JP4258313B2 - フラッシュランプ - Google Patents

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Description

本発明は、光パルスによる紫外線殺菌の光源として利用されるフラッシュランプに関する。
紫外線殺菌の光源としては、殺菌に有効とされる波長254nmの紫外線を効率良く放射し、ランプ寿命も長い低圧水銀ランプが一般的に使用されているが、該ランプは、紫外線出力が低いため短時間で大量の被処理物を殺菌処理することができず、また、高出力を得ようとすればランプの使用本数を多くしなければならないので、その設置スペースが大きくなり、更に、被処理物の光透過率が低い場合や、菌が高濃度で存在して被処理物の表面等に重なり合って付着している場合、菌がバイオフィルムを生成してその中に潜んでいる場合、あるいは厚い皮膜で覆われた芽胞菌等のように紫外線の被照射耐性が高い菌の場合には、滅菌レベル(99.9999%以上の殺菌)の殺菌効果を得ることができないという欠点があった。
このため、加熱殺菌に適さない食品、飲料、医薬品等やその容器、包装資材等の殺菌処理は、薬液を用いて行なうのが一般的であるが、薬液を使用すると、殺菌処理した被処理物の表面に付着残存する薬液を洗浄除去しなければならないので、被処理物を無菌水で洗浄する洗浄設備や、その無菌水を作って供給する給水設備、使用済みの薬液が含まれた排水を無害化する排水処理設備等が必要となり、それらの設備費やランニングコストが嵩むと同時に、設備の設置スペースも著しく大きくなるという問題があった。また、近時は、世界的な環境保全運動の高まりに伴って、薬液を使用しない無公害な殺菌処理技術の開発が待望されている。
以上のような事情に鑑みて、低圧水銀ランプよりも高出力、高照度の紫外線を放射するフラッシュランプ(閃光放電灯)を用いた殺菌処理技術が種々提案されている。この技術は、例えば図7に示すようなキセノンフラッシュランプ50によって瞬間的に高照度の紫外線を照射するもので、該ランプ50は、希ガスのキセノンガスを封入したガラス製発光管51の両端に一対の電極52、53が対向して配置された構造になっている(特許文献1参照)。
実開昭64−19252号公報
発光管51は、紫外線透過率の高い石英ガラスによって円筒形に成形され、その両端に配置される電極52、53は、夫々の外周部が焼き縮め加工によりシュリンクさせた発光管51の内周部に保持されて発光管51の管内を閉塞するように設置されると共に、各々の電極リード棒54、55の外周に溶着された封止用ガラス56、57によって、キセノンガスが封入された発光管51の端部を気密に封止するようになっている。
また、先端に電極(陰極)52となる電子放出性物質をドープしたタングステン(たとえばトリエーテッドタングステン)が固着された電極リード棒54と、電極(陽極)53となる先端部をバルク状に成形加工した電極リード棒55は、いずれもタングステンロッドで形成されている。
なお、発光管51は、電極52、53の外周部を保持するように焼き縮めてその外周部に加熱溶着せられることにより、各電極52、53の後端側には電極52、53間に形成される放電空間Eから隔絶された閉鎖空間C1、C2が形成されている。
以上の如く構成されたキセノンフラッシュランプ50は、電極リード棒54、55の後端部に接続されたリード線(図示せず)を介してパルス電力が供給されると、電極52、53が対向配置された発光管51の放電空間E内に生ずる瞬間的な放電プラズマ中でキセノンガスが励起されて、殺菌効果を奏する200〜300nmの短波長紫外線を強力に発するようになっている。
