JP4264229B2 - 画像記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元光造形やホログラフィー、平版印刷用版材やカラープルーフ、フォトレジスト及びカラーフィルターといった、光または熱重合性組成物を用いた画像記録材料に関する。特にコンピュータ等のデジタル信号から各種レーザを用いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷版用原版として好適に用いられる画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長300nm〜1200nmの紫外光、可視光、赤外光を放射する固体レーザ及び半導体レーザ、ガスレーザは高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになっており、これらのレーザはコンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、非常に有用である。
これら各種レーザ光に感応する記録材料については種々研究されており、代表的なものとして、
第一に、感光波長760nm以上の赤外線レーザで記録可能な材料としては米国特許第4708925号記載のポジ型記録材料、特開平8−276558号に記載されている酸触媒架橋型のネガ型記録材料等がある。
第二に、300nm〜700nmの紫外光または可視光レーザ対応型の記録材料としては米国特許2850445号及び特公昭44-20189に記載されているラジカル重合型のネガ型記録材料等が多数ある。
【0003】
一方、300nm以下の短波長光及び電子線に関しては、特にフォトレジスト材料として重要である。近年では集積回路がその集積度を益々高め、超LSIなどの半導体基板の製造でもハーフミクロン以下の線幅からなる超微細パターンの加工が必要とされており、その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、遠紫外光やエキシマレーザ光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討され、さらに電子線による超微細パターンの形成が検討されるに至っている。特に電子線は次世代のパターン形成技術の光源として有望視されている。
【0004】
これらの画像形成材料全てに共通の課題としては上述の各種エネルギー照射部と未照射部において、その画像のON−OFFをいかに拡大できるかであり、つまり画像形成材料の高感度と保存安定性の両立である。
通常、光ラジカル重合系は高感度であるが、空気中の酸素による重合阻害により大きく低感度化する。そのため、画像形成層の上に酸素遮断性の層を設ける手段が取られている。しかし、酸素遮断性の層を設けると逆に暗重合等によるカブリが発生し、保存安定性が悪化する。従って、高感度と保存安定性の両立は、困難な課題であり、従来の技術では十分に満足できる結果は得られておらず、従来にはない新たな技術が求められていた。
【0005】
特に印刷版に適した高感度なラジカル重合系感材としては、通常、ポリマーバインダー/重合性架橋剤(モノマー、オリゴマー)の組み合わせが使用されている。該ラジカル重合性感材では、一般的にバインダー増量は保存安定性に効果的だが低感度化の傾向、重合性架橋剤増量は高感度化に効果的だが保存安定性劣化の傾向であり、保存安定性と高感度化の両立はバインダー/重合性架橋剤の比率によりバランスをとっているのが現状である。
一方、このジレンマを解消するため、アルカリ可溶性バインダーへのラジカル重合性基を付与した例(特開平2000−187322号公報記載)等があるが、多少の高感度化は見られるが上記本質的トレードオフからは脱却できていない。また、一般的に重合性ポリマーの場合には、その重合性を向上すると上記非重合性ポリマーで見られた保存安定性が減少していく傾向があり、逆に感度と保存安定性のバランスを悪化させる場合も少なくないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来の技術の欠点を克服し、高感度と優れた保存安定性を見事に両立できる、光または熱重合性組成物を用いた画像記録材料を提供することである。特に紫外光、可視光及び赤外光を放射する固体レーザ及び半導体レーザ光を用いて記録することによりコンピューター等のデジタルデータから直接製版可能な光重合性平板印刷版として好適な画像記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、画像形成層(感光層ともいう)を構成する重合性組成物における、ラジカル重合性基を有するポリマー(非アルカリ可溶性)と特定の官能基を有するアルカリ可溶性ポリマーの併用系において、高感度化と保存安定性及び高耐刷化が実現でき、上記目的を達成することを見いだした。
即ち、本発明は、支持体上に、酸価1.5mmol/g未満のアクリル基またはメタクリル基からなるラジカル重合性基を有し、ガラス転移点(Tg)が70〜300℃であり、且つアミド基及びイミド基のいずれかを有するポリマー(A)と、酸価1.5mmol/g以上でかつ下記一般式(I)で表される官能基を有する、ポリスチレンまたはポリ(メタ)アクリル系の高分子をポリマー主鎖とするアルカリ可溶性ポリマー(B)を含有する光または熱重合性組成物からなる層を有することを特徴とする画像記録材料である。
【0008】
−C(R1)=C(R2)(R3) 一般式(I)
【0009】
(式中、R〜Rは水素原子または置換基を有していても良い炭化水素基を表す。)
【0010】
本発明の画像記録材料に用いる光または熱重合性組成物の系は、高重合性・低現像性バインダー(A)と、高現像性・低重合性バインダー(B)の機能分離であり、従来の発想とは違い、それぞれ機能の違う2種類のポリマー組み合わせによる相乗効果を利用している点にある。その作用機構は明確ではないが、高感度な重合性ポリマーだけでは得られない保存安定性をもう1つのポリマーが向上していること、各単独のポリマーでは上記性能が得られないことから上述の作用が示唆される。
その作用機構について考察すると重合性ポリマーと組み合わせるアルカリ可溶性ポリマーは、上記一般式(I)で表される特定の官能基を有するものが好ましく、これらの基は概してラジカル連鎖移動の性質を有するものが多い。すなわち保存時には不安定化の原因である熱による微量のラジカル発生とそれに続く重合反応をラジカルクエンチにより抑制し、露光時には大量に発生するラジカルによりむしろ架橋性基として働くものと推測される。本発明の画像記録材料の光または熱重合性組成物の系はポリマー/ポリマー系であり、従来のポリマー/モノマー(又はオリゴマー)系よりも強靭な膜が形成されることで高耐刷性にも寄与しているものと考えられる。
【0011】
また、本発明の画像記録材料(以下、感光材料または感材ともいう)は、特にレーザー光の波長が800nm以上のヒートモードレーザー対応のダイレクト平版印刷版用原版に対し好適に用いられる。その理由はヒートモード感材は光を熱に変換し、その熱によりラジカルを発生するため保存安定性(熱安定性)と感度との両立が、光によりラジカルを発生するフォトンモード感材よりも厳しい実状がある。しかし本発明の感材では従来の保存安定性と高感度化のトレードオフから脱却しているため有効である。一方、フォトンモードとは異なり、ヒートモード感材では熱拡散のために支持体近傍はラジカル反応による硬化が十分でない特徴を有する。従って感材自体に強靱な皮膜性が要求される。この点からも本発明の画像記録材料が有効であり、高感度と優れた保存安定性を見事に両立できる、画像記録材料を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の画像記録材料について詳細に説明する。
本発明の画像記録材料に用いる光または熱重合性組成物に使用する2種類のバインダー(酸価1.5mmol/g未満のラジカル重合性基を有するポリマー(A)及び酸価1.5mmol/g以上でかつ特定の官能基を有するアルカリ可溶性ポリマー(B))について説明する。
上記ラジカル重合性基を有するポリマー(A)及びアルカリ可溶性ポリマー(B)は基本的には以下に記載の線状有機高分子重合体に属することが好ましい。
【0013】
〔線状有機高分子重合体〕
上記のような「線状有機高分子重合体」としては、ポリマー(A)及びポリマー(B)とした場合、互いに相溶性を有しているものである限り、どれを使用しても構わない。線状有機高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤としてだけでなく、現像剤として水、弱アルカリ水或いは有機溶剤のいずれが使用されるかに応じて適宜選択使用される。この様な線状有機高分子重合体としては、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。この他に線状有機高分子として、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮膜の強度をあげるためにアルコール可溶性ポリアミドや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0014】
線状有機高分子の主鎖は特に限定されないが、好ましいポリマー主鎖としては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニル、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル、及びノボラック系の高分子が挙げられる。より好ましくはポリスチレン、ポリ(メタ)アクリルである。
【0015】
〔ラジカル重合性基を有するポリマー(A)〕
ラジカル重合性基を有するポリマー(A)について詳述する。
ポリマー(A)のラジカル重合性基はラジカル重合する基であれば特に限定されない。
【0016】
ラジカル重合性基の好ましい例としては、α−置換メチルアクリル基[−OC(=O)−C(−CH2Z)=CH2 、Z=ヘテロ原子から始まる炭化水素基]、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基が挙げられ、この中でも特に好ましくは、アクリル基、メタクリル基を挙げることができる。
またポリマー(A)中のラジカル重合性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和2重結合の含有量)は、ポリマー1gあたり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.0mmolである。0.1より低いと硬化性が低く低感度になり、10.0mmolより大きいと不安定化し保存性が低下する。
また、ポリマー(A)はアルカリ可溶性基を有する方が好ましい。ポリマー(A)中のアルカリ可溶性基の含有量(中和滴定による酸価)は、ポリマー1gあたり、1.5mmol未満であり、好ましくは0.1〜1.3mmol、より好ましくは0.2〜1.0mmol、最も好ましくは0.5〜0.8mmolである。0.1より低いと現像時に析出しカスを発生し、1.5mmol以上であると親水性が高く耐刷性が劣化する。
【0017】
また、ポリマー(A)の重量平均分子量は、好ましくは2000〜100万、より好ましくは、1万〜30万、最も好ましくは、2万〜20万である。分子量が2000より小さいと皮膜性が低下し耐刷性も劣化し、100万以上では塗布溶剤に溶解しにくく塗布性が悪くなる。
また、ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)は、好ましくは70〜300℃、より好ましくは80〜250℃、最も好ましくは90〜200℃である。70℃より低いと保存安定性が低下し耐刷性も劣化し、300℃以上では感材中のラジカル移動度が低下し低感度化する。
ポリマー(A)は上記ガラス転移点を高めるためにアミド基及びイミド基を有することが好ましく、特にメタクリルアミド及びメタクリルアミド誘導体を含有することが好ましい。
【0018】
上記の酸価1.5mmol/g未満のラジカル重合性基を有するポリマー(A)の使用量は、本発明の画像記録材料に用いる光または熱重合性組成物の全成分の重量に対して、20〜80wt%が好ましく、より好ましくは30〜70wt%、最も好ましくは40〜60wt%の範囲である。
以下にラジカル重合性基を有するポリマー(A)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【化1】
Figure 0004264229
【0020】
【化2】
Figure 0004264229
【0021】
【化3】
Figure 0004264229
【0022】
【化4】
Figure 0004264229
【0023】
〔アルカリ可溶性ポリマー(B)〕
本発明の画像記録材料に用いる光または熱重合性組成物に使用するアルカリ可溶性ポリマー(B)(以下、アルカリ可溶性高分子ともいう)は、後述の高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体またはこれらの混合物を包含し、酸価1.5mmol/g以上でかつ下記一般式(I)で表される特定の官能基を有するものである。
アルカリ可溶性ポリマー(B)についての特定の官能基については下記一般式(I)で表される。
【0024】
−C(R1)=C(R2)(R3) 一般式(I)
【0025】
(式中、R1〜R3は水素原子または炭化水素基を表す。)
【0026】
一般式(I)中のR1〜R3の炭化水素基は置換基を有していても良く、その置換基及び炭化水素基の例としては、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基が挙げられる。
【0027】
アルキル基としては炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
【0028】
置換アルキル基は置換基とアルキレン基との結合により構成され、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基(以下、カルボキシラートと称す)、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SO2NHSO2(allyl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO2(allyl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl)3)、アリーロキシシリル基(−Si(Oallyl)3)、ヒドロキシシリル基(−Si(OH)3)及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO32)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO32)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
【0029】
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基などを挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。
【0030】
上述のアシル基(R4CO−)としては、R4が水素原子及び上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基を挙げることができる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルフェニルメチル基、トリクロロメチルカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、
【0031】
【化5】
Figure 0004264229
【0032】
ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
【0033】
アリール基としては1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0034】
置換アリール基は、置換基がアリール基に結合したものであり、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。これらの、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
【0035】
アルケニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルケニル基は、置換基がアルケニル基の水素原子と置き換わり結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルケニル基は上述のアルケニル基を用いることができる。好ましい置換アルケニル基の例としては
