JP4261015B2 - バグフィルターの濾布交換装置 - Google Patents

バグフィルターの濾布交換装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダストを捕集する装置であるバグフィルターの濾布交換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サイクロン集塵機では捕集できないようなガスに混じった小さなダストを捕集する装置としてバグフィルターが用いられている。
【0003】
上記バグフィルターは、図5(イ)(ロ)(ハ)にその一例の概略を示す如く、上下方向に延びるように据え付けられた容器1内の上端部位置に、円形とした多数の濾布取付孔2を縦横に並べて開孔させたセルプレート3を気密に取り付け、上記濾布取付孔2に、円筒形状とした細長い袋状の濾布4を上方から落し込んで、上端部を濾布取付孔2の周縁部の止め金具5に係合支持させ、且つこれら濾布4内に、骨組構造とした円筒状のリテーナ6を上方より挿入配置して、該リテーナ6の上端部を濾布取付孔2の周縁部上面に載せ、又、上記容器1の下端部には、下端にスクリューコンベヤ7を装備させたホッパ8を連設し、該ホッパ8の下側部のガス入口9から導入した燃焼排ガスの如きガスを、各濾布4の外側から内側へ通過させることによってダストを捕集させるようにし、ダスト捕集後のガスを、容器1の上側部のガス出口10からクリーンガスとして排出させるようにしてある。1aは容器1の天井蓋、11は容器1の支持架構を示す。
【0004】
上記バグフィルターでは、定期的に、あるいは、所要期間経過する度に、図示しないエアブロー管を用いて濾布4の上方空間からエアをブローさせて逆洗を行うことにより、濾布4の表面に付着したダストを取り除くようにしているが、たとえば、長期間の運転により、あるいは、短期間の運転であっても湿分の多いダストの処理等により濾布4が目詰まりを起こすことがあり、目詰まりして逆洗できなくなると濾布として機能しなくなり、交換する必要がある。
【0005】
上記濾布4を新品と交換する場合、従来では、真空掃除機に接続されたホースを、作業員が濾布4の表面に当ててダストを落しながらリテーナ6と共に上方に引き抜いた後、広いスペースのある場所まで横持ちして運び、そこで袋詰めを行うようにしている。なお、引き抜きの際、健全部には養生が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の濾布4の交換方法の場合には、作業中に、ダイオキシン類等を含むダストが周囲に飛散して作業環境を悪くするおそれがあり、又、人力でダストを払い落しながら、濾布4をリテーナ6と共に引き抜いて梱包するようにすることから、効率が悪いという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、ダストの飛散を防止でき、且つ濾布交換作業の効率化を図ることができるようなバグフィルターの濾布交換装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、容器上部のセルプレートに穿設された多数の濾布取付孔に、細長い袋状の濾布の上端部を支持させ、該各濾布の内側に骨組構造とした円筒状のリテーナを挿入するようにしてあるバグフィルターの上記濾布よりも大径の開口を上端と下端に形成した所要高さの装置本体ケーシングを、上記セルプレート上に着脱自在に載置できるようにし、該装置本体ケーシングの所要位置に、吸引装置を接続するための空気吸引口を設けると共に、圧縮空気源に接続した空気供給管を導設し、且つ上記装置本体ケーシング内に、内周部を濾布よりも大径として該内周部に多数の空気噴射用ノズル孔を設けたリング状の空気ヘッダー管を固定配置して、該空気ヘッダー管に空気供給管を接続し、更に、上記装置本体ケーシングの上端の開口部分に、濾布収納用袋の下端部を着脱可能に固定できるようにした構成とする。
【0009】
装置本体ケーシングを濾布取付孔に合わせてセルプレート上にセットし、濾布収納用袋の上端部を吊り上げ治具等に固定し、且つ濾布収納用袋の下端部を装置本体ケーシングの上端開口部分に固定した状態で、空気吸引口に接続した吸引装置を駆動しつつリテーナを吊り上げ治具で引き上げて行くときに、空気ヘッダー管の各ノズル孔から濾布の表面へ向けて圧縮空気を吹き付けてダストを払い落とすようにすると、払い落されたダストは空気吸引口を通して吸引装置で回収できるので、ダストを周囲に飛散させることなく濾布を引き抜くことができ、同時に、濾布収納用袋に濾布を収納させて包み込むことができる。