これにより、例えば発光長250mm、発光管外径10mm(内径8mm)のキセノンフラッシュランプ50を用いて、生理食塩水20mlを封入した直径20mm高さ100mmの円柱状ポリエチレン製バイアルビン中に黒麹カビ胞子を106個投入した殺菌試験では、該ランプ50の中心から被処理物の中心までの照射距離をランプ中心から30mmとしたときに、バイアルビン中に投入した微生物の滅菌処理に必要なランプ出力と照射回数は、1000Jを1回で足り、その処理時間も、僅か0.5秒で足りるという優れた殺菌効果を奏することが確認されている。
しかしながら、短時間で大量の被処理物を殺菌処理するためにフラッシュランプを高い負荷でかつ短いインターバルで連発的に発光させると、電極の先端部から電極構成物質の粒子等で成るスパッタ粒子が飛散し、そのスパッタ粒子が放電空間を成す発光管の内壁に付着することにより発光管の光透過性が損なわれてフラッシュランプの光出力が急激に低下するために、ランプ寿命が著しく短くなるという問題が発生し、これがフラッシュランプによる光パルス殺菌の実用化と普及を妨げる大きな要因の一つとなっていた。
また、発光管の放電空間を成す内壁に付着するスパッタ粒子で形成される皮膜が電極付近で成長すると、導電性を有する電極構成物質の粒子が付着して成るスパッタ皮膜の部分からシマー放電が生じ、パルス放電はシマー放電時のアーク起点に生ずるためスパッタ皮膜の部分に急激な温度上昇が起こり、フラッシュランプの発光管の内壁が溶けたり、水冷ジャケットで冷却される発光管がアーク発生時のヒートショックによって割れたりするおそれがある。
本発明が解決しようとする技術的課題は、フラッシュランプによる光パルス殺菌の実用化と普及を図るために、ランプ点灯時に電極の先端部から生ずるスパッタ粒子が発光管の放電空間を成す内壁に付着することを防止して、フラッシュランプの光出力の低下を抑制し、そのランプ寿命を飛躍的に向上させることにある。
本発明は、一対の電極が対向して配置された発光管内に希ガスが封入されたフラッシュランプにおいて、外周部が発光管の内周部に保持されて発光管の管内を閉塞するように設置された電極の外周部と発光管の内周部との間もしくは電極の内部に、ランプ点灯時に熱膨張する封入ガスの膨張圧によってその封入ガスの一部を電極の先端側から後端側へ流通させる気道が形成されると共に、該気道が、ランプ点灯時に電極の先端部から発生する平均粒径1〜100μmのスパッタ粒子を通過させ得る500μm以下の大きさを有した細隙で成り、電極の後端側に、前記気道を通じて封入ガスの膨張圧を吸収することにより前記スパッタ粒子を封入ガスと共に流入させ、そのスパッタ粒子を発光管の内壁に付着させて捕集するバッファ空間が形成され、該バッファ空間の容積が、発光管内における放電空間の容積に対して20%以上に選定されていることを特徴とする。
本発明のフラッシュランプは、その点灯時に一対の電極が対向配置された発光管の放電空間内で熱膨張する封入ガスの膨張圧によって、その封入ガスの一部が電極の先端側から後端側へ通ずる気道を通って封入ガスの膨張圧を吸収するバッファ空間に流入すると同時に、その封入ガスの流れに運ばれて、電極の先端部から発生したスパッタ粒子もバッファ空間に流入し、流入したスパッタ粒子がバッファ空間を成す発光管の内壁に付着して捕集されるので、電極の先端部から発生したスパッタ粒子が放電空間を成す発光管の内壁に付着してフラッシュランプの光出力が低下することが抑制され、そのランプ寿命が飛躍的に向上するという効果がある。
また、放電空間を成す発光管の内壁に付着したスパッタ粒子によって形成されるスパッタ皮膜が電極付近で成長してその皮膜部分からシマー放電が生ずることを防止することができるので、そのシマー放電による急激な温度上昇によって発光管の内面が溶けたり、水冷ジャケットで冷却される発光管がヒートショックによって破損するおそれがなくなるという二次的な効果も得られる。
