JP4263436B2 - 遊技機における映像の位置合わせ方法及びこの方法に対応した遊技盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性部材を含んで成る遊技盤と、当該透光性部材に映像を表示可能な映像投射型表示装置とを備える遊技機に係り、特に、透光性部材の適切な位置に前記映像を表示させるのに好適な遊技機における映像の位置合わせ方法及びこの方法に対応した遊技盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ遊技機、ピンボールゲームなど、遊技球が、釘、風車、役物、入賞口等の配設された遊技盤上を移動する形式の遊技機がある。このような遊技機には、遊技に対する遊技者の興趣を向上するために、可変図柄を表示したり、この図柄をCG(Computer Graphics)によって表示部に表示するようにし、CGキャラクタをアニメーションさせるなどの演出によって遊技内容に面白味を付加するものがある。このような表示装置を有する遊技機は、表示部が遊技球の移動を阻害しないように、適度な大きさに設計されている。しかしながら、このような遊技機においては、図柄やCG等による演出は大画面の方が演出効果が高く、且つ、見やすいとして、表示部分をなるべく大きくするように様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤を透光性部材によって形成し、遊技盤の裏に大型の表示装置やプロジェクタなどの映像投射型表示装置などを配設して表示部が遊技球の移動を阻害しないようにしたものがある。特に、プロジェクタなどの映像投射型表示装置を用いる遊技機は、遊技盤上の風車、役物、入賞口、ランプ等が全て映像で表現されるものがあり、このような遊技機では盤面のほとんどに表示される映像によって演出を行うことが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記遊技機では、遊技盤はそのままで、映像ソースの変更だけを行うようなことがあったときに、この映像の表示位置を適切な位置に合わせる作業が必要になることがあり、この位置合わせ作業は、困難、且つ、煩わしいものとなることが予想される。
【0004】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、透光性部材を含んで成る遊技盤と当該透光性部材に映像を表示可能な映像投射型表示装置とを備える遊技機において、表示映像を遊技盤における透光性部材の適切な位置に表示させるのに好適な遊技機における映像の位置合わせ方法及びこの方法に対応した遊技盤を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1記載の遊技機における映像の表示方法は、透光性部材を含んで成る遊技盤と、当該透光性部材に映像を表示可能な、前記遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆われ、内部に反射鏡を備えた映像投射型表示装置と、を備える遊技機において、
前記遊技盤に所定形状の位置合わせ用貫通穴を設けると共に、位置合わせ用投射光を用意し、
前記位置合わせ用貫通穴及び前記位置合わせ用投射光は、前記映像投射型表示装置によって当該位置合わせ用投射光を前記遊技盤に対してその裏面側から投射したときに、当該遊技盤を正面側から見て、前記貫通穴から前記位置合わせ用投射光が見えるときに前記映像投射型表示装置によって投射する映像が前記透光性部材に対して適切な表示位置となる位置関係を有しており、
前記遊技盤の裏面側から投射された前記位置合わせ用投射光が前記位置合わせ用貫通穴から見えるように両者の位置合わせを行うことで、前記映像投射型表示装置によって前記透光性部材に表示する映像の表示位置を適切な位置に設定することを特徴としている。
【0006】
