JP3060400B2 - インバータ監視装置 - Google Patents

インバータ監視装置

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JP3060400B2
JP3060400B2 JP7050338A JP5033895A JP3060400B2 JP 3060400 B2 JP3060400 B2 JP 3060400B2 JP 7050338 A JP7050338 A JP 7050338A JP 5033895 A JP5033895 A JP 5033895A JP 3060400 B2 JP3060400 B2 JP 3060400B2
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克美 木部
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東洋電産株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はインバータからの半波
出力を防止するインバータ監視装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インバータは出力電圧が所定電圧
以下、例えば90V以下になったとき、半波出力による
電圧低下をも含めて異常と判定し出力を遮断するように
しているが、起動時には所定電圧以下であっても出力し
ている。なお、半波出力とは、インバータからの交流出
力のうち正極波形または負極波形のいずれかが出力され
ない状態をいうものとする。一方、起動時にインバータ
の出力が所定電圧以下であるのは、正常な起動の場合
と、半波出力による電圧低下の場合とがあり、その双方
の場合とも起動時には出力される。インバータからの出
力波形を図4〜図6に示す。図4は正常時の波形を、図
5は通常の抵抗負荷接続時に半波出力が発生したときの
波形を、また図6は誘導負荷接続時に半波出力が発生し
たときの波形をそれぞれ示している。これらの図から分
かるように、半波出力が発生したとき、通常の抵抗負荷
接続時にはそのままの半波波形で出力されるが、インバ
ータに誘導負荷を持つモータやトランスを接続したとき
は、その誘導負荷によってインバータからの半波出力に
起因する逆起電圧が発生する。ところで、出願人は先の
出願(特願平5−120438)において、上記の図5
に示すような半波出力を検出し、このような半波出力が
あるときはインバータが異常であると判定しインバータ
の出力を停止するインバータ制御装置を提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のインバ
ータ制御装置では、波形の有無だけで半波出力の検出を
行うので、図6に示すような逆起電圧が存在しても、図
4の場合と同様な正常な波形であると判定してしまう可
能性があり、半波出力が発生していてもそのまま出力さ
れてしまい、その結果誘導負荷に相当大きな短絡電流が
半波毎に流れて巻線を焼損する場合があった。
【0004】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
インバータに誘導負荷を接続しているときでも半波出力
および逆起電圧を異常として検出し、負荷への電源供給
を停止することができるインバータ監視装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のインバータ監視装置は、インバータより
出力される交流出力電圧を検出する出力検出手段と、上
記出力検出手段が検出した交流出力電圧が正常のときは
その交流出力電圧波形の半波の時間幅に相応した時間幅
を持つパルスを出力し、半波出力のときはパルスを出力
せず、半波出力に起因して逆起電圧となるときはその逆
起電圧波形の時間幅に相応した時間幅を持つパルスを出
力し、パルスが出力されたときは、逆起電圧波形の時間
幅に相応した時間幅より長くなるように設定したその設
定時間幅より長い部分を正常判定パルス信号として出力
する出力判定手段と、上記出力判定手段から正常判定パ
ルス信号が出力されていないとき、異常と判定し異常判
定信号を出力する出力異常判定手段とを備え、上記異常
判定信号が出力されたとき、インバータと負荷を接続す
る電源線を接地させ擬似的に漏電状態を成立させること
、インバータに設けられた漏電遮断器を動作させ、
ンバータ本体の出力を遮断するようにした。
【0006】
【作用】上述したように、この発明のインバータ監視装
置によれば、インバータより出力される交流出力が半波
出力に起因する逆起電圧となるときは、その逆起電圧
形の時間幅に相応した時間幅を持つパルスを出力し、一
方で逆起電圧波形の時間幅に相応した時間幅より長くな