本発明の最良の実施形態は、ランプ点灯時に発光管の放電空間内で熱膨張した封入ガスの膨張圧がバッファ空間で吸収されて、放電空間の内圧とバッファ空間の内圧とが均衡状態となり、放電空間内の封入ガスが気道を通じてバッファ空間内へ流入しなくなるまでの間に、ランプ点灯時に発生したスパッタ粒子の大半を封入ガスと共にバッファ空間内へ流入させることができるようにしたものである。
図1のフラッシュランプ1は、紫外線透過率の良い石英ガラスで成形されたガラス製発光管2の両端に一対の電極3及び4が対向して配置されている。なお、発光管2の内径は8mm、電極間距離は250mmとされている。
陰極となる電極3は、トリウムを含有するトリエーテッドタングステンによって外周部が直径7mmの円柱状、先端部が円錐状に成形加工されて、タングステンロッド好ましくはトリエーテッドタングステンで成る電極リード棒5の外周に発光管2の片端部を気密に封止する封止用ガラス6が溶着されている。
また、電極3は、その外周部が焼き縮め加工によりシュリンクさせた発光管2の内周部に保持されて、発光管2の管内を閉塞するように設置されている。そして、発光管2の焼き縮め加工は、発光管2の内部を減圧した状態でこれを図2の如くガラス旋盤7R、7Lにセットして回転させながらガスバーナ8で電極3の外周部を囲う部分を加熱溶融させると同時に、その部分を電極3の外周部に沿ってスパイラル状に溶着するようにシュリンクさせることにより、発光管2の内周部が、その内周部と電極3の外周部との間に電極3の先端側から後端側に通ずる最大幅500μmの細隙で成るスパイラル状の気道9を生じさせる形状に成形されている。
陽極となる電極4は、直径7mm、長さ40mmに成形加工されて、タングステンロッドで成る電極リード棒10の先端に溶接され、該電極リード棒10の外周には発光管2の端部を気密に封止する封止用ガラス11が溶着されている。そして、その電極4の外周部と発光管2の内周部との間にも、上述と同様の焼き縮み加工によって最大幅500μmの細隙で成るスパイラル状の気道12が形成されている。
また、各電極3、4の後端側には、夫々気道9、12を介して発光管2の放電空間Eと連通せられたバッファ空間B1、B2が形成されている。そして、発光管2の管内を排気してその管内に希ガスのキセノンガスが40kPa封入されている。
図3はフラッシュランプ1の寿命試験に用いた点灯回路であって、該点灯回路は、充電用コンデンサ13、充電用電源14、波形調整用インピーダンス15、半導体スイッチ16、シマー放電用電源17、シマー放電電流制御用インピーダンス18とで構成され、シマー放電用電源17から2000Vの直流電圧が印加されるとランプが絶縁破壊し点灯する。このときシマー放電電流制御用インピーダンス17によって100mAのシマー電流が流れ、ランプはフラッシュ点灯の待機状態になり、次に、充電用電源14からコンデンサ13に直流電圧が印加されて、2000Jの充電エネルギーが蓄えられる(充電電圧4000V、コンデンサ容量250μF)。そして、半導体スイッチ16に点灯信号が入力されると、発光管2の放電空間E内に形成される放電路に沿って、コンデンサ13に蓄えられた電荷が一気に流れて、瞬間的に高強度の光パルスが発せられる。なお、電流は波形調整用インピーダンス15で制御されるが、本寿命試験におけるピーク電流は2600A、半値幅400μsとした。
この点灯回路によりフラッシュランプ1を1秒間に2回の頻度で点灯させて、コンベアにより6m/minの速度でランプ長手方向に連続的に搬送されるポリエチレン製の包装容器(深さ100mm、底面径20mm)に光パルスを照射すれば、黒麹カビ胞子を99.9999%殺菌することができる。また、10秒間に6回の頻度で点灯させると、発光管2内のキセノンガス圧は40kPaから800kPaまで急激な上昇と下降を繰り返す。