【0036】
【化6】
Figure 0004264229
【0037】
等を挙げることができる。
アルキニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルキニル基は、置換基がアルキニル基の水素原子と置き換わり、結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルキニル基は上述のアルキニル基を用いることができる。
【0038】
ヘテロ環基とは、ヘテロ環上の水素を1つ除した一価の基及びこの一価の基からさらに水素を1つ除し、上述の置換アルキル基における置換基が結合してできた一価の基(置換ヘテロ環基)である。好ましいヘテロ環の例としては、
【0039】
【化7】
Figure 0004264229
【0040】
【化8】
Figure 0004264229
【0041】
等を挙げることができる。
【0042】
置換オキシ基(R5O−)としては、R5が水素を除く一価の非金属原子団であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基を挙げる事ができる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならびに、アリール基、置換アリール基として示したものを挙げる事ができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R6CO−)としては、R6が、前述のアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基、がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ等が挙げられる。
【0043】
置換チオ基(R7S−)としてはR7が水素を除く一価の非金属原子団のものを使用できる。好ましい置換チオ基の例としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アシルチオ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルチオ基におけるアシル基(R6CO−)のR6は前述のとおりである。これらの中ではアルキルチオ基、ならびにアリールチオ基がより好ましい。好ましい置換チオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、エトキシエチルチオ基、カルボキシエチルチオ基、メトキシカルボニルチオ基等が挙げられる。
【0044】
置換アミノ基(R8NH−,(R9)(R10)N−)としては、R8,R9,R10が水素を除く一価の非金属原子団のものを使用できる。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0045】
これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基におけるアシル基(R6CO−)のR6は前述のとおりである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
【0046】
置換カルボニル基(R11−CO−)としては、R11が一価の非金属原子団のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、が挙げられ、更により好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
【0047】
置換スルフィニル基(R12−SO−)としてはR12が一価の非金属原子団のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、へキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
【0048】
置換スルホニル基(R13−SO2−)としては、R13が一価の非金属原子団のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基等が挙げられる。
【0049】
スルホナト基(−SO3 -)は前述のとおり、スルホ基(−SO3H)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0050】
カルボキシラート基(−CO2 -)は前述のとおり、カルボキシル基(CO2H)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0051】
置換ホスホノ基とはホスホノ基上の水酸基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
【0052】
ホスホナト基(−PO3 2-、−PO3-)とは前述のとおり、ホスホノ基(−PO32)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類:アジニウム類、等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0053】
置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ基の内、水酸基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−PO3H(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−PO3H(aryl))の共役塩基を挙げることができる。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類、等)、ならびに金属イオン類(Na+、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
【0054】
前記一般式(I)で表される基の好ましい例は、α−アルキルアクリル基[−OC(=O)−C(−Cn2n+1)=CH2、n=2〜12、α−置換メチルアクリル基[−OC(=O)−C(−CH2Z)=CH2 、Z=ヘテロ原子から始まる炭化水素基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基、ビニル基、クロトニル基、イソクロトニル基、イタコニル基が挙げられ、この中でも特に好ましくは、α−アルキルアクリル基、アリル基を挙げることができる。
【0055】
ポリマー(B)中の特定の官能基の含有量(一般式(I)のユニットの含有量)は、ポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは0.5〜7.0mmol、最も好ましくは1.0〜5.0mmolである。0.1より低いと感度が低くなり、10.0mmolより大きいと合成が難しくなる。
【0056】
高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体またはこれらの混合物を包含するアルカリ可溶性ポリマーとしては、これらの中でも、下記(1)〜(6)に挙げる酸性基を高分子の主鎖および/または側鎖中に有するものが、アルカリ性現像液に対する溶解性の点で好ましい。
【0057】
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2 NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO32
【0058】
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
【0059】
上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有するアルカリ水可溶性高分子の中でも、(1)フェノール基、(2)スルホンアミド基および(3)活性イミド基を有するアルカリ水可溶性高分子が好ましく、特に、(1)フェノール基または(2)スルホンアミド基を有するアルカリ水可溶性高分子が、アルカリ性現像液に対する溶解性、膜強度を十分に確保する点から最も好ましい。
【0060】
上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)フェノール基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、ノボラック樹脂や側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー等が挙げられる。ノボラック樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂が挙げられる。中でも、例えば、フェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又はm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂等が好ましい。ノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
【0061】
また、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーも好ましく、該ポリマー中のヒドロキシアリール基としては、OH基が1以上結合したアリール基が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等が挙げられ、中でも、入手の容易性及び物性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
従って、ヒドロキシアリール基としては、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、トリヒドロキシフェニル基、テトラヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基等が好ましい。
これらのヒドロキシアリール基は、さらに、ハロゲン原子、炭素数20以下の炭化水素基、炭素数20以下のアルコキシ基、炭素数20以下のアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。ヒドロキシアリール基は、ポリマーを構成する主鎖に側鎖としてペンダント状に結合しているが、主鎖との間に連結基を有していてもよい。
【0062】
本実施の形態に使用可能な、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーとしては、例えば、下記一般式(II)〜(V)で表される構成単位のうちのいずれか1種を含むポリマーを挙げることができる。但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0063】
【化9】
Figure 0004264229
【0064】
一般式(II)〜(V)中、R11は、水素原子又はメチル基を表す。R12及びR13は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数10以下の炭化水素基、炭素数10以下のアルコキシ基又は炭素数10以下のアリールオキシ基を表す。また、R12とR13が結合、縮環してベンゼン環やシクロヘキサン環を形成していてもよい。R14は、単結合又は炭素数20以下の2価の炭化水素基を表す。R15は、単結合又は炭素数20以下の2価の炭化水素基を表す。R16は、単結合又は炭素数10以下の2価の炭化水素基を表す。X1は、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を表す。pは、1〜4の整数を表す。q及びrは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
以下に、前記一般式(II)〜(V)で表される構成単位の具体例を挙げるが、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0065】
【化10】
Figure 0004264229
【0066】
【化11】
Figure 0004264229
【0067】
【化12】
Figure 0004264229
【0068】
【化13】
Figure 0004264229
【0069】
【化14】
Figure 0004264229
【0070】
前記構成単位よりなるポリマーは、従来公知の方法の中から適宜選択して、合成することができる。一般式(II)で表される構成単位を有するポリマーは、例えば、ヒドロキシ基が酢酸エステル或いはt−ブチルエーテルとして保護された、対応するスチレン誘導体を、ラジカル重合若しくはアニオン重合してポリマーとした後、脱保護することにより得ることができる。
【0071】
一般式(III)で表される構成単位を有するポリマーは、例えば、特開昭64−32256号、同64−35436号の各公報に記載の方法により合成することができる。
一般式(IV)で表される構成単位を有するポリマーは、例えば、ヒドロキシ基を有するアミン化合物と無水マレイン酸を反応させ、対応するモノマーを得た後、ラジカル重合してポリマーとすることにより得ることができる。
一般式(V)で表される構成単位を有するポリマーは、例えば、クロロメチルスチレンやカルボキシスチレン等、合成上有用な官能基を持つスチレン類を原料として、一般式(V)に対応するモノマーへ誘導し、さらにラジカル重合してポリマーとすることにより得ることができる。
本実施の形態においては、一般式(II)〜(V)で表される構成単位のみからなるホモポリマーであってもよいが、他の構成単位を含む共重合体であってもよい。
【0072】
前記他の構成単位としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーに由来する構成単位が挙げられる。前記アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−又はi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0073】
前記メタクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−又はi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−又はt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
前記アクリルアミド類としては、例えば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0074】
前記メタクリルアミド類としては、例えば、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0075】
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
これらのモノマーの中でも、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルが好ましい。
前記モノマーを用いた共重合体中に含まれる、一般式(II)〜(V)で表される構成単位の割合としては、5〜100重量%が好ましく、10〜100重量%がより好ましい。
【0076】
側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーの分子量としては、重量平均分子量で4000以上が好ましく、1万〜30万がより好ましい。また、数平均分子量としては、1000以上が好ましく、2000〜25万がより好ましい。さらに、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)としては、1以上が好ましく、1.1〜10がより好ましい。側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよいが、中でも、ランダムポリマーが好ましい。
【0077】
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、スルホンアミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、窒素原子に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基と、を分子内に有する低分子化合物が好ましく、例えば、下記一般式1〜一般式5で表される化合物が挙げられる。
