルタと、60Hz用の60Hz電圧バンドパスフィルタおよび60Hz電流バンドパスフィルタと、系統の周波数に対応して50Hz用と60Hz用とを切り換える切り換え手段とを備えた系統連系インバータである。
【0015】
これにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、高周波ノイズおよび高調波ノイズの影響を除去したゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とを得ることができ、分断について精度よく判断することができる。また、系統の基本の周波数が違っても切り換えて運用することができる。
【0016】
請求項3に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記遅延手段が前記参照波形の位相をずらして出力したとき、ゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化が所定範囲を超えたときに再度、前記変動超過信号を前記遅延手段に出力するカウンタ手段を備えた系統連系インバータである。
【0017】
これにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、分断について検出精度を高めるとともに、検出速度を速めることができる。
【0020】
請求項4に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記比較手段が検出した位相差の変化が、周波数低下方向か周波数上昇方向かに対応して、前記遅延手段により前記参照波形の位相を前進させるか後退させるかを決める正負決定手段を備えた系統連系インバータである。
【0021】
これにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、分断時の周波数変化に対応して参照波形をずらせる方向を変えるので、分断の検出範囲を広くすることができる。
【0022】
請求項5に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記比較手段が最初にゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化の大きさを判別する所定範囲と、その所定範囲を超えて前記遅延手段が前記参照波形の位相をずらして出力したときの位相差の変化の大きさを判別する所定範囲とをそれぞれ個別に設定できるようにした系統連系インバータである。
【0023】
これにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、検出レベルと検出時間の設定に自由度を設けることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
請求項1に係わる本発明において、電圧検出手段は、出力電圧を検出する手段であり、たとえばトランスで実現される。ZVP作成手段は、出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を出力する手段であり、たとえば検出した出力電圧のゼロボルトごとにゼロボルトパルスを出力するように構成できる。電流検出手段は、出力電流を検出する手段であり、たとえばカレントトランスで実現される。ZCP作成手段は、出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を出力する手段であり、たとえば検出した出力電流のゼロアンペアごとにゼロアンペアパルスを出力するように構成できる。
【0025】
比較手段は、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えたときには変動超過信号を遅延手段に出力する手段である。系統との分断が発生した場合には、分断の前後で前記位相差に変化が現れるが、これを上記の比較で検出し、その変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力するように機能する。遅延手段は、参照波形生成が出力電圧のゼロボルト位相位置を基準に生成した参照波形を入力し、前記変動超過信号を入力した場合に位相を前、または後ろにずらして出力する手段であり、出力電流の位相をずらせるように機能する。
【0027】
また、電圧バンドパスフィルタは、電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波ノイズおよび高調波ノイズを除去する。また、電流バンドパスフィルタは、電流検出手段が検出した出力電流における高周波ノイズおよび高調波ノイズを除去する。なお、これらはアナログフィルタ、またはデジタルフィルタのいずれであってもよい。
【0028】
また、電圧フィルタ補正手段は、電圧バンドパスフィルタの周波数変動に伴う位相変化を補正する手段である。電圧バンドパスフィルタの中心周波数を系統の周波数とすると、正常時には電圧バンドパスフィルタによる位相ずれはゼロと考えてよいが、分断時に周波数が変動すると、それに伴って位相がずれる。これによりゼロボルト信号の位相がずれる。電圧フィルタ補正手段はこの位相ずれを補正するように機能する。電流フィルタ補正手段についても同様である。なお、電圧電流の位相差を対象とする場合、位相ずれ特性を合わせるのも1つの手段である。
【0029】
請求項2に係わる本発明において、50Hz用と60Hz用は、それぞれ50Hzの系統と60Hzの系統に適合した電圧バンドパスフィルタと電圧バンドパスフィルタである。それぞれの機能については請求項3に係わるものと同じである。切り換え手段は、50Hz用と60Hz用とを切り換える手段であり、その構成については限定しない。
【0030】