そして、フラッシュランプ1を点灯させた瞬間に発光管2の放電空間E内で急激に熱膨張するキセノンガスの膨張圧が、各電極3、4の外周部と発光管2の内周部との間に形成された気道9、12を通じて各電極3、4の後端側に形成されたバッファ空間B1、B2内に吸収されることにより、放電空間E内で熱膨張したキセノンガスの一部がその膨張圧で気道9、12を通ってバッファ空間B1、B2内に流入すると同時に、その封入ガスの流れによって、ランプ点灯時に放電空間E内に生じたスパッタ粒子も、気道9、12を通ってバッファ空間B1、B2内に流入し、該バッファ空間B1、B2を形成する発光管2の内壁に付着して捕集される。
これにより、放電空間Eを成す発光管2の内壁にスパッタ粒子が付着することが抑制されるため、図3の点灯回路を用いたフラッシュランプ1の寿命試験によれば、図4に示す如く1500万回の点灯でも安定した光出力維持特性を示すことが確認された。
また、図7に示す従来のフラッシュランプは、電極付近にスパッタ粒子の皮膜が形成されて、その皮膜形成部から生ずる放電により200万回の点灯で破損して不点灯となるものがあり、500万回の点灯で発光管が破損する確率が約50%にも達するのに対し、本発明のフラッシュランプ1は、500万回の点灯でも破損は起こらず、安定した点灯特性を示した。
なお、本発明に係る気道とバッファ空間は、図1の如く陰極と陽極の双方側に形成する場合に限らず、少なくとも陰極側に形成されていれば、本発明の効果を奏することができる。けだし、フラッシュランプの点灯時にスパッタ粒子が生ずるのは陰極先端のアーク起点であり、大電流の発生と共に放電空間のイオンの衝撃をうけて原子状、分子状、クラスター状の電極物質が陰極先端から飛散し、その陰極近傍に浮遊するからである。
また、図1のフラッシュランプ1は、発光管2の内周部がその内周部と電極3、4の外周部との間に気道9、12を生じさせる形状に成形されているが、本発明はこれに限らず、例えば図5(a)の如く、電極3の外周部が、その外周部と発光管2の内周部との間に気道を生じさせる形状に成形されている場合や、図5(b)及び(c)の如く、電極3の外周部と発光管2の内周部との間に気道を生じさせる耐熱性材料が介装されている場合や、図5(d)の如く、電極3の基体が、高融点金属粉末を主成分とする紛体をプレスして焼結させた焼結体Sで形成されることによりその電極3の内部に無数の細隙で成る気道が形成されている場合であってもよい。
図5(a)のフラッシュランプ19は、電極3の外周部に、ダイヤモンドカッターを用いて電極3の先端から後端に達する深さ500μm以下の細溝20が複数本形成され、その細溝20が形成された電極3の外周部に発光管2の内周部を加熱溶着させることによって本発明に係る気道21が形成されている。
図5(b)のフラッシュランプ22は、電極3の外周部にタンタル、モリブデン、タングステン、ニオブ等の高融点金属又はその合金で成る線径0.5mm程度のワイヤー23をスパイル状に巻き付けてから、その電極3の外周部に発光管2の内周部を加熱溶着させることにより、ワイヤー23に沿って発光管2の内周部と電極3の外周部との間に生じた細隙で成るスパイラル状の気道24が形成されている。なお、ワイヤー23は、予め脱ガス処理を施すことによって放電空間E内の不純ガスを吸着するゲッター作用も奏するためフラッシュランプの寿命を改善する効果がある。
図5(c)のフラッシュランプ25は、電極3の外周部にタンタル、モリブデン、タングステン、ニオブ等の高融点金属あるいはその合金で成る金属メッシュもしくはエンボス加工された厚さ50μmの金属箔26を巻き付けてから、その電極3の外周部に発光管2の内周部を加熱溶着させることにより、ランプ点灯時に電極3の先端部から発生するスパッタ粒子を通過させ得る程度の大きさを有した細隙で成る気道27が形成されている。この場合も、前記金属メッシュもしくは金属箔26に予め脱ガス処理を施しておけば、放電空間E内の不純ガスを吸着するゲッター作用を奏する。
