JP4262787B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外枠の前面に開閉可能な状態に前枠を取り付けたパチンコ機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機の前枠は木製が主流であったが、近年それが合成樹脂化されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
パチンコ機は、台間球貸機などと一緒にパチンコ機設置島に多数並設されるのが普通であり、設置状態において隣接するパチンコ機又は台間球貸機との隙間が殆どない。通常、パチンコ機の前枠は、外枠の一側前面にヒンジ金具で開閉可能な状態で取り付けられているため、前枠を開閉したときに隣接するパチンコ機又は台間球貸機の縁と該前枠の縁(主として後縁のコーナー部分)が接触するおそれがある。そして、そのような接触による衝撃をまともに受けた場合、前枠が合成樹脂製であると縁の一部が欠けたり割れたりする不具合があった。
【0004】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、合成樹脂製の前枠を安全に開閉することが可能な遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、枠状に形成され、一側上下部にヒンジが設けられた外枠と、
その外枠のヒンジに対応して一側上下部にヒンジが設けられ、これらヒンジにより前記外枠の前面に開放可能な状態で取り付けられた合成樹脂製の前枠と、
その前枠に取り付けられると共に入賞装置や障害釘等が設けられる遊技領域が前面に形成された遊技板と、
その遊技板の遊技領域を視認可能に開口形成された合成樹脂製の樹脂枠と、
その樹脂枠の裏面に設けられる金属板とを重ねた二重構造を有して前記前枠の前面に開閉可能なように取り付けた扉枠と、
その扉枠に支えられるものであって前記樹脂枠と同系色の合成樹脂製のフレームにより二枚のガラスを一体化したガラスユニットとを備え、
前記前枠の非ヒンジ側の側端面に、前記外枠に向かって内寄りに傾く勾配のテーパ面を有し、前側に突出する板状の補強リブを設けると共に、
前記樹脂枠の端部には、前記補強リブの内側に並ぶ側片を突設し、
その樹脂枠の側片の内側に前記金属板を配置し、
その金属板の内側に前記ガラスユニットを支えるガラスホルダーを設け、
そのガラスホルダーによって前記ガラスユニットが固定された前記扉枠が前記前枠に対して閉じられた状態において、前記補強リブの内側に前記樹脂枠の側片が並び、さらにその内側に前記金属板が位置する配置にした遊技機を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1はパチンコ機の正面図、図2はパチンコ機の裏面図、図3は前枠の前面斜視図、図4は前枠の背面斜視図、図5は前枠の下部遊技板を示す斜視図、図6は樋カバーを外して示す下部遊技板の斜視図、図7は操作ハンドル部分を示す分解斜視図、図8は発射装置部分を示すパチンコ機の部分断面図、図9は前面板部分を示すパチンコ機の部分断面図、図10は下部遊技板部分を示すパチンコ機の部分断面図、図11は非ヒンジ側の前側コーナー部分を示すパチンコ機の部分断面図、図12は球タンクを示す機構板の断面図、図13は球タンクを示す機構板の部分斜視図、図14は球タンクを示す機構板の部分斜視図、図15は機構板の上部を示す裏面図、図16は球タンク部分を示すパチンコ機の部分断面図、図17はカーブ樋ユニットの透視斜視図、図18はカーブ樋ユニットを示す断面図、図19は球抜き装置を示すパチンコ機の部分断面図、図20は図18のA−A線断面図、図21は図19のB−B線断面図、図22は球抜き装置を示すカーブ樋ユニットの断面図、図23は図22のZ矢示図、図24は景品球排出樋の終端部分を示す断面図、図25は入賞球処理装置を示す断面図、図26は図25のC−C線断面図、図27は機構板の下部を示す裏面図、図28はアウト球口部分を示すパチンコ機の部分断面図、図29は通路側板を示す斜視図である。
【0007】
パチンコ機は、外枠1、前枠2、遊技板3、機構板4の四部品により概ね構成されている。
【0008】
【外枠】
前記外枠1は、木板を縦長長方形状に枠組みしてなる枠体5と、該枠体5の正面下部に固着した幕板6と、枠体5の上部と幕板6の上部にビス止めした前枠2装着用のヒンジ金具7a,7aと、からなる。