【0078】
【化15】
Figure 0004264229
【0079】
〔式中、X1 、X2 は、それぞれ独立に−O−または−NR27−を表す。R21、R24は、それぞれ独立に水素原子または−CH3 を表す。R22、R25、R29、R32及びR36は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。R23、R27及びR33は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。また、R26、R37は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。R28、R30及びR34は、それぞれ独立に水素原子または−CH3 を表す。R31、R35は、それぞれ独立に単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表す。Y3 、Y4 は、それぞれ独立に単結合、または−CO−を表す。〕
【0080】
一般式1〜一般式5で表される化合物のうち、本発明の画像記録材料では、特に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0081】
(3)活性イミド基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、活性イミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、下記構造式で表される活性イミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物を挙げることができる。
【0082】
【化16】
Figure 0004264229
【0083】
具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0084】
(4)カルボン酸基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、カルボン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
(5)スルホン酸基を有するアルカリ可溶性高分子としては、例えば、スルホン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成単位とする重合体を挙げることができる。
(6)リン酸基を有するアルカリ水可溶性高分子としては、例えば、リン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
【0085】
本発明の画像記録材料に用いるアルカリ水可溶性高分子を構成する、前記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する最小構成単位は、特に1種類のみである必要はなく、同一の酸性基を有する最小構成単位を2種以上、または異なる酸性基を有する最小構成単位を2種以上共重合させたものを用いることもできる。
【0086】
共重合の方法としては、従来知られている、グラフト共重合法、ブロック共重合法、ランダム共重合法等を用いることができる。
【0087】
前記共重合体は、共重合させる(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する化合物が共重合体中に10モル%以上含まれているものが好ましく、20モル%以上含まれているものがより好ましい。10モル%未満であると、現像ラチチュードを十分に向上させることができない傾向がある。本発明では、化合物を共重合して共重合体を形成する場合、その化合物として、前記(1)〜(6)の酸性基を含まない他の化合物を用いることもできる。(1)〜(6)の酸性基を含まない他の化合物の例としては、下記(m1)〜(m11)に挙げる化合物を例示することができる。
【0088】
(m1)例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、およびメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
【0089】
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
【0090】
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
【0091】
(m10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
【0092】
また、ポリマー(B)中のアルカリ可溶性基の含有量(中和滴定による酸価)は、ポリマー1gあたり、1.5mmol以上であり、好ましくは1.5〜10.0mmol、より好ましくは2.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.5〜5.0mmolである。
1.5mmolより低いと現像性が劣化し、10.0mmolより大きいとインキが着きにくくなる。
また、ポリマー(B)の重量平均分子量は、好ましくは2000〜100万、より好ましくは2000〜10万、最も好ましくは2000〜1万である。
分子量が2000より小さいと皮膜性が低下し耐刷性が劣化し、100万以上では塗布性が劣化する。
また、ポリマー(B)のガラス転移点は、好ましくは25〜300℃、より好ましくは50〜250℃、最も好ましくは80〜200℃である。25℃より低いと皮膜性が低下し耐刷性の劣化を生じ、300℃以上では感材中のラジカル移動度が低下し低感度化する。
【0093】
上記の酸価1.5mmol/g以上でかつ一般式(I)の官能基を有するアルカリ可溶性ポリマー(B)の使用量は、本発明の画像記録材料に用いる光または熱重合性組成物の全成分の重量に対して、20〜80wt%が好ましく、より好ましくは30〜70wt%、最も好ましくは40〜60wt%の範囲である。
以下に上記の特定の官能基を有するアルカリ可溶性ポリマー(B)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0094】
【化17】
Figure 0004264229
【0095】
【化18】
Figure 0004264229
【0096】
【化19】
Figure 0004264229
【0097】
【化20】
Figure 0004264229
【0098】
また、本発明の画像記録材料に用いる光または熱重合性組成物中に含有される上記の酸価1.5mmol/g未満のラジカル重合性基を有するポリマー(A)と、全成分の重量に対して、酸価1.5mmol/g以上でかつ一般式(I)の官能基を有するアルカリ可溶性ポリマー(B)との相対的比率は2/8〜8/2の範囲が好ましく、より好ましくは3/7〜7/3であり、最も好ましくは4/6〜6/4である。
【0099】
次に本発明の画像記録材料における重合性組成物に使用される重合開始剤について説明する。
好ましい重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
(a)芳香族ケトン類の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」J.P.FOUASSIER J.F.RABEK (1993)、p77〜117記載のベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物、例えば
【0100】
【化21】
Figure 0004264229
【0101】
【化22】
Figure 0004264229
【0102】
【化23】
Figure 0004264229
【0103】
等が挙げられる。より好ましい(a)芳香族ケトン類の例としては、特公昭47−6416記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981記載のベンゾインエーテル化合物、例えば
【0104】
【化24】
Figure 0004264229
【0105】
特公昭47−22326記載のα−置換ベンゾイン化合物、例えば
【0106】
【化25】
Figure 0004264229
【0107】
特公昭47−23664記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483記載のジアルコキシベンゾフェノン、例えば
【0108】
【化26】
Figure 0004264229
【0109】
特公昭60−26403、特開昭62−81345記載のベンゾインエーテル類、例えば、
【0110】
【化27】
Figure 0004264229
【0111】
特公平1−34242、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、例えば
【0112】
【化28】
Figure 0004264229
【0113】
特開平2−211452記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、例えば
【0114】
【化29】
Figure 0004264229
【0115】
特開昭61−194062記載のチオ置換芳香族ケトン、例えば、
【0116】
【化30】
Figure 0004264229
【0117】
特公平2−9597記載のアシルホスフィンスルフィド、例えば、
【0118】
【化31】
Figure 0004264229
【0119】
特公平2−9596記載のアシルホスフィン、例えば、
【0120】
【化32】
Figure 0004264229
【0121】
特公昭63−61950記載のチオキサントン類、特公昭59−42864記載のクマリン類等を挙げることができる。
また、別の例である(b)芳香族オニウム塩としては、周期律表の第V、VIおよびVII族の元素、具体的にはN、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te、またはIの芳香族オニウム塩が含まれる。このような芳香族オニウム塩の例としては、特公昭52−14277号、特公昭52−14278号、特公昭52−14279号に示されている化合物を挙げることができる。具体的には、
【0122】
【化33】
Figure 0004264229
【0123】
【化34】
Figure 0004264229
【0124】
【化35】
Figure 0004264229
【0125】
【化36】
Figure 0004264229
【0126】
を挙げることができる。
さらに以下のジアゾニウム塩も挙げることができる。
【0127】
【化37】
Figure 0004264229
【0128】
【化38】
Figure 0004264229
【0129】
本発明に使用される重合開始剤の他の例である(c)「有機過酸化物」としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、その例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリイブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、ターシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−キサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ−トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセテート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、ターシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシャリーカーボネート、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等がある。
【0130】
これらの中で、3,3′4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′4,4′−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
【0131】
本発明で使用される重合開始剤としての(d)チオ化合物は、下記一般式〔VI〕で示される。
【0132】
【化39】
Figure 0004264229
【0133】
(ここで、R20はアルキル基、アリール基または置換アリール基を示し、R21は水素原子またはアルキル基を示す。また、R20とR21は、互いに結合して酸素、硫黄および窒素原子から選ばれたヘテロ原子を含んでもよい5員ないし7員環を形成するのに必要な非金属原子群を示す。)
上記一般式〔VI〕におけるアルキル基としては炭素原子数1〜4個のものが好ましい。またアリール基としてはフェニル、ナフチルのような炭素原子数6〜10個のものが好ましく、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に塩素原子のようなハロゲン原子、メチル基のようなアルキル基、メトシキ基、エトキシ基のようなアルコキシ基で置換されたものが含まれる。R21は、好ましくは炭素原子数1〜4個のアルキル基である。一般式〔VI〕で示されるチオ化合物の具体例としては、下記に示すような化合物が挙げられる。
【0134】
【表1】
Figure 0004264229
【0135】
本発明に使用される重合開始剤の他の例である(e)ヘキサアリールビイミダゾールとしては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0136】
本発明で使用される重合開始剤の他の例である(f)ケトオキシムエステルとしては3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
本発明における重合開始剤の他の例である(g)ボレート塩の例としては下記一般式[VII] で表わされる化合物を挙げる事ができる。
【0137】
【化40】
Figure 0004264229
【0138】
(ここで、R22、R23、R24およびR25は互いに同一でも異なっていてもよく、各々置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアルキニル基、又は置換もしくは非置換の複素環基を示し、R22、R23、R24およびR25はその2個以上の基が結合して環状構造を形成してもよい。ただし、R22、R23、R24およびR25のうち、少なくとも1つは置換もしくは非置換のアルキル基である。Z+はアルカリ金属カチオンまたは第4級アンモニウムカチオンを示す)。上記R22〜R25のアルキル基としては、直鎖、分枝、環状のものが含まれ、炭素原子数1〜18のものが好ましい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ステアリル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。また置換アルキル基としては、上記のようなアルキル基に、ハロゲン原子(例えば−Cl、−Brなど)、シアノ基、ニトロ基、アリール基(好ましくはフェニル基)、ヒドロキシ基、
【0139】
【化41】
Figure 0004264229
【0140】
(ここでR26、R27は独立して水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す。)、−COOR28(ここでR28は水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す。)、−OCOR29又は−OR30(ここでR29、R30は炭素数1〜14のアルキル基、又はアリール基を示す。)を置換基として有するものが含まれる。上記R22〜R25のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの1〜3環のアリール基が含まれ、置換アリール基としては、上記のようなアリール基に前述の置換アルキル基の置換基又は、炭素数1〜14のアルキル基を有するものが含まれる。上記R22〜R25のアルケニル基としては、炭素数2〜18の直鎖、分枝、環状のものが含まれる。置換アルケニル基の置換基としては、前記の置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。上記R22〜R25のアルキニル基としては、炭素数2〜28の直鎖又は分枝のものが含まれ、置換アルキニル基の置換基としては、前記置換アルキル基の置換基として挙げたものが含まれる。また、上記R22〜R25の複素環基としてはN、SおよびOの少なくとも1つを含む5員環以上、好ましくは5〜7員環の複素環基が挙げられ、この複素環基には縮合環が含まれていてもよい。更に置換基として前述の置換アリール基の置換基として挙げたものを有していてもよい。一般式[VII] で示される化合物例としては具体的には米国特許3,567,453号、同4,343,891号、ヨーロッパ特許109,772号、同109,773号に記載されている化合物および以下に示すものが挙げられる。
