JP4263721B2 - 延伸装置 - Google Patents

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    • D02J1/22Stretching or tensioning, shrinking or relaxing, e.g. by use of overfeed and underfeed apparatus, or preventing stretch

Description

本発明は、合成繊維の延伸装置に係り、特に、ウイッグ、ヘアピース、ブレード、エクステンションヘアー等の頭髪装飾用等に用いられ、あるいはドールヘアーなどとして各種人形に用いられる人工毛髪を得るための延伸装置に関するものである。
合成繊維の延伸装置としては、繊維を供給する第1ローラと、繊維を延伸する第2ローラと、これら第1ローラと第2ローラとの間に配置され、繊維に走行抵抗を付与する抵抗体を有する加熱槽からなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
これらの延伸装置は、繊維に走行抵抗を付与する抵抗体と繊維との係合度合を調節手段によって調整し、抵抗体から繊維に付与する走行抵抗を加減できるようにしたものである。これらの延伸装置にあっては、単繊維あるいは数本の繊維を延伸する際には何ら問題なかった。
しかしながら、未延伸の繊維を120本以上の繊維束として同時に延伸しようとすると、表層部と中心部では均一に加熱できないため、特に中心部の繊維が充分に軟化されないため、その中心部にある繊維の白化や糸切れが発生してしまうという問題があった。また、中心部を充分に軟化させようとすると、加熱されすぎた表層部が溶融されて糸切れが生じるという新たな課題が生じた。
特に、ポリ塩化ビニル樹脂製の人工毛髪用合成繊維の場合、未延伸の繊維は120〜320デニールであって一般用との合成繊維より比較的繊維径が大きい繊維であり、さらに、加熱による軟化の発現が他の原料から成る合成繊維と大きく異なり、また、得られた製品が人工毛髪と云う特殊な分野であるとともに、極めて厳しい品質管理が求められるため、他分野の技術の応用が極めて困難であった。
繊維の白化とは繊維が延伸された際に、繊維を構成する樹脂組成物がミクロ的に切断して繊維の表面が白くなってしまう現象をいい、糸切れとは、白化現象が進行したり、溶融しすぎた結果、繊維自体が切断してしまう現象を云う。
特許第3274253号公報
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、すなわち、120本以上の単繊維からなる繊維束を延伸する際でも、繊維の白化や糸切れを防止できる延伸装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、繊維束を帯状に変形させると共に摺動抵抗を付与させる抵抗付与装置を加熱槽の特定の位置に設けることにより、繊維束を均一に加熱軟化することができ、繊維の白化や糸切れを防止できることを見出し本発明に至った。
本発明の延伸装置は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、合成繊維の繊維束を供給する第1ローラ、該第1ローラより大きい周速度で回転し該第1ローラとの周速度差により該繊維束を延伸する第2ローラ、及び、該第1ローラと該第2ローラとの間に配置され該繊維束をその内部に導入して加熱軟化するための中空箱状の加熱槽を有する合成繊維の延伸装置において、上記加熱槽内に、該繊維束を加熱するとともに該繊維束に帯状に拡幅変形させながら摺動抵抗を付与するための、それぞれ加熱可能な支持体2つと、これら2つの支持体の中間付近に設けられた、加熱可能な加圧体とからなる加熱・抵抗付与装置が設けられ、これら支持体及び加圧体はともに上記第2ローラの軸に平行に設置された棒状体であってそれぞれ該繊維束に接し、加圧体は、その加圧体に隣接する前記2つの支持体の繊維束摺接面を共に含む平面から離間して配置され、かつ、上記2つの支持体のうち、繊維束進行方向上流側に設置された第1支持体が、加熱槽の繊維束導入口と加熱槽の中央との間の位置に配置され、上記第1支持体の繊維束進行方向下流側に設置された第2支持体が、該第1支持体から繊維束進行方向下流の方向へ65〜550mmの位置に配置され、かつ、上記加圧体が、上記第1支持体の繊維束摺接面と上記第2支持体の繊維束摺接面とを含む平面の、上記第1支持体から繊維束進行方向下流の方向に50〜350mmの位置から垂直に10〜200mm離間した位置に配置されている延伸装置である。