【0009】
【前枠】
前枠2は、合成樹脂製であって、前記幕板6を除く枠体5の前面に合致する大きさで中に広い窓穴8を設けた額縁形状をなし、一側上下部に固着したヒンジ金具7b,7bと前記外枠1側のヒンジ金具7a,7aによって外枠1前面に開閉可能な状態で取り付けられている。前枠2の非ヒンジ側の側端面(又は両側端面)と下端面には図8と図11に示したように外枠1に向かって内寄りに傾く勾配のテーパ面2a,2bが形成されている。側端面のテーパ面2aは、隣接するパチンコ機又は台間球貸機と前枠2が開閉動作のときに接触して損傷する不具合を無くする機能を果たす。一方、下端面のテーパ面2bは、前枠2を円滑に閉じるためのガイドとして機能する。すなわち、前枠2は、機構板4や遊技板3などの重みによって開放時に若干下がるため、テーパ面2bがないと前枠2を閉じるときにその下端が幕板6に激突して合成樹脂のコーナーが損傷するおそれがあるが、テーパ面2bがあれば幕板6上に前枠2が円滑に導かれるのである。なお、テーパ面2bの滑りを良くするため、該テーパ面2bは複数のテーパリブ9によって形成されている。
【0010】
前枠2の上縁と左右の側縁には板状の側枠があり、該側枠の高さの途中から反外枠1側が図1,図3,図11などに示したように額縁状の補強リブ10になっている。この補強リブ10によって前枠2の剛性を高めると共に後述するガラス扉枠11や前面板12の側端面を覆って不正なこじ開けが行えないようにしてある。また、前枠2の下方ほぼ中央には、図3,図10に示したように下球皿13に連通する下皿口14が開設されており、該下皿口14に向けて球抜き排出通路15とファール球排出通路16がそれぞれ前後に位置を違えて並設されている。下皿口14の後面には後述する景品球排出樋17に連通する下部球受け18がビス止めされており、該下部球受け18の中間部分に前記ファール球排出通路16から出たパチンコ球が落下し、また、下部球受け18の前方部分に前記球抜き排出通路15から出たパチンコ球が落下する。このように球抜き排出通路15とファール球排出通路16を前後に位置を違えて並設し、パチンコ球の落下点を一箇所に集中させないようにすることで、下部球受け18に加わるパチンコ球の衝撃が分散するから下部球受け18の耐久性を向上させることができると共に下部球受け18における球流れを整然とさせることが可能になる。そしてさらに、下部球受け18に、景品球排出樋17から出たパチンコ球が当たる落下ポイントを金属板19で覆う、という補強構造を施せば、パチンコ球の落下衝撃で下部球受け18が損傷する、というような従来の問題点は確実に改善できる。
【0011】
前記窓穴8の上縁と左右両側縁に、裏側に張り出す桟部材20a,20b,20cと、窓穴8下部に同じく裏側に張り出す下部遊技板20dが、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に前枠2と一体成型されている。下部遊技板20dは図3に示したようにコーナー飾り21を一体に有し、さらに、図5に示したように前面に合成樹脂製のカバープレート22をビスで別付けするようになっており、該カバープレート22で前面を覆うことにより後述する遊技板3のアウト球通路23に繋がる排出通路24が作られる。カバープレート22には発射レール25と前面樋部材26が形成されている。前面樋部材26は図5と図6に示したようにカバープレート22から一体に突設したファール樋27と、該ファール樋27の前面を覆う樋カバー28とにより形成され、ファール樋27の終端が前記前枠2のファール球排出通路16に連通し、また、樋カバー28の前面に設けた球抜き溝29が球抜き排出通路15に連通している。なお、前記アウト球用の排出通路24は、機構板4の球回収ルート30に連通している。
【0012】
前記カバープレート22には、前面樋部材26のファール樋27下部にスピーカ設置部31が形成してあり、図9に示したようにそのスピーカ設置部31に遊技用のスピーカ32が取り付けてある。このスピーカ32は前面板12と上球皿33の内部を貫く空洞の音響通路34によって外部に繋がっている。このようにスピーカ32を前面樋部材26(下部遊技板20dと言ってもよい。)に設置して上球皿33の内部を空洞の音響通路34とすることで、スピーカを上球皿に内蔵する従来技術に比べて、配線を簡略化すると共に上球皿33の軽量化をも可能にした。なお、スピーカ32のリード線は図6に示した前面樋部材26の配線用スリット35から下部遊技板20dのコーナー部に設けた配線開口36を通り、図27に示したように機構板4の下側面に突設したコネクター37から機構板4裏面の配線通路38を通って該機構板4の背面に取り付けた制御装置39に接続される。