つまり、透光性部材を含んで成る遊技盤と、当該透光性部材に映像を表示可能な、遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆われ、内部に反射鏡を備えた映像投射型表示装置と、を備える遊技機において、例えば、遊技盤に遊技釘を配設するためのベニヤ板などに所定形状の位置合わせ用貫通穴を設け、且つ、位置合わせ用投射光を用意し、前記貫通穴及び前記位置合わせ用投射光を上記した位置関係とすることで、遊技盤の裏面側から位置合わせ用投射光を投射したときに、当該遊技盤を正面側から見て、前記貫通穴から前記位置合わせ用投射光が見えるように、両者の位置を修正することで、映像投射型表示装置によって前記透光性部材に表示する映像の表示位置を、適切な位置に簡易に設定することが可能である。
更に、映像投射型表示装置を、当該映像投射型表示装置から遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆う構成としたので、遊技機が、明るい場所に設置されていたとしても、映像投射型表示装置から投射される投射光を位置合わせ用貫通穴まで殆ど損失なく到達させることができる。これにより、映像の表示位置の位置合わせ作業をより確実に行うことが可能である。
【0007】
ここで、例えば、位置合わせ用貫通穴と同じ断面形状の位置合わせ用投射光を用意し、両者が完全に重なって見えるように位置関係を修正するなどの工夫をすることで、より正確な位置合わせを行うことが可能となる。この場合、位置合わせ用貫通穴は○や□などの単純な形状である場合は複数設ける必要がある。つまり、単純形状の位置合わせ用貫通穴が1つしかない場合は、位置合わせ用貫通穴と位置合わせ用投射光とが重なって見えても、例えば、投射光が回転方向にのみずれているような場合には、設定者にはその回転方向のズレが解らず、且つ、位置合わせ用貫通穴が単純形状のために、どの回転方向にどれだけズレているのかが認識困難であり、ズレの修正が非常に困難となるからである。
【0008】
また、位置合わせ用貫通穴を細長いスリット形状にすることで、わずかなズレでも光が見えなくなるのでこれも正確な位置合わせが必要な場合には有効である。
また、位置合わせ用投射光とは、例えば、映像投射型表示装置として液晶プロジェクタを用いた場合には、液晶部分に所定形状の映像が表示されるような映像データとなる。そして、例えば、位置合わせ用投射光の形状を位置合わせ用貫通穴の断面形状と同じ形状にした場合は、この映像データを透光性部材に投射したときに、貫通穴と同じ大きさ、同じ断面形状及び同じ位置に投射されるように、プロジェクタの操作等によってその位置を合わせることで、プロジェクタから投射される映像を適切な位置に表示できるようにする。
【0009】
また、プロジェクタによって位置合わせ用投射光を透光性部材に投射する処理は、例えば、用意された位置合わせ用投射光データを用いてプロジェクタの動作を制御し位置合わせ用投射光を透光性部材に投射させる専用のプロジェクタ制御プログラムを実行することによって行われる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の遊技機における映像の位置合わせ方法において、前記遊技盤に遊技釘を配設する遊技機に対しては、前記位置合わせ用貫通穴として、前記遊技釘を配設する際に使用した位置決め用の穴を用いることを特徴としている。
【0010】
つまり、位置合わせ用貫通穴として遊技釘の釘打ちの際に使用した位置決め用の穴を用いるようにしたので、新たに貫通穴を設ける必要がなくなり、生産時にその工程を減らせるのでコストダウンが望める。
また、請求項3に係る発明は、請求項1記載の映像の表示方法において、前記位置合わせ用貫通穴の形状は、上下あるいは左右の少なくとも一方が非対称であることを特徴としている。
【0011】
つまり、位置合わせ用貫通穴の形状を非対称なものとしたことで、例えば、位置合わせ用投射光を位置合わせ用貫通穴の断面形状と同じ形状としたときに、少ない数の位置合わせ用貫通穴を設けることで映像の正確な位置合わせが可能となる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法において、遊技用の映像中に前記位置合わせ用投射光を含ませたことを特徴としている。
【0012】
つまり、位置合わせ用投射光を、専用に用意するのではなく、遊技時に表示する映像中に含ませたもので、遊技用の映像に合わせた位置合わせが可能となる。また、請求項5に係る発明は、請求項4記載の遊技機における映像の位置合わせ方法において、前記位置合わせ用貫通穴を、遊技中において遊技者に見えない位置に設けたことを特徴としている。