【0010】
又、装置本体ケーシング内に、引き抜き時の濾布の表面に接触させるようにブラシを取り付けた構成とすることにより、濾布の引き抜き時に、濾布表面のダストを、ブラシによって効率よく掻き落とすことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2は本発明の実施の一形態を示すもので、図5(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様な構成としてあるバグフィルターへの採用例について示す。
【0013】
すなわち、中心部に濾布4を遊嵌状態に挿通させ得る大きさの径の開口12を形成した上面板13と、該上面板13の下面に上端を固定すると共に下端部に上記開口12と同じような径の開口14を形成させた筒体15とからなり、且つ該筒体15の上部を外側へ膨らませて上記開口12,14の径よりも大径とした中空部16を内部に形成した装置本体ケーシング17を構成し、該装置本体ケーシング17の上記筒体15の下端部外周の所要個所(たとえば、3個所)に、セルプレート3に吸着させるためのマグネット18を、マグネット台19を介して取り付け、該マグネット18の吸着力により、濾布取付孔2の位置に合わせて上記装置本体ケーシング17を着脱自在にセットできるようにする。
【0014】
又、上記装置本体ケーシング17の上面板13上には、開口12の縁部上に、該開口12の径に合わせた直径としてある所要高さのコーミング筒20を立設して、該コーミング筒20の外周面部に、上下方向に伸縮できる蛇腹筒形状としたプラスチックフィルムからなる濾布収納用袋21の下端部を、バンドやワイヤの如き固縛部材22により固定できるようにすると共に、該濾布収納用袋の上端部を、リテーナ6の上端部の係合金具6aに係合させてリテーナ6を吊り上げるようにしてある吊り上げ治具23の中間部外周に、同様な固縛部材22により固定するようにし、リテーナ6の上端部の係合金具6aに係合させた吊り上げ治具23をクレーン等の吊上装置(図示せず)で吊り上げることにより、リテーナ6と一体に濾布4を濾布取付孔2から上方へ引き抜けるようにする。
【0015】
更に、上記装置本体ケーシング17の中空部16内には、濾布4を挿通できるような大きさの内径を有して内周部に多数の空気噴射用ノズル孔24を穿設したリング状の空気ヘッダー管25を水平状態に配置して、取付ブラケット26により適宜固定し、且つ該空気ヘッダー管25に一端を接続した空気供給管27の他端を、装置本体ケーシング17外へ導いてコンプレッサの如き圧縮空気源(図示せず)に接続し、濾布4の引き抜き時に、圧縮空気源から空気供給管27を通して空気ヘッダー管25内に供給した圧縮空気を、各ノズル孔24より噴射させて濾布4表面に付着しているダストを払い落とせるようにし、更に、上記装置本体ケーシング17の筒体15の所要個所に、真空掃除機の如き真空吸引装置(図示せず)を接続するための空気吸引口28を設けて、上記空気ヘッダー管25によるダストの払い落し時に、装置本体ケーシング17内の雰囲気を真空吸引装置により吸引して払い落とされたダストを回収できるようにする。
【0016】
なお、上記吊り上げ治具23は、下端部をフック部とした上下方向に長い2枚の吊り上げ部材29の上端同士をシャックル30により回動自在に支持し、2枚の吊り上げ部材29により形成される開き角度をロックピン31の差し込みにより保持できるようにしてある。
【0017】
濾布4を交換する場合には、先ず、図1に示す如く、交換すべき濾布4がある濾布取付孔2の位置に合わせて、装置本体ケーシング17をセットするようにする。この場合、装置本体ケーシング17の筒体15の下端部に取り付けてあるマグネット18をセルプレート3の上面に吸着させることによりセット状態となる。次に、装置本体ケーシング17の上面板13上に立設されているコーミング筒20に、濾布収納用袋21の下端部を固縛部材22により固定し、更に、該濾布収納用袋21の上端部を、吊上装置から吊られた状態の吊り上げ治具23の中間部に、同様に固縛部材22を用いて固定する。なお、上記濾布収納用袋21はコーミング筒20と吊り上げ治具23との間に予め取り付けておくようにしてもよい。
【0018】
次に、ロックピン31を抜いて2枚の吊り上げ部材29を直線状に重ね合わせた状態とした吊り上げ治具23を、吊上装置の操作により下降させてリテーナ6内に挿入した後、上記2枚の吊り上げ部材29を開いてフック部をリテーナ6の係合金具6aに係合させ、更に、その係合状態を保持させるように吊り上げ部材29にロックピン31を差し込むようにする。又、この間に、装置本体ケーシング17の空気吸引口28に真空吸引装置を接続しておくようにする。
【0019】
上記の状態において、真空吸引装置を駆動しながら、図2に示す如く、吊上装置の操作により吊り上げ治具23を上昇させてリテーナ6と一体に濾布4を徐々に上方へ引き抜いていくようにし、且つ、同時に、圧縮空気源からの圧縮空気を空気供給管27を通して空気ヘッダー管25内に供給して、各ノズル孔24から濾布4の表面へ向けて圧縮空気を吹き付けるようにする。これにより、濾布4の引き抜き動作に伴い、濾布4の表面に付着していたダストは圧縮空気の吹き付けによって払い落とされることになり、落されたダストは空気吸引口28を通って真空吸引装置に吸引され回収されることになる。したがって、ダストは装置本体ケーシング17外へ飛散することはない。
【0020】
上記のようにして、吊り上げ治具23の上昇により濾布4を濾布取付孔2から引き抜いて装置本体ケーシング17の上方位置まで上昇させると、真空吸引装置及び圧縮空気源の駆動を停止する。このとき、濾布収納用袋21は吊り上げ治具23の上昇により引き延ばされて(展張されて)いるため、濾布4は濾布収納用袋21内に自動的に収納された状態となる。したがって、この状態において、コーミング筒20部から固縛部材22を取り外して、濾布収納用袋21の下端部を固縛部材22により固縛するようにする。
【0021】
しかる後、濾布収納用袋21内に収納されて梱包された状態の濾布4を吊り上げ治具23にて吊った状態のまま、吊上装置により所定の場所まで運搬させるようにする。この際、濾布4は濾布収納用袋21にて梱包された状態となっているため、運搬途中でダストが周囲に飛散することはない。なお、濾布4の運搬は、吊上装置によらず作業員が行うようにしてもよい。その場合は、吊り上げ治具23から固縛部材22を取り外し、吊り上げ治具23を抜き出して、再び固縛部材22で濾布収納用袋21の上端部を固縛するようにする。
【0022】
上記のように濾布4を運搬している間に、装置本体ケーシング17を次の個所へ移動させてセットした後、同様な作業を繰り返すようにすることにより、濾布交換作業を円滑に行うことができる。上記において、装置本体ケーシング17のセットはセルプレート3の上面に対しマグネット18を着脱させることによって行うので、セット場所を変えるときでも、作業員が容易且つ確実に行うことができる。
【0023】
次に、図3及び図4は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1及び図2に示したと同様な構成において、装置本体ケーシング17にダスト掻き取り機能を付加したものである。すなわち、装置本体ケーシング17の上面板13と筒体15の上端部との間に、外径を上面板13の外径に合わせ且つ内径を濾布4の外径よりも大きく開口12よりも小さくしてあって、内径側から外周部側へ向けて放射方向に多数の切込線32aが周方向に等間隔に入れてある上下2枚のリング状のゴム板32を、ボルト33により取り付けると共に、該2枚のゴム板32間にリング状の支持プレート36を挟持させてボルト33で固定するようにし、且つ基端部を集束させて保持ピース34に保持させてある多数のブラシ35を、濾布4の直径よりも小径となる位置で先端部が隙間なく密に接するように円周方向に並べた状態として、上記上下のゴム板32間に挟持させて、支持プレート36にビス37にて一体に支持させ、引き抜き時の濾布4の表面に上記各ブラシ35を弾性的に接触させて、濾布4表面に付着しているダストを掻き落せるようにしたものである。
【0024】
図3及び図4に示すように構成すると、図3において、二点鎖線で示すように、上方へ引き抜かれる濾布4の表面にブラシ35の先端部を周方向に一様に接触させることができ、且つこれらブラシ35にゴム板32の弾性反力を付与できることから、空気ヘッダー管25の各ノズル孔24から噴射させた圧縮空気の作用によっても払い落とせなかったダストを掻き落とすことができ、ダストの除去効率を更に向上させることができる。
【0025】