【0013】
ところで上記のように下部遊技板20dを樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に前枠2と一体成型し、さらに発射レール25やファール樋27などの部品を取り付けるカバープレート22を別付けする特徴的な構成を採用すると、発射レール25やファール樋27などの部品の取付け作業を分業化することができるようになり、また、それらの部品の設計変更にも最小限のコストで対応可能であり、さらにパチンコ機を廃棄する場合の解体・分別が容易になる、などの効果がある。
【0014】
【前枠−発射装置】
前枠2の下側隅角部にはパチンコ球を発射するための発射装置40が取り付けられている。該発射装置40は、前枠2の前面下方に配置する操作ハンドル41と、前枠2の裏側に揺動可能に軸着した打球槌42と、該打球槌42を打球方向に付勢するスプリング43と、一方向に定速回転する発射用のモータ44と、該モータ44の出力軸に固着されモータ44の回転運動を打球槌の揺動運動に変換するカム(図示せず)と、操作ハンドル41の回転軸41Sに直結され該回転軸41Sと一体となって回転することにより前記スプリング43を伸縮させる調節プーリ(図7,図8に示した調節プーリ用のプーリボックス45内に回動可能に内蔵されている。)と、から概略構成される。この発射装置40は、打球槌42、スプリング43、モータ44、プーリボックス45などが一枚のセットプレート46に組み付けられていて、そのセットプレート46ごと前枠2の裏面にビス止めし、次ぎに操作ハンドル41を前枠2の表側から装着して回転軸41Sをプーリボックス45内の調節プーリに差し込むものである。
【0015】
前記操作ハンドル41を所定の位置に設置するための取付基台47は、樹脂成型用型枠を用いての樹脂成型時に前枠2と一体成型されており、該取付基台47の軸筒部47aに操作ハンドル41の基筒部41Tを外嵌してボルト48で締め付ける。
【0016】
【前枠−ガラス扉枠】
前枠2の窓穴8には遊技板3に対応する前面にガラス扉枠11がヒンジ金具7c,7cで開閉可能に軸着されている。ガラス扉枠11は図11,図19に示したように樹脂枠11aの裏面に金属板11bを重ねた二重構造である。そして、金属板11bの左右下側縁に図9に示したような溝形態のガラスホルダー11cが形成されており、該ガラスホルダー11cに、二枚のガラス板11d,11dを合成樹脂製のフレーム11eで一体化したガラスユニット11xが嵌まっている。このガラスユニット11xのフレーム11eは前記樹脂枠11aと同系色になっている。これにより、樹脂枠11aとフレーム11eが一体成型品であるかのごとく見えるからガラス扉枠11の質感統一及びボリューム感アップに効果がある。
【0017】
また、ガラス扉枠11には後述する球抜装置49を作動させるための球抜小孔11fが形成されている。該球抜小孔11fは図19に示したように樹脂枠11aの裏面に突設した円筒体11gの中心を通る。この円筒体11gは、球抜きピン50を前枠2の球抜孔2hに導くガイド機能と、樹脂枠11aに金属板11bを重ねる際の位置決め機能とを発揮する。このようにガラス扉枠11に前枠2の球抜孔2hと連通可能な位置に球抜小孔11fを設けた構成を採用することで、前枠2の幅一杯にまで横幅を広げたワイドサイズのガラス扉枠11を使ったパチンコ機でもガラス扉枠11を閉じたまま球抜きができる効果を発揮する。因に、前枠2の球抜孔2hは球抜装置49との関連により位置がほぼ決まっているため、ワイドサイズのガラス扉枠11を使用するとその球抜孔2hが塞がれてしまうから、球抜き操作の度に一々ガラス扉枠11を開かなければならない煩わしさがあった。
【0018】
さらに、ガラス扉枠11の下縁には図9に示したように前記前枠2下縁のテーパ面2b及びテーパリブ9と同じ目的・効果のガイドリブ11hが設けられている。また、ガラス扉枠11の上部には装飾用のランプカバー11jが取り付けられている。このランプカバー11jの内側を、前枠2上部に設けた照明孔2c(図3,図4参照)からランプ(図示せず)で照らすことによりランプカバー11jが明るく光る。なお、ガラス扉枠11の両サイドも同様の構造で発光させることができる。