また、本発明の延伸装置は請求項に記載の通り、請求項に記載の延伸装置において、上記支持体及び加圧体がともに、これら支持体及び加圧体に供給される電気エネルギーにより加熱可能となっている延伸装置である。
また、本発明の延伸装置は請求項に記載の通り、請求項に記載の延伸装置において、上記支持体及び加圧体がともに、外部からこれら支持体及び加圧体の内部に供給される加熱用流体により加熱可能となっている延伸装置である。
また、本発明の延伸装置は請求項に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の延伸装置において、前記合成繊維がポリ塩化ビニル樹脂製である延伸装置である。
また、本発明の延伸装置は請求項に記載の通り、請求項に記載の延伸装置において前記合成繊維が人工毛髪用合成繊維である延伸装置である。
また、本発明の延伸装置によれば、120本以上の繊維束を同時に延伸しようとした場合であって、繊維束の表層部及び中心部を共に均一に加熱できるので、繊維束の中心部であっても、表層部と同様に、繊維の白化及び糸切れが共に発生しない延伸が可能となる。
[図1]本発明に係る合成繊維の延伸装置(実施例1)の主要部を模式的に示した断面図である。
[図2]実施例1の抵抗付与装置4と合成繊維の繊維束5との状態を模式的に示した部分斜視図
[図3]第1支持体が供給される電気エネルギーにより加熱可能となっている例を示すモデル図である。
[図4]外部から支持体内部に供給される加熱用流体により加熱可能となっている例を示すモデル図である。
[図5]加熱槽3の加熱・抵抗付与装置4付近のモデル拡大断面図である。
符号の説明
1 第1ローラ
2 第2ローラ
3 加熱槽
31 繊維束導入口
32 繊維束排出口
4 抵抗付与装置
41 支持体(第1支持体)
42 支持体(第2支持体)
43 加圧体
5 繊維束
本発明における加熱・抵抗付与装置は、断面が円状の繊維束を上下方向又は左右方向より挟み込んで帯状に拡幅変形させると共に、繊維束に摺動抵抗を付与するためのものであるとともに、拡幅変形させた繊維束を効果的に加熱するものである。ここで、抵抗付与装置の形状は、それぞれ加熱可能な複数の支持体と、隣り合う2つの支持体の中間ないし中間付近に設けられた、加熱可能な加圧体とからなるものである。
すなわち、加熱・抵抗付与装置は、繊維束を帯状に拡幅させて変形させることで、繊維束の表層部と中心部を近接させて、繊維束全体を均一に加熱し、軟化させることができるものであり、さらに繊維束に摺動抵抗を与えることで、繊維の延伸開始位置を固定して繊維を均一に延伸できるようにしたものである。
なお、加熱・抵抗付与装置における複数の、棒状の支持体は、通常、第1ローラの繊維束接触面と第2ローラの繊維束接触面と含む平面に、その繊維との接触面が位置するように配するが、装置製作上の必要がある場合、あるいは、特に高い摺動抵抗を付与しようとする場合などではこの限りでない。
本発明における支持体及び加圧体の形状は本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されないが、これらは繊維束と接摺する接触部材であるため、なめらかな形状であることが必要で、例えば断面が円形、楕円形、多角形の棒状体や板状体などが挙げられ、これらの1種またはこれらを組み合わせて採用できる。なお、形状として棒状体を採用した際には直径10〜150mm、板状体を採用した際には厚さ5〜30mmとし、共に繊維との接触部に半径5〜75mmの曲面加工を施したものが望ましい。
また、本発明における支持体及び加圧体の材料としては、鉄、ステンレス、銅、真鍮等の金属材料や、セラミックス等の無機材料が挙げられ、これらから適宜選択して採用すればよい。
本発明における支持体及び加圧体の材料は加熱可能であることが必要である。加熱槽で雰囲気温度を高めても、繊維自体が延伸可能な温度とするには、加熱槽の大きさを巨大なものとしても充分な加温ができない。繊維束と接触する支持体及び加熱体が加熱されていることで、それらと繊維束との接触による伝熱で、繊維束をその内部まで確実に加熱することができる。
