JP4262762B2 - 電磁界解析プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、有限差分時間領域法を用いた電磁界解析に関する。
電子機器から放射される電磁波のシミュレーション方法として、非特許文献1には様々な手法が提案されている。
たとえば、電磁界解析の1つの手法に有限差分時間領域法(以下、「FDTD(Finite Difference Time Domain)法」と呼ぶ)がある。FDTD法は、解析領域を格子(セル)で分割し、格子点に未知電磁界を配置するものである。
図33は、FDTD法のセル構造を示す図である。図33に示すように、FDTD法では、未知電界Eを配置する格子と未知磁界Hを配置する格子とを、格子の半分の幅だけずらすYee格子という構造により解析が行なわれる。FDTD法は、これらの未知電界および磁界と、隣接する未知磁界および電界との間に働く関係式をマクスウェルの電磁界方程式を差分化することによって導き、それらに基づき未知電界および磁界をあるタイムステップを単位に更新していくことで全体の電磁界挙動を求める解析手法である。この解析手法に従えば、あるタイムステップで電界を更新し、1/2タイムステップ後に磁界を更新し、1タイムステップ後に電界を更新するということを繰り返して、電界および磁界を交互に求めることができる。ただし、タイムステップの刻み幅は、セルのサイズに対してCourant安定条件を満たす必要がある。
このようにしてFDTD法は、解析空間に含まれる構造の形状を正確に表現するのに少なくとも必要なセルの大きさを示す構造の微細度と、要求される電磁界解析に必要な精度とに応じたセルサイズを選択してモデル化することにより、解析空間内にどのような構造を含む場合においても解析を適用可能な解析方法である。しかしながら、解析空間の一部に他の部分と比較して非常に微細な構造を含む場合、解析領域すべてを微細な構造を表現できるだけの小さなセルを用いて解析モデルを生成すると、非常に多くの電磁界変数間の差分更新式を非常に小さなタイムステップを用いて解析することになる。このため、解析に必要な計算リソースが非常に大きくなり、また解析時間も非常に長くなる。
これに対し、非特許文献1で紹介しているサブグリッド法では、解析領域を分割してそれらを異なるセルサイズによってモデル化する。そして、境界部では補間を用いて接続して双方向で与える影響を伝えながら同時に計算を進めることで、効率的に電磁界解析を行なう。ただし、境界部付近では解析が不安定となるため、長時間にわたり安定的に解析を行なうことが難しいという問題がある。
そこで、特許文献1で提案されているFDTD−MAS(Finite Difference Time Domain with Multiple-Analysis-Space)法では、全体の解析領域のうち微小な構造を含み放射源となる部分を囲む閉曲面(以下、「変換面」と呼ぶ)を考える。ここでは、変換面内部を内部解析空間(以下、「IAS(Internal Analysis Space)」と呼ぶ)とし、IASを含む一様な媒質によって満たされる部分を外部解析空間(以下、「EAS(External Analysis Space)」と呼ぶ)とする。そして、IASについては小さいセルを用いてモデル化し、EASでは大きいセルを用いてモデル化する。
FDTD−MAS法では、まず、IAS部分について、境界条件としてEASと同様な一様な媒質が周囲に満たされているものとして解析を行いIASの変換面上での放射電磁界を保存する。続いて、保存した変換面上の放射電磁界を波源としてEAS部分の解析を行なう。EASの計算は、IASの計算と独立して行なうため、長時間にわたり安定的な解析が実行できる。
特開2004−38774号公報 「FDTD法による電磁界およびアンテナ解析」、宇野亨、コロナ社、第1版、1998年。
しかしながら、特許文献1で提案されているFDTD−MAS法では、IAS以外のEASに、一様な媒質のほかに追加の構造や追加の波源を置いて解析することはできない。なぜなら、IASの解析においてIAS外部には波源は存在せず、EASと同様な一様な媒質で満たされているという仮定を元に計算を実行しているためである。つまり、EAS計算時に追加の構造や波源を加えるとEAS上の追加の構造部分での散乱や外部波源の影響で、変換面には仮定とは異なる電磁波が到達することになる。FDTD−MAS法の変換面はIAS計算時の仮定とは異なる電磁波成分に対しては完全反射体として振舞うため、理論的に正しい解析が行なえない。
そのため、FDTD−MAS法は、アンテナ放射の解析などに適用することはできるが、より一般的な電磁界解析については適用することは困難である。たとえば、精密機器において基板を放射源として見立てて詳細な解析をし、筐体などを散乱体としてその外部に配置し、さらにその外部に生じる電磁界分布を解析によって求める場合などには適用できない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、効率的な電磁界解析を行なう電磁界解析プログラムを提供することである。
本発明の第1の局面に従うと、演算処理部を有するコンピュータに電磁界解析を実行させるための電磁界解析プログラムであって、演算処理部は、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上、および閉曲面外部の近傍における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析ステップと、演算処理部は、第1の解析空間を含む第2の解析空間を第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上の第2の電磁界分布と、閉曲面外部における第3の電磁界分布を求める第2の電磁界解析ステップとを備え、第2の電磁界解析ステップは、閉曲面内部および閉曲面上では、閉曲面外部の近傍における第3の電磁界分布と第1の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第2の電磁界分布を求め、閉曲面外部については、閉曲面上の、第1の電磁界分布と第2の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求める。
本発明の第2の局面に従うと、演算処理部を有するコンピュータに電磁界解析を実行させるための電磁界解析プログラムであって、演算処理部は、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析ステップと、演算処理部は、第1の解析空間を含む第2の解析空間を第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して、閉曲面外部の近傍における第2の電磁界分布を求める第2の電磁界解析ステップと、演算処理部は、第1の解析空間を含む第3の解析空間を第2のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第3の電磁界分布と、閉曲面外部における第4の電磁界分布を求める第3の電磁界解析ステップを備え、第3の電磁界解析ステップは、閉曲面内部および閉曲面上では、閉曲面外部の近傍における第4の電磁界分布と第2の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求め、閉曲面外部については、閉曲面上の、第1の電磁界分布と第3の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第4の電磁界分布を求める。
本発明の第1および第2の局面ついて、好ましくは、第1の電磁界解析ステップは、閉曲面の外側には構造物がないと仮定して電磁界解析を行なう。
本発明の第2の局面ついて、好ましくは、第2の電磁界解析ステップは、閉曲面の外側には構造物がないと仮定して電磁界解析を行なう。
本発明の第1の局面ついて、好ましくは、第2の電磁界解析ステップは、閉曲面の外側には構造物があると仮定して電磁界解析を行なう。
本発明の第2の局面ついて、好ましくは、第3の電磁界解析ステップは、閉曲面の外側には構造物があると仮定して電磁界解析を行なう。
本発明の第1の局面ついて、好ましくは、コンピュータは記憶部を有し、第1の電磁界解析ステップは、第1の解析空間において電界値を求めるステップと、閉曲面上の電界値を出力するタイミングを判定するステップと、電界値を出力するタイミングを判定するステップの判定結果に基づき、第1のセルサイズで分割された第1のセルにおいて割り当てられた電界変数のうち、第2のセルサイズで分割された第2のセルにおいて割り当てられた電界変数に対応する電界変数の電界値を記憶部に書き込むステップと、第1の解析空間において磁界値を求めるステップと、閉曲面外部の近傍の磁界値を出力するタイミングを判定するステップと、磁界値を出力するタイミングを判定するステップの判定結果に基づき、第1のセルにおいて割り当てられた磁界変数のうち、第2のセルにおいて割り当てられた磁界変数に対応する磁界変数の磁界値を記憶部に書き込むステップとを含み、第2の電磁界解析ステップは、閉曲面外部の電界値を求めるステップと、記憶部に書き込まれた磁界値を閉曲面外部の近傍の第1の電磁界分布として読み込むステップと、閉曲面内部および閉曲面上の電界値を、読み込んだ磁界値と閉曲面外部の近傍の磁界値とに基づいて求めるステップと、閉曲面内部の磁界値を求めるステップと、記憶部に書き込まれた電界値を閉曲面上の第1の電磁界分布として読み込むステップと、閉曲面外部の磁界値を、読み込んだ電界値と閉曲面上の電界値とに基づいて求めるステップとを含む。
本発明の第2の局面ついて、好ましくは、コンピュータは記憶部を有し、第1の電磁界解析ステップは、第1の解析空間において電界値を求めるステップと、閉曲面上の電界値を出力するタイミングを判定するステップと、電界値を出力するタイミングを判定するステップの判定結果に基づき、第1のセルサイズで分割された第1のセルにおいて割り当てられた電界変数のうち、第2のセルサイズで分割された第2のセルにおいて割り当てられた電界変数に対応する電界変数の電界値を記憶部に書き込むステップと、第1の解析空間において磁界値を求めるステップとを含み、第2の電磁界解析ステップは、第2の解析空間において電界値を求めるステップと、記憶部に書き込まれた電界値を閉曲面上の第1の電磁界分布として読み込み第2の電磁界分布として上書きするステップと、第2の解析空間において磁界値を求めるステップと、閉曲面外部の近傍の磁界値を出力するタイミングを判定するステップと、閉曲面外部の近傍の磁界値を出力するタイミングを判定するステップの判定結果に基づき、閉曲面外部の近傍の磁界変数の磁界値を記憶部に書き込むステップとを含み、第3の電磁界解析ステップは、閉曲面外部の電界値を求めるステップと、記憶部に書き込まれた磁界値を閉曲面外部の近傍の第2の電磁界分布として読み込むステップと、閉曲面内部および閉曲面上の電界値を、読み込んだ磁界値と閉曲面外部の近傍の磁界値とに基づいて求めるステップと、閉曲面内部の磁界値を求めるステップと、記憶部に書き込まれた電界値を閉曲面上の第1の電磁界分布として読み込むステップと、閉曲面外部の磁界値を、読み込んだ電界値と閉曲面上の電界値とに基づいて求めるステップとを含む。
本発明の第1および第2の局面ついて、好ましくは、電磁界解析は有限差分時間領域法を用いる。
本発明の他の局面に従うと、上記第1の局面における電磁界解析プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明の他の局面に従うと、上記第2の局面における電磁界解析プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明の第1の局面に対応する電磁界解析装置であって、電磁界解析を行なう電磁界解析手段を備え、電磁界解析手段は、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上、および閉曲面外部の近傍における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析手段と、第1の解析空間を含む第2の解析空間を第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第2の電磁界分布および閉曲面外部における第3の電磁界分布を求める第2の電磁界解析手段とを含み、第2の電磁界解析手段は、閉曲面内部および閉曲面上については、閉曲面外部の近傍の第3の電磁界分布と第1の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第2の電磁界分布を求め、閉曲面外部については、閉曲面上の第1の電磁界分布と第2の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求める。
本発明の第2の局面に対応する電磁界解析装置であって、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析手段と、第1の解析空間を含む第2の解析空間を第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して閉曲面外部の近傍における第2の電磁界分布を求める第2の電磁界解析手段と、第1の解析空間を含む第3の解析空間を第2のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第3の電磁界分布および閉曲面外部における第4の電磁界分布を求める第3の電磁界解析手段とを備え、第3の電磁界解析手段は、閉曲面内部および閉曲面上については、閉曲面外部の近傍の第4の電磁界分布と第2の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求め、閉曲面外部については、閉曲面上の第1の電磁界分布と第3の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第4の電磁界分布を求める。
本発明の第1の局面に対応する、演算処理部を有するコンピュータに電磁界解析を実行させるための電磁界解析方法であって、演算処理部が、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上、および閉曲面外部の近傍における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析ステップと、演算処理部が、第1の解析空間を含む第2の解析空間を第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上の第2の電磁界分布と、閉曲面外部における第3の電磁界分布を求める第2の電磁界解析ステップとを備え、第2の電磁界解析ステップは、閉曲面内部および閉曲面上では、閉曲面外部の近傍における第3の電磁界分布と第1の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第2の電磁界分布を求め、閉曲面外部については、閉曲面上の、第1の電磁界分布と第2の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求める。
本発明の第2の局面に対応する、演算処理部を有するコンピュータに電磁界解析を実行させるための電磁界解析方法であって、演算処理部が、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析ステップと、演算処理部が、第1の解析空間を含む第2の解析空間を第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して、閉曲面外部の近傍における第2の電磁界分布を求める第2の電磁界解析ステップと、演算処理部が、第1の解析空間を含む第3の解析空間を第2のセルサイズで分割して、閉曲面内部、閉曲面上における第3の電磁界分布と、閉曲面外部における第4の電磁界分布を求める第3の電磁界解析ステップを備え、第3の電磁界解析ステップは、閉曲面内部および閉曲面上では、閉曲面外部の近傍における第4の電磁界分布と第2の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求め、閉曲面外部については、閉曲面上の、第1の電磁界分布と第3の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第4の電磁界分布を求める。
本発明によれば、効率的に電磁界解析を行なうことができる。これにより、全体の解析領域のうち微小な構造を含み放射源となる部分を囲む閉曲面の外部に追加の構造や波源、別のIAS領域をおいても正確に解析を行なうことが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の概要について述べる。
(本発明の概要)
特許文献1で提案されるFDTD−MAS法においては、IAS解析では、全体の解析領域のうち微小な構造を含み放射源となる部分を囲む閉曲面(変換面)の外部は一様な媒質が周囲に満たされているものとして、変換面上の電磁界分布(電磁界値)u0を求める。そして、EAS解析では、IASを含む一様な媒質によって満たされるとして全空間を解析するが、この際、変換面上及び変換面外部の電磁界値uをIAS解析で求めた変換面上の電磁界値u0に上書きする処理を行なっていた。
FDTD−MAS法では、IAS解析とEAS解析とにおいて、変換面外部に構造物などを置かないとして同一条件で解析するため、変換面外部の電磁界値uはu0と等しいと考えることができる。このため、IAS解析の結果をそのままEAS解析で利用して変換面外部の電磁界値を正確に求めることができた。その一方で、EAS解析において求めた変換面内部の電磁界値については利用価値のない値が計算されるにとどまっていた。また、FDTD−MAS法では、IAS解析とEAS解析を同一条件で行なうため、変換面外部に構造や波源を追加して解析すると正しい解析結果が得られない。
これに対し、本発明に係る電磁界解析方法では、IAS解析とEAS解析とでは異なる条件で解析を行なう。
IAS解析では、FDTD−MAS法と同様に、変換面外部には構造物などを置かないと仮定して、変換面内部、変換面上、変換面外部の近傍における電磁界分布u0を求める。
そして、EAS解析では、変換面外部と変換面内部とに領域を分割して、IAS解析の際に用いた境界条件とは異なる境界条件で解析する。そして、変換面外部と変換面内部との2つの解析を行なう際に各時刻で変換面上の電磁界値を交換することで、連携させて解析を実行する。
さらに、本発明に係る電磁界解析方法において、IAS解析の後、変換面外部は一様な媒質が周囲に満たされているものとして通常のFDTD−MAS法により解析を行い、変換面外部は一様な媒質が周囲に満たされているものとした場合でのIAS解析の結果得られた変換面上の電磁界分布により生じる変換面外部の近傍の電磁界分布をEAS解析のセルサイズにおいて精密に求める手順を追加する場合は、より計算精度を高めることができる。
[各実施の形態の発明に共通する説明]
図1は、本発明に係る電磁界解析方法において、変換面内部と変換面外部との処理を説明するための図である。
図1を参照して、EAS解析における変換面内部と変換面外部との処理について説明する。変換面内部については、IAS解析の際に用いた境界条件と異なる条件、つまり変換面外部に構造物などがあるとしてEAS解析を行なった影響によって変換面最近傍の電磁界分布に生じた誤差成分を波源とした誤差分布(電磁界値)eを計算する。ここで、誤差分布eは、変換面外部の電磁界分布uからIAS解析によって求めた変換面上の電磁界分布u0を引いたものとする。
さらに、変換面外部の領域については、変換面外部の全電磁界分布uを計算する。ここで、変換面外部の電磁界分布uは、IAS解析によって求めた変換面上の電磁界分布u0に、変換面内部の領域における誤差が変換面上に作る電磁界値eを加えたものとする。
以上のような処理により、EAS解析において、変換面外部に追加の構造や波源、別のIAS領域をおいても正確に解析を行なうことが可能になる。
(1. 本発明のシステム構成)
図2は、本発明に係る電磁界解析プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す概念図である。
図2を参照して、電磁界解析プログラムを実行するコンピュータ100について説明する。
コンピュータ100は、コンピュータ本体102と、コンピュータ本体102に接続された表示装置としてのディスプレイ104と、同じくコンピュータ本体102に接続された入力装置としてのキーボード110およびマウス112とを備える。
コンピュータ本体102は、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)118等の光ディスク上の情報を読み込むための光ディスクドライブ108およびフレキシブルディスク(Flexible Disk、以下「FD」と呼ぶ)116に情報を読み書きするためのFDドライブ106に加えて、それぞれバス105に接続されたCPU(Central Processing Unit)120と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ122と、直接アクセスメモリ装置、たとえば、ハードディスク124と、外部とデータの授受を行なうための通信インターフェイス128とを含む。光ディスクドライブ108にはCD−ROM118などの光ディスクが装着される。FDドライブ106にはFD116が装着される。
ハードディスク124内には、解析領域をセル分割する際のセルサイズ、電界、磁界変数の存在位置での媒質情報および時間刻み幅などを示す解析条件130、電磁界解析(FDTD法)を実行するプログラム131などが格納される。ここで、たとえば、解析条件130は、通信インターフェイス128を介して、外部のデータベースから供給されてもよい。また、電磁界解析を実行するプログラムは、FD116、またはCD−ROM118等の記録媒体によって供給されてもよいし、他のコンピュータにより通信回線を経由して供給されてもよい。また、電磁界解析の実行は、通信インターフェイス128を介して、外部のコンピュータに実行させ、その結果をハードディスク124に格納させてもよい。
また、記憶装置、たとえば、ハードディスク124の記憶領域には、IAS解析において電界値および磁界値を保存するためのIAS電界ファイル132およびIAS磁界ファイル133、EAS解析において電界値および磁界値を保存するためのEAS電界ファイル134およびEAS磁界ファイル135が設けられる。
演算処理装置として機能するCPU120は、メモリ122をワーキングメモリとして、電磁界解析を実行するプログラム131に対応した処理を実行する。
CD−ROM118は、コンピュータ本体に対してインストールされるプログラム等の情報を記録可能な媒体であれば、他の媒体、たとえば、DVD−ROM(Digital Versatile Disc)やメモリーカードなどでもよく、その場合は、コンピュータ本体102には、これらの媒体を読み取ることが可能なドライブ装置が設けられる。
電磁界解析を実行するプログラム131は、上述の通り、CPU120により実行されるソフトウェアである。一般的に、こうしたソフトウェアは、CD−ROM118、FD116等の記録媒体に格納されて流通し、光ディスクドライブ108またはFDドライブ106等により記録媒体から読み取られてハードディスク124に一旦格納される。または、コンピュータ100がネットワークに接続されている場合には、ネットワーク上のサーバから一旦ハードディスク124にコピーされる。そうしてさらにハードディスク124からメモリ122中のRAMに読み出されてCPU120により実行される。なお、ネットワーク接続されている場合には、ハードディスク124に格納することなくRAMに直接ロードして実行するようにしてもよい。
図2に示したコンピュータのハードウェア自体およびその動作原理は一般的なものである。したがって、本発明の機能を実現するに当り本質的な部分は、FD116、CD−ROM118、ハードディスク124等の記録媒体に記憶されたソフトウェアである。
なお、一般的傾向として、コンピュータのオペレーティングシステムの一部として様々なプログラムモジュールを用意しておき、アプリケーションプログラムはこれらモジュールを所定の配列で必要なときに呼び出して処理を進める方式が一般的である。そうした場合、当該ソフトウェア自体にはそうしたモジュールは含まれず、当該コンピュータでオペレーティングシステムと協働してはじめて電磁界解析が可能になる。しかし、一般的なプラットフォームを使用する限り、そうしたモジュールを含ませたソフトウェアを流通させる必要はなく、それらモジュールを含まないソフトウェア自体およびそれらソフトウェアを記録した記録媒体(およびそれらソフトウェアがネットワーク上を流通する場合のデータ信号)が実施の形態を構成すると考えることができる。
(2. 実施の形態に係る電磁界解析方法の理論)
(2.1 FDTD法)
実施の形態に係る電磁界解析方法の説明に先立って、FDTD法について簡単に説明する。
FDTD法は、マクスウェルの電磁界方程式を差分化することによって数値計算する方法である。まず、解析領域を格子で分割し、格子の各辺の中心に電界、各面の中心に磁界を配置する、いわゆるYee格子という構造を取る。そして、マクスウェルの方程式を差分化すると、電界・磁界は、空間的に半セル、時間的に半タイムステップずらした位置に配置される。ここで、求めたい未知電界、未知磁界と隣接する1タイムステップ前の既知電界、既知磁界の間に働く関係式を電磁気学に基づくマクスウェル方程式から導くと次の式(1)および式(2)のようになる。
Figure 0004262762
なお、式中で太字は、当該変数がベクトルであることを示す。
式(1)はnタイムステップの電界E(ベクトル)、式(2)は(n+1/2)タイムステップの磁界H(ベクトル)についての関係式である。ただし、Δtem,μ,ε,σは、それぞれ、タイムステップの刻み幅、透磁率、誘電率、導電率とする。
これらをもとに未知電界、未知磁界をあるタイムステップを単位に更新していくことで、解析領域全体の電磁界挙動を時間領域で求めることができる。
ただし、電界変数Ex,Ey,Ez、磁界変数Hx,Hy,Hzは、図33で示すように異なる位置に配置されるため、式(1)、式(2)は、実際の計算では、それぞれ以下の式のように各変数の添え字(i,j,k)に対応する位置ごとに、対応する方向成分のみの計算が行なわれる。なお、式(1)は、式(3)、式(4)、式(5)のように、式(2)は、式(6)、式(7)、式(8)のように計算される。
Figure 0004262762
このような処理によりFDTD法の計算は行なわれるため、各電磁界変数計算において、特別に非線形を持つ計算を行なわない限り、FDTD法で得られる電磁界分布は線形性を持つ。
また、FDTD法におけるタイムステップの刻み幅Δtemは、セルのサイズに対し、次の式(9)に示すCourant安定条件を満たす必要がある。
Figure 0004262762
ただし、cは光速、Δx,Δy,Δzはセルの各辺の長さを示す。
タイムステップの刻み幅Δtemが式(9)を満たさない場合は、算出された値が発散されてしまうことが一般に知られている。
このように、FDTD法では解析領域内の未知電界、未知磁界を陽解法により逐次的に計算することで解析空間の時間領域電磁界応答を解析できる。
(2.2 解析空間)
ここでは、実施の形態に係る電磁界解析における解析空間について説明する。
図3は、解析空間の一例を示す図である。
図3を参照して、全体解析領域内には3つの波源Soがあり、波源Soの周囲には詳細なセルサイズで解析されるべき領域に属する構造物Sd(以下、「微細な構造物Sd」と呼ぶ)が存在している。さらにその周辺には粗いセルサイズで解析されるべき領域に属する構造物Ss(以下、「粗い構造物Ss」と呼ぶ)が存在している。粗い構造物Ssの周囲は、構造物の存在しない空間Svが存在する。このような想定は、波源SoをLSI(Large Scale Integration)、微細な構造物Sdを回路基板、粗い構造物Ssをシールドケース・筐体として考えることができ、実際の精密機器製品によく合致する。
第1の実施の形態に係る電磁界解析は、このような全体解析領域において、n個(ただし、nは自然数)の波源Soおよび微細な構造物Sdを取り囲むような部分領域(IAS)でのみ詳細なメッシュを用いた解析(IAS解析)を行ない、IAS表面からの放射電磁界およびその外部の近傍での電磁界分布を記録する。そして、全体解析領域(EAS)ではより粗いメッシュを用いて解析(EAS解析)を行なうという2段階の解析を実行する。これにより、全体解析領域の電磁界分布を高速にかつ精度よく求める。
なお、後に第2の実施の形態で説明するような、より精度の良い電磁界解析は、このような全体解析領域において、n個(ただし、nは自然数)の波源Soおよび微細な構造物Sdを取り囲むような部分領域(IAS)でのみ詳細なメッシュを用いた解析(IAS解析)を行ない、IAS表面からの放射電磁界を記録する。そしてn個の部分領域それぞれについて、全体解析領域(EAS)と同一のより粗いメッシュを用いて、FDTD−MAS法によりIAS解析により計算したIASからの放射電磁界によりIAS外部の近傍における電磁界分布を計算する(精度改善のための追加解析)。そして、全体解析領域(EAS)ではIAS解析と精度改善のための追加解析により求めた、各IASからの放射電磁界とその外部の近傍における電磁界分布を用いてEAS解析を行なうという3段階の解析を実行する。これにより、全体解析領域の電磁界分布を高速にかつより精度よく求める。
以下の説明では、図3に示す解析空間において電磁界解析するものとして説明する。
(2.3 用語の定義)
ここでは、変換面および変換面を設定した場合の電界セル、変数について定義する。
変換面とは、全体の解析領域のうち微小な構造を含み放射源となる部分を囲む閉曲面のことをいう。たとえば、図3では、変換面は、波源Soおよびその近傍に存在する微細な構造物Sdを取り囲むような閉曲面をいう。なお、変換面は、EASの電界セルの面で構成される。ここで、電界セルとは各辺上に電界変数が割り当てられたセルのことをいう。また、EASが変換面を複数含む場合、変換面同士は接触しないものとする。
このように、全体解析領域において、n個の波源Soおよび微細な構造物Sdに対して変換面i(1≦i≦n)をそれぞれ設定した場合、EASの電界セルは、変換面内部に存在するグループと、変換面外部に存在するグループの2つに分類することができる。変換面内部に存在するグループに属する電界セルを「変換面iにおける変換面内部電界セル」、変換面外部に存在するグループに属する電界セルを「変換面iにおける変換面外部電界セル」と呼ぶ。
また、すべての電界変数のうち、自電界変数を含む4つの電界セルの少なくとも1つが変換面iにおける変換面内部電界セルである電界変数を、「変換面iにおける変換面内部電界変数」と呼ぶ。また、すべての磁界変数のうち、自磁界変数を含む2つの電界セルの少なくとも1つが変換面iにおける変換面内部電界セルである磁界変数を、「変換面iにおける変換面内部磁界変数」と呼ぶ。
また、すべての電界変数のうち、変換面iにおける変換面内部電界変数でない電界変数を、「変換面iにおける変換面外部電界変数」と呼ぶ。また、すべての磁界変数のうち、変換面iにおける変換面内部磁界変数でない磁界変数を、「変換面iにおける変換面外部磁界変数」と呼ぶ。
また、変換面iにおける変換面内部電界変数のうち、自電界変数の最近傍に存在する4つの磁界変数のうち少なくとも1つが変換面iにおける変換面外部磁界変数であるような電界変数を、「変換面iにおける変換面上の電界変数」と呼ぶ。また、変換面iにおける変換面外部磁界変数のうち、自磁界変数の最近傍に存在する4つの電界変数のうち少なくとも1つが変換面iにおける変換面上の電界変数であるような磁界変数を、「変換面iにおける変換面近傍の磁界変数」と呼ぶ。なお、「変数の最近傍」とは、変数が、あるセルの面の中心に配置されている場合の、面の各辺のことをいう。
また、いくつかの変換面が存在する場合、すべての変換面について変換面外部電界変数となる電界変数を、「すべての変換面の外部電界変数」と呼ぶ。同様に、すべての変換面について変換面外部磁界変数となる磁界変数を、「すべての変換面の外部磁界変数」と呼ぶ。
以下に、上記の定義を簡単な具体例を用いて説明する。
図4は、電界セルにおける電界変数、磁界変数の配置を示す図である。
図4を参照して、電界セルにおける電界変数、磁界変数について説明する。なお、(i,j,k)は、解析空間における電界セルの位置を示すセルインデックスとする。
図4に示すように、電界E(x方向の電界Ex、y方向の電界Ey、z方向の電界Ez)は電界セルの辺に沿って白抜き矢印の向きに割り当てられる。磁界H(x方向の磁界Hx、y方向の磁界Hy、z方向の磁界Hz)は電界セルから半セル分ずれて、電界セルの面の中央に黒矢印の向きに割り当てられている。
図5は、変換面を示す図である。
図5を参照して、変換面、変換面内部電界セルおよび変換面外部電界セルについて説明する。ただし、以下の説明では、解析空間はセルインデックス(i,j,k)を用いて、0≦i≦15,0≦j≦15,0≦k≦15で示される範囲とする。
図5で示す直方体は、セルインデックス(i,j,k)が、{(i,j,k)|10≦i≦12,10≦j≦11,10≦k≦11}で示される電界セルから構成される直方体である。この直方体の表面を変換面とする。なお、以下の説明ではこの変換面に対する電界セル、変数について説明する。
この変換面における変換面内部電界セル(i,j,k)は、{(i,j,k)|10≦i≦12,10≦j≦11,10≦k≦11}で示される電界セルである。
また、この変換面における変換面外部電界セル(i,j,k)は、{(i,j,k)|0≦i≦9,13≦i≦15,0≦j≦9,12≦j≦15,0≦k≦9,12≦k≦15}で示される電界セルである。
図6は、図5で示す変換面における変換面内部電界変数Exを示す図である。
図6を参照して、x方向の変換面内部電界変数Ex(i,j,k)について説明する。
図5で示す変換面における、x方向の変換面内部電界変数Ex(i,j,k)は、{Ex(i,j,k)|10≦i≦12,10≦j≦12,10≦k≦12}で示される電界変数である。
図7は、図5で示す変換面における変換面内部電界変数Eyを示す図である。
図7を参照して、y方向の変換面内部電界変数Ey(i,j,k)について説明する。
図5で示す変換面における、y方向の変換面内部電界変数Ey(i,j,k)は、{Ey(i,j,k)|10≦i≦13,10≦j≦11,10≦k≦12}で示される電界変数である。
図8は、図5で示す変換面における変換面内部電界変数Ezを示す図である。
図8を参照して、z方向の変換面内部電界変数Ez(i,j,k)について説明する。
図5で示す変換面における、z方向の変換面内部電界変数Ez(i,j,k)は、{Ez(i,j,k)|10≦i≦13,10≦j≦12,10≦k≦11}で示される電界変数である。
また、図5に示す変換面における変換面外部電界変数は、解析空間における全電界変数のうち、上記に挙げた変換面内部電界変数以外の電界変数である。
図9は、図5で示す変換面における変換面内部磁界変数Hxを示す図である。
図9を参照して、x方向の変換面内部磁界変数Hx(i,j,k)について説明する。
図5で示す変換面における、x方向の変換面内部磁界変数Hx(i,j,k)は、{Hx(i,j,k)|10≦i≦13,10≦j≦11,10≦k≦11}で示される磁界変数である。
図10は、図5で示す変換面における変換面内部磁界変数Hyを示す図である。
図10を参照して、y方向の変換面内部磁界変数Hy(i,j,k)について説明する。
図5で示す変換面における、y方向の変換面内部磁界変数Hy(i,j,k)は、{Hy(i,j,k)|10≦i≦12,10≦j≦12,10≦k≦11}で示される磁界変数である。
図11は、図5で示す変換面における変換面内部磁界変数Hzを示す図である。
図11を参照して、z方向の変換面内部磁界変数Hz(i,j,k)について説明する。
図5で示す変換面における、z方向の変換面内部磁界変数Hz(i,j,k)は、{Hz(i,j,k)|10≦i≦12,10≦j≦11,10≦k≦12}で示される磁界変数である。
また、図5に示す変換面における変換面外部磁界変数は、解析空間における全磁界変数のうち、上記に挙げた変換面内部磁界変数以外の磁界変数である。
図12は、電界変数とその最近傍に存在する4つの磁界変数を示す図である。図12(a)は、x方向の電界変数Exの最近傍に存在する4つの磁界変数を示し、図12(b)は、y方向の電界変数Eyの最近傍に存在する4つの磁界変数を示し、図12(c)は、z方向の電界変数Ezの最近傍に存在する4つの磁界変数を示す。
図12を参照して、変換面上の電界変数について説明する。
変換面上の電界変数Exは、図6で示した変換面内部電界変数Ex(i,j,k)(ただし、10≦i≦12,10≦j≦12,10≦k≦12)のうち、図12(a)で示される最近傍の磁界Hy,Hzのいずれかが変換面外部磁界変数になるような電界変数である。そのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(10,10,10),(11,10,10),(12,10,10),
(10,10,11),(11,10,11),(12,10,11),
(10,10,12),(11,10,12),(12,10,12),
(10,11,10),(11,11,10),(12,11,10),
(10,11,12),(11,11,12),(12,11,12),
(10,12,10),(11,12,10),(12,12,10),
(10,12,11),(11,12,11),(12,12,11),
(10,12,12),(11,12,12),(12,12,12),
の24個が、図5で示した変換面における変換面上の電界変数Exとなる。つまり、図6で示した変換面内部電界変数Ex(i,j,k)のうち、インデックスが(10,11,11),(11,11,11),(12,11,11)以外のものが変換面上の電界変数Exとなる。
変換面上の電界変数Eyは、図7で示した変換面内部電界変数Ey(i,j,k)(ただし、10≦i≦13,10≦j≦11,10≦k≦12)のうち、図12(b)で示される最近傍の磁界Hx,Hzのいずれかが変換面外部磁界変数になるような電界変数である。そのインデックス(i,j,k)を列挙すると
(10,10,10),(11,10,10),(12,10,10),(13,10,10),
(10,10,11),(13,10,11),
(10,10,12),(11,10,12),(12,10,12),(13,10,12),
(10,11,10),(11,11,10),(12,11,10),(13,11,10),
(10,11,11),(13,11,11),
(10,11,12),(11,11,12),(12,11,12),(13,11,12),
の20個が、図5で示した変換面における変換面上の電界変数Eyとなる。つまり、図7で示した変換面内部電界変数Ey(i,j,k)のうち、インデックスが(11,10,11),(12,10,11),(11,11,11),(12,11,11)以外のものが変換面上の電界変数Eyとなる。
変換面上の電界変数Ezは、図8で示した変換面内部電界変数Ey(i,j,k)(ただし、10≦i≦13,10≦j≦12,10≦k≦11)のうち、図12(c)で示される最近傍の磁界Hx,Hyのいずれかが変換面外部磁界変数になるような電界変数である。そのインデックス(i,j,k)を列挙すると
(10,10,10),(11,10,10),(12,10,10),(13,10,10),
(10,10,11),(11,10,11),(12,10,11),(13,10,11),
(10,11,10),(13,11,10),
(10,11,11),(13,11,11),
(10,12,10),(11,12,10),(12,12,10),(13,12,10),
(10,12,11),(11,12,11),(12,12,11),(13,12,11),
の20個がこの変換面における変換面上の電界変数Ezとなる。つまり、図8で示した変換面内部電界変数Ez(i,j,k)のうち、インデックスが(11,11,10),(12,11,10),(11,11,11),(12,11,11)以外のものが変換面上の電界変数Ezとなる。
図13は、磁界変数とその最近傍に存在する4つの電界変数を示す図である。図13(a)は、x方向の磁界変数Hxの最近傍に存在する4つの電界変数を示し、図13(b)は、y方向の磁界変数Hyの最近傍に存在する4つの電界変数を示し、図13(c)は、z方向の磁界変数Hzの最近傍に存在する4つの電界変数を示す。
図13を参照して、変換面近傍の磁界変数について説明する。
図13(a)に示すように、変換面近傍の磁界変数Hxは、変換面外部磁界変数Hxのうち、変換面上の電界変数Eyの最近傍になる磁界変数および変換面上の電界変数Ezの最近傍になる磁界変数である。
図14は、図5で示す変換面における変換面近傍の磁界変数Hxを示す図である。
図14を参照して、変換面上の電界変数Eyの最近傍になる磁界変数Hxのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(10,10,9),(11,10,9),(12,10,9),(13,10,9),
(10,10,12),(11,10,12),(12,10,12),(13,10,12),
(10,11,9),(11,11,9),(12,11,9),(13,11,9),
(10,11,12),(11,11,12),(12,11,12),(13,11,12)
の16個である。また、変換面上の電界変数Ezの最近傍になる磁界変数Hxのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(10,9,10),(11,9,10),(12,9,10),(13,9,10),
(10,9,11),(11,9,11),(12,9,11),(13,9,11),
(10,12,10),(11,12,10),(12,12,10),(13,12,10),
(10,12,11),(11,12,11),(12,12,11),(13,12,11)
の16個である。つまり、上記磁界変数の合計32個が、図5で示した変換面における変換面近傍の磁界変数Hxとなる。
図13に戻って、図13(b)に示すように、変換面近傍の磁界変数Hyは、変換面外部磁界変数Hyのうち、変換面上の電界変数Exの最近傍になる磁界変数および変換面上の電界変数Ezの最近傍になる磁界変数である。
図15は、図5で示す変換面における変換面近傍の磁界変数Hyを示す図である。
図15を参照して、変換面上の電界変数Exの最近傍になる磁界変数Hyのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(10,10,9),(11,10,9),(12,10,9),
(10,10,12),(11,10,12),(12,10,12),
(10,11,9),(11,11,9),(12,11,9),
(10,11,12),(11,11,12),(12,11,12),
(10,12,9),(11,12,9),(12,12,9),
(10,12,12),(11,12,12),(12,12,12)
の18個である。また、変換面上の電界変数Ezの最近傍になる磁界変数Hyのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(9,10,10),(13,10,10),
(9,10,11),(13,10,11),
(9,11,10),(13,11,10),
(9,11,11),(13,11,11),
(9,12,10),(13,12,10),
(9,12,11),(13,12,11),
の12個である。つまり、上記磁界変数の合計30個が、図5で示した変換面における変換面近傍の磁界変数Hyとなる。
図13に戻って、図13(c)に示すように、変換面近傍の磁界変数Hzは、変換面外部磁界変数Hyのうち、変換面上の電界変数Exの最近傍になる磁界変数および変換面上の電界変数Eyの最近傍になる磁界変数である。
図16は、図5で示す変換面における変換面近傍の磁界変数Hzを示す図である。
図16を参照して、変換面上の電界変数Exの最近傍になる磁界変数Hzのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(10,9,10),(11,9,10),(12,9,10),
(10,9,11),(11,9,11),(12,9,11),
(10,9,12),(11,9,12),(12,9,12),
(10,12,10),(11,12,10),(12,12,10),
(10,12,11),(11,12,11),(12,12,11),
(10,12,12),(11,12,12),(12,12,12)
の18個である。また、変換面上の電界変数Eyの最近傍になる磁界変数Hyのインデックス(i,j,k)を列挙すると、
(9,10,10),(13,10,10),
(9,10,11),(13,10,11),
(9,10,12),(13,10,12),
(9,11,10),(13,11,10),
(9,11,11),(13,11,11),
(9,11,12),(13,11,12),
の12個である。つまり、上記磁界変数の合計30個が、図5で示した変換面における変換面近傍の磁界変数Hzとなる。
図14〜16で示した変換面近傍の磁界変数Hx,Hy,Hzは、最近傍に存在する4つの電界変数のうちの1つが変換面上の電界変数であった。変換面内部の電界セルが作る形状が単純な直方体ではなく、凸状や凹状の構造である場合は、最近傍に存在する4つの電界変数のうちの2つ以上が変換面上の電界変数となりうる。
図17は、最近傍に存在する電界変数のうち2つが変換面上の電界変数である、変換面近傍の磁界変数Hzの例を示す図である。
図17に示すように、変換面内部の電界セルが作る形状が凸状の場合、最近傍に存在する電界変数のうち2つが変換面上の電界変数である磁界変数Hzが存在する。
図18は、最近傍に存在する電界変数のうち3つが変換面上の電界変数である、変換面近傍の磁界変数Hzの例を示す図である。
図18に示すように、変換面内部の電界セルが作る形状が、直方体から、4面が変換面内部の電界セルと接している1つの電界セルを除いてできた凹状の構造である場合、最近傍に存在する電界変数のうち3つが変換面上の電界変数である磁界変数Hzが存在する。
図19は、最近傍に存在する電界変数のうち4つが変換面上の電界変数である、変換面近傍の磁界変数Hzの例を示す図である。
図19に示すように、変換面内部の電界セルが作る形状が、直方体から、5面が変換面内部の電界セルと接している1つの電界セルを除いてできた凹状の構造である場合、最近傍に存在する電界変数のうち4つが変換面上の電界変数である磁界変数Hzが存在する。
(2.4 解析モデル)
EAS解析、IAS解析、および精度改善のための追加解析で用いる解析モデルについて説明する。
図20は、EAS解析モデルを示す図である。
図20を参照して、図3で示される解析空間におけるEAS解析モデルについて説明する。EAS解析では、まず、EASにおけるFDTD解析のセルサイズ(EASセルサイズ)を、粗い構造物Ssの構造の微細度に基づいて決定する。
次に、EASの外部にはPML(Perfectly Matched Layer)などの吸収境界5を設定する。そして、決定したEASセルサイズを元にEAS内の構造をセルに分割し、EAS解析用のモデルを決定する。この際、微細な構造物Sdは、EASセルサイズでは十分な精度でモデル化することはできないため、各EASセルの媒質は内部に含まれる構造の媒質特性を平均したもので代用する。また、各波源Soに代わって、波源Soに与えられる波形関数を常にゼロ値を取る関数で置き換えた波源So’(符号10,11,12で示す)を配置する。そして、波源Soおよびその近傍に存在する微細な構造物Sdを取り囲むようないくつかの変換面1,2を設定する。
次に、IAS解析モデルについて説明する。IAS解析では、まず変換面内部に含まれる微細な構造物Sdの微細度に応じて係数Raを決定する。IAS解析を行なう際のIASセルは、EASセルを各x,y,z方向にRa個に分割したものを用いる。このときのIAS解析のタイムステップは、式(9)からEAS解析の1/Raになる。Raの値は、たとえば、ユーザが各変換面で独自に設定してもよいし、構造物の微細度とRaの値が予め対応付けられており、この対応付けに基づき自動的に設定されるようにしてもよい。
IAS解析空間では、変換面内部に波源So、微細な構造物Sdを配置する。また、変換面外部は、何もない空間として真空層及び吸収境界を配置する。
図21は、変換面1の電磁界を計算するためのIAS解析モデルを示す図である。
図21に示すように、変換面1の内部に、波源So(符号13)および微細な構造物Sd(符号16)を配置する。また、変換面1の外部は、構造物の存在しない空間Svとして真空層および吸収境界6を配置する。
図22は、変換面2の電磁界を計算するためのIAS解析モデルを示す図である。
図23は、IAS解析を説明するための図である。
図24は、IAS解析を説明するための、図23とは異なる図である。
図22に示すように、変換面2の内部に、2つ以上の波源So(符号14,15)および微細な構造物Sd(符号17)を配置する。また、変換面2の外部は、構造物の存在しない空間Svとして真空層および吸収境界7を配置する。
なお、図34は、後に、第2の実施の形態で説明するように、精度改善のための追加解析を行う場合の変換面1における追加解析モデルを示す図である。精度改善のための追加解析モデルは、セルとして、EAS解析と同一のサイズのものを用いる。そして、変換面外部に構造物の存在しない空間Svとして真空層および吸収境界7を配置する。精度改善のための追加解析では、FDTD−MAS法により解析を行うために、変換面内部に構造にいかなる構造を配置しても、変換面外部の計算には影響しない。よって特に変換面内部の構造については言及しない。
ここで、変換面2の内部には、2つ以上の波源Soが配置されている。この場合、図23、図24に示すように、各波源So(符号14,15)を順に選択し、選択した波源So以外を波源So’(符号11,12)に置き換える。このようにして、波源Soの数と同数のIAS解析モデルを生成し、そのモデルを用いてそれぞれの変換面から放射される電磁界を計算し、後述するEAS解析時に合成することも可能である。
(2.5 IAS解析)
IAS解析では、上記のIAS解析モデルを用いて、FDTD計算を行なう。この際、EAS上で定義された、EAS解析における変換面上の電界変数に対応する変換面上の電界変数の値を、EAS解析における電界計算時刻ごとに変換面上の電界ファイル(IAS電界ファイル132)に保存する。また、精度改善のための追加解析を行わない場合は、EAS上で定義された、EAS解析における変換面近傍の磁界変数に対応する変換面近傍の磁界変数の値をEAS解析における磁界計算時刻ごとに変換面近傍の磁界ファイル(IAS磁界ファイル133)に保存する。
ここで、IASセルとEASセルにおける、対応する変換面上の電界変数、変換面近傍の磁界変数および電界計算時刻と磁界計算時刻との関係について説明する。
上述したように、IASセルは、EASセルを各x,y,z方向にRa個に分割したものである。このときのIAS解析のタイムステップは、式(9)からEAS解析の1/Raである。
図25は、Ra=3としたときのIASセルとEASセルの電界・磁界変数の対応関係を示す図である。
図25では、EASセルの表面を変換面とし、EASセルをx,y,z方向に3個に分割したものをIASセルとする。また、白抜き矢印、黒矢印は、それぞれこれらのセルにおける電界変数、磁界変数を示す。
図25に示すように、Raが奇数の場合は、EASセルの変換面上の電界変数とIASの電界変数とが同位置に存在するものがある。また、EASセルの変換面近傍の磁界変数とIASの磁界変数とが同位置に存在するものがある。
図26は、Ra=3としたときのIAS解析とEAS解析における電界計算時刻・磁界計算時刻の関係を示す図である。
図26に示すように、Raが奇数の場合は、EAS解析での電界計算時刻・磁界計算時刻とIAS解析での電界計算時刻・磁界計算時刻とが同時刻に存在するものがある。
このように、Raが奇数である場合は、電界変数、磁界変数とも同位置・同時刻に存在するものがあるため、EASの変換面上の電界変数と同位置・同時刻に存在するIASの電界変数の値を変換面上の電界変数値として、EASの変換面近傍の磁界変数と同位置・同時刻に存在するIASの磁界変数の値を変換面近傍の磁界変数値としてそれぞれ保存する。
図27は、Ra=2としたときのIASセルとEASセルの電界・磁界変数の対応関係を示す図である。
図27では、EASセルの表面を変換面とし、EASセルをx,y,z方向に2個に分割したものをIASセルとする。また、白抜き矢印、黒矢印は、それぞれこれらのセルにおける電界変数、磁界変数を示す。
図27に示すように、Raが偶数の場合は、EASセルの変換面上の電界変数とIASの電界変数とは同位置に存在しない。また、EASセルの変換面近傍の磁界変数とIASの磁界変数とは同位置に存在しない。
図28は、Ra=2としたときのIAS解析とEAS解析における電界計算時刻・磁界計算時刻の関係を示す図である。
図28に示すように、Raが偶数の場合は、EAS解析とIAS解析とでは、同時刻に磁界変数が計算されない。
このように、Raが偶数である場合は、EAS解析とIAS解析とでは電界変数は同位置に存在せず、磁界変数は同位置・同時刻に存在しない。このため、変換面上の電界変数値として、IASセルにおける近傍の2つの電界変数値の平均を保存する。たとえば、電界変数20,21の平均値をEASセルにおける変換面上の電界変数30の値とする。
変換面近傍の磁界変数値として、IASセルにおける近傍の4つの磁界変数の平均を保存する。たとえば、磁界変数22,23,24,25の平均値を変換面近傍の磁界変数31の値として保存する。また、前後2つの時刻での磁界変数値の平均をEAS解析での磁界変数値とする。つまり、前の時刻において4つの近傍磁界値と、後の時刻において4つの近傍磁界値との計8つの値の平均値を変換面近傍の磁界変数値として保存する。
次に精度改善のための追加解析について説明する。
精度改善のための追加解析では、上記の精度改善のための追加解析モデルを用いて、FDTD−MAS法による解析計算を行なう。EAS解析における変換面近傍の磁界変数に1対1対応する変換面近傍の磁界変数の値をEAS解析における磁界計算時刻ごとに変換面近傍の磁界ファイル(IAS磁界ファイル133)に保存する。
(2.6 EAS解析)
次にEAS解析について説明する。
FDTD法における解析は、上記(2.1)節で説明したように線形性を持つ。このため、EAS解析において、IAS解析で用いた解析条件での波源の波形に、次式(10)で示す線形性を保つ変換を行なった場合、変換面上の電界変数の値は、変換面上の電界変数値を記憶するためのIAS電界ファイル132に保存された値に、式(10)で示す変換を施したものになる。また、変換面近傍の磁界変数の値は、変換面近傍磁界変数値を記憶するためのIAS磁界ファイル133に保存された値に、式(10)で示す変換を施したものになる。
f’(t)=αf(t−t0)…式(10)
ただし、tは現在の解析時刻、t0はEASにおけるタイムステップの非負整数倍となる値、αは任意の実数とする。なお、t−t0≦0となる場合、f’(t)=0とする。
また、同一変換面内における異なる波源が同時に誘起された場合、変換面上の電界変数値・変換面近傍の磁界変数値も同じく、それぞれ式(10)で示す変換後の変換面上の電界値・変換面近傍の磁界値の線形和で計算される。
このように各変換面で、IAS電界ファイル132、IAS磁界ファイル133に保存された値から線形な変換を行なって、変換面外部に構造物や波源などが存在しないと仮定した場合の変換面上の電界変数値u0、変換面近傍の磁界変数値u0が計算できる。
EAS解析では、図1で示したように、変換面外部電界変数・変換面外部磁界変数については、変換面外部にある構造物や波源を考慮して全電磁界分布(電磁界値)uを計算する。また、変換面内部電界変数・変換面内部磁界変数については、全電磁界分布uと、変換面外部に構造物や波源などが存在しないと仮定した場合の変換面上および近傍の電磁界分布u0との誤差分布eを計算する。
なお、変換面が複数ある場合、全ての変換面の外部電界変数、全ての変換面の外部磁界変数について全電磁界分布uを計算する。また、以下の説明では、ある変換面rについて、変換面外部に構造物や波源などが存在しないと仮定した場合の変換面内部、変換面上および近傍の電磁界分布をu0(r)、全電磁界分布uと電磁界分布u0(r)との誤差分布をe(r)と表記する。
以下に、計算方法について示す。
(初期状態)
初期状態(時刻t<0)においては、全ての電磁界変数の値について、u0(r)=u=e(r)=0とする。このとき、すべての変換面rについて電磁界分布u,u0(r),e(r)の間には、以下の式(11)で示される関係が成り立っている。
u=u0(r)+e(r)…式(11)
また、タイムステップΔt単位の時刻を表わす変数nをゼロに初期化する。
(電界計算)
時刻t=nΔtにおける電界値の計算を行なう。
まず、各変換面rの変換面内部電界変数について、変換面外部に構造物などがあるとしてEAS解析を行なった影響によって変換面最近傍の電磁界分布に生じた誤差成分を波源とした誤差分布e(r)の電界変数値En(e(r))を以下のようにして計算する。
電界変数値En(e(r))を計算するためには、式(3)等から分かるように、時刻t=(n−1/2)Δtにおける変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(e(r))、変換面内部の磁界変数値Hn-1/2(e(r))、時刻t=(n−1)Δtの変換面内部の電界変数値En-1(e(r))が必要となる。
ここで、直前の時刻t=(n−1/2)Δtとそれ以前において、上記の式(11)が成り立つと仮定する。式(11)が成立していると仮定しているため、変換面内部電界変数のうち、変換面上の電界変数以外の電界変数は、近傍の磁界全てが変換面内部に存在することから、通常のFDTD法により計算できる。変換面内部磁界変数についても同様のことがいえる。このため、時刻t=(n−1/2)Δtにおける変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(e(r))を求める必要がある。
いま、式(11)が成り立つと仮定しているため、時刻t=(n−1/2)Δtにおいて、変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(u)と、変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(u0(r))と、変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(e(r))との間に以下の式(12)が成り立つ。
n-1/2(u)=Hn-1/2(u0(r))+Hn-1/2(e(r))…式(12)
ここで、変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(u0(r))は、IAS解析で変換面近傍磁界値として保存されている値である。また、変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(u)は、EAS解析で、時刻t=(n−1/2)Δtにおいて計算された全電磁界分布uである。したがって、式(12)から導かれる以下の式(13)により変換面近傍の磁界変数値Hn-1/2(e(r))が計算できる。
n-1/2(e(r))=Hn-1/2(u)−Hn-1/2(u0(r))…式(13)
これにより、上述したように式(3)、式(4)、式(5)のようにしてEn(e(r))を計算する。
次に、すべての変換面外部電界変数については、変換面外部にある構造物や波源を考慮して電界変数値En(u)を計算する。これらの電界変数の最近傍にある磁界変数は、すべての変換面において変換面外部磁界変数になるため、直前の時刻t=(n−1/2)Δtにおいて変換面外部磁界変数値Hn-1/2(u)が定まっている。これらの値を用いて、式(3)、式(4)、式(5)のようにしてEn(u)を計算する。
以上のようにして計算を行なうと、時刻t=(n−1/2)Δtにおいて、式(11)が成立している場合には、時刻t=nΔtにおいても式(11)が成立する。
(磁界計算)
時刻t=(n+1/2)Δtにおける磁界値の計算を行なう。
まず、各変換面rの変換面内部磁界変数について、変換面外部に構造物などがあるとしてEAS解析を行なった影響によって変換面最近傍の電磁界分布に生じた誤差成分を波源とした誤差分布e(r)の磁界変数値Hn+1/2(e(r))を計算する。これらの磁界変数の最近傍にある電界変数は、すべての変換面において変換面内部電界変数になるため、直前の時刻t=nΔtにおいて変換面内部電界変数値En(e(r))が定まっている。これらの値を用いて、式(6)、式(7)、式(8)のようにしてHn+1/2(e(r))を計算する。
次に、すべての変換面外部磁界変数について、変換面外部にある構造物や波源を考慮した値である磁界変数値Hn+1/2(u)を計算する。磁界変数値Hn+1/2(u)を計算するためには、式(6)等から分かるように、時刻t=nΔtにおける変換面上の電界変数値En(u)、すべての変換面における変換面外部電界変数値En(u)、時刻t=(n−1/2)Δtのすべての変換面における変換面外部磁界変数値Hn-1/2(u)が必要となる。
ここで、直前の時刻t=nΔtとそれ以前において、上記の式(11)が成り立つと仮定する。式(11)が成立していると仮定しているため、変換面外部磁界変数のうち、変換面近傍の磁界変数以外の磁界変数は、近傍の電界すべてが変換面外部に存在することから、通常のFDTD法により計算できる。変換面外部電界変数についても同様のことがいえる。このため、時刻t=nΔtにおける変換面上の電界変数値En(u)を求める必要がある。
いま、式(11)が成り立つと仮定しているため、時刻t=nΔtにおいて、変換面上の電界変数値En(u0(r))と、変換面上の電界変数値En(e(r))と、変換面近上の電界変数値En(u)との間に以下の式(14)が成り立つ。
n(u)=En(u0(r))+En(e(r))…式(14)
ここで、変換面上の電界変数値En(u0(r))は、IAS解析で変換面上の電界値として保存されている値である。また、変換面上の電界変数値En(e(r))は、t=nΔtにおける電界計算で計算されている。したがって、式(14)から変換面上の電界変数値En(u)が計算できる。
これにより、上述したように式(6)、式(7)、式(8)のようにしてHn+1/2(u)を計算する。
以上のようにして計算を行なうと、時刻t=(n−1/2)Δtにおいて、式(11)が成立している場合には、時刻t=nΔtにおいても式(11)が成立する。
上記(電界計算)、(磁界計算)において、電界、磁界を算出する直前の時刻まで式(11)を満たすことが条件としてあげられていた。この場合、初期状態(t<0)において式(11)が成立し、直前の時刻まで式(11)が成立しているときは、次の時刻においても式(11)が成立することから、すべての時刻において式(11)は成立し、上記の手順により継続的にEAS解析を実行できるとがわかる。
上記で説明したEAS解析処理においては、それぞれの変換面rの変換面内部電界変数計算、すべての変換面の外部電界変数計算、それぞれの変換面rの変換面内部磁界変数計算、すべての変換面の外部磁界変数計算を別々に行なっていた。しかし、それぞれの電界変数、磁界変数はすべて重ならずに配置されるため、一括して計算を進めることも可能である。この場合、電界計算処理時には、まず全解析領域について通常のFDTD電界計算処理を行ない、その後、それぞれの変換面上の電界変数について変換面上電界補正計算を行なう。補正後の電界変数値E’は、以下の式(15)、式(16)、式(17)により計算される。
Figure 0004262762
ただし、式(15)、式(16)、式(17)中のHn-1/2 (i,j,k),Hn-1/2 (i,j,k),Hn-1/2 (i,j,k)は、(i,j,k)が変換面rの変換面近傍の磁界変数を表わすインデックスである場合には、変換面外部に構造物や波源などが存在しないと仮定したときの磁界変数値H(u0(r))、それ以外の場合は、ゼロとなる。
また、磁界計算処理時には、まず全解析領域について通常の磁界計算処理を行ない、その後、すべての変換面外部磁界変数およびいずれかの変換面の近傍磁界変数である磁界変数について、変換面近傍磁界補正計算を行なう。補正後の磁界変数値H’は以下の式(18)、式(19)、式(20)により計算される。
Figure 0004262762
ただし、式(18)、式(19)、式(20)中のEn (i,j,k),En (i,j,k),En (i,j,k)は、(i,j,k)が変換面rの変換面近傍の磁界変数を表わすインデックスである場合には、変換面外部に構造物や波源などが存在しないと仮定したときの電界変数値E(u0(r))、それ以外の場合は、ゼロとなる。
図29は、図20とは異なるEAS解析モデルを示す図である。
図29に示すように、図20で示すEAS上での粗い構造物Ssに開口部40が設けられている。この場合であっても、上述の方法によれば、図3で示す解析空間において解析したIAS解析の結果および精度改善のための追加解析の結果を利用できる。このため、再度IAS解析および精度改善のための追加解析を行なう必要がない。
上記の説明において、精度改善のための追加解析を行わない場合、EAS解析において、En(u0(r))とHn-1/2(u0(r))の間には、厳密な意味で式(3)−式(8)の関係が成り立っているわけではないため、式(3)−式(8)が厳密な意味で成り立っていることを前提とした本発明におけるEAS計算では誤差が生じる。そこで精度改善のための追加解析では、IAS解析により計算した変換面上の電界値を放射源として、外部に構造を配置せずにEASと同一のセルサイズにおいてFDTD−MAS法による解析を行うことで、IAS解析により計算した変換面上の電界値En(u0(r))と厳密な意味で式(3)−式(8)の関係が成り立つHn-1/2(u0(r))の値を計算することでより高い精度で解析を行うことができる。
(3.実施の形態に係る電磁界解析のコンピュータ100への実装)
[第1の実施の形態]
以上の発明である電磁界解析方法は、以下の手続によってコンピュータソフトウェアとして実装できる。以下ではまず精度改善のための追加解析を行わない場合について、その手続について第1の実施の形態としてまとめる。
図30は、IAS解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。
図30を参照して、IAS解析処理の流れについて説明する。なお、CPU120は、以下の処理を電磁界解析を実行するプログラム131に従って行なう。
ステップS1において、CPU120は、ハードディスク124から解析条件130を読み込み、IASセルとEASセルのセルサイズ比を示す係数Raを設定する。そして、IAS解析に関する解析条件に基づき次に挙げる1から3の初期化処理を行なう。
1.FDTD法の電界・磁界変数の係数初期化
式(1)、式(2)で示すようなFDTD法の電界、磁界変数の更新計算のための係数を、解析条件130に書き込まれた各電界、磁界変数の存在位置での媒質情報およびセルサイズ、タイムステップ幅などから計算する。
2.電界・磁界変数の初期値設定
各電界・磁界変数をゼロに初期化する。
3.タイムステップ単位での時刻を表わす変数nの初期化
nを初期値ゼロで初期化する。
次いで、ステップS3において、CPU120は、FDTD法の時刻nΔtにおける電界計算を各電界変数について行なう。
そして、ステップS5において、CPU120は、電界出力のタイミング判定を行なう。具体的には、変数nが係数Raの整数倍であるかどうかを判定する。たとえば、C言語で実装する場合は、判定式「n%Ra==0」(変数nを係数Raで割ったときの余りがゼロ)を用いる。この判定式が真であると判断した場合は(ステップS5において、YES)、CPU120はステップS7の処理を行なう。一方、この判定式が偽であると判断した場合は(ステップS5において、NO)、CPU120はステップS9の処理を行なう。
ステップS7において、CPU120は、変換面上の電界変数に対応する位置の電界変数値を計算によって求め、IAS電界ファイル132に書き込む。この際、係数Raが偶数ならば、変換面上の電界変数の近傍にある2つの電界値の平均値を書き込む。一方、係数Raが奇数ならば、同位置に存在する電界変数値を書き込む。
続いて、ステップS9において、CPU120は、FDTD法の時刻(n+1/2)Δtにおける磁界計算処理を各磁界変数について行なう。
そして、ステップS11において、CPU120は、磁界出力前処理のタイミング判定を行なう。たとえば、C言語で実装する場合は、判定式「(Ra%2==0)&&(n%Ra==Ra/2−1)」(係数Raを2で割ったときの余りがゼロかつ変数nを係数Raで割ったときの余りがRa/2−1)を用いる。この判定式が真であると判断した場合は(ステップS11において、YES)、CPU120はステップS19の処理を行なう。一方、この判定式が偽であると判断した場合は(ステップS11において、NO)、CPU120はステップS13の処理を行なう。
ステップS11において、CPU120は、磁界出力前処理を行なう。ここでは、該当時刻における変換面近傍の磁界変数に対応する位置の近傍の4つの磁界値の平均値を該当時刻における変換面近傍の磁界変数として、ハードディスク124に書き込む。そして、ステップS17の処理に進む。
ステップS13において、CPU120は、磁界出力のタイミング判定を行なう。たとえば、C言語で実装する場合は、判定式「n%Ra==Ra/2](変数nを係数Raで割ったときの余りがRa/2)を用いる。この判定式が真であると判断した場合は(ステップS13において、YES)、CPU120はステップS15の処理を行なう。一方、この判定式が偽であると判断した場合は(ステップS13において、NO)、CPU120はステップS17の処理を行なう。
ステップS15において、CPU120は、変換面近傍の磁界変数に対応する位置の磁界値を計算によって求め、IAS磁界ファイル133に書き込む。この際、係数Raが偶数ならば、該当時刻における変換面近傍の磁界変数に対応する位置の近傍の4つの磁界値の平均値を導出し、この値と、ステップS11でハードディスク124に書き込んだ、該当磁界変数に対応する位置の近傍の4つの磁界値の平均値を書き込む。一方、係数Raが奇数ならば、変換面近傍の磁界変数に対応する位置の磁界値を書き込む。
ステップS17において、CPU120は、変数nに1を加え、解析時刻を更新する。
次いで、ステップS21において、CPU120は、予め指定された解析終了条件情報に基づき解析終了判定を行なう。たとえば、解析条件130によって指定したステップ数Nと変数nとを比較し、n>Nとなった場合に終了と判定する。終了条件を満たさないと判断した場合は(ステップS21において、NO)、ステップS3の処理に戻る。一方、終了条件を満たすと判断した場合は(ステップS21において、YES)、処理を終了する。
以上のようにして、IAS解析を行なう。
図31は、EAS解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。
図31を参照して、EAS解析処理の流れについて説明する。なお、CPU120は、以下の処理を電磁界解析を実行するプログラム131に従って行なう。
ステップS30において、CPU120は、ハードディスク124から解析条件130を読み込み、EAS解析に関する解析条件に基づき次に挙げる4から6の初期化処理を行なう。
4.FDTD法の電界・磁界変数の係数初期化
式(1)、式(2)で示すようなFDTD法の電界、磁界変数の更新計算のための係数を、解析条件130に書き込まれた各電界、磁界変数の存在位置での媒質情報およびセルサイズ、タイムステップ幅などから計算する。
5.電界・磁界変数の初期値設定
各電界・磁界変数をゼロに初期化する。また、各変換面の変換面上の電界変数値、変換面近傍の磁界変数値をゼロに初期化する。
6.タイムステップ単位での時刻を表わす変数nの初期化
nを初期値ゼロで初期化する。
次いで、ステップS32において、CPU120は、FDTD法の時刻nΔtにおける電界計算処理を各電界変数について行なう。
そして、ステップS34において、CPU120は、それぞれの変換面の変換面上の電界変数について、式(15)、式(16)、式(17)のように変換面上電界補正計算を行なう。
続いて、ステップS36において、CPU120は、それぞれの変換面の変換面上の電界変数をすべて0に初期化する。次に、式(10)を用いて説明したように、それぞれの変換面の変換面上の電界変数について時刻t’=t−t0に対応する時刻における変換面上の電界変数をIAS電界ファイル132から読み込み、αを乗じた上で、EAS電界ファイル134に格納されている値に加算する。そして、その加算した結果をEAS電界ファイル134に書き込む。t<0となる場合は、ファイルから読み取った値の代わりにゼロを用いる。
そして、ステップS38において、CPU120は、FDTD法の時刻(n+1/2)Δtにおける磁界計算処理を各磁界変数について行なう。
次いで、ステップS40において、CPU120は、すべての変換面の外部磁界変数で、かつ、いずれかの変換面の近傍磁界変数である磁界変数について、式(18)、式(19)、式(20)のように変換面近傍磁界補正計算を行なう。
続いて、ステップS42において、CPU120は、それぞれの変換面の変換面近傍の磁界変数をすべて0に初期化する。次に、式(10)を用いて説明したように、それぞれの変換面の変換面近傍の磁界変数について時刻t’=t−t0に対応する時刻における変換面近傍磁界変数をIAS磁界ファイル133から読み込み、αを乗じた上で、EAS磁界ファイル135に格納されている値に加算する。そして、その加算した結果をEAS電界ファイル134に書き込む。t<0となる場合は、ファイルから読み取った値の代わりにゼロを用いる。
ステップS44において、CPU120は、変数nに1を加え、解析時刻を更新する。
次いで、ステップS46において、CPU120は、予め指定された解析終了条件情報に基づき解析終了判定を行なう。たとえば、解析条件130によって指定したステップ数Nと変数nとを比較し、n>Nとなった場合に終了と判定する。終了条件を満たさないと判断した場合は(ステップS46において、NO)、ステップS32の処理に戻る。一方、終了条件を満たすと判断した場合は(ステップS46において、YES)、処理を終了する。
以上のようにして、EAS解析を行なう。
図32は、EAS解析処理の一例を詳細に示した図である。
図32に示すようにして、EAS解析では、変換面外部と変換面内部との2つの解析を行なう際に各時刻で変換面上の電磁界値を交換することで、連携させる。
上述した本実施の形態に係る電磁界解析プログラムによれば、効率的に電磁界解析を行なうことができる。これにより、全体の解析領域のうち微小な構造を含み放射源となる部分を囲む閉曲面の外部に追加の構造や波源、別のIAS領域をおいても正確に解析を行なうことが可能となる。
また、本実施の形態に係る電磁界解析プログラムによれば、IAS解析およびEAS解析のどちらの解析結果も利用して電磁界分布を求める。これにより、利用価値のない計算を行なうことなく効率的に解析を実行することができる。
また、本実施の形態に係る電磁界解析プログラムによれば、IAS解析とEAS解析とを独立して計算する。これにより、EAS解析において変換面外側の解析条件(電気的特性)を変更しても、IAS解析の結果を利用できるため、再度IAS解析を行なわなくてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、図34で説明したような精度改善のための追加解析モデルを用いて、精度改善のための追加解析を行う場合について、その手続について第2の実施の形態としてまとめる。
図35は、IAS解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。
図35を参照して、IAS解析処理の流れについて説明する。なお、CPU120は、以下の処理を電磁界解析を実行するプログラム131に従って行なう。
ステップS1において、CPU120は、ハードディスク124から解析条件130を読み込み、IASセルとEASセルのセルサイズ比を示す係数Raを設定する。そして、IAS解析に関する解析条件に基づき次に挙げる1から3の初期化処理を行なう。
1.FDTD法の電界・磁界変数の係数初期化
式(1)、式(2)で示すようなFDTD法の電界、磁界変数の更新計算のための係数を、解析条件130に書き込まれた各電界、磁界変数の存在位置での媒質情報およびセルサイズ、タイムステップ幅などから計算する。
2.電界・磁界変数の初期値設定
各電界・磁界変数をゼロに初期化する。
3.タイムステップ単位での時刻を表わす変数nの初期化
nを初期値ゼロで初期化する。
次いで、ステップS3において、CPU120は、FDTD法の時刻nΔtにおける電界計算を各電界変数について行なう。
そして、ステップS5において、CPU120は、電界出力のタイミング判定を行なう。具体的には、変数nが係数Raの整数倍であるかどうかを判定する。たとえば、C言語で実装する場合は、判定式「n%Ra==0」(変数nを係数Raで割ったときの余りがゼロ)を用いる。この判定式が真であると判断した場合は(ステップS5において、YES)、CPU120はステップS7の処理を行なう。一方、この判定式が偽であると判断した場合は(ステップS5において、NO)、CPU120はステップS9の処理を行なう。
ステップS7において、CPU120は、変換面上の電界変数に対応する位置の電界変数値を計算によって求め、IAS電界ファイル132に書き込む。この際、係数Raが偶数ならば、変換面上の電界変数の近傍にある2つの電界値の平均値を書き込む。一方、係数Raが奇数ならば、同位置に存在する電界変数値を書き込む。
続いて、ステップS9において、CPU120は、FDTD法の時刻(n+1/2)Δtにおける磁界計算処理を各磁界変数について行なう。
ステップS15において、CPU120は、変換面近傍の磁界変数に対応する位置の磁界値を計算によって求め、IAS磁界ファイル133に書き込む。この際、係数Raが偶数ならば、該当時刻における変換面近傍の磁界変数に対応する位置の近傍の4つの磁界値の平均値を導出し、この値と、ステップS11でハードディスク124に書き込んだ、該当磁界変数に対応する位置の近傍の4つの磁界値の平均値を書き込む。一方、係数Raが奇数ならば、変換面近傍の磁界変数に対応する位置の磁界値を書き込む。
ステップS17において、CPU120は、変数nに1を加え、解析時刻を更新する。
次いで、ステップS21において、CPU120は、予め指定された解析終了条件情報に基づき解析終了判定を行なう。たとえば、解析条件130によって指定したステップ数Nと変数nとを比較し、n>Nとなった場合に終了と判定する。終了条件を満たさないと判断した場合は(ステップS21において、NO)、ステップS3の処理に戻る。一方、終了条件を満たすと判断した場合は(ステップS21において、YES)、処理を終了する。
以上のようにして、IAS解析を行なう。
図36は、精度改善のための追加解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。
図36を参照して、精度改善のための追加解析処理の流れについて説明する。なお、CPU120は、以下の処理を電磁界解析を実行するプログラム131に従って行なう。
ステップS50において、CPU120は、ハードディスク124から解析条件130を読み込み、精度改善のための追加解析に関する解析条件に基づき次に挙げる4から6の初期化処理を行なう。
4.FDTD法の電界・磁界変数の係数初期化
式(1)、式(2)で示すようなFDTD法の電界、磁界変数の更新計算のための係数を、解析条件130に書き込まれた各電界、磁界変数の存在位置での媒質情報およびセルサイズ、タイムステップ幅などから計算する。
5.電界・磁界変数の初期値設定
各電界・磁界変数をゼロに初期化する。
6.タイムステップ単位での時刻を表わす変数nの初期化
nを初期値ゼロで初期化する。
次いで、ステップS52において、CPU120は、FDTD法の時刻nΔtにおける電界計算処理を各電界変数について行なう。
続いて、ステップS54において、CPU120は、変換面上の電界変数をIAS電界ファイル132から読み込み、対応する位置の電界変数をその値で上書きする。t<0となる場合は、ファイルから読み取った値の代わりにゼロを用いる。
そして、ステップS56において、CPU120は、FDTD法の時刻(n+1/2)Δtにおける磁界計算処理を各磁界変数について行なう。
次いで、ステップS58において、変換面の近傍磁界変数である磁界変数について、IAS磁界ファイル133に書き込む。
ステップS60において、CPU120は、変数nに1を加え、解析時刻を更新する。
次いで、ステップS62において、CPU120は、予め指定された解析終了条件情報に基づき解析終了判定を行なう。たとえば、解析条件130によって指定したステップ数Nと変数nとを比較し、n>Nとなった場合に終了と判定する。終了条件を満たさないと判断した場合は(ステップS62において、NO)、ステップS52の処理に戻る。一方、終了条件を満たすと判断した場合は(ステップS62において、YES)、処理を終了する。
以上のようにして、精度改善のための追加解析を行なう。
EAS解析処理については第1の実施の形態と同一であるため省略する。
上述した本実施の形態に係る電磁界解析プログラムによれば、効率的に電磁界解析を行なうことができる。これにより、全体の解析領域のうち微小な構造を含み放射源となる部分を囲む閉曲面の外部に追加の構造や波源、別のIAS領域をおいても正確に解析を行なうことが可能となる。
また、本実施の形態に係る電磁界解析プログラムによれば、IAS解析、精度改善のための追加解析、およびEAS解析の解析結果を利用して電磁界分布を求める。これにより、利用価値のない計算を行なうことなく効率的に解析を実行することができる。
また、本実施の形態に係る電磁界解析プログラムによれば、IAS解析、精度改善のための追加解析によるIASからの放射計算と、EAS解析とを独立して計算する。これにより、EAS解析において変換面外側の解析条件(電気的特性)を変更しても、IAS解析、精度改善のための追加解析の結果を利用できるため、再度IAS解析、精度改善のための追加解析を行なわなくてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る電磁界解析方法において、変換面内部と変換面外部との処理を説明するための図である。 本発明に係る電磁界解析プログラムを実行するコンピュータ100の一例を示す概念図である。 解析空間の一例を示す図である。 電界セルにおける電界変数、磁界変数の配置を示す図である。 変換面を示す図である。 図5で示す変換面における変換面内部電界変数Exを示す図である。 図5で示す変換面における変換面内部電界変数Eyを示す図である。 図5で示す変換面における変換面内部電界変数Ezを示す図である。 図5で示す変換面における変換面内部磁界変数Hxを示す図である。 図5で示す変換面における変換面内部磁界変数Hyを示す図である。 図5で示す変換面における変換面内部磁界変数Hzを示す図である。 電界変数とその最近傍に存在する4つの磁界変数を示す図である。 磁界変数とその最近傍に存在する4つの電界変数を示す図である。 図5で示す変換面における変換面近傍の磁界変数Hxを示す図である。 図5で示す変換面における変換面近傍の磁界変数Hyを示す図である。 図5で示す変換面における変換面近傍の磁界変数Hzを示す図である。 最近傍に存在する電界変数のうち2つが変換面上の電界変数である、変換面近傍の磁界変数Hzの例を示す図である。 最近傍に存在する電界変数のうち3つが変換面上の電界変数である、変換面近傍の磁界変数Hzの例を示す図である。 最近傍に存在する電界変数のうち4つが変換面上の電界変数である、変換面近傍の磁界変数Hzの例を示す図である。 EAS解析モデルを示す図である。 変換面1の電磁界を計算するためのIAS解析モデルを示す図である。 変換面2の電磁界を計算するためのIAS解析モデルを示す図である。 IAS解析を説明するための図である。 IAS解析を説明するための、図23とは異なる図である。 Ra=3としたときのIASセルとEASセルの電界・磁界変数の対応関係を示す図である。 Ra=3としたときのIAS解析とEAS解析における電界計算時刻・磁界計算時刻の関係を示す図である。 Ra=2としたときのIASセルとEASセルの電界・磁界変数の対応関係を示す図である。 Ra=2としたときのIAS解析とEAS解析における電界計算時刻・磁界計算時刻の関係を示す図である。 図20とは異なるEAS解析モデルを示す図である。 実施の形態1におけるIAS解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。 EAS解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。 EAS解析処理の一例を詳細に示した図である。 FDTD法のセル構造を示す図である。 変換面1の電磁界を計算するための精度改善のための追加解析のモデルを示す図である。 実施の形態2におけるIAS解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。 精度改善のための追加解析処理の流れを具体的に示したフローチャートである。
符号の説明
100 コンピュータ、102 コンピュータ本体、104 ディスプレイ、106 FDドライブ、108 光ディスクドライブ、110 キーボード、112 マウス、116 FD、118 CD−ROM、120 CPU、122 メモリ、124 ハードディスク、128 通信インターフェイス、130 解析条件、131 電磁界解析を実行するプログラム、132 IAS電界ファイル、133 IAS磁界ファイル、134 EAS電界ファイル、135 EAS磁界ファイル。

Claims (7)

  1. 演算処理部を有するコンピュータに電磁界解析を実行させるための電磁界解析プログラムであって、
    前記演算処理部は、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、前記閉曲面内部、前記閉曲面上、および前記閉曲面外部の近傍における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析ステップと、
    前記演算処理部は、前記第1の解析空間を含む第2の解析空間を前記第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して、前記閉曲面内部、前記閉曲面上における第2の電磁界分布および前記閉曲面外部における第3の電磁界分布を求める第2の電磁界解析ステップとを備え、
    前記第2の電磁界解析ステップは、前記閉曲面内部および閉曲面上については、前記閉曲面外部の近傍の前記第3の電磁界分布と前記第1の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第2の電磁界分布を求め、前記閉曲面外部については、前記閉曲面上の前記第1の電磁界分布と前記第2の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求める、電磁界解析をコンピュータに実行させるための電磁界解析プログラム。
  2. 演算処理部を有するコンピュータに電磁界解析を実行させるための電磁界解析プログラムであって、
    前記演算処理部は、電磁界の波源を含む閉曲面で囲まれた第1の解析空間を第1のセルサイズで分割して、前記閉曲面内部、前記閉曲面上における第1の電磁界分布を求める第1の電磁界解析ステップと、
    前記演算処理部は、前記第1の解析空間を含む第2の解析空間を前記第1のセルサイズより大きな第2のセルサイズで分割して前記閉曲面外部の近傍における第2の電磁界分布を求める第2の電磁界解析ステップと、
    前記演算処理部は、前記第1の解析空間を含む第3の解析空間を前記第2のセルサイズで分割して、前記閉曲面内部、前記閉曲面上における第3の電磁界分布および前記閉曲面外部における第4の電磁界分布を求める第3の電磁界解析ステップとを備え、
    前記第3の電磁界解析ステップは、前記閉曲面内部および閉曲面上については、前記閉曲面外部の近傍の前記第4の電磁界分布と前記第2の電磁界分布との差分の電磁界分布を波源とした第3の電磁界分布を求め、前記閉曲面外部については、前記閉曲面上の前記第1の電磁界分布と前記第3の電磁界分布とを合成した電磁界分布を波源とした第4の電磁界分布を求める、電磁界解析をコンピュータに実行させるための電磁界解析プログラム。
  3. 前記第1の電磁界解析ステップは、前記閉曲面の外側には構造物がないと仮定して電磁界解析を行なう、請求項1記載の電磁界解析プログラム。
  4. 前記第2の電磁界解析ステップは、前記閉曲面の外側には構造物があると仮定して電磁界解析を行なう、請求項3記載の電磁界解析プログラム。
  5. 前記第1の電磁界解析ステップは、前記閉曲面の外側には構造物がないと仮定して電磁界解析を行なう、請求項2記載の電磁界解析プログラム。
  6. 前記第2の電磁界解析ステップは、前記閉曲面の外側には構造物がないと仮定して電磁界解析を行なう、請求項5記載の電磁界解析プログラム。
  7. 前記第3の電磁界解析ステップは、前記閉曲面の外側には構造物があると仮定して電磁界解析を行なう、請求項6記載の電磁界解析プログラム。
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