【0019】
【前枠−前面板】
前枠2の窓穴8の下部遊技板20dに対応する前面に前面板12がヒンジ金具7d,7dで開閉可能に軸着されている。前面板12は図8〜図10に示したように合成樹脂製の球皿パネル12aと金属製の裏パネル12bの重合構造である。球皿パネル12aには上球皿33が装着されており、図10に示したように上球皿33の内部に設けた球抜き樋51の終端が前記下部遊技板20d側の球抜き溝29に対向する。一方、裏パネル12bには、上端に曲げ返し部12cが形成されており、該曲げ返し部12cにガラス扉枠11の下縁が嵌まる。なお、ガラス扉枠11の下縁には前記のように合成樹脂製のガイドリブ11hが形成されているから、金属製の曲げ返し部12cの上を滑らかに滑る。従って、ガラス扉枠11の開閉がスムーズに行える。
【0020】
【前枠−装飾パネル】
前枠2の窓穴8より下の部分には下球皿13を有する合成樹脂製の装飾パネル52が取り付けられている。該装飾パネル52には裏面両側に鍵状の弾性フック片(図示せず)が突設されていて、該弾性フック片を図3,図4に示した前枠2の受孔2dに嵌合させる取付構造になっている。この装飾パネル52の上端には前記前面板12の下縁と対向するように不正防止用の当たり片52aが突設されており、該当たり片52aによって前面板12の内側へ異物が差し込まれないようにしてある。なお、従来、このような不正防止用の当たり片は、窓穴8の周囲を囲う金枠に設けられていたため、部品コスト、組立コストが高い、などの問題点があったが、装飾パネル52に当たり片52aを設ければそのような問題の解消に効果がある。
【0021】
【遊技板】
遊技板3はベニヤ板の表に合成樹脂シートを貼った周知構造であって、前記前枠2の桟部材20a,20b,20cと下部遊技板20dによって支持される。遊技板3の前面には図1に示したように、ガイドレール53で円形に囲われた遊技領域3zが形成されていて、該遊技領域3zに入賞装置55、障害釘56、風車57、アウト球口58などが設けられている。一方、遊技板3の裏面には、図16に示したように入賞球集合カバー54が遊技領域3zの裏側をほぼカバーするように対向設置されており、入賞装置55などから入賞したパチンコ球が下に集まるようになっている。また、前記アウト球口58の裏側は、図28に示したように遊技板3の下端に至る溝状のアウト球通路23になっている。従来、このアウト球通路23は、遊技板3の裏面に金属板を貼り付けて塞ぐようにしていたが、それでは金属板を貼り付ける工程が面倒であるため、後述するように機構板4側の一部品である通路側板59で塞ぐように工夫してある。
【0022】
【機構板】
前枠2の裏側には遊技板3と下部遊技板20dのほぼ全体をカバーする大きさの機構板4が前枠2側のヒンジ金具7e,7eと機構板4側のヒンジ金具7f,7fで開閉可能に軸着されている。該機構板4は、景品球の流れ順に上から、球タンク60、導出樋61、カーブ樋ユニット62、景品球放出装置63、景品球排出樋17を有し、また、入賞球の流れ順に入賞球集合樋64、入賞球処理装置65を有し、その他に制御装置39や配線通路38などを有する。
【0023】
【機構板−球タンク】
球タンク60は、上が広く開口し、底の傾斜下端に球出口を開設した箱型形態である。該球タンク60は、両側端に取付片66a,66bを一体に有し、図12〜図14に示したように一方の取付片66aが機構板4の固定ポケット67に嵌まり、他方の取付片66bが機構板4にビス68で固着されている。ここで明らかなようにこの球タンク60は、一方の取付片66bだけをビス止めする構造であるから取付作業効率が従来に比べて良い。また、機構板4には球タンク60の上面との接触箇所に複数の突起69が形成してあって球タンク60と点接触するようにしてある。前記のようにこの球タンク60は、ビス止め箇所を減少させるようにしたものであるから、球タンク60と機構板4の間に遊びがあると有害な”がたつき”の原因になる。そこで、球タンク60と機構板4の間に突起69を介在させれば、位置決めの最終調整を突起69の加減ですることができるため、高い取付精度に仕上げられるのである。また、周知のように球タンク60の底には図示しないが球検知用の揺動板が軸着されており、該揺動板の動きによってON・OFFするマイクロスイッチSW1が図15のように設けられている。このマイクロスイッチSW1のリード線70を体裁良く通すための配線通路71が球タンク60の上に設けられている。