【0141】
【化42】
Figure 0004264229
【0142】
本発明で使用される重合開始剤の他の例である(h)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号ならびに特公昭46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
【0143】
重合開始剤の他の例である(i)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
【0144】
上記チタノセン化合物の具体例としては、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(メチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルビアロイル−アミノ)フェニル〕チタン、
【0145】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルプロピオニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチル−(2,2−ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2,2−ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ペンチル−(2,2−ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル)−(2,2−ジメチルブタノイル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メチルブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0146】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルシクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルイソブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2,5,5−テトラメチル−1,2,5−アザジシロリジニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(オクチルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−トリルスルホンアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−ドデシルフェニルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、
【0147】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−(1−ペンチルヘプチル)フェニルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(エチルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−((4−ブロモフェニル)−スルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−ナフチルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ヘキサデシルスルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メチル−(4−ドデシルフェニル)スルホニルアミド)フェニル〕チタン、
【0148】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−メチル−4−(1−ペンチルヘプチル)フェニル)スルホニルアミド)〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4−トリル)−スルホニルアミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピロリジン−2,5−ジオニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3,4−ジメチル−3−ピロリジン−2,5−ジオニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フタルイミド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−イソブトキシカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(エトキシカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−((2−クロロエトキシ)−カルボニルアミノ)フェニル〕チタン、
【0149】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フェノキシカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−フェニルチオウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−ブチルチオウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−フェニルウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−ブチルウレイド)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N,N−ジアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3,3−ジメチルウレイド)フェニル〕チタン、
【0150】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(アセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(デカノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(オクタデカノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(イソブチリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−エチルヘキサノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−メチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0151】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−エチル−2−メチルヘプタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(シクロヘキシルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−フェニルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロメチル−2−メチル−3−クロロプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0152】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3,4−キシロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−エチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,4,6−メシチルカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロピル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−エチルヘプチル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ〕フェニルチタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0153】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチルピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(オクソラニ−2−イルメチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−エチルヘプチル)−2,2−ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロピル−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(オクソラニ−2−イルメチル)−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−トルイルメチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0154】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−トルイルメチル)−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2,4−ジメチルペンチル)−2,2−ジメチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,4−ジメチルペンチル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0155】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−((4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチル−3−エトキシプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2,2−ジメチル−3−アリルオキシプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−アリルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−エチルブタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0156】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソプロピルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロピル)−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0157】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソプロピル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロピル)ピバロイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、
【0158】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチル)−(4−トルイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−メチルフェニルメチル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−(2−エチル−2−メチルヘプタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、
【0159】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(2−エチル−2−メチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシル−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(オクソラニ−2−イルメチル)−2,2−ジメチルペンタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシル−(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3,3−ジメチル−2−アゼチジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、
【0160】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−イソシアナトフェニル)チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、
【0161】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロパノイル)−2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2−クロロメチル−2−メチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ブチルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フェニルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、
【0162】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−イソシアナトフェニル)チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(4−トリルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フェニルプロパノイル)−2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、
【0163】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルメチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソブチル−(2,2−ジメチル−3−クロロプロパノイル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(2−クロロメチル−2−メチル−3−クロロプロパノイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ブチルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(フェニルチオカルボニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−2,2−ジメチルブタノイル)アミノ)フェニル〕チタン、
【0164】
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルアセチルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチルプロピオニルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(トリメチルシリルペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メトキシエチル)−トリメチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチルヘキシルジメチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−エチル−(1,1,2,−トリメチルプロピル)ジメチルシリルアミノ)フェニル〕チタン、