【0013】
つまり、位置合わせ用貫通穴を遊技中に遊技者に見えない位置に設けることで、遊技に関係のない位置合わせ用貫通穴が見えることによる外観的な美感の損失を防ぐことが可能である。
また、請求項6に係る発明は、請求項1又は請求項2記載の遊技機における映像の位置合わせ方法において、前記位置合わせ用投射光は、前記遊技盤の設計用図面データを用いて作成したものであることを特徴としている。
【0014】
つまり、遊技盤設計時のCAD(Computer Aided Design)データなどを用いて位置合わせ用投射光データを生成することで、容易に正確な位置合わせを行うことが可能な位置合わせ用投射光データの生成が可能である。
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法において、前記遊技盤が前記透光性部材と非透光性部材との両方を含んで成る場合に、当該遊技盤を構成する前記非透光性部材に前記位置合わせ用貫通穴を設けたことを特徴としている。
【0015】
つまり、遊技盤が非透光性部材に重ねて透光性部材が配設されるような場合に、非透光性部材にのみ位置合わせ用貫通穴を設けるようにしたので、裏面から投射された位置合わせ用投射光が透光性部材に表示され、これにより位置合わせ用貫通穴と投射光との位置関係を把握し易くなり位置合わせが容易となる。
また、本発明に係る請求項8記載の遊技盤は、請求項1記載の遊技機における映像の位置合わせ方法における前記遊技盤であって、
所定形状の位置合わせ用貫通穴を備え、且つ、当該位置合わせ用貫通穴を、前記遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆われ、内部に反射鏡を備えた映像投射型表示装置によって前記位置合わせ用投射光を自己の裏面側から投射したときに、自己を正面側から見て、前記位置合わせ用貫通穴から前記位置合わせ用投射光が見えるときに前記映像の表示位置が適切な位置になるように設けたことを特徴としている。
【0016】
ここで、本発明は、請求項1記載の映像の位置合わせ方法を実現するために必要な遊技盤であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項9に係る発明は、請求項8記載の遊技盤において、前記遊技盤に遊技釘を配設する遊技機に対しては、前記位置合わせ用貫通穴と前記遊技釘を配設する際に使用する位置決め用の穴とを共用としたことを特徴としている。
【0017】
ここで、本発明は、請求項2記載の映像の位置合わせ方法を実現するために必要な遊技盤であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項10に係る発明は、請求項8記載の遊技盤において、前記位置合わせ用貫通穴の形状は、上下あるいは左右の少なくとも一方が非対称であることを特徴としている。
【0018】
ここで、本発明は、請求項3記載の映像の位置合わせ方法を実現するために必要な遊技盤であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項11に係る発明は、請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の遊技盤において、前記位置合わせ用貫通穴は、遊技中において遊技者に見えない位置に設けたことを特徴としている。
【0019】
ここで、本発明は、請求項5記載の映像の位置合わせ方法を実現するために必要な遊技盤であり、その効果は重複するので記載を省略する。
また、請求項12に係る発明は、請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の遊技盤において、前記透光性部材と非透光性部材とを含んで成り、前記非透光性部材に前記位置合わせ用貫通穴を設けたことを特徴としている。
【0020】