【0024】
【機構板−導出樋】
導出樋61は球タンク60のパチンコ球を二列にして下に導くもので、機構板4にビス72,72…で固着されている。該導出樋61は流下端を止めるビス72を中心にして傾斜角度の調節が可能なように、上流端側のビス孔61hと球均し73に対応する軸孔73hが長孔になっている。導出樋61の傾斜角度の調節は、汚れの付着などでパチンコ球が流れ難くなった場合や、流れが速すぎる場合などに行う。また、導出樋61の底には一方の立壁沿いにゴミ落とし溝74が形成してある。従来のゴミ落とし溝は、底の中心線上に設けられていたからパチンコ球が常にゴミ落とし溝の上を一直線に並ぶ。従って、ゴミ落とし溝74の摩耗が激しくて導出樋61の傷みが速く、しかも上流から下流に向かって球圧が真っ直ぐ作用するから導出樋61内で著しく球圧が増加する不具合があった。これに対して前記のようにゴミ落とし溝74を一方の立壁沿いに設ければ、パチンコ球がゴミ落とし溝74に嵌まり込まないため、導出樋61内で一直線に並ぶことがなくなり、摩耗による傷みや球圧の増加が軽減される。
【0025】
【機構板−カーブ樋ユニット】
カーブ樋ユニット62は導出樋61の流下端に接続するもので、カーブ樋75と球切れ検知装置76と球抜装置49が一体化されている。カーブ樋75は図17,図20,図22に示すようにベース体75a,カバー体75b,仕切板75cの三部材で形成され、図20に示したようにベース体75aに突設したフック片77をカバー体75bの孔78に係合させる結合構造である。
【0026】
また、球切れ検知装置76は、カーブ樋75の第一カーブに設けた揺動自在なアーチ形受圧片79と、該アーチ形受圧片79の外側凸部80にアクチュエータ片81を接触させたマイクロスイッチSW2とからなる。このアーチ形受圧片79とマイクロスイッチSW2は二列の球通路に対応して二組づつ設けられている。アーチ形受圧片79は自己の重量バランスとアクチュエータ片81の弾性により図18中時計回りに付勢されており、パチンコ球の有無により図18実線と二点鎖線のように揺動してマイクロスイッチSW2の接点を開閉する。このマイクロスイッチSW2の信号により球切れが検知できる。而して、前記二個のマイクロスイッチSW2は図17に示したように一個のケース体82の枠内に一体に嵌め込まれており、該ケース体82ごとカーブ樋ユニット62に着脱する。ケース体82はその上下に突設したネジ受け片82aにネジ83を通してカーブ樋ユニット62に固定するようになっており、カーブ樋ユニット62に対し引き出し式に出し入れできる。従って、初期の組付けはもちろん、修理などのメンテナンスも容易である。
【0027】
球抜装置49は、図17,図18に示したように、第一カーブの終端に開口する球抜口84と、球抜口84の下方に開口する機構板用球抜樋85と、球抜口84を開閉すると共に機構板用球抜樋85にパチンコ球を導く揺動自在な可動底板86と、可動底板86を固定するロック部材87と、ロック部材87の姿勢を制御する押動板88とからなる。可動底板86は、正面視ほぼ「へ」の字形態であって、中心の屈曲点に円筒部86aを配し、該円筒部86aにパチンコ球を載せる腕板86bと前記ロック部材87に係合する脚板86cを一体に突設し、さらに円筒部86aに挿通した軸86dを中心に揺動する。なお、可動底板86の脚板86c下端にはバランスウェイト86eが一体に形成されていて、自由状態で図18の実線姿勢に回動するようバランスされている。
【0028】
ロック部材87は、一方の端部に軸ピン87aを一体に突設し、他方の端部に、前記可動底板86の脚板86cに係合する上向凸部87bと押動板88に係合する長孔87cを設けたものであり、ベース体75aとカバー体75bの間に揺動自在に軸承されている。
【0029】
前記可動底板86の軸86d及びロック部材87の軸ピン87aを支承するカーブ樋ユニット62の軸受構造は、図23に示したように、軸受凹部89の回りにU字状の透かし溝90を形成すると共に図22に示したように軸受凹部89に通じるガイド溝91を設けたことを特徴とし、前記ベース体75a,カバー体75b,仕切板75cの三部材をフック片77で接合して組み立てた後でも可動底板86及びロック部材87を着脱することができるようにしたものである。すなわち、軸ピン87a(軸86d)をガイド溝91に嵌めて軸受凹部89方向に強制スライドさせると、前記透かし溝90により片持ち梁状になった軸受凹部89が撓んで外方に逃げ、軸ピン87a(軸86d)が軸受凹部89に至ると弾性で戻るのである。従って、ベース体75a、カバー体75b、仕切板75cを合体させるときに可動底板86の軸86dやロック部材87の軸ピン87aの位置合わせを同時に行わなければならない煩わしさがない。また、可動底板86及びロック部材87を軸受凹部89から外す場合も同様に透かし溝90による弾性を利用すれば、一々ベース体75aとカバー体75bを分離させる必要がない。この軸受構造は、他の部品の軸受構造としても適用できる。
【0030】
押動板88は、ベース体75aと一体の固定軸92に揺動自在に軸着されており、該固定軸92に遊嵌する丸パイプ部88aと、丸パイプ部88aから下向き斜め前方に突設した弾性片88bと、丸パイプ部88aから上向突出して前記前枠2の球抜孔2hに対向する押圧舌片88cと、押圧舌片88cに突設され前記ロック部材87の長孔87cに係合する作動軸88dと、から構成される。前記弾性片88bは、カバー体75bから延設したバネ受け片93に撓み状態で受け止められており、その復元力で押圧舌片88cを起立方向に付勢する。押圧舌片88cは図19実線の起立姿勢にあるとき、作動軸88dによってロック部材87を図17,図18のほぼ水平姿勢に保持し、また、図19二点鎖線のように球抜きピン50によって押されて前傾姿勢に転じたとき、作動軸88dによってロック部材87を図18において時計回りに下動させる。なお、押動板88はベース体75aと一体の二つのストッパー94a,94bにより揺動範囲が規制されている。
【0031】
ところで上記押動板88と固定軸92には、従来の抜け止めリングを不要にした簡易接合構造が採用されている。すなわち、固定軸92には図21に示したようにほぼ半外周(全周も可)に周溝95を形成し、一方、押動板88の丸パイプ部88aに、鋸刃状の内向き爪88eを突設した弾性係合片88fを形成し、押動板88の丸パイプ部88aを固定軸92に強制嵌合させて内向き爪88eと周溝95を係合させるようにしたものである。丸パイプ部88aの内向き爪88eは鋸刃状であるため、爪の傾斜に沿って簡単に周溝95に嵌まるが一旦係合すると容易に外れない。そこで、押動板88を固定軸92から外す必要が生じたときのために、弾性係合片88fの先端に摘み部88gを延設し、該摘み部88gで弾性係合片88fを外側に曲げて内向き爪88eを周溝95から浮かせ得るようにしてある。
【0032】
球抜装置49は以上のように構成されているため、球抜きピン50を図19二点鎖線のようにガラス扉枠11の球抜小孔11fから差し込むと、その先端で押動板88の押圧舌片88cが押されて前傾し、それに連動してロック部材87が図18において右下がりに下動して可動底板86の拘束を解き、その結果、腕板86bに加わる球圧で可動底板86が図18二点鎖線のように回動し、球抜口84より上流にある全てのパチンコ球が機構板用球抜樋85に流れ込む。そして、球抜き完了後に球抜きピン50をもう一度球抜小孔11fに差し込むと、前記と同様にロック部材87が下動するから可動底板86が自重で回動して通常の状態に戻る。
【0033】
【機構板−景品球放出装置】
前記景品球放出装置63は、カーブ樋ユニット62からパチンコ球の供給を受け、内蔵モータ96(図2参照)の回転でパチンコ球を一個単位で放出し得る。この景品球放出装置63は公知の既製品を使用しているため詳細な説明を省略する。
【0034】
【機構板−景品球排出樋】
景品球排出樋17は、景品球放出装置63から払い出される景品球を前記上球皿33に導き、さらに上球皿33から溢れた景品球を下球皿13に導くものである。この景品球排出樋17の終端部には図24に示したように景品球の過量を検知する過量防止センサー97が設けられている。該過量防止センサー97は、球圧により揺動する球受板97aと、該球受板97aの作動腕97bにアクチュエータ片98を接触させたマイクロスイッチSW3とからなる。そして、景品球排出樋17にパチンコ球が溜まり過ぎると球受板97aに球圧が作用して作動腕97bがアクチュエータ片98を押圧し、マイクロスイッチSW3から過量信号が発せられる。この過量信号が発せられている状態ではパチンコ機が一時的に機能停止する。なお、前記球受板97aは、自己の重量バランスとマイクロスイッチSW3のアクチュエータ片98の弾性力で図24実線の通常位置に停止している。また、作動腕97bのマイクロスイッチSW3側の端部には機構板4に開設した遊動孔99に臨む軸(図示せず)が延設されている。