【0165】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−エトキシメチル−3−メチル−2−アゼチオジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−アリルオキシメチル−3−メチル−2−アゼチジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(3−クロロメチル−3−メチル−2−アゼチジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−2,2−ジメチルプロパノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(5,5−ジメチル−2−ピロリジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(6,6−ジフェニル−2−ピペリジノニ−1−イル)フェニル〕チタン、
【0166】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2,3−ジヒドロ−1,2−ベンジソチアゾロ−3−オン(1,1−ジオキシド)−2−イル)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ヘキシル−(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−イソプロピル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−メチルフェニルメチル)−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(4−メチルフェニルメチル)−(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、
【0167】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ブチル−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−ベンジル−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−エチルヘキシル)−4−トリル−スルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−オキサヘプチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(トリフルオロアセチルアミノ)フェニル〕チタン、
【0168】
ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(4−クロロベンゾイル)アミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,6−ジオキサデシル)−2,2−ジメチルペンタノイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,7−ジメチル−7−メトキシオクチル)ベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(N−シクロヘキシルベンゾイルアミノ)フェニル〕チタン、等を挙げることができる。
【0169】
重合開始剤の他の例である(j)活性エステル化合物の例としては特公昭62−6223記載のイミドスルホネート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホネート類を挙げることができる。
【0170】
重合開始剤の一例である(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物の好ましい例としては、下記一般式〔VIII〕から[XIV] のものを挙げることができる。
【0171】
【化43】
Figure 0004264229
【0172】
(式中、X2はハロゲン原子を表わす。Y2は−C(X23、−NH2、−NHR32、−NR32、−OR32を表わす。ここでR32はアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基を表わす。またR31は−C(X23、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換アルケニル基、を表わす。)で表わされる化合物。
【0173】
【化44】
Figure 0004264229
【0174】
(ただし、R33は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アルコキシル基、ニトロ基又はシアノ基であり、X3はハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。)で表わされる化合物。
【0175】
【化45】
Figure 0004264229
【0176】
(ただし、R34は、アリール基又は置換アリール基であり、R35
【0177】
【化46】
Figure 0004264229
【0178】
又はハロゲンであり、Z2は−C(=O)−、−C(=S)−又は−SO2−であり、R36、R37はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基又は置換アリール基であり、R38は一般式〔VIII] 中のR32と同じであり、X3はハロゲン原子であり、mは1又は2である。)で表わされる化合物。
【0179】
【化47】
Figure 0004264229
【0180】
ただし、式中、R39は置換されていてもよいアリール基又は複素環式基であり、R40は炭素原子1〜3個を有するトリハロアルキル基又はトリハロアルケニル基であり、pは1、2又は3である。
【0181】
【化48】
Figure 0004264229
【0182】
(ただし、Lは水素原子又は式:CO−(R41)q(C(X43)rの置換基であり、Qはイオウ、セレン又は酸素原子、ジアルキルメチレン基、アルケン−1,2−イレン基、1,2−フェニレン基又はN−R基であり、Mは置換又は非置換のアルキレン基又はアルケニレン基であるか、又は1,2−アリーレン基であり、R42はアルキル基、アラルキル基又はアルコキシアルキル基であり、R41は炭素環式又は複素環式の2価の芳香族基であり、X4は塩素、臭素またはヨウ素原子であり、q=0及びr=1であるか又はq=1及びr=1又は2である。)で表わされる、トリハロゲノメチル基を有するカルボニルメチレン複素環式化合物。
【0183】
【化49】
Figure 0004264229
【0184】
(ただし、X5はハロゲン原子であり、tは1〜3の整数であり、sは1〜4の整数であり、R43は水素原子又はCH3-t5t基であり、R44はs価の置換されていてもよい不飽和有機基である)で表わされる、4−ハロゲノ−5−(ハロゲノメチル−フェニル)−オキサゾール誘導体。
【0185】
【化50】
Figure 0004264229
【0186】
(ただし、X6はハロゲン原子であり、vは1〜3の整数であり、uは1〜4の整数であり、R45は水素原子又はCH3-v6v基であり、R46はu価の置換されていてもよい不飽和有機基である。)で表わされる、2−(ハロゲノメチル−フェニル)−4−ハロゲノ−オキサゾール誘導体。
【0187】
このような炭素−ハロゲン結合を有する化合物の具体例としては、たとえば、若林ら著、Bull. Chem. Soc. Japan,42、2924(1969)記載の化合物、たとえば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(2′,4′−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン等が挙げられる。その他、英国特許1388492号明細書記載の化合物、たとえば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−S−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等、特開昭53−133428号記載の化合物、たとえば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン)、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス−トリクロルメチル−S−トリアジン等、独国特許3337024号明細書記載の化合物、たとえば、
【0188】
【化51】
Figure 0004264229
【0189】
【化52】
Figure 0004264229
【0190】
等を挙げることができる。また、F. C. Schaefer等によるJ. Org. Chem. 29、1527(1964)記載の化合物、たとえば2−メチル−4,6−ビス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロムメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロムメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリブロムメチル−S−トリアジン、2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロルメチル−S−トリアジン等を挙げることができる。さらに特開昭62−58241号記載の化合物、たとえば、
【0191】
【化53】
Figure 0004264229
【0192】
【化54】
Figure 0004264229
【0193】
等を挙げることができる。更に特開平5−281728号記載の化合物、例えば、
【0194】
【化55】
Figure 0004264229
【0195】
等を挙げることができる。あるいはさらにM. P. Hutt、E. F. ElslagerおよびL. M. Herbel著「Journal of Heterocyclic chemistry」第7巻(No.3)、第511頁以降(1970年)に記載されている合成方法に準じて、当業者が容易に合成することができる次のような化合物群
【0196】
【化56】
Figure 0004264229
【0197】
【化57】
Figure 0004264229
【0198】
【化58】
Figure 0004264229
【0199】
【化59】
Figure 0004264229
【0200】
【化60】
Figure 0004264229
【0201】
【化61】
Figure 0004264229
【0202】
あるいは、ドイツ特許第2641100号に記載されているような化合物、例えば、4−(4−メトキシ−スチリル)−6−(3,3,3−トリクロルプロペニル)−2−ピロンおよび4−(3,4,5−トリメトキシ−スチリル)−6−トリクロルメチル−2−ピロン、あるいはドイツ特許第3333450号に記載されている化合物、例えば、
【0203】
【化62】
Figure 0004264229
【0204】
式中、R41はベンゼン環を、R42はアルキル基、アラルキル基またはアルコキシアルキル基を表す。
【0205】
【表2】
Figure 0004264229
【0206】
あるいはドイツ特許第3021590号に記載の化合物群、
【0207】
【化63】
Figure 0004264229
【0208】
【化64】
Figure 0004264229
【0209】
あるいはドイツ特許第3021599号に記載の化合物群例えば、
【0210】
【化65】
Figure 0004264229
【0211】
を挙げることができる。
その他、好ましい重合開始剤として、
【0212】
【化66】
Figure 0004264229
【0213】
を挙げることができる。
更に、特開平2001−343742号公報、特開平2002−6482号公報記載の特定の芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
本発明における重合開始剤の最も好ましい例としては、チタノセン化合物、芳香族スルホニウム塩、トリハロメチル−S−トリアジン化合物を挙げることができる。
本発明における重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
【0214】
次に、本発明の画像記録材料における重合性組成物の1成分となり得る増感色素としては、分光増感色素、光源の光を吸収して重合開始剤と相互作用する染料あるいは顔料が挙げられる。
好ましい分光増感色素または染料としては多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)
キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)
シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)
メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)
チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)
アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)
フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)
ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)
クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)
金属錯体、例えば
【0215】
【化67】
Figure 0004264229
【0216】
アントラキノン類、例えば(アントラキノン)
スクアリウム類、例えば(スクアリウム)
等が挙げられる。より好ましい分光増感色素又は染料の例としては特公平37−13034号記載のスチリル系色素、例えば、
【0217】
【化68】
Figure 0004264229
【0218】
特開昭62−143044号記載の陽イオン染料、例えば、
【0219】
【化69】
Figure 0004264229
【0220】
特公昭59−24147号記載のキノキサリニウム塩、例えば、
【0221】
【化70】
Figure 0004264229
【0222】
特開昭64−33104号記載の新メチレンブルー化合物、例えば、
【0223】
【化71】
Figure 0004264229
【0224】
特開昭64−56767号記載のアントラキノン類、例えば
【0225】
【化72】
Figure 0004264229
【0226】
特開平2−1714号記載のベンゾキサンテン染料。特開平2−226148号及び特開平2−226149号記載のアクリジン類、例えば、
【0227】
【化73】
Figure 0004264229
【0228】
特公昭40−28499号記載のピリリウム塩類、例えば
【0229】
【化74】
Figure 0004264229
【0230】
特公昭46−42363号記載のシアニン類、例えば
【0231】
【化75】
Figure 0004264229
【0232】
特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素、例えば
【0233】
【化76】
Figure 0004264229
【0234】
特開平2−85858号、特開平2−216154号の共役ケトン色素、例えば
【0235】
【化77】
Figure 0004264229
【0236】
特開昭57−10605号記載の色素。特公平2−30321号記載のアゾシンナミリデン誘導体、例えば、
【0237】
【化78】
Figure 0004264229
【0238】
特開平1−287105号記載のシアニン系色素、例えば、
【0239】
【化79】
Figure 0004264229
【0240】
特開昭62−31844号、特開昭62−31848号、特開昭62−143043号記載のキサンテン系色素、例えば、