ここで、本発明は、請求項7記載の映像の位置合わせ方法を実現するために必要な遊技盤であり、その効果は重複するので記載を省略する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1乃至図7は、本発明に係る映像の位置合わせ方法の実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る映像の位置合わせ方法を適用する遊技機の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る遊技機を側方から見た断面図である。
【0022】
図1に示すように、遊技機9は、外枠5と、前枠84と、遊技盤81と、囲い部材41に設置されたプロジェクタ1及び反射鏡2と、を含んで構成されている。
外枠5は、前枠84等を固定するための枠である。ここで、外枠5は、遊技島の上部支持部材71及び下部支持部材74によって固定されている。
【0023】
前枠84は、遊技機9の前面を覆うように、外枠5に取り付けられた板状部材である。前枠84は、その一側部において外枠5に蝶着され、且つ、開閉可能となっている。
遊技盤81は、前枠84の裏側に図示しない固定手段により固定されている。本実施の形態においては、遊技盤81には、透光性部材が用いられ、ここにプロジェクタ1によって裏面側から投射された映像を正面側から見ることができるようになっている。また、同図を参照すると、盤面には、遊技釘82や入賞装置なども配設され、盤面と前面枠84との間に遊技球が通過可能になっている。本実施の形態においては、盤面には、当該盤面に対応する遊技用の映像を表示するが、このような盤面に実際に配設される入賞口等にその映像を対応させることなどもできる。ここで、遊技盤81に映像を投射する一例を図2に基づき説明する。図2は、遊技盤81に映像を投射する一例を示す図であり、(a)は遊技盤81の正面図であり、(b)は遊技盤81に投射する遊技用映像の一例を示す図であり、(c)は(a)の遊技盤81に(b)の映像を裏面側から投射したときにそれを正面側から見た状態を示す図である。
【0024】
図2(a)に示すように、遊技盤81には、レール部、遊技釘82、入賞口などの遊技中に遊技球と関わりの深い部材が配設されており、タイトル、特別図柄表示装置、サイドランプなどの遊技中に遊技球とあまり関わりをもたない部材は配設されていない。一方、図2(b)に示すように、遊技用映像91には、タイトル、特別図柄表示装置、サイドランプなどの遊技盤81に配設されていない部材が映像として含まれている。従って、図2(c)に示すように、遊技盤81に遊技用映像91をプロジェクタ1によって投射することで、タイトル、特別図柄表示装置、サイドランプなども成形部材によって構成されている通常の遊技盤と同様のものが、これらを模倣した映像によって補完され構成されることになる。
【0025】
その他、遊技球を発射するための発射ハンドル83等も遊技機9に設置されている。
プロジェクタ1は、投射対象となる動画等を拡大投射するものである。例えば、内蔵された液晶パネルに映し出された映像を拡大投射する液晶プロジェクタ等を用いる。同図においては、囲い部材41の内部に、取付金具42を用いて固定されている。また、本実施の形態において、プロジェクタ1は、囲い部材41の下方から映像を投射するように設置されているが、上方から投射するように設置するものであってもよい。
【0026】
反射鏡2は、プロジェクタ1と遊技盤81とに対して一定の角度をもって囲い部材41の内部に設置され、プロジェクタ1からの投射光を遊技盤81に反射する。このように、反射鏡2を用いた構成とすることで、光路の直線距離を短縮し、限られた遊技島のスペース内で適切な投射が可能となる。なお、反射鏡2を用いることなく、プロジェクタ1から直接遊技盤81に映像を投射してもよいし、あるいは、プロジェクタ1と遊技盤81との間にスクリーンを配設しそのスクリーンに映像を投射するようにしても良い。また、反射鏡2は、遊技島のスペースに応じて複数用いてもよい。
【0027】
囲い部材41は、プロジェクタ1から遊技盤81に至る光路に対する外界からの光を遮断する役割を果たす。更に、本実施の形態において、囲い部材41は、外枠5に取り付けられており、プロジェクタ1から投射された映像が遊技盤81に映し出されるまでの光路OPを固定し、かつ、プロジェクタ1及び反射鏡2が一体となるように支持する支持部材としても用いられる。