るように設定したその設定時間幅より長い部分を正常判
定パルス信号として出力する。半波出力が発生したとき
だけでなく、誘導負荷(モータ負荷)によって半波出力
に起因する逆起電圧が発生したときも、正常判定パルス
信号は出力されないので、その状態を異常として的確に
判別することができる。
【0007】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1はこの発明のインバータ監視装置の
全体構成を示すブロック図である。図において、インバ
ータ1のインバータ本体11は、出願人が既に商品化し
た車両用発電装置に使用してあり、ここでは図示されて
いない発電機より供給される三相交流を一旦直流に整流
した後所定周波数の交流出力に変換する。このインバー
タ本体11は2本の電源線11a,11bを介して負荷
2に接続してあり、インバータ監視装置3は、この2本
の電源線11a,11bから交流出力を受け取る。
【0008】インバータ監視装置3は、インバータ1か
ら交流出力を受けてその正常、異常を監視する装置であ
り、インバータ1より出力される交流出力電圧を検出す
る出力検出手段4と、出力検出手段4が検出した交流出
電圧が正常のときと半波出力およびその半波出力に起
因して逆起電圧となる異常のときとでは互いに異なる判
別信号を出力する出力判定手段5と、出力判定手段5か
らの判別信号に基づいて交流出力の正常・異常を判定
し、異常と判定したとき異常判定信号を出力する出力異
常判定手段6と、を備えている。上記の異常判定信号
出力されたとき、後述するように、インバータ1と負荷
2を接続する電源線11a,11bを接地させ擬似的に
漏電状態を成立させることで、インバータ1に設けられ
た漏電遮断器を動作させ、インバータ本体11の出力を
遮断するようにした
【0009】図2は上記インバータ監視装置3を電子回
路として組んだ場合の一具体例を示す概略回路図であ
る。図において、インバータ監視装置3の出力検出手段
4は、インバータ本体11の一方の出力端子Aでの出力
波形を検出する第1出力検出回路4aと、他方の出力端
子Bでの出力波形を検出する第2出力検出回路4bとか
ら構成される。
【0010】出力端子Aにプラス電圧が印加されると、
そのプラス電圧は直列接続のダイオード41a、抵抗4
2aおよびフォトカプラ43aに印加してフォトカプラ
43aをONする。フォトカプラ43aがONすると、
フォトカプラ43aから引き出した出力信号線上のポイ
ントP1が制御電圧発生回路7からの供給電圧5Vを受
けてほぼ5Vとなる。次に、出力端子Aが0Vまたはマ
イナス電圧になると、フォトカプラ43aはOFFする
ので、ポイントP1は0Vとなり、ポイントP1には、
図3に示すように、交流出力の周波数に応じたパルスが
発生する。
【0011】出力端子Bにプラス電圧が印加されると、
そのプラス電圧は、上記の場合と同様に、直列接続のダ
イオード41b、抵抗42bおよびフォトカプラ43b
に印加してフォトカプラ43bをONする。フォトカプ
ラ43bがONすると、フォトカプラ43bから引き出
した出力信号線上のポイントP2がほぼ5Vとなる。次
に、出力端子Bが0Vまたはマイナス電圧になると、フ
ォトカプラ43bはOFFするので、ポイントP2は0
Vとなり、ポイントP2には、交流出力の周波数に応じ
たポイントP1とは180°位相のずれたパルスが発生
する(図3)。
【0012】上記出力検出手段4の後段に設けた出力判
定手段5は、第1出力検出回路4aの出力信号を受けて
所定の処理を行う第1出力判定回路5aと、第2出力検
出回路4bの出力信号を受けて所定の処理を行う第2出
力判定回路5bとから構成される。
【0013】第1出力判定回路5aは、単安定マルチバ
イブレータ52aとその単安定マルチバイブレータ52
aの出力側に設けたNAND回路53aとで構成され
る。なお、単安定マルチバイブレータ52aの出力信号
を単安定マルチバイブレータ52aから引き出した出力
信号線上のポイントP3で検出し、またNAND回路5
3aの出力信号をNAND回路53aから引き出した出
力信号線上のポイントP5で検出して、それぞれ図3に
示している。
【0014】単安定マルチバイブレータ52aの第1出
力検出回路4aの出力信号(ポイントP1の信号)が単
安定マルチバイブレータ52aの立ち上がり入力端子に
入ってハイレベルになると、単安定マルチバイブレータ
52aからは、図3に示すようにローレベルの信号が出
力され、そのローレベルの出力信号は、単安定マルチバ
イブレータ52aに接続して設けた時定数設定回路51
aに固有の時定数、例えば5msecの経過後にハイレ
ベルに復帰するようになる。5msecの時定数は、出
願人が既に商品化車両用発電装置を使って実験により確
認した誘導負荷に発生する逆起電圧の時間幅を参考にし