なお、上記実施の形態では、濾布収納用袋21の上端部を吊り上げ治具23に固縛するようにした場合を示したが、リテーナ6あるいは濾布4の上端部に直接固縛するようにしてもよいこと、また、装置本体ケーシング17の上端にブラシ35を取り付ける場合を示したが、ブラシ35の取付位置は装置本体ケーシング17の上下方向において任意であること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のバグフィルターの濾布交換装置によれば、容器上部のセルプレートに穿設された多数の濾布取付孔に、細長い袋状の濾布の上端部を支持させ、該各濾布の内側に骨組構造とした円筒状のリテーナを挿入するようにしてあるバグフィルターの上記濾布よりも大径の開口を上端と下端に形成した所要高さの装置本体ケーシングを、上記セルプレート上に着脱自在に載置できるようにし、該装置本体ケーシングの所要位置に、吸引装置を接続するための空気吸引口を設けると共に、圧縮空気源に接続した空気供給管を導設し、且つ上記装置本体ケーシング内に、内周部を濾布よりも大径として該内周部に多数の空気噴射用ノズル孔を設けたリング状の空気ヘッダー管を固定配置して、該空気ヘッダー管に空気供給管を接続し、更に、上記装置本体ケーシングの上端の開口部分に、濾布収納用袋の下端部を着脱可能に固定できるようにした構成としてあるので、装置本体ケーシングを濾布取付孔の位置に合わせてセットし、濾布を引き抜きながら、空気吸引口に接続した吸引装置を駆動すると共に、空気供給管より空気ヘッダー管へ圧縮空気を供給して各ノズル孔から濾布表面へ向けて圧縮空気を吹き付けるようにすることにより、濾布表面から払い落としたダストを吸引装置にて吸引することができて、ダストを周囲に飛散させることなく濾布を引き抜くことができると同時に、濾布を濾布収納用袋内に自動的に回収することができ、しかも、濾布を引き抜いた後、濾布を梱包状態で運搬することができて、運搬時にダストが飛散することをも防止することができ、したがって、濾布交換作業を効率よく行うことができると共に、作業環境を改善することができ、又、装置本体ケーシング内に、引き抜き時の濾布の表面に接触させるようにブラシを取り付けた構成とすることにより、濾布の引き抜き時に、濾布表面のダストをブラシによって掻き落とすことができ、圧縮空気の吹き付けによる払い落しとの併用により、ダストの除去効率を向上させることができる、等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバグフィルターの濾布交換装置の実施の一形態を示す切断側面図である。
【図2】図1に示す状態から濾布を引き抜いている状態を示す切断側面図である。
【図3】本発明の実施の他の形態を示す切断側面図である。
【図4】図3のA−A方向矢視図である。
【図5】バグフィルターの一例を示すもので、(イ)は一部切断側面図、(ロ)は(イ)の一部分の平面図、(ハ)は(イ)のB部拡大図である。
【符号の説明】
1 容器
2 濾布取付孔
3 セルプレート
4 濾布
6 リテーナ
12 開口
14 開口
16 中空部
17 装置本体ケーシング
21 濾布収納用袋
23 吊り上げ治具
24 ノズル孔
25 空気ヘッダー管
27 空気供給管
35 ブラシ

Claims (2)

  1. 容器上部のセルプレートに穿設された多数の濾布取付孔に、細長い袋状の濾布の上端部を支持させ、該各濾布の内側に骨組構造とした円筒状のリテーナを挿入するようにしてあるバグフィルターの上記濾布よりも大径の開口を上端と下端に形成した所要高さの装置本体ケーシングを、上記セルプレート上に着脱自在に載置できるようにし、該装置本体ケーシングの所要位置に、吸引装置を接続するための空気吸引口を設けると共に、圧縮空気源に接続した空気供給管を導設し、且つ上記装置本体ケーシング内に、内周部を濾布よりも大径として該内周部に多数の空気噴射用ノズル孔を設けたリング状の空気ヘッダー管を固定配置して、該空気ヘッダー管に空気供給管を接続し、更に、上記装置本体ケーシングの上端の開口部分に、濾布収納用袋の下端部を着脱可能に固定できるようにした構成を有することを特徴とするバグフィルターの濾布交換装置。
  2. 装置本体ケーシング内に、引き抜き時の濾布の表面に接触させるようにブラシを取り付けた請求項1記載のバグフィルターの濾布交換装置。
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