なお、電極3の外周部に図5(a)〜(c)の如く発光管2の内周部を加熱溶着させて気道21、24及び27を形成する方法としては、例えば図6の如く、発光管2をスタンド28に立てて、電極3の外周部を囲う部位を回転テーブル29にセットされたガスバーナ30R、30Lで加熱し、モールド31R、31Lで挟んで電極3の外周部に溶着させる方法があり、この方法によれば、発光管内に封入される希ガスのガス圧が比較的高く、加熱によってその発光管の内部圧力が大気圧近くにまで上昇する封入圧設計となっている場合であっても気道を容易に形成することができる。
図5(d)のフラッシュランプ32は、電極3の基体が、高融点金属粉末を主成分とする粒径1〜100μmの紛体をプレスして焼結させた焼結体Sで形成されることによりその電極3の内部に0.1〜500μm程度の大きさを有した無数の細隙で成る気道33が形成されている。
なお、本発明の気道を成す細隙の大きさは、0.1〜500μm程度必要であり、より好ましくは平均粒径1〜100μm程度の粒子が通過し得る大きさを有することが望ましい。これは通常、電極を構成するタングステンなどの高融点金属が平均粒径数μmの粒子を焼結して製造されるものであり、フラッシュランプの点灯時に発生するスパッタ粒子はその高融点金属の粒子が飛散したものだからである。また、気道を成す細隙の大きさを0.1μmとしたのは、粒径0.1μm以下のスパッタ粒子が付着しても光出力の低下には大きく影響しないためである。また、気道を成す細隙の大きさを500μm以下としたのは、放電時の圧力上昇が放電空間E内とバッファ空間B1、B2内とで略同時に起こって放電空間E内のスパッタ粒子がバッファ空間B1、B2内に流入しなくなるという不具合が生じないようにするためである。
また、図5(d)のフラッシュランプ32において、電極3の基体が粒径5μm〜100μmのタングステン粒子またはモリブデン粒子又はこれらの混合物をプレス成形しその後真空中で2000℃の焼結処理した気孔率20%の焼結体Sで成るものは、その外周部に図6に示すような方法で発光管2の内周部を溶着させても、焼結体Sの通気作用によってスパッタ粒子を通過させ得る気道が確保されると同時に、電極3の放熱性が高いためにスパッタ粒子の発生量が少なくなるという利点がある。
以上のような方法でバッファ空間および気道が形成されたフラッシュランプに関し、バッファ空間によるスパッタ粒子の捕集効果とそのバッファ空間の容積との関係について詳細な実験を行ったところ、少なくとも陰極となる電極の後端側に形成するバッファ空間の容積は放電空間に対して20%以上の容積を有する場合に、光出力低下抑制効果が絶大であることが判明した。例えば、バッファ空間の容積が放電空間の5%に過ぎないときは、500万回点灯時の光出力維持率は45%であり、従来のフラッシュランプの維持率特性と大差ない性能を示す。これは、バッファ空間の容積が小さすぎると、直ぐに圧力的な飽和状態となって、放電空間内からバッファ空間内へスパッタ粒子を捕集するに十分な量の封入ガスを流入させることができないためである。なお、バッファ空間の容積を10%、15%及び20%にすると、500万回点灯時の光出力維持率は各々50%、70%及び90%となり、バッファ空間の容積を大きくすれば、それに従ってフラッシュランプの光出力維持率が向上し、ランプ寿命の改善に効果的であることが確認された。
更に、本発明に係るフラッシュランプは、電極付近にシマー放電を生ずるスパッタ粒子の皮膜が形成されることを抑制して発光管の破損を防止することができるという効果がある。その効果を確認するために、図7に示す従来のフラッシュランプ50と本発明に係るフラッシュランプ1とを各々100万回ずつ点灯動作させた後、発光管を破壊してその内面を観察したところ、従来品には内面が溶けていたり、一部にヒビがはいっているのが観察されたのに対し、本発明品にはまったく溶けた様子が見られなかったことが確認された。