請求項3に係わる本発明において、カウンタ手段は、遅延手段が参照波形の位相をずらして出力したとき、出力前と出力後の電圧電流の位相差の変化が所定範囲を超える場合には、再度、変動超過信号を遅延手段に出力する手段である。最初に参照波形の位相をずらして出力したときの周波数変化に伴う位相差変化が小さい場合でも、その位相差の変化が所定範囲を超えれば、再度、参照波形をずらして出力することにより、分断の検出精度や検出速度を速めるように作用する。
【0032】
請求項4に係わる本発明において、正負決定手段は、比較手段が検出した電圧電流の位相差の変化がインバータ手段の周波数の増加方向か減少方向かにより、遅延手段で参照波形をずらせる方向を決める手段であり、分断の検出範囲を選択可能にするように機能する。たとえば、比較手段はゼロボルト位置信号の時間間隔から周波数の変化方向を検出できるから、変動超過信号に正負の区別を設けて出力でき、正負決定手段は、その正負に対応して決定することが可能である。
【0033】
請求項4に係わる本発明において、最初の判定に係わる所定範囲は分断時の比較的小さい位相差の変化に対応しており、主として検出レベルに係わる。一方、参照波形の位相をずらして出力したときの位相差の変化に係わる所定範囲は比較的大きい位相差の変化に対応しており、主として検出時間に係わる。実施例では最初に位相差の変化を検出する初期変動比較手段と、参照波形の位相をずらして出力したときの位相差の変化を検出する積算変動比較手段とを別に設け、それぞれが独立に所定範囲を設定している構成とし、また、前記初期変動比較手段と前記積算変動比較手段のいずれが位相差の変化を検出するかを指示する初期変動・積算変動指示手段を備えた構成としている。ただし、これに限定されるものではない。
【0034】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0035】
【実施例】
(参考例1)
以下、系統連系インバータの参考例1について図面を参照しながら説明する。
【0036】
図1は本参考例の構成を示すブロック図である。なお、従来例と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。図1において、系統連系インバータ1は、インバータ手段6、参照波形生成手段7、電圧検出手段8、ZVP作成手段9、電流検出手段10、ZCP作成手段11、比較手段12、遅延手段13、および解列器14から構成されている。
【0037】
上記構成における動作について説明する。なお、直流電源2は電源電圧100V、系統3は系統電圧100V、周波数60Hzとして説明する。インバータ手段6は、参照波形生成手段7から出力される参照波形に基づいて出力電流波形を生成し、系統3に電力を供給する。電圧検出手段8は、トランスなどで形成され、インバータ手段6の出力、すなわち系統連系インバータ1の出力電圧波形を取り込む。ZVP作成手段9は、前記出力電圧波形の情報を基にゼロボルト位置信号を作成して参照波形生成手段7に出力する。参照波形生成手段7は、前記ゼロボルト位置信号が与えるゼロボルト位置を出力電流のゼロアンペア位置として出力電流の参照波形を生成する。正常運転時では参照波形生成手段7が出力する周波数は系統3の周波数の60Hzであり、電圧検出手段8が検出する周波数も60Hzである。
【0038】
いま、開閉器5の開放や系統連系インバータ1と系統3との間の線路の断線などで、系統連系インバータ1が系統3と分断されると、電圧検出手段8が検出する周波数は、負荷4などのインピーダンスで決まる周波数に変動する。ここでは変動後の周波数を61Hzとする。このとき、ZVP作成手段9が出力するゼロボルト位置信号のパルス間隔も1/120の8.3μsから1/122の8.2μsに変化し、これにより、上記周波数の変動を検出するとともに、つぎの半周期の参照波形に反映させる。
【0039】
一方、ZCP作成手段11は、カレントトランスなどで構成した電流検出手段10の出力から出力電流のゼロアンペア位置信号を作成するが、このときの出力電流は周波数変動が反映される前時点の参照波形で制御されたものであるから、ゼロアンペア位置信号のパルス間隔は60Hzに対する1/120の8.3μsのままである。
【0040】
比較手段12は、このZVP作成手段9が検出したゼロボルト位置信号とZCP作成手段11が検出したゼロアンペア位置信号との差、すなわち位相差を入力し、所定範囲を超える位相差を検出すると遅延手段13に変動超過信号を出力する。遅延手段13は、前記変動超過信号に対応して、参照波形生成手段7から入力した参照波形の位相を前または後ろにずらしてインバータ手段6に出力する。これにより、インバータ手段6の出力はさらに周波数が変動し、ゼロボルト位相とゼロアンペア位相との位相差が拡大されて系統3から分断されたことを精度よく検出でき、たとえば、ZCP作成手段11によりゼロアンペア位置信号のパルス間隔が正常時より大きくずれたことから解列器14によりインバータ手段6の出力を開放することができ、また、インバータ手段6の動作を停止させることもできる。
【0041】
以上のように本参考例によれば、出力電圧の僅かな周波数変化を基に出力電流の周波数を大きく変化させることにより、系統3から分断されたことを精度よく検出でき、安全に対処できる系統連系インバータを提供することができる。
【0042】
(参考例2)
以下、系統連系インバータの参考例2について図面を参照しながら説明する。
【0043】
図2は本参考例の構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本参考例が参考例1と異なる点は、リセット手段15を備え、系統3の周波数の自然変動については参照波形のずらし処理を無効とすることにある。
【0044】