これら支持体及び加圧体の加熱は、これらに供給される電気エネルギーによる抵抗加熱等により行うことができ、あるいは、外部からこれらの内部に供給される熱媒としての加熱用流体によりおこなうことができる。前者の場合では、これら支持体、加圧体及びこれらの加熱のための設備の製造コストは安価となるが、ランニングコストが高くなる。後者の場合では加熱流体を加熱しやすいため、前者よりもランニングコストが低くなるとともに、これら支持体、加圧体及びこれらの加熱のための設備の製造コストが高いものとなる。
本発明の加熱槽において、繊維束を加熱軟化させる手段は従来公知のものを採用でき、例えば、電熱、蒸気、温水、温油等がある。なお、加熱温度は、延伸する合成繊維の素材に合わせて適宜設定すればよい。
本発明では、このような第1ローラと第2ローラとの間に配置した中空箱状の加熱槽の内部に導入して加熱軟化させるときに、加熱槽内で、繊維束を帯状にその幅を広げると共に、繊維束を加熱された接触部材、すなわち、共に加熱された支持体及び加圧体と接触させることによる接触加熱により、加熱槽だけでの加熱では果たせなかった、繊維束中央部の繊維の充分な加熱も可能となり、その結果、白化や、糸切れを未然に防止しながら、第1ローラと第2ローラとにより所定の倍率に延伸することが可能となる。
本発明の延伸装置に供される合成樹脂としては、繊維として成形可能な従来公知の合成樹脂があり、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等がある。具体的には、ポリスチレン樹脂では、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体等がある。ポリフェニレンエーテル樹脂では、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)等がある。ポリオレフィン樹脂ではポリエチレン、ポリプロピレン等がある。ポリアミド樹脂では、ナイロン6、ナイロン66等がある。ポリエステル樹脂ではポリアルキレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等がある。ポリメタクリレート樹脂ではポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等がある。ポリ塩化ビニル樹脂では、ポリ塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−アルキルビニルエーテル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体等がある。
本発明において合成樹脂として人工毛髪に最適なポリ塩化ビニル樹脂を採用する場合、目的に応じてポリ塩化ビニル樹脂組成物に使用される公知の添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で添加できる。添加剤としては、加工助剤、強化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、充填剤、難燃剤、顔料、初期着色改善剤、導電性付与剤、表面処理剤、光安定剤、香料等がある。
ここで、支持体を2つ、加圧体を1つそれぞれ有する加熱・抵抗付与装置での場合には、その繊維束の進行方向上流側に設置された第1支持体は、第1ローラから供給された繊維束を加熱槽の繊維束導入口へ安定的に導入するものである。ここで第1支持体の設置位置は、加熱槽の繊維束の導入口より第1ローラ側であると、繊維束を加熱槽に安定的に導入できなくなって繊維の白化や糸切れが発生し、あるいは、加熱槽の中央部より繊維束進行方向下流の方向側であると繊維束が延伸時に振動して繊維の白化や糸切れが発生してしまうため、加熱槽の繊維束導入口と加熱槽の中央との間の位置であることがよい。
さらに、第1支持体よりも繊維束の進行方向下流側に設置された第2支持体は、後述する加圧体によって摺動抵抗が付与された繊維束を、加熱槽の排出口から安定して排出するためのものである。ここで第2支持体の設置位置は、加熱槽の全長や繊維東の移動速度にもよるが、第1支持体から繊維束進行方向下流の方向へ65〜550mmの位置に配置されていることが好ましい。ここで、65mm未満の位置であると繊維束にかかる抵抗が大きくなりすぎて繊維が糸切れしてしまい、550mmを超えた位置であると繊維束が帯状に拡幅・変形しなくなって均一に加熱されなくなり繊維の白化が発生してしまう。