【0241】
【化80】
Figure 0004264229
【0242】
特公昭59−28325号記載のアミノスチリルケトン、例えば
【0243】
【化81】
Figure 0004264229
【0244】
特公昭61−9621号記載の以下の一般式〔1〕〜〔8〕で表されるメロシアニン色素、例えば、
【0245】
【化82】
Figure 0004264229
【0246】
一般式〔3〕ないし〔8〕において、X8は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基又はハロゲン原子を表わす。一般式〔2〕においてPhはフェニル基を表わす。一般式〔1〕ないし〔8〕において、R48、R49およびR50はそれぞれアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、アリール基、置換アリール基又はアラルキル基を表わし、互いに等しくても異なってもよい。特開平2−179643号記載の以下の一般式〔9〕〜〔11〕で表わされる色素、例えば
【0247】
【化83】
Figure 0004264229
【0248】
A:酸素原子、イオウ原子、セレン原子、テルル原子、アルキル又はアリール置換された窒素原子またはジアルキル置換された炭素原子を表わす。
3:水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アシル基、または置換アルコキシカルボニル基を表わす。
51、R52:水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、もしくは置換基として、R53O−、
【0249】
【化84】
Figure 0004264229
【0250】
−(CH2CH2O)w−R53、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)を有する炭素数1〜18の置換アルキル基。但し、R53は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表わし、Bは、ジアルキルアミノ基、水酸基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表わす。wは0〜4の整数、xは1〜20の整数を表わす。特開平2−244050号記載の以下の一般式〔12〕で表されるメロシアニン色素、例えば、
【0251】
【化85】
Figure 0004264229
【0252】
(式中R54およびR55は各々独立して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基を表わす。A2は酸素原子、イオウ原子、セレン原子、テルル原子、アルキルないしはアリール置換された窒素原子、またはジアルキル置換された炭素原子を表わす。X9は含窒素ヘテロ五員環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。Y4は置換フェニル基、無置換ないし置換された多核芳香環、または無置換ないしは置換されたヘテロ芳香環を表わす。Z3は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、置換アミノ基、アシル基、またはアルコキシカルボニル基を表わし、Y4と互いに結合して環を形成していてもよい。好ましい具体例としては
【0253】
【化86】
Figure 0004264229
【0254】
特公昭59−28326号記載の以下の一般式〔13〕で表されるメロシアニン色素、例えば、
【0255】
【化87】
Figure 0004264229
【0256】
上式において、R56およびR57はそれぞれ水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基を表わし、それらは互いに等しくても異ってもよい。X10はハメット(Hammett)のシグマ(σ)値が−0.9から+0.5までの範囲内の置換基を表わす。特開昭59−89303号記載の以下の一般式〔14〕で表されるメロシアニン色素、例えば、
【0257】
【化88】
Figure 0004264229
【0258】
(式中R58およびR59は各々独立して水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基またはアラルキル基を表わす。X11はハメット(Hammett)のシグマ(σ)値が−0.9から+0.5までの範囲内の置換基を表わす。Y5は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アシル基またはアルコキシカルボニル基を表わす。)好ましい具体例としては、
【0259】
【化89】
Figure 0004264229
【0260】
特開平8−129257号記載の以下の一般式〔15〕で表されるメロシアニン色素、例えば
【0261】
【化90】
Figure 0004264229
【0262】
(式中、R60、R61、R62、R63、R68、R69、R70、R71はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、スルホ基、スルホナト基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、ホスフォノ基、置換ホスフォノ基、ホスフォナト基、置換ホスフォナト基、シアノ基、ニトロ基を表すか、もしくは、R60とR61、R61とR62、R62とR63、R68とR69、R69とR70、R70とR71が互いに結合して脂肪族又は芳香族環を形成していても良く、R64は水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を表し、R65は置換、又は無置換のアルケニルアルキル基、又は置換もしくは無置換のアルキニルアルキル基を表し、R66、R67はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、置換カルボニル基を表す)好ましい具体例としては
【0263】
【化91】
Figure 0004264229
【0264】
特開平8−334897号記載の以下の一般式〔16〕で表されるベンゾピラン系色素、例えば
【0265】
【化92】
Figure 0004264229
【0266】
(式中、R72〜R75は互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基又はアミノ基を表す。またR72〜R75はそれらが各々結合できる炭素原子と共に非金属原子から成る環を形成していても良い。R76は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ芳香族基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基又はアルケニル基を表す。R77はR76で表される基または−Z−R76であり、Zはカルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基またはアリーレンジカルボニル基を表す。またR76及びR77は共に非金属原子から成る環を形成しても良い。AはO原子、S原子、NHまたは置換基を有するN原子を表す。BはO原子、または=C(G1)(G2)の基を表す。G1、G2は同一でも異なっていても良く、水素原子、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アリールカルボニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又はフルオロスルホニル基を表す。但し、G1、G2は同時に水素原子となることはない。またG1及びG2は炭素原子と共に非金属原子からなる環を形成していても良い)。等を挙げることができる。
【0267】
その他、増感色素として特に以下の赤外線吸収剤(染料或いは顔料)も好適に使用される。
好ましい前記染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0268】
また、米国特許第5,156,938号明細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、さらに、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)公報に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号公報に記載のピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や、特公平5−13514号、同5−19702号公報に記載されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
【0269】
また、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料、EP916513A2号明細書に記載のフタロシアニン系染料も好ましい染料として挙げることができる。
さらに、特願平10−79912号明細書に記載のアニオン性赤外線吸収剤も、好適に使用することができる。アニオン性赤外線吸収剤とは、実質的に赤外線を吸収する色素の母核にカチオン構造がなく、アニオン構造を有するものを示す。例えば、(c1)アニオン性金属錯体、(c2)アニオン性カーボンブラック、(c3)アニオン性フタロシアニン、さらに(c4)下記一般式(XV)で表される化合物などが挙げられる。これらのアニオン性赤外線吸収剤の対カチオンは、プロトンを含む一価の陽イオン、あるいは多価の陽イオンである。
【0270】
【化93】
Figure 0004264229
【0271】
ここで、(c1)アニオン性金属錯体とは、実質的に光を吸収する錯体部の中心金属および配位子全体でアニオンとなるものを示す。
(c2)アニオン性カーボンブラックは、置換基としてスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸基等のアニオン基が結合しているカーボンブラックが挙げられる。これらの基をカーボンブラックに導入するには、カーボンブラック便覧第三版(カーボンブラック協会編、1995年4月5日、カーボンブラック協会発行)第12頁に記載されるように、所定の酸でカーボンブラックを酸化する等の手段をとればよい。
【0272】
(c3)アニオン性フタロシアニンは、フタロシアニン骨格に、置換基として、先に(c2)の説明において挙げたアニオン基が結合し、全体としてアニオンとなっているものを示す。
次に、前記(c4)一般式(XV)で表される化合物について、詳細に説明する。前記一般式6(XV)中、Ga -はアニオン性置換基を表し、Gbは中性の置換基を表す。Xm+は、プロトンを含む1〜m価のカチオンを表し、mは1ないし6の整数を表す。Mは共役鎖を表し、この共役鎖Mは置換基や環構造を有していてもよい。共役鎖Mは、下記式で表すことができる。
【0273】
【化94】
Figure 0004264229
【0274】
前記式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基を表し、これらは互いに連結して環構造を形成していてもよい。nは、1〜8の整数を表す。
【0275】
前記一般式(XV)で表されるアニオン性赤外線吸収剤のうち、以下のA−1〜A−5のものが、好ましく用いられる。
【0276】
【化95】
Figure 0004264229
【0277】
また、以下のCA−1〜CA−44に示すカチオン性赤外線吸収剤も好ましく使用できる。
【0278】
【化96】
Figure 0004264229
【0279】
【化97】
Figure 0004264229
【0280】
【化98】
Figure 0004264229
【0281】
【化99】
Figure 0004264229
【0282】
【化100】
Figure 0004264229
【0283】
【化101】
Figure 0004264229
【0284】
【化102】
Figure 0004264229
【0285】
【化103】
Figure 0004264229
【0286】
【化104】
Figure 0004264229
【0287】
【化105】
Figure 0004264229
【0288】
【化106】
Figure 0004264229
【0289】
【化107】
Figure 0004264229
【0290】
【化108】
Figure 0004264229
【0291】
【化109】
Figure 0004264229
【0292】
【化110】
Figure 0004264229
【0293】
前記構造式中、T-は、1価の対アニオンを表し、好ましくは、ハロゲンアニオン(F-、Cl-、Br-、I-)、ルイス酸アニオン(BF4 -、PF6 -、SbCl6 -、ClO4 -)、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオンである。
【0294】
前記アルキルスルホン酸のアルキルとは、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
【0295】
また前記アリールスルホン酸のアリールとは、1個のベンゼン環からなるもの、2又は3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを表し、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらの中でも、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0296】
また、以下のNA−1〜NA−12に示す非イオン性赤外線吸収剤も好ましく使用できる。
【0297】
【化111】
Figure 0004264229
【0298】
【化112】
Figure 0004264229
【0299】
【化113】
Figure 0004264229
【0300】
【化114】
Figure 0004264229
【0301】
上記例示化合物中、特に好ましいアニオン性赤外線吸収剤としてはA−1が、カチオン性赤外線吸収剤としてはCA−7、CA−30、CA−40、およびCA−42が、非イオン性赤外線吸収剤としてはNA−11が挙げられる。
【0302】
他の染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、ジインモニウム染料、アミニウム染料、スクワリリウム色素、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
【0303】
また、増感色素として、他の顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。例えば、顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0304】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。
表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。前記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0305】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmであるのが好ましく、0.05μm〜1μmであるのがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmであるのが特に好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは、分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると感光層の均一性の点で好ましくない。
【0306】
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0307】
本発明における増感色素のさらにより好ましい例としては、上述の特公昭61−9621号記載のメロシアニン色素、特開平2−179643号記載のメロシアニン色素、特開平2−244050号記載のメロシアニン色素、特公昭59−28326号記載のメロシアニン色素、特開昭59−89303号記載のメロシアニン色素、特開平8−129257号記載のメロシアニン色素及び特開平8−334897号記載のベンゾピラン系色素を挙げることができる。
及び上述の特開平11-209001号記載の赤外線吸収剤を挙げることができる。