【0028】
更に、上記構成の遊技機9において遊技盤を構成するベニヤ板に位置合わせ用の貫通穴を設けた場合の映像の位置合わせ方法の第1の実施の形態を説明する。図3(a)は、遊技盤を構成する位置合わせ用の貫通穴を有したベニヤ板の一例を示す図であり、(b)は位置合わせ用の投射光を含む遊技用映像の一例を示す図である。
【0029】
図3(a)に示すように、ベニヤ板85は、その正面から見て左上及び右下の2箇所にそれぞれ位置合わせ用の貫通穴85aを有している。ここで、ベニヤ板85は、遊技盤面に配設される遊技釘82を支持するためのものであり、透光性部材を有する遊技盤面部と重ね合わせることで遊技盤81を形成する。従って、プロジェクタ1によって裏面側から投射される遊技用映像を遊技盤面部を構成する透光性部材に表示するための切り欠き部85bを有している。更に、ベニヤ板85の有する貫通穴85aは、遊技盤81を正面から見たときに、透光性部材を介して視認できるように設けられている。
【0030】
一方、図3(b)に示すように、遊技用映像92は、その映像中に、特別図柄表示装置映像92aと貫通穴85aと同じ断面形状の位置合わせ用投射光部92bとを含んでいる。この位置合わせ用投射光部92bは、遊技用映像92を遊技盤81の裏面側から投射した際に、この遊技用映像92を正面側から見て、ベニヤ板85の貫通穴85aの位置に対応して、遊技用映像92の左上と右下に位置するように含まれている。
【0031】
更に、本実施の形態においては、この遊技用映像92の表示位置を位置合わせ用投射光部92bがベニヤ板85の貫通穴85aに重なるように、映像を拡大縮小したりプロジェクタ1の表示方向を変えるなどすることによりその表示位置を調整し、遊技盤81を正面側から見たときに位置合わせ用投射光部92bが貫通穴85aを通して視認できるようにすることで、上記した特別図柄表示装置映像92aが遊技盤面部を構成する透光性部材の適切な位置に適切な状態で表示できるようになっている。但し、位置合わせ用投射光部92bが、それぞれの位置に対応する貫通穴85aから2つとも同時に視認できるようにする必要がある。
【0032】
このようにして、第1の実施の形態においては、遊技盤81を構成するベニヤ板85に設けた貫通穴85aと遊技用映像92に含まれる位置合わせ用投射光部92bとが重なり合うように両者の位置を合わせることで、遊技用映像を遊技盤81の適切な位置に適切な状態で表示させるように、両者の位置関係を設定することが可能である。
【0033】
なお、上記貫通穴85aとして、遊技釘82の位置決め用に設けた穴を利用するようにしても良い。
また、貫通穴の形状は、図3に示す○形状に限らず図4に示すように、十字形状、×形状、Z形状等別の形状であっても良い。特に、貫通穴がZ形状のような上下左右非対称の形状であり、且つ、表示映像のサイズが決まっているような場合には、この形状の貫通穴をベニヤ板に1つ設けるだけで映像の正確な位置合わせを行うことが可能となる。
【0034】
また、ベニヤ板がない遊技盤については、遊技盤を構成する透光性部材に対して貫通穴を設けるようにしても良い。
更に、図5に基づき、上記遊技機9において、位置合わせ用映像として遊技盤設計時のCADデータを利用した場合の映像の位置合わせ方法の第2の実施の形態を説明する。図5(a)は透過性部材を含んだ遊技盤の一例を示す図であり、(b)はCADデータから生成された位置合わせ用映像94の一例を示す図である。
【0035】
図5(a)に示すように、遊技盤81は、図2(a)に示すものと同様に、レール部、遊技釘82、入賞口などの遊技中に遊技球と関わりの深い部材が配設されており、タイトル、特別図柄表示装置、サイドランプなどの遊技中に遊技球とあまり関わりをもたない部材が配設されていない。更に、位置合わせ用貫通穴87aを、図に示すような対角の位置関係に2つ備えている。一方、図5(b)に示すように、遊技盤の設計時に作成するCADデータを利用した位置合わせ用映像94は、遊技盤を構成する部材、実際に表示される遊技用映像等のデータが全て含まれた映像データに位置合わせ用貫通穴87aに対応する映像を付加したものである。
【0036】