【0035】
【機構板−入賞球集合樋】
次ぎに入賞球の流れ順に入賞球集合樋64と入賞球処理装置65を説明する。前記遊技領域3zで入賞したパチンコ球は、入賞球として一旦入賞球集合カバー54に集められ、そこから機構板4側の入賞球集合樋64に流れる。この入賞球集合樋64には、図28に示したように遊技板3と接する側に従来から通路側板59が取り付けられているが、従来の通路側板59は単に入賞球を円滑に流下させるものでしかない。しかし、ここで採用した通路側板59には、図29に示したように前記アウト球通路23を覆う溝カバー59aが一体に設けられていて、これまでアウト球通路23を形成するために遊技板3に別途打ち付けていた金属製の板を不要にする新たな機能が付加されている。なお、図29中符号100は通路側板59の溝カバー59aに設けた縦リブであり、パチンコ球の流れを長期間スムーズに維持するためのものである。
【0036】
【機構板−入賞球処理装置】
入賞球処理装置65は、入賞球を電気的に検知するためのものであって、図25に示したように前記入賞球集合樋64の終端に連通し且つコ字状に屈曲して球回収ルート30に連通するコ字状通路65aと、該コ字状通路65aの垂直部分にあって入賞球の通過を検知する通過スイッチSW4と、同じくコ字状通路65aの垂直部分に作用して入賞球の流れを一個づつに制御する球切り部材65bと、該球切り部材65bを揺動させるソレノイド65cと、からなり、これら全部品を一枚の基板65dに組み込んでユニット化したものである。なお、基板65dの裏側には、図26に示したように不正防止と後述する静電気対策のために導電金属板65eがビス止めされている。
【0037】
コ字状通路65aに対応する基板65dには通過スイッチSW4に至る前の領域に透孔101が穿設してあり、図26に示したように該透孔101に導電金属板65eを切り起こした爪102が臨んでいる。この爪102の前を入賞球が通過すると、該入賞球に帯電している静電気が導電金属板65eを介して放電されるため、そのような静電気に起因するノイズなどの弊害が防止できる。
【0038】
コ字状通路65aの垂直部分に作用する球切り部材65bは、図25に示したように、基板65dに揺動自在に軸着した揺動主板65fと、該揺動主板65fが図25一点鎖線の起立状態にあるとき通過スイッチSW4の直下に位置してコ字状通路65aを塞ぎ揺動主板65fがソレノイド65cの作動で傾動したとき通過スイッチSW4の直下から退いてコ字状通路65aを開く第一球止め片65gと、同じく揺動主板65fが起立状態にあるときコ字状通路65aの外に位置し揺動主板65fがソレノイド65cの作動で傾動したとき通過スイッチSW4の真上に位置する第二球止め片65hと、からなり、この第一球止め片65gと第二球止め片65hでコ字状通路65aを交互に開閉して入賞球を一個づつ確実に通過スイッチSW4に流下させる。
【0039】
なお、入賞球処理装置65は、図9に示したようにカバー103で覆うようになし、該カバー103に開閉蓋104を設けて球詰まりなどのトラブルに対応するようにしてある。この開閉蓋104は、係合片104aの途中に横U字状に一体成型した弾性摘み104bを設け、その弾性摘み104bの弾性でカバー103と係合片104aを係合させ、また、弾性摘み104bを摘むことによってカバー103と係合片104aの係合を解除するようにしたものである。
【0040】
【機構板−その他】
その他、機構板4には図2に示したように制御装置39と、図27に示したように主としてこの制御装置39のリード線105を通すための配線通路38などが設けられている。制御装置39の取付構造は、前記球タンク60と同一方式であって、図2に示したように一方の側縁に取付片106aを突設し、該取付片106aを機構板4側の固定ポケット67に嵌め、他方の取付片106bをビス107で機構板4に固定するようにしたものである。このように部品の一方を機構板4の固定ポケット67に嵌めて拘束し、他方をビス止めして全体を固定する取付構造は、例えば図19に示したように機構板4のヒンジ金具7f,7fにも応用されているのであって、パチンコ部品の取付構造として汎用性がある。また、前記配線通路38は、図27に示したように機構板4の裏側、すなわち機構板4の遊技板3と接する側に設けられており、前記制御装置39の近傍に開口部108があってそこからリード線105が配線通路38内に導かれる。このリード線105の一部は前記したように機構板4の下側面に突設したコネクター37に接続されており、下部遊技板20dのコーナー部に設けた配線開口36を介してスピーカ32などと接続される。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明の遊技機によれば合成樹脂製の前枠の剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ機の正面図である。