上記構成における動作について説明する。系統3と分断されたとき、ZVP作成手段9は、電圧検出手段8の出力からゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を生成し、ZCP作成手段11は電流検出手段10の出力からゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成する。このとき、比較手段12はゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差を現時点と前時点とで比較し、位相差の変化が所定範囲を超えたことを検出すると遅延手段13に変動超過信号を出力する。遅延手段13は変動超過信号に対応して参照波形生成手段7から入力した参照波形の位相を前、または後ろにずらしてインバータ手段6に出力する。以上の動作は参考例1と同じである。
【0045】
このとき、ゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差が変化しなかったときは、系統3とは分断されておらず、系統3の周波数の自然変動であるとして参照波形の位相の前出し、または後出しを解除して元に戻す。これにより系統3の周波数の自然変動のときの、系統と分断したとの誤認識をしない系統連系インバータとなる。
【0046】
以上のように本参考例によれば、系統3の周波数の自然変動に対しては分断と誤認識しないようにすることができる。
【0047】
(参考例3)
以下、系統連系インバータの参考例3について図面を参照しながら説明する。
【0048】
図3は本参考例の構成を示すブロック図である。なお、図1ないし図2と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本参考例が参考例1と異なる点は、電圧バンドパスフィルタ16と電流バンドパスフィルタ17とを備えたことにある。
【0049】
上記構成における動作について説明する。電圧バンドパスフィルタ16は、電圧検出手段8の検出精度を高め、高周波ノイズや高調波ノイズなどの系統周波数近辺以外の周波数成分を除去する。したがって、ZVP作成手段9は確実なゼロボルト位置信号を生成することができる。また、電流バンドパスフィルタ17は、電流検出手段10の検出精度を高め、高周波ノイズや高調波ノイズなどの系統周波数近辺以外の周波数成分を除去する。したがって、ZCP作成手段11は確実なゼロアンペア位置信号を生成することができる。これにより、系統3からの分断をさらに精度よく検出できる系統連系インバータを構成することができる。
【0050】
以上のように本参考例によれば、電圧バンドパスフィルタ16と電流バンドパスフィルタ17により、それぞれ検出した出力電圧と出力電流における高周波および高調波のノイズを除去し、精度よくゼロボルト位置およびゼロアンペア位置を検出することができ、分断に対する認識の精度を高めた系統連系インバータを構成することができる。
【0051】
(実施例1)
以下、本発明の系統連系インバータの実施例1について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項1に係わる。
【0052】
図4は本実施例の構成を示すブロック図である。なお図1ないし図3と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が参考例3と異なる点は、電圧フィルタ補正手段18と電流フィルタ補正手段19とを備えたことにある。
【0053】
上記構成における動作について説明する。電圧バンドパスフィルタ16は、周波数がずれることにより位相が回転し、本来の位相をZVP作成手段9に出力できないことがある。これを解決するために電圧フィルタ補正手段18は、ZVP作成手段9が出力したゼロボルト位置信号の位相をずらすことなどにより電圧バンドパスフィルタ16の位相ずれを補正する。これにより、周波数の検出精度が向上する。また、電流バンドパスフィルタ17は、周波数がずれることにより位相が回転して本来の位相をZCP作成手段11に出力できないことがある。これを解決するために電流フィルタ補正手段19は、ZCP作成手段11が出力したゼロアンペア位置信号の位相をずらすことなどにより電流バンドパスフィルタ17の位相ずれを補正する。これにより周波数の検出精度が向上し、しかも遅延手段13の動作と相まって検出速度の安定した系統連系インバータとなる。
【0054】
以上のように本実施例によれば、電圧バンドパスフィルタ16と電流バンドパスフィルタ17の周波数に対する位相ずれを、それぞれ電圧フィルタ補正手段18と電流フィルタ補正手段19で補正することにより、分断により周波数が変動しても精度のよいゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号を生成することができ、分断について精度よく判断することができる。
【0055】
(実施例2)
以下、本発明の系統連系インバータの実施例2について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項2に係わる。
【0056】
図5は本実施例の構成を示すブロック図である。なお、図1ないし図4と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が参考例3と異なる点は、電圧検出手段8に対して50Hz電圧バンドパスフィルタ20と60Hz電圧バンドパスフィルタ21とを備えるとともに、電流検出手段10に対して50Hz電流バンドパスフィルタ22と60Hz電流バンドパスフィルタ23とを備え、さらにそれらを切り換える切り換え手段24を備えたことにある。
【0057】
