JP4263528B2 - 配線挿通孔用係嵌キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデスク、カウンタ、テーブルそしてパネルの如き家具等にあって、既知の如く床面等から引き出した配線を、パソコンなどに接続する際、当該配線をデスク等の天板とか側板などに配線挿通用孔を予め開口しておくことで、当該配線挿通用孔にコード等を挿通しないときにあっても外観上の体裁を損なわないようにすると共に、使い勝手をもよくするため、上記配線挿通用孔に予め嵌合しておくようにした係嵌キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実開平7−24135
【0003】
既にこの種の配線挿通用係嵌キャップは多用されており、図5がその市販品の一例であって、予めデスクの天板Aに穿設しておいた配線挿通孔Bに、係嵌キャップaの小径嵌合筒bを上方から係嵌することで、その抜け止め周縁蓋部cが天板A上に係当するようにし、このことで当該装填状態を保持するようにしている。この際図5(B)により理解される通り上記抜け止め周縁蓋部cには、配線用挿通口dが開口されており、ここで図5(A)のeは抜止用突周条を示している。
しかしこのような配線挿通用係嵌キャップは、単に天板Aにおける配線挿通孔B嵌め落としてあるだけであるため、これをデスクなどの側板とかパネルに採択した場合には、当然のことながら振動その他の外力などを受けることで不本意に外れ落ちてしまう欠陥がある。
【0004】
そこで側板に配線挿通用係嵌キャップを取着するためのものとしては図6により示されている通り(特許文献1参照)、ダクトfを机cの内方に入れ、ダクトfの各端部を側板gに穿設の配線孔hに整合するように支持し、その状態でまず一方の側板gの配線孔hから配線枠iの取付枠部分jをダクトfの端部に嵌合するまで挿入し、次に他方の側板kにあっても同上作業をすればダクトfを机Cに取り付けられるというものである。
従って上記公知例によるときは確かに側板gに取り付けても、配線枠iが抜け落ちることはないが、配線は一方の配線枠iから他方の配線枠までダクトf中を挿通させなければならないことから、自由度が制約されて使い勝手が悪いこととなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の配線挿通用係嵌キャップが有する欠陥に鑑み検討することにより、天板はもちろんのこと、縦板にあっても支障なく採択できるようにしたもので、請求項1によるときは一対の第1、第2筒状体を板体の配線挿通孔に嵌装してやることで、当該板体の板厚に合わせて挟持自在なるよう取着可能とし、さらに当該第1、第2筒状体の外側から一対の第1、第2蓋体を係脱自在に係止可能なるよう構成するのである。
かくして板厚寸法の大小を問わず、第1、第2筒状体を抜出の心配なしに取着して、これまでのように天板でなく側板に装填しても抜け落ちることのないようにし、さらに第1、第2蓋体によって外観を美麗に保持し得ると共に、通常は第1、第2蓋体に開設してある少量配線用通口を利用し得ることになるが、さらに多量の配線を挿通したいときには、同上第1、第2蓋体を第1、第2筒状体から離脱してしまうことで、当該第1、第2筒状体に大きく開通されることになる多量配線用通口を活用し得るようにするのが、その目的である。
【0006】
さらに請求項2ないし請求項4は、何れも請求項1の実施態様項であるが、請求項2にあっては、板体と少なくとも一方の筒状体との間にスペーサを挟入することで、挟持状態の強化を図り得るようにし、さらに請求項3では板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体相互の係止手段として、第1、第2歯合部を適所に設けることによって、上記板厚が変化しても挟持状態を確保し得るようにしている。