加圧・抵抗付与装置の加圧体は、上記第1支持体及び第2支持体と相俟って、断面円状の繊維束を挟み込んで、帯状に拡幅・変形させるとともに、繊維束に摺動抵抗を付与するためのものである。ここで、加圧体が、該第1支持体の繊維束摺接面と第2支持体の繊維束摺接面とを含む平面の、第1支持体から繊維束進行方向下流の方向に50〜350mmの位置から垂直に10〜200mm離間した位置に配置されていることが望ましい。
すなわち、第1支持体から繊維束進行方向への変位が50mm未満であると繊維束にかかる抵抗が大きくなりすぎて繊維が糸切れしやすくなり、350mm超であると繊維束が効果的に帯状に拡幅・変形されなくなって、均一加熱が困難となり、その結果、繊維の白化が発生しやすくなる。
また、加圧体の上記平面からの垂直な離間距離が、10mm未満であると、繊維束が帯状に変形しなくなって均一に加熱されなくなり繊維の白化が発生しやすくなり、200mmを超えてしまうと繊維束にかかる抵抗が大きくなりすぎて繊維が糸切れしやすくなるため、加圧体の上記平面からの垂直な離間距離は10〜200mmの位置がよい。
本発明に係る合成繊維の延伸装置の実施例を図1及び図2を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る合成繊維の延伸装置(実施例1)の主要部を模式的に示した断面図である。
図1中、符号1はポリ塩化ビニル樹脂からなる合成繊維の繊維束5を供給する第1ローラを示し、符号2は第1ローラ1より大きい周速度で回転し該第1ローラ1との周速度差により該繊維束を延伸する第2ローラを、符号3は第1ローラ1と該第2ローラ2との間に配置され繊維束5をその内部に導入して加熱軟化するための中空箱状の加熱槽4(本例では全長が2m)を示し、符号31及び32は加熱槽3の繊維束導入口及び繊維束排出口をそれぞれ示している。この加熱槽3内には、繊維束5を加熱するとともに繊維束5に帯状に拡幅変形させながら摺動抵抗を付与するための、それぞれ加熱可能な複数の支持体41(繊維束進行方向上流側に設置された第1支持体)及び42(第1支持体から繊維束進行方向下流の方向に設置された第2支持体)と、これら2つの支持体41及び42の中間付近に設けられた、加熱可能な加圧体43とからなる加熱・抵抗付与装置4が設けられている。
一方、図2は、実施例1の抵抗付与装置4(いずれも断面形状が直径が30mmの円である丸棒形状であり、ステンレスからなる、第1支持体41、第2支持体42及び加圧体43から構成される。本例ではこれらの加熱手段はそれぞれに内蔵された電熱ヒータである)と合成繊維の繊維束5との状態を模式的に示した部分斜視図である。なお、これら図1及び図2中の矢印は、繊維束の流れ方向を示したものである。
図3は第1支持体が供給される電流により加熱可能となっている例として、加熱手段として電熱ヒータを内蔵させた状態を示すモデル図であり、図4は、外部から支持体内部に供給される加熱用流体により加熱可能となっている例を示すモデル図である。なお、本発明における延伸装置では、ポリ塩化ビニル樹脂からなる合成繊維を用いることから、これら第1支持体、第2支持体及び加熱体は90℃以上150℃以下に加熱可能であることが望ましい。90℃未満であるとこれらの加熱の効果が得られにくく、また、150℃超であると温度が高すぎ、繊維が溶融して糸切れが発生してしまう。なお、これら第1支持体、第2支持体及び加熱体はすべて同じ温度に設定しても良く、あるいは、最良の結果を得るために、それぞれの温度を変えて設定しても良い。
実施例1の延伸装置では、その加熱・抵抗付与装置4で第1支持体41、第2支持体42と加圧体43の位置をそれぞれ移動可能としてある。
ここで、第1支持体、第2支持体及び加圧体はそれぞれ所望の位置(繊維束導入口からの距離及び上下方法の位置)に固定可能となっている。ここで、これら第1支持体41、第2支持体42及び加圧体43の位置、すなわち、加熱槽3の加熱・抵抗付与装置4付近のモデル拡大断面図である図5において、加熱槽3の繊維束導入口41と第1支持体との距離d1、第1支持体41と第2支持体の距離d2、d3は第1支持体41と加圧体43までの距離d3、そして、第1支持体の繊維束摺接面と第2支持体の繊維束摺接面とを含む平面からの加圧体の離間距離(以下「加圧体の離間距離」とも云う)hをそれぞれ調整し、そのときの延伸後の繊維の状態への影響を調べた。