上記構成における動作について説明する。50Hz電圧バンドパスフィルタ20と60Hz電圧バンドパスフィルタ21を50Hzと60Hzとに対応して切り換え手段24により切り換え、50Hz電流バンドパスフィルタ22と60Hz電流バンドパスフィルタ23を50Hzと60Hzとに対応して切り換え手段24に切り換える。これにより、50Hzと60Hzとの周波数の違いによる位相ずれをなくすることができる。なお、これらが高周波ノイズおよび高調波ノイズに対して有効な手段であることは参考例3と同じである。
【0058】
以上のように本実施例によれば、50Hzと60Hzとに対応してそれぞれ個別の電圧バンドパスフィルタと電流バンドパスフィルタとを設けたことにより、系統3の基本の周波数の違いに対応して切り換えて運転し、それぞれの周波数において、精度のよいゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とにより、分断について精度よく判断することができる。
【0059】
(実施例3)
以下、本発明の系統連系インバータの実施例3について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項3に係わる。
【0060】
図6は本実施例の構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が参考例1と異なる点は、カウンタ手段25を備えたことにある。
【0061】
上記構成における動作について説明する。カウンタ手段25は、遅延手段13が参照波形生成手段7の参照波形の位相をずらして出力したとき、インバータ手段6の出力電圧のゼロボルト位置信号と出力電流のゼロアンペア位置信号との位相差と、ずらす前の位相差との差が所定範囲を超えたとき、比較手段12は再度、変動超過信号を出し、これを入力した遅延手段13は、参照波形生成手段7の参照波形の位相を、再度、ずらして出力する。
【0062】
これにより、インバータ手段6の出力電圧のゼロボルト位置信号と出力電流のゼロアンペア位置信号との位相差の変化を検出して所定範囲を超えれば参照波形をずらして出力し、これにより変化したインバータ手段6の出力電流の周波数の変化に伴う位相差の変化を、再度、検出し、所定範囲を超えれば、再度、参照波形の位相をずらして出力し、また位相差の変化を検出すると言う処理を続けることにより、分断の検出精度を高め、速度も高めた系統連系インバータとなる。
【0063】
以上のように本実施例によれば、参照波形の位相をずらして出力する処理を重ねることにより、検出精度を高めるとともに検出速度を高めることができる。
【0064】
(参考例4)
以下、系統連系インバータの参考例4について図面を参照しながら説明する。
【0065】
図7は本参考例の構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本参考例が参考例1と異なる点は、タイマ手段26を備えたことにある。
【0066】
上記構成における動作について説明する。タイマ手段26は、インバータ手段6のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化を観測するまでの時間、すなわち、比較手段12の検出時間を任意の時間に設定することにより、インバータ停止までの時間を任意のものとすることができ、市場の要望、技術基準、ガイドラインなどに対応できる系統連系インバータとなる。
【0067】
以上のように本参考例によれば、参照波形の位相をずらして出力したのち、そのずらしに対する位相差の変化を観測するまでの時間を任意に設定できるので、分断後にインバータ手段6を停止させたり開放したりする時間を任意に設定でき、市場の要望や技術基準などに容易に対応することができる。
【0068】
(実施例4)
以下、本発明の系統連系インバータの実施例4について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項4に係わる。
【0069】
図8は本実施例の構成を示すブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が参考例1と異なる点は、正負決定手段27を備えたことにある。
【0070】
上記構成における動作について説明する。正負決定手段27は、比較手段12が出力する変動超過信号がゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差が増加したのか、位相差が減少したのかを判別し、たとえば、位相差が増加した場合には遅延手段13に参照波形の位相を進めるように指示し、また、位相差が減少した場合には参照波形の位相を遅らせるように指令を出力する。これにより、系統3との分断の検出範囲を広くすることができる系統連系インバータとなる。
【0071】
以上にように本実施例によれば、位相差の変化が増加方向か減少方向かに対応して参照波形の位相をずらす方向を変えることにより、分断の検出範囲を広くすることができる。
【0072】
(実施例5)
以下、本発明の系統連系インバータの実施例5について図面を参照しながら説明する。本実施例は請求項5に係わる。
【0073】
図9は本実施例の構成を示すブロック図である。なお、図1ないし図8と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が参考例1と異なる点は、初期変動比較手段28、積算変動比較手段29、および初期変動・積算変動指示手段30とを備えたことにある。
【0074】