また請求項4にあっても、第1、第2筒状体と第1、第2蓋体との係嵌状態が不本意に抜出してしまうことを阻止するための抜止手段として、第1、第2筒状体と第1、第2抜け止め内側段差部と、第1、第2蓋体の第1、第2蓋突部とが係脱自在に係合するようにしたり、第1、第2筒状体と第1、第2抜け止め軸線側圧接部に対し、第2蓋体の第1、第2抜け止め反軸線側圧接部が弾接して、これによる充分な摩擦抵抗力を発揮可能とすることで、第1、第2蓋体の不本意な離脱を、より確実に阻止しようとしている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔における外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした係止手段を備えた一対の第1、第2筒状体と、当該第1、第2筒状体に向けて挿入内嵌した第1、第2蓋体が、夫々上記の第1、第2筒状体に対して抜け止め状態で係嵌自在に係止される抜止手段を備えていると共に、当該第1、第2蓋体には夫々第1、第2少量配線用通口が穿設され、この第1、第2蓋体を夫々前記第1、第2筒状体から離脱することで、当該第1、第2筒状体により開通された多量配線用通口の開通状態が形成されるようにしたことを特徴とする配線挿通孔用係嵌キャップを提供しようとしている。
【0008】
そして請求項2ないし請求項4は何れも請求項1に従属する請求項であり、請求項2であれば板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔の外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体が設けられ、さらに当該板体と少なくとも一方の筒状体との間にスペーサを挟入することで、当該挟持状態の強化を可能としている。
【0009】
そして請求項3の場合であると板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔における外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体相互の係止手段としては、第1、第2筒状体の軸線方向へ所定ピッチで形成した第1、第2歯合部が、全周または所要複数箇所にあって係脱自在に設けられていることを、その内容としている。
【0010】
さらに請求項4の実施態様によると、板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔における外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体と、当該第1、第2筒状体に向けて押入内嵌した第1、第2蓋体が、夫々上記の第1、第2筒状体に対して抜け止め状態で係嵌自在に係止される抜止手段が、上記第1、第2筒状体に形成の第1、第2抜け止め内側段差部に対して、前記の第1、第2蓋体に形成した第1、第2蓋突部を係脱自在なるよう係嵌して、第1、第2蓋体の離脱を阻止するか、同上抜止手段が第1、第2筒状体に形成の第1、第2抜け止め軸線側圧接部に対して、第1、第2蓋体に形成した第1、第2抜け止め反軸線側圧接部が弾接して、第1、第2蓋体の離脱を阻止するようにしたことを、その内容としている。
【発明の実施の形態】
【0011】
本発明の要旨につき図1ないし図4を参照して以下説明すると、請求項1にあって不可欠とする部材は一対の第1、第2筒状体1A、1Bと、これまた一対の第1、第2蓋体2A、2Bとであり、前掲第1、第2筒状体1A、1Bには、机の側板等である板体Yの板厚Dに合わせて挟持自在とした係止手段1Cが備えられていると共に、後掲第1、第2蓋体2A、2Bには、これを上記の第1、第2筒状体1A、1Bに向けて押入内嵌することで、第1、第2筒状体1A、1Bに対して抜け止め状態で係嵌自在なるよう係止される抜止手段3が具備されているのであり、図中Hは上記した板体Yに貫設された配線挿通孔を示している。
そして、さらに第1、第2蓋体2A、2Bには第1、第2少量配線用通口2a、2bが穿設されており、従ってこの状態では少量の配線を嵌装処理することができることになるのに対し、この第1、第2蓋体2A、2Bを夫々第1、第2筒状体1A、1Bから離脱してしまえば、第1、第2筒状体1A、1Bにより開通されることになる多量配線用通口4の開通状態が得られることになるのである。
【0012】