つまり、正確な位置情報を持つCADデータから成る位置合わせ用映像94を、プロジェクタ1によって遊技盤81の裏面側から投射し、遊技盤81を正面側から見たときに、位置合わせ用貫通穴87aからこれに対応した映像光が見えるように位置合わせを行うことで大まかな位置合わせをし、遊技盤81に配設された部材とCADデータの映像との重なり具合を見て両者の位置を調整することで微妙な位置関係を調整して、遊技盤81を構成する透光性部材の適切な位置に適切な状態で遊技用映像が表示されるようにする。
【0037】
従って、映像を拡大縮小したりプロジェクタ1の投射方向を変えるなどすることにより遊技盤81の有する位置合わせ用貫通穴87a及び部材と位置合わせ用映像94とを重なり合わせることで、プロジェクタ1から投射された映像を適切な位置に適切な状態で表示することが可能となる。なお、このようにすることで、遊技盤に単純形状の位置合わせ用貫通穴が一つしか設けられていないような場合に、回転方向のズレ等の修正はCADデータに含まれる成型品の映像データによって行うことが可能となる。
【0038】
更に、図6及び図7に基づき、上記遊技機9において、位置合わせ用投射光のみで構成される位置合わせ専用の映像を利用した場合の映像の位置合わせ方法の第3の実施の形態を説明する。図6(a)は位置合わせ用の貫通穴を有する遊技盤を示す図であり、(b)は位置合わせ専用の映像の一例として遊技盤に設けられた貫通穴と同形状の位置合わせ用投射光のみで構成される映像を示す図である。また、図7(a)は、位置合わせ用の貫通穴を有する遊技盤を示す図であり、(b)は図6(b)の位置合わせ映像の応用例を示す図である。
【0039】
図6(a)に示すように、遊技盤81は、その4隅に位置合わせ用の貫通穴81aを有している。一方、図6(b)に示すように、位置合わせ専用映像95は、遊技盤81の各貫通穴81aの設けられた位置に合わせて、この貫通穴81aと同じ断面形状の位置合わせ用投射光を4つ有している。
つまり、上記第1の実施の形態と同様に、この貫通穴81aと4つの位置合わせ映像部とを全て重なり合わせるように両者の位置を調整することで、プロジェクタ1から投射された映像を適切な位置に適切な状態で表示することが可能となる。
【0040】
更に、上記貫通穴81aは、図1に示す前枠84を閉じることで、4つとも遊技中に遊技者に見えなくなる位置に設けられており、これにより、美感を損ねるのを防ぐことが可能となる。
また、図7(b)に示す応用型位置合わせ専用映像96のように、図6(b)に示す貫通穴81aと同じ断面形状の4つの投射光部分を×形状になるように結んだ映像を構成し、図7(c)に示すように、プロジェクタ1によってこの応用型位置合わせ用映像96を遊技盤81の裏面側から投射して、それを正面側から見たときに、4つの投射光部分の重なり具合に加え、×形状の歪み具合によって、映像のズレを視認することが可能となる。従って、映像の表示位置の修正が行い易くなる。
【0041】
ここで、図1に示すプロジェクタ1は、請求項1及び請求項8記載の映像投射型表示装置に対応し、図3に示す、位置合わせ用映像92bは、請求項1、4、8記載の映像部分に対応し、図5に示すCADデータ94は、請求項6記載の設計用図面データに対応し、図6及び図7に示す、位置合わせ専用映像及び応用型位置合わせ専用映像は、請求項1、4、6、8記載の映像部分を含む映像に対応する。
【0042】
なお、上記実施の形態においては、位置合わせ用貫通穴の断面形状と同じ形状の位置合わせ用投射光によって、正確な位置合わせを行うようにしているが、これに限らず、位置合わせ用貫通穴と類似した形状の投射光、位置合わせ用貫通穴と異なる形状の投射光、位置合わせ用貫通穴の大きさよりも少しだけ大きい(小さい)投射光などによって位置合わせを行うようにしても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、透光性部材を含んで成る遊技盤と、当該透光性部材に映像を表示可能な、外界からの光を遮断する囲い部材によって覆われ、内部に反射鏡を備えた映像投射型表示装置と、を備える遊技機において、例えば、遊技盤に遊技釘を配設するためのベニヤ板などに所定形状の位置合わせ用貫通穴を設け、且つ、位置合わせ用投射光を用意し、遊技盤の裏面側から位置合わせ用投射光を投射したときに、当該遊技盤を正面側から見て、前記位置合わせ用貫通穴から前記位置合わせ用投射光が見えるように、映像の位置、大きさ、歪み等を修正することによって、映像投射型表示装置によって前記透光性部材に表示する映像の表示位置を適切な位置に表示できるようにしたので、映像の位置合わせを簡易に行うことが可能である。