上記構成における動作について説明する。初期変動比較手段28は、系統3との分断前のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差と、分断後の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲、たとえば第1の所定範囲を超える周波数変動があったとき、遅延手段13に参照波形の位相をずらすことを指示する。遅延手段13により参照波形生成手段7の参照波形の位相をずらして出力したとき、インバータ手段6の出力電圧のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差と、ずらす前の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲、たとえば第2の所定範囲を超えたとき、積算変動比較手段29は、遅延手段13に参照波形の位相をずらすように指示する。この指示に対応して遅延手段13は参照波形生成手段7の参照波形の位相を、再度、ずらして出力する。
【0075】
初期変動・積算変動指示手段30は、初期変動比較手段28と積算変動比較手段29のいずれにより位相差の変動を検出するのかを指示する。これにより、参照波形の位相をずらして出力する前に位相差の変化の大きさを判別する所定範囲と、ずらして出力した後に位相差の変化の大きさを判別する所定範囲とを個別に設定することができ、検出レベルと検出時間の設定に自由度を持たせた系統連系インバータとすることができる。
【0076】
以上のように本実施例によれば、初期変動比較手段28と積算変動比較手段29とにより、分断時の周波数変動に伴う位相差の変化の大きさの判別と、参照波形の位相をずらして出力したことに対する周波数変動に伴う位相差の変化の大きさの判別とをそれぞれ別の基準で判断できるようにしたことにより、検出レベルと検出時間とを個別に設定できる自由度をもたせることができる。
【0077】
【発明の効果】
請求項1に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZVP作成手段に出力する電圧バンドパスフィルタと、前記電流検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZCP作成手段に出力する電流バンドパスフィルタと、前記インバータ手段の出力電圧および出力電流の周波数が変動したとき、前記周波数変動に伴う前記電圧バンドパスフィルタの出力の位相変化を補正する電圧フィルタ補正手段と、前記周波数変動に伴う前記電流バンドパスフィルタの出力の位相変化を補正する電流フィルタ補正手段とを備えた系統連系インバータとすることにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、高周波ノイズおよび高調波ノイズの影響を除去したゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とを得ることができ、分断について精度よく判断することができる。また、電圧バンドパスフィルタと電流バンドパスフィルタの周波数変化に伴う位相変化の影響を除去し、精度のよいゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とを得ることができ、分断時においてインバータ手段の周波数に変化があっても精度よく判断することができる。
【0081】
請求項2に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZVP作成手段に出力する電圧バンドパスフィルタと、前記電流検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZCP作成手段に出力する電流バンドパスフィルタと、50Hz用の50Hz電圧バンドパスフィルタおよび50Hz電流バンドパスフィルタと、60Hz用の60Hz電圧バンドパスフィルタおよび60Hz電流バンドパスフィルタと、系統の周波数に対応して50Hz用と60Hz用とを切り換える切り換え手段とを備えた系統連系インバータとすることにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、高周波ノイズおよび高調波ノイズの影響を除去したゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号とを得ることができ、分断について精度よく判断することができる。また、系統の基本の周波数が違っても切り換えて運用することができる。
【0082】
請求項3に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記遅延手段が前記参照波形の位相をずらして出力したとき、ゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化が所定範囲を超えたときに再度、前記変動超過信号を前記遅延手段に出力するカウンタ手段を備えた系統連系インバータとすることにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、分断について検出精度を高めるとともに、検出速度を速めることができる。
【0084】
請求項4に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記比較手段が検出した位相差の変化が、周波数低下方向か周波数上昇方向かに対応して、前記遅延手段により前記参照波形の位相を前進させるか後退させるかを決める正負決定手段を備えた系統連系インバータとすることにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、分断時の周波数変化に対応して参照波形をずらせる方向を変えるので、分断の検出範囲を広くすることができる。
【0085】