【0308】
また、別の好ましい赤外線吸収色素として、
【0309】
【化115】
Figure 0004264229
【0310】
がある。
本発明の画像記録材料に用いる赤外線吸収色素の最も好ましい例としては、インドレニンシアニン色素が挙げられる。
【0311】
本発明における増感色素も単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。さらに本発明の画像記録材料における重合性組成物には、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号、特開昭51−82102号、特開昭52−134692号、特開昭59−138205、特開昭60−84305号、特開昭62−18537号、特開昭64−33104号、Research Disclosure 33825号記載の化合物、等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン、等が挙げられる。
【0312】
共増感剤の別の例としてはチオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号、特公昭55−500806号、特開平5−142772号記載のチオール化合物、特開昭56−75643号のジスルフィド化合物等があげられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
【0313】
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号記載の水素供与体、特開平6−308727号記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250389号記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
【0314】
本発明の画像記録材料における組成物中の重合開始剤の使用量は、重合性組成物の全成分の重量に対し、0.01〜60重量%、より好ましくは0.05〜30重量%である。
また、本発明において増感色素を用いる場合、重合性組成物中の重合開始剤と増感色素のモル比は100:0〜1:99であり、より好ましくは、90:10〜10:90であり、最も好ましくは80:20〜20:80である。
上記共増感剤を使用する場合には重合開始剤1重量部に対して、0.01〜50重量部使用するのが適当であり、より好ましくは0.02〜20重量部、最も好ましくは0.05〜10重量部である。
【0315】
また、本発明の画像記録材料における重合性組成物には本発明の有効性を損なわない範囲で、以下に述べる従来公知の付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物及び混合物が含有されてもよい。
従来公知の付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
【0316】
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0317】
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、へキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
【0318】
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネー卜等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
【0319】
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加した1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0320】
CH2=C(R)COOCH2CH(R′)OH (A)
(ただし、RおよびR′はHあるいはCH3を示す。)
【0321】
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
【0322】
但し、ラジカル重合性化合物の使用量は重合性組成物の全成分の重量に対し30%以下であり、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。本発明の画像記録材料における重合性組成物ではラジカル重合性化合物(モノマー又はオリゴマー型架橋剤)の作用は感度調整剤であり特に含有する必要はない。30%以上であると被膜性が悪化し保存安定性、耐刷性が劣化する。
【0323】
重合禁止剤
また、本発明においては以上の基本成分の他に重合性組成物製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、全重合性組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにべヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全重合性組成物の約0.5重量%〜約10重量%が好ましい。
【0324】
着色剤等
さらに、感光層の着色を目的として染料もしくは顔料を添加してもよい。これにより、印刷版としての、製版後の視認性や、画像濃度測定機適性といったいわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、多くの染料は重合系感光層の感度の低下を生じるので、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。染料および顔料の添加量は全重合性組成物の約0.5重量%〜約5重量%が好ましい。
【0325】
その他の添加剤
さらに、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、その他可塑剤、感光層表面のインク着肉性を向上させうる感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物と結合剤との合計重量に対し10重量%以下添加することができる。
【0326】
また、後述する膜強度(耐刷性)向上を目的とした、現像後の加熱・露光の効果を強化するための、UV開始剤や、熱架橋剤等の添加もできる。
その他、感光層と支持体との密着性向上や、未露光感光層の現像除去性を高めるための添加剤、中間層を設けることも可能である。例えば、ジアゾニウム構造を有する化合物やホスホン化合物等、基板と比較的強い相互作用を有する化合物の添加や下塗りにより、密着性が向上し、耐刷性を高めることが可能であり、一方ポリアクリル酸や、ポリスルホン酸のような親水性ポリマーの添加や下塗りにより、非画像部の現像性が向上し、汚れ性の向上が可能となる。
【0327】
本発明の画像記録材料における重合性組成物を支持体上に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。そして、塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50重量%が適当である。
【0328】
感光層の支持体被覆量は、主に、感光層の感度、現像性、露光膜の強度・耐刷性に影響しうるもので、用途に応じ適宜選択することが望ましい。被覆量が少なすぎる場合には、耐刷性が十分でなくなる。一方多すぎる場合には、感度が下がり、露光に時間がかかる上、現像処理にもより長い時間を要するため好ましくない。本発明の主要な目的である走査露光用平版印刷版としては、その被覆量は乾燥後の重量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が適当である。より好ましくは0.5〜5g/m2である。
【0329】
「支持体」
本発明の主要な目的の一つである、平版印刷版を得るには上記感光層を、表面が親水性の支持体上に設けることが望ましい。親水性の支持体としては、従来公知の、平版印刷版に使用される親水性支持体を限定無く使用することができる。使用される支持体は寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のような金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が含まれ、これらの表面に対し、必要に応じ親水性の付与や、強度向上、等の目的で適切な公知の物理的、化学的処理を施しても良い。
【0330】
特に、好ましい支持体としては、紙、ポリエステルフィルムまたはアルミニウム板が挙げられ、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じた表面処理により親水性や強度にすぐれた表面を提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公昭48−18327号に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。
【0331】
好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にはアルミニウムがラミネートまたは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0332】
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、粗面化(砂目立て)処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸、硝酸等の電解液中で交流または直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。また、アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば、界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
【0333】
さらに、粗面化したのちに珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理されたアルミニウム板が好ましく使用できる。特公昭47−5125号に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものが好適に使用される。陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはそれらの塩の水溶液または非水溶液の単独または二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
【0334】
また、米国特許第3658662号に記載されているようなシリケート電着も有効である。
さらに、特公昭46−27481号、特開昭52−58602号、特開昭52−30503号に開示されているような電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理および珪酸ソーダ処理を組合せた表面処理も有用である。
また、特開昭56−28893号に開示されているような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレイン、陽極酸化処理さらに珪酸ソーダ処理を順に行ったものも好適である。
【0335】
さらに、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。
さらに特開平7−159983号に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
【0336】
その他好ましい例として、任意の支持体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものも挙げることができる。このような表面層としては例えばUS3055295号や、特開昭56−13168号記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開平9−80744号記載の親水性膨潤層、特表平8−507727号記載の酸化チタン、ポリビニルアルコール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を挙げることができる。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる重合性組成物の有害な反応を防ぐため、かつ感光層の密着性の向上等のために施されるものである。
【0337】
「保護層」
本発明の画像記録材料を平版印刷版用原版に用いる場合には、通常露光を大気中で行うため、感光層の上に、さらに、保護層を設けることができる。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、このような保護層に望まれる特性は、低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。このような、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。保護層に使用できる材料としては例えば、比較的、結晶性に優れた水溶性高分子化合物(水溶性ポリマーともいう)を用いることがよく、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸などのような水溶性ポリマーが知られているが、これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与える。保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、およびアセタールで置換されていても良い。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールの具体例としては71〜100モル%加水分解され、分子量が重量平均分子量で300から2400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。
【0338】
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、低分子物質遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程低分子物質遮断性が高くなり、感度の点で有利である。しかしながら、極端に低分子物質遮断性を高めると、製造時、生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。また、画像部との密着性や、耐傷性も版の取り扱い上極めて重要である。即ち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の重合層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすい。これに対し、これら2層間の接着性を改良すべく種々の提案がなされている。例えば米国特許第292501号、米国特許第44563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョンまたは水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、重合層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。
このような保護層の塗布方法については、例えば米国特許第3,458,311号、特開昭55−49729号に詳しく記載されている。
【0339】
さらに保護層には他の機能を付与することもできる。例えば、光源としてレーザー光を使用する場合、重合性組成物としてはその光源波長での感光性には優れるが、他の波長では感光してほしくない場合がある。例えば、光源が750nm以上の赤外領域のものであれば、実質上明室で使用することができるが、実際には蛍光灯の光など短波の光でも感光する場合がある。その場合には、光源の光透過性に優れ、かつ700nm未満の波長光を効率良く吸収しうる着色剤(水溶性染料等)の添加が好ましい。
また、別の例として光源が450nm以下の紫外領域のものであれば、実質上セーフライト下で使用することができる。しかし実際には、500nm以上の可視光により感光する場合がある。その場合には、光源の光透過性に優れ、かつ500nm以上の光を効率良く吸収しうる、着色剤(水溶性染料等)の添加により、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性をさらに高めることができる。
【0340】