【図2】 パチンコ機の裏面図である。
【図3】 前枠の前面斜視図である。
【図4】 前枠の背面斜視図である。
【図5】 前枠の下部遊技板を示す斜視図である。
【図6】 樋カバーを外して示す下部遊技板の斜視図である。
【図7】 操作ハンドル部分を示す分解斜視図である。
【図8】 発射装置部分を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図9】 前面板部分を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図10】 下部遊技板部分を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図11】 非ヒンジ側の前側コーナー部分を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図12】 球タンクを示す機構板の断面図である。
【図13】 球タンクを示す機構板の部分斜視図である。
【図14】 球タンクを示す機構板の部分斜視図である。
【図15】 機構板の上部を示す裏面図である。
【図16】 球タンク部分を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図17】 カーブ樋ユニットの透視斜視図である。
【図18】 カーブ樋ユニットを示す断面図である。
【図19】 球抜き装置を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図20】 図18のA−A線断面図である。
【図21】 図19のB−B線断面図である。
【図22】 球抜き装置を示すカーブ樋ユニットの断面図である。
【図23】 図22のZ矢示図である。
【図24】 景品球排出樋の終端部分を示す断面図である。
【図25】 入賞球処理装置を示す断面図である。
【図26】 図25のC−C線断面図である。
【図27】 機構板の下部を示す裏面図である。
【図28】 アウト球口部分を示すパチンコ機の部分断面図である。
【図29】 通路側板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 …外枠
2 …前枠
2a…テーパ面
3 …遊技板
3z…遊技領域
10…補強リブ
11…ガラス扉枠(扉枠)
11a…樹脂枠
11b…金属板
11c…ガラスホルダー
11d…ガラス板(ガラス)
11e…フレーム
11x…ガラスユニット
Claims (1)
- 枠状に形成され、一側上下部にヒンジが設けられた外枠と、
その外枠のヒンジに対応して一側上下部にヒンジが設けられ、これらヒンジにより前記外枠の前面に開放可能な状態で取り付けられた合成樹脂製の前枠と、
その前枠に取り付けられると共に入賞装置や障害釘等が設けられる遊技領域が前面に形成された遊技板と、
その遊技板の遊技領域を視認可能に開口形成された合成樹脂製の樹脂枠と、
その樹脂枠の裏面に設けられる金属板とを重ねた二重構造を有して前記前枠の前面に開閉可能なように取り付けた扉枠と、
その扉枠に支えられるものであって前記樹脂枠と同系色の合成樹脂製のフレームにより二枚のガラスを一体化したガラスユニットとを備え、
前記前枠の非ヒンジ側の側端面に、前記外枠に向かって内寄りに傾く勾配のテーパ面を有し、前側に突出する板状の補強リブを設けると共に、
前記樹脂枠の端部には、前記補強リブの内側に並ぶ側片を突設し、
その樹脂枠の側片の内側に前記金属板を配置し、
その金属板の内側に前記ガラスユニットを支えるガラスホルダーを設け、
そのガラスホルダーによって前記ガラスユニットが固定された前記扉枠が前記前枠に対して閉じられた状態において、前記補強リブの内側に前記樹脂枠の側片が並び、さらにその内側に前記金属板が位置する配置にしたことを特徴とする遊技機。
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