請求項5に係わる本発明は、参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記比較手段が最初にゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化の大きさを判別する所定範囲と、その所定範囲を超えて前記遅延手段が前記参照波形の位相をずらして出力したときの位相差の変化の大きさを判別する所定範囲とをそれぞれ個別に設定できるようにした系統連系インバータとすることにより、出力電圧の僅かな周波数変化に対して、前後の時点の電圧電流の位相差の比較で分断を精度よく検出し、安全な系統連系インバータを実現することができる。また、検出レベルと検出時間の設定に自由度を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 系統連系インバータの参考例1の構成を示すブロック図
【図2】 系統連系インバータの参考例2の構成を示すブロック図
【図3】 系統連系インバータの参考例3の構成を示すブロック図
【図4】 本発明の系統連系インバータの実施例1の構成を示すブロック図
【図5】 本発明の系統連系インバータの実施例2の構成を示すブロック図
【図6】 本発明の系統連系インバータの実施例3の構成を示すブロック図
【図7】 系統連系インバータの参考例4の構成を示すブロック図
【図8】 本発明の系統連系インバータの実施例4の構成を示すブロック図
【図9】 本発明の系統連系インバータの実施例5の構成を示すブロック図
【図10】 従来の系統連系インバータの一例の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 系統連系インバータ
2 直流電源
3 系統
4 負荷
5 開閉器
6 インバータ手段
7 参照波形生成手段
8 電圧検出手段
9 ZVP作成手段
10 電流検出手段
11 ZCP作成手段
12 比較手段
13 遅延手段
14 解列器
15 リセット手段
16 電圧バンドパスフィルタ
17 電流バンドパスフィルタ
18 電圧フィルタ補正手段
19 電流フィルタ補正手段
20 50Hz電圧バンドパスフィルタ
21 60Hz電圧バンドパスフィルタ
22 50Hz電流バンドパスフィルタ
23 60Hz電流バンドパスフィルタ
24 切り換え手段
25 カウンタ手段
26 タイマ手段
27 正負決定手段
28 初期変動比較手段
29 積算変動比較手段
30 初期変動・積算変動指示手段
Claims (5)
- 参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZVP作成手段に出力する電圧バンドパスフィルタと、前記電流検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZCP作成手段に出力する電流バンドパスフィルタと、前記インバータ手段の出力電圧および出力電流の周波数が変動したとき、前記周波数変動に伴う前記電圧バンドパスフィルタの出力の位相変化を補正する電圧フィルタ補正手段と、前記周波数変動に伴う前記電流バンドパスフィルタの出力の位相変化を補正する電流フィルタ補正手段とを備えた系統連系インバータ。
- 参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記電圧検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZVP作成手段に出力する電圧バンドパスフィルタと、前記電流検出手段が検出した出力電圧における高周波成分および高調波成分を除去して前記ZCP作成手段に出力する電流バンドパスフィルタと、50Hz用の50Hz電圧バンドパスフィルタおよび50Hz電流バンドパスフィルタと、60Hz用の60Hz電圧バンドパスフィルタおよび60Hz電流バンドパスフィルタと、系統の周波数に対応して50Hz用と60Hz用とを切り換える切り換え手段とを備えた系統連系インバータ。
- 参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記遅延手段が前記参照波形の位相をずらして出力したとき、ゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化が所定範囲を超えたときに再度、前記変動超過信号を前記遅延手段に出力するカウンタ手段を備えた系統連系インバータ。
- 参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト 位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記比較手段が検出した位相差の変化が、周波数低下方向か周波数上昇方向かに対応して、前記遅延手段により前記参照波形の位相を前進させるか後退させるかを決める正負決定手段を備えた系統連系インバータ。
- 参照波形を基に直流電源から交流電源を作成して系統に出力するインバータ手段と、前記インバータ手段の出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記出力電圧のゼロボルト位置を示すゼロボルト位置信号を作成して出力するZVP作成手段と、前記インバータ手段の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流のゼロアンペア位置を示すゼロアンペア位置信号を作成して出力するZCP作成手段と、直前時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差と現時点のゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号の位相差とを比較し、位相差の変化が所定範囲を超えた場合に変動超過信号を出力する比較手段と、前記変動超過信号に対応して前記参照波形の位相を前または後ろのいずれかにずらして出力する遅延手段と、前記比較手段が最初にゼロボルト位置信号とゼロアンペア位置信号との位相差の変化の大きさを判別する所定範囲と、その所定範囲を超えて前記遅延手段が前記参照波形の位相をずらして出力したときの位相差の変化の大きさを判別する所定範囲とをそれぞれ個別に設定できるようにした系統連系インバータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31872098A