本発明に係るフラッシュランプにランプ寿命末期の発光管の破損が見られないということは、これを用いて光パルス殺菌する食品やその包装中に発光管の破損によって生ずるガラス破片等の異物が混入するおそれがないということであるから、食品の製造・包装工程で使用する光パルス殺菌装置の信頼性と安全性が著しく高まる。
以上のように、本発明によれば、光パルス殺菌に用いるフラッシュランプを短いインターバルで連発的に点灯させても、電極から発生するスパッタ粒子が発光管の放電空間内に付着して光出力が低下したり、その放電空間内の電極付近に発光管破損の原因となるスパッタ粒子の皮膜が形成されることを抑制することができるので、光パルス殺菌技術の実用化と普及に資することができるという大変優れた効果がある。
なお、電極の外周部と発光管の内周部との間に形成する気道の形態は、上記実施例に限定されるものではなく、電極の外径とその外周部を囲う発光管の内径との寸法差を電極の前後方向に沿って全体的又は局部的に小さくすることによりスパッタ粒子が通る程度の細隙を形成するものであってもよい。
本発明に係るフラッシュランプを示す縦断面図(実施例1) フラッシュランプに気道を形成する方法を示す図 フラッシュランプの点灯回路を示す図 本発明に係るフラッシュランプの光出力維持率を示す図 本発明に係るフラッシュランプを示す断面図(実施例2〜5) フラッシュランプに気道を形成する方法を示す図 従来のフラッシュランプを示す縦断面図
符号の説明
1…フラッシュランプ
2…発光管
3…電極
4…電極
9…気道
12…気道
19…フラッシュランプ
21…気道
22…フラッシュランプ
24…気道
25…フラッシュランプ
27…気道
32…フラッシュランプ
33…気道
E…放電空間
B1…バッファ空間
B2…バッファ空間

Claims (5)

  1. 一対の電極が対向して配置された発光管内に希ガスが封入されたフラッシュランプにおいて、外周部が発光管の内周部に保持されて発光管の管内を閉塞するように設置された電極の外周部と発光管の内周部との間もしくは電極の内部に、ランプ点灯時に熱膨張する封入ガスの膨張圧によってその封入ガスの一部を電極の先端側から後端側へ流通させる気道が形成されると共に、該気道が、ランプ点灯時に電極の先端部から発生する平均粒径1〜100μmのスパッタ粒子を通過させ得る500μm以下の大きさを有した細隙で成り、電極の後端側に、前記気道を通じて封入ガスの膨張圧を吸収することにより前記スパッタ粒子を封入ガスと共に流入させ、そのスパッタ粒子を発光管の内壁に付着させて捕集するバッファ空間が形成され、該バッファ空間の容積が、発光管内における放電空間の容積に対して20%以上に選定されていることを特徴とするフラッシュランプ。
  2. 電極の外周部が、その外周部と発光管の内周部との間に前記気道を生じさせる形状に成形されている請求項1記載のフラッシュランプ。
  3. 発光管の内周部が、その内周部と電極の外周部との間に前記気道を生じさせる形状に成形されている請求項1記載のフラッシュランプ。
  4. 電極の外周部と発光管の内周部との間に、前記気道を生じさせる耐熱性材料が介装されている請求項1記載のフラッシュランプ。
  5. 陰極となる電極の基体が、高融点金属粉末を主成分とする粒径1〜100μmの紛体をプレスして焼結させた焼結体で形成されることによりその電極の内部に0.1〜500μm程度の大きさを有した細隙で成る前記気道が形成されている請求項1記載のフラッシュランプ。
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