ここで、図面に開示された具体例によって、さらに請求項1に係る発明の内容を理解し易くすると、まず第1、第2筒状体1A、1Bは図1(B)(C)、図2そして図4を参照して理解できる通り、配線嵌装孔Hへの嵌入使用に際して、板体Yの各面に夫々押当される第1、第2周縁部1a、1bと、これよりも小径の第1、第2環状部1c、1dを具備しており、図中この第1環状部1cにおける第1周縁部1a寄りにあって、所定離間距離だけ突出したのが第1筒状体1Aの不本意な回動を阻止するための回止用小突起1eを示している。
【0013】
さらに前掲係止手段1cとしては、各種のものが技術的に想定可能であるが、図示例では第1環状部1cを先端へ向けて縮径状態に形成しておき、その自由端部内側には第1噛合部1fを、周方向へ鋸歯状にて少数箇形成しておき、これと係合するように形成した第2筒状体1Bにおける第2環状体1dの外側には、可成りの長さにわたり第2噛合部1gを形成する。この際図示例では山型歯状に形成してあり、この結果第1、第2筒状体1A、1Bを図示の如く板体Y内へ嵌入すれば板厚Dに可成り大小の差異があったとしても、板体Yは第1、第2周縁部1a、1bによって挟着状態に保持することができる。(請求項3)。
そしてこの際、上記の挟着強度に不満を生じた場合には、図1(B)により開示の如く板体Yと第2周縁部1bとの間に適宜厚さのスペーサ5を挟入することで、上記の不満を解消することが可能となる。(請求項2)。
【0014】
さて、本発明では上記のようにして装填し終った第1、第2筒状体1A、1Bに対して図面上、左右から第1、第2蓋体2A、2Bを押入嵌合させることになるが、これは嵌合後にあって不本意な離脱が生ずることを阻止しなければならないことから、前掲抜止手段3としての第1、第2の実施態様(請求項4)について、夫々図1(C)と図2を参照して以下夫々につき説示する。
すなわち抜止手段3の上記第1実施態様にあっては、第1、第2筒状体1A、1Bに形成された第1、第2抜け止め内側段差部1h、1iに対して、前記の第1、第2蓋体2A、2Bに形成した第1、第2蓋突部2c、2d(断面半円状)を係脱自在なるよう係嵌することで、第1、第2蓋体2A、2Bの不本意な外方への離脱を阻止するのである。
そして同上第2実施態様にあっては、当該抜止手段3なるものを、第1、第2筒状体1A、1Bの第1、第2抜け止め軸線側圧接部1j、1kに対して、第1、第2蓋体2A、2Bに形成した第1、第2抜け止め反軸線側圧接部2c、2dが弾接状態となるようにし、この弾接に基づく摩擦抵抗によって第1、第2蓋体2A、2Bの不本意な離脱を阻止しようとしている。
【0015】
【発明の効果】
本発明は請求項1に明示されている通り、まず一対の第1、第2筒状体を板体の配線挿通孔に嵌装することで、各種寸法の板厚である板体に対して挟着自在なるよう取着でき、さらに第1、第2筒状体の外側から内側へ向けて一対の第1、第2蓋体を係脱自在なるよう係止できるので、第1、第2蓋体が表出されて外観も美麗に仕上げることができるのはもちろん、天板でなく、側板に取り付けても不本意に抜け落ちてしまう心配を皆無とすることが可能となる。
しかも通常は第1、第2蓋体の第1、第2少量配線用通口を利用できるのはもちろん、多量の配線を処理したいときには、第1、第2蓋体を強制的に抜き去ってしまえば、第1、第2筒状体により大きく開通されることとなる多量配線用通口を活用できることになる。
【0016】
そして何れも上記請求項1の実施態様を示す他の請求項については、請求項2の場合であれば、スペーサを適所に活用することで板体に対する第1、第2筒状体の板厚に合わせての挟持状態を、がたつきのないより強力なものとすることができる。
そして請求項3によるときは、第1、第2筒状体相互の係止手段として、第1、第2噛合部を適所に設けることで、板厚が可成り変化しても挟持状態の確保を保証し得ることになる。
さらに請求項4によれば、第1、第2筒状体と第1、第2蓋体との抜け止めのための手段として、第1、第2筒状体の第1、第2抜け止め内側段差部と、第1、第2蓋体の第1、第2蓋突部とが係合するようにしたり、さらには第1、第2抜け止め反軸線側圧接部に対して、第2蓋体の第1、第2抜け止め反軸線側圧接部が弾接して第1、第2蓋体の不本意な離脱につき、その阻止力に関し信頼性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る配線挿通孔用係嵌キャップを示す正面図で、(B)はその使用状態を示す縦断側面図、(C)は(B)の上位側を拡大して示した縦断側面図である。