JP4265010B2 (ja) | 1998-11-10 | 1998-11-10 | 系統連系インバータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31872098A JP4265010B2 (ja) | 1998-11-10 | 1998-11-10 | 系統連系インバータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000152648A JP2000152648A (ja) | 2000-05-30 |
JP4265010B2 true JP4265010B2 (ja) | 2009-05-20 |
Family
ID=18102221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31872098A Expired - Fee Related JP4265010B2 (ja) | 1998-11-10 | 1998-11-10 | 系統連系インバータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4265010B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6356416B2 (ja) * | 2013-12-19 | 2018-07-11 | 株式会社ダイヘン | インバータ回路の制御回路、この制御回路を備えたインバータ装置、このインバータ装置を備えた誘導加熱装置、および、制御方法 |
-
1998
- 1998-11-10 JP JP31872098A patent/JP4265010B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000152648A (ja) | 2000-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4265010B2 (ja) | 系統連系インバータ | |
JP4037380B2 (ja) | 電圧補償装置 | |
WO2014050063A1 (ja) | 電圧制御装置およびその制御方法 | |
EP0301904A2 (en) | Circuit for automatic paralleling of ac power sources | |
JP2000014163A (ja) | 過電流保護機能付分散型電源装置 | |
CN111521928A (zh) | 一种三相逆变器的并网开关失效检测方法和系统 | |
JP3441634B2 (ja) | 発電電動機の制御装置及びこれを用いた発電システム | |
JP2712418B2 (ja) | パルス幅変調形インバータ装置 | |
JP4110643B2 (ja) | 系統連系インバータ | |
JP4618222B2 (ja) | 系統連系インバータ装置 | |
JP2000236671A (ja) | 系統連系発電装置 | |
JPH1132483A (ja) | サイリスタコンバータの位相制御装置 | |
JP2645162B2 (ja) | 分散配置型電源用逆圧検出回路 | |
JP3533516B2 (ja) | 直列補償装置と電力系統の直列補償システム | |
EP1482490A2 (en) | Actuator driving apparatus | |
JP2002027757A (ja) | 電源位相検出回路 | |
JP2000193686A (ja) | 交流電圧の異常を検出する電圧検出方法 | |
JP4443792B2 (ja) | 自家用発電設備の単独運転検出装置 | |
JP3060400B2 (ja) | インバータ監視装置 | |
JP5099873B2 (ja) | インバータ電流制限制御 | |
CN117678154A (zh) | 相位同步控制电路以及使用该相位同步控制电路的电力转换装置 | |
JP2000324700A (ja) | 系統連系型インバータの単独運転検出装置、および系統連系型インバータの単独運転検出方法 | |
JP3533515B2 (ja) | 直列補償装置とスイッチング素子制御装置 | |
JP2000059999A (ja) | 系統連系インバータ | |
JPH07123725A (ja) | インバータ装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050725 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050816 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080718 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080805 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080922 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090127 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090209 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |