JP4262967B2 - 不良コンデンサのメッキ除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチチップモジュール(MCM:Multi Chip Module)に関する。より特定的には、本発明は、MCM基板、ならびに、マルチチップモジュール基板を形成する方法および不良コンデンサのメッキ除去方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
2またはそれ以上のコンピュータチップといったような、2またはそれ以上の電気デバイスと電気的に連絡するために、多層回路構造を用いることができる。多層回路構造は標準的に、1またはそれ以上の誘電体層によって分離された多数の導電層を含んでいる。誘電体層内のアパーチャ内に配置されたバイア構造は、電気信号がある導電層からもう1つの導電層まで通過できるように導電経路を提供する。多層回路構造の内部領域から外部領域までの導電経路を形成するために、連続的誘電体層内の多数のバイア構造を使用することができる。
【0003】
マルチチップモジュール(MCM)パッケージは、入力信号を受信し、出力信号を提供し、電力および接地電圧を受けるためにオフ−モジュール接続を必要とする。低コスト、低性能のMCMモジュールにおいては、これらのオフモジュール構造は通常、MCMの基板の周縁エッジのまわりにある。より高コスト、高性能のMCMモジュールにおいては、通常多層セラミクス材料からなるMCM基板を通して形成される。
【0004】
電力ラインと接地ラインとの間のノイズを除去する(例えばノイズ結合を分離する)ためMCM基板の表面には往々にして離散的表面取付けコンデンサまたはチップコンデンサが付加される。しかしながら、MCMの動作周波数が増大するにつれて、これらの表面取付けコンデンサおよびチップコンデンサの有効性は不十分かつ受け入れ難いレベルにまで減少してしまった。
【0005】
連続する誘電体層内のバイア構造は、多層回路構造内で千鳥状に配列され得る。例えば図23に示すように、複数の千鳥配列になったバイア構造110が、互いに電気的に連絡した状態にある。バイア構造110によって形成された千鳥配列の導電経路は、多層回路構造100の外部表面とコア構造120との間の連絡を提供できる。図23に示すバイア構造の各々は、誘電体層内のアパーチャ壁上の導電性コーティングの形をしている。残念なことに、バイア構造を千鳥配列することで多層回路構造内の貴重な面積を消費し、信号ランレングスを増大させる可能性がある。こうして、多層回路構造内の回路の密度は減少し得る。その上、図23に示されたタイプのバイア構造の金属コーティングは薄いものである。コーティングが充分厚くないか均等でない場合、開回路を形成し得る。
【0006】
米国特許第3867,272号は、半導体およびハイブリッドマイクロ電気機器内に見られるもののようなマイクロ電気デバイスおよび回路を開示している。マイクロ電気デバイスは、電気化学または化学エッチングおよび/またはメッキ除去プロセスを含む電気化学反応によって、認識不能にされ、破壊され得る。
【0007】
米国特許第4,729,970号は、重畳された電極を有する薄膜本体を含みかつ電極材料の電気抵抗率が欠陥領域近くで増大させられる変換プロセスによって不動態化された短絡欠陥をさらに含むタイプの電子デバイスを開示している。変換は、電極材料を変換試薬にさらし、欠陥領域近くで試薬を活性化させることによって達成される。プロセスは、異なる形で構成されたさまざまなデバイスのために利用され得、ロール−ツー−ロールデバイス製造プロセスにおける使用に容易に適合可能である。
【0008】
米国特許第4,749,454号は、半導体膜で各電極対が分離されている露出された接点表面を伴う電極対をもつ薄膜半導体デバイスから電気的短絡および分路を除去する方法を開示している。開示された方法は、イオン溶液にさらされた接点表面にコーティングする段階および各電極対の露出された接点表面の間に逆バイアス電圧を連続的に印加する段階を含んでなる。イオン溶液は、逆バイアス電圧に応じてそれぞれの電極対の各々の間に配置された短絡および分路を通って流れる漏洩電流が短絡および分路における局所的温度上昇を作り出し、短絡および分路を選択的にエッチングまたは酸化しそれらを実質的に非導電性にするような、温度上昇と共に増大するエッチング速度を有する。露出された接点表面は、スポンジ塗布またはスプレー器具を用いてコーティングされ得る。好ましいイオン溶液は、少なくとも水5に対して1にまで希釈された酸混合物を含む。
【0009】
米国特許第4,782,028号は、半導体基板を薄くし両側面上の薄くなった領域を処理して検出器デバイスを形成することにより、薄肉バルクシリコン遮断不純物トランスジューサ赤外線検出器といったような検出器デバイスを形成するための方法を開示している。半導体基板は、基板内にキャビティを形成するために薄肉化される。薄肉領域がより薄い基板に連結されているままの状態で、薄肉領域の両側面上でのさらなる処理が実施される。薄肉領域は次に、一定の与えられた処理段階の完了時点で基板から分離される。このとき装置を、読出しデバイスに取付けることができる。
【0010】
米国特許第4,984,358号は、ウェハーの形をなおも保ちながら、パッケージングを必要とせずに積層のために調製される集積回路ダイを開示している。複数の集積回路ダイを持つウェハーを通して孔が作られ、ダイの間そしてダイパッドに隣接して設けられる。ウェハー上および孔の外周内に、絶縁材料層が設置される。各パッドの上面と隣接する孔内の絶縁材料の内側との間で導電性接続が行われる。絶縁層および導電層は、望まれる場合、ダイの裏面にまでさらに拡張可能である。ダイは、互いに分離され、基板に取り付けられた積重ねおよび/または表面の中に組立てることができる。
【0011】
米国特許第5,202,018号は、半導体材料を電解質と接触させることにより形成された電極に対して陽極および陰極直流電流の印加を交番させることによる半導体の電気化学溶解に関する発明を開示している。
【0012】
米国特許第5,543,585号は、導電性接着剤を用いた直接的チップ取付けによるカードアセンブリのための単純なプロセスを開示している。絶縁性熱可塑性および導電性熱可塑性バンプの層を有する同じ中間ウェハー製品を作り上げる方法が開示されている。チップを形成すべくウェハーを切断またはダイシングした後、チップは、熱および圧力によって、導電性熱可塑性バンプと整合する導電性パッドを有するチップキャリアに接着される。チップは、熱を用いて容易に除去および交換可能である。
【0013】
米国特許第5,591,678号は、シリコンエッチング可能層をもつ第1の基板、シリコン層の上にある二酸化ケイ素エッチング停止層およびエッチング停止層の上にある単晶シリコンウェハーを持つ第1の基板を備えることによって製造されるマイクロ電気デバイスを開示している。ウェハーは、エッチング停止層と接触しない前方表面を有する。マイクロ電子回路素子が単晶シリコンウェハー内に形成される。該方法はさらに、単晶シリコンウェハーの前方表面を第2の基板に取付ける段階および第1の基板のシリコン層をエッチング停止層までエッチングで離脱させる段階も含む。第2の基板はまた、マイクロ電子回路素子に電気的に相互接続されうるマイクロ電子回路素子をも有することができる。
【0014】
米国特許第5,656,548号は、マイクロプロセッサが異なる層の形で構成され、その構造の各回路層を分離する絶縁層を通して垂直に相互接続される、多層構造を開示している。各回路層は、別のウェハーまたは薄膜材料内で製造され得、その後層状化された構造上に移され引き続き相互接続され得る。
【0015】
米国特許第5,656,552号は、個々の集積回路ダイまたは多数の集積回路を収納する集積回路ウェハーを薄肉化し、薄肉ダイスまたは薄肉ウェハーをマイラ、ポリイミド、半導体またはセラミクス基板をボンディングし、ウェハー上に少なくとも1つの相互接続材料を被着させ、ここで第1の相互接続層はウェハー上に直接被着させることによって、マルチチップモジュールを作成する方法を開示している。各相互接続層の全体にわたり被着されているものとして、誘電体層が開示されている。必要に応じてダイスおよびマルチチップモジュールを相互接続するために、誘電体層内にバイアが開けられ、基板は除去されて、薄くて相似で、かつ歩留まりの高いマルチチップモジュールを形成する。
【0016】
米国特許第5,716,881号は、積層されたコンデンサDRAMデバイスおよび薄膜トランジスタSRAMデバイスを集積するための製造プロセスを開示している。この製造プロセスは、DRAMおよびSRAMデバイスのためのトランスファゲートトランジスタ構造およびアクセストランジスタ構造を形成するのに用いられる主要な作業を結合することを含む。
【0017】
米国特許第5,770,487号は、絶縁層上に配置された半導体材料層を具備する半導体ウェハーの第1の側面上に、半導体素子と導体トラックとを備えた層構造を形成させる、デバイスの製造方法を開示する。半導体ウェハーは、その後、接着剤層を用いて、支持ウェハーに対し第1の側面で締結される。支持ウェハーにはメタライゼーションが備わっている。材料は次に、絶縁層が露出されるまで、半導体ウェハーの第2の側面より、半導体ウェハーから除去される。支持ウェハー上に半導体ウェハーが再締結される前に、半導体ウェハーの第1の側面より、絶縁層内に接触ウィンドウが具備される。これらのウィンドウには、絶縁層との関係において選択的に除去され得る材料が充填される。接触ウィンドウは、半導体ウェハーが支持ウェハー上に締結された後、そして絶縁層が露呈された後、半導体ウェハーの第2の側面から開かれる。
【0018】
米国特許第5,784,261号は、まず第1に、ワイヤボンディングまたはフリップチップはんだボンディングにより基板上に配置された多層メタライゼーションおよび誘電性構造上に1またはそれ以上の活動状態の半導体集積回路チップを取付けること、そして次に基板を反転させ、該基板をはんだバンプ接続を用いてプリント回路板上に取付けることにより、薄型マイクロチップモジュールアセンブリを形成することを開示している。はんだバンプ接続は、プリント回路板からチップを離して維持するのに十分な高さをもつ。
【0019】
米国特許第5,807,783号は、第1のハンドルウェハー、デバイス層、相互接続された層、およびデバイス層の表面間に延びる導電性材料が充填されたある数のバイアを有するボンディング済みウェハーを開示している。相互接続層は、導電性バイアに対し内部デバイス接点を接続する導体を有する。第2のガラスハンドルウェハーが相互接続層にボンディングされ、第1のハンドルウェハーは除去される。下部外部接点が、デバイス層の表面上に形成される。
【0020】
米国特許第5,811,879号は、MCMプリント回路板(PCB)の両側面に対する半導体ダイスの貼付けを提供するマルチチップモジュール(MCM)およびその製造方法を開示している。PCBの上部表面に取付けられた半導体ダイスは、従来のワイヤボンディング、TABまたはフリップチップ方法により取付けることができる。PCBの下部表面に取付けられたこれらの半導体ダイスは、PCB内の開口部を通して上部表面にワイヤボンディングされるかまたはTAB接続される。開口部は、下部表面に取付けられた半導体ダイスのためのリードオーバチップ(LOC)配置を提供する。PCBの下部表面には、ダイスを収容しその活性表面を、ワイヤボンディングのためにPCBの上部表面にさらに近づけるべく、開口部が中に延びているダイ溝が備わっていてよい。
【0021】
米国特許第5,838,545号は、モジュールの表面にあるチップの相互接続のための薄膜配線技術または多層配線技術および次のパッケージレベル(プリント回路板)への相互接続のためのはんだカラムグリッドアレイまたははんだボールグリッドアレイを有する、基板としてヒートシンクを用いる高性能低コストマルチチップモジュールパッケージングを開示している。カラムまたはボールは、回路板とモジュールとの間に、中にチップが入る空間を作り出し、必要とされる相互接続密度を提供する。
【0022】
米国特許第第5,843,806号は、両面ポリイミドを提供する段階、第1の乾燥膜層を形成する段階、電気銅メッキの多層電気メッキ、電気ニッケルメッキ、金メッキそして再び電気ニッケルメッキ(または電気ニッケルメッキおよび金メッキまたは電気銅メッキおよび電気ニッケルメッキ)を逐次的に実施する段階および第1の乾燥膜層を除去する段階を含むTAB−BGA集積回路をパッケージングするための方法を開示している。第2の下部乾燥膜層は、複数の予め決定された開口部を構成すべく、下部の銅薄層をエッチングするためのマスクとして役立ち、下部銅薄層は、ポリイミド基板を完全に貫通することなく孔を構成すべくポリイミド基板に対しレーザーエッチング作業を施すためのマスクとして役立つ。突出した接点を形成するために孔に対し電解メッキ作業が施され、露呈した上部銅薄層はエッチングされるかまたは除去される。チップ設置孔および複数の貫通孔がそれぞれ、レーザーせん孔作業を実施することによって構成され、シングルポイントボンド方法を用いることでチップ設置孔のそばで2つの電気メッキされた多層(または2重層)突出部に対しチップが取付けられる。
【0023】
米国特許第5,851,845号は、半導体ダイスをパッケージングするための方法を開示している。パッケージは、基板上に配置されたコンプライアンスのある接着層上に取付けられた薄肉ダイを含む。パッケージは、複数のダイスを収納するウェハーを提供し、エッチングまたは研摩によりウェハーの裏面を薄肉化し、薄肉ウェハーを基板に貼付け、次にウェハーをダイシングすることによって形成される。半導体パッケージは、チップオンボード構成でプリント回路板といった支持用基板に取付けることができる。コンプライアンスをもつ接着層およびパッケージの基板は、ダイと支持用基板との間の熱的不整合によってひき起こされるダイの亀裂および応力を取り除く。さらに、パッケージ用基板がダイの裏面を放射線から保護している状態でフリップチップ構成にて半導体パッケージを取付けることができる。
【0024】
米国特許第5,856,937号は、後方および前方表面の両方に取付けられたSRAMチップのキャッシュおよび後方表面のみの上に取付けられたデカップリングコンデンサを有するプロセッサモジュールを開示している。各デカップリングコンデンサは、SRAMチップ対からの電流スパイクを抑制するためのものである。SRAMチップ対は、コンデンサと同じ表面上の第1のSRAMチップと、モジュールの前方表面上で第1のSRAMチップとは反対側の第2のSRAMチップとを含む。第1のSRAMチップは、第1のバンクに属し、一方第2のSRAMチップは第2のバンクに属する。2つのチップイネーブル信号が2つのバンクに対するアクセスを制御する。1つのバンクのみおよびSRAMチップ対内の1つのSRAMチップのみが、任意の時点で電流スパイクを作り出す。かくしてコンデンサを、該チップ対の中の2つのSRAMチップ間で共用することができる。共用コンデンサは、SRAMチップのうちの1つに隣接してかまたはその下に取付けられてもよいしまたは、多層基板自体の内部に形成されてもよい。
【0025】
米国特許第5,859,397号は、アルミニウムまたはアルミニウム化合物を含む金属層をもつ下部電極層と、透明の導電性層と、光電変換半導体層と、基板の導電性表面上に積層された透明電極層と、からなる光起電性素子を提供する段階、および、電界の作用により光起電性素子内に存在する短絡した電流通路障害を不動態化すべく、電解質溶液内に光起電性素子を浸漬する段階により、光起電性素子を製造するプロセスを開示している。
【0026】
米国特許第5,863,412号は、その表面上にエッチングすべき部分を有する物体をエッチングする方法を開示している。該方法は、物体が負の電極として役立つように電解質溶液中に物体を浸漬する段階と、対極と物体との間に予め定められた間隔を維持すべく、電解質溶液中に物体のエッチングすべき部分を形成すべき所望のエッチングパターンに対応するパターンをもつ対極を配置する段階と、対極のパターンに対応するパターンへと物体のエッチングすべき部分をエッチングするため物体と対極との間に直流またはパルス電流を印加する段階と、を含んでなる。
【0027】
米国特許第5,863,829号は、周辺スクラッチが無く製造効率が増強されたSOI基板の製造プロセスについて開示している。当該プロセスは、ボンディングされたウェハーを形成すべく半導体ベースウェハー上に活性基板の半導体ウェハーをボンディングする段階を含む。
【0028】
米国特許第5,866,441号は、半導体デバイス、集積回路および/または特定用途向け集積回路の反転ボンディング用で、基板の導電性パターン上に隆起部をもつ電子パッケージングモジュールを開示している。隆起部は、半導体デバイスの入出力パッドに冶金術的にボンディングされ得る延性金属である。半導体デバイスの入出力パッドは、パッケージングモジュールの隆起部に同時にボンディングされている。
【0029】
米国特許第5,872,025号は、個々のデバイスを積重ねることの代替案としてウェハーを積重ねることによって調製される積重ね3次元デバイスを開示している。チップ領域は、絶縁体が充填されたトレンチのような分離領域で各チップ領域が取り囲まれる状態で、いくつかのウェハー上に形成される。ウェハーは、その後、チップ領域を整列させるように積重ねられる。ウェハーの心合せは、ウェハーの周囲の切欠きのある領域を用いて容易なものにすることができる。ウェハーはその後ラミネーションによって接合される。ウェハーの積重ねをラミネートさせた後、チップの積重ねは、エッチング、ダイシング、または積重ねられたチップデバイスをチップ分離領域において積重ねられたウェハーから分離するその他のプロセスによって分離される。
【0030】
米国特許第5,872,700号は、マイクロ回路パッケージング技術、そしてより特定的にはいくつかのマイクロ回路で作り上げられた構造のパッケージングを開示している。パッケージングされていないコンポーネントは、基板上に取付けられ、基板に対しテープが貼り付けられる。従来の表面取付け技術を適用することによって回路板に構造全体を取り付けることができるように、テープの側面上にはんだバンプが形成される。基板のI/Oラインとはんだバンプとの間の接続は、テープ上に形成された導電性パターンおよびテープの縁部に設けられたリードによって実現される。
【0031】
米国特許第5,877,034号は、補助基板に第1の基板のデバイス層から充分に処理されたデバイスを移す段階と、補助基板とその上のデバイスを個々のチップの形に分離する段階と、その機能性についてチップをテストする段階と、デバイス層を上に形成するように並んだ配置でキャリア基板上に機能しているチップを取付ける段階と、そしてその後キャリア基板のデバイス層上にさらなるデバイス層を取付ける段階とによって、3次元集積回路を作成する方法を開示する。
【0032】
【特許文献1】
米国特許第3,867,272号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,729,970号明細書
【特許文献3】
米国特許第4,749,454号明細書
【特許文献4】
米国特許第4,782,028号明細書
【特許文献5】
米国特許第4,984,358号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,202,018号明細書
【特許文献7】
米国特許第5,543,585号明細書
【特許文献8】
米国特許第5,591,678号明細書
【特許文献9】
米国特許第5,656,548号明細書
【特許文献10】
米国特許第5,656,552号明細書
【特許文献11】
米国特許第5,716,881号明細書
【特許文献12】
米国特許第5,770,487号明細書
【特許文献13】
米国特許第5,784,261号明細書
【特許文献14】
米国特許第5,807,783号明細書
【特許文献15】
米国特許第5,811,879号明細書
【特許文献16】
米国特許第5,838,545号明細書
【特許文献17】
米国特許第5,843,806号明細書
【特許文献18】
米国特許第5,851,845号明細書
【特許文献19】
米国特許第5,856,937号明細書
【特許文献20】
米国特許第5,859,397号明細書
【特許文献21】
米国特許第5,863,412号明細書
【特許文献22】
米国特許第5,863,829号明細書
【特許文献23】
米国特許第5,866,441号明細書
【特許文献24】
米国特許第5,872,025号明細書
【特許文献25】
米国特許第5,872,700号明細書
【特許文献26】
米国特許第5,877,034号明細書
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
従って、当該技術分野においては、より高い周波数で動作可能なMCMモジュール基板に対しキャパシタンスを提供することのニーズが存在する。より特定的には、費用効果の高いやり方で信頼性の高い高密度多層回路構造を効率良く製造するための方法に対するニーズが存在する。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、不良コンデンサのメッキ除去をする方法において、半導体基板上に複数のコンデンサを形成する段階と、複数のコンデンサ上に複数の金属接点を形成する段階と、半導体基板上にフォトレジスト層を被着させる段階と、を含む方法を提供する。不良コンデンサのメッキ除去を行う方法はさらに、複数の金属接点を露出させるようにフォトレジスト層をパターン化する段階と、導電性溶液と露出された金属接点とを接触させる段階と、不良コンデンサ(例えば少なくとも1つの短絡を有するコンデンサ)上に配置された金属接点のメッキ除去を行う段階と、を含んでなる。また、能動または受動デバイスを有するシリコン基板上に配置された第1の側面と第2の側面を有する薄膜ポリマー相互接続構造を形成する段階と、薄膜相互接続構造の第1の側面上にコンピュータチップを取付ける段階、を含んでなるマルチチップモジュールを形成するための方法も提供する。マルチチップモジュールを形成する方法は、薄い半導体層を形成すべく半導体基板の厚みを減少させ、その後薄い半導体層を通してアパーチャを形成する段階をさらに含むことができる。相互接続構造の反対側の側面上の半導体層の上にはセラミクスキャリアを配置することができる。本発明の実施形態のさらなる態様は、第1の側面および第2の側面を有する薄膜ポリマー相互接続構造と、第1の側面上に配置されたチップと、第2の側面上に直接配置され能動または受動デバイスを有する半導体層と、を備えるマルチチップモジュールである。能動デバイスは、SRAMを含むことができ、受動デバイスはチップコンデンサを含むことができる。半導体層はさらに、層内を通って延び、はんだ材料が充填されたアパーチャを含んでなる。
【0035】
本発明はさらに、下部表面と、ドープ済み領域を設けた上部表面とを有する基板と、基板上部表面上に設置されたオーム接触と、ドープ済み領域全体にわたり配置された第1の誘電体層と、を含むマルチチップモジュール基板コンデンサ構造を提供する。第1の導電層は、上部表面および下部表面を含み、第1の誘電体層に下部表面が隣接する第1の誘電体層の上に配置されている。第1の導電層は、その上部表面に配置された第1の導電性材料の副層を少なくとも有する。第2の誘電体層は、第1の導電層上に配置され、その一部分を露出させるため第1の導電層全体にわたり第2の誘電体層内に、アパーチャが形成される。アパーチャを通して導電性バイアが形成され、第1の導電層の一部分に接して配置され、第1の導電層の第1の導電性材料の副層に隣接して配置された第2の導電性材料を含む。下部表面が第2の誘電体層に隣接する第2の誘電体層全体にわたり第2の導電層が配置される。第2の導電層は、導電性バイア全体にわたり配置されたそのための部分を含む。
【0036】
本発明の実施形態はまた、積重ねられたバイア構造を持つ、多層回路構造特に高密度多層回路構造を形成する方法にも向けられている。バイア構造は、好ましくは、積重ねられた導電性ポストである。
【0037】
本発明の一実施形態は、多層回路構造を形成する方法に向けることができる。該方法は、回路化されたコア構造の第1および第2の側面上に、各々コア構造に近接する端部とそれに遠隔する端部をもつ第1の複数の導電性ポストを形成する段階と、コア構造の第1の側面上に第1の誘電体層を被着させる段階と、第1の複数の導電性ポストの遠位端部から誘電体層材料を除去する段階と、第1の複数の導電性ポストの遠位端部上に第2の複数の導電性ポストを形成する段階と、を含んでなる。
【0038】
もう1つの実施形態は、回路化されたコア構造の側面上に、各々コア構造に近接する端部とそれに遠隔する端部を持つ第1の複数の導電性ポストを形成する段階と、コア構造上に誘電体層をラミネートする段階と、誘電体層上に保護層を被着させる段階と、保護層を通して第1の複数の導電性ポストの遠位端部から誘電体層材料を除去する段階と、第1の複数の導電性ポストの遠位端部上に第2の複数の導電性ポストを形成する段階と、を含んでなる方法に向けられている。
【0039】
本発明はまた、金属上にはんだバンプを形成する方法において、金属支持体を提供する段階と、金属支持体上に第1のはんだ層を被着させる段階と、第1のはんだ層上に第2のはんだ層を被着させる段階と、を含んでなる方法をも提供する。第3のはんだ層を第2のはんだ層の上に被着させることもできる。第1のはんだ層は第1のはんだ組成物を含み、第2の層は一般に第1のはんだ組成物とは異なる第2のはんだ組成物を含む。第3のはんだ層は、一般に第2のはんだ組成物とは異なるものであってよい第3のはんだ組成物を含む。本発明の1つの好ましい実施形態においては、第3のはんだ組成物は一般に第1のはんだ組成物に等しい。本発明の別の好ましい実施形態においては、第1のはんだ組成物および第3のはんだ組成物は各々、大きな割合の錫とわずかな割合の鉛を含み、第2のはんだ組成物は、大きな割合の鉛とわずかな割合の錫を含む。金属支持体は、ラミネートされた基板内の金属充填済みバイアであり得る。好ましくは、金属充填バイアは、垂直横断面が全体として円錐台形状のブラインドバイアを含む。本発明の別の実施形態においては、基板上にボンディングシートを配置することができ、ボンディングシート内の開口部の中にはんだ層を配置することができる。
【0040】
本発明はさらに、多層パッケージングアセンブリを形成する方法において、第1の基板上に第1の金属支持体を形成する段階と、第2の基板上に第2の金属支持体を形成する段階と、第1の金属支持体上に第1のはんだ層を被着させる段階と、第1のはんだ層に第2のはんだ層を被着させる段階と、第2の基板上の第2の金属支持体に対して第2のはんだ層を結合する段階と、を含んでなる方法を提供する。該方法はさらに、第2のはんだ層を第2の基板上の第2の金属支持体に結合させる前に、第2の基板を180度回転させる段階を含んでなる。該方法はさらに付加的に、その融解温度よりも高いものの第2のはんだ層の融解温度よりも低い温度まで第1のはんだ層を加熱する段階を含んでなる。第3のはんだ層を第2のはんだ層上に被着させることができる。本発明の好ましい一変形実施形態においては、該方法はさらに、第1および第3のはんだ層の融解温度よりも高いものの第2のはんだ層の融解温度より低い温度まで第1の基板を加熱する段階を含んでなる。ボンディングシートは好ましくは第1の基板により支持されている。ボンディングシート内に1つの開口部を形成することができ、この開口部内に1またはそれ以上のはんだ層を配置することができる。本発明の別の実施形態においては、第1の基板はその後、第2のはんだ層の融解温度より高い温度まで加熱され、第1の基板はこのとき、好ましくは、ボンディングシートの硬化温度に近い温度まで冷却される。
【0041】
本発明はまた、基板アセンブリおよび多層パッケージングアセンブリをも提供する。基板アセンブリは、金属部材を持つ基板と、金属部材の上に配置された第1のはんだ層と、第1のはんだ層上に配置された第2のはんだ層と、からなる。多層パッケージングアセンブリは、第1の金属支持体を有する第1の基板と、第1の金属支持体の上に配置された第1のはんだ層と、第1のはんだ層上に配置された第2のはんだ層と、第2のはんだ層の上に配置された第3のはんだ層と、第2の金属支持体を有し第1の基板に結合された第2の基板と、からなる。
【0042】
これらの条件は、以下の記述により当業者にとって明らかとなるさまざまな補助的条件および特徴と合わせて、例示のみを目的とし添付図面を参考にしてその好ましい実施形態を示す本発明の方法および多層回路構造によって達成される。
【0043】
【発明の実施の形態】
ここで図面を詳細に参照すると、図1〜18には、低誘電率のMCMを作成するための構造および方法のさまざまな実施形態が示されている。図1〜18に例示されているタイプの構造および方法は、巨大な損失、雑音および遅延なしにギガヘルツ速度の製品を可能にすることから次世代MCMにとって優先的なものである。本発明のさまざまな実施形態の低誘電率MCMの利点は、(1)より低い誘電率でより高性能のMCMを作ることができる、(2)MCM内に相似誘電性コーティングのみを使用することにより化学機械研磨(CMP)の所要量を削減する、(3)2またはそれ以上の誘電性ポリマーを使用することから、1タイプのみの誘電性ポリマーで可能なものよりもすぐれた誘電体層接着性を可能にする、および(4)制御されたインピーダンス構造を可能にする、ということにある。誘電率は、1つの帯電体からもう1つの帯電体への静電力の伝達に抵抗する誘電体材料(例えば、ポリマー)の能力の指数として役立つ値である。低誘電率のMCMを製造するために本発明のさまざまな実施形態において利用される誘電体材料は、20℃で約3.8未満といったような低い誘電率を持つ。本発明の好ましい実施形態においては、誘電体材料についての20℃での誘電率は、約1.2〜約3.4、 好ましくは約1.4〜約3.0、より好ましくは約1.6〜約2.8、最も好ましくは約1.8〜約2.7、例えば約2.1〜約2.5を含めた約2.0〜約2.6の範囲にある。
【0044】
適切な誘電体材料には、それらが20℃における低い誘電率で製造されることを条件として、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリウレタンまたはシリコンといったB段階ポリマー化合物が含まれる。付加的な適切な材料としては、20℃での低誘電率を有する高ガラス転移温度の無水物で硬化されたエポキシ組成物が含まれうる。より特定的な適切な熱硬化性材料としては、20℃での低誘電率を伴って製造され、エポキシおよび改質エポキシ、メラニン−ホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、フェノール樹脂、ポリ(ビス−マレイミド)、アセチレンを末端基とするBPA樹脂、IPNポリマー、トリアジン樹脂およびそれらの混合物からなるグループの中から選択された1またはそれ以上の化合物が含まれるが、これらに制限されるわけではない。さらなる付加的な適切な材料には、それらが20℃での低い誘電率を有するように製造されることを条件として、液晶ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリアリルエーテルケトンといったような高温熱可塑性材料が含まれる。付加的な適切な熱可塑性材料は、それが20℃で低い誘電率をもつように製造されることを条件として、単なる例として、ABS含有樹脂状材料(ABS/PC、ABS/ポリスルフォン、ABC/PVC)、アセタール樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、アリルエーテル、ベンゾシクロブテン、セルロースエステル、塩素化ポリアルキレンエーテル、シアネート、シアナミド、フラン、パリレン、非晶質フルオロポリマー、ポリアルキレンエーテル、ポリアミド(ナイロン)、ポリアリレンエーテル、ベルフルオロアルコキシポリマー樹脂、フルオロエチレンプロピレンポリマー、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフルオロカーボン、ポリイミド、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルフォン、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロリド、ポリビニルクロリド/ビニリジンクロリド、ポリエーテルイミドなどおよびこれらのいずれかの混合物が含まれる。
【0045】
本発明の別の好ましい実施形態においては、低誘電率材料は、nが約2,000〜約8,000、より好ましくは約3,000〜約7,000、最も好ましくは約4,000〜約6,000、例えば、約4800〜約5200を含めた約4500〜約5500の範囲内の値の整数である、反復構造(−CH2C6H4CH2−)nを有するポリマーからなる。本発明のさらなる実施形態においては、低誘電率材料は、nが約3,000〜約16,000、より好ましくは約4,000〜約14,000、最も好ましくは約8,000〜約12,000の範囲内の値の整数である反復構造(−CF2−CF2−)nからなる。
【0046】
ここで図1〜3を参照すると、材料16の1つの低誘電率層の薄い相似コーティングが最初に、基板10によって支持された導体トレース14(すなわちCu)の上に被着される。相似コーティングは、図1に示すような下の支持用表面に全体的に適合するよう充分な粘度を持つコーティングである。相似コーティングはまた、図1に示すように全体的に均等な厚みで被着されるコーティングでもある。相似コーティングはさらに、被着後(例えば、CMPなどにより)研磨する必要のないコーティングである。基板10上に導体トレース14(またはパッドまたは領域)をメッキおよび/またはスパッタリングすることもできる。この材料層16は、導体トレース14に対し優れた接着性を提供し、化学蒸着(CVD)といったあらゆる適切な方法で被着されても、スプレーされてもまたはスピンされてもよい。任意には、材料18の第2の低誘電率層好ましくは材料18の相似層をその後材料16の層の上および/またはその全体にわたり被着させることができる。材料18の層は、導体トレース14に対しては比較的低い接着性しかもたないものの、材料16の層に対しては優れた接着性をもつ材料から製造できる。かくして、単なる例としては、この材料16は、nが約4,500〜約5,500の範囲内にある反復構造(−CH2C6H4CH2−)nを含むことができ、また、材料18は、単なる一例として、nが約2,000〜約8,000、より好ましくは約3,000〜約7,000、そして最も好ましくは約4,000〜約6,000の範囲内の値をもつ整数である反復構造(−CHFC6H2F2CHF−)nを有するものといったようなフッ素化パリレンを含み得る。材料16についての低誘電率は、材料18についての低誘電率の値よりも低いかまたは高い値をもち得る。より特定的には、材料16の誘電率は約2.3未満(または約1.8未満)であり得、一方材料18の誘電率は、約2.3以上(または約1.8以上)、すなわち約1.8以上または約2.3から約3.8までの範囲内の値であってよく、さらにその逆でもよい、すなわち、材料18についての誘電率が約2.3未満または約1.8未満で、材料16についての誘電率が約1.8以上または約2.3以上約3.8以下である。
【0047】
その後、間隔どりされた材料16間の空隙24内に、填隙材料20が被着(例えばスピン)される(図2(a)および図4(a)参照)。図1および2(b)において、填隙材料20は、材料16により支持されている間隔どりされた材料18間の空隙26内に配置される(例えばスピンされる)。材料16および/または材料18の周辺に延びる余剰の填隙材料20は全て、平坦な表面20aが材料16の平坦な表面16a−16aとまたは材料20の平坦な表面20a−20aと位置合せされるまで、研磨または平坦化され得る(図2(a)参照)。材料20は、前述の低誘導率材料のうちの1又はそれ以上のものである。材料20についての低誘電率は、材料16および/または材料18についての誘電率と同じでも、これより低くても高くてもよい。
【0048】
フッ素化パリレンAF4は、非常に低い熱放散定数と共に、約2.3の誘電率を有する。将来のAF4変異体は、さらに低い誘電率および熱放散定数の値を有することになるだろう。驚くべきことに、特定の温度範囲内の熱処理が、パリレンAF4膜の機械的特性のきわめて望ましい改善を結果としてもたらすことが発見された。この発明力ある熱処理がなければ、膜の熱膨張係数は100ppmを超える。熱処理の後、膜は最高35ppmの熱膨張率を示す。さらに重要なことに、膜の塑性不安定性に至る合計伸び率は、望ましくない5〜10%という値からはるかに望ましい15〜20%を超える値まで100%以上変化する。このような特性の増強がなければ、多層電気回路が製造可能となるまたは信頼性の高いものとなる確率はきわめて低い。
【0049】
最高50〜100マイクロメートルの厚みの独立型パリレンAF4膜をGorhamプロセスにより、−15℃と−25℃との両方のプラテン温度で被着させた。これより低い被着温度は、ポリマー膜のより高い分子量を結果としてもたらすと考えられている。これらの膜から、YAGレーザーを用いて、ゲージ幅4mm、ゲージ長1cmのドッグボーン試験片をカットした。次に試験片を10-2/秒の歪速度のInstron内で破壊するまで引っ張った。低分子量の膜は、塑性的に不安定となり、最高6〜9%の基本的に同じの、より低いひずみ値で破断した。より高い分子量の膜は、より高い分子量の膜と基本的に同じひずみで塑性的に不安定となった。これらの膜の靱性は、多層膜のビルドアップにとって受容できないものである(塑性不安定性の前に10%を超えるひずみが必要とされる)。膜は、約1Gpaのヤング率を示し、塑性不安定性点までに約50Mpaの応力に耐える。下表1に記載するような膜の以下の真空(1mbar未満)熱処理が、引張り試験片をカットする前に行われた。
【0050】
【表1】
【0051】
本発明の別の実施形態においては、図3に最も良く示すように、材料20全体にわたり、または代替的には材料20の代わりに空隙24を充填するのに用いられる材料18全体にわたり、接地層30を配置することができる。その後、図3に示すように第2の導体トレース14sが配置された状態で、第2の材料16sが、示すとおりに被着される。接地層30は、インピーダンスを制御すると同時に構造に対する機械的安定性を提供するために役立ち得る。
【0052】
ここで本発明の別の実施形態について図4〜7を参照すると、図4(b)に最も良く示されているように、1つの導体トレース14から隣接する導体トレース14まで材料16を除去または中断させるため、材料16の層上にマスクを使用することができる。その後、キセロゲル、セスキシロンなどといったような低誘電率材料34が材料16上に被着される。材料34の層は熱硬化され得、特に被着された層の厚みが約1マイクロメートルを超えると、空隙および亀裂を含むかまたはこれらを発生させる可能性がある。その後、化学機械研磨(CMP)および構造的安定性は、低誘電率をもつテフロンAF、パリレン、PAE、BCBといったような低誘電率層36(図6参照)または低分子量の反応性オリゴマの被着と共に容易になる。このときCMPを実施することができ、また、次の層を構築することができる。後続する導体層(図示せず)をより良く接着できるようにするため、材料34の層のCMPの後、低誘電率をもつパリレン、PAE、BCBまたは低分子量の反応性オリゴマのさらなるまたは代替的な層(図示せず)を被着させることができる。図3に本発明の実施形態について示した通り、材料36の相似コーティングは、材料34の層よりも厚いものであってよく、その後導電性接地層30を図7に示すように材料36上に被着することができる。この接地層30は、インピーダンスを制御することと共に、構造に機械的安定性を提供することにも役立つ。インピーダンスを制御する接地層30のこれらの「側壁」は、代替的には隣接した側壁が互いに橋かけする厚みまで被着させることができる。
【0053】
ここで本発明のさらなる実施形態について図8(a)〜18を参照すると、図9には、複数の低誘電率粒状材料40が見られる。この粒状材料40は、材料16および/または材料18および/または材料34または前述の低誘電率材料のいずれかを含むかまたはこれらから構成され得る。粒状材料40は、例えば展着、スプレー、トランスファなどといった適切なあらゆる要領で、材料16および/または材料18の表面に塗布できる。次に、材料40を流動させ、それがギャップを実質的に満たして材料40aを作り上げるよう、粒状材料40を熱処理する(図10参照)。粒状材料40を流動させる温度(例えば約85℃〜約200℃の範囲内の温度)は、低誘電率材料40の組成によって左右されることになる。所望の場合には、この層の中に、空隙を保持することができる。材料40a上に材料36を被着させることができ、材料36上に接地層30を被着させ、その後接地層30上に、トレース14、材料16および材料40aの別のアセンブリで被着させることができる。
【0054】
ここで図12(a)〜14を参照すると、まず最初に、導体トレース14(すなわちCu)全体にわたり、1つの低誘電率材料16(すなわちパリレン、PAE、BCBまたは誘電率の低い低分子量の反応性オリゴマ)の薄く基本的に相似のコーティングが被着される。導体トレース14は基板10上にメッキすることおよび/またはスパッタリングすることができる。材料16の層は、導体トレース14に対する優れた接着性を有している。材料16は前述した通り、好ましくは蒸気相から被着されるが、その上にスピンまたはスプレーすることもできる。その後図2(b)に示す通り、導体トレース14に対する接着性は比較的低いものの第1の層16(例えば、無機物含有誘電体、フッ素化パリレン、フッ素化PAE、フッ素化BCBまたは誘電率の低い低分子量の反応性オリゴマ)に対して優れた接着性をもつ任意の分離したまたは段階的に導入された(勾配組成物または同時被着された)薄い相似層18を被着させることができる。この層18はまた、連続的付加および層に対する優れた接着性をもたなければならない。かかるポリマー層を導体毎に不連続なものにするため、マスクを使用することができる。かかる層は、拡散またはエレクトロマイグレーション障壁ならびに接着促進剤として役立つことができる。
【0055】
次に、図13に示すように、ポリマー42(例えば液晶ポリマーなど)および/または無機物含有誘導体の複合層が、もう1つの平坦化用低誘電率材料(例えば、無機物含有誘電体、フッ素化BCBまたは誘電率の低い低分子量の反応性オリゴマ)内で一緒に被着される。粒子状物質44は、流体の形にプレスされてもよいし、または軽く圧縮された(および/または部分的に焼結された)粒子状物質の上に流体スピンされてもよい。またこれらを、スプレーまたはスピンオンプロセスにより同時被着させることもできる。代替的に、粒子状物質44は、溶液(化学的にまたはバイア溶媒除去)から沈殿されても良い。構造は、熱可塑性プラスチックが幾分か高い温度で流動できることから、硬化中にその空間幾何形状を改変することができる。この層内に空隙を保持することが可能である。その後のCMPおよび構造的安定性は、熱可塑性プラスチックの上面上の低誘電率をもつ無機誘電体、BCBまたは低分子量の反応性オリゴマの平坦化用被着と共に促進される。その後CMPを実施し、次の層を構築することができる。次の導体層をより良く接着できるようにするため、無機物含有誘電体、パリレン、PAE、BCBまたは誘電率の低い低分子量の反応性オリゴマのさらなる層をCMPの後に被着させることができる。
【0056】
図14に最も良く示されているように、さらなる回路ビルドアップのために、別の相似ポリマー層42および導体トレース14を形成することができる。寸法上の安定性および/または電気的性能のために、この第2層のビルドアップに先立ち、任意の接地層30を被着させることができる。
【0057】
ここで図15(a)〜18を参照すると、図4(a)〜(b)、8(a)〜(b)および12(a)〜(b)と同じ低誘電率アセンブリが形成されたように低誘電率のアセンブリ(図15(a)〜(b)参照)が形成された後、適切にコーティングされた回路全体にわたり、誘電率の低い熱可塑性膜50(例えばテフロンAF、PFTE、PFA、FEP、液晶ポリマーなど)が設置される。膜50は、図17に最も良く示されているように、回路上に熱によりラミネートまたはオートクレーブ処理され得る。その後のCMPおよび構造的安定性は、熱可塑性プラスチックの上面上の無機誘電体、BCBまたは誘電率の低い低分子量の反応性オリゴマの平坦化用被着と共に促進される。前述のように、このときCMPを実施し、次の層を形成することができる。パリレン、PAE、BCBまたは低誘電率をもつ低分子量の反応性オリゴマといったような無機物含有誘電材料54のさらなる層を、膜50の上に被着させ、次に好ましくは、次の導体層がより良く接着できるようにCMPを行うことができる。図18は、図7、11、14および18の第2の層ビルドアップと類似した第2の層ビルドアップを示している。
【0058】
ここで、超微細ピッチのフリップチップ技術に基づく「ワイヤ相互接続構造」(WIT)および「過渡液体合金ボンディング」(TLAB)を利用する方法および構造について述べるため、図19(a)〜22(d)を参照する。WIT構造は、LSIと基板との間の超微細ピッチ相互接続方法を提供する。TLABは、信頼性の高い無鉛ボンディング方法を提供する。TLABの空乏層は、下部パッド(基板側)、ワイヤ構造の上またはワイヤ構造の中央に配置され得る。
【0059】
図19(a)〜(d)、図20(a)〜(c)、図21(a)〜(c)および図22(a)〜(d)中にそれぞれ示されているように、本発明の実施形態には、4つのタイプの構造が含まれる。図19(a)〜(d)の第1の構造は、LSI側のWITおよび基板側の空乏相(Sn、In、またはSn/In合金)を示している。図20(a)〜(c)の第2の構造は、逐次的電気メッキによって行うことのできるWIT構造上の空乏相を示している。図21(a)〜(c)の第3の構造は、WITの片面または両面(すなわち半WITが両面にまず構築される)上に空乏相を電気メッキすることによって達成される、最終WIT構造の中央に設置された空乏相を示している。図22(a)〜(d)の第4の構造は、WIT構造と組合わされたカップ構造を示している。カップ構造は、WIT先端部を保持するための定着機能を提供する。それは、優れた側方機械強度で構造を支持し、継手界面ではなくWIT構造に直接せん断ひずみ/応力を伝達することができる。第4の構造では、Snはカップ構造内またはWITの先端にありうる。また、カップの高さは低くても良く、その場合、応力集中を直接補償するように機能させられることになり、また、高応力点を回避すべく高くても良い。
【0060】
ここで図19(a)〜22(d)をより特定的に参照すると、それ自体、空乏層60(電気メッキによって被着されたSnおよび/またはInのような空乏層60a、60b、60c、60dおよび60e)を支持する複数の金属パッド58(すなわちパッド58a、58b、58c、58dおよび58e)を支持する基板56が見られる。また、厚いフォトレジストを用いて電気メッキにより製造され得、また好ましくは銅および/または金であり得るワイヤ相互接続構造(WIT)66(すなわちWIT66a、66b、66c、66dおよび66e)が接続された、複数の導電性パッド64(すなわち導電性パッド64a、64b、64c、64dおよび64e)を支持するLSI基板62も見られる。金の利点は、それが、高いCTE不整合の状況下で利用された場合に、より優れた弾性を提供し得るという点にある。図20(a)、21(a)、22(a)では、空乏相60a、60b、60c、60d、および60eはそれぞれWIT66a、66b、66c、66dおよび66eの終端部にそれぞれ配置されている。図21(a)においては、WIT66は、それぞれのWIT66の一部分がLSI基板62に結合されそれによって支持され、一部分が基板56に結合されそれによって支持されるように分割される。さらに、図21(a)中の本発明の実施形態に関しては、空乏層60は、2つのWITセット66−66の間で分割され、各WIT66−66の終端部に配置されている。図22(a)では、基板56は、WIT66の終端部と結合した各空乏層60を含むWIT66の終端部を収容するため、複数の導電性カップ68(すなわちカップ68a、68b、68c、68dおよび68e)を支持する。導電性(例えば銅)カップ68は好ましくは電気メッキにより製造される。導電性カップ68を被着するためにドーナツ形リングが露出される。空乏層60は、WIT66の終端部上または各導電性カップ68の内部に、電気メッキ、浸漬または蒸発のいずれかにより被着され得る。
【0061】
LSI基板62および基板56は、適切なアライナ、例えばKarl Suess によるフリップ−チップボンダによって整列させられる。整列させられた対はその後プレスされ、空気または窒素環境内でフリップ−チップボンダにより加熱される。温度は、空乏層60の融点より高くかつ一定期間中保たれる必要がある。融解温度は、Snについては232℃前後、Inについては157℃そしてSn−In温度合金については(合金組成に応じて)120℃〜232℃である。時間は、地金(例えば銅または金)との合金または金属間化合物60a′、60b′、60c′、60d′および60e′へ、空乏層60の溶融相60を完全に転換するのに充分長い時間でなくてはならない。より望ましくは、空乏層60は、使用される冶金系により左右される強く信頼性の高い金属相へと完全に転換されるべきである。最後に、信頼性の高いチップパッケージングを形成するため、相互接続間にアンダーフィル(underfill)を適用する。アンダーフィル材料を入れるためのもう1つの代替的方法は、ボンディングプロセス中に硬化されうる液体タイプのアンダーフィルを用いることによって、ボンディングプロセス中に行うというものである。
【0062】
ここで図23〜28を詳しく見てみると、発明の実施形態は、多層回路構造を形成するための方法に向けられている。好ましい実施形態においては、該方法は、回路化されたコア構造の第1および第2の側に、第1の複数の導電性ポストを形成する段階を含んでなる。各導電性ポストは、コア構造から近位の端部およびコア構造から遠位の端部を有する。導電性ポストが形成された後、第1の誘電体層がコア構造の第1の側に被着され、そのコア構造の第2の側には、第2の誘電体層が被着される。第1の複数の導電性ポストの遠位端部上に被着された誘電体層材料がその後除去される。ポストの端部から誘電体層材料を除去した後、誘電体層上に回路パターンが形成される。形成された回路パターンは、ポストの清浄された遠位端部全体にわたり配置された導電性パッドを含むことができる。このとき、遠位端部上の導電性パッドの上に、第2の複数の導電性ポストを形成することができる。第2の複数の導電性ポストは、第1の複数の導電性ポスト上に積重ねることができる。その後形成された導電性ポスト(例えば第3、第4の複数のポスト)およびパッドの付加的なセットは、誘電体層を通して複数の全体的に垂直な導電経路(例えばコア構造の向きに対して全体的に垂直な経路)を形成すべく、第2の複数の導電性ポスト上に積重ねることができる。全体的に垂直な導電経路は、千鳥になったバイア構造を有する類似の多層回路構造よりも少ない空間しか占有しない多層回路構造を、結果としてもたらすことができる。
【0063】
本発明の実施形態においては、多層回路構造を迅速かつ効率良く形成することができる。例えば、好ましい実施形態においては、導電性パッドを含む導電性パターン、導電性ポストおよび誘電体層を、多層回路構造前駆体(例えばコア構造)の反対側に形成または被着させることができる。例えば、本発明の実施形態においては、導電性ポストを、コア構造の反対側で導電性領域の上に同時に電気メッキすることができる。さらに、好ましい実施形態においては、積重ねられた導電性ポストを有する多層回路構造を、フォトリソグラフィおよび電気メッキといったような比較的安価なプロセスを用いて形成することができる。本発明の好ましい実施形態においては、レーザーせん孔のようなさらにコストの高い技術は必要ではない。その結果、高い回路密度をもつ高密度多層回路構造を、効率良くかつ高い費用効果で形成することができる。
【0064】
多層回路構造内の導電性ポストおよび導電性パターンは好ましくはアディティブ法により形成される。アディティブ法は、サブトラクティブ法に比べ有利である。例えば、サブトラクティブ法では、導電性パターンを形成すべく連続金属層から金属を除去するためにエッチング液が用いられる。エッチングされたパターン内のラインの均一性は、エッチング液がラインをアンダカットする可能性があることから、制御がむずかしいものである。その結果、サブトラクティブ法を用いて細かいラインのパターンを形成することは困難である。しかしながら、アディティブ法においては、導電性パターン解像度は、導電性パターンを形成するのに使用されるフォトレジストの解像度によってのみ制限される。その結果、アディティブ法を用いて、細かいラインおよび高密度の回路パターンを生成することができる。例えば、回路ラインは25マイクロメートル以下の幅を有することができ、約50マイクロメートル以下のピッチにあって良い。さらに、サブトラクティブ法では、金属層はエッチングされ、その後洗浄処理される。エッチングおよび洗浄処理は大量の湿潤化学物質および水を消費し、大量の廃棄物(例えば廃金属)を生成する可能性がある。しかしながら、標準的なアディティブ法の中で用いられるエッチング段階の数は削減されているため、標準的なアディティブ法から生成される廃棄物は、標準的なサブトラクティブ法よりも少ない。
【0065】
本発明の実施形態は、図を参考にしながら説明することができる。図24(a)は、複数の導電性ポストが形成される回路化されたコア構造122を示す。コア構造122は、第1の側面122(a)および第2の側面122(b)を含み、可とう性または剛性のいずれであってもよい。第1および第2の側面122(a)、122(b)は、それぞれ、第1の複数の導電性領域124(a)と第2の複数の導電性領域124(b)とを有することができる。第1および第2の導電性領域124(a)、124(b)は、例えば、ライン、パッドまたはバイア構造の端部を含むことができる。その上、第1および第2の導電性領域124(a)、124(b)は、銅を含む適切なあらゆる導電性材料で作られていてよく、約50マイクロメートル未満の厚み、好ましくは約18〜約36マイクロメートルの間の厚みを含む適切なあらゆる厚みを有することができる。コア構造122の外部表面上に導電性領域124(a)、124(b)を有することに加えて、コア構造122は、その中に埋込まれた1またはそれ以上の導電層(図示せず)および2つ以上の誘電体層もまた含むことができる。
【0066】
コア構造122はまた、1またはそれ以上のバイア構造123も含むことができる。バイア構造は、コア構造122の第1および第2の側面122(a)、122(b)上の導電性領域124(a)、124(b)を連絡させることができる。バイア構造は、固体の導電性ポストであってもよいし、または導電性または非導電性材料で満たされたメッキされた貫通孔(PTH)でもあり得る。例えば、PTHは、埋込まれた導電性材料を有するまたは有しないエポキシベースのポリマーといったようなポリマー材料で満たされていてよい。別の例では、PTHは、銀を充填した導電性ペーストのような導電性ペーストで充填されてもよい。PTHに材料を充填することにより、PTH内に存在する可能性のある空気がことごとく移動させられる。閉じ込められた空気は一部のケースで信頼性の問題をひき起こす可能性があることから、結果として得られる多層回路構造内に存在する可能性のあるあらゆるエアポケットを除去することが好ましい。
【0067】
標準的なPTH充填プロセスにおいては、剛性絶縁板内にアパーチャを形成することができる。PTHを形成するためアパーチャの壁上に金属を電気メッキすることができる。PTHを形成した後、例えばステンシルによりPTH内に導電性または非導電性の充填材料を被着させることができる。充填材料が硬化性である場合、それをPTH内で硬化できる。硬化の前または後で、コア構造の第1および第2の側面上のあらゆる余剰の充填材料を除去することができる。
【0068】
好ましい実施形態においては、コア構造が形成された後、第1の複数の導電性ポストが、回路化されたコア構造の第1および第2の両方の側面上に形成される。各導電性ポストは、コア構造に対し近位の端部とコア構造に対し遠位の端部とを有することができる。導電性ポストは、好ましくは固形でありおよび/または組成が実質的に均質(例えば全て金属)である。ポストはまた、あらゆる適切な導電性材料を含むこともできる。適切な導電性材料には、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムおよびアルミニウムを含む金属または金属合金が含まれる。導電性材料は好ましくは銅である。
【0069】
導電性ポストは、任意の適切な寸法であって良い。例えば導電性ポストは、少なくとも約10マイクロメートルの高さ、好ましくは約15〜約75マイクロメートルの間、そしてより好ましくは約25〜約50マイクロメートルの間の高さを有することができる。導電性ポストは、約10〜約150マイクロメートル、好ましくは約25〜約75マイクロメートルの間の直径を含む適切なあらゆる直径を有することができる。さらに、各ポストは、一般に丸い半径方向横断面を有していてよい。
【0070】
導電性ポスト(例えば、第1の複数の導電性ポスト)は、適切なあらゆるプロセスを用いて形成することができる。例えば、無電解メッキまたは電気メッキプロセスのようなメッキプロセスを用いて、導電性ポストを形成することができる。
【0071】
導電性ポストは好ましくは、電気メッキによって形成される。図24(b)を参照すると、コア構造122の第1および第2の側面122(a)、122(b)上に、シード層125(a)、125(b)を被着させることができる。その後形成された導電性ポストのメッキを開始する一助となるように、シード層125(a)、125(b)を使用することができる。好ましくは、シード層125(a)、125(b)は、同時に被着されるが、一部のケースではこれらを逐次的に被着させることもできる。シード層を被着させるためには、スパッタリングおよび無電解メッキを含めた適切なあらゆるプロセスを使用することができる。スパッタリングに比べ一般にコストが低いことから、無電解メッキが好ましい。被着方法の如何に関わらず、シード層125(a)、125(b)は、約3マイクロメートル以下の厚みを有することができる。好ましくは、各シード層の厚みは、約0.1〜約1.0マイクロメートルの間であり、より好ましくは約0.3〜約0.6マイクロメートルの間である。
【0072】
シード層を被着させるのに先立ち、コア構造の第1および第2の側面の状態を整えることができる。例えば、コア構造の側面に対するシード層の接着性を増大させるためには、コア構造の表面を粗化することができる。粗化は、過マンガン酸塩エッチング法といったエッチング法を含めたあらゆる適切なプロセスを用いて実施可能である。シード層を被着させる前にコア構造の表面を粗化することにより、シード層はコア構造の表面に対しより被着しやすくなる。
【0073】
シード層を被着させた後、フォトレジスタ層をその上に被着させることができる。フォトレジスト層は、コア構造の第1および第2の側面上に被着される前に、膜または液体の形態であっていてよい。適切な乾燥膜フォトレジストの例としては、E.I.du Pont de Nemours, Inc から市販されているRiston □9000がある。適切な液体フォトレジストの一例は、Clariant, Inc.から市販されているAZ4620液体フォトレジストである。フォトレジスト層は、ポジでもネガでもよく、コア構造の第1および第2の側面上に同時にまたは逐次的に被着され得る。
【0074】
フォトレジスト層は、ローラーコーティング、スピンコーティング、カーテンコーティング、スクリーン印刷、スロットコーティング、スプレーコーティングおよびドクターブレードコーティングを含めた適切なあらゆるプロセスによって被着可能である。これらのプロセスは、液体フォトレジスト層を被着させるのに適している。予備成形されたフォトレジスト層をラミネートによって被着させることができる。好ましくはフォトレジスト層は、ラミネートにより被着される。例えば一部の実施形態においては、コア構造の両側面に同時に、中間処理されたフォトレジスト層をラミネートするために両面熱間圧延ラミネータを使用することができる。
【0075】
フォトレジスト層を被着させた後、フォトレジストパターンを従来のフォトリソグラフィ技術を用いて形成することができる。例えば、被着されたフォトレジスト層は、放射パターンで照射され得る。照射されたフォトレジスト層は次に現像されてパターン化したフォトレジスト層を形成する。例えば、図24(c)を参照すると、コア構造122の両側面上のフォトレジスト層が現像された後、現像済みフォトレジスト層131(a)、131(b)は、コア構造122の相対する側面上で1またはそれ以上の導電性領域124(a)、124(b)全体にわたり配置された複数のアパーチャ132(a)、132(b)を有することができる。パターン化されたフォトレジスト層は、予め定められた領域内で導電性材料を選択的に被着させるためのマスクとして使用可能である。パターン化されたフォトレジスト層によって、被覆されていない領域上に導電性材料を被着させるために、電気メッキまたは無電解メッキのような被着プロセスを使用することができる。
【0076】
図24(c)、24(d)を参照すると、フォトレジスト層131(a)、131(b)のアパーチャ132(a)、132(b)の中に、そしてフォトレジスト層131(a)、131(b)を通し露出された導電性領域124(a)、124(b)の上に、第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)が形成される。この例では、第1の複数の導電性ポストは、コア構造122の第1の側面上の導電性ポスト134(a)およびコア構造122の第2の側面上の導電性ポスト134(b)を含む。第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)は、好ましくはコア構造の両側面上に同時に形成される。例えば、図24(c)に示す構造を、電気メッキ浴の中に置くことができる。電気メッキ浴において、導電性材料は、導電性領域124(a)、124(b)からアパーチャ132(a)、132(b)の開放端部までメッキし、第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)を形成することができる。
【0077】
例示された実施形態に関してシード層の使用を詳述してきたが、その他の実施形態では、シード層を使用する必要はない。例えば、フォトレジスト層131(a)、131(b)を通して露出された導電性領域124(a)、124(b)は、シード層を被着させる必要なしに、フォトレジスト層131(a)、131(b)のアパーチャ132(a)、132(b)内で、ポストの直接的メッキを開始させるのに適している。
【0078】
第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)が形成された後、導電性ポスト134(a)、134(b)を形成するのに使用したフォトレジスト層131(a)、131(b)を、コア構造122から除去(例えばストリッピング)することができる。図25(e)に示すように、フォトレジスト層131(a)、131(b)を除去した後、第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)が、コア構造122上に被着され、コア構造122の表面から突き出る。
【0079】
フォトレジスト層131(a)、131(b)が除去された後、シード層125(a)、125(b)が存在する場合には、これも除去することができる。好ましくは、シード層は、フラッシュエッチング法でエッチングされる。標準的なフラッシュエッチング法においては、シード層を、短時間にエッチングすることができる。フラッシュエッチングの後、シード層は誘電体層表面から完全に除去され、形成された導電性ポスト134(a)、134(b)の実質的でない部分もまた除去できる。
【0080】
コア構造上に第1の複数の導電性ポストが形成された後、コア構造の第1および第2の側面上に誘電体層を被着させることができる。誘電体層は、適切なあらゆるポリマー材料を含む適切なあらゆる材料から形成することができる。誘電体層材料の例としては、ポリイミド、エポキシ機能性材料、およびBT樹脂が含まれる。その上、誘電体層は、任意には、充填材を含むことができる。好ましい充填材には、シリカまたはアルミナ粒子といったような粒子が含まれ得るが、チョップされたファイバ、製織ファイバまたは不織ファイバも含まれ得る。好ましくは、誘電体層は、予備成形層(preformed layer)の形態をなす。予備成形層の一例としては、味の素(株)から市販されているABF−SH9膜および三菱ガス化学(株)から市販されているBT346膜が含まれる。さらに誘電体層は好ましくは、画像形成不能(non-photoimageable)なものである。画像形成不能な誘電体材料は、標準的には画像形成可能な誘電体層に比べ、より高いガラス転移温度(Tg)およびより低い給湿率を有する。その結果、画像形成不能な誘電体層を有する多層回路構造は一般に、画像形成可能な誘電体層よりも信頼性が高い。
【0081】
被着された誘電体層は、約75マイクロメートル以下、好ましくは約25〜約50マイクロメートルの間の厚みを含めた適切なあらゆる厚みを有することができる。コア構造上の個々の誘電体層は、同じまたは異なる厚みを有しても良い。好ましくは、個々の誘電体層は、ポストおよびポストが配置されたパッドの組合せ高さ以下の厚みを有することができる。例えば、誘電体層の厚みは、導電性ポストおよびポストが上に配置された導電性パッドの組合せ高さよりも約2〜約8%(例えば5%以下)小さいものであり得る。
【0082】
誘電体層は、コア構造の相対する側面上に逐次的にまたは同時に被着可能である。例えば、第1の側面上に液体誘電体材料を被着させることにより、コア構造の第1の側面上に第1の誘電体層を被着させることができる。被着された液体は次に、被着された層を凝固させるべくソフトベーキングすることができ、その後任意には硬化され得る。第1の誘電体層が被着された後、第1の誘電体層と同じまたは異なる要領で、第2の誘電体層をコア構造の第2の側面上に被着させることができる。
【0083】
誘電体層は、スピンコーティング、スクリーン印刷、スロットコーティング、ドクターブレードコーティング、カーテンコーティングなどを含めた適切なあらゆるプロセスを用いて被着させることができる。これらのプロセスは、液体誘電体層を被着させるために使用可能である。予備成形された誘電体層を被着させるのにラミネート処理を使用することができる。誘電体層は、化学蒸着(CVD)のような気相被着プロセスによって被着されることさえ可能である。
【0084】
好ましくは、第1および第2の誘電体層は、コア構造の第1および第2の側面にそれぞれラミネートされる。これらの実施形態においては、誘電体層は、コア構造上に被着される前に予備成形され得る。コア構造上に予備成形された誘電体層を被着させることによって、誘電体層の厚みは、コア構造上に存在するとき実質的に均質である。さらに、コア構造上に予備成形された誘電体層をラミネートすることにより、コア構造の相対する側面上の誘電体層は同時に被着でき、かくしてより効率の良い加工を提供する。
【0085】
好ましくは、予備成形された誘電体層は、コア構造にラミネートされる前にキャリア層上に配置される。キャリア層は、ポリエチレンテレフタレートを含めた適切な任意のポリマー材料を含み得る。予備成形された誘電体層およびキャリア層は複合材で形成しうる。適切な複合材は、味の素(株)から市販されている(例えばABF−SH9)。図25(f)を参照すると、キャリア層142(a)、142(b)および誘電体層141(a)、141(b)を含む複合材140(a)、140(b)が、コア構造122の第1および第2の側面にラミネートされる。複合材140(a)、140(b)は、誘電体層141(a)、141(b)の外部表面上にキャリア層142(a)、142(b)が配置されるように、コア構造122にラミネートされる。複合材140(a)、140(b)は好ましくは可とう性があり、コア構造122に対し同時にまたは逐次的にラミネートされ得る。
【0086】
複合材は、適切なあらゆる器具を用いてコア構造にラミネートされ得る。誘電体層に熱または圧力を加えて軟化させ、それらがラミネートされる表面に適合できるようにすることができる。加熱温度および/または圧力は、誘電体層のために使用される特定の材料に従って選択され得る。例えば、コア構造の相対する側面上に同時または逐次的にこのタイプの複合材をラミネートするために、ホットロールラミネータを使用することができる。一部の実施形態では、ホットロールラミネータは、約60℃〜約120℃(好ましくは約80℃〜約90℃)の間にあり、ローラーは一分あたり約1〜約2メートルの速度で走行できる。コア構造に誘電体層または複合材をラミネートするために真空ラミネータを使用することもできる。例えば、熱を用いて、真空ラミネータは数分間(例えば5分以上)真空近く(例えば1atm 未満)で動作することができる。代替的には、複合材をコア構造の相対する側面上に置き、ラミネーションプレス(例えば油圧プレス)内に入れ、次に合わせてラミネートすることができる。ラミネーションプレスは、約80℃〜約90℃の温度で、および約1〜約3kg/cm2の圧力で、数分間(例えば約5分以上)動作することができる。使用される特定のラミネーション器具の如何に拘わらず、コア構造の相対する側面上に誘電体層を配置することができ、またキャリア層間に挿入することができる。
【0087】
誘電体層141(a)、141(b)を被着させた後、誘電体層141(a)を任意に硬化させることもできる。誘電体層は、任意の適切な方法で硬化させることができる。例えば、誘電体層の硬化には、電子ビーム、および/またはUV線が使用できる。誘電体層は、ラミネーションプレス内または好ましくはオーブン内で熱を用いて硬化される。
【0088】
硬化の前および/または硬化中(例えばラミネーションプレス内で)、未硬化誘電体層上に、任意に剥離層を配置することができる。これらの剥離層は好ましくは、耐熱材料を含む。剥離層の材料例としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素ポリマー材料または金属(例えばアルミニウム、銅)が含まれる。剥離層が銅箔である場合、箔の光沢ある側が好ましくは誘電体層と接触状態にある。これらの実施形態においては、前述したキャリア層(使用される場合)と、キャリア層より高い融解温度を有する剥離層とを任意に置換することができる。例えば、剥離層は約150℃以上の融解温度を持つことができる一方で、キャリア層の融解温度は150℃未満でありうる。
【0089】
図25(f)〜25(h)を参照すると、コア構造122にラミネートされた後、キャリア層142(a)、142(b)を、第1および第2の誘電体層141(a)、141(b)から分離(例えばピーリング)することができる。その後、未硬化の第1および第2の誘電体層141(a)、141(b)上に、剥離層 151(a)、151(b)を被着させることができる。好ましくは、剥離層15(a)、151(b)は、第1および第2の誘電体層141(a)、141(b)にラミネートされる。誘電体層141(a)、141(b)を硬化させるため、構造に対し熱そして任意には圧力が加えられる。例えば、第1および第2の誘電体層141(a)、141(b)を約170℃以上の温度まで加熱でき、約60分以上の間、約3.5〜約20kg/cm2の圧力を加えることができる。熱および圧力は、ラミネーションプレスを用いて加えることができる。硬化の後、次に剥離層151(a)、151(b)を、硬化された誘電体層141(a)、141(b)から(例えばピーリングにより)分離させることができる。
【0090】
好ましい実施形態(図25(f)および25(g)を参照する)においては、コア構造上の未硬化誘電体層は、剥離層を使用せずに硬化できる。例えば、コア構造に対しキャリア層/誘電体層複合材を積層した後、キャリア層を誘電体層から除去することができる。その後、コア構造上の誘電体層を硬化させることができる。
【0091】
その他の実施形態では、誘電体層を部分的に硬化させ、その後完全な硬化に先立ち状態を整える(例えば粗化する)ことができる。例えば、コア構造および誘電体層を含む前駆体構造をオーブンの中に入れ、約150℃以上で約30分以下の間ベーキングして、誘電体層を部分的に硬化させることができる。その後、誘電体層の外部表面を粗化することができる。例えば、誘電体層の表面を粗化するために、過マンガン酸塩エッチング法のようなエッチング法を使用することができる。粗化の後、誘電体層上に回路パターンを形成することができる。回路パターンは、第1の複数の導電性ポストの遠位端部上に配置された導電性パッドを含み得る。このとき、誘電体層を再びベーキングして、完全に硬化させることができる。例えば、誘電体層を完全に硬化させるためには、誘電体層を約170℃以上で約60分〜約90分以上の間、さらに加熱することができる。このとき、導電性パッド上に第2の複数の導電性ポストを形成することができる。有利には、誘電体層の外部表面を粗化させることにより、後続して被着されるあらゆるシード層または導電性層が、誘電体層の表面に対し密に接着できる。
【0092】
誘電体層141(a)、141(b)がコア構造122上に被着された後、ポスト端部を清浄するために、第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)の遠位端部上に存在する誘電体層材料を除去することができる。一部の実施形態においては、コア構造上に1またはそれ以上の誘電体層が被着された後、導電性ポストの遠位端部上に残留誘電体層材料が存在し得る。例えば、コア構造上にある導電性ポスト上の誘電体層をラミネートし硬化させた後、残留誘電体層材料が、ポスト端部に残る可能性がある。残留誘電体材料は標準的に10マイクロメートル以下であり、ときには厚み約2〜5マイクロメートルである。ポスト端部を清浄した後、後続して、第1の複数の導電性パッドおよびポスト134(a)、134(b)上に、さらなる導電性ポストを形成することができる。形成された導電性ポストは、積重ねることができ、合わせて電気的結合がされて、1またはそれ以上の誘電体層を通し、一般的に垂直な電気的経路を形成する。
【0093】
導電性ポストの遠位端部から誘電体材料を除去するためには、任意の適切なプロセスを用いることができる。除去プロセスの例としては、過マンガン酸塩エッチング法、プラズマエッチング法のようなエッチング法または機械的研磨のような磨耗プロセスが含まれる。好ましい実施形態では、誘電体層材料を除去するために、機械的研磨を使用することができる。機械的研磨は、振動ばり取り機といったような研磨器具を用いることにより実施できる。振動ばり取り機は、Ishii Hyokiから市販されている。研磨器具は、SiCおよびAl2O3バフ車のようなバフ磨き要素を含むことができる。標準的な作業においては、バフ車の回転速度は毎分約2,000回転(rpm)以上であり、バフ車の振動サイクルは約470(毎分サイクル数)以上であり、その振動行程は約5mm以上である。バフ車圧力は、0.25〜約20kg/cm2の範囲で予め設定された圧力により自動的に制御できる。その他の実施形態においては、導電性ポストの遠位端部上の誘電体材料を融触させることができる。例えば、導電性ポストの端部から誘電体層材料を融触させるためにレーザーを使用できる。
【0094】
任意には、導電性ポスト上に配置されていない誘電体層領域を保護するために、誘電体材料除去プロセス中に、保護層を使用することができる。図26(i)を参照すると、誘電体層141(a)、141(b)上に保護層161(a)、161(b)を配置することができる。保護層161(a)、161(b)のアパーチャ162(a)、162(b)は、導電性ポスト134(a)、134(b)の遠位端部上に配置できる。導電性ポストの遠位端部上の誘電体層材料は、保護層アパーチャを通して露出される。誘電体材料除去プロセス中に保護層を使用することにより、被着された誘電体層は、ポストの端部上に配置されていない領域内で、保護される。その結果、これらの実施形態においては、望まない誘電体層材料を選択的に除去することができる。例えば、広域レーザーは、誘電体層上に配置された保護層の外部表面を走査することができる。レーザーは、保護層内のアパーチャを通し露出された誘電体層材料を融触することができる。使用される特定の除去プロセスの如何に拘わらず、導電性ポストの端部から誘電体材料を除去した後、誘電体層から保護層を除去することができる。例えば、保護層をエッチングまたはピーリングにより除去することができる。
【0095】
保護層は、適切なあらゆる方法で、先に被着された誘電体層上に被着されるかまたは形成できる。例えば一実施形態においては、保護層を形成すべく被着された誘電体層上でフォトレジスト層を被着させ、照射および現像することができる。別の実施形態では、アパーチャをもつ保護層が予備成形され、次にポスト(およびその上のあらゆる誘電体層材料)の遠位端部がアパーチャを通しアクセス可能となるように、誘電体層に対しラミネートされる。アパーチャのある保護層は、前述の剥離層またはキャリア層と同じであっても、これから派生するものであっても、またこれと異なるものであってもよい。
【0096】
別の例においては、誘電体層材料が導電性ポストの遠位端部から除去されたときに、保護層161(a)、161(b)内のアパーチャを形成することができる。例えば、コア構造上の誘電体層に対し、連続的保護層をラミネートすることができる。導電性ポストの遠位端部上の誘電体層材料は、遠位端部上に配置された保護層の部分と共に融触できる。この場合、融触の後、ポストの遠位端部をさらに清浄する必要はなく、形成されたアパーチャ入り保護層は、誘電体層から簡単に除去することができる。融触プロセスからのあらゆる残留材料が、形成された保護層の外部表面上に残っている可能性があり、これは、保護層と共に除去できる。例えば、融触プロセスにより生成されたあらゆる灰を、誘電体層から保護層が剥ぎ取られるときに、保護層と共に除去することができる。
【0097】
誘電体層が被着された後、誘電体層上に導電性パターンを形成することができる。これは、第2の複数の導電性ポストが形成される前に行うことができる。導電性パターンは好ましくは、電気メッキといったようなアディティブ法によって形成される。例えば、図26(j)および26(k)を参照すると、あらゆるキャリア層、剥離層または保護層が除去された(使用されている場合)後、シード層155(a)、155(b)を第1および第2の誘電体層131(a)、131(b)の外部表面上および第1の複数の導電性ポスト134(a)、134(b)の遠位端部全体にわたり被着させることができる。シード層の被着に先立ち、誘電体層表面を、コア構造122について上述したものと同じまたは異なる要領で、状態調節(例えば粗化)することができる。その後、シード層155(a)、155(b)全体にわたりフォトレジスト層を被着させ、照射し次に現像して、パターン化されたフォトレジスト層161(a)、161(b)を形成することができる。フォトレジスト層161(a)、161(b)は、前述のフォトレジスト層131(a)、131(b)と同じかまたは異なる特徴をもち得る。図26(l)に示されているように、パターン化されたフォトレジスト層161(a)、161(b)を、シード層155(a)、155(b)上に配置することができる。
【0098】
図27(m)を参照すると、次に、現像されたフォトレジスト層161(a)、161(b)によって、被覆されていないシード層の部分の上に、導電性パターン156(a)、156(b)が(例えば電気メッキにより)形成される。導電性パターンは好ましくは、導電性ポストと同じ材料で作られる。形成された導電性パターン156(a)、156(b)の厚みは、約5〜約35マイクロメータの間、好ましくは約10〜約20マイクロメータの間であり得る。導電性パターン156(a)、156(b)が形成された後、フォトレジスト層161(a)、161(b)を、誘電体層131(a)、131(b)の表面から除去する(例えばストリッピングによって)ことができる。
【0099】
導電性パターンは、第1の複数の導電性ポストの遠位端部上に配置されているある数のパッド139(a)、139(b)を含み得る。パッドは一般に、それらが配置されている導電性ポストの直径よりも大きい表面積を有する。標準的には、パッドは、それぞれ積重ねられた導電性ポストの間に配置され、積重ねられた導電性ポストと直接接触した状態にある。
【0100】
その後、図27(n)に示された構造または後続するあらゆる多層回路構造前駆体の上に、前述の段階のうちの1またはそれ以上の段階を繰り返すことにより、第2のおよび後続するあらゆる複数の導電性ポスト、誘電体層および導電性パターンを形成することができる。例えば、第2の複数の導電性ポストを形成するために使用されるプロセスは、第1の複数の導電性ポストを形成するために使用されたものと同じまたは異なるプロセスであり得る。好ましくは、第1、第2および後続する任意の複数のポストは、電気メッキによって形成される。ひとたび導電性パターン156(a)、156(b)および導電性ポストが形成されると、あらゆるシード層155(a)、155(b)を(例えばフラッシュエッチングにより)エッチングすることができる。
【0101】
形成された多層回路構造内には、任意の数の導電性パターン、導電性ポストおよび誘電体層を含むことができる。例えば、図28に示す多層回路構造170は、回路化されたコア構造122、および3つの誘電体層および3つの導電性層をコア構造122の各側面上に含んでいる。多層回路構造170はまた、一般的に垂直な導電性経路をも含み、各経路は、積重ねられた導電性ポストを含み、各隣接する積重ねられたポスト対間にパッドがある。一般に垂直な導電性経路により、千鳥になったバイア構造をもつ類似の多層回路構造と比較して、形成された多層回路構造のサイズを縮減することができる。その結果、本発明の実施形態を用いて、信頼性の高い高密度の多層回路構造を、効率良くかつ費用効果の高いやり方で製造することができる。
【0102】
多層回路構造が形成された後、表面仕上げまたははんだマスクを、多層回路構造の外部表面に適用することができる。例えば、形成された多層回路構造の外部表面上に、Ni/Auパッド仕上げおよび/またははんだマスクを形成することができる。従って、多層回路構造は、例えば単一チップモジュール、マルチチップモジュールの中でおよび/または電気アセンブリ内のマザーボードまたはドーターボードとして使用することができる。
【0103】
ここで図29−35(8)を詳しく参照すると、図29には、一般に200として示されている多層ラミネート基板が見られる。多層ラミネート基板200は従来のラミネート基板202、204、206および208を含み、これらは各々全体に210として示される整列され金属充填され相互接続されたバイアにより合わせて電気的に結合されている。任意の隣接する2つのラミネート基板は、ボンディングシート212a、212bおよび212cのようなボンディングシート212により分離されている。
【0104】
ここで図30〜32を参照すると、図30(1)には、下側に銅層214が配置されている従来のラミネート基板202(例えば、ガラス繊維強化ラミネート)が見られる。その後、CO2、UV−Yagまたはエキシマレーザといった従来のいずれかの手段により、銅層214まで、ブラインドバイア216a、216bおよび216cをレーザーせん孔する。CO2レーザーは、ガラス繊維強化ラミネートを通してせん孔するのが容易であり、せん孔速度がその他のものよりはるかに速いことから好ましい。その後、図30(3)に示すように、ブラインドバイア216a、216bおよび216cはそれぞれ、従来のいずれかの方法により、銅218a、218bおよび218cで充填される。メッキの不均質性(標準的に10%)のため、全てのブラインドバイア216a、216bおよび216cがラミネート基板202の上部表面まで一杯またはその上まで確実に充填されるようにするには、やや過剰なメッキが必要である。メッキの後、Ishii Hyokiの振動バリ取り機のようなバリ取り機により、余剰のメッキを除去し、銅充填されたブラインドバイアを平坦化させるため、表面バフ磨きが適用される。ブラインドバイア216a、216bおよび216cが銅充填され、好ましくはその後バフ磨きされた後、はんだバンプ220が、銅充填されたブラインドバイア216a、216bおよび216cの各々の上に被着される。
【0105】
本発明の一実施形態においては、図31に最も良く示されているように、1またはそれ以上のはんだバンプ220は、3つの別々の重ね合わされたはんだ層220a、220b、220cを含むことができる。本発明の別の実施形態においては、図32に最も良く示されているように、1またはそれ以上のはんだバンプ220は、1つの基板上の2つの別々の重ね合わされたはんだ層(例えばはんだ層220aおよび220b)および第2の基板上の単一のはんだ層(例えばはんだ層220c)を含むことができる。かくして2つの重ね合わされたはんだ層を、1つの基板(例えば基板220a)上に配置し、一方もう1つの基板(例えば基板220b)上に単一の層を配置することができる。
【0106】
はんだ層220のための材料は、純金属、金属合金、金属合金前駆体、金属組成物、金属化合物およびそれらの組合せを含み得る導電性組成物からなる。例えば、導電性組成物は、In、Sn、Bi、Sb、Pb、Ni、Zn、Cu、Cd、Pt、Pd、AuおよびAgからなるグループの中から選択された1またはそれ以上の材料を含み得る。
【0107】
好ましくは、導電性組成物は、プレスされたときに容易に変形でき、かくして導電性表面間の優れた面接触を提供する柔軟なはんだ材料を含む。例えば、導電性表面に接触させて導電性組成物を変形させることで、支持領域との接触面積を増大させることができる。はんだ組成物の適切な例としては、金属または単相または多相合金が含まれ得る。合金は、二元、三元またはその他のそれ以上に高次の組成物であってよい。例としては、In−Sn、Bi−Sn、In−Ag、Sn−Sb、Au−SnおよびPb−Snを含む合金がある。はんだ材料組合せのより具体的な例としては、52In/48Sn、58Bi/42Sn、97In/3Ag、In、37Pb/63Sn、96.5Sn/3.5Ag、95Sn/5Sb、80Au/20Sn、および90Pb/10Sn(重量百分率として表す)が含まれる。より特定的に言うと、本発明の好ましい実施形態においては、はんだ層220が3つの重ね合わされた層(例えば、はんだ層220a、220bおよび220c)からなる場合、導電性組成物は、表2の以下の元素を含む(数字は重量百分率を表わす)。
【0108】
【表2】
【0109】
図32に示した本発明の実施形態においては、はんだ層220aおよび220bはそれぞれ、はんだ層220aおよび220bについて上表2に示された導電性組成物を含み得る。はんだ層220cのような単一のはんだ層が別々の第1の基板(例えば基板202)上で利用され、一方もう1つのまたは第2の基板(例えば基板204)が2つの重ね合わされたはんだ層(例えばはんだ層220aおよび220b)を支持する場合、単一のはんだ層(すなわちはんだ層220c)は、はんだ層220cについて上記表2に示した導電性組成物を含むことができる。
【0110】
ここで図33(1)〜(6)を参照すると、少なくとも1つの側面上にフォトレジスト224が配置され、より好ましくは、フォトレジスト224は、2つの相対する側面上に配置され、その後エッチングされる銅層214全体にわたりパターン化される。乾燥膜または液体フォトレジストのいずれでも使用することができる。フォトレジスト224は、ストリッピングされ、次に、誘電性ポリマーボンディング膜(例えばボンディングシート212a)、そしてそれに結合または付着された剥離層226が、図34(2)に最も良く示されているように、ラミネート基板202の露出された上面に、従来のあらゆる要領で、固定またはタッキングされる。タッキングは、ラミネーションによって達成できる。ラミネーション中、ボンディング膜またはシート(例えば味の素ボンディング膜)は、はんだバンプ220がそれに容易に穴あけするかまたはその中を通過できるように、それを硬化することなくその最大流量温度(例えば80〜90℃)まで加熱される。代替的には、ボンディング膜に代えて液体ポリマーを用いることもできる。液体ポリマーは、スクリーン印刷、カーテンコーティングまたはスプレーコーティングによってコーティングすることができる。その後、剥離層226は、ボンディング膜(すなわち図33(4)中のボンディングシート212a)から除去またはストリッピングされる。
【0111】
図33(4)で形成された複数の基板アセンブリは、ラミネート基板202、204、206および208で生成され得、次に図33(5)の中に示されているように整列され、その後、金属間ジョイントおよび多層ラミネート基板200を作るべく、従来のあらゆる手段により、合わせてラミネートされる(図29および33(6)参照)。より特定的には、金属間ジョイントを作り、ボンディング膜212aのようなボンディング膜を硬化するため、図33(4)の複数の形成基板アセンブリをラミネーションにより相互接続することができる。まず第1に、基板202のような基板は、はんだ層(すなわち、はんだ層220aおよび220c)の融解温度(例えば、上表2内のアプローチIの共沸はんだについては185〜230℃、そして上表2内のアプローチIIのSnについては235〜250℃)よりわずかに高温まで加熱されることになる。鉛の融解温度(例えば300℃〜325℃)は錫の融解温度(例えば約260℃)よりも高く、金の融解温度(例えば約900℃)は鉛の融解温度よりも高い、ということは周知の事実である。かくして、好ましくは、はんだ層220aおよび220cについての融解温度は、はんだ層220bについての融解温度よりも低い。はんだ層のはんだ組成物は、融解し融合して金属間ジョイントを作ることになる。同時に、はんだ層220aおよび220cおよびはんだ層220bは、互いに混ざり合い(comingle)および/または互いの中に拡散し、金属間ジョイント全体の融解温度を上昇させることになる。最後に、ジョイントは、はんだ層220aおよび220cの融解温度(すなわち表2中のアプローチIについては約260〜300℃で、表2中のアプローチIIについては310〜500℃といったような300℃より高い温度)よりもはるかに高く、かつはんだ層220bの融解温度よりも高い温度で「縮れ」て、はんだ層をさらに互いに混ざり合わせ互いの中に拡散させることになる。次に、温度は、ボンディング膜212aのようなボンディング膜を硬化するため、ボンディング膜(例えばボンディング膜212a)の硬化温度(例えば95〜140℃)まで低下させられる。1つの基板(例えば、基板208)のバイア216c中の銅218cを、隣接する基板(例えば基板206)のバイア216a中の銅218aと整列させるべく、図33(5)のアラインメント(整列)の2つの相対する基板202および208が、180度回転させられるということは直ちに明らかとなるはずである。
【0112】
ここで図34(1)〜35(8)を参照すると、前述のように、図35(4)の基板アセンブリを生成すべく、当初一対の基板(例えば図34(3)および35(4)中の基板202および204)を合わせてラミネートする逐次的プロセスが見られる。その後、露出された銅層214−214は、フォトレジスト224−224と共にパターン化される。その後、前述の手順に従って、パターン化された銅層214−214上に、ボンディングシート212cおよび212bが配置される。前述の手順に従って、付随する銅充填材(すなわち、銅充填材218a、218b、および218c)および銅層214−214を伴う基板206および208が生成され、その後、前述の通りボンディングシート212bおよび212c上のラミネーションを通して図35(6)の基板アセンブリに結合される。その後、露出された銅層214−214は、フォトレジスト224−224を用いてパターン化される。上述の手順を実施することにより、はんだ層220は、リソグラフィによるパターン化プロセスにさらされなくなる。
【0113】
図29〜35(8)の本発明の実施形態は、従来のメッキスルーホール(PTH)バイアに比べ数多くの利点を有する。例えば、本発明の実施形態は、密度がはるかに高くなるように、はるかに小さい(直径50〜150μm対200μm以上)バイアの製造を可能にする。L/D(ラミネートコア+ビルドアップ被着層)パッケージ基板アプリケーションのためには、ラミネートコアのバイアは、いずれかの被着層が上面にビルドアップできるようになる前に、充填されなくてはならない。本発明の実施形態は、いかなる追加のプロセス段階も必要とならないように、自動的に充填されるバイアを有する。従来のメッキスルーホールバイアの場合、メッキバイアの中央孔は、バイアのメッキ(形成)の後に充填されなくてはならない。標準的充填材料は、適切な液体ポリマー(例えばエポキシ)である。標準的ポリマー充填材の熱膨張率(CTE)は、はるかに高いことから、それが信頼性の問題を発生させることになる。この問題を解決するために、バイアの内部の充填材をふたすべく、通常、バイア充填の後に銅キャップ層がメッキされるが、この方法は、パターン化の前に銅の全体的厚みを増大させるので、サブトラクティブパターン化の解像度が減少する。本発明の実施形態は、スペースを節約するためスタックバイア構造を提供する。前述のように、本発明の実施形態は、はんだジョイントを作ることができるので、はんだジョイントが、基板上にチップを取付けるためのはんだリフローといったさらなるチップアセンブリ処理を経ても容易に存続できる。
【0114】
ここで本発明のさらなる実施形態のため図36〜48(d)を参照する。図36には、基板300に対する短絡(または高い漏洩)を伴う不良コンデンサ320bに接続された金属310パッド(例えば銅パッド)を除去するためのメッキ除去プロセスの広範な例示が見られる。広義には、マスク設計により、金属310コンデンサパッド全体にわたりレジストを開放するか、またはパッドに導くトレースのみを開放する。コンデンサを数多くの小さなコンデンサに破断することで、キャパシタンスを大幅に低減することなく、欠陥を隔離(メッキ除去)することができる。図36には、フィールド酸化物層302、短絡の無いゲート酸化物306aおよびポリシリコン金属層312を含む良好なコンデンサ320a、短絡307を伴うゲート酸化物306bおよびポリシリコン金属層312を含む不良コンデンサ320b、および適切な隔離を提供する不動態化層308を支持する基板300が、より具体的に示されている。レジスト324は、図示通り、適切に配置することができる。マスク設計により、全ての金属310コンデンサパッド全体にわたりレジスト324を開放する。
【0115】
不良コンデンサ320bのメッキ除去は、従来のメッキ用冶具などのような適切なあらゆる手段によって達成できる。メッキ用冶具の中に水が入れられ、その後水にメッキ溶液が付加される。メッキバイアスは、銅メッキするのに使用されるものと逆である。すなわち、ウェハーの裏面に負の電圧が印加され、溶液に対し正の電圧が印加される。メッキ溶液は、硫酸銅、硫酸および添加剤であって良い。ウェハーの裏に対する接触は、前方側から、すなわち金属310パッドからシリコンに接する金属312への接触であって良い。レジスト324を用いて、湿式エッチングが行われる。残渣を除去するため、Cuエッチングと共にメッキ除去手順に従い、その後、露出されたあらゆる接着層を除去するために、その接着層がエッチングされる。レジスト324を適切にストリッピングすることができる。
【0116】
ここで図37を参照すると、基板300上の窒化物被着、フィールド酸化物302(MASK1)被着、およびそれに続く窒化物エッチング、フィールド酸化(1μm)、窒化物ストライプおよびゲート酸化(10nm)といった半導体製造プロセスによって生成された基板アセンブリが示されている。接点マスク(MASK2)が次に被着され、その後に酸化物エッチング、ポリシリコン被着312および金属被着が行われる。金属312のエッチングのためにMASK3が被着され、その後アルミニウムエッチング、ポリシリコンエッチングおよび不動態化層308の被着が続く。パッドマスク(MASK4)が適切に被着され、その後、不動態化エッチング、TiCu被着、金属310マスク(MASK5)、金属310のパターン化、メッキ除去用マスク(MASK6)の設置、不良コンデンサ320bのメッキ除去、およびポリイミドコート330の被着が行われる。
【0117】
ここで図38を参照すると、図37のアセンブリを製造し、その後金属層334を被着させ、次に誘電体層336を被着させ、その後誘電体層336上に金属層338を被着させて金属パッド342および誘電体層340を形成するという手順を行うことによって形成されるMCMアセンブリ360が見られる。図38のMCMアセンブリ360から、ウェハーまたは基板300の200uへの裏面研削、裏側窒化ケイ素不動態化(0.2μ)、接着剤350被着、仮キャリア350の取付け、基板内のスルーバイア(MASK7)の形成、窒化物プラズマエッチング、スルーウェハーのKOHエッチング(フィールド酸化物302上で停止)、ポリシリコン312に至るまでの酸化物302のプラズマエッチング、パリレン370の蒸着(20μ)、パリレン370内のバイアレーザ処理、バイアCrCuシード被着のプラズマクリーニングといった段階により、スルーバイア形成が行われる。その後、ラミネートレジストを用いて、ポリシリコン金属312(MASK8)と接触した状態でバイアパッドが被着され、その後Cuメッキ380(10μ)を形成し、シードエッチングおよび 無電解Ni/Auメッキが行われる。
【0118】
ここで、支持基板貼付け形成プロセスを示すための図40を参照すると、図39のアセンブリは、サイズに合わせてダイシングされる。接着剤層384が、バイア381を有するセラミクス基板388にタッキングされる。銅メッキ380全体にわたる接着剤層384は、セラミクス基板388を用いて除去されこの基板388は、適切な量の接着剤層384を除去するレーザーマスクとしてのバイア381を含む。セラミクス基板388はその後、基板300により支持されるパリレン層370に対しラミネートされる。その後、ペースト390(例えばSnAg)がバイア381内にスクリーニングされ、次に、体積を増大させリフローさせるべくSnAgはんだボールが設けられる。変形実施形態においては、図41に最も良く示すように、図40のアセンブリは、はんだ(例えばAuSn)394を介して、図40のアセンブリのパッド342に取付けられたCPU398を含んでいる。
【0119】
ここで図44〜48(d)を参照すると、図44に全体が410として示されるコンデンサ構造を有するマルチチップモジュールの一例が見られる。モジュール410の視覚的な表現を簡略化するため、図にはモジュールの断面スライスのみが示されており、ここでは、モジュールの付加的部分は、スライスのまっすぐな左縁部の左側で、かつスライスの真直ぐな右縁部の右側に、存在すると理解される。基板410は、接着剤層480により二次基板470に付帯する一次基板411を含む。一次基板411は、好ましくはシリコンウェハーを含み、二次基板470は好ましくは、セラミクス基板を含む。接着剤層480は、ボンディングシート(ボンディング膜とも呼ばれる)も含むことができ、その例が以下でさらに詳細に述べられている。複数の誘電体層および導電層が一次基板411の上面に形成され、モジュール410の上部の複数の導電性相互接続パッドで終わっている。その他の用途の中でも、一部のパッド461は、各々が複数の対応する相互接続パッド443を有する1またはそれ以上の集積回路チップ442に相互接続するために用いられる。パッド461および443の相互接続は好ましくは、従来のフリップ−チップボンディングプロセスで形成されできるように、複数のリフローはんだバンプ445によって行われる。
【0120】
本発明の1つの態様は、各々が一次基板411の導電性(例えばドープされた)領域412と、導電性領域412の一部分にわたり形成された(好ましくは酸化ケイ素を含む)超薄型誘電体層414と、誘電体層414全体にわたり形成された第1の導電性層421と、第1の導電性層421上に形成された少なくとも1つのアパーチャ422を中に有し、該層421全体にわたり形成された第2の誘電体層425と、各アパーチャ422内に充填された導電性材料の本体432と、導電性材料の本体432と電気的に接触し第2の誘電体層425全体にわたり形成された第2の導電性層431と、を含んでなる複数の高キャパシタンス値構造によって提供される。第1および第2の導電性層421および431が形成された後、不良な誘電体層414(例えば層を通して形成されたピンホールによってひき起こされるような)を有するキャパシタンス構造は、本発明によるメッキ除去プロセスにより検出され、その第2の導電性層431はメッキ除去プロセスによって除去される。次に、メッキ除去プロセスの後残った導電性層431のうちの選択されたものに対し第3の導電性層441Aを結合することにより、不良でないキャパシタンス構造からバイパスコンデンサが構築される。このとき、直接的にかまたは図44に示されている導電性材料の介在層451Aにより、相互接続パッド461Aに第3の導電性層441Aが結合される。
【0121】
一次基板411の導電性領域412は、本発明による2以上のコンデンサ構造のための共通下部電極として役立ち、好ましくは、拡散またはイオン注入により作られるような基板411の上面に形成された強くドープされたN+型層を含み、より好ましくは、0.01オーム−cmという比較的低いバルク抵抗率を有するようにn型不純物でドープされた基板全体411を含む。この抵抗率レベルを達成するために、1立方センチメートルあたり5×10-18のn型不純物というバルクドーピングレベル(5×10-18cm-3)を用いることができる。一般に、領域412のその実現のためのバルク抵抗率は、1×10-18cm3以上のドーピングレベルに対応する0.002オーム−cm以上であるべきである。
【0122】
薄い誘電体層414は好ましくは二酸化ケイ素を含み、10nm前後の厚みを有している。7nmから20nmの間の厚み範囲を使用することができる。かかる薄い誘電体層は、誘電体層を通るピンホールの形成を受けやすく、かかるピンホールは、コンデンサの電極間に短絡をひき起こす可能性がある。以下で述べるように、本発明は、複合バイパスコンデンサを提供すべく2以上のコンデンサ構造を合わせて結合することによって、この問題に対処しそして、製造中の選択的メッキ除去プロセスを含み、薄い誘電体層414内のピンホールの存在を自動的に検出して不良なコンデンサ構造の第2の導電層431のメッキ除去を行う。薄い各誘電体層の周囲の縁部漏洩電流のポテンシャルを低下させかくしてコンデンサ構造の信頼性を改善するため、薄い各誘電体層414は、好ましくは、しばしば「フィールド」酸化物層と呼ばれる二酸化ケイ素415のより厚い層415によって取り囲まれる。
【0123】
第1の導電層421は好ましくは、薄い誘電体層414と接触するn型導電性ポリシリコンの第1の副層およびアルミニウムの第2の副層を含んでなる。副層は、薄い誘電体層に比べ比較的厚く、例えば0.25μm〜1μmの厚さであり得る。第2の誘電体層425は、ポリイミドまたは被着された二酸化ケイ素のようなある数の適当な誘電体材料を含むことができ、同じく2μm〜10μmの範囲内の厚みといったような、好ましくは層414の厚みを超える厚みを持つ。第2の誘電体層425内のアパーチャ422には、好ましくは、第1の導電層421の上部副層の材料とは異なりおよび/または第2の導電性層431の底面にある材料と異なる、導電性材料の本体432(すなわちバイア)が充填されている。この差異により、本発明によるメッキ除去プロセスは、薄い誘電体層414が不良であることが発見された場合に、第1の導電層421を除去することなく第2の導電層431を除去することが可能になる。第2の導電性材料431は、銅のような容易にメッキ除去し得る金属を含んでなる。
【0124】
本発明の好ましい実施形態においては、バイア本体432についての上述の必要条件は、第1のチタン副層と第2の銅副層を含み、第2の副層が第1の副層よりも厚い、第2の導電層431を構築することによって、満たされる。第1の副層は、アパーチャ422を第2の誘電体層425内に形成した後で被着され、かくして第1の層421の上部副層(例えばアルミニウム)と異なる材料でアパーチャ422を少なくとも部分的に充填し、かつ第2の誘電体層425の上部部分をカバーする。第2の銅副層は、容易にメッキ除去できる金属となり、またこの金属は、アパーチャ422の底面にあるチタンの副層と第1の導電性層421のアルミニウム副層の双方とも異なっている。
【0125】
本発明の別の特徴は、電流がモジュール410上のキャパシタンス構造へおよびそこから、ならびにモジュール410上のその他のコンポーネントへおよびそこから流れるように、低インダンタンスの経路を提供する大直径のバイア490をモジュール410の底面側に設けているという点にある。バイア490は、二次基板470の上部および下部表面を通って、さらに接着剤層480の上部および下部表面を通って、かつさらに一次基板411の下部表面を通って基板411の上部表面近くまで形成され、ここで各バイア490はそれぞれの導電性裏面接点467と接触する。各裏面接点467は、誘電不動態化層465により一次基板411から導電的に隔離され、第1の導電層421のそれぞれのインスタンス421Cおよび421Dに電気的に結合される。各裏面接点467はそのそれぞれのバイア490を一次基板411に機械的に結合し、そのそれぞれのバイア490を導電層421C、421Dに電気的に結合する。バイアは、モジュール410に対し電源電圧を提供するか、モジュール410に接地電位を提供するか、モジュール410に入力信号(例えばデータ信号、クロック信号など)を送るかまたはモジュール410から出力信号を送るように、構成することができる。視覚的に簡略に表すべく、図中には、2つのバイア490および2つの裏面接点467しか示していないが、モジュール410は、何百乃至は何千ものバイア490および対応する裏面接点を含むことができる。
【0126】
各バイア490は、好ましくは、二次基板470内でアパーチャ472を通して形成され、好ましくは、アパーチャ472の内側表面に形成され接着された金属層474により基板470に機械的に結合される。各金属層474は好ましくは、そのアパーチャの外側で二次基板470の上部または下部表面まで延び、ここでそれに対し電源、接地または電気信号を結合させることができる。
【0127】
図44では、図の右側に示されたバイア490は、一次基板411の導電性領域420に接地電位を提供するように構成されている。このバイアに結合された裏面接点467はそれ自体、各第1の導電層421Dに電気的に結合される。層421Dはそれ自体、ドープされた領域412の一部分の上に形成されたオーム接触418(例えば、一次基板411の上部表面上の一点に対するオーム接触)に電気的に結合される。かくして、図の右側に示されたバイア490は、全てのコンデンサ構造の共通の下部電極(すなわちドープされた領域412)に電気的に結合される。オーム接触418は、数多くの方法で形成できる。一例としては、ドープされた領域412の一部分の上に、n型ポリシリコンを被着させることができる。これは実際には、第1の導電層421(およびそのインスタンス421Cおよび421D)がn型ポリシリコンの下部副層およびアルミニウムの上部副層からなる場合に、当然のこととして行われる。オーム接触はまた、ドープされた領域412の一部分に直接アルミニウムを被着させることによってかまたは10%〜90%のチタン−タングステン(Ti−W)合金をドープした領域412の一部分の上面に被着させ、その後この合金の上面にアルミニウムを被着させることによっても、形成できる。ドープされた領域412の一部分の上へアルミニウムを直接被着させるよりも、nドープされたポリシリコンまたはチタン−タングステン合金を使用する方が好ましい。
【0128】
また図44では、左側に示されたバイア490は、層431Cが層421Cに電気的に結合され、層451Cが層461Cに電気的に結合されている状態で、互いに電気的に結合される一連の介在する導電層431C、441Cおよび451Cを通して、接点パッド461Cまで導電層421Cから電気信号を提供するように構成されている。しかしながら、左側のバイア490は、1またはそれ以上のコンデンサ構造の第2の層431(すなわち上部電極)を合わせて結合する第3の導電層441に電源電圧を提供するようにも構成できる。これは、図中に破線で示されている、導電層441Cと441Aとの間の導電性材料のブリッジ443Bを含むことによって達成できる。この構成は、キャパシタンス構造の上部電極に対し、低インピーダンス電源の電圧を提供する。
【0129】
視覚的な明確となるように、基板411および470の垂直厚みとの関係において、導電層421、431、441、451および461および誘電体層414、425、435、445および455の垂直厚みが拡大されたという点を指摘しておく。同じ理由で、層465および480および接点467の垂直厚みもまた拡大した。
【0130】
本発明の実施形態に従ってモジュール例を一般的に述べてきたが、ここで、本発明によるモジュールを構築する方法の一例を述べる。まず最初に、一次基板411および上に配置されたさまざまな素子を構築する方法の例について記述し、次にバイア490を構築するための方法例について記述する。
【0131】
図45(a)を参照すると、本発明による方法例は、<1、0、0>の結晶配向および500μm〜675μmの厚みをもつシリコン基板411′から始まる。基板は、一例としては、一立方センチあたり(cm-3)1×1018またはそれ以上のドープ剤原子濃度でn型ドープ剤で均質にドープされてもよいし、または、別の例としては、上部表面において導電性領域412を作り上げるべくすでにドープ剤を中に注入または拡散させた上部表面を有するシリコン基板を含むこともできる。最初の例では、0.01オーム−cmのバルク抵抗率を提供するため、1cm-3あたり1×1018のドープ剤原子のバルクドーピングが好ましい。第2の例では、前者のケースで見られたものと同等の表面を提供すべく、ドープされた層内のドーピングレベルおよびこの層の深さが選択される。厚みおよびドープ剤レベルのさまざまな組合せが可能であり、かかる組合せを1つ選択することは、当業者に周知の程度である。
【0132】
次に、キャパシタンス構造のための超薄誘電体材料の層414が構成される。ここでは、より厚いフィールド酸化物の領域415の内部に層414を構成することにより、周辺の漏洩電流を低減させる好ましいアプローチを示す。この好ましいアプローチにおいては、窒化ケイ素を含むマスク層514が被着され、パターン化されて、その後の最初の酸化段階で酸化マスクとして作用する。パターン化は、半導体製造技術においては周知のものであるフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスによって達成できる。基板411′は、窒化ケイ素層514が除去された場所でフィールド酸化物領域415A、415Cおよび415Dを形成するように、その後酸化されることになる。基板411′の表面上に保持されるマスク層514の部分は、参照番号514Aおよび514Bとして図中に表わされている。その後、層部分514Aおよび514Bにおいて誘電層414が形成される。従ってこのとき、マスク層514が形成されパターン化された状態で、シリコン基板411′は酸化段階にさらされ、マスク層514によってカバーされていない基板411′の部分を二酸化ケイ素に酸化することによって、フィールド酸化物領域415A−415Dを形成する。酸化段階は、フィールド酸化物が好ましくは約1μmの厚みを持つように、実施される。半導体製造技術において周知のように、好ましい厚みを達成すべく、酸化温度および酸化時間の広範囲にわたる組合せを使用することができ、かかる組合せの1つを選択することは、当業者の技術範囲内に容易に入るものである。
【0133】
次に、基板411′の表面からマスク層514Aおよび514Bが除去され、10nm(100オングストローム)と等価な約10nmの厚みを持つ二酸化ケイ素の薄い誘電体層414を形成すべく、シリコン基板411′が再び酸化段階にさらされる。その結果として得られる構造は、図45(b)に示される。半導体製造技術では周知のとおり、好ましい厚みを達成するためには、酸化温度と酸化時間の広範囲の組合せを使用することができ、かかる組合せの1つの選択は、当業者の技術範囲内に容易に入るものである。この酸化段階は、フィールド酸化物層415A−415Dに対し10nm未満の厚みを付加する。このアプローチによると、薄い酸化物層414からフィールド酸化物層415へのスムーズな遷移が薄い酸化物層の周縁部で行われ、こうして、周縁部におけるピンホールおよび漏洩電流の可能性は減少する。
【0134】
本発明による方法例における次の一般的段階として、オーム接触418、第1の導電層421、第2の導電層431およびそこに介在する誘電体層425が形成される。これを達成する好ましい方法が本明細書の中で開示されており、この方法は、裏面バイア490と第1の導電層の相互接続を可能にし、かつ不良な酸化物層414の検出を可能にする。好ましいアプローチは、オーム接触418の場所についてフィールド酸化物層415内にウインドウを画定することから始まる。これは、層415全体にわたりフォトレジスト層を形成すること、層415内のウィンドウを作るべき場所に重なるフォトレジスト層内の部分を除去するため従来のフォトリソグラフィ方法によりフォトレジスト層をパターン化すること、そしてその後ウィンドウを形成するため化学エッチング剤で層415の露出された部分をエッチングすること、によって達成できる。これらの段階の結果は、図45(C)(フォトレジスト層は除去された状態で)に示されており、ここで酸化物層415内のウィンドウは、参照番号515Cによって示されている。
【0135】
次に、導電層421は、図45(C)に示された基板構造の上部表面全体にわたり、N+ドープされたポリシリコンの第1の副層を被着させ、その後ポリシリコン副層上にアルミニウムの副層を被着させることによって形成される。これらの段階の各々は、それ自体、半導体製造技術にとって周知のものであり、これらの各段階を実施することは当業者の技術範囲内に入る。本発明により提供される進歩性のある特徴は、これらの段階の特別な順序にある。ウインドウ515CにおけるN+ポリシリコン層の被着は、ポリシリコンと基板411′との間の界面においてオーム接触を作り上げる。その後、第1の導電層421の特定の領域、つまりインスタンス421A−421Dが、従来のフォトリソグラフィおよびエッチング方法によって形成される。例えば、完全に形成された層421全体にわたりフォトレジスト層が形成され、その後、完全に形成された層421の部分を露出するためにパターン化され、それに続いて、アルミニウムを除去しその下にあるポリシリコンの部分を露出するためアルミニウムエッチング剤で露出したアルミニウムがエッチングされ、その後、露出されたポリシリコン部分がポリシリコンエッチング剤でエッチングされて除去され、最終的にインスタンス421A−421Dが構成される。別の例としては、従来のリフトオフ技術を使用することができる。結果として得られるパターン化された層421を見るためには、図45(d)を先に参照されたい。
【0136】
好ましい方法における次の段階は、第2の誘電体層425を形成する段階、誘電体層425内にアパーチャ422を形成する段階、そしてその後導電性材料の本体で各アパーチャ422を充填する、第2の導電層431を被着させる段階を含む。誘電体層425は、ホスホシリケート(PSG)ガラス、ボロホスホシリケート(BPSG)ガラス、TEOSガラス(テトラエチルオキシシラン)のようなCVDで被着されたガラス、被着された窒化ケイ素、ポリイミドおよびその他のポリマー誘電体層を含めた任意の数の誘電体材料を含み得る。現在のところ、ポリイミドおよび被着ガラスが好まれている。従来のフォトリソグラフィおよびエッチング段階により、アパーチャ422を形成することができる。さらに、いくつかのポリマー誘電体は、写真撮像可能であり、化学線に誘電体材料を直接パターン露出し、その後続けて材料を現像液にさらすことによりアパーチャを画定することができる。次に、導電性材料本体432および第2の導電層431が形成される。本体432および導電層431のために被着された材料のタイプは、前述の基準、すなわち各本体432の底面にある材料は第1の導電層421の上面の材料とは異なりおよび/または第2の導電層431の底面の材料とも異なること、という基準に従って選択される。これを達成するためには、本発明者の好ましいアプローチは、各アパーチャ422の底面を充填し、各導電性本体432の底面部分として役立つようにチタン基板が最初に被着されている状態で、第1のチタン副層(Ti)および第2の銅副層(Cu)として導電層431を被着させることによって、本体432および第2の導電層431を同時に形成することである。次に、従来のフォトリソグラフィおよびエッチング方法により、第2の導電層431がパターン化される。結果として得られた構造は図45(d)に示される。
【0137】
この段階で、本発明による2つのキャパシタンス構造が、図45(d)に示されている。第1のこのような構造は、共通の導電性領域412、厚いフィールド酸化物インスタンス415Aおよび415Cにより縁取られた薄い誘電体層414A、第1の導電層インスタンス421Aおよび第2の導電層インスタンス431Aを含んでなる。第2のキャパシタンス構造は、共通の導電性領域412、厚いフィールド酸化物インスタンス415Cおよび415Dにより縁どられた薄い誘電体層414B、第1の導電層インスタンス421Bおよび第2の導電層インスタンス431Bを含んでなる。
【0138】
本発明による方法例における次の一般的段階は、導電性領域412にメッキ除去電圧(すなわち陽極電圧)が印加され、陽極バーにメッキ電圧(すなわち陰極電圧)が印加されている状態で、導電層431のインスタンスをメッキ除去プロセスにさらすことにある。メッキ除去プロセスは、任意の従来の電解メッキ溶液を用いることができる。上部銅副層を含む導電層431では、メッキ溶液は、銅電解メッキ溶液を含み、陽極バーは銅を含むものの陰極電位がそれに印加されている。メッキ除去電圧が領域412に印加された状態でメッキ溶液に導電層431のインスタンスを露出した場合、メッキ除去電圧は、あらゆる不良誘電体層414A、414Bを通って、上に重なった導電層インスタンス421および431上に結合することになる。従って、不良層414A、414Bの上に重なる導電層431のインスタンスは、メッキ除去電圧の印加を受け、その銅副層のメッキ除去を行うことになる。一例として、誘電体層414Bが、それを不良なものにするピンホールを持つものと仮定する。この場合、導電層インスタンス431Bの銅副層は、図46(e)でその銅副層の輪郭を示す破線により示されているように、メッキ除去が行われる。メッキ除去プロセスの終点は、メッキ除去電流の実質的降下により検出できる。代替的には、銅副層全てが確実に除去されるのに充分な長さの、予め設定された時間を用いることができる。メッキ除去段階に先立ち、基板の上部表面は、キャパシタンス構造の第2の層インスタンス421に電気的に結合されている層431の部分(インスタンス)のみを露出すべく、その後現像されるフォトレジストマスクで被覆されている。このマスクは、電解メッキ溶液の中に標準的に存在する酸から、基板のその他の部分を保護している。フォトレジストマスクは、メッキ除去段階の後で除去される(はがされる)。
【0139】
メッキ除去段階の後、次に層インスタンス431Bのチタン副層を、好ましくは第1の導電層421または誘電体層425をエッチングしない適当な化学エッチング剤により、除去することができる。誘電体層425が被着されたガラスを含み、第1の導電層421がアルミニウムを含む場合、適切なチタンエッチング剤は、ハロゲン塩化物(HCl)王水(HCl+HNO3)および硝酸(HNO3)である。誘電体層425がポリイミド材料を含む場合、これらエッチング剤、ならびにフッ化水素酸および硝酸の組合せを使用することができる。
【0140】
上述のプロセスは、図48(f)に示すように、第1の導電層421の下にあるインスタンス421Bを除去することなく、不良誘電体層414Bの上に重なる第2の導電層431のインスタンス431Bの除去を可能にする。この要領での第1の導電層421のインスタンス421Bの保存は、その後形成される層435、441、445、451および455の平坦性を改善し、誘電体層425がその後の処理段階中に陥没するのを防ぐ。
【0141】
その後、図46(g)に示すように、モジュール410の残りの層を形成することができる。ここで、第3の導電層441のインスタンス441Aが、第2の導電層のインスタンス431A(良品のキャパシタンス構造の一部分)と接触する垂直部分を持ち、また、接触したインスタンス431Bを持つことになる垂直部分をも有するが、その代わりに第2の誘電体層425の上部表面上で終結することが分かる。こうして、第1の導電層のインスタンス421Bは、基板の上部表面にあるパッド461Aに対し電気的に結合されないようになっている。
【0142】
ここで、バイア490の形成について述べる。まず第1に、基板411′は、その厚みを200μm前後の値まで低減させるため、その下部表面で裏面ラッピングされる。以下で説明する理由により、この段階は、本発明の高密度バイア490を達成可能とする。ラッピングされた下部表面は次に、硝化ケイ素を含む厚み0.2μmの不動態化層520でコーティングされる。結果として得られた基板は、参照番号411で示され、薄肉化された基板411は脆いことから一時的な支持基板611に取付けられる。これらの段階の結果が、図47(a)に示されている。後で有機溶剤で除去できる仮接着剤層612により、一時基板611を基板411に貼付けることができる。さらに、Arjavlingam et al に対する米国特許第5,258,236号内に記述された仮基板貼付けプロセスを使用することができる。
【0143】
次の処理段階セットは、以下のとおりであり、図47(b)がこれらの段階の最終結果を示している。裏面接点467を作るべき各場所で、硝化ケイ素層520の中に、ウィンドウ522がプラズマエッチングされている。このとき、基板411は、各ウィンドウ522の裏側シリコン基板411の一部分をエッチングする高温水酸化カリウム(KOH)エッチング剤にさらされる。このエッチングは、ウィンドウ522とは反対側のフィールド酸化物領域415Aおよび415Bの下面の部分にエッチング剤が達するまで実施される。KOHエッチング剤は、(510)および(511)面との関係においてシリコン結晶構造の(500)面を優先的にエッチングし、従って、54.7度で傾斜する側縁部を作り出す。フィールド酸化物領域415Aまたは415Dの下面で幅Wのウィンドウを形成するため、対応するウィンドウ522は、dを基板411の厚み(ラッピングの後)として、W+2・d・cot(54.7°)=W+1.42・dの幅をもつように選択される。基板411を生成すべく基板411′を裏面ラッピングすることにより、dの値は60%〜70%減少し、こうしてウィンドウ522の幅は著しく減少し、このことはそれ自体、基板411の与えられた領域全体にわたり、より多くのウィンドウ522および対応するバイア490を形成することを可能にする。次の段階として、その後マスク層520が(図47(b)に破線により示されているように)除去され、フィールド酸化物領域415Aおよび415Dの下面に新たに露出された部分は、プラズマエッチング剤が第1の導電層421Cおよび421Dのポリシリコン副層に達するまで(基板411内の新たに形成されたアパーチャをマスクとして用いて)プラズマエッチングされる。シリコン全体にわたり二酸化ケイ素を優先的にエッチングするためのプラズマガスが使用される。フィールド酸化物領域415Aは、領域415Aおよび415Bに分割され、フィールド酸化物領域415Dは、領域415Dと415Eとに分割される。次の段階として、第1の導電層421Cおよび421Dのポリシリコン副層は、適当なプラズマガスを用いてプラズマエッチングされる。これらの段階の結果は、図47(b)に示す。
【0144】
次の処理段階セットは、以下のとおりであり、図48(c)がこれらの段階の最終結果を示している。基板411の裏表面に不動態化層465が形成され、この層はまた、導電層421Cおよび421Dの露出された下面部分およびフィールド酸化物領域415A、415B、415Dおよび415Eの露出した側面部分をもコーティングする。不動態化層465は好ましくは蒸着されたパリレンを含み、好ましくは、約20μmの厚みを有する。裏面接点467が第1の導電層421Cおよび421Dと接触すべき場所で、孔が不動態化層465を通してレーザーエッチングされ、その後、不動態化層465は、レーザーエッチングプロセスが残した破片を除去すべく、プラズマクリーニングされる。次に、好ましくは基板411の裏表面全体にわたりシードメッキ層をまず被着させ、基板の裏表面全体にわたりレジスト層(例えばRISTON)をラミネートし、裏面接点467が形成されるべき領域の上に重なるウィンドウを中に形成すべくラミネートされたレジスト層をパターン化し、その後レジストウィンドウにより露出された領域内にシード層全体にわたり付加的な導電性材料をメッキすることによって、裏面接点467が形成される。次に、レジスト層が除去され、メッキされた材料によって被覆されていないシード層の部分が除去される。シード層は好ましくは、スパッタリングされたクロムの薄層(例えば厚み20nm(200オングストローム)から40nm(400オングストローム))とそれに続くより厚いスパッタリングされた銅層(例えば厚み0.1μm〜0.2μm)を含んでなる。シード層上にメッキされた付加的な導電性材料は、好ましくは銅を含み、厚みは約10μmである。シード層が、スパッタリングされたクロム上のスパッタリングされた銅を含む場合、シード層は、共通の銅エッチング溶液のいずれかに対する短時間の露出とそれに続く共通のクロムエッチング溶液(例えばHCl、希H2SO4)のいずれかに対する短時間の露出によって除去できる。銅エッチング溶液に対する短時間の露出はまた、接点467のメッキされた材料をもエッチングし得るが、メッキされた材料の厚みがシード層の厚みよりも実質的に大きいものであることから、これはほとんど影響を及ぼさない。最終的に好ましい段階として、無電解メッキプロセスにより銅全体にわたりニッケル薄層がメッキされ、無電解メッキプロセスによりニッケル層全体にわたり金の薄層がメッキされる。
【0145】
次の処理段階セットは以下のとおりであり、図48(d)がこれらの段階の最終的結果を示す。二次基板470の上部表面に接着剤層480がボンディングされる。バイア490が層480を通過できるようにするため、二次基板470のアパーチャ472の上に重なる層部分480は、レーザー融触によって除去される。レーザー光は、基板470の下部表面からアパーチャ472を通して導かれる。この要領で、基板470は、マスクとして作用し、除去すべき接着剤層480の部分のみにレーザー光を導く。層480内の自己整列パターンが作られる。次の段階として、一次基板411が最終的なサイズにダイシングされ、一時基板611から除去され、接着剤層480上に取付けられ、かくして、その下部表面が二次基板470の上部表面に対面する状態で、二次基板470上にこの層をラミネートする。これら3つの段階は、任意の順序で行うことができる。好ましい実施形態においては、最初の2段階はいずれの順序でも行われ、その後第3段階が続く。別の実施形態においては、一次基板411から一時基板612がまず除去され、次に二次基板上に基板411が取付けられ、最後に基板411がサイズに合わせてダイシングされる。接着剤層480は、好ましくはボンディングシートを含む。ボンディングシートの例としては例えば、三菱BTボンディング膜BTF346、三菱LCP強化BTプリプレグGMPL−195、および信越エポキシボンディングシートE31型〜E38型がある。これらの例の各々は、中間B段階までゲル化されたエポキシを含む熱硬化性ボンディングシートである。接着剤層480はまた、新日鉄のポリイミドボンディングシートSPB−Aのようなポリイミドボンディングシートを含み得る。これらの段階の結果は、図48(c)示されている。
【0146】
次の段階として、はんだペーストが、二次基板470のアパーチャ472内にスクリーニングされ、次にリフローされて、導電層474と層421Cおよび421Dとの間に電気的接続を作り上げる。はんだペーストは一般に、リフローの間に蒸発し、かくして各アパーチャ472内に形成された導電性の塊の体積を低減させる揮発性キャリアを含む。体積の減少は、各アパーチャ472が、基板の上部表面から基板の下部表面まで延びる導電層474をもたない場合、問題をひき起こす可能性がある。層474が上部表面から下部表面まで延びていない場合、リフロー作業の前に、スクリーニングされたはんだペースト全体の上にリフローされたはんだボールを置き、その後各はんだペースト本体全体の上にはんだボールが設けられている状態で、はんだペーストをリフローすることによって、付加的な体積を加えることができる。はんだ本体は、リフローされたはんだペーストと融合し、はんだペースト内の揮発性成分の蒸発によって失われた体積を補償する。このアプローチの結果は、図44に示されている。本発明により構築された実施形態においては、錫−銀(SnAg)はんだペーストおよび錫−銀はんだボールが使用される。ただし、その他のはんだを使用することも可能である。さらに、特により低速(低周波数)の利用分野については、はんだの代わりに導電性接着剤を使用することもできる。
【0147】
かくして、本発明の実施形態を実践することにより、不良コンデンサ320bから金属接点を除去するコンデンサメッキ除去方法(図36および37参照)が提供される。この方法においては、半導体基板300上にある数のコンデンサ320が形成される。コンデンサ320上に金属接点が形成される。金属接点が層を通って露出されるように、金属接点全体にわたり、フォトレジスト層324がパターン化される。その後、結果として得られた構造体は、電解槽の中に入れられ、不良コンデンサ320b全体にわたる接点のメッキ除去を行うことができる。例えば、不良コンデンサ320bが短絡307を有する場合、電流は構造体および短絡307を通って流れ、メッキ除去ができる。良品のコンデンサは絶縁層を有し、完全な回路の形成を防止してメッキ除去を防止する。不良コンデンサ320b全体にわたる接点を除去することにより、歩留まりを増大させることができる。
【0148】
本発明の実施形態をさらに実践することにより、チップパッケージ構造内に埋込まれた能動または受動半導体デバイスを有するマルチチップモジュール(MCM)を形成するための方法が提供される。本発明のその他の実施形態は、MCMおよびそのあらゆるサブコンポーネント(例として図38〜42(b)を参照のこと)に関する。例えば、図41は、CPUのための基板を示す。基板は、銅/ポリイミド薄膜構造とセラミクスキャリア(AIN)との間に配置されたシリコン層を含む。シリコン層は、能動デバイスまたは受動デバイスを含み得る。例えば、シリコン層は、電力分配系統内の雑音をデカップリングするためにチップコンデンサを含むことができる。
【0149】
本発明を明細書においてはその特定の実施形態に関して述べてきたが、以上の開示においては修正、さまざまな変更および置換の自由があり、一部のケースでは、本発明のいくつかの特徴は、その他の特徴を対応して使用することなく利用でき、そのために、記載された本発明の範囲および精神から逸脱することはない、ということがわかるだろう。従って、本発明の基本的範囲および精神から逸脱することなく、本発明の教示に対し特定の状況または材料を適合させるべく、多くの修正を加えることが可能である。本発明は、それを実施するための最良の態様として開示された特定の実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲内に入るあらゆる実施形態および等価物を含むことを意図されている。
【0150】
以上詳述した本発明の実施形態は以下の通りである。
【0151】
(付記1) 不良コンデンサのメッキ除去方法において、
半導体基板上に複数のコンデンサを形成する段階と、
該複数のコンデンサ上に複数の金属接点を形成する段階と、
該半導体基板上にフォトレジスト層を被着させる段階と、
該複数の金属接点を露出させるように該フォトレジスト層をパターン化する段階と、
導電性溶液と露出された前記金属接点とを接触させる段階と、
不良コンデンサ上に配置された金属接点のメッキ除去を行う段階と、
を含んでなる方法。
【0152】
(付記2) 前記不良コンデンサが、少なくとも1つの短絡を有するコンデンサを含む付記1に記載の方法。
【0153】
(付記3) 能動または受動デバイスを含むシリコン基板上に配置された第1の側面と第2の側面を有する薄膜ポリマー相互接続構造を形成する段階と、
該薄膜相互接続構造の該第1の側面上にコンピュータチップを取付ける段階と、
を含んでなるマルチチップモジュールの形成方法。
【0154】
(付記4) 薄い半導体層を形成すべく半導体基板の厚みを減少させ次に該薄い半導体層を通してアパーチャを形成する段階をさらに含んでなる付記3に記載の方法。
【0155】
(付記5) 相互接続構造とは反対側で前記半導体層上にセラミクスキャリアを被着させる段階をさらに含んでなる付記3に記載の方法。
【0156】
(付記6) 第1の側面および第2の側面を有する薄膜ポリマー相互接続構造と、
前記第1の側面上に配置されたチップと、
前記第2の側面上に直接配置され、能動または受動デバイスを含む半導体層と、
からなるマルチチップモジュール。
【0157】
(付記7) 前記能動デバイスがSRAMを含み、前記受動デバイスがチップコンデンサを含んでなる付記6に記載のマルチチップモジュール。
【0158】
(付記8) 前記半導体層がさらに、該層を通って延びるアパーチャを含んでなる付記6に記載のマルチチップモジュール。
【0159】
(付記9) 前記アパーチャにはんだが充填される付記8に記載のマルチチップモジュール。
【0160】
(付記10) 下部表面と、ドープ済み領域を設けた上部表面とを有する基板と、
該基板上部表面上に設置されたオーム接触およびドープ済み領域全体にわたり配置された第1の誘電体層と、
上部表面および下部表面を有し、前記第1の誘電体層に下部表面が隣接する該第1の誘電体層上に配置され、上部表面に配置された第1の導電性材料の副層を少なくとも有する第1の導電性層と、
該第1の導電性層上に配置された第2の誘電体層と、
該第2の誘電体層内に形成され、該第1の導電層全体にわたり配置されてその一部分を露出させるアパーチャと、
該アパーチャを通して形成され、前記第1の導電層の一部分に接して配置され、前記第1の導電層の第1の導電性材料の副層に隣接して配置された第2の導電性材料を含んでなり、該第2の導電性材料が前記第1の導電性材料と異なる、導電性バイアと、
上部表面および下部表面を有し、下部表面が前記第2の誘電体層に隣接する前記第2の誘電体層全体にわたり配置され、前記第2の導電層が、前記導電性バイア全体にわたり配置されたそのための部分を有している、第2の導電層と、
を含んでなるマルチチップモジュール基板。
【0161】
(付記11) 前記第1の導電層がポリシリコンと、アルミニウムの上部層とを含んでなる付記10に記載のモジュール。
【0162】
(付記12) ドープされた領域が、実質的に前記基板の表面全体にわたって形成された上部ドープ層を含んでなる付記10に記載のモジュール。
【0163】
(付記13) 前記基板が、1×10-18cm-3以上のドーピングレベルを含み、ドーピングされた領域が基板全体によって提供される付記10に記載のモジュール。
【0164】
(付記14) 前記第1の誘電体層が、酸化ケイ素を含んでなる付記10に記載のモジュール。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板アセンブリ上および導体パッド全体にわたり配置された相似ポリマー相似層の側面立面図である。
【図2】(a)および(b)は、填隙ポリマーの被着後の、図1の基板アセンブリの側面立面図である。
【図3】インピーダンス制御および接地平面がポリマーCVD層全体にわたり被着された状態の代替的基板アセンブリの側面立面図である。
【図4】(a)は、填隙ポリマーの被着後の、図3の基板アセンブリの側面立面図であり、(b)は、基板アセンブリ上および導体全体にわたる相似ポリマー相似層および先に被着された層を伴う基板アセンブリの側面立面図である。
【図5】無機または有機填隙層の被着後の、図1の基板アセンブリの側面立面図である。
【図6】化学機械研磨およびさらなるビルドアップを容易にするため、コンプライアンスをもつシーラント層を提供すべく平坦化層を被着させた後の、図5の基板アセンブリの側面立面図である。
【図7】その後のビルドアップ後の、図6の基板アセンブリの側面立面図である。
【図8】(a)は、図4(a)の基板アセンブリの一部分の側面立面図であり、(b)は、図4(a)の基板アセンブリの別の部分の側面立面図である。
【図9】低誘電率熱可塑性微粒子が被着された後の、図1の基板アセンブリの側面立面図である。
【図10】熱処理後の図9の基板アセンブリの側面立面図である。
【図11】もう一つの基板アセンブリとのビルドアップ後の図10の基板アセンブリの側面立面図である。
【図12】(a)は、図4(b)の基板アセンブリの一部分の側面立面図であり、(b)は、図4(b)の基板アセンブリの別の部分の側面立面図である。
【図13】別の平坦化用低誘電率ポリマーの中に低誘電率ポリマー微粒子の複合物を被着させた後の、図12(a)の基板アセンブリの側面立面図である。
【図14】別の基板アセンブリとのビルドアップ後の、図13の基板アセンブリの側面立面図である。
【図15】(a)は、図4(b)の基板アセンブリの部分側面立面図であり、(b)は、図4(b)の基板アセンブリの別の部分の側面立面図である。
【図16】その上面に熱可塑性低誘電率ポリマー膜を被着させた後の、図15(a)の基板アセンブリの側面立面図である。
【図17】熱処理後の、図16の基板アセンブリの側面立面図である。
【図18】任意の平坦化層を被着させその後の連続層をビルドアップした後の、図16の基板アセンブリの側面立面図である。
【図19】(a)は、基板支持金属パッドから分離されたLSI基板アセンブリの側面立面図であり、(b)は、パッド支持基板に結合された後のLSI基板アセンブリの側面立面図であり、(c)は、金属パッドに結合された図19(b)のポストの一実施形態の部分的拡大断面図であり、(d)は、金属パッドに結合された図19(b)のポストの別の実施形態の部分的拡大断面図である。
【図20】(a)は、図19(a)の2つのアセンブリの別の実施形態の側面立面図であり、(b)は、互いに結合された図20(a)の2つのアセンブリの側面立面図であり、(c)は、金属パッドに結合された図20(b)のポストの一実施形態の部分的拡大立面図である。
【図21】(a)は、図19(a)の2つのアセンブリの別の実施形態の側面立面図であり、(b)は、互いに結合された21(a)の2つのアセンブリ側面立面図であり、(c)は、互いに結合された図21(b)の2つのポストの拡大立面図である。
【図22】(a)は、図19(a)の2つのアセンブリの別の実施形態の側面立面図であり、(b)は、互いに結合された図22(a)の2つのアセンブリの側面立面図であり、(c)は、カップ部材に結合された図22(b)のポストの拡大立面図であり、(d)は、カップ部材から間隔どりされたワイヤ相互接続構造(例えばWIT)の部分的斜視図である。
【図23】千鳥バイア構造を伴う多層回路構造の横断面を示す図である。
【図24】(a)〜(d)は、積重ねられた導電性ポストを有する多層回路構造を形成するために用いられる多層回路構造前駆体の横断面を示す図(その1)である。
【図25】(e)〜(h)は、積重ねられた導電性ポストを有する多層回路構造を形成するために用いられた多層回路構造前駆体の横断面を示す図(その2)である。
【図26】(i)〜(l)は、積重ねられた導電性ポストを有する多層回路構造を形成するために用いられた多層回路構造前駆体の横断面を示す図(その3)である。
【図27】(m)および(n)は、積重ねられた導電性ポストを有する多層回路構造を形成するために用いられた多層回路構造前駆体の横断面を示す図(その4)である。
【図28】積重ねられた導電性ポストを伴う多層回路構造の横断面を示す図である。
【図29】多層回路構造アセンブリの別の実施形態の横断面を示す図である。
【図30】(1)〜(4)は、各バイアが本発明のはんだバンプの実施形態を支持した状態の複数の金属充填バイアを有する基板を形成するための製造プロセスを示す図である。
【図31】はんだバンプの一実施形態の拡大断面図である。
【図32】はんだバンプの別の実施形態の拡大断面図である。
【図33】(1)〜(6)は、図29の多層回路構造アセンブリを形成するためのプロセスフロー段階の一実施形態を示す図である。
【図34】(1)〜(3)は、図29の多層回路構造アセンブリを形成するためのプロセスフロー段階の別の実施形態を示す図(その1)である。
【図35】(4)〜(8)は、図29の多層回路構造アセンブリを形成するためのプロセスフロー段階の別の実施形態を示す図(その2)である。
【図36】良品のコンデンサおよび短絡を伴う不良コンデンサを支持する半導体基板アセンブリの側面立面図である。
【図37】不良コンデンサをなくしてフォトレジストを除去した後で、かつ誘電体層(例えばポリイミドコート)を被着させた後の図36の基板アセンブリの側面立面図である。
【図38】MCM基板アセンブリの側面立面図である。
【図39】スルーバイア形成後の図38のMCM基板アセンブリの側面立面図である。
【図40】セラミクス(例えばAl,N)基板を結合させた後でかつバイアホール内にSnAgペーストまたははんだボールを被着させた後の図39のMCM基板アセンブリの側面立面図である。
【図41】シリコン基板を結合させた後の図40のMCM基板アセンブリの側面立面図である
【図42】(a)は、高性能MCM基板アセンブリ用の3Dスーパーチップの側面立面図であり、(b)は、図42(a)の基板アセンブリの上部平面図である。
【図43】(a)は、8ウェイサーバー用の3Dスーパークリップを有する代替アセンブリの側面立面図であり、(b)は、図43(a)の基板アセンブリの上部平面図である。
【図44】本発明によるマルチチップモジュール基板の実施形態の別の横断面図である。
【図45】(a)〜(d)は、本発明によるデカップリングコンデンサを形成するためのさまざまな処理段階での本発明による一次基板を示す図(その1)である。
【図46】(e)〜(g)は、本発明によるデカップリングコンデンサを形成するためのさまざまな処理段階での本発明による一次基板を示す図(その2)である。
【図47】(a),(b)は、本発明の実施形態によるデカップリングコンデンサを形成するためのさまざまな処理段階での本発明による一次基板を示す図(その1)である。
【図48】(c)〜(d)は、本発明の実施形態によるデカップリングコンデンサを形成するためのさまざまな処理段階での本発明による一次基板を示す図(その2)である。
【符号の説明】
10…基板
20…填隙材料
62…LSI基板
68…導電性カップ
122…コア構造
124…導電性領域
125…シード層
131…フォトレジスト層
132…アパーチャ
134…導電性ポスト
141…誘導体層
142…キャリア層
161…保護層
170…多層回路構造体
216…バイア
220…はんだバンプ
Claims (1)
- 半導体基板に対する短絡または高い漏洩を伴う不良コンデンサのメッキ除去を行うための方法において、
各コンデンサが、該半導体基板上に形成されたゲート酸化物層と、該ゲート酸化物層上に形成された金属層とからなる複数のコンデンサを形成する段階と、
該複数のコンデンサの該金属層上に複数の金属パッドを形成する段階と、
該半導体基板上にフォトレジスト層を被着させる段階と、
該複数の金属パッドを露出させるように該フォトレジスト層をパターン化する段階と、
導電性溶液と露出された該金属パッドとを接触させる段階と、
該導電性溶液に正の電圧を印加し前記半導体基板に負の電圧を印加することにより該半導体基板に対する短絡または高い漏洩を伴う前記不良コンデンサの前記金属層上に形成された前記金属パッドのみをメッキ除去する段階と、
を含んでなる方法。
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