て設定したものであり、時定数設定回路51aの抵抗5
4aとコンデンサ55aとで規定される。このように、
単安定マルチバイブレータ52aの出力信号は、第1出
力検出回路4aの出力信号の立ち上がりに同期して立ち
下がるとともに、時定数に相当する時間幅、ここでは5
msecの幅を持ったパルス信号となる。
【0015】そして、このパルス信号(ポイントP3の
信号)が、第1出力検出回路4aの出力信号(ポイント
P1の信号)とともに、NAND回路53aに入力され
ると、そのNAND回路53aからは、図3でポイント
P5の信号として示すように、ポイントP1の信号のハ
イレベルとなっている時間が上記の時定数(5mse
c)より長い部分がパルス信号となって出力される。例
えば、インバータ1からの交流出力が、デューティー比
70%の50Hz波形であるとき、ポイントP1の信号
のハイレベルとなっている時間は7msec(1000
msec/50/2*0.7)であるので、2msec
の時間幅だけローレベルとなるパルス信号が出力され
る。
【0016】第2出力判定回路5bは、上記の第1出力
判定回路5aとその構成および作用が略同じなので、こ
こでは各構成要素に付した符号のaをbに変えるだけに
留め、その説明を省略する。なお、単安定マルチバイブ
レータ52bの出力信号を単安定マルチバイブレータ5
2bから引き出した出力信号線上のポイントP4で検出
し、またNAND回路53bの出力信号をNAND回路
53bから引き出した出力信号線上のポイントP6で検
出することとし、それぞれ図3に示す。
【0017】ここで、インバータ1の交流出力に、図3
に示すような、半波出力V1および負荷2が誘導負荷で
あるときその半波出力V1に起因する逆起電圧V2が発
生した場合を想定すると、半波出力V1に対応してポイ
ントP2,P4,P6にはパルスは発生しなくなる。一
方、逆起電圧V2に対応してポイントP2では逆起電圧
V2の幅に相応した時間幅T0を持つパルスPxが発生
し、またポイントP4ではそのパルスPxの立ち上がり
に同期して立ち下がるとともに時定数5msecの幅を
持ったパルス信号Pyが発生する。なお、時定数設定回
路51a,51bではパルスPxの時間幅T0より長く
なるようにその時定数を設定してある。その結果、ポイ
ントP6では、時間幅T0が時定数より短くなるためパ
ルス信号は発生せず、半波出力V1のときの同様の処理
が行われたことになる。
【0018】このように、NAND回路53a,53b
からは、交流出力が正常のときと半波出力V1およびそ
の半波出力V1に起因して逆起電圧V2となる異常のと
きとでは互いに異なる信号を判別信号として出力する。
【0019】上記出力判定手段5の後段に設けた出力異
常判定手段6は、アップダウンカウンタ60、単安定マ
ルチバイブレータ62およびフォトカプラ63から構成
される。なお、アップダウンカウンタ60の出力信号
を、アップダウンカウンタ60から引き出した出力信号
線上のポイントP7で検出して図3に示している。
【0020】NAND回路53aの出力信号(ポイント
P5の信号)は、アップダウンカウンタ60のアップカ
ウント端子に、一方、NAND回路53bの出力信号
(ポイントP6の信号)は、アップダウンカウンタ60
のダウンカウント端子にそれぞれ入力され、アップダウ
ンカウンタ60ではアップカウントとダウンカウントと
が交互に繰り返され、アップカウント(ポイントP5の
信号のパルス数)とダウンカウント(ポイントP6の信
号のパルス数)との差が、例えば3パルス以上になった
とき、アップダウンカウンタ60は、図3に示すように
ハイレベルの信号を異常判定信号として出力する。この
ハイレベルの信号は単安定マルチバイブレータ62およ
びフォトカプラ63から成る判定信号出力部61を経由
して出力される。
【0021】インバータ1には、インバータ作動停止手
段12としての漏電検出部12aおよび漏電遮断器12
bがインバータ本体11に接続して収納してある。そし
て、漏電検出部12aおよび漏電遮断器12bを用いる
ときはインバータ1と負荷2を接続する電源線11a,
11bを接地させ擬似的に漏電状態成立させると、漏
電検出部12aは漏電であると判定して漏電遮断器12
bを動作させ、インバータ本体11の出力を遮断する。
【0022】なお、インバータ作動停止手段12として
は、他に例えばインバータ本体11の直流−交流変換部
のスイッチング素子4個で構成するHブリッジを用い
て、そのHブリッジを形成する各スイッチング素子に異
常判定信号を入力しインバータ本体11の出力を遮断す
るように構成してもよい。また、インバータ監視装置3
のフォトカプラ43a,43b,63や他の各種回路を
動作させる制御電圧(ここでは5V)は、図2に示すよ
うに、インバータ1の交流出力を直流に変換して構成し
た制御電圧発生回路7から供給されるようになってい