本発明の画像記録材料を光重合性平版印刷版として使用する際には、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。これらの光重合性平版印刷版から平版印刷版の製版に使用する際の好ましい現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア水などのような無機アルカリ剤やモノエタノールアミンまたはジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤の水溶液が適当である。このようなアルカリ溶液の濃度が0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%になるように添加される。
【0341】
また、このようなアルカリ性水溶液には、必要に応じて界面活性剤やベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ブトキシエタノールのような有機溶媒を少量含むことができる。例えば、米国特許第3375171号および同第3615480号に記載されているものを挙げることができる。
さらに、特開昭50−26601号、同58−54341号、特公昭56−39464号、同56−42860号の各公報に記載されている現像液も優れている。
また、特願平2001−62270号明細書記載の特定の芳香族ノニオン界面活性剤含有現像液が、ポリマー主体の感材である本発明の画像記録材料に対し、現像性の点でより好ましい。
【0342】
その他、本発明の画像記録材料の好適な用途である、光重合性平版印刷版からの平版印刷版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。このような加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行うことも有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が高すぎると、非画像部までがかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
走査露光平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いることができる。光源としてはレーザが好ましく。例えば、350〜450nmの波長の入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
【0343】
ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm,351nm,10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm,325nm,1mW〜100mW)、
固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355mm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm,10mW)、
半導体レーザー系として、KNbO3、リング共振器(430nm,30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)
その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)
【0344】
特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
その他、450nm〜700nmの入手可能な光源としてはAr+レーザ−(488nm)、YAG−SHGレーザー(532nm)、He−Neレーザー(633nm)、He―Cdレーザー、赤色半導体レーザー(650〜690nm)、及び700nm〜1200nmの入手可能な光源としては半導体レーザ(800〜850nm)、Nd−YAGレーザ(1064nm)が好適に利用できる。
【0345】
その他、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、紫外のレーザランプ(ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザーなど)、放射線としては電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線なども利用できるが、安価な点で上述の350nm以上のレーザー光源が特に好ましい。
また、露光機構は内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。また本発明の画像記録材料の感光層成分は高い水溶性のものを使用することで、中性の水や弱アルカリ水に可溶とすることもできるが、このような構成の平版印刷版は印刷機上に装填後、機上で露光-現像といった方式を行うこともできる。
【0346】
また、本発明による画像記録材料の用途としては走査露光用平版印刷版の他、広く、制限なく適用できる。例えば、フォトレジスト等の電子材料製造にも応用できる。
【0347】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明のラジカル重合性基を有するポリマー(A)及びアルカリ可溶性ポリマー(B)については、既存モノマーの共重合、或いは高分子反応による特定官能基の導入により容易に得られる。
【0348】
〔ラジカル重合性基を有するポリマー(A)の合成〕
<合成例1:AP−1>
フラスコ内に1−ブロモ−1−メチルプロピオニルオキシエチルメタクリレート(0.5mol)、メタクリルアミド(0.4mol)とメタクリル酸(0.1mol)、V−59(和光純薬社製、アゾ系熱重合開始剤)(0.03mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(1リットル)を混合し、70℃で5時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン:0.6mol)を入れ、3時間撹拌後、HClでpH<4とした水5リットルに攪拌しながら少量ずつ反応液を入れていくと白色粉末が析出した。この粉末を濾過し、乾燥することでポリマーAP−1を収量90%で得た。この物質の構造はNMR、IR、GPCにより確認した。
【0349】
<合成例2:AP−10>
フラスコ内にN−(1−ブロモ−1−メチルプロピオニルオキシエチル)メタクリルアミド(0.6mol)、N−メチルメタクリルアミド(0.3mol)とメタクリル酸(0.1mol)、V−59(和光純薬社製、アゾ系熱重合開始剤)(0.03mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(1リットル)を混合し、70℃で5時間攪拌する。反応液を0℃に冷却し、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン:0.7mol)を入れ、3時間撹拌後、HClでpH<4とした水5リットルに攪拌しながら少量ずつ反応液を入れていくと白色粉末が析出した。この粉末を濾過し、乾燥することでポリマーAP−10を収量95%で得た。この物質の構造はNMR、IR、GPCにより確認した。
【0350】
〔アルカリ可溶性ポリマー(B)の合成〕
<合成例3:BP−1>
フラスコ内にアリルメタクリレート(0.5mol)とメタクリル酸(0.5mol)、V−65(和光純薬社製、アゾ系熱重合開始剤)(0.03mol)、1−メトキシ−2−プロパノール(1リットル)を混合し、70℃で5時間攪拌した。反応後、水5リットルに攪拌しながら少量ずつ反応液を入れていくと白色粉末が析出した。この粉末を濾過し、乾燥することでポリマーBP−1を収量90%で得た。この物質の構造はNMR、IR、GPCにより確認した。
【0351】
<合成例4:BP−12>
フラスコ内にN−(1−ブロモ−1−メチルプロピオニルオキシエチル)メタクリルアミド(0.4mol)、ライトエステルHO−HH(共栄化学社製0.3mol)とメタクリル酸(0.3mol)、V−65(和光純薬社製、アゾ系熱重合開始剤)(0.05mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(1リットル)を混合し、70℃で5時間攪拌する。反応液を0℃に冷却し、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン:1.0mol)を入れ、3時間撹拌後、HClでpH<4とした水5リットルに攪拌しながら少量ずつ反応液を入れていくと白色粉末が析出した。この粉末を濾過し、乾燥することでポリマーBP−12を収量95%で得た。この物質の構造はNMR、IR、GPCにより確認した。
以上のようにして具体例に示した全ての化合物を合成できる。
【0352】
(支持体の調製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板を10重量%水酸化ナトリウムに60℃で25秒間浸漬してエッチングした後、流水で水洗後20重量%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これを正弦波の交番波形電流を用いて1重量%硝酸水溶液中で300クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。引き続いて1重量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃で5秒間浸漬後30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、60℃で40秒間デスマット処理した後、20重量%硫酸水溶液中、電流密度2A/dm2において、陽極酸化皮膜の厚さが2.7g/m2になるように、2分間陽極酸化処理した。その表面粗さを測定したところ、0.3μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
【0353】
このように処理された基板の裏面に下記のゾル−ゲル反応液をバーコーターで塗布し100℃で1分間乾燥し、乾燥後の塗布量が70mg/m2のバックコート層を設けた支持体を作成した。
【0354】
(ゾル−ゲル反応液)
テトラエチルシリケート 50重量部
水 20重量部
メタノール 15重量部
リン酸 0.05重量部
【0355】
上記成分を混合、撹拌すると約5分で発熱が開始した。60分間反応させた後以下に示す液を加えることによりバックコート塗布液を調製した。
【0356】
Figure 0004264229
【0357】
(感光層の調製)
このように処理されたアルミニウム板上に下記組成の重合性組成物(感光層形成溶液)を乾燥塗布量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分乾燥させ感光層を形成させた。
【0358】
Figure 0004264229
【0359】
(保護層の調製)
上述の感光層の一部(下表1に示す)には、その感光層上にポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度550)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2g/m2となるように塗布し、100℃で2分間乾燥した。
【0360】
(感度の評価)
このように得られた感材はその露光波長に応じてそれぞれ異なる光源を利用し、感度評価を行った。
たとえば、400nmの半導体レーザー、532nmのFD−YAGレーザー、830nmの半導体レーザーをそれぞれ用い大気中で露光した。下記組成の現像液に25℃、10秒間浸漬し、現像を行い、画像ができるその最小露光量を観測した。そして、露光波長に応じ、実施例1、8、12をそれぞれ各露光系での基準(1.0)とした相対感度(相対感度=基準感材の感度/対象感材の感度)で表した。この相対感度は数値が大きい方が高感度である。但し、光源波長が違うと光子1つ当たりが有するエネルギー量が異なるため、単純に考えても通常は短波になるほど上述の露光量が少なくても感光することが可能となり、短波の方が高感度となる。従って、表2は、異なる露光条件間での感度比較には意味がなく、あくまでも同一露光条件での実施例と比較例での差をみるためのものである。結果を下表2に示す。
【0361】
(現像液の組成)
DV−2(富士写真フイルム社製) 200g
水 800g
【0362】
(耐刷性の評価)
上記感光/感熱材料を各感材に対応したレーザで走査露光し、1%網点(ハイライト)を形成し、露光後、上記現像液で現像した。この際得られた感光材料を印刷版として用い、ハイデルKOR−D機で印刷後、刷了枚数を耐刷性の指標として相対比較した。そして、露光波長に応じ実施例1、8、12をそれぞれ各露光系での基準(200)とした耐刷指数で表した。この耐刷指数は数値が大きい方が高耐刷性である。感材の製造において、この指数が大きいほど耐刷性が良好であり好ましい。
【0363】
(保存安定性の評価)
レーザ露光前の上記感光材料を高温条件下(60℃)に3日間放置し、その後この保存後の感材を前記と同様にレーザ露光し記録に必要なエネルギー量を算出し、高湿保存前後のエネルギー比(高温保存後のエネルギー/高温保存前のエネルギー)を求めた。このエネルギー比が1.1以下であることが製造上好ましく保存安定性においても良好といえる。この評価結果も下表2に示す。
【0364】
【表3】
Figure 0004264229
【0365】
【表4】
Figure 0004264229
【0366】
【化116】
Figure 0004264229
【0367】
【化117】
Figure 0004264229
【0368】
表2より本発明の画像記録材料は高感度、高耐刷であり、保存安定性も良好である。
【0369】
【発明の効果】
本発明の画像記録材料は、酸価1.5mmol/g未満のラジカル重合性基を有するポリマー(A)と、酸価1.5mmol/g以上でかつ特定の官能基を有するアルカリ可溶性ポリマー(B)を含有する光または熱重合性組成物からなる層を有し、それぞれ機能の違う2種類のポリマー組み合わせによる相乗効果により、高感度と優れた保存安定性を見事に両立でき、特に紫外光、可視光及び赤外光を放射する固体レーザ及び半導体レーザ光を用いて記録することによりコンピューター等のデジタルデータから直接製版可能な光重合性平板印刷版として好適な画像記録材料を提供することができる。

Claims (8)

  1. 支持体上に、酸価1.5mmol/g未満のアクリル基またはメタクリル基からなるラジカル重合性基を有し、ガラス転移点(Tg)が70〜300℃であり、且つアミド基及びイミド基のいずれかを有するポリマー(A)と、酸価1.5mmol/g以上でかつ下記一般式(I)で表される官能基を有する、ポリスチレンまたはポリ(メタ)アクリル系の高分子をポリマー主鎖とするアルカリ可溶性ポリマー(B)を含有する光または熱重合性組成物からなる層を有することを特徴とする画像記録材料。
    −C(R)=C(R)(R) 一般式(I)
    (式中、R〜Rは水素原子または置換基を有していても良い炭化水素基を表す。)
  2. 前記アルカリ可溶性ポリマー(B)において、一般式(I)で表される官能基が、α−アルキルアクリル基またはアリル基であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録材料。
  3. 前記ポリマー(A)と前記アルカリ可溶性ポリマー(B)との相対的重量比率が、2/8〜8/2の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録材料。
  4. 前記光または熱重合性組成物が、さらに重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録材料。
  5. 前記重合開始剤が、チタノセン化合物、芳香族スルホニウム塩およびトリハロメチル−S−トリアジン化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像記録材料。
  6. 前記光または熱重合性組成物が、さらに増感色素を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像記録材料。
  7. 前記増感色素が、赤外線吸収剤であることを特徴とする請求項6に記載の画像記録材料。
  8. 前記光または熱重合性組成物が、さらに付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像記録材料。
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