【図2】図1の(C)とは別実施例を示した上位側拡大の縦断側面図である。
【図3】(A)は本発明の一構成部材である第2蓋体の他実施例を示した背面図で、(B)は(A)のB−B線矢視断面図である。
【図4】(A)は本発明の一構成部材である第1筒状体を示す他実施例の側面図で、(B)は(A)の縦断側面図である。
【図5】(A)は従来の天板用に供されている配線用の係嵌キャップを示す使用状態の側面説明図で、(B)は(A)の平面図である。
【図6】(A)はデスクの側板に対して配線挿通孔用係嵌キャップを使用した従来例を示す一部切欠の部分正面図で、(B)は、その要部を示した配線ダクトと連結説明図である。
【符号の説明】
1A 第1筒状体
1B 第2筒状体
1C 係止手段
1f 第1歯合部
1g 第2歯合部
1h 第1抜け止め内側段差部
1i 第2抜け止め内側段差部
1j 第1抜け止め軸線側圧接部
1k 第2抜け止め軸線側圧接部
2A 蓋体
2B 蓋体
2a 少量配線用通口
2b 少量配線用通口
2c 第1蓋突部
2d 第2蓋突部
2e 第1抜け止め反軸線側圧接部
2f 第2抜け止め反軸線側圧接部
3 抜止手段
4 多量配線用通口
5 スペーサ
Y 板体
H 配線挿通孔
D 板厚

Claims (4)

  1. 板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔における外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした係止手段を備えた一対の第1、第2筒状体と、当該第1、第2筒状体に向けて挿入内嵌した第1、第2蓋体が、夫々上記の第1、第2筒状体に対して抜け止め状態で係嵌自在に係止される抜止手段を備えていると共に、当該第1、第2蓋体には夫々第1、第2少量配線用通口が穿設され、この第1、第2蓋体を夫々前記第1、第2筒状体から離脱することで、当該第1、第2筒状体により開通された多量配線用通口の開通状態が形成されるようにしたことを特徴とする配線挿通孔用係嵌キャップ。
  2. 板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔の外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体が設けられ、さらに当該板体と少なくとも一方の筒状体との間にスペーサを挟入することで、当該挟持状態の強化を可能とした請求項1に記載の配線挿通孔用係嵌キャップ。
  3. 板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔における外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体相互の係止手段としては、第1、第2筒状体の軸線方向へ所定ピッチで形成した第1、第2歯合部が、全周または所要複数箇所にあって係脱自在に設けられている請求項1に記載の配線挿通孔用係嵌キャップ。
  4. 板体に貫設された配線挿通孔には、対向状態にて配線挿通孔における外周側に嵌入することにより、板体の板厚に合わせて挟持自在とした一対の第1、第2筒状体と、当該第1、第2筒状体に向けて押入内嵌した第1、第2蓋体が、夫々上記の第1、第2筒状体に対して抜け止め状態で係嵌自在に係止される抜止手段が、上記第1、第2筒状体に形成の第1、第2抜け止め内側段差部に対して、前記の第1、第2蓋体に形成した第1、第2蓋突部を係脱自在なるよう係嵌して、第1、第2蓋体の離脱を阻止するか、同上抜止手段が第1、第2筒状体に形成の第1、第2抜け止め軸線側圧接部に対して、第1、第2蓋体に形成した第1、第2抜け止め反軸線側圧接部が弾接して、第1、第2蓋体の離脱を阻止するようにした請求項1に記載の配線挿通孔用係嵌キャップ。
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