すなわち、200デニール、ポリ塩化ビニル樹脂製の単繊維120本からなる繊維束(未延伸糸)を、第1ローラ1から130℃に加熱した加熱槽3内に100m/minの速度で供給し、共に内蔵された電熱ヒータにより加熱された第1支持体41、第2支持体42及び加圧体43からなる抵抗付与装置4によって加熱延伸し、第2ローラで400m/minの速度で引き取って4倍の延伸を行った。この延伸後の繊維束100mを目視にて確認し、白化した繊維が1本も確認されなかった場合を合格(○)、1本でも白化していた場合を不合格(×)とした。また、このとき、糸切れが1本もなかった場合を合格(○)、1本でも糸切れしていた場合を不合格(×)とした。なお、この評価は、人工毛髪として求められる非常に厳格な品質管理に即した非常に厳しいものである。
それら実験の結果を表1及び表2に示す。なお、これら表中、第1支持体の繊維束摺接面と第2支持体の繊維束摺接面とを含む平面からの加圧体の離間距離hが正の値となっている場合には、繊維束に対して、第1支持体41及び第2支持体42は繊維束5に対して上方から接し、かつ、加圧体43は下方から接している状態(図1に示した状態)であることを示し、加圧体の垂直位置の値が負の値となっている場合には、繊維束に対して、第1支持体41及び第2支持体42は繊維束5に対して下方から接し、かつ、加圧体43は上方から接している状態であることを示す。また、加熱槽3の繊維束導入口41と第1支持体との距離d1が負となっている場合には、第1支持体は加熱槽3の外に設けられていることを示す。
Figure 0004263721
Figure 0004263721
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表1及び表2により、本発明の延伸装置によれば、白化や糸切れなしで、人工毛髪に適した繊維を得ることができることが判る。
本発明によれば、120本以上の単繊維からなる繊維束を延伸する際でも、繊維の白化や糸切れを防止できる人工毛髪用合成繊維の延伸方法及び延伸装置を実現することができ、人工毛髪用合成繊維の生産性を高めることができた。

Claims (5)

  1. 合成繊維の繊維束を供給する第1ローラ、該第1ローラより大きい周速度で回転し該第1ローラとの周速度差により該繊維束を延伸する第2ローラ、及び、該第1ローラと該第2ローラとの間に配置され該繊維束をその内部に導入して加熱軟化するための中空箱状の加熱槽を有する合成繊維の延伸装置において、
    上記加熱槽内に、該繊維束を加熱するとともに該繊維束に帯状に拡幅変形させながら摺動抵抗を付与するための、それぞれ加熱可能な支持体2つと、これら2つの支持体の中間付近に設けられた、加熱可能な加圧体とからなる加熱・抵抗付与装置が設けられ、
    これら支持体及び加圧体はともに上記第2ローラの軸に平行に設置された棒状体であってそれぞれ該繊維束に接し、
    加圧体は、その加圧体に隣接する2つの支持体の繊維束摺接面を共に含む平面から離間して配置され、かつ、
    上記2つの支持体のうち、繊維束進行方向上流側に設置された第1支持体が、加熱槽の繊維束導入口と加熱槽の中央との間の位置に配置され、
    上記第1支持体の繊維束進行方向下流側に設置された第2支持体が、該第1支持体から繊維束進行方向下流の方向へ65〜550mmの位置に配置され、かつ、
    上記加圧体が、上記第1支持体の繊維束摺接面と上記第2支持体の繊維束摺接面とを含む平面の、上記第1支持体から繊維束進行方向下流の方向に50〜350mmの位置から垂直に10〜200mm離間した位置に配置されている延伸装置。
  2. 上記支持体及び加圧体がともに、これら支持体及び加圧体に供給される電気エネルギーにより加熱可能となっている請求項1に記載の延伸装置。
  3. 上記支持体及び加圧体がともに、外部からこれら支持体及び加圧体の内部に供給される加熱用流体により加熱可能となっている請求項に記載の延伸装置。
  4. 前記合成繊維がポリ塩化ビニル樹脂製である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の延伸装置。
  5. 前記合成繊維が人工毛髪用合成繊維である請求項4に記載の延伸装置。
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