る。さらに、アップダウンカウンタ60および判定信号
出力部61にリセット信号を入力するようにし、例えば
0.5秒のリセット時間内にアップカウントとダウンカ
ウントとの差が3パルス以上となったとき異常判定信号
を出力するように構成してもよい。このようにリセット
時間を設定することにより、巻線焼き付き等のトラブル
に直結しない間欠的な半波出力や逆起電圧の発生は異常
とみなさず、無用にインバータ1の出力が遮断されるの
を防止することができる。
【0023】以上述べたように、この実施例ではインバ
ータ1からの交流出力が正常のときと半波出力V1およ
びその半波出力V1に起因して逆起電圧V2となる異常
のときとでは互いに異なる判別信号を出力するので、誘
導負荷によって半波出力V1に起因する逆起電圧V2が
発生してもその状態を異常として的確に判別できる。し
たがって、その異常判別に基づいて、インバータ1の交
流出力を的確に遮断することができ、逆起電圧V2によ
る過大な直流のパルス電流が流れて誘導負荷巻線を焼損
するようなトラブルを未然に防止することができる。
【0024】特に、インバータ1にモータを接続して起
動したとき、モータ起動時の単なる電圧低下か、半波出
力V1による電圧低下かの判定を的確に行うことがで
き、半波出力V1によるものなのにモータ起動時のもの
と誤判定して通電することによるトランス巻線の焼損を
防止することができる。
【0025】上記の説明では、単相交流を監視するもの
としてインバータ監視装置を構成したが、三相交流を監
視するものとして構成することもできる。また、インバ
ータ1からの出力波形を出願人が既に商品化した車両用
発電装置からの矩形状の出力波形としたが、矩形状波形
でなく正弦波であっても、基本的な動作原理は同じであ
るから、同様に適用することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明のインバー
タ監視装置によれば、インバータからの交流出力が正常
のときと半波出力およびその半波出力に起因して逆起電
圧となる異常のときとでは互いに異なる判別信号を出力
するので、誘導負荷によって半波出力に起因する逆起電
圧が発生してもその状態を異常として的確に判別でき、
その異常判別に基づいて、インバータの交流出力を的確
に遮断することができる。したがって、半波出力によ
り、相当大きな短絡電流が半波毎に流れて誘導負荷巻線
を焼損するようなトラブルを未然に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインバータ監視装置の全体構成を示
すブロック図である。
【図2】インバータ監視装置の一具体例としての概略回
路図である。
【図3】インバータ監視装置の各ポイントでの信号を示
すタイムチャートである。
【図4】インバータからの正常時の出力波形を示す図で
ある。
【図5】インバータへの通常の抵抗負荷接続時に半波出
力が発生したときの波形を示す図である。
【図6】インバータへの誘導負荷接続時に半波出力が発
生したときの波形を示す図である。
【符号の説明】
1 インバータ 2 負荷 3 インバータ監視装置 4 出力検出手段 4a 第1出力検出回路 4b 第2出力検出回路 5 出力判定手段 5a 第1出力判定回路 5b 第2出力判定回路 6 出力異常判定手段 12 インバータ作動停止手段 12a 漏電検出部 12b 漏電遮断器 60 アップダウンカウンタ 61 判定信号出力部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータより出力される交流出力電圧
    を検出する出力検出手段と、 上記出力検出手段が検出した交流出力電圧が正常のとき
    はその交流出力電圧波形の半波の時間幅に相応した時間
    幅を持つパルスを出力し、半波出力のときはパルスを出
    力せず、半波出力に起因して逆起電圧となるときはその
    逆起電圧波形の時間幅に相応した時間幅を持つパルスを
    出力し、パルスが出力されたときは、逆起電圧波形の時
    幅に相応した時間幅より長くなるように設定したその
    設定時間幅より長い部分を正常判定パルス信号として出
    力する出力判定手段と、 上記出力判定手段から正常判定パルス信号が出力されて
    いないとき、異常と判定し異常判定信号を出力する出力
    異常判定手段とを備え、 上記異常判定信号が出力されたとき、インバータと負荷
    を接続する電源線を接地させ擬似的に漏電状態を成立さ
    せることで、インバータに設けられた漏電遮断器を動作
    させ、インバータ本体の出力を遮断する とを特徴とするインバータ監視装置。
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