更に、映像投射型表示装置を、当該映像投射型表示装置から遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆う構成としたので、遊技機が、明るい場所に設置されていたとしても、映像投射型表示装置から投射される投射光を位置合わせ用貫通穴まで殆ど損失なく到達させることができる。これにより、映像の表示位置の位置合わせ作業をより確実に行うことが可能である。
【0044】
また、請求項2に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、位置合わせ用貫通穴として遊技釘の釘打ちの際に使用した位置決め用の穴を用いるようにしたので、新たに貫通穴を設ける必要がなくなり、生産時にその工程を減らせるのでコストダウンが望める。
また、請求項3に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、貫通穴の形状を非対称なものとしたので、少ない数の貫通穴で映像の位置合わせが可能となる。
【0045】
また、請求項4に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、位置合わせ用投射光を、位置合わせ専用の映像ではなく、遊技時に表示する映像中に含ませるようにしたので、遊技用の映像に合わせた位置合わせが可能となる。
また、請求項5に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、位置合わせ用の貫通穴を遊技中に遊技者に見えない位置に設けることで、遊技に関係のない貫通穴による外観的な美感の損失を防ぐことが可能である。
【0046】
また、請求項6に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、遊技盤設計時のCADデータなどを用いて位置合わせ用投射光データを生成するようにしたので、新たに位置合わせ用投射光データを生成する必要がなくなる。
また、請求項7に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法によれば、遊技盤が非透光性部材に重ねて透光性部材が配設されるような場合に、非透光性部材にのみ貫通穴を設けるようにしたので、裏面から投射された位置合わせ用投射光が透光性部材に表示され、これにより貫通穴と投射光との位置関係を把握し易くなり位置合わせが容易となる。
ここで、請求項8乃至請求項12記載の遊技盤は、それぞれ請求項1、2、3、5、7記載の遊技機における映像の位置合わせ方法に対応した遊技盤であり、その効果は重複するので記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機を側方から見た断面図である。
【図2】遊技盤81に映像を投射する一例を示す図であり、(a)は遊技盤81の正面図であり、(b)は遊技盤81に投射する遊技用映像の一例を示す図であり、(c)は(a)の遊技盤81に(b)の映像を投射した状態を示す図である。
【図3】(a)は遊技盤を構成する位置合わせ用の貫通穴を有したベニヤ板の一例を示す図であり、(b)は位置合わせ用投射光を含む遊技用映像の一例を示す図である。
【図4】位置合わせ用貫通穴の形状例を示す図である。
【図5】(a)は透過性部材を含んだ遊技盤の一例を示す図であり、(b)は位置合わせ用映像として適用するCADデータ94の一例を示す図である。
【図6】(a)は位置合わせ用貫通穴を有する遊技盤を示す図であり、(b)は位置合わせ専用の映像の一例として遊技盤に設けられた位置合わせ用貫通穴と同形状の位置合わせ用投射光のみで構成される映像を示す図である。
【図7】(a)は、位置合わせ用貫通穴を有する遊技盤を示す図であり、(b)は図7(b)の位置合わせ専用映像の応用例を示す図である。
【符号の説明】
1 プロジェクタ
2 反射鏡
81 遊技盤
82 遊技釘
85 ベニヤ板
85a 位置合わせ用貫通穴
87a 位置合わせ用貫通穴
9 遊技機
92 遊技用映像
92b 位置合わせ用投射光部
94 CADデータ
95 位置合わせ専用映像
96 応用型位置合わせ専用映像
Claims (12)
- 透光性部材を含んで成る遊技盤と、当該透光性部材に映像を表示可能な、前記遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆われ、内部に反射鏡を備えた映像投射型表示装置と、を備える遊技機において、
前記遊技盤に所定形状の位置合わせ用貫通穴を設けると共に、位置合わせ用投射光を用意し、
前記位置合わせ用貫通穴及び前記位置合わせ用投射光は、前記映像投射型表示装置によって当該位置合わせ用投射光を前記遊技盤に対してその裏面側から投射したときに、当該遊技盤を正面側から見て、前記貫通穴から前記位置合わせ用投射光が見えるときに前記映像投射型表示装置によって投射する映像が前記透光性部材に対して適切な表示位置となる位置関係を有しており、
前記遊技盤の裏面側から投射された前記位置合わせ用投射光が前記位置合わせ用貫通穴から見えるように両者の位置合わせを行うことで、前記映像投射型表示装置によって前記透光性部材に表示する映像の表示位置を適切な位置に設定することを特徴とする遊技機における映像の位置合わせ方法。 - 前記遊技盤に遊技釘を配設する遊技機に対しては、前記位置合わせ用貫通穴として、前記遊技釘を配設する際に使用した位置決め用の穴を用いることを特徴とする請求項1記載の遊技機における映像の位置合わせ方法。
- 前記位置合わせ用貫通穴の形状は、上下あるいは左右の少なくとも一方が非対称であることを特徴とする請求項1記載の遊技機における映像の位置合わせ方法。
- 遊技用の映像中に前記位置合わせ用投射光を含ませたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法。
- 前記位置合わせ用貫通穴を、遊技中において遊技者に見えない位置に設けたことを特徴とする請求項4記載の遊技機における映像の位置合わせ方法。
- 前記位置合わせ用投射光は、前記遊技盤の設計用図面データを用いて作成したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の映像の位置合わせ方法。
- 前記遊技盤が、前記透光性部材と非透光性部材との両方を含んで成る場合に、当該遊技盤を構成する前記非透光性部材に前記位置合わせ用貫通穴を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の遊技機における映像の位置合わせ方法。
- 請求項1記載の遊技機における映像の位置合わせ方法における前記遊技盤であって、
所定形状の位置合わせ用貫通穴を備え、且つ、当該位置合わせ用貫通穴を、前記遊技盤までの光路に対して外界からの光を遮断する囲い部材によって覆われ、内部に反射鏡を備えた映像投射型表示装置によって前記位置合わせ用投射光を自己の裏面側から投射したときに、自己を正面側から見て、前記位置合わせ用貫通穴から前記位置合わせ用投射光が見えるときに前記映像の表示位置が適切な位置になるように設けたことを特徴とする遊技盤。 - 前記遊技盤に遊技釘を配設する遊技機に対しては、前記位置合わせ用貫通穴と前記遊技釘を配設する際に使用する位置決め用の穴とを共用としたことを特徴とする請求項8記載の遊技盤。
- 前記位置合わせ用貫通穴の形状は、上下あるいは左右の少なくとも一方が非対称であることを特徴とする請求項8記載の遊技機における映像の位置合わせ方法。
- 前記位置合わせ用貫通穴は、遊技中において遊技者に見えない位置に設けたことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の遊技盤。
- 前記透光性部材と非透光性部材とを含んで成り、前記非透光性部材に前記位置合わせ用貫通穴を設けたことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか1項に記